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JP5877640B2 - 鎮痛化合物 - Google Patents
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JP5877640B2 - 鎮痛化合物 - Google Patents

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Description

いくつかの推定によれば、疼痛は、個々の人生のある時期において彼らの少なくとも30%に影響を及ぼし、これらの個人の10%から40%については、疼痛が数日持続する。
世界における慢性疼痛の発症率は、人口の7%から40%で変動する。慢性疼痛に罹患している個人の約50%から60%が、部分的または全体的に、一時的または恒久的に疼痛によって活動不能になる。
一般に、本開示は、疼痛の治療に有用な新規化合物(例えばペプチド)を特徴とする。該化合物は、慢性および急性疼痛両方の治療に有用である。ペプチドは、鎮痛剤および/または抗侵害受容剤として作用することができる。
いくつかの態様では、本開示は、アミノ酸配列:R1−R2−Ser−R4−R5−R6−R7−R8−Gly−R10−Ser−R12−Pro−R14(配列番号1)
(ここで、
R1は、ピログルタメートであり、
R2は、PheまたはTrpまたはTyrまたはLeuまたはThrであり、
R4は、ProまたはArgであり、
R5は、GlxまたはAsxまたはGlyであり、
R6は、AsnまたはGlnまたはLeuであり、
R7は、任意のアミノ酸であり、
R8は、Lysを除く任意のアミノ酸であり、
R10は、GlxまたはAsxであり、
R12は、GlxまたはLysであり、
R14は、任意のアミノ酸であり、
ただし、R7がCysである場合、R14はCysではなく、R14がCysである場合、R7はCysではない。)を含む単離ペプチドを提供する。
いくつかの実施形態では、R8はGlxである。いくつかの実施形態では、ペプチドは、対象に鎮痛または抗侵害受容作用をもたらすことができる。
いくつかの実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列:R1−R2−Ser−R4−R5−R6−R7−R8−Gly−R10−Ser−R12−Pro−R14(配列番号1)
(ここで、
R1は、ピログルタメートであり、
R2は、PheまたはTrpまたはTyrまたはLeuまたはThrであり、
R4は、ProまたはArgであり、
R5は、GlxまたはAsxまたはGlyであり、
R6は、AsnまたはGlnまたはLeuであり、
R7は、任意のアミノ酸であり、
R8は、Lysを除く任意のアミノ酸であり、
R10は、GlxまたはAsxであり、
R12は、GlxまたはLysであり、
R14は、任意のアミノ酸であり、
ただし、R7がCysである場合、R14はCysではなく、R14がCysである場合、R7はCysではない。)からなる。
いくつかの実施形態では、R8はGlxである。
いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列番号2:pGlu−Phe−Ser−Pro−Glu−Asn−Ala−Gln−Gly−Glu−Ser−Gln−Pro−Alaのアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列からなる。配列番号2からなるペプチドは、本明細書では「7A14Aペプチド」と呼ばれる。
いくつかの態様では、本開示は、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも70%(例えば、75%、80%、82%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)同一であるアミノ酸配列を含み、対象に鎮痛または抗侵害受容作用をもたらすことができる単離ペプチドを提供する。
いくつかの態様では、本開示は、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも70%(例えば、75%、80%、82%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)同一であり、配列番号3または配列番号5ではないアミノ酸配列を含む、対象に鎮痛または抗侵害受容作用をもたらすことができる単離ペプチドを提供する。
アミノ酸配列pGlu−Phe−Ser−Pro−Glu−Asn−Cys−Gln−Gly−Glu−Ser−Gln−Pro−Cys(配列番号3)からなるペプチドは、本明細書では「ENPAKペプチド」と呼ばれる。アミノ酸配列pGlu−Phe−Ser−Pro−Glu−Asn−Cys−Gln−Gly−Glu−Ser−Lys−Pro−Cys(配列番号5)からなるペプチドは、本明細書では「ENPAK類似体」と呼ばれる。
いくつかの態様では、本開示は、R7およびR14アミノ酸が分子内のジスルフィド架橋によって連結していない配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも70%(例えば、75%、80%、82%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)同一であるアミノ酸配列を含む、対象に鎮痛または抗侵害受容作用をもたらすことができる単離ペプチドを提供する。
いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも70%(例えば、75%、80%、82%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)同一であるアミノ酸配列からなる。
いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも70%(例えば、75%、80%、82%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)同一のアミノ酸配列からなり、該ペプチドは、配列番号3または配列番号5ではない。
いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも70%(例えば、75%、80%、82%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)同一であり、R7およびR14アミノ酸が分子内のジスルフィド架橋によって連結していないアミノ酸配列からなる。
いくつかの態様では、本開示は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個のアミノ酸置換、付加または欠失によって配列番号2または配列番号3または配列番号5のアミノ酸配列とは異なっているアミノ酸配列を含む、対象に鎮痛または抗侵害受容作用をもたらすことができる単離ペプチドを提供する。
いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、1、2、3、4、5、6または7個の保存的アミノ酸置換によって配列番号2または配列番号3または配列番号5のアミノ酸配列とは異なっている。
いくつかの実施形態では、ペプチドは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個のアミノ酸置換、付加または欠失によって配列番号2または配列番号3または配列番号5のアミノ酸配列とは異なっているアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、1、2、3、4、5、6または7個の保存的アミノ酸置換によって配列番号2または配列番号3または配列番号5のアミノ酸配列とは異なっている。
別の態様では、本開示は、本明細書に記載のペプチドを(例えば、1つ以上の薬学的に許容できる賦形剤と組み合わせて)含む医薬組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列番号1または配列番号2のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列番号1または配列番号2のアミノ酸配列からなる。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口剤形(例えば、錠剤、カプセル、カプレット、丸薬、粉末、ドロップ、懸濁液、溶液、ペースト、ゲル)である。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経腸、非経口または局所投与に合わせて製剤される。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経腸(例えば経口)投与に合わせて製剤される。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、非経口(例えば、静脈注射もしくは注入(IV)、動脈注射、皮下注射(SC)、腹腔内(IP)、心腔内注射、骨内注入、皮内注射、腹腔内注入もしくは注射、硝子体内注射、筋肉内注射、くも膜下腔内注射、関節内注射、または硬膜外)投与に合わせて製剤される。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、局所投与に合わせて製剤される。
別の態様では、本開示は、対象の疼痛を治療または予防する方法を提供する。該方法は、本明細書に記載の医薬組成物(例えば、本明細書に記載のペプチドを含有する医薬組成物)を対象に投与するステップを含む。
いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列番号1または配列番号2のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列番号1または配列番号2のアミノ酸配列からなる。
いくつかの実施形態では、疼痛は急性または慢性である。
いくつかの実施形態では、疼痛は侵害受容性である。
いくつかの実施形態では、疼痛は、体性、内臓性または神経障害性である。
いくつかの実施形態では、疼痛は癌性疼痛である。
いくつかの実施形態では、疼痛は、新形成に伴う痛み、線維筋痛、歯痛、月経困難症、腎臓痛、月経痛、胆道痛、関節痛、関節炎、眼内高血圧、関節鏡検査後の痛み、腹腔鏡検査後婦人科の痛み、経皮的腎結石摘出によって生じる痛み、根治的恥骨後前立腺摘出後の痛み、開胸術後の痛み、扁桃摘出後の痛み、子宮切除後の痛み、帝王切開後の痛み、ならびに火傷、コカイン依存症、オピオイド依存症、細胞増殖、小細胞肺癌、鬱病、精神病、炎症、腫瘍性血管形成に関連する状態、外傷、冠状動脈虚血疾患、パーキンソン病、ジスキネジー、肝性脳症、認知的疾患、アルツハイマー病、肝性胆汁鬱滞に起因する掻痒および婦人の高インスリン血症に関連する疼痛からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、疼痛は、三叉神経痛、交感神経性ジストロフィー、ヘルペス後神経痛、幻肢痛、脳血管障害後および糖尿病性神経障害からなる群から選択される神経障害性疼痛である。
いくつかの実施形態では、疼痛は関節炎であり、例えば関節炎は、リウマチ性関節炎または変形性関節炎である。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、疼痛の別の治療(例えば、本明細書に記載の別の治療)と組み合わせて投与される。
いくつかの態様では、本開示は、対象に抗侵害受容作用をもたらす方法を提供する。該方法は、本明細書に記載の医薬組成物(例えば、本明細書に記載のペプチドを含有する医薬組成物)を対象に投与するステップを含む。
いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列番号1または配列番号2のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列番号1または配列番号2のアミノ酸配列からなる。
いくつかの実施形態では、ペプチドは、オピオイド受容体(例えば、κまたはδオピオイド受容体)に作用する。
いくつかの実施形態では、ペプチドは、オピオイド受容体に直接的に作用する。
他の実施形態では、ペプチドは、オピオイド受容体に間接的に作用する。
いくつかの実施形態では、ペプチドは、オピオイド受容体アゴニストまたは部分的アゴニストである。生理的受容体に結合し、内因性制御力のある化合物の作用を模倣する薬物(例えばペプチド、例えば本明細書に記載のペプチド)は、アゴニストと呼ばれる。アゴニストと部分的にのみ同様に有効な薬物は、部分的アゴニストと呼ばれる。
いくつかの実施形態では、抗侵害受容作用は、最大で1、2、3、4、5、6、7または8日まで持続する。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、抗侵害受容作用をもたらすことができる別の治療(例えば本明細書に記載の別の治療)と組み合わせて投与される。
別の態様では、本開示は、配列番号1または配列番号2を含有するペプチドの生成方法を提供する。該方法は、ペプチドの化学合成を含む。
いくつかの実施形態では、化学合成は固相合成を含む。
別の態様では、本開示は、配列番号1(または配列番号2)のアミノ酸配列を含むもしくはそれからなるペプチドをコードするDNA配列を含有する組換えDNA分子、またはその相補的な鎖を提供する。
別の態様では、本開示は、配列番号1(または配列番号2)のアミノ酸配列を含むまたはそれからなるペプチドをコードするDNA配列を含有するベクターで形質転換した原核生物または真核生物宿主細胞を提供する。
別の態様では、本開示は、配列番号1(または配列番号2)のアミノ酸配列を含有するまたはそれからなるペプチドの生成方法を提供する。該方法は、本明細書に記載の原核生物または真核生物宿主細胞を、例えば本明細書に包含されるDNA配列の発現を可能にする(または誘発する)条件下で培養するステップを含む。
いくつかの実施形態では、該方法はさらに、細胞または細胞培地からペプチドを精製するステップを含む。
いくつかの態様では、本開示は、アミノ酸配列pGlu−Phe−Ser−Pro−Glu−Asn−Cys−Gln−Gly−Glu−Ser−Gln−Pro−Cys(配列番号3)を含む、それから本質的になる、またはそれからなる単離ペプチドを提供し、ここで2つのCys残基の間では分子内ジスルフィド架橋は形成されない。
いくつかの態様では、本開示は、例えば1つ以上の薬学的に許容できる賦形剤と共に、配列番号3のペプチドを含む、それから本質的になる、またはそれからなる医薬組成物を提供し、ここで2つのCys残基の間では分子内ジスルフィド架橋は形成されない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口剤形(例えば、錠剤、カプセル、カプレット、丸薬、粉末、ドロップ、懸濁液、溶液、ペースト、ゲル)である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経腸、非経口または局所投与に合わせて製剤される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経腸(例えば経口)投与に合わせて製剤される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、非経口(例えば、静脈注射もしくは注入(IV)、動脈注射、皮下注射(SC)、腹腔内(IP)、心腔内注射、骨内注入、皮内注射、腹腔内注入もしくは注射、硝子体内注射、筋肉内注射、くも膜下腔内注射、関節内注射、または硬膜外)投与に合わせて製剤される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、局所投与に合わせて製剤される。
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3のペプチドを含む、それから本質的になる、またはそれからなる医薬組成物を投与するステップを含む、対象の疼痛を治療または予防する方法を特徴とし、ここで2つのCys残基の間では分子内ジスルフィド架橋は形成されない。いくつかの実施形態では、疼痛は急性疼痛である。いくつかの実施形態では、疼痛は慢性疼痛である。いくつかの実施形態では、疼痛は、癌関連疼痛、神経障害性疼痛、新生物関連疼痛、線維筋痛、歯痛、月経困難症、腎性、月経痛、胆道痛、関節痛、関節炎、眼内高血圧、関節鏡検査後の痛み、腹腔鏡検査後婦人科の痛み、経皮的腎結石摘出によって生じる痛み、根治的恥骨後前立腺摘出後の痛み、開胸術後の痛み、小児対象における扁桃摘出後の痛み、子宮摘出後の疼痛、帝王切開後の痛み、ならびに火傷、コカイン依存症、オピオイド依存症、細胞増殖、小細胞肺癌、鬱病、精神病、炎症、腫瘍性血管形成に伴う状態、外傷、冠状動脈虚血疾患、パーキンソン病、ジスキネジー、肝性脳症、認知的疾患、アルツハイマー病、肝性胆汁鬱滞に起因する掻痒および婦人の高インスリン血症に関連する疼痛からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、疼痛は、三叉神経痛、交感神経性ジストロフィー、ヘルペス後神経痛、幻肢痛、脳血管障害後および糖尿病性神経障害からなる群から選択される神経障害性疼痛である。いくつかの実施形態では、関節炎は、リウマチ性関節炎または変形性関節炎である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、疼痛の別の治療(例えば本明細書に記載の別の治療)と組み合わせて投与される。
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3のペプチドを含む、それから本質的になる、またはそれからなる医薬組成物を投与するステップを含む、対象に抗侵害受容作用をもたらす方法を特徴とし、ここで2つのCys残基の間では分子内ジスルフィド架橋は形成されない。いくつかの実施形態では、ペプチドは、オピオイド受容体(例えば、κまたはδオピオイド受容体)に作用する。いくつかの実施形態では、ペプチドは、オピオイド受容体に直接的に作用する。いくつかの実施形態では、ペプチドはオピオイド受容体に間接的に作用する。いくつかの実施形態では、ペプチドは、オピオイド受容体アゴニストまたは部分的アゴニストである。いくつかの実施形態では、抗侵害受容作用は、最大で1、2、3、4、5、6、7または8日まで持続する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、抗侵害受容作用をもたらすことができる別の治療(例えば本明細書に記載の別の治療)と組み合わせて投与される。
別の態様では、本開示は、配列番号3を含有するペプチドの生成方法を提供し、ここで2つのCys残基の間では分子内ジスルフィド架橋は形成されない。該方法は、ペプチドの化学合成を含む。
いくつかの実施形態では、化学合成は固相合成を含む。
別の態様では、本開示は、配列番号3のアミノ酸配列を含むもしくはそれからなるペプチドをコードするDNA配列を含有する組換えDNA分子、またはその相補的な鎖を提供し、ここで2つのCys残基の間では分子内ジスルフィド架橋は形成されない。
別の態様では、本開示は、配列番号3のアミノ酸配列を含むまたはそれからなるペプチドをコードするDNA配列を含有するベクターで形質転換した原核生物または真核生物宿主細胞を提供し、ここで2つのCys残基の間では分子内ジスルフィド架橋は形成されない。別の態様では、本開示は、配列番号3のアミノ酸配列を含有するまたはそれからなるペプチドの生成方法を提供し、ここで2つのCys残基の間では分子内ジスルフィド架橋は形成されない。該方法は、本明細書に記載の原核生物または真核生物宿主細胞を、例えば本明細書に包含されるDNA配列の発現を可能にする(または誘発する)条件下で培養するステップを含む。
いくつかの実施形態では、該方法はさらに、細胞または細胞培地からペプチドを精製するステップを含む。
いくつかの態様では、本開示は、アミノ酸配列:R1−R2−Ser−R4−R5−R6−Cys−R8−Gly−R10−Ser−R12−Pro−Cys(配列番号4)
(ここで、
R1は、ピログルタメートであり、
R2は、PheまたはTrpまたはTyrまたはLeuまたはThrであり、
R4は、ProまたはArgであり、
R5は、GlxまたはAsxまたはGlyであり、
R6は、AsnまたはGlnまたはLeuであり、
R8は、Lysを除く任意のアミノ酸であり、
R10は、GlxまたはAsxであり、
R12は、GlxまたはLysであり、
ここで位置R7およびR14における2つのCys残基の間では分子内ジスルフィド架橋は形成されず、ただしアミノ酸配列は配列番号3以外のものである。)を含む単離ペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、ペプチドは、対象に鎮痛または抗侵害受容作用をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、R8はGlxである。
いくつかの実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列:R1−R2−Ser−R4−R5−R6−Cys−R8−Gly−R10−Ser−R12−Pro−Cys(配列番号4)からなり、ここで、
R1は、ピログルタメートであり、
R2は、PheまたはTrpまたはTyrまたはLeuまたはThrであり、
R4は、ProまたはArgであり、
R5は、GlxまたはAsxまたはGlyであり、
R6は、AsnまたはGlnまたはLeuであり、
R8は、Lysを除く任意のアミノ酸であり、
R10は、GlxまたはAsxであり、
R12は、GlxまたはLysであり、
ここで位置R7およびR14における2つのCys残基の間では分子内ジスルフィド架橋は形成されず、ただしアミノ酸配列は配列番号3以外のものである。いくつかの実施形態では、ペプチドは、対象に鎮痛または抗侵害受容作用をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、R8はGlxである。
いくつかの態様では、本開示は、例えば1つ以上の薬学的に許容できる賦形剤と共に、配列番号4のペプチドを含む、それから本質的になる、またはそれからなる医薬組成物を提供し、ここで位置R7およびR14における2つのCys残基の間では分子内ジスルフィド架橋は形成されず、ただしアミノ酸配列は配列番号3以外のものである。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口剤形(例えば、錠剤、カプセル、カプレット、丸薬、粉末、ドロップ、懸濁液、溶液、ペースト、ゲル)である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経腸、非経口または局所投与に合わせて製剤される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経腸(例えば経口)投与に合わせて製剤される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、非経口(例えば、静脈注射もしくは注入(IV)、動脈注射、皮下注射(SC)、腹腔内(IP)、心腔内注射、骨内注入、皮内注射、腹腔内注入もしくは注射、硝子体内注射、筋肉内注射、くも膜下腔内注射、関節内注射、または硬膜外)投与に合わせて製剤される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、局所投与に合わせて製剤される。
いくつかの態様では、本開示は、配列番号4のペプチドを含む、それから本質的になる、またはそれからなる医薬組成物を投与するステップを含む、対象の疼痛を治療または予防する方法を特徴とし、ここで位置R7およびR14における2つのCys残基の間では分子内ジスルフィド架橋は形成されず、ただしアミノ酸配列は配列番号3以外のものである。いくつかの実施形態では、疼痛は急性疼痛である。いくつかの実施形態では、疼痛は慢性疼痛である。いくつかの実施形態では、疼痛は、癌関連疼痛、神経障害性疼痛、新形成に伴う痛み、線維筋痛、歯痛、月経困難症、腎性、月経痛、胆道痛、関節痛、関節炎、眼内高血圧、関節鏡検査後の痛み、腹腔鏡検査後婦人科の痛み、経皮的腎結石摘出によって生じる痛み、根治的恥骨後前立腺摘出後の痛み、開胸術後の痛み、小児対象における扁桃摘出後の痛み、子宮切除後の痛み、帝王切開後の痛み、ならびに火傷、コカイン依存症、オピオイド依存症、細胞増殖、小細胞肺癌、鬱病、精神病、炎症、腫瘍性血管形成に伴う状態、外傷、冠状動脈虚血疾患、パーキンソン病、ジスキネジー、肝性脳症、認知的疾患、アルツハイマー病、肝性胆汁鬱滞に起因する掻痒および婦人の高インスリン血症に関連する疼痛からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、疼痛は、三叉神経痛、交感神経性ジストロフィー、ヘルペス後神経痛、幻肢痛、脳血管障害後および糖尿病性神経障害からなる群から選択される神経障害性疼痛である。いくつかの実施形態では、関節炎は、リウマチ性関節炎または変形性関節炎である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、疼痛の別の治療(例えば本明細書に記載の別の治療)と組み合わせて投与される。
いくつかの態様では、本開示は、配列番号4のペプチドを含む、それから本質的になる、またはそれからなる医薬組成物を投与するステップを含む、対象に抗侵害受容作用をもたらす方法を特徴とし、ここで位置R7およびR14における2つのCys残基の間では分子内ジスルフィド架橋は形成されず、ただしアミノ酸配列は配列番号3以外のものである。いくつかの実施形態では、ペプチドは、オピオイド受容体(例えば、κまたはδオピオイド受容体)に作用する。いくつかの実施形態では、ペプチドは、オピオイド受容体に直接的に作用する。いくつかの実施形態では、ペプチドは、オピオイド受容体に間接的に作用する。いくつかの実施形態では、ペプチドは、オピオイド受容体アゴニストまたは部分的アゴニストである。いくつかの実施形態では、抗侵害受容作用は、最大で1、2、3、4、5、6、7または8日まで持続する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、抗侵害受容作用をもたらすことができる別の治療(例えば、本明細書に記載の別の治療)と組み合わせて投与される。
別の態様では、本開示は、配列番号4のペプチドを含有するペプチドの生成方法を提供し、ここで位置R7およびR14における2つのCys残基の間では分子内ジスルフィド架橋は形成されず、ただしアミノ酸配列は配列番号3以外のものである。該方法は、ペプチドの化学合成を含む。
いくつかの実施形態では、化学合成は固相合成を含む。
別の態様では、本開示は、配列番号4のアミノ酸配列を含むもしくはそれからなるペプチドをコードするDNA配列を含有する組換えDNA分子、またはその相補的な鎖を提供し、ここで位置R7およびR14における2つのCys残基の間では分子内ジスルフィド架橋は形成されず、ただしアミノ酸配列は配列番号3以外のものである。
別の態様では、本開示は、配列番号4のアミノ酸配列を含むまたはそれからなるペプチドをコードするDNA配列を含有するベクターで形質転換した原核生物または真核生物宿主細胞を提供し、ここで位置R7およびR14における2つのCys残基の間では分子内ジスルフィド架橋は形成されず、ただしアミノ酸配列は配列番号3以外のものである。
別の態様では、本開示は、配列番号4のアミノ酸配列を含有するまたはそれからなるペプチドの生成方法を提供し、ここで位置R7およびR14における2つのCys残基の間では分子内ジスルフィド架橋は形成されず、ただしアミノ酸配列は配列番号3以外のものである。該方法は、本明細書に記載の原核生物または真核生物宿主細胞を、例えば本明細書に包含されるDNA配列の発現を可能にする(または誘発する)条件下で培養するステップを含む。
いくつかの実施形態では、該方法はさらに、細胞または細胞培地からペプチドを精製するステップを含む。
いくつかの態様では、本開示は、治療に使用するための本明細書に記載の化合物(例えば、本明細書に記載のペプチド、例えば医薬組成物、例えば本明細書に記載の医薬組成物として)を提供する。
別の態様では、本開示は、対象(例えば哺乳動物、例えばヒト)の疼痛を治療する医薬品の調製のための、本明細書に記載の化合物(例えば、本明細書に記載のペプチド、例えば医薬組成物、例えば本明細書に記載の医薬組成物として)の使用を記載する。
本明細書に記載のペプチド(例えば医薬組成物、例えば本明細書に記載の医薬組成物として)の鎮痛効果は、例えば、約2、4、8、12、16、20、24、28、32、36、40、44、48、52、56、60、64、68、72、76、80、84、88、92、96、100、104、108、112、116、120、124、128、132、136、140、144、148、152、156、160、164、168、172、176、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220、224、228、232、236、240、244、248、252、256、260、264、268、272、276、280、284、288、292、296、300時間持続することができる。例えば鎮痛効果は、最大で約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13もしくは14日までまたはそれ以上持続することができる。
「鎮痛効果」という用語は、鎮痛、例えば疼痛刺激(例えば疼痛)がたとえ知覚されていても、それらがもはや痛みを伴わない神経学的または薬理学的状態をもたらす能力を指す。
本明細書に記載のペプチド(例えば医薬組成物、例えば本明細書に記載の医薬組成物として)の抗侵害受容作用は、例えば、約2、4、8、12、16、20、24、28、32、36、40、44、48、52、56、60、64、68、72、76、80、84、88、92、96、100、104、108、112、116、120、124、128、132、136、140、144、148、152、156、160、164、168、172、176、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220、224、228、232、236、240、244、248、252、256、260、264、268、272、276、280、284、288、292、296、300時間持続することができる。例えば、抗侵害受容作用は、最大で約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13もしくは14日までまたはそれ以上持続することができる。
「抗侵害受容作用」という用語は、侵害受容器の活性後の疼痛のシグナル伝達を遮断することを指す。
「治療する」という用語は、療法(例えば、本明細書に記載のペプチド、例えば医薬組成物、例えば本明細書に記載の医薬組成物として)を、障害(例えば疼痛)に関連する状態、症候もしくはパラメータを改善もしくは予防し、障害(障害(例えば癌)もしくはイベント(例えば外科手術または事故)によって引き起こされる疼痛を含む)の開始、進行もしくは悪化を予防し、または対象が受けた疼痛の知覚(例えば不快)を、統計的に有意な度合まで、もしくは当業者に検出可能な度合まで低減するのに有効な量、方法および/または方式で投与することを指す。対象の治療には、疼痛の管理が含まれる。したがって治療は、治療上および/または予防上の利益を達成することができる。効果的な量、方法または方式は、対象によって変わり得、対象に合わせて調整され得る。
引用した全ての特許、特許出願および参考文献は、全体として参照により本明細書に組み込む。不一致の場合には、本願によって制御される。
本発明の1つ以上の実施形態の詳細を、添付の図および以下の説明に示す。本発明の他の特徴、目的および利点は、説明および図から、また特許請求の範囲から明らかになるはずである。
生理食塩水または7A14Aペプチドで処理した痛覚過敏症モデルのラットの疼痛閾値を示す棒グラフである。MI:処理前の疼痛閾値、MF:処理の投与後の疼痛閾値。痛覚感受性の評価のために、ラットの足の圧力試験を利用した。足を引き下げるのに必要な力(グラム)で表される疼痛限界を、プロスタグランジンE(100ng/足)の足底内注射前(初期測定)および3時間後(最終測定)に決定した。ペプチド(5μg/kg)または生理食塩水(対照群)を、有害薬剤の直前に経口投与した。データは、各群5匹の動物の平均±e.p.m.を表す。p<0.05は初期測定値との比較により、**p<0.05は対照群との比較に関する。 ラットの痛覚過敏症モデルにおいて、7A14Aペプチドによってもたらされる抗侵害受容作用の期間を示す線グラフである。痛覚感受性の評価のために、ラットの足の圧力試験を利用した。足を引き下げるのに必要な力(グラム)で表される疼痛限界を、合成ペプチド(5μg/kg)または生理食塩水(対照群)を用いる経口処理の前(時間0)ならびに3、120および192時間後(最終測定)に決定した。痛覚過敏薬剤として利用したプロスタグランジン(100ng/足)を、各最終測定の3時間前に注射した。データは、各群6匹の動物の平均±e.p.m.を表す。p<0.05は対照群との比較に関する。 生理食塩水または7A14Aペプチドで処理した痛覚過敏症モデルのラットの疼痛閾値を示す棒グラフである。7A14Aペプチドを希釈し、次いで希釈の0、30、40、60または90日後にモデルで試験した。痛覚感受性の評価のために、ラットの足の圧力試験を利用した。足を引き下げるのに必要な力(グラム)で表される疼痛限界を、プロスタグランジンE(100ng/足)の足底内注射の3時間後に決定した。使用時に希釈した、または希釈の30、40、60もしくは90dias(日)後のペプチド(5μg/kg)、またはsalina(生理食塩水)(対照群)を、有害薬剤の直前に経口投与した。データは、各群5匹の動物の平均±e.p.m.を表す。p<0.05は初期測定値との比較に関し、**p<0.05は対象群との比較に関する。 生理食塩水または7A14Aペプチドで処理したラットの痛覚過敏症モデルにおける疼痛閾値を示す棒グラフである。神経障害性疼痛を誘発するために、Bennett&Xie(1988年)に記載の方法に従って外科手術を実施して、坐骨神経を慢性的に収縮させた。痛覚過敏症の評価のために、ラットの足の圧力試験を利用した(Analgesy−Meter Ugo Basile(登録商標)、イタリア;Randall&Sellito(1957年)。動物に、salina(生理食塩水)(対照)またはsem ponte(ペプチド7A14A(1μg/kg))を経口処理した。足の圧力試験は、処理前(最初の測定)、生理食塩水またはペプチドの経口投与の14dia(日)目、ならびに24、48、72および96時間後に適用した。 マウスの内臓疼痛モデルにおいてENPAKおよび7A14Aペプチドによってもたらされる抗侵害受容作用を示す棒グラフである。 マウスの内臓疼痛モデルにおいてENPAKおよび7A14Aペプチドによってもたらされる抗侵害受容作用を示す棒グラフである。
概要
本開示は、疼痛、例えば急性または慢性疼痛の治療に有用な新規ペプチドを特徴とする。ペプチドは、痛覚感受性を低減し、鎮痛効果を有することができる。いくつかの実施形態では、ペプチドは抗侵害受容作用を有する。ペプチドは、例えばオピオイド受容体を活性化することによって鎮痛を誘発する。ペプチドは、長期にわたる鎮痛および/または抗侵害受容作用をもたらすことができる。本明細書では、かかるペプチドを(例えば疼痛の治療のために)使用する方法、かかるペプチドの生成方法、ならびにかかるペプチドを含有するキットおよび組成物も記載される。
疼痛および侵害受容
国際疼痛学会(IASP)は、疼痛を「我々が主に組織損傷と関連付け、またはかかる損傷に関して説明する、またはその両方である不快感および感情的な経験」と定義している。この定義は、疼痛が感覚、感情および認知の組合せの現象であり、患者が疼痛を経験するのに身体的な病変が存在する必要がないことを認めるものである。概念的には疼痛は、3つの階層レベル:感覚差別的成分(例えば、位置、強度、質)、動機付け−感情の成分(例えば鬱病、不安症)および認知評価による成分(例えば、疼痛の原因および重要性に関する思索)から構成されるものと考えることができる。疼痛の知覚は、知覚ニューロン系(侵害受容器)および潜在的に有害な、組織に障害を与える刺激に特異的に応答する求心性神経経路によって支持される。これらの経路の活動は、非侵害受容性病態生理(例えば、異常な神経系処理)または心理的要因によって影響を受け得る。
疼痛は、根本的な疾患もしくは障害の症候、または状態それ自体であり得る。疼痛は、一般に急性および慢性の2種類に分けることができる。急性および慢性疼痛の間の区別は、その知覚の期間ではなく、疼痛自体の性質に基づく。主な区別は、急性疼痛は損傷後の人を保護する働きをするが、慢性疼痛にはこの目的または任意の他の目的を果たす働きがないことである。急性疼痛は疼痛の症候であり、慢性疼痛は疼痛の疾患である。
急性疼痛は、大部分は疾患、炎症または組織への損傷から生じる。この種類の疼痛は一般に、例えば外傷または外科手術後に急に生じ、不安または感情的な苦痛が伴い得る。急性疼痛の原因は、通常は診断され治療されるが、疼痛は自己限定的であることが多く、即ち所与の期間および重篤度に限定される。ある場合、その疼痛は慢性になり得る。
慢性疼痛は、それ自体障害であると広く考えられている。慢性疼痛は、環境および心理的要素によって悪化し得る。慢性疼痛は、急性疼痛よりも長期にわたって持続し、多くの医療処置に対して耐性があり得る。
臨床的な特徴に基づいて、疼痛を維持する主な種類の機序について推測することができる。広く推測されている病態生理学に基づく分類によって、疼痛の症候は、侵害受容性、神経障害性、心因性、その混合または特発性に分けられる。
侵害受容性疼痛の機序:臨床的に疼痛は、疼痛が侵害受容器への刺激およびその後の組織損傷を生じる過程による知覚神経線維の活性化に関連していると推測され得る場合に、「侵害受容性である」と分類することができる。侵害受容性疼痛は、有害刺激による侵害受容系の正常な活性化を伴う。侵害受容は、変換、伝達、知覚および修飾の4つの過程からなる。
正常な体性感覚処理は、組織の損傷および付随する炎症によって活性化される求心系間の相互反応を伴う。一次求心系は、侵害受容器(A−δおよびC−線維)、脊髄の後角、上行神経経路、ならびに視床および他の特殊な脳構造におけるシグナル処理を含む。末梢侵害受容器は、一次求心性侵害受容性(知覚)ニューロンの軽度に有髄化した(A−δ線維)末端または無髄の(C線維)末端である。末梢侵害受容器は、様々な反応特性を有し、皮膚、筋肉、関節およびいくつかの内臓組織に見ることができる。
侵害受容過程は、有害刺激に反応して、末梢侵害受容器における変換(脱分極)により開始する。伝達は、これらの刺激が一次求心性侵害受容性軸索に沿って脊髄に進み、次いでそれより高次中枢に進む過程である。インパルスが脳に到達する場合のみ、それらが疼痛として知的認識される。これが知覚である。
疼痛の最終的な知覚は、複数レベルの神経系におけるこの求心系およびその修飾の両方の活性に依存する。疼痛の修飾は、内因性オピオイド作動系および他の疼痛修飾系の活性によって決定される。オピオイド作動系では、鎮痛は、内因性オピオイド化合物の、オピオイド受容体、主にμ、δおよびκオピオイド受容体との結合によって仲介される。内因性オピオイドは広く分布しており、恒常性、ストレスへの反応および疼痛を制御することが知られている系と密接に関連している。この複雑な系では、セロトニンおよびノルエピネフリンなどの他の神経伝達物質も、内因性疼痛の修飾系としての役割を担っている。
侵害受容性疼痛は、急性(一時的、寛解)または持続性(長期性、慢性)であり得、主に体性組織または内臓組織への損傷を伴い得る。体性一次求心性の活性化による疼痛は体痛と呼ばれ、一般に限局性であり、疼くような(aching)、絞るような(squeezing)、突き刺すような(stabbing)または拍動的である(throbbing)と言われる。関節炎および転移性骨痛は、体痛の例である。内臓の求心性受容体の刺激から生じる疼痛は、内臓痛と呼ばれる。管腔臓器の閉塞によって生じる内臓痛は、あまり限局性ではなく(殆どの内臓は、侵害受容器を含有しないため)、様々な強度の日々のパターンで、しばしば痙攣するような(cramping)および絶え間ない鈍痛(gnawing)と言われる。臓器の被膜(capsule)が関連する場合、疼痛は、鋭く、刺すようなまたは拍動的であると言われることがあり、体痛に関連するものと類似の記述である。
侵害受容性疼痛は、急性または慢性炎症を含み得る。炎症の生理は複雑である。炎症および/または免疫細胞によって開放され、あるいは侵害受容器の血漿成分によって生成される炎症性メディエーターの活性に加えて、C多モード侵害受容器からの物質の逆行性放出も含まれ得る。この「神経性炎症」は、物質Pならびにセロトニン、ヒスタミン、アセチルコリンおよびブラジキニンとして公知の内因性疼痛促進化学物質の放出を含む。これらの物質は、他の侵害受容器を活性化し増感する。損傷部位で生成されたプロスタグランジンは、有害刺激の閾値を低減することによって、炎症に対する侵害受容性反応をさらに増強するように作用する。侵害受容刺激での慢性炎症は、持続性疼痛の発生源となり得る。
疼痛の例:多数の疼痛の例および疼痛の原因がある。それらの例には、出産疼痛、心臓発作の疼痛、外科手術に伴うまたはその後の疼痛、四肢の切断後の疼痛、癌に伴う疼痛、ならびに頭部および脊髄損傷に関連するものなどの重篤な外傷後の疼痛が含まれる。それに限定されるものではないが、他の例および原因には、以下が含まれる。
くも膜炎:くも膜と呼ばれる、脳および脊髄を覆う3つの膜の1つが炎症を起こす状態。感染症または外傷を含むいくつかの原因が、この膜の炎症をもたらし得る。くも膜炎は、生活に支障を来たす進行性の、さらには恒久的な疼痛をもたらし得る。
関節炎、例えば変形性関節炎、リウマチ性関節炎、強直性脊椎炎および痛風などの関節炎状態。これらの障害は、四肢の関節炎を特徴とする。
腱炎および滑液包炎を含む身体の軟組織に影響を与える炎症性疾患。
背痛:特に腰背部の、人の身体的障害の一般的な原因。背痛には、脚に拡大する坐骨神経痛が含まれる。別の一般的な種類の背痛は、脊椎の椎間板に関連する。椎間板は、衝撃を吸収することによって脊椎を保護しているが、それらは経時的に縮退する傾向があり、時に破裂することがある。脊椎すべり症は、1つの椎骨が、別のものよりも伸長し、神経への圧力を生じ、したがって疼痛を生じる場合に生じる背中の状態である。神経根への損傷(神経根障害)は、重篤な状態であり、極度に痛みを伴い得る。
火傷による痛み:例えば、第1、第2または第3度火傷に関連する。外傷が治癒した後でさえ、対象は火傷部位に慢性疼痛を有することがある。
癌性疼痛:この疼痛は、腫瘍の増殖または癌もしくは腫瘍の転移、癌の治療または身体への癌の恒久的作用に関係する慢性的な問題を伴い得る。
頭痛:片頭痛、群発頭痛および緊張性頭痛などの慢性頭痛を含む。片頭痛は拍動痛を特徴とし、時に嘔吐および視覚障害などの他の症候を特徴とする。ストレスは、片頭痛性頭痛を誘発することがあり、片頭痛はまた、患者を卒中の危険性に曝し得る。群発頭痛は、頭部のある一部の非常に激しい刺すような痛みを特徴とする。緊張性頭痛は、しばしば頭部にきつく巻かれたバンドと言われる。
頭部および顔面痛は苦痛となり得、例えば歯の問題から、または顔面、頭部もしくは首の神経の1つが炎症を起こす頭蓋神経痛などの障害から生じ得る。三叉神経痛は、脳神経の最大部に影響を及ぼし、突き刺すような、射たれるような(shooting)疼痛を特徴とする。
筋肉の疼痛は、筋肉痛、痙攣または筋違いから、麻痺を伴う重篤な痙性にまで及び得る。生活に支障を来たす別の症候は、疲労、剛性、関節の圧痛および広範な筋肉痛を特徴とする障害である線維筋痛である。多発性筋炎、皮膚筋炎および封入体筋炎は、筋肉の炎症を特徴とする疼痛障害である。これらは、感染症または自己免疫機能障害によって引き起こされることがあり、時に、狼瘡およびリウマチ性関節炎などの結合組織障害に関連する。
筋筋膜疼痛症候群は、身体の筋肉内に位置する誘発点として公知の敏感な領域に影響を及ぼす。線維筋痛は、筋筋膜疼痛症候群の一種である。
神経障害性疼痛は、末梢または中枢神経系いずれかの神経への損傷から生じ得る疼痛の一種である。神経障害性疼痛は、身体の任意の部分で生じ得、しばしば熱く燃えるような知覚と言われる。神経障害性疼痛は、神経に影響を及ぼす疾患(糖尿病など)から、もしくは外傷から生じ得、または化学療法薬物が神経に影響を及ぼし得るような癌治療の結果であり得る。多くの神経障害性疼痛状態の中でも、三叉神経痛、糖尿病性神経障害(糖尿病と共に生じる血管の問題に続発する神経損傷から生じる);損傷後に生じ得る反射性交感神経性ジストロフィー症候群;四肢の外科手術による除去から生じ得る幻肢および切断後の疼痛;帯状疱疹の発症後に生じ得るヘルペス後神経痛;ならびに脳または脊髄への外傷から生じ得る中心性疼痛症候群がある。
反射性交感神経性ジストロフィー症候群またはRSDSは、燃えるような疼痛および温度ヘの過敏性を伴う。RSDSは、しばしば外傷または神経損傷によって誘発され、RSDSは、罹患領域の皮膚を特徴的につやつやにする。近年RSDSは、複合性局所疼痛症候群(CRPS)と呼ばれるようになり、過去にはしばしば灼熱痛と呼ばれた。
反復性ストレス損傷:通常作業または他の日々の活動の間に行われる反復動作から生じる筋肉の状態。それらには、音楽家および作家等に影響を及ぼす書痙、手首の過剰外延化によって生じる手根管症候群を含む圧迫性神経障害またはエントラップメント神経障害、ならびに1つ以上の腱に影響を及ぼす腱炎または腱滑膜炎が含まれる。
坐骨神経痛:脊髄から分岐し、続いて大腿、脚、膝および足に下りていく主な神経である坐骨神経への圧力によって生じる疼痛状態。坐骨神経痛は、臀部の疼痛を特徴とし、いくつかの因子によって生じ得る。労作、肥満および悪い姿勢の全てが、坐骨神経への圧力を生じ得る。坐骨神経痛の一般的な一原因は、椎間板ヘルニアである。
帯状疱疹および他の疼痛障害は、皮膚に影響を及ぼす。その疼痛は、発疹を含む多くの皮膚障害の一般的な症候である。帯状疱疹(herpes zoster)は、治療に耐性のある、苦痛を生じ得る感染症である。抗ウィルス剤による迅速な治療は、感染症を阻止するのに重要であり、それが長引く場合、ヘルペス後神経痛として公知の関連状態をもたらし得る。皮膚に影響を及ぼす他の疼痛障害には、脈管炎または血管炎;単純ヘルペスを含む他の感染症;皮膚の腫瘍および嚢胞、ならびに神経遺伝障害である神経線維腫症に関連する腫瘍が含まれる。
捻挫、筋違い、打撲、脱臼および骨折などのスポーツによる損傷は、疼痛を生じ得る。極端な場合、スポーツによる損傷は、費用がかかり、疼痛脊髄および頭部損傷の形態をとり得る。
脊髄狭窄:脊髄を取り囲む管の狭窄。この状態は、加齢に伴って自然に生じ得る。脊髄狭窄は、人が起立している際に通常感じる脚の衰弱および脚の疼痛を生じ、座ることによってしばしば緩和される。
外科手術による疼痛:外科手術は、処置後の不快感を制御するために、処置および/または投薬中に局所または全身麻酔を必要とし得る。
顎関節症:顎関節(顎)が損傷を受け、および/または咀嚼し、会話するために使用する筋肉がストレスを受ける状態。この状態は、顎への損傷または関節のずれなどのいくつかの因子の結果であり得、様々な症候、最も一般的には顎、顔面および/または首の筋肉の疼痛を生じ得る。
外傷:例えば、家庭内、仕事場、スポーツ活動中または道路等での損傷後に生じ得る。これらの損傷のいずれも、重篤な身体障害および軽度のまたは重篤な疼痛をもたらし得る。脊髄に損傷を受けた幾人かの対象は、チクチクするようなものから燃えるようなものまで、またはその両方の激痛を経験する。かかる対象は、高温および低温および接触に対して敏感になり得る。接触は、灼熱と知覚され得るが、これは脳に中継され脳から送られる異常なシグナルを示す。この状態は、中心性疼痛症候群と呼ばれ、またはその損傷が視床(身体感覚の処理のための脳中枢)にある場合、視床疼痛症候群と呼ばれる。それは対象に、多発性硬化症、パーキンソン病、四肢の切断、脊髄損傷または卒中の影響を与え得る。
脈管炎または血管炎、冠動脈疾患および循環障害などの血管疾患または損傷:血管痛は、何百万人ものアメリカ人に影響を及ぼし、血管と神経の間の伝達が妨害される場合に生じる。血管の破裂、攣縮、狭窄または閉塞、ならびに臓器、組織または四肢への血液供給が断たれる虚血も、疼痛をもたらし得る。血管疾患に関連する疼痛には、脳血管障害(例えば卒中)後も含まれる。
本明細書に記載の化合物および方法によって治療することができる疼痛の他の例には、交感神経性ジストロフィー、新形成に伴う痛み、歯痛、月経困難症、腎性、月経痛または胆道痛、関節痛、眼内高血圧、関節鏡検査後の痛み、腹腔鏡検査後婦人科の痛み、経皮的腎結石摘出によって生じる痛み、根治的恥骨後前立腺摘出後の痛み、開胸術後の痛み、小児対象における扁桃摘出後の痛み、子宮切除後の痛み、帝王切開後の痛み、コカインまたはオピオイド依存症または離脱、細胞増殖、小細胞肺癌、鬱病および精神病、炎症、血管新生活性の増大による状態、外傷、冠状動脈虚血疾患、パーキンソン病およびジスキネジー、肝性脳症、認知的疾患、アルツハイマー病によって生じる疼痛、掻痒、例えば多嚢胞性卵巣の女性の肝性胆汁鬱滞または高インスリン血症による掻痒が含まれる。
疼痛の発生源
疼痛の経験は、発生源および侵害受容器(もしあれば)の関与に従って分類することができる。
皮膚疼痛は、皮膚または表面組織への損傷によって引き起こされる。皮膚の侵害受容器は、皮膚の真下で終了し、高濃度の神経終末により、十分に定義された短期間の限局痛をもたらす。皮膚疼痛をもたらす損傷の例には、紙による切り傷、小さな切り傷、小さな(第1度)火傷および裂傷が含まれる。
体痛は、靭帯、腱、骨、血管および神経それら自体から生じる。それは体性侵害受容器で検出される。これらの領域の疼痛受容体の不足は、皮膚疼痛よりも長期の、鈍くあまり限局的ではない疼痛をもたらす。それらの例には、捻挫および骨折が含まれる。
内臓痛は、身体の内臓または臓器から生じる。内臓の侵害受容器は、身体の臓器および内部空洞内に位置する。これらの領域の侵害受容器のさらなる不足は、通常、体痛よりも疼くような長期の疼痛をもたらす。内臓痛は局限することが過度に困難であり、内臓組織へのいくつかの損傷は、「関連」痛を示し、その感覚は、損傷部位に完全には関係しない領域に限局される。心筋虚血(心筋組織の一部への血流の喪失)は、おそらく最も知られた関連痛の例であり、その感覚は、制限される感じとして、または左肩、腕、さらには手の疼きとして胸郭上部に生じ得る。関連痛は、内臓の受容体に疼痛を与え、また皮膚組織によって刺激される脊髄ニューロンを刺激するという知見によって説明され得る。脳は普通、これらの脊髄ニューロンの発火と、皮膚または筋肉の体性組織の刺激とを関連付けるので、内臓から生じる疼痛シグナルは、皮膚から生じるものとして脳によって解釈される。
幻肢痛は、喪失した、または人がもはや物理的シグナルを受け取らない四肢からの疼痛の感覚である。
神経障害性疼痛(神経痛としても公知)は、末梢または中枢神経系(CNS)の感覚軸索の直接的な損傷または機能不全から生じると推測される疼痛症候群に適用される名称である。これらの変化は、神経または非神経組織への損傷によって生じ得る。神経障害性疼痛は、進行中の組織損傷に影響を受けるが、疼痛を持続させる基本的な機序は、最初の損傷または傷害とは無関係であると想定されている。疼痛は、電撃性であることもあり、またはそうでないこともある。神経障害性疼痛症候群は、関連痛、異痛症(非有害刺激、例えば軽い接触によって誘発される疼痛)、痛覚過敏症(有害刺激への増加反応)または痛覚過敏(刺激が止まった後も持続する疼痛の感覚を伴う、疼痛刺激に対する過剰反応)に関連し得る。
末梢で発生する神経障害性疼痛として生じ得る、神経生理学的および神経細胞学的変化のいくつかが理解されている。末梢神経軸索への損傷は、損傷後数週から数カ月における異常な神経再生をもたらし得る。損傷を受けた軸索は、多数の神経発芽を成長させ得るが、そのいくつかは神経腫を形成する。神経腫を形成するものを含むこれらの神経発芽は、自発運動を発生することができ、それは損傷後数週間、最大強度になる。正常な軸索とは異なり、これらの構造は、圧痛およびチネル徴候の出現(即ち、領域をたたくまたは操作する場合の、疼くような感覚または「チクチクする」感覚)に臨床的に関連する身体的な膨張に対してより敏感である。一定期間後、神経損傷領域の神経発芽間または脱髄軸索間に、異型のつながりが生じることがあり、体性または交感神経遠心性神経と侵害受容器の間の「クロストーク」を可能にする。後根線維は、末梢神経への損傷後に発芽することもできる。
侵害受容器
侵害受容器は、後根神経節の脊柱の外にそれらの細胞体を有する自由神経終末である。機械的、熱的および化学的侵害受容器が存在する。それらは、皮膚内ならびに骨膜および関節面などの内部表面上に見られる。深い内部表面は、疼痛受容体をわずかしか供給されず、これらの領域に組織損傷が生じる場合には、慢性的な疼くような疼痛の感覚を伝えることになる。
侵害受容器の2つの主な種類、AδおよびC侵害受容器は、速い疼痛および遅い疼痛をそれぞれ仲介する。細い有髄種のAδ線維は、鋭く刺すような急性疼痛と言われることがある速い疼痛を仲介し、機械的および熱的疼痛(Aδ機械感覚性侵害受容器およびAδ機械熱的(mechanothermal)侵害受容器それぞれによって仲介される)を含む。より遅い無髄種のC疼痛線維によって仲介される遅い疼痛は、疼くような、拍動的な、燃えるような疼痛である。熱的、機械的および化学的刺激に応答する多モード侵害受容器は、C侵害受容器の一種である。化学的疼痛は、遅い疼痛の一例である。侵害受容器は、刺激に順応しない。いくつかの状態では、疼痛線維への刺激は、疼痛刺激が持続するにつれて大きくなり、痛覚過敏症に至る。
中枢神経系の侵害受容シグナルの伝達:中枢神経系の侵害受容の伝達のための2つの経路、新脊髄視床(neospinothalamic)路(速い疼痛のため)および旧脊髄視床(paleospinothalamic)路(遅い疼痛のため)が存在する。
速い疼痛は、種類Aδ線維を介して伝わって、脊髄の後角の第I層(lamina marginalis)上で終わる。次いで、新脊髄視床路の二次ニューロンが出発し、灰白交連の正中線を横断し、対側の前外側柱を上方に通過する長い線維を生じる。次いでこれらの線維は、視床の網様体、視床腹側基底核(VBC)上で終わる。ここから三次ニューロンが体性感覚皮質と連絡する。
遅い疼痛は、より遅い種類C線維を介して、膠様質として公知のものと一緒に後角の第IIおよび第III層に伝わる。二次ニューロンが出発し、やはり後角の第V層で終わる。次いで、三次ニューロンが速い経路からの線維に加わり、灰白交連を介して逆側に交差し、前外側経路を介して上行する。これらのニューロンは、広く脳幹において終わり、線維の10分の1は視床で停止し、残りは髄質、中脳の橋および蓋、中脳水道周囲灰白質で停止する。
侵害受容の影響:侵害受容器が刺激される場合、それらは脊髄の感覚ニューロンを介してシグナルを伝達する。これらのニューロンは、1つのニューロンから別のニューロンにシグナルを中継する主な刺激性(exicitory)神経伝達物質であるグルタミン酸を放出する。
シグナルが、脳幹の網様体、視床に送られる場合、疼痛は、鈍くあまり限局的でない方式で意識に入る。シグナルは、疼痛が限局的なものとして経験され、より特異的な質を有する場合、視床から大脳の体性感覚皮質に伝わることができる。
疼痛の診断
疼痛を測定するための完全に正確な方法はない。時に、頭痛の場合などでは、診断の最高の一助となるのは、疼痛の種類、期間および位置についての対象自身の説明である。
疼痛の原因を同定するために、いくつかの技術を使用することができる。その例には、以下が含まれる。
電気診断手順は、筋電図検査法(EMG)、神経伝導検査および誘発電位(EP)検査を含む。EMGからの情報は、どの筋肉または神経が衰弱しているまたは疼痛に罹患しているかを正確に同定することができる。細い針を筋肉内に挿入し、医師がEMG機械で表示される電気的シグナルを見、または聞くことができる。神経伝導検査を用いる場合、2組の電極(心電図中に使用されるものと類似)を筋肉の上の皮膚上に置く。第1の組は、対象に、その筋肉に走る神経を刺激する穏やかなショックを与える。電極の第2の組は、神経の電気的シグナルを記録するために使用され、この情報から、神経損傷の存在を決定することができる。EP検査はまた、神経を刺激するための1組(これらの電極は四肢に接続される)と、脳への神経シグナル伝達の速度を記録するための頭皮上の別の1組の2組の電極を伴う。
画像化、特に磁気共鳴画像法(MRI)は、身体の構造および組織の画像を提供する。MRIは、磁場および電波を使用して、健康な組織と疾患組織を識別する。
運動、反射、感覚、平衡および強調を試験する神経学的検査。
X線を使用して、例えば骨および関節を評価することもできる。
鎮痛
内因性鎮痛系は、やはり脊髄後角に位置している侵害受容伝達ニューロンを阻害する作用をする、中脳中心灰白質(中脳における)、大縫線核(髄質内)および脊髄の後角内の侵害受容阻害性ニューロンの3つの主な成分によって仲介される。
非侵害受容作用は、オピオイド受容体によって仲介され得る。いくつかの異なる種類のオピオイド受容体は、内因性オピオイドペプチドの結合に応答して活性化する。体内の様々な領域に存在するこれらの受容体は、普通なら侵害受容器活性によって刺激されてそうなるはずのニューロンの発火を阻害する。したがって、オピオイド受容体の活性化(例えば本明細書に記載のペプチドを用いる)は、非侵害受容および鎮痛効果をもたらすことができる。
オピオイド受容体は、リガンドとしてのオピオイドとのGタンパク質結合受容体である。内因性オピオイドは、ダイノルフィン、エンケファリンおよびエンドルフィンである。オピオイド受容体の3つの主なサブタイプ、μ(ミュー)、κ(カッパ)およびδ(デルタ)が存在する。オーファンオピオイド受容体(ORL1)が同定されている。いくつかの受容体サブタイプ(μ1、μ2;κ1、κ2、κ3;δ1、δ2)は、ヒトの組織において同定されている。
μ受容体:μオピオイド受容体は、細胞型に応じて、シナプス前またはシナプス後のいずれかに存在することができる。μ受容体は、中脳中心灰白領域および脊髄の浅後角において主にシナプス前に存在する。μ受容体が位置している他の領域には、大脳皮質のいくつかの層および扁桃体の核のいくつかにおける嗅球の外網状層、側坐核が含まれる。データは、炎症細胞および末梢神経終末を含む末梢におけるμオピオイド受容体の存在も示している。μ受容体は、エンケファリンおよびβエンドルフィンに対して高い親和性を有するが、ダイノルフィンに対しては親和性が低い。オピオイドアルカロイドモルヒネおよびコデインは、μ受容体に結合する。モルヒネなどのアゴニストによるμ受容体の活性化は、鎮痛、鎮静、血圧低下、掻痒、吐き気、陶酔、呼吸数低下、縮瞳(瞳孔収縮)およびしばしば便秘をもたらす腸管運動の低下を生じる。鎮静、陶酔および呼吸数の低下などの、これらの作用のいくつかは、継続使用に伴い耐性が生じるにつれて消失する傾向がある。鎮痛効果への耐性も観測されている。縮瞳および腸管運動の低下は持続する傾向があり、耐性はこれらの作用に対して殆ど生じない。耐性は、主にこれらの作用が異なるμ受容体サブタイプの活性化によって生じることから、異なる作用に対して様々な率で生じる。μ1受容体の刺激は疼痛を遮断し、μ2受容体の刺激は、呼吸抑制および便秘を生じる。
κ受容体:κオピオイド受容体も鎮痛と関連するが、その活性化は、著しい吐き気および不快をもたらす。κリガンドはまた、それらの抗利尿ホルモン(ADH)の負の調節による、それらの特徴的な利尿作用で知られている。κアゴニズムは、それ自体低酸素症/虚血に対して神経保護作用があり、κ受容体は、新規治療標的となり得る。κ受容体の内因性リガンドは、ダイノルフィンである。κ受容体は、末梢、感覚ニューロン、脊髄および脳内に位置する。κアゴニストは、精神異常作用をもたらし得る。ケトシクラゾシンとして公知の薬物が、κ受容体に結合する。
δ受容体:δオピオイド受容体の活性化も鎮痛をもたらす。いくつかの研究は、それらが発作にも関係し得ることを示唆している。δ受容体の内因性リガンドは、エンケファリンである。δ受容体を活性化する外因性リガンドは、「虚血プレコンディショニング」として公知の現象を模倣することができる。実験的に、短期の一過性虚血が誘発される場合、下流組織は、次いで血液供給の恒久的な遮断が生じる場合に確実に保護される。δ活性を有するアヘン剤およびオピオイドは、この作用を模倣する。ラットモデルでは、δ活性リガンドの導入は、著しい心臓保護をもたらす。
鎮痛剤(例えば、本明細書に記載のペプチド)は、疼痛の侵害受容機序に作用することによって、鎮痛効果をもたらすことができる。例えば、本明細書に記載のペプチドは、オピオイド受容体、特にκおよび/またはδオピオイド受容体の活性化によって仲介される鎮痛効果を誘発し、抗侵害受容作用(および鎮痛効果)をもたらすことができる。
疼痛治療
疼痛治療の目標(例えば管理)は、機能を改善して、対象が仕事をし、通学し、他の日々の活動に参加できるようにし、苦痛を軽減し、および/または疼痛に罹患している人の生活の質を改善することである。数々の治療が利用可能である。その例には:
本明細書に記載のペプチド(例えば、鎮痛性および非侵害受容性ペプチド)が含まれる。ペプチドの1つまたは組合せ(例えば、本明細書に記載のペプチドの複数)を使用して、疼痛を治療することができる。
処方用量の製剤として店頭で購入でき、またはコデインと組み合わせて製剤され得るアセトアミノフェン。
身体上の正確な点に針を適用することを含む鍼治療。
例えば、アスピリン、パラセタモール(アセトアミノフェン)およびイブプロフェンなどの大部分の鎮痛剤、ならびに本明細書に列挙するさらなる薬剤を含むクラスの薬物である鎮痛剤。他の例には、サリチル酸塩などの非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、COX2阻害剤、モルヒネなどの麻酔薬物、トラマドール、アセトアミノフェン(タイレノール)、コデイン(タイレノール#2、3、4)、ダルボセット(Darvocet)(プロポキシフェン/アセトアミノフェン)、ダルフォン(Darvon)(プロポキシフェン)、デュラゲシク(Duragesic)(フェンタニルパッチ)、ヒドロモルフォン(パラドン(Palladone)、ジラウジッド(Dilaudid))、モルヒネ(MSContin、オラモルフ(Oramorph))、オキシコドン(オキシコンチン、ロキシコドン(Roxicodone))、パーコセット(Percocet)(オキシコドン/アセトアミノフェン)、ペルコダン(Percodan)(オキシコドン/アスピリン)、タルウィン(Talwin)NX(ペンタゾシン/ナロキソン)、ウルトラセット(Ultracet)(トラマドール/アセトアミノフェン)、ウルトラム(Ultram)(トラマドール)およびバイコディン(Vicodin)(ヒドロコドン/アセトアミノフェン)などの、麻酔特性を有する合成薬物が含まれる。
抗痙攣剤は、発作障害の治療に使用され、時に疼痛の治療に製剤することもできる。特に、カルバマゼピンは、三叉神経痛を含むいくつかの疼痛状態を治療するために使用される。別の抗てんかん薬であるガバペンチンは、特に神経障害性疼痛の治療として、その疼痛緩和特性について研究されている。
抗鬱剤は、時に疼痛の治療のために使用され、神経弛緩薬およびリチウムと共に向精神薬として分類される。さらに、ベンゾジアゼピンと呼ばれる抗不安薬物も筋弛緩剤として作用し、時に疼痛緩和剤として使用される。
抗片頭痛薬には、トリプタン−スマトリプタン(IMITREX(登録商標))、ナラトリプタン(AMERGE(登録商標))およびゾルミトリプタン(ZOMIG(登録商標))が含まれ、特に片頭痛性の頭痛に使用される。
アスピリンは、最も広く使用されている疼痛緩和剤であり得、1905年以来、中でも発熱、頭痛および筋肉痛の治療剤として店頭販売されている。
バイオフィードバックは、多くの一般的な疼痛の問題、最も顕著には頭痛および背痛の治療に使用される。特別な電子機械を使用することにより、対象は、筋肉の緊張、心拍数および皮膚温度を含むいくつかの身体機能を認識し、追求し、制御するように訓練される。次いで対象は、例えば緩和技術を使用することによって疼痛への彼らの応答に変化をもたらすことを学ぶことができる。同様に、疼痛治療における緩和技術の使用は、対象の幸福感を増大することができる。
カプサイシンは、疼痛緩和クリームの主成分でもある唐辛子に見られる化学物質である。
化学的髄核融解術は、物質を椎間板周囲に溶解し、したがって圧力および疼痛を低減しようとする試みにおいて、酵素であるキモパパインが腰椎椎間板ヘルニアに直接注射される治療である。
カイロプラクティックは、通常背痛の緩和のための、素手による脊椎の操作を指す。
認知行動療法は、疼痛に備え、疼痛に対処する一助にするための多様な対処技能および緩和法を含む。認知行動療法は、術後疼痛、癌性疼痛および出産疼痛に使用される。
カウンセリングは、疼痛に罹患している対象に、切望される支持を与えることができる。支持グループは、薬物または外科治療に重要な補助を提供することができる。心理療法も、対象が疼痛によってもたらされる生理学的変化について学ぶ一助になり得る。
COX−2阻害剤は、例えば関節炎を有する対象に有効となり得る。COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブ)は、主にシクロオキシゲナーゼ−2を遮断し、NSAIDによって時にもたらされる胃腸の副作用を有する可能性が低い。
経皮電気刺激(TENS)、埋込み式電気神経刺激および脳深部または脊髄刺激を含む電気的刺激は、筋肉の神経が加熱またはマッサージを含む様々な刺激を受ける診療である。
−TENSは、皮膚を介して神経線維に送達される小さい電気パルスを使用して、筋肉内にしびれまたは収縮などの変化を生じさせる。これが順に一時的疼痛緩和をもたらす。TENSは、脊髄レベルで疼痛伝達を遮断できる末梢神経線維のサブセットを活性化することができるという証拠もある。
−末梢神経刺激は、身体の注意深く選択された領域上に外科的に置かれる電極を使用する。次いで対象は、アンテナおよび送信機を使用して、罹患領域に必要な電流を送達することができる。
−脊髄刺激は、脊髄の硬膜外腔内に外科的に挿入される電極を使用する。対象は、皮膚にテープで張られた小さい箱型の受信機およびアンテナを使用して、脊髄への電気パルスを送達することができる。
−脳深部または脳内刺激は、極端な治療であるとみなされており、脳、通常は視床の外科的刺激を含む。これは、重篤な疼痛、中心性疼痛症候群、癌性疼痛、幻肢痛および他の神経障害性疼痛を含む、限られた数の状態に使用される。
運動は、疼痛の一般的な治療となり得る。多くの種類の慢性疼痛と緊張した衰弱筋肉の間の関連が知られているため、運動は、筋肉への血液流および酸素流を改善することによって、幸福感全体に寄与することができる。ストレスは、疼痛に寄与し得るので、運動、睡眠およびリラクゼーションはストレスを軽減する助けとなり、したがって疼痛を緩和する助けとなり得る。運動は、腰痛を有する多くの人々の助けになることが証明されている。
催眠は、身体機能または応答、即ち、対象が耐え得る疼痛の量を制御するために使用できる。催眠は、神経系の化学物質に作用し、インパルスを遅延することによって、疼痛の緩和をもたらすことができる。
イブプロフェンは、鎮痛剤のアスピリンファミリーの一員であり、いわゆる非ステロイド系抗炎症薬である。
幾人かの理学療法士によって、場合により低出力レーザーが疼痛の治療として使用されてきた。
磁石を使用して、例えばスポーツ関連疼痛および他の疼痛状態を治療することができる。磁石は、通常襟または腕時計として装着される。磁石は、細胞または身体の化学的性質に変化をもたらし、したがって疼痛の緩和をもたらすことができる。
筋弛緩剤は、身体への全体的な鎮静作用をそれぞれ有する薬物の群である。これらの薬物は、筋肉に直接作用するのではなく、中枢に作用し、むしろ全身弛緩剤である。一般に筋弛緩剤は、筋肉の痙攣に関連する疼痛を緩和するために製剤される。一般に使用されているいくつかの種類の筋弛緩剤、カリソプロドール(Soma)、シクロベンザプリン(Flexeril)およびジアゼパム(Valium)が存在する。
神経遮断は、薬物使用、化学物質または外科的技術を用いて、身体の特定領域と脳の間の疼痛メッセージの中継を妨害する。外科的神経遮断の種類には、神経切断術;脊髄後角、頭蓋および三叉神経の神経根切断術;ならびに交感神経遮断とも呼ばれる交感神経切除術が含まれる。
非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)(アスピリンおよびイブプロフェンを含む)は、広く製剤されており、時に非麻酔または非オピオイド鎮痛剤と呼ばれる。非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)は、共にプロスタグランジンと呼ばれるホルモンの生成を促進し、したがって炎症、発熱および疼痛を生じる2つの酵素、シクロオキシゲナーゼ−1およびシクロオキシゲナーゼ−2を遮断することによって作用する。
麻酔剤は、効果的な疼痛治療であり、オピオイドを含む。それらには、コデインおよびモルヒネが含まれる。モルヒネは、対象が自己投与するためのポンプを含む様々な形態で投与することができる。オピオイドは麻酔作用を有し、即ちオピオイドは鎮静ならびに疼痛緩和を誘発し、幾人かの対象は、それらに身体的に依存するようになることがある。オピオイドの他の例には、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベトメプロジン(Betmeprodine)、ベタプロジン、ベジトラミド(Bezitramide)、ブプレノルフィン、ブトルファノール、カルフェンタニル、デキストロプロポキシフェン、デキストロモラミド、ジヒドロコデイン、ジピパノン、エトルフィン、フェンタニル、ジアモルヒネ(ヘロイン)、ヒドロモルフォン、ヒドロコドン、レボルファノール、メタドン、メトポン、ナルブフィン、ニコモルヒネ(Nicomorphine)、オムノポン(Omnopon)、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パントポン(Pantopon)、パパベレタム(Papaveretum)、パレゴリック(Paregoric)、ペンタゾシン、ペチジン(メペリジン)、フェノペリジン、ピリトラミド、プロジン、プロヘプタジン(Proheptazine)、プロピラム(Propiram)、プロポキシフェン、ラセモルファン(Racemorphan)、レミフェンタニル、スフェンタニル、テトラポン(Tetrapon)、チリジン、トラマドールおよびトリメペリジン(Trimeperidine)が含まれる。
理学療法およびリハビリテーションは、特定の状態の治療における、加熱、冷却、運動、マッサージおよび操作などの物理的技術および方法の使用を含む。これらは、機能を増大し、疼痛を制御し、対象が完治に向かう速度を高めるために適用することができる。
ピラゾロンは、関節炎ならびに他の筋骨格および関節障害の治療に使用されているクラスの、非ステロイド系の抗炎症薬物である。ピラゾロンは、ピラゾールの誘導体である5員環のラクタムを含有し、さらなるケト(=O)基を有する。誘導体の例には、アンピロン(Ampyrone)、メタミゾール、フェナゾンおよびフェニルブタゾンが含まれる。
R.I.C.E.−安静、アイス、圧迫および挙上−は、多くの整形外科医、コーチ、トレーナー、看護師および捻挫または筋違いなどの一時的筋肉または関節の状態の他の専門家によって製剤される4つの要素である。
ステロイドは、局所、経口または注射によって与えることができる。ステロイドが注射される場合、それらは静脈もしくは筋肉内に、関節もしくは滑液嚢内に直接、または腱および他の軟組織領域の周りに与えることができる。例えば、コルチゾン注射は、背痛を治療し、および/または炎症を治療するために脊椎に投与することができる(例えば硬膜外に)。経口投与されるステロイドの例には、プレドニゾンおよびメチルプレドニゾロンが含まれる。
外科手術は、疼痛、特に背中の問題または重篤な筋骨格損傷によって引き起こされる疼痛を緩和するために必要とされ得る。外科手術は、神経遮断の形態であってよく、または椎間板破裂からの疼痛を緩和するための手術を含むことができる。背中の問題のための外科手術は、全ての椎間板を除去する椎間板切除術、または顕微鏡下手術が使用される場合には顕微鏡下椎間板切除術;椎間板の断片のみを除去し、椎骨のアーチ形の部分を介して挿入することによって接近手段を得る手順である椎弓切除術;ならびに全ての椎間板を除去し、骨移植片で置き換える手順である脊椎固定術が含まれる。脊椎固定術は、次いで2つの椎骨を一緒に固定する。疼痛のための他の手術には、脊髄に近い神経が切断される神経根切断術および脊髄内の神経の束が切断される脊髄切断術が含まれる。脊髄切断術は一般に、他の治療に応答しない末期癌の疼痛のみに使用される。疼痛の別の手術は、対象の疼痛に対応する脊髄ニューロンを外科的に破壊する後根進入帯切載術またはDREZである。場合によっては、脳の標的領域のニューロンに選択的に損傷を与える電極を用いて外科手術が行われる。
副子、ギプス包帯、ブレース、枕およびマットレスなどの身体外部の支持を、疼痛を緩和するために使用することができる。
本明細書に記載の治療は、単独で、または本明細書に記載の1つもしくは複数の他の治療と組み合わせて使用することができる。組合せで使用される治療は、併用投与または連続投与することができる。組合せ治療は、本明細書に記載のペプチドの複数を用いて対象を治療するステップを含むことができる。
鎮痛性ペプチド
本開示は、急性または慢性疼痛などの疼痛の治療に使用することができる、鎮痛特性を有するペプチドを提供する。ペプチドは、抗侵害受容作用を有することができる。ペプチドは、オピオイド受容体のアゴニストまたは部分的アゴニストとして作用することができる。いくつかの実施形態では、ペプチドは、オピオイド受容体(例えば、κおよび/またはδ型オピオイド受容体)に、直接的または間接的に作用することができる。例えば、本明細書に記載のペプチドは、オピオイド受容体を直接活性化することができ、または内因性オピオイドの放出を誘発する(例えば、またそれによってオピオイド受容体に間接的に影響を及ぼす)ことができる。
本発明のペプチドは、配列:R1−R2−Ser−R4−R5−R6−R7−R8−Gly−R10−Ser−R12−Pro−R14(配列番号1)
(ここで、
R1は、ピログルタメートであり、
R2は、PheまたはTrpまたはTyrまたはLeuまたはThrであり、
R4は、ProまたはArgであり、
R5は、GlxまたはAsxまたはGlyであり、
R6は、AsnまたはGlnまたはLeuであり、
R7は、任意のアミノ酸であり、
R8は、Lysを除く任意のアミノ酸であり、
R10は、GlxまたはAsxであり、
R12は、GlxまたはLysであり、
R14は、任意のアミノ酸であり、
ただし、R7がCysである場合、R14はCysではなく、R14がCysである場合、R7はCysではない。)を有するペプチドを含む。
好ましい実施形態では、かかるペプチドは、本明細書に記載の7A14Aペプチドの活性、例えば鎮痛効果を有する。
例示的ペプチドには、配列番号1のペプチドを含有する、本質的にそれからなる、またはそれからなるペプチドが含まれる。好ましい実施形態では、R8はGlxである。
特に好ましいペプチドは、アミノ酸配列pGlu−Phe−Ser−Pro−Glu−Asn−Ala−Gln−Gly−Glu−Ser−Gln−Pro−Ala(配列番号2)を含有し、本質的にそれからなり、またはそれからなる。
また、配列番号1を含有する、本質的にそれからなる、またはそれからなるペプチド、および高度に厳密な条件下で配列番号1のペプチドをコードする核酸にハイブリダイズする核酸によってコードされるペプチドと、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約82%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%同一の、または完全に同一のアミノ酸配列を含むペプチドが含まれる。かかるペプチドは、本明細書に記載の7A14Aペプチドの活性、例えば鎮痛効果を有することができる。
また、配列番号2を含有する、本質的にそれからなる、またはそれからなるペプチド、および高度に厳密な条件下で配列番号2のペプチドをコードする核酸にハイブリダイズする核酸によってコードされるペプチドと、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約82%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%同一の、または完全に同一のアミノ酸配列を含むペプチドが含まれる。かかるペプチドは、本明細書に記載の7A14Aペプチドの活性、例えば鎮痛効果を有することができる。
2つの配列の「相同性」または「配列同一性」(これらの用語は、本明細書では交換可能に使用される)の算出を、以下の通り行う。これらの配列は、最適の比較目的で整列する(例えば、ギャップを、最適の整列のために第1および第2のアミノ酸の一方または両方または核酸配列に導入することができ、非相同性配列は、比較目的のために無視することができる)。最適な整列は、GAPプログラムを使用して、ギャップペナルティ12、ギャップ伸長ペナルティ4およびフレームシフトギャップペナルティ5のBlossum 62スコア化行列を備えたGCGソフトウェアパッケージにおいて、最高点として決定される。次いで、対応するアミノ酸の位置またはヌクレオチドの位置におけるアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第1の配列の位置が、第2の配列の対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドによって占められる場合、該分子は、その位置において同一である(本明細書で使用される場合、アミノ酸または核酸の「同一性」は、アミノ酸または核酸の「均質性」に相当する)。2つの配列の同一性率(%)は、それらの配列が共有する同一の位置の数の関数である。本明細書に記載の関連タンパク質の整列は、修飾、例えば挿入、欠失および置換、例えば、保存的または非保存的置換に耐性があるアミノ酸の位置を同定するのに有益である。
第1の配列を、例えば第2の配列7A14A(pGlu−Phe−Ser−Pro−Glu−Asn−Ala−Gln−Gly−Glu−Ser−Gln−Pro−Ala(配列番号2))と整列させることによって、7A14Aのアミノ酸に相当する第1の配列からアミノ酸を参照することが可能になり、例えば、7A14AのpGluに相当する第1の配列からのアミノ酸はR1と命名され、Pheに相当する第1の配列からのアミノ酸はR2と命名され、第1のSerに相当するアミノ酸はR3であり、第1のProに相当するアミノ酸はR4であり、第1のGluに相当するアミノ酸はR5であり、Asnに相当するアミノ酸はR6であり、第1のAlaに相当するアミノ酸はR7であり、第1のGlnに相当するアミノ酸はR8であり、Glyに相当するアミノ酸はR9であり、第2のGluに相当するアミノ酸はR10であり、第2のSerに相当するアミノ酸はR11であり、第2のGlnに相当するアミノ酸はR12であり、第2のProに相当するアミノ酸はR13であり、第2のAlaに相当するアミノ酸はR14である。
本明細書で使用される場合、「高度に厳密な条件下でハイブリダイズする」という用語は、ハイブリダイゼーションおよび洗浄のための条件を説明している。ハイブリダイゼーション反応を実施するためのガイダンスは、参照により組み込むCurrent Protocols in Molecular Biology、John Wiley&Sons、N.Y.(1989年)、6.3.1−6.3.6頁に見ることができる。その参照文献には、水性および非水性法が記載されており、いずれかを使用することができる。高度に厳密なハイブリダイゼーション条件は、約45℃での6×SSCにおけるハイブリダイゼーションに次ぐ、65℃での0.2×SSC、0.1%SDSにおける1回もしくは複数回の洗浄、または実質的に類似の条件を含む。
また、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個のアミノ酸置換、付加または欠失によって配列番号1の配列とは異なっているアミノ酸配列を含有する、本質的にそれからなる、またはそれからなるペプチドが含まれる。それらは、任意の位置、例えば内部または末端(例えばアミノまたはカルボキシ末端)にあってよい。かかるペプチドは、本明細書に記載のENPAKまたは7A14Aペプチドの活性、例えば鎮痛効果を有することができる。
また、少なくとも1つ、多くて2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13個のアミノ酸置換、付加または欠失によって配列番号1の配列とは異なっているアミノ酸配列を含有する、本質的にそれからなる、またはそれからなるペプチドが含まれる。それらは、任意の位置、例えば内部または末端(例えばNまたはC末端)にあってよい。かかるペプチドは、本明細書に記載のENPAKまたは7A14Aペプチドの活性、例えば鎮痛効果を有することができる。
本開示はまた、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個の保存的アミノ酸置換によって配列番号1の配列とは異なっているアミノ酸配列を含有する、本質的にそれからなる、またはそれからなるペプチドを含む。それらは、任意の位置、例えば内部または末端(例えばNまたはC末端)にあってよい。かかるペプチドは、本明細書に記載のENPAKまたは7A14Aペプチドの活性、例えば鎮痛効果を有することができる。
また、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個のアミノ酸置換、付加または欠失によって配列番号2の配列とは異なっているアミノ酸配列を含有する、本質的にそれからなる、またはそれからなるペプチドが含まれる。それらは、任意の位置、例えば内部または末端(例えばNまたはC末端)にあってよい。かかるペプチドは、本明細書に記載のENPAKまたは7A14Aペプチドの活性、例えば鎮痛効果を有することができる。
また、少なくとも1つ、多くて2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13個のアミノ酸置換、付加または欠失によって配列番号2の配列とは異なっているアミノ酸配列を含有する、本質的にそれからなる、またはそれからなるペプチドが含まれる。それらは、任意の位置、例えば内部または末端(例えばNまたはC末端)にあってよい。かかるペプチドは、本明細書に記載のENPAKまたは7A14Aペプチドの活性、例えば鎮痛効果を有することができる。
本開示はまた、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個の保存的アミノ酸置換によって配列番号2の配列とは異なっているアミノ酸配列を含有する、本質的にそれからなる、またはそれからなるペプチドを含む。それらは、任意の位置、例えば内部または末端(例えばNまたはC末端)にあってよい。かかるペプチドは、本明細書に記載のENPAKまたは7A14Aペプチドの活性、例えば鎮痛効果を有することができる。
また本開示には、例えば、ENPAKまたは7A14Aペプチドの活性、例えば鎮痛効果を有する、ENPAKまたは7A14Aペプチドの断片が含まれる。この断片は、例えば、ENPAKまたは7A14Aのアミノ末端の5、6、7または8個のアミノ酸を含有することができる。この断片は、例えば、ENPAKまたは7A14Aのカルボキシ末端の5、6、7または8アミノ酸を含有することができる。この断片は、例えばペプチドの末端ぺプチド(例えば、アミノ末端残基またはカルボキシ末端残基を含有しない)を含まないENPAKまたは7A14Aのアミノ酸を含有することができ、例えばこの断片は、ENPAKまたは7A14Aの5、6、7または8個の内部アミノ酸を含有することができる。
本明細書で使用される場合、「保存的アミノ酸置換」という用語は、1個のアミノ酸で類似の特徴を有する別のものを置換すること、例えば以下の群、バリン、グリシン;グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン、グルタミン;セリン、トレオニン;リシン、アルギニン;およびフェニルアラニン、チロシンの置換を説明する。以下の置換は、保存的置換のさらなる非限定的な例である。
アラニンは、D−Ala、Gly、β−Ala、L−Cys、D−Cysで置換され、
アルギニンは、D−Arg、Lys、D−Lys、ホモ−Arg、D−ホモ−Arg、Met、Ile、D−Met、D−Ile、Orn、D−Ornで置換され、
アスパラギンは、D−Asn、Asp、D−Asp、Glu、D−Glu、Gln、D−Glnで置換され、
アスパラギン酸は、D−Asp、D−Asn、Asn、Glu、D−Glu、Gln、D−Glnで置換され、
システインは、D−Cys、S−Me−Cys、Met、D−Met、Thr、D−Thrで置換され、
グルタミンは、D−Gln、Asn、D−Asn、Glu、D−Glu、Asp、D−Aspで置換され、
グルタミン酸は、D−Glu、D−Asp、Asp、Asn、D−Asn、Gln、D−Glnで置換され、
グリシンは、Ala、D−Ala、Pro、D−Pro、Acpで置換され、
イソロイシンは、D−Ile、Val、D−Val、Leu、D−Leu、Met、D−Metで置換され、
ロイシンは、D−Leu、Val、D−Val、Leu、D−Leu、Met、D−Metで置換され、
リシンは、D−Lys、Arg、D−Arg、ホモ−arg、D−ホモ−Arg、Met、D−Met、Ile、D−Ile、Orn、D−Ornで置換され、
メチオニンは、D−Met、S−Me−Cys、Ile、D−Ile、Leu、D−Leu、Val、D−Valで置換され、
フェニルアラニンは、D−Phe、Tyr、D−Thr、L−Dopa、His、D−His、Trp、D−Trp、トランス−3、4または5−フェニルプロリン、シス−3、4または5−フェニルプロリンで置換され、
プロリンは、D−Pro、L−I−チアゾリジン−4−カルボン酸、D−またはL−1−オキサゾリジン−4−カルボン酸で置換され、
セリンは、D−Ser、Thr、D−Thr、allo−Thr、Met、D−Met、Met(O)、D−Met(O)、L−Cys、D−Cysで置換され、
トレオニンは、D−Thr、Ser、D−Ser、allo−Thr、Met、D−Met、Met(O)、D−Met(O)、Val、D−Valで置換され、
チロシンは、D−Tyr、Phe、D−Phe、L−Dopa、His、D−Hisで置換され、
バリンは、D−Val、Leu、D−Leu、Ile、D−Ile、Met、D−Metで置換される。
本明細書で提供されるぺプチド配列の変異体(例えば、アミノ酸置換、付加または欠失の1つ以上を担持する)を鎮痛剤として使用するための適切性は、本明細書に記載の技術を使用して試験することができる。例えば、その鎮痛効果について、一候補のペプチド(例えば、アミノ酸欠失、置換または付加によって、配列番号2のペプチドとは異なっているペプチド)を試験することができる。候補ペプチドの鎮痛効果は、例えば、プロスタグランジンE2誘発性痛覚過敏症モデルにおいて測定することができる。候補ペプチドの作用は、1つ以上の標準と比較することができる。例えば、適切な標準は、本明細書に記載のペプチド、例えば配列番号2のアミノ酸配列からなるペプチドとなる。両方のペプチドが、同じ濃度で使用され、同じ投与経路によって投与される、候補ぺプチドおよび配列番号2のペプチドの鎮痛効果が比較される。適切性は、標準よりも良好である、または標準と同じ鎮痛効果をもたらす候補によって示され得る。あるいはまたはさらに、適切性は、標準によってもたらされる鎮痛効果より長い、またはそれと同じ位持続する鎮痛効果をもたらす候補によって示され得る。
配列番号1および配列番号2および配列番号3のアミノ酸の1つ以上は、D−またはL−アミノ酸であってよい。アミノ酸は、天然に存在するまたは非天然に存在する(例えば合成)類似体であってよい。アミノ酸は、修飾することができる。修飾には、アセチル化(例えば、ペプチドのN末端において);アルキル化(例えば、メチル化);ビオチン化、アシル化;ビオチン化;グルタミン化(glutamylation);グリコシル化(例えば、N−またはO−グリコシル化);イソプレニル化(例えば、ファルネソールおよびゲラニルゲラニオールの付加);リポイル化;ホスホパンテテイニル化(phosphopantetheinylation);リン酸化;硫酸化;セレン化(selenation);アミド化(例えば、C末端アミド化);ユビキチン化;シトルリン化/脱イミノ化;脱アミド化;;タンパク質分解切断;ホルミル化;ミリストイル化;ピログルタメート付加;カルバミル化(carbamylation);グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)付加;O−メチル化;グリピエーション(glypiation);スモイル化(sumoylation);アシル化;ヒドロキシル化;デスモシン付加;脱アミノ化;酸化(例えばアルデヒドに);イミン形成;糖化;カルバミル化;ジスルフィド結合形成(例えば、分子外または分子内ジスルフィド架橋の構築);プレニル化;パルミトイル化;ポルフィリン環結合;フラビン結合;GFP補欠分子族(Thr−Tyr−Gly配列)形成;リシンチロシンキノン(LTQ)形成;トパキノン(TPQ)形成;スクシンイミド形成;トランスグルタミネーション;カルボキシル化;ポリグルタミル化;ポリグリシル化が含まれる。
ペプチドのNおよび/またはC末端を修飾して安定性を高め、例えば分解、例えばタンパク質分解を低減することができる。
ペプチドは、エピトープ標識(例えば、His(例えば、6×Hisまたはポリ−His)、Myc、HA、GST、MBP、VSV、チオレドキシン、β−Gal、FLAGまたはGFP標識等)を含有するように修飾して、例えばペプチドの同定または精製の一助にすることができる。かかる標識は、例えばペプチドのNまたはC末端上に存在することができる。切断部位(例えば、因子Xaプロテアーゼ、エンテロキナーゼ、トロンビン、TEVプロテアーゼ、PRESCISSION(商標)プロテアーゼ、インテイン1もしくはインテイン2またはシグナルペプチダーゼ等の認識部位)は、標識をペプチドから切断できるように、場合によって該標識とペプチド配列との間に位置することができる。かかる技術は当技術分野で公知である。Current Protocols in Molecular Biology、第3編、John Wiley and Sons、Inc、New York、NYも参照のこと。
ペプチドの調製
本明細書に記載のペプチドは、生物系内で調製することができ、または化学的に合成することができる。
生物系内でペプチドを生成するために、ペプチドを、組換えDNA技術によって生成することができる。例えば、本明細書に記載のペプチドをコードする核酸配列を含有する発現ベクターを、生物系(例えば、菌、酵母、植物、昆虫または哺乳動物の発現系)内に導入し、標準の技術を使用して発現することができる。次いでペプチドを、標準の精製技術を使用して(例えば、ペプチドの物理的もしくは化学的特性に基づく分離技術または親和性精製技術を使用して)、生物系から(例えば、細胞または培地から)精製する。かかる技術は、当技術分野で公知である。例えば、Current Protocols in Molecular Biology、第3編、John Wiley and Sons、Inc、New York、NY参照。
ペプチドは、例えば液相または固相合成を使用して、化学的に合成することができる。かかる技術は当技術分野で標準であり、例えばAtherton,E.、Sheppard,R.C.Solid Phase peptide synthesis:A practical approach.IRL Press、Oxford、England、1989年;Stewart J.M.、Young、J.D. Solid phase peptide synthesis、第2版、Pierce Chemical Company、Rockford、1984年;Carpino,L.A.1992年、1−Hydroxy−7−azabenzotriazole.An efficient Peptide Coupling Additive.J.Am.Chem.Soc.115、4397−4398頁参照。ペプチドは、1個のアミノ酸のカルボキシル基またはC末端を、別のアミノ酸のアミノ基またはN末端とカップリングさせることによって合成される。
液相合成:液相ペプチド合成は、ペプチド合成に対する従来の手法である。これは、工業目的のためのペプチドの大規模生成に有用である。
固相合成:固相ペプチド合成(SPPS)は、今や広く受け入れられている、ペプチドおよびタンパク質を合成法により実験室で作り出す方法である。SPPSは、菌内で発現が困難な天然のペプチドの合成、非天然アミノ酸の組込み、ペプチド/タンパク質主鎖修飾、ならびにD−アミノ酸を含有するD−タンパク質およびペプチドの合成を可能にする。合成は、例えば本明細書に記載のように手動で、または自動合成機を使用して実施することができる。
小ビーズは、ペプチド鎖が構築され得るリンカーを用いて処理される。合成ビーズは、トリフルオロ酢酸などの試薬によって切断されるまで、ペプチドとの強力な束縛を維持することになる。ビーズは、作られるペプチド鎖が濾過材料を通過しないと同時に、それらを作るために使用される試薬が通過する合成環境を作り出す。
FmocおよびBocという、2つのSPPSの一般的な使用形態がある。リボソームタンパク質合成とは異なり、固相ペプチド合成は、C末端からN末端方式で進行する。アミノ酸モノマーのN末端は、これらの2つの基によって保護され、脱保護アミノ酸鎖上に付加される。
自動合成機は、両方の技術に利用可能であるが、多くの研究グループが、SPPSを手動で実施し続けている。
Boc SPPS:SPPSは、t−Boc((tert)−(B)ブチル(o)オキシ(c)カルボニル)法に従って発明された。Bocを成長ペプチド鎖から除去するために、酸性条件(通常、純粋なTFA)が使用される。合成の最後における、樹脂からの側鎖保護基およびぺプチドの除去は、フッ化水素酸内でインキュベートすることによって達成される。
Fmoc SPPS:Fmocは、(F)フルオレニル−(m)メト(o)オキシ−(c)カルボニルを表し、Fmoc保護基を説明している。成長ペプチド鎖からのFmocの除去のために、塩基条件(通常、DMF中20%ピペリジン)が使用される。樹脂からの側鎖保護基およびペプチドの除去は、トリフルオロ酢酸(TFA)中でインキュベートすることによって達成される。
固体担体:固体担体の物理的性質およびそれが利用され得る用途は、担体が構築される材料、架橋の量、ならびに使用されるリンカーおよび操作に伴って変わる。担体の一例は、H−Cys(Trt)−2−ClTrt樹脂である。
ポリスチレン樹脂:これは多目的樹脂であり、DCMにおけるその最小限の膨潤により、マルチウェルの自動ペプチド合成に非常に有用である。
ポリアミド樹脂:これは有用な多目的樹脂である。これはポリスチレンよりも膨潤することができ、その場合、いくつかの自動合成機に適さないことがある。
樹脂の種類の例には、アルケニル樹脂、アミン官能化樹脂、BHA樹脂、Br官能化樹脂、クロロメチル樹脂、CHO官能化樹脂、Cl官能化樹脂、COOH官能化樹脂、HYPOGEL(登録商標)樹脂、I官能化樹脂、JANDAJELS(商標)、MBHA樹脂、NH2官能化樹脂、ニトロフェニルカーボネート、OH官能化樹脂、オキシム樹脂、ペグ架橋、Boc/Bzlペプチド合成、Fmoc/tBuペプチド合成、ホキシム(Phoxime)樹脂、樹脂マトリクス、リンク(Rink)酸樹脂、リンク樹脂、セーフティキャッチ(Safety Catch)樹脂、TENTAGEL(登録商標)樹脂、チオール官能化樹脂、トリアジン系樹脂、トリチルアミン、Wang樹脂、Wang誘導体が含まれる。各種類の数々の樹脂が利用可能であり、当技術分野で公知である。
保護基:各合成ステップ中に完全なカップリングを確実にするために使用されるアミノ酸過剰により、アミノ酸の重合は、各アミノ酸が保護されない反応において一般的である。この重合を防止するために、保護基が使用される。これによって、さらなる脱保護相が合成反応に追加され、以下のような設計フローの反復が作り出される。
保護基は、脱保護反応において垂下アミノ酸から除去される。
−脱保護試薬を洗浄して、清浄なカップリング環境を提供し、
−ジメチルホルムアミド(DMF)などの溶媒に溶解した保護アミノ酸をカップリング試薬と組み合わせ、合成カラムを介してそれを送り出し、
−カップリング試薬を洗浄して、清浄な脱保護環境を提供する。
保護基:現在、2つの保護基(Fmoc、Boc)が、固相ペプチド合成に一般に使用されている。それらの不安定性は、不可逆的脱カップリングステップでCOを容易に放出するカルバマート基によって引き起こされる。
Fmoc保護基:Fmoc(9−フルオレニルメチルカルバマート)は、アミノ酸単位からのペプチドの反復合成において、ペプチドのN末端から一般に除去される、現在広く使用されている保護基である。Fmocの利点は、それが非常に弱い塩基条件(例えばピペリジン)下で切断されるが、酸性条件下では安定であるということである。これによって、Bocおよびベンジル基などの塩基条件下で安定であり、標的ペプチドのアミノ酸残基の側鎖上で使用される、弱酸に不安定な保護基が可能になる。この直行(orthogonal)保護基策は、有機合成分野では一般的である。
Boc保護基:Fmoc基が一般的になる前、Boc基は、直行策における側鎖保護のための、より酸に安定な基の使用を必要とする、ペプチドの末端アミンの保護に使用されていた。Boc基は、合成中のペプチドの凝集を低減するのに実用性を維持している。Boc基は、boc無水物および適切な塩基を伴うアミノ酸に添加することができる。
ベンジルオキシ−カルボニル(Z)基:別のカルバマート系の基は、ベンジルオキシ−カルボニル(Z)基である。これは、より厳しい条件下、HBr/酢酸または接触水素化で除去される。これは、側鎖保護に使用することができる。
Alloc保護基:アリルオキシカルボニル(alloc)保護基は、直交的脱保護策が必要とされる場合に、カルボン酸、ヒドロキシルまたはアミノ酸を保護するためにしばしば使用される。Alloc保護基は時に、ペプチドが側鎖官能基によって樹脂に結合する、樹脂上での環式ペプチド形成が行われる場合に使用される。alloc基は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を、クロロホルム、酢酸およびN−メチルモルホリン(NMM)の37:2:1混合物と共に使用して、2時間で除去することができる。次いで樹脂は、DMF中0.5%DIPEA、3×DMF中0.5%ナトリウムジエチルチオカルバマート、次いで5×1:1のDCM:DMF10mlで注意深く洗浄されなければならない。
リソグラフィック(Lithographic)保護基:タンパク質マイクロアレイなどの特別な用途に、リソグラフィック保護基が使用される。これらの基は、光への曝露を介して除去することができる。
活性化基:ペプチドのカップリングのために、通常カルボキシル基が活性化される。これは、反応の速度を高めるために重要である。活性化基の2つの主な種類、カルボジイミドおよび芳香族オキシムが存在する。
カルボジイミド:最も一般的なものは、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)およびジイソプロピルカルボジイミド(DIC)である。カルボン酸との反応によって、高い反応性のO−アシル−尿素が得られる。人工的なタンパク質合成の間(Fmoc固体状態合成機など)、C末端は、アミノ酸モノマーが添加される接続部位としてしばしば使用される。カルボキシレート基の求電子性を高めるために、負に帯電した酸素を、最初により良好な脱離基に活性化しなければならない。DCCはこの目的で使用される。負に帯電した酸素は、求核試薬として作用し、DCC内の中心炭素を攻撃することになる。DCCは、一時的に前者のカルボキシレート基(今はエステル基)に結合し、アミノ基(結合アミノ酸上)によって、前者のC末端(カルボニル基)に対して、より効率的に求核攻撃を行う。
芳香族オキシム:これらの例には、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(HOBt)および1−ヒドロキシ−7−アザ−ベンゾトリアゾール(HOAt)が含まれる。これらの物質は、O−アシル尿素と反応して、反応性が低く、ラセミ化の危険性の低い、活性なエステルを形成することができる。
より最近の開発では、カルボジイミドを完全に削除している。活性なエステルは、非求核アニオンのウロニウムまたはホスホニウム塩(テトラフルオロホウ酸塩またはヘキサフルオロリン酸塩):HBTU、HATU、PyBOPとして導入される。
長いペプチドの合成:アミノ酸が段階的に順に結合する段階的伸長は、2および100の間のアミノ酸残基を含有する小ペプチドにとって理想的である。別の方法は、ペプチド断片が結合する断片縮合である。前者は、ラセミ化なしにペプチド鎖を伸長することができるが、これが長いまたは高極性ペプチドの作成にのみ使用される場合、その収率は低下する。断片縮合は、高性能の長いペプチドの合成のための段階的伸長よりも良好であるが、その使用はラセミ化から保護するために制限されなければならない。断片縮合はまた、結合した断片が全体で過剰でなければならないため望ましくなく、これが断片の長さに依存する制限となり得る。
化学的ライゲーションを使用することができる。非保護ペプチド鎖は、水溶液において化学選択的に反応する。最初に動力学的に制御された生成物が再配列して、アミド結合を形成する。最も一般的な形態である天然の化学的ライゲーションは、末端システイン残基と反応するペプチドチオエステルを使用する。
医薬組成物
本開示のペプチドは、例えば対象に投与して疼痛を治療するために、医薬組成物として製剤することができる。ペプチドは、単独で、または疼痛の別の療法と組み合わせて、同じ組成物として、もしくは別個の組成物として投与することができる。
一般に、医薬組成物は、薬学的に許容できる担体を含む。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容できる担体」は、生理的に適合性のある、任意のおよび全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤等を含む。組成物は、薬学的に許容できる塩、例えば酸付加塩または塩基付加塩を含むことができる(例えばBerge,S.M.ら(1977年)J.Pharm.Sci.66:1−19頁参照)。
製剤は十分に確立した技術であり、さらに、例えばGennaro(編)、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第20編、Lippincott、Williams&Wilkins(2000年)(ISBN:0683306472);Anselら、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Deliverly Systems、第7編、Lippincott Williams&Wilkins Publishers(1999年)(ISBN:0683305727);およびKibbe(編)、Handbook of Pharmaceutical Excipients American Pharmaceutical Association、第3編(2000年)(ISBN:091733096X)に記載されている。
一実施形態では、ペプチドは、生理食塩水、塩化ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム七水和物、一塩基性リン酸ナトリウムおよび安定化剤などの賦形剤と共に製剤される。ペプチドは、例えば緩衝溶液中、適切な濃度で提供することができ、2−8℃または約−20℃で保存することができる。
医薬組成物は、様々な形態であってよい。これらには、例えば溶液(例えば注射および注入可能な溶液)などの液体、半固体および固体剤形、分散剤または懸濁液、錠剤、丸薬、粉末、リポソームならびに坐剤が含まれる。好ましい形態は、投与の所期の方式および治療用途に応じて決めることができる。
組成物は、非経口方式(例えば、静脈内、皮下、腹腔内または筋肉内注射)によって投与することができる。本明細書で使用される「非経口投与」および「非経口で投与される」という句は、経腸および局所投与以外の、通常は注射による投与方式を意味し、それに限定されるものではないが、静脈内、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、硬膜外および胸骨内注射および注入が含まれる。
組成物は、経腸経路によって、例えば消化管を介して、例えば経口投与によって投与することができる。例えば組成物は、錠剤、カプセル、カプレット、丸薬、粉末、ドロップ、懸濁液、溶液、ペースト、ゲルまたは他の経口剤形として投与することができる。経腸経路は、胃の栄養チューブ、十二指腸の栄養チューブもしくは胃瘻による、または例えば坐剤もしくは浣腸形態の組成物に合わせた直腸による投与を含む。
組成物は、局所投与、例えば疼痛部位に投与することができる。局所投与には、例えば経皮、鼻腔内、吸入および経膣投与が含まれる。組成物は、皮膚(例えば火傷、水膨れまたは切断のため)、唇、歯茎、歯、口腔、目、耳、爪床または喉等に、例えば疼痛部位に投与することができる。局所投与用組成物は、クリーム、ゲル、ローションまたは軟膏等であってよい。
組成物は、溶液、マイクロエマルション、分散剤、リポソームまたは高濃度での安定な保存に適した他の秩序構造として製剤することができる。注射可能な滅菌溶液は、必要な量の本明細書に記載のペプチドを、必要に応じて先に列挙した成分の1つまたは組合せと共に適切な溶媒に組み込み、その後滅菌濾過することによって調製できる。一般に分散剤は、本明細書に記載のペプチドを、塩基性分散媒および先に列挙したものから必要な他の成分を含有する滅菌媒体に組み込むことによって調製される。注射可能な滅菌溶液の調製のための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は真空乾燥および凍結乾燥であり、これによって、本明細書に記載のペプチドと、予め滅菌濾過した溶液からの任意の追加の望ましい成分の粉末が得られる。溶液の適切な流動性は、例えばレシチンなどのコーティングを使用することによって、分散剤の場合には必要な粒径を維持することによって、および界面活性剤を使用することによって維持できる。注射可能な組成物の持続的吸収は、吸収を遅延させる薬剤(例えば、制御放出製剤のため)、例えばモノステアリン酸塩およびゼラチンを、組成物に含めることによってもたらすことができる。
いくつかの実施形態では、ペプチドは、インプラントおよびマイクロカプセル封入送達系を含む急速放出からペプチドを保護する担体と共に(例えば、制御放出製剤を調製するために)調製することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸などの、生分解可能な生体適合性のあるポリマーを使用することができる。かかる製剤の多数の調製方法が特許権を得ており、一般に公知である。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems、J.R.Robinson編、Marcel Dekker、Inc.、New York、1978年参照。
ペプチドは、例えば循環における、例えば血液、血清または他の組織におけるその安定性および/または保持性を、例えば少なくとも1.5、2、5、10または50倍改善する部分を用いて修飾することができる。
例えばペプチドは、ポリマー、例えばポリアルキレンオキシドまたはポリエチレンオキシドなどの実質的に非抗原性のポリマーを伴う(例えばそれに共役する)ことができる。適切なポリマーは、実質的に重量によって変わることになる。約200から約35,000ダルトン(または約1,000から約15,000および2,000から約12,500)の範囲の数平均分子量を有するポリマーを使用することができる。
例えばペプチドは、水溶性ポリマー、例えば親水性ポリビニルポリマー、例えばポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンに共役することができる。かかるポリマーの非限定的な例には、ポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコールなどのポリアルキレンオキシドホモポリマー、ポリオキシエチレン化ポリオール、これらのコポリマーおよびそれらのブロックコポリマーが含まれ、ただしブロックコポリマーの水溶性は維持される。さらに有用なポリマーには、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンおよびポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロックコポリマーなどのポリオキシアルキレン;ポリメタクリレート;カルボマー;ならびに分岐または非分岐の多糖が含まれる。
ペプチドが第2の薬剤と組み合わせて使用される場合(例えば、本明細書に記載の別の薬剤)、2つの薬剤を別個にまたは一緒に製剤することができる。例えば、それぞれの医薬組成物を、例えば投与の直前に混合し、一緒に投与することができ、または例えば同時にもしくは異なる時間に別個に投与することができる。
本明細書に記載の他の治療剤も、医薬組成物として、例えば標準法または本明細書に記載の方法によって提供することができる。
投与
ペプチドは、対象、例えばヒト対象に、様々な方法によって投与することができる。多数の用途では、投与経路は非経口、例えば静脈注射もしくは注入(IV)、動脈注射、皮下注射(SC)、腹腔内(IP)、心腔内注射、骨内注入、皮内注射、腹腔内注入もしくは注射、硝子体内注射、筋肉内注射、くも膜下腔内注射、関節内注射または硬膜外投与の1つである。これを使用することも可能である。いくつかの好ましい実施形態では、ペプチドは、経腸経路(例えば経口)によって投与される。ペプチドは、例えば皮膚または唇または歯茎または口腔または喉に、例えば疼痛部位において局部的に、例えば局所的に(例えば、経皮、鼻腔内、吸入、経膣等)(例えば、クリーム、ゲル、ローションまたは軟膏で)投与することができる。いくつかの場合では、投与は疼痛の部位に直接行うことができる。
ペプチドは、局部的または全身的に投与することができる。
ペプチドは、例えば注射、注入、拡散、インプラント、局所適用または経口送達によって投与することができる。
遮断薬は、固定用量として、またはμg/kgもしくはmg/kg用量で投与することができる。
用量はまた、ペプチドに対する抗体の生成を低減または回避するように選択され得る。
ペプチドの投与経路および/または方式は、例えば筋電図検査法(EMG)、神経伝導検査、誘発電位(EP)検査、磁気共鳴画像法(MRI)、神経学的検査、X線および/または特定の障害に関連する標準パラメータ、例えば背痛を評価するための基準を使用して、例えば対象を評価またはモニタすることによって、個々の場合に合わせて調整することもできる。
投与計画は、所望の反応、例えば治療上の反応または組合せの治療効果をもたらすように調節される。一般に、ペプチド(および場合によって、例えば本明細書に記載の第2の薬剤)の任意の組合せの投与(個別または同時製剤のいずれか)は、対象にペプチドを生体利用可能な量で提供するために使用することができる。例えば、0.1μg/kg−10mg/kg、1μg/kg−1mg/kg、1μg/kg−100μg/kg、5μg/kg−500μg/kg、0.1−100mg/kg、0.5−100mg/kg、1mg/kg−100mg/kg、0.5−20mg/kgまたは1−10mg/kgの範囲の用量を投与することができる。他の用量も使用できる。
単位剤形または本明細書で使用される「固定用量」は、治療を受ける対象にとって単一投与として適する、物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要な医薬担体に関連して、および場合によって他の薬剤と関連して所望の治療効果をもたらすように算出された所定の量の活性化合物を含有する。単回または多回用量を与えることができる。あるいはまたはさらに、ペプチドは、連続注入を介して投与することができる。
ペプチドは、例えば1日に1回もしくは2回、または1週間に約1回から4回、または好ましくは毎週、隔週もしくは毎月、例えば約1週から10週の間、または必要に応じて例えば慢性疼痛の治療のため、または長期治療を受ける対象、例えば化学療法を受ける対象のために、それより長い間投与することができる。当業者は、それに限定されるものではないが、疾患もしくは障害の重篤度、製剤、送達経路、前治療、一般的な健康状態および/または対象の年齢、存在する他の疾患、ならびに対象が受けている他の治療を含むいくつかの要素が、対象を効果的に治療するのに必要な用量および時期に影響を与え得ることを理解されよう。さらに、治療有効量のペプチドを用いる対象の治療は、単一治療を含むことができ、または好ましくは一連の治療を含むことができる。また動物モデルは、有用な用量、例えば最初の用量または計画を決定するために使用することができる。例えば、動物実験は、ペプチドの鎮痛効果がどの位長く持続するかを測定するために使用できる。
対象が疼痛を受ける危険性にある(例えば、対象が外科手術を予定している)場合、疼痛を生じ得るイベント(例えば外科手術)の前に、予防手段としてペプチドを投与することができる。かかる予防治療の期間は、遮断薬の単回用量であり得、または治療は、イベントの前から、イベントの最中および/またはイベントの後も継続して(例えば多回用量)、例えば対象が受ける疼痛を最小限に抑えることができる。例えば、疼痛を受ける危険性のある対象は、疼痛が起こるのを妨げ、または受ける疼痛の量を低減するために、疼痛を生じ得るイベントの数時間または数日前に、遮断薬を用いて処理することができる。
医薬組成物は、「治療有効量」の本明細書に記載のペプチドを含むことができる。かかる有効量は、投与薬剤(例えばペプチド)の効果、以上の薬剤が使用される場合には薬剤の組合せの効果に基づいて決定することができる。治療有効量の薬剤は、対象の疼痛の種類、病状、年齢、性別および体重、ならびに対象における望ましい反応、例えば疼痛の緩和を引き出す薬剤の能力などの要素によっても変わり得る。また治療有効量とは、組成物の任意の有毒なまたは有害な作用よりも治療上有益な作用が勝る量である。
本明細書で使用される場合、「対象」は、疼痛を受ける任意の有機体、例えば哺乳動物、例えばヒト、家畜(例えば、馬、ロバ、ラバ、畜牛、乳牛、雄牛、羊、豚等)、家庭用ペット(例えば、犬、猫、ラット、マウス、ウサギ、ハムスター、テンジクネズミ、フェレット等)または動物園もしくは水族館で飼育されている動物(例えば、キリン、ライオン、トラ、クマ、シマウマ、サル、ゴリラ、イルカ、サメ等)であってよい。
治療用装置およびキット
ペプチドを含む医薬組成物は、医療装置を用いて投与することができる。該装置は、例えばペプチドを含む医薬調製物を保存するための1つ以上の筐体を含むことができ、ペプチドの1つ以上の単位剤形を送達するように構成され得る。該装置はさらに、第2の薬剤、例えば本明細書に記載の第2の疼痛治療剤を、やはりペプチドを含む単一の医薬組成物として、または2つの別個の医薬組成物として投与するように構成され得る。
例えば、医薬組成物は、米国特許第5,399,163号、第5,383,851号、第5,312,335号、第5,064,413号、第4,941,880号、第4,790,824号または第4,596,556号に開示の装置などの無針皮下注射装置を用いて投与することができる。周知のインプラントおよびモジュールの例には、制御速度で薬剤を分散させるための埋め込み可能な微小注入ポンプを開示している米国特許第4,487,603号、皮膚を介して薬物を投与するための治療装置を開示している米国特許第4,486,194号、正確な注入速度で薬剤を送達するための薬剤注入ポンプを開示している米国特許第4,447,233号、連続薬物送達用の埋め込み可能な可変流量式点滴装置を開示している米国特許第4,447,224号、多室型区画を有する浸透圧薬送達系を開示している米国特許第4,439,196号、ならびに浸透圧薬送達系を開示している米国特許第4,475,196号が含まれる。多くの他の装置、インプラント、送達系およびモジュールも公知である。
ペプチドは、キットに入れて提供することができる。一実施形態では、キットは、(a)本明細書に記載のペプチドを含む組成物を含有する容器および場合によって(b)情報資料を含む。情報資料は、本明細書に記載の方法および/または治療上の利益に対するペプチドの使用に関する説明、指導、販売または他の資料であってよい。
一実施形態では、キットは、疼痛を治療するための第2の薬剤、例えば本明細書に記載の別の薬剤も含む。例えばキットは、ペプチドを含む組成物を含有する第1の容器、第2の薬剤を含む第2の容器および場合によって情報資料を含む。情報資料は、本明細書に記載の方法および/または治療上の利益に対するペプチドの使用に関する説明、指導、販売または他の資料であってよい。
キットの情報資料は、その形態に限定されない。一実施形態では、情報資料は、化合物(例えばペプチド)の生成、該化合物の分子量、濃度、使用期限、一回分の量または製造場所の情報等についての情報を含むことができる。一実施形態では、情報資料は、ペプチドおよび/または第2の薬剤を、例えば適切な用量、剤形または投与方式(例えば、本明細書に記載の用量、剤形または投与方式)で投与して、疼痛を経験している対象または疼痛を経験する危険性のある対象を治療する方法に関する。情報は、印刷された文章、コンピュータで読むことができる資料、ビデオ録画もしくは録音または実質的な資料に関連するものもしくは宛先を提供する情報を含む様々な形式で提供することができる。
ペプチドに加えて、キット内の組成物は、溶媒もしくは緩衝剤、安定剤または保存剤などの他の成分を含むことができる。ペプチドは、好ましくは実質的に純粋および/または無菌の任意の形態、例えば液体、乾燥または凍結乾燥形態で提供することができる。薬剤が溶液として提供される場合、その溶液は、好ましくは水溶液である。薬剤が乾燥形態で提供される場合、一般に、適切な溶媒を添加することによって再構成される。溶媒、例えば滅菌水または緩衝剤を、場合によってキットに入れて提供することができる。
キットは、薬剤(例えばペプチドまたは他の薬剤と組み合わせたペプチド)を含有する1つ以上の組成物のための1つ以上の容器を含むことができる。いくつかの実施形態では、キットは、組成物および情報資料のための別個の容器、分離器または区間を含有する。例えば組成物は、瓶、バイアルまたはシリンジに入れることができ、情報資料はプラスチック製のスリーブまたは小さな包みに入れることができる。他の実施形態では、キットの別個の要素は、分割していない単一の容器に入れられる。例えば組成物は、ラベルの形態の情報資料が添付される瓶、バイアルまたはシリンジに入れられる。いくつかの実施形態では、キットは、それぞれ組成物の1つ以上の剤形(例えば本明細書に記載の剤形)を含有する、複数の(例えば一組の)個々の容器を含む。例えばキットは、複数の経口剤形、シリンジ、アンプル、ホイルの小さな包み、ブリスターパックまたは医療装置を含み、例えばそれぞれペプチドを含有する組成物の単一の単位剤形を含有する。容器は、組合せの単位剤形、例えばペプチドおよび第2の薬剤の両方を、例えば所望の比で含む単位を含むことができる。例えばキットは、複数の経口剤形、シリンジ、アンプル、ホイルの小さな包み、ブリスターパックまたは医療装置を含み、例えばそれぞれ単一の組合せの単位剤形を含有する。キットの容器は、気密、防水(例えば湿気または蒸気の変化を通さない)および/または遮光であってよい。
キットは、場合によって、組成物の投与に適した装置、例えばシリンジまたは他の適切な送達装置を含む。装置は、薬剤の一方もしくは両方を予め搭載して提供することができ、または空であるが搭載に適しているものであってよい。
(実施例1)
本明細書に提示の実施例2−6では、7A14Aペプチドを、段階的固相合成法によって、N−9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)の化学的性質を使用して、Fmoc−Ala−NOVASYN(登録商標)TGA樹脂(Nova Biochem.)を用いてShimadzu PSSM−8ペプチド合成機(島津製作所(株)、日本、京都)で化学的に合成した。全てのFmoc−L−アミノ酸は、Nova Biochemから購入した。樹脂からのペプチドの切断は、TFA/アニソール/1,2−エタンジチオール(体積で94:5:1)の混合物を用いる処理によって、室温において2時間で達成した。濾過およびTFAでの2回の洗浄による樹脂の除去後、混合濾液をジエチルエーテルに0℃で滴加し、次いで3000rpmで10分間遠心分離にかけて、粗ペプチドの沈殿物を収集した。得られた合成粗ペプチドを、逆相HPLCによって、YMC−Pack ODS、20×150mm(Yamamura Kagaku、日本、京都)を使用して15%CHCN/HO/0.1%TFAの定組成溶離液を用いて、7ml/分の流量で精製した。同質性および配列を、MALDI−TOF MSおよびHPLCによって確認した。
(実施例2)
7A14Aペプチド(配列番号2)の抗侵害受容作用を、プロスタグランジンE2(PGE2)誘発性痛覚過敏症疼痛モデルで試験した。ペプチドを生理食塩水で希釈して5μg/kgの濃度にし、ラットに経口投与した。同じ経路を介して生理食塩水を投与した動物を、対象として使用した。
疼痛過敏症の誘発では、プロスタグランジンE2(PGE2)の原液を、エタノール1mlに500μgのPGE2を溶解することによって調製した。使用の際に、この原液を滅菌生理食塩水で再希釈した。使用したプロスタグランジンの用量は、生理食塩水100μl中100ngとし、それを1つの足につき足底内経路によって投与した(100ng/足)。
痛覚感受性を評価するために、ラットの足の圧力試験を使用し(Analgesy−Meter Ugo Basile(登録商標)、イタリア)、Randall&Selitto(Randall L.O.およびSelitto J.J.Arch.Intern.Pharmacodyn.111:209−219頁、1957年)に記載の方法に従って実施した。この試験では、グラムとしての力(g)を、度合を増しながら(16g/秒)ラットの後足の一方の背面上に継続的にかけ、動物が足の「引き下げ」によって反応した場合に中断する。このモデルでは、疼痛閾値(疼痛限界)を、足の引き下げを誘発するのに必要な力(g)として表す。疼痛限界は、PGE2の足底内注射(100ng/足)の前および3時間後に測定した。ペプチドまたは生理食塩水(対照)は、PGE2が投与される直前に動物に経口投与した(WO2005/107357も参照のこと。)。
実験結果を図1に示す(MI:PGE2注射前の初期測定値、MF:PGE2注射後の最終測定値)。データは、1群あたり5匹の動物の平均±e.p.m.を表す。p<0.05は初期測定値との比較により、**p<0.05は対照群との比較に関する。図に示すように、経口投与したペプチドは、痛覚過敏症のモデルにおいて、圧力に対するラットの足の感受性を低減し、鎮痛効果を有している。
(実施例3)
7A14Aペプチドによってもたらされた抗侵害受容作用の期間を、PGE2誘発性痛覚過敏症モデルで評価した。疼痛感受性の評価では、ラットの足の圧力試験を使用した。実験を前述のように実施した。
実験結果を図2に示す。足の引き下げに必要な力(グラム)によって表される疼痛閾値(疼痛限界)を、ペプチド(5μg/kg)または生理食塩水(対照群)の経口治療の前(時間0)、ならびに3、120および192時間後(最終測定)に決定した。PGE2(100ng/足)を、各最終測定の3時間前に注射した。データは、各群6匹の動物の平均±e.p.m.を表す。p<0.05は対照群との比較に関する。これらの結果が示すように、ペプチドの抗侵害受容作用は、ペプチドの経口投与の192時間後に存在している。
(実施例4)
希釈後および希釈ペプチドの様々な保存期間後の7A14Aペプチドの安定性を評価した。ペプチドを生理食塩水で希釈して、最終濃度5μg/kgにした。次いで、希釈ペプチドを、痛覚過敏症モデルにおける使用の0、30、40、60または90日前に−20℃で保存した。
希釈したペプチドを、PGE2誘発性痛覚過敏症モデルで評価した。実験を前述のように実施した。
疼痛感受性の評価では、ラットの足の圧力試験を利用した。足の引き下げに必要な力(グラム)によって表される疼痛閾値(疼痛限界)を、PGE2(100ng/足)の足底内注射の3時間後に決定した。使用時に希釈した、または希釈後の保存の0、30、40、60もしくは90日(dias)後のペプチド(5μg/kg)、または生理食塩水(salina;対照群)を、PGE2の投与直前に経口投与した。
結果を図3に示す。データは、各群5匹の動物の平均±e.p.m.を表す。p<0.05は初期測定値との比較に関し、**p<0.05は対照群との比較に関する。図に示すように、希釈形態のペプチドは安定であり、−20℃における90日の保存後も抗侵害受容作用および鎮痛をもたらすことができた。
(実施例5)
7A14Aペプチドによってもたらされた抗侵害受容作用の期間を、持続性神経障害性疼痛のモデルである、ラットの坐骨神経の慢性収縮によって痛覚過敏症が誘発されたモデルで評価した。神経障害性疼痛の誘発では、Bennett,G.J.およびXie,Y.K.(Pain、33:87−107頁、1988年)によって記載の方法に従って、坐骨神経において外科手術を実施した。簡潔には外科手術は以下の通り実施した。動物をハロタンで麻酔した。大腿部の中間領域の坐骨神経を曝露し、大腿二頭筋を除去した。坐骨神経の三分割に近接してその三分割から7mmの距離に、その周囲に互いに約1mm離して4つの緩い結紮を実施した(クロムめっき腸線4−0)。最初の点から最大4−5mmで神経に沿って結束した。絹製縫合糸4−0番を使用して切開部を多層縫合した。
疼痛感受性の評価では、前述のようにラットの足の圧力試験を使用した。ペプチド(用量1μg/kg)または生理食塩水を、術後14日目にラットに経口投与した。足の圧力試験は、術前(MI:初期測定)および任意の薬物治療前の術後14日目、ならびに生理食塩水またはペプチドの経口投与の24、48、72および96日後に適用した。結果を図4に示す。図に示すように、経口投与されたペプチドは、慢性痛覚過敏症のこのモデルの圧力に対する感受性を低減し、神経障害性疼痛において72時間持続する鎮痛効果を示している。p<0.05および**p<0.05。
(実施例6)
ENPAKペプチド(配列番号3)および7A14Aペプチド(配列番号2)の抗侵害受容作用を、内臓痛のモデルである酢酸誘発性腹部のライジング(writhing)アッセイで試験した。ペプチドを生理食塩水で希釈して、図5Aおよび5Bに示される濃度にし、マウスに経口投与した。同じ経路を介して生理食塩水を投与された動物を、対照として使用した。
マウスのライジング試験は、Kosterらの方法(1959年)に基づいて行った。ライジングの誘発では、モルヒネ(4.5mg/kg、腹腔内)で40分間処理されたマウス、ENPAK(1、6、9、12.5、25、50、75、125、250μg/kg、経口)で100分間処理されたマウス、7A14A(12.5、25、50、75、125、250、500、750μg/kg、経口)で100分間処理されたマウスおよび対照マウスに、腹腔内経路によって酢酸を60mg/kgの用量で注射した。腹部筋肉および後肢の伸長の歪みからなる腹部の歪みを、注射後20分にわたり累積的に計数した。抗侵害受容活性を、ペプチド処理動物と非処理動物との間の腹部の歪みの数の減少として観測した。
データは、各群4−34匹の動物の値±e.p.m.を意味する。生理食塩水群の平均値から有意に異なり(p<0.05)、**モルヒネ群の平均値から有意に異なる(**p<0.05)。
本発明のいくつかの実施形態を記載してきた。しかしなお、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な改変が行われ得ることを理解されよう。したがって、他の実施形態は以下の特許請求の範囲内にある。

Claims (24)

  1. アミノ酸配列:pGlu−Phe−Ser−Pro−Glu−Asn−R7−Gln−Gly−Glu−Ser−Gln−Pro−R14(R7およびR14はAlaである)(配列番号2)からなり、対象に鎮痛をもたらすことができる、単離ペプチド。
  2. 請求項1のペプチドを含む医薬組成物。
  3. 溶液、懸濁液、ペースト、カプセル、ゲル、錠剤、丸薬、粉末、顆粒、親液性化合物、制御された放出系、微粒子、ミクロスフィア、ナノスフィア、リポソームの形であり、または有機コーティングを含む、請求項の医薬組成物。
  4. 水を主成分とする希釈剤を含む、請求項の医薬組成物。
  5. 経口、筋肉内、静脈内、皮下、局所、肺、鼻腔内、頬、直腸、舌下、皮内、腹腔内またはくも膜下腔内使用に合わせて製剤される、請求項の医薬組成物。
  6. 経口使用に合わせて製剤される、請求項の医薬組成物。
  7. 対象における疼痛状態またはオピオイド受容体によって仲介される状態を治療または予防するための請求項の医薬組成物。
  8. ペプチドが、直接的または間接的なオピオイド受容体アゴニストである請求項の医薬組成物。
  9. 状態が、κ型オピオイド受容体によって調節される請求項の医薬組成物。
  10. ペプチドが、長期持続性の鎮痛効果をもたらすことができる請求項の医薬組成物。
  11. 鎮痛効果が最大で5日まで持続する請求項10の医薬組成物。
  12. 対象の疼痛を治療または予防するための請求項の医薬組成物。
  13. 疼痛が急性または慢性である請求項12の医薬組成物。
  14. 疼痛が侵害受容性である、請求項12の医薬組成物。
  15. 疼痛が体性、内臓性または神経障害性疼痛である、請求項12の医薬組成物。
  16. 疼痛が癌性疼痛である、請求項12の医薬組成物。
  17. 疼痛が、新形成に伴う痛み、線維筋痛、歯痛、月経困難症、腎臓痛、月経痛、胆道痛、関節痛、背痛、関節炎、眼内高血圧、関節鏡検査後の痛み、腹腔鏡検査後婦人科の痛み、経皮的腎結石摘出によって生じる痛み、根治的恥骨後前立腺摘出後の痛み、開胸術後の痛み、扁桃摘出後の痛み、子宮切除後の痛み、帝王切開後の痛み、ならびに火傷、コカイン依存症、オピオイド依存症、細胞増殖、小細胞肺癌、鬱病、精神病、炎症、腫瘍性血管形成に伴う状態、外傷、冠状動脈虚血疾患、パーキンソン病、ジスキネジー、肝性脳症、認知的疾患、アルツハイマー病、肝性胆汁鬱滞に起因する掻痒および婦人の高インスリン血症に関連する疼痛からなる群から選択される、請求項12の医薬組成物。
  18. 対象に鎮痛をもたらすための請求項の医薬組成物。
  19. ペプチドが、直接的または間接的なオピオイド受容体アゴニストである請求項18の医薬組成物。
  20. 状態が、κ型オピオイド受容体によって調節される請求項18の医薬組成物。
  21. ペプチドが、長期持続性の鎮痛効果をもたらすことができる請求項18の医薬組成物。
  22. 鎮痛効果が最大で5日まで持続する請求項21の医薬組成物。
  23. 固相中におけるペプチド合成を含む、請求項1のペプチドの生成方法。
  24. HPLCクロマトグラフィーを使用するペプチドの精製をさらに含む、請求項23の方法。
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