JP5875952B2 - 農業機械用潤滑油組成物 - Google Patents
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鉱油系潤滑油基油としては、様々な製造法により得られたものが使用できるが、例えば、水素化精製油、触媒異性化油などに溶剤脱蝋または水素化脱蝋などの処理を施した、高度に精製されたパラフィン系鉱油等が好ましく使用される。また、上記以外にも様々な製造法により得られた鉱物系基油が使用でき、例えば、潤滑油原料をフェノール、フルフラールなどの芳香族抽出溶剤を用いた溶剤精製により得られるラフィネート、シリカ−アルミナを担体とするコバルト、モリブデンなどの水素化処理触媒を用いた水素化処理により得られる水素化処理油などが挙げられる。特に、水素化分解工程や異性化工程によって得られる高粘度指数鉱油が好適なものとして挙げることができる。
これらは、単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。また、カルシウムスルホネートとカルシウムフェネートを併用しても良い。
なお、カルシウム以外のアルカリ金属やアルカリ土類金属、例えばマグネシウム、バリウム、ナトリウムなどのスルホネートやフェネートも少量であれば、上記カルシウムスルホネートやカルシウムフェネートと混合使用しても差し支えないが、水混入時の安定性が良好でないため、本発明においてはカルシウム系以外のスルホネートを使用することは望ましくない。また、アルカリ金属やアルカリ土類金属のサリシレートも少量であれば混合使用できるが、これは水混入時の安定性が十分でないことから使用することは望ましくない。
R1、R2、R3及びR4のアルキル基は、第一級アルキル基、第二級アルキル基、又は第三級アルキル基のいずれでもよいが、第一級アルキル基又は第二級アルキル基が好ましい。特に、R1、R3及びR4のアルキル基は、第一級アルキル基が好ましく、R2のアルキル基は、第二級アルキル基が好ましい。
なお、R3及びR4のアルキル基の炭素数は同一であってもよいし、異なってもよいが、同一であることが好ましく、異なっている場合も、両者の炭素数の差は1〜4が好ましく、1〜2がより好ましい。
この(C)成分の添加量は、本発明の潤滑油組成物の全量に対して0.01〜1.0質量%であり、好ましくは0.05〜0.8質量%であり、より好ましくは0.1〜0.3質量%である。(C)成分の添加量が0.01質量%未満では水分離性及び湿式クラッチ部の静摩擦係数の向上効果が得られない。一方、(C)成分の添加量が1.0質量%を超えると酸化安定性が悪化するため好ましくない。
なお、摩擦調整剤はブレーキ鳴き防止のために配合すること好ましく、適度な静摩擦係数とするためには、0.1質量%〜2.0質量%の配合量とすることが好ましい。
油性剤としては、オレイン酸、ステアリン酸、高級アルコール、アミン、エステル、硫化油脂、酸性リン酸エステル、酸性亜リン酸エステルなどが挙げられる。
無灰型分散剤としてはポリアルケニルコハク酸イミド、ホウ素系イミドなどが挙げられる。
摩耗防止剤としては、硫黄化合物、リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性リン酸エステルやそのアミン塩などが挙げられる。極圧剤としては、炭化水素硫化物、硫化油脂、リン酸エステル、亜リン酸エステル、塩素化パラフィン、塩素化ジフェニルなどが挙げられる。
さび止め剤としては、カルボン酸やそのアミン塩、エステル、スルホン酸塩、ホウ素化合物などが挙げられる。
金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾール、チアジアゾール、アルケニルコハク酸エステルなどが挙げられる。粘度指数向上剤としては、ポリアルキルメタクリレート系、ポリイソブチレン系、エチレン−プロピレン共重合体系、スチレン−イソプレン共重合体系、スチレン−ブタジエン水添共重合体系、又はポリイソブチレン系などが挙げられる。
流動点降下剤としては、ポリアルキルメタクリレート系、塩素化パラフィン−ナフタレン縮合物、アルキル化ポリスチレンなどが挙げられる。消泡剤としては、ジメチルポリシロキサンなどのシリコーン化合物、フルオロシリコン化合物、エステル系などが挙げられる。
本発明の潤滑油組成物は、社団法人 自動車技術会の自動車規格JASO M348「自動変速機油摩擦特性試験方法」で定めたSAE No.2試験装置を用いて測定した、焼結摩擦材の静摩擦係数が0.110〜0.150であることが好ましく、0.120〜0.145であることが特に好ましい。
また、本発明の潤滑油組成物は、特に動粘度に制限ないが、低高温時の安定性や始動性を考慮すると100℃における動粘度が5〜15mm2/sであり、流動点が−20℃以下であることが好ましく、−40℃以下であることがより好ましい。
なお、動粘度はJIS K2283に従って測定し、粘度指数はJIS K2283に従って算出し、流動点はJIS K2269に従って測定した。
実施例および比較例では、基油と各成分を配合して、潤滑油組成物を調整し、それぞれの性能を評価した。各実施例及び各比較例において組成物の調製に用いた基油、添加剤成分は次の通りである。
・基油A:100℃の動粘度が5.7mm2/sで、粘度指数が108の高度精製鉱油系潤滑油基油
・基油B:100℃の動粘度が4.3mm2/sで、粘度指数が124の高度精製鉱油系潤滑油基油
基油A及び基油Bの配合比は基油Aが10〜20vol%の範囲である。
・CaスルホネートA(塩基価330)
一般式(2)の塩基性カルシウムスルホネートと一般式(3)の塩基性カルシウムスルホネートの混合物(天然系)で、JIS K2501の過塩素酸法によって測定される塩基価が330mgKOH/gで、Ca濃度が12質量%のカルシウムスルホネート。
・ZnDTP:一般式(5)におけるR9、R10、R11、及びR12が第一級かつ炭素数8のアルキル基であり、Zn濃度が8.9質量%であるジアルキルジチオリン酸亜鉛
・一般式(1)で示される構造で、R1が炭素数2の第一級アルキル基、R2が炭素数10の第二級アルキル基、R3及びR4が炭素数4の第一級アルキル基であるアスパラギン酸エステル誘導体
・重量平均分子量が14万のポリアルキルメタクリレート系粘度指数向上剤
〔5〕摩擦調整剤
・酸性リン酸エステルのアミン塩(2−エチルヘキシルアシッドホスフェイトのオレイルアミン塩)
・CaスルホネートをCa量で4.0質量%、ZnDTPをZn量で1.8質量%、及び摩擦調整剤を含有するパッケージ添加剤
(1)静摩擦係数試験
社団法人 自動車技術会の自動車規格JASO M348「自動変速機油摩擦特性試験方法」で定めたSAE No.2試験装置を用いて、焼結摩擦材の静摩擦係数を測定した。ここで静摩擦係数とは、押し荷重を加えた状態でフリクションディスクを0.7rpmで一定回転させた時に発生する摩擦トルクTから下記式(6)で算出される静摩擦係数値(μs)である。
T :摩擦トルク(Nm)
n :フリクションディスク枚数(=3)
re:平均摩擦有効半径(=58.6mm)
P :押し付け荷重(=0.817MPa)
A :摩擦面積(=6297mm2)
SAE Paper972788記載のフィルタビリティー評価で示される水混合法を実施した。具体的には、試験油に水分を混入、攪拌して168時間静置、遠心分離(1000×g、1時間)を行った後に、エマルション量を測定した。エマルション量が少ないほど(抗乳化性)に優れている。さらに、168時間静置後のサンプルを攪拌し、フィルター濾過を行った。濾過時間が短いほどフィルター閉塞を生じにくく優れている。
基油に、表1及び表2に掲げる各成分を各割合(質量%)で配合し、潤滑油組成物を調製した。表中、バランスとは、基油量は各添加剤の配合量を除いた量、という意味であり、2種類の基油A、Bを配合して全体量を100%にし、その配合割合を適宜調整することにより100℃動粘度を8.3〜8.8mm2/s、−40℃の低温粘度(石油学会試験法JPI
5S−26−99)を10000〜20000mPa・s内に、流動点を−45〜−50℃内に調製した。それらの組成物の各種性能を評価し、その結果を表1及び表2の中段に示す。
実施例1と比較例1を対比すると、実施例1はアスパラギン酸エステル誘導体を含み、比較例1はアスパラギン酸エステル誘導体を含まない点のみで異なっている。実施例1は、十分な静摩擦係数が得られており、静摩擦係数向上効果が認められるが、比較例1では、十分な静摩擦係数が得られていないことがわかる。なお、実施例1と比較例1では、エマルション量・ろ過性に差がないが、これはいずれも酸性リン酸エステルを含有することで十分にその性能が確保できているためと推測される。
実施例3は、実施例1に比べて、アスパラギン酸エステル誘導体の含有量を僅かに少なくし、酸性リン酸エステルアミン塩の含有量を多くした例であるが、静摩擦係数が僅かに小さくなっているが、十分な静摩擦係数が得られており、また、エマルション量・ろ過時間が僅かに小さくなっており、ろ過性が向上している。
比較例3では、塩基性カルシウムスルホネートを含有しないため、ろ過性は良好であるものの、実施例と比較して静摩擦係数が著しく低下していることがわかる。比較例4では、ZnDTPを含有しないため、実施例と比較して静摩擦係数が著しく低下していることがわかる。
Claims (1)
- 潤滑油基油と、(A)塩基性カルシウムスルホネート及び塩基性カルシウムフェネートから選ばれる1種類以上、(B)ジアルキルジチオリン酸亜鉛、(C)下記一般式(1)で表わされるアスパラギン酸エステル誘導体を含有し、前記塩基性カルシウムスルホネート及び塩基性カルシウムフェネートから選ばれる1種類以上の含有量が、該組成物の全量に対するカルシウム量換算で0.1〜0.7質量%であり、前記ジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量が、該組成物の全量に対する亜鉛量換算で0.05〜0.2質量%であり、一般式(1)で表わされるアスパラギン酸エステル誘導体の含有量が該組成物の全量に対して0.01〜1.0質量%であることを特徴とする変速機に湿式クラッチ機構を有する農業機械用の潤滑油組成物。
(式(1)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ炭素数が1〜30のアルキル基を示し、全て同じアルキル基であってもよいし、互いに異なるアルキル基であってもよい。)
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