JP5875446B2 - 酸化抑制組成物及び固形状経口剤若しくは固形状食品 - Google Patents
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Description
特に、医薬品、飲食品、健康食品、動物飼料等の材料成分には、主成分、副成分、少量の添加成分等として変質し易い成分が含有されている場合があり、積極的な変質防止の対策を講じなければならない場合がある。
また、味、匂い、色等が変わるといった「広義には別物質ができている可能性が高いが該別物質が極めて微量な場合」等がある。
また、食感、表面の感触、複数の「経口剤若しくは固形状食品」を密集させて静置したときのくっつきが抑制された性質である耐ブロッキング性;表面若しくは内部の外観;等が変わる(特に悪化する)といった物理的な変化が生じる場合もある。
しかしながら、十分にブロッキングを抑制するためには、上記したような「微粉末」や「表面で析出した結果微粉末となる物質」を大量に用いなくてはならない、工程数が増える、耐ブロッキング性が十分ではない等の問題点があった。
(A)ショウガ科植物の含有物
(B)融点が150℃以下であり、かつ、25℃の水100mLに対する溶解度が60g/100mL以上である、糖類若しくは糖アルコール類
(C)融点が160℃以上であり、かつ、25℃の水100mLに対する溶解度が30g/100mL以下である、糖類若しくは糖アルコール類
を含有することを特徴とする酸化抑制組成物を提供するものである。
特に、固形状経口剤、固形状食品、ゲル状若しくは半固形状食品、ソフトカプセル、ハードカプセル等の化学的又は物理的な変質を抑制する酸化抑制組成物を提供できる。
また、物理的変化とは、食感、表面の感触、複数の「経口剤若しくは固形状食品」を密集させて静置したときの互いのくっつきが抑制される性質である耐ブロッキング性;表面若しくは内部の外観;等が変わる(特に悪化する)場合がある。
また、該酸化抑制組成物を含有することによって、特に内容物である「不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステル」の酸化が抑制された「固形状経口剤若しくは固形状食品」を提供することができる。
更に、近年の精製技術の進歩により、種々の高級不飽和脂肪酸の含有率が高い(例えば70質量%以上の)もの、又は、それらのエステル類の「固形状経口剤又は固形状食品」内への含有が可能になったが、かかる機能性成分は、より一層酸化の影響を受け易い。
しかしながら、本発明の酸化抑制組成物を用いれば、酸化の影響を受け易い上記のような「不飽和脂肪酸の含有率が多い成分」であっても、十分に酸化を抑制できる。
本発明の酸化抑制組成物を配合すると、酸化を抑制すると同時に、「固形状経口剤又は固形状食品」の表面に、本発明の酸化抑制組成物の成分が析出し、耐ブロッキング性が改良される。
しかしながら、本発明における成分(C)を含有させた場合には、「固形状経口剤又は固形状食品」の調製時等に、該成分(C)が表面に微粉末として析出し易くなるので、ブロッキングが起こり難くなる(以下、ブロッキングが起こり難くなる性質を、「耐ブロッキング性」と略記する)。
(A)ショウガ科植物の含有物
(B)融点が150℃以下であり、かつ、25℃の水100mLに対する溶解度が60g/100mL以上である、糖類若しくは糖アルコール類
(C)融点が160℃以上であり、かつ、25℃の水100mLに対する溶解度が30g/100mL以下である、糖類若しくは糖アルコール類
を含有することを特徴とする。
本発明における成分(A)である「ショウガ科植物の含有物」とは、ショウガ科(Zingiberaceae)に属する植物に含有される成分をいう。ショウガ科植物は、ショウガ属(Zingiber)に属する植物が好ましく、ショウガ(Zingiber officinale)が特に好ましい。ショウガであれば、その品種、産地等は問わない。
含有部位は特に限定はないが根茎が好ましい。
成分(A)である「ショウガ科植物の含有物」には、ショウガ科植物(好ましくはショウガ科植物の根茎)を、粉末状にしたもの、すり潰したもの、ショウガ科植物(好ましくはショウガ科植物の根茎)から抽出したもの、該抽出物を乾燥させたもの等が含まれる。
ここで、「抽出物」には、搾って抽出したもの、及び、溶媒で抽出したものの両方が含まれる。
ショウガの根茎からの抽出物としては、6−ギンゲロールと6−ショーガオールが知られているが、「ショウガ科植物の含有物」に代えて、6−ギンゲロール及び/又は6−ショーガオールを用いて評価したところ、何れも前記した本発明の効果を示さなかった。
従って、本発明における「ショウガ科植物の含有物」に、6−ギンゲロール及び/又は6−ショーガオールが含有されることは排除されないが、本発明における「ショウガ科植物の含有物」は、6−ギンゲロールでも6−ショーガオールでもないものが効果を発揮していると考えられる。
更に、ショウガ科植物の含有物が存在すると、「固形状経口剤若しくは固形状食品」の調製時に、成分(C)が表面に析出してくる量や速度が上昇し、結果として、成分(C)の量が一定の場合であっても、極めて耐ブロッキング性に優れたものを調製することができる。
本発明における「糖類」とは、生物の内部に存在する「アルデヒド基又はケトン基を有する環状化合物」(以下、「単糖類」と略記する)、又は、それらが複数個、グリコシド結合によって結合した化合物(以下、「多糖類」)を言う。「多糖類」には「二糖」も含まれ、還元性はあってもなくてもよい。
本発明における「糖類」は、ヒトの体内で消化されるものであっても、消化されない又は消化され難いものであってもよく、甘いものであるか否かは問わない。
その場合も、成分(B)と成分(C)には重複部分がないから、少なくとも2種の「糖類若しくは糖アルコール類」が含有されることになる。
本発明における成分(B)は、「融点が150℃以下であり、かつ、25℃の水100mLに対する溶解度が60g/100mL以上である、糖類若しくは糖アルコール類」である。
以下、25℃の水100mLに対する溶解度を、単に「溶解度」と略記する場合がある。
融点が高すぎても低過ぎても、後述する成分(C)が微粉末として表面に析出することに影響し、また、成分(C)が表面に層形成することに影響し、本発明の上記効果を発揮できない場合がある。
成分(B)は可塑剤として機能するが、成分(B)の溶解度が低すぎると、可塑剤としての十分な量を配合できないことで、脆い「固形状経口剤又は固形状食品」しかできない場合がある。
本発明における成分(C)は、「融点が160℃以上であり、かつ、25℃の水100mLに対する溶解度が30g/100mL以下である、糖類若しくは糖アルコール類」である。
成分(C)の融点は160℃以上が必須であるが、180℃以上が好ましく、190℃以上がより好ましく、210℃以上が特に好ましい。
融点が低すぎると、固形状経口剤若しくは固形状食品を調製時に、その表面に微粉末として析出しても、耐ブロッキング性が劣る場合がある。
一方、成分(C)の融点が高すぎる場合も、本発明の上記効果を発揮できない場合がある。
溶解度が高すぎる場合は、成分(C)が、固形状経口剤若しくは固形状食品の表面に微粉末として析出し難い場合や析出しない場合があり、また、表面に層を形成し難い場合や層を形成しない場合があり、その結果、「ベタツキ」が抑制されなかったり、耐ブロッキング性に劣るものしかできなかったりする場合がある。
一方、溶解度が低すぎる場合も、本発明の上記効果を発揮できない場合がある。
成分(C)がシクリトール類であると、成分(A)、(B)と併用して、例えば不飽和脂肪酸類に対する酸化抑制作用が大きく、また、「固形状経口剤若しくは固形状食品」調製時に、表面に微粉末として析出し易く、耐ブロッキング性に優れたものが得られる。
イノシトールは、成分(A)及び(B)と併用されることによって、酸化抑制効果が顕著に発揮される。
本発明の酸化抑制組成物には、成分(A)、(B)及び(C)以外にその他の成分を含有させることができる。
「その他の成分」としては特に限定はなく、公知の酸化抑制剤、ショウガ科植物の含有物の分散剤等が挙げられる。
また、「固形状経口剤若しくは固形状食品」の主成分に、上記ショウガ科植物の含有物を分散させるために、分散剤を併用することも好ましい。
該分散剤としては特に限定はないが、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオール脂肪酸エステル(例えば、脂肪酸のグリセリンエステル)等の脂肪酸エステル;ダイズサポニン等のサポニン類;卵黄レシチン等のレシチンを主成分とするリン脂質及びレシチンのエステル結合を酵素により加水分解して得られるレゾレシチン;等が好ましい。
また、該分散剤は乳化分散剤であることが特に好ましい。
本発明は、上記の酸化抑制組成物を含有することを特徴とする固形状経口剤若しくは固形状食品、でもある。
また、本発明の酸化抑制組成物は、前記した通り、特に「不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステル」(不飽和脂肪酸類)の酸化抑制に効果的であるため、本発明は、不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステルを含有する上記の「固形状経口剤若しくは固形状食品」でもある。
本発明における「不飽和脂肪酸」は、高級脂肪酸であっても高級脂肪酸でなくてもよいが、高級脂肪酸であることが、機能性食品に多く含有されるため等の点から好ましい。本発明における「高級脂肪酸」とは、カルボキシル基の炭素を含め炭素数12個以上の脂肪酸を言う。
炭素間二重結合の数が少な過ぎると、酸化による変質の程度が減少するので、本発明の酸化を抑制する効果を十分に発揮できない場合がある。
炭素数12個以上の高級不飽和脂肪酸が好ましく、炭素数14個以上がより好ましく、炭素数16個〜24個が特に好ましく、炭素数18個〜22個が更に好ましい。炭素数がこの範囲であると、本発明の酸化を抑制する効果を十分に発揮できる。
上記3価アルコールとしては特に限定はないがグリセリンが好ましい。すなわち、「不飽和脂肪酸エステル」は、グリセリンエステルである「油脂類」が好ましい。油脂類は、天然に存在する機能性物質として種類が多いからである。
過酸化物価は、対象物が自動酸化して生成するヒドロペルオキシドの量を対象物1kg当たりのミリ当量で表したものであり、日本農林規格測定法に準じたヨウ素滴定法に従って測定する。
具体的には、対象物に、酸性でヨウ化カリウムを作用させ、遊離してくるヨウ素を、チオ硫酸ナトリウム溶液を用いて滴定法で求め、ヒドロペルオキシドのミリ当量に換算する。
なお、比色法等、他の方法で測定した値との相関を予めとっておいて、内挿によって求めてもよい。また、柴田科学器械工業株式会社製等の「POV分析キット」を用いてもよい。
「不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステル」として、DHAを50質量部、「成分(A)ショウガ科植物の含有物」として、ショウガエキスパウダーHI(日本粉末薬品株式会社社製)2.5質量部、成分(B)として、トレハロース(株式会社林原社製)22質量部、成分(C)として、イノシトール10質量部、サフラワー油12質量部、及び、分散剤として「ポエムJ−0381V」(理研ビタミン株式会社社製、グリセリン脂肪酸エステル)4質量部を撹拌溶解又は分散させて評価サンプルを調製した。それを、「サンプル01」とする。
「過酸化物価」は、日本農林規格測定法に準じたヨウ素滴定法に従って測定した。具体的には、前記した方法で測定した。
実験例1において、各成分の有無又は量を、表1に記載したように変化させた以外は、実験例1と同様にサンプル02〜12を得て、同様に過酸化物価の経時変化を測定して、耐酸化性を評価した。表1中の数値は質量部である。
「過酸化物価(POV)」は、前記した通り、日本農林規格測定法に準じたヨウ素滴定法に従って測定し、下記の「消費者団体による油菓子の実態調査での評価基準」に従って評価した。
結果を表2にまとめて示す。
(mg等量/kg)
0以上10未満:ほとんど酸化していない
10以上30未満:酸化が進みかけている
30以上40未満:酸化臭を感じはじめる
40以上50未満:食べない方がよい
50以上 :酸化がひどい。中毒の危険性がある。
成分(A)、(B)、(C)の何れか一つを除いたサンプルを調製した。成分(A)、(B)及び(C)の成分量の総和を、サンプル01、02に合わせて34.5質量部とし、含有されていない成分を除いて含有されている成分のみのそれぞれの成分の比率をサンプル01の各成分の比率に合わせて内容物を調製した。全ての内容物において、DHAは50質量部、サフラワー油は11.5質量部に統一して配合した。
<コラーゲン高含量グミカプセル>
成分(A)ショウガ科植物の含有物としてショウガエキスパウダーHI(日本粉末薬品株式会社社製)2.0質量部、成分(B)としてトレハロース(株式会社林原社製)22.6質量部、成分(C)としてイノシトール10.0質量部、DHA50.0質量部、グリセリン脂肪酸エステル(ポエムJ−0381V)(理研ビタミン株式会社社製、グリセリン脂肪酸エステル)4.0質量部、l−メントール0.08質量部、クエン酸1.3質量部、ネオテーム(ミラスイー200)0.8質量部、スクラロース0.2質量部、レモンフレーバー8.3質量部、グレープフルーツフレーバー0.7質量部の割合で秤量し、ホモミキサーで3000rpm、15分間混合撹拌後、真空脱泡してカプセル内容液(懸濁液)を得た。
上記で調製した「サンプル21」において、内容液からも、被膜溶液からも成分(B)のみを除いて「サンプル23」を調製した。
上記で調製した「サンプル21」において、内容液からも、被膜溶液からも成分(C)のみを除いて「サンプル24」を調製した。
サンプルビンにサンプル21、22、23、24を、それぞれ八分目まで入れ、50℃の恒温槽の中に入れ、3時間後、1日後、7日後に恒温槽から取り出し、室温に戻した後、サンプル同士のブロッキング状態を観察し、以下の基準で判定した。
△:サンプルにややベタツキがあり、サンプル同士がくっついて団子状になるが、軽く解すだけで個々のサンプルに離れる。
×:サンプルのベタツキが大きく、サンプル同士がくっついて団子状態となり、個々のサンプルに離すことができない。
実験例4で製造したサンプル21、22、23及び24を用い、「サンプルの耐酸化性」を評価した。
サンプルの耐酸化性は、実験例1と同様に過酸化物価の経時変化を測定することによって評価した。60℃で21日後、60℃で2ヶ月後を評価し、以下の基準で判定した。結果を以下の表4に示す。
◎:10(mg等量/kg)未満
○:10(mg等量/kg)以上20(mg等量/kg)未満
×:20(mg等量/kg)以上
<チョコレート含有グミキャンディー>
砂糖27.6質量部、水飴36.6質量部、カカオエキスパウダー3.8質量部、脱脂粉乳2.3質量部、乳化剤0.3質量部を混合し、100℃で加熱溶解させ、105℃でBrix82〜87.5まで煮詰めた糖液を得た。
次いで、90℃に温度を下げて、ゼラチン2.4質量部、チョコレート12.8質量部、成分(A)ショウガ科植物の含有物としてショウガエキスパウダーHI(日本粉末薬品株式会社社製)1質量部、成分(B)としてトレハロース(株式会社林原社製)30質量部、成分(C)としてイノシトール10質量部を添加し、全体が均一になるまで92℃で混合した。
更に、トレイ上で、温度20〜30℃、相対湿度30〜40%の作業環境下で、水分値9〜20%まで乾燥した。得られた評価サンプルを「サンプル25」とした。
砂糖27.6質量部、水飴36.6質量部、カカオエキスパウダー3.8質量部、脱脂粉乳2.3質量部、乳化剤0.3質量部を混合し、100℃で加熱溶解させ105℃でBrix82〜87.5まで煮詰めた糖液を得た。
乾燥固化した後、型から取り出し、15mm幅に断裁して、更に、トレイ上で、温度20〜30℃、相対湿度30〜40%の通常の作業環境下で、水分値9〜20%まで乾燥した。得られた評価サンプルを「サンプル26」とした。
それぞれのサンプルを40℃に保存し、3時間後、1日後、7日後にベタツキを観察して、以下の基準で判定した。
△:サンプルにややベタツキがある
×:サンプルに強いベタツキがある
温度によってベタツキが出易いチョコレートを含有し、かつ高糖度のゼリー菓子であっても、ベタツキが抑えられた。
実験例4において、成分(B)トレハロースに代えて同量のキシリトール(融点92〜96℃、25℃の水に対する溶解度10g/100mL)を用いた以外は実験例4と同様に評価サンプルを製造した。それを「サンプル31」とする。
また、実験例4において、成分(C)イノシトールに代えて同量のキシリトール(融点92〜96℃、25℃の水に対する溶解度10g/100mL)を用いた以外は実験例4と同様に評価サンプルを製造した。それを「サンプル32」とする。
Claims (5)
- 少なくとも、下記成分(A’)、成分(B’)及び成分(C’)
(A’)ショウガの根茎からの抽出物
(B’)トレハロース
(C’)イノシトール
を含有することを特徴とする酸化抑制組成物。 - 上記成分(A’)が、ショウガの根茎から、水/エタノールの混合溶媒で抽出され、溶媒が留去されて粉末化された状態のものである請求項1に記載の酸化抑制組成物。
- 請求項1又は請求項2に記載の酸化抑制組成物を含有することを特徴とする固形状経口剤若しくは固形状食品。
- 少なくとも、下記成分(A’)、成分(B)、成分(C)及び成分(D)
(A’)ショウガの根茎からの抽出物
(B)融点が150℃以下であり、かつ、25℃の水100mLに対する溶解度が60g/100mL以上である、糖類若しくは糖アルコール類
(C)融点が160℃以上であり、かつ、25℃の水100mLに対する溶解度が30g/100mL以下である、糖類若しくは糖アルコール類
(D)不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステル
を含有することを特徴とする固形状経口剤若しくは固形状食品。 - 上記固形状経口剤若しくは固形状食品が、錠剤、チュアブル錠、グミキャンディー、グミ、飴、チョコレート、チューインガム又は羊羹である請求項3又は請求項4に記載の固形状経口剤若しくは固形状食品。
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