JP5874939B2 - ニッケル含有水酸化物、ニッケル含有酸化物およびこれらの製造方法 - Google Patents
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こうした材料として検討されているものに、平均粒径数μmの一次粒子が凝集して二次粒子を構成しているニッケル水酸化物を用いて作成したリチウム複合ニッケル酸化物がある。
以上述べたように、未だ従来の球状リチウム複合ニッケル酸化物では得られないハイレート特性の更なる向上として全く形状の異なるリチウム複合ニッケル酸化物は提供されていない。
(式中Mは、Co、Alのうち少なくとも1種以上の元素を示す。)
(式中Mは、Co、Alのうち少なくとも1種以上の元素を示す。)
(1)平均粒径が3μm以下の単分散状態のニッケル含有水酸化物一次粒子およびその製造方法
本発明の、ニッケル含有水酸化物は一般式(1):NiM(OH)2で表され、式中のMは、Co、Alのうち少なくとも1種以上の元素を示すものであり、動的光散乱法測定による平均粒径が3μm以下、好ましくは1μm以上、2μm以下の単分散の一次粒子である。本発明のニッケル含有水酸化物の粒径を3μm以下とするのは、これを用いて得るリチウム複合ニッケル酸化物の粒径を3μm以下とするためである。
本発明のニッケル含有水酸化物の表面状態がこのように安定な理由は明確ではないが、下記する製造方法が特別な表面状態の形成に関わっているものと推定している。
用いうるアルカリ水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を単独、もしくは混合して用いることができるが、取り扱いやすさ、安価であることより水酸化ナトリウムが好ましい。
本発明のニッケル含有酸化物は一般式(2):NiMOで表され、式中のMは、Co、Alのうち少なくとも1種以上の元素を示すものであり、動的光散乱法測定による平均粒径が3μm以下、好ましくは1μm以上、2μm以下の単分散の一次粒子である。本発明のニッケル含有水酸化物の粒径を3μm以下とするのは、これを用いて得るリチウム複合ニッケル酸化物の粒径を3μm以下とするためである。
焙焼温度が300℃未満では酸化ニッケルのニッケル価数が安定せずその組成も安定していないため、特定の組成比を狙ったリチウムニッケル複合酸化物の合成が難しく、また900℃を越えると酸化ニッケルの結晶性が高くなりすぎて、リチウムニッケル複合酸化物に合成した際異相が発生するもしくは低結晶性の製品となる恐れがあるためである。
その製造方法
リチウム複合ニッケル酸化物は一般式:LiNiMO2で示され、式中Mは、Co、Alのうち少なくとも1種以上の元素を示す。そして、動的光散乱法測定による平均粒径が3μm以下の単分散の一次粒子である。これをリチウムイオン二次電池に用いると、単分散の一次粒子を充填することになり、間隙を有する二次粒子を充填する場合よりも充填密度を高くでき、かつ一次粒子間に間隙を持たせることができるため、リチウムイオンの移動も妨げられず、ハイレート特性が向上し、出力特性に優れた電池を得ることが出来る。
平均粒径を3μm以下、好ましくは1〜2μmとするのは、平均粒径が3μm以上では、リチウムイオン二次電池とした場合に、粒子が大きすぎて固相内拡散抵抗が高くなり、ハイレート条件下では期待する出力を得ることが出来なくなるためである。
平均粒径の測定は日機装株式会社製ナノトラック粒度分布測定装置「型式 UPA−EX150」を用いて測定し、単分散かどうかは、この値とSEM観察結果とを比較して確認した。
ハイレート放電特性については、下記の電池作製により製造したコインセルを用いて0.1C充電、2C放電を行った際の放電容量値と規定し、各例で測定した値(2C電池容量)を、後述する従来例の値を100とした相対値として求めた。
活物質粉末90wt%にアセチレンブラック5wt%およびPVDF(ポリ沸化ビニリデン)5wt%を混合し、NMP(n−メチルピロリドン)を加えペースト化した。これを20μm厚のアルミニウム箔に乾燥後の活物質重量が0.05g/cm2になるように塗布し、120℃で真空乾燥を行い、直径1cmの円板状に打ち抜いて正極とした。負極としてリチウム金属を、電解液には1モルのLiClO4を支持塩とするエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の等量混合溶液を用いた。ポリエチレンからなるセパレータに電解液を染み込ませ、露点が−80℃に管理されたAr雰囲気のグローブボックス中で、2032型のコイン電池を作成した。作成した電池は24時間程度放置し、OCVが安定した後カットオフ電圧4.3〜3.0Vで充放電試験を実施した。
次に、得られた粉末を水酸化リチウム一水和物とスパルタンリューザーにてLi/(Ni+Co+Al)モル比=1.02となるよう混合し、760℃で炭酸ガス吸着設備と乾燥設備を通した工業用酸素気流中で24時間焼成を行った。得られた焼成物を解砕後、網目50μmの超音波篩で分級して粗大ゴミを除去し、篩下を真空乾燥して製品であるリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.818Co0.149Al0.033O2で有り、平均粒子径は1.5μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は120であった。
次に、これを用いて実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.150Al0.029O2で有り、平均粒子径は0.6μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は126であった。
次に、これを用いて実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.150Al0.029O2で有り、平均粒子径は2.9μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は115であった。
次に、これを用いて実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.150Al0.029O2で有り、平均粒子径は1.4μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は122であった。
次に、これを用いて実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.150Al0.029O2で有り、平均粒子径は1.7μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は120であった。
次に、これを用いて実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.150Al0.029O2で有り、平均粒子径は0.9μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は125であった。
本例は反応温度が高い場合の比較例に相当するものである。
水酸化ナトリウムの量をニッケル含有水酸化物原料粉末1molに対して2.5molとし、反応槽の温度を220℃とし、保持時間を60分とした以外は実施例1と同様にして平均粒子径5.2μmで単分散のニッケル含有水酸化物を得た。
次に、これを用いて実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.820Co0.151Al0.029O2で有り、平均粒子径は5.1μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は98と低かった。
本例は保持時間が短い場合の比較例に相当するものである。
水酸化ナトリウムの量をニッケル含有水酸化物原料粉末1molに対して2.5molとし、反応槽の温度を140℃とし、保持時間を20分とした以外は実施例1と同様にして行ったが単分散とならず原料凝集塊が多く残るニッケル含有水酸化物を得た。
本例は保持時間が長い場合の比較例に相当するものである。
水酸化ナトリウムの量をニッケル含有水酸化物原料粉末1molに対して2.5molとし、反応槽の温度を140℃とし、保持時間を150分とした以外は実施例1と同様にして長径4μmの単分散の板状ニッケル含有水酸化物を得た。
次に、これを用いて実施例1と同様にしてリチウム複合ニッケル酸化物を製造した。得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.845Co0.155O2で有り、平均粒子径は1.6μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は128であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は120であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は121であった。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.150Al0.029O2で有り、平均粒子径は1.5μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は119であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は119であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は120であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は120であった。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.03Ni0.821Co0.151Al0.028O2で有り、平均粒子径は1.4μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は120であった。
ただし、本実施については合成するにあたり、組成の制御が非常に困難である。
得られたニッケル含有水酸化物を水酸化リチウム一水和物と混合する前に一度1000℃大気雰囲気にて焙焼しニッケル含有酸化物に変更した以外は全て実施例1と同様の方法にてリチウムニッケル複合酸化物を製造した。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.819Co0.149Al0.032O2で異相が確認でき、電池材料として用いることの出来ないものであった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は129であった。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.819Co0.149Al0.032O2で有り、平均粒子径は1.5μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は121であった。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.820Co0.150Al0.030O2で有り、平均粒子径は1.4μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は119であった。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.818Co0.151Al0.031O2で有り、平均粒子径は1.4μmで単分散状態であった。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求めたところ、2C電池容量(相対比)は118であった。
Ni0.82Co0.15Al0.03(OH)2の組成になるよう硫酸ニッケルと硫酸コバルトを混合した水溶液、アルミン酸ナトリウム水溶液、アンミン錯塩を形成させるアンモニア水、pH調整用に苛性ソーダ等を同時に反応槽中に滴下してニッケル含有水酸化物を得る従来の晶析法にてニッケル含有水酸化物を得た。反応温度は50℃とし、pHは11とし、滞留時間を8時間とした。得られたニッケル含有水酸化物の組成はNi0.82Co0.15Al0.03(OH)2で有り、一次粒子が凝集して2次粒子を構成している球状のニッケル含有水酸化物であった。
これを用いた以外は実施例1と同様にしてリチウムニッケル複合酸化物を製造した。
得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.821Co0.149Al0.030O2で有り、一次粒子が凝集して二次粒子を構成したものであり、二次粒子の平均粒子径は11.1μmとなっていた。
このリチウム複合ニッケル酸化物を用いて電池を作成し、電池容量を求め、この値を100とし、他実施例の良否判定基準とした。
Claims (7)
- 下記一般式(1)に示され、かつ単分散の一次粒子であり、動的光散乱法測定による平均粒径が0.6μm以上3μm以下であることを特徴とするニッケル含有水酸化物。
一般式(1):NiM(OH)2
(式中MはCo、Alのうち少なくとも1種以上の元素を示す。) - 下記一般式(2)に示され、かつ単分散の一次粒子であり、動的光散乱法測定による平均粒径が0.6μm以上3μm以下であることを特徴とするニッケル含有酸化物。
一般式(2):NiMO
(式中MはCo、Alのうち少なくとも1種以上の元素を示す。) - 前記一般式(1)に示される組成のニッケル塩溶液の加水分解により得られるニッケル含有水酸化物をアルカリ金属水酸化物水溶液に懸濁させ、攪拌しつつ、加熱して溶融状態として90〜180℃に30分以上2時間以下で溶融状態に保持し、次いで冷却し、水と接触させてアルカリ金属水酸化物を溶解してニッケル含有水酸化物を分離回収することを特徴とする請求項1記載のニッケル含有水酸化物の製造方法。
- 前記アルカリ金属水酸化物水溶液中のアルカリ金属水酸化物の量が、アルカリ金属水酸化物水溶液に添加されるニッケル含有水酸化物1mol当たりアルカリ金属水酸化物1mol以上とすることを特徴とする請求項3記載のニッケル含有水酸化物の製造方法。
- 前記アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムのうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項3又は4記載のニッケル含有水酸化物の製造方法。
- 請求項1記載のニッケル含有水酸化物を300〜900℃で焙焼することを特徴とする請求項2記載のニッケル含有酸化物の製造方法。
- 前記焙焼してニッケル含有酸化物を得るに際して、前記ニッケル含有水酸化物と、所望量の水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムの内の少なくとも1つとを混合して焙焼することを特徴とする請求項6記載のニッケル含有酸化物の製造方法。
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