以下、本発明の一実施の形態における情報表示処理システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、一実施の形態を説明するための全図において、同一要素は原則として同一の符号を付し、また重複する内容の繰り返し説明は省略する。
図1は、本発明の一実施の形態における情報表示処理システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、車載端末100は、自動車(以下、車両と言う)に搭載する端末装置であって、アプリ実行部110と、アプリ選択制御部120と、表示装置180と、スピーカ185と、出力制御部130と、出力指示送信部140と、走行状態判定部150と、通信部190と、走行状態送信部160と、表示状態送信部170と、を備える。
車載端末100における、アプリ実行部110、アプリ選択制御部120、出力制御部130及び走行状態判定部150は、例えば、CPU、ROM及びRAMなどによって実現される。CPUは、ROMに格納されたコンピュータプログラムを、RAMを作業領域として使いながら実行する。また、アプリ実行部110、アプリ選択制御部120、出力制御部130、及び走行状態判定部150は、同一のCPU上で動作するようにしてもよい。
車載端末100は、車両状態検出装置300と接続される。車両状態検出装置300は、一例として、車両の走行速度を検出する車速センサや、車両のブレーキの作動状況を検出するブレーキセンサなどを備える。車載端末100の走行状態判定部150は、車両状態検出装置300が検出した車両の状態に基づいて、車両の走行状態を判定する。車両の走行状態の一例としては、車両が走行中/停止中といった状態が挙げられる。また、走行状態判定部150は、車両の走行中を高速走行中と低速走行中とに分け、車両の停止中も一時停止中と駐車中とに分けて、それぞれ詳細に車両の走行状態を分類して抽出してもよい。なお、走行状態判定部150が抽出した車両の走行状態は、出力制御部130を介して走行状態送信部160に入力される。
図3は、本発明の一実施の形態における車載端末100の走行状態判定部150が行う処理の流れを示すフローチャートである。したがって、図3のフローチャートを用いて、走行状態判定部150が行う処理について詳細に説明する。
図3において、車載端末100の走行状態判定部150は、車両状態検出装置300が検出した車両の状態に基づいて該車両の走行状態を判定する(ステップS310)。走行状態の判定の一例としては、走行状態判定部150は、車両状態検出装置300から出力される車速センサ及びブレーキセンサの検出結果を用いて、一定速度(例えば、時速10キロメートル毎時)以下であって、ブレーキ操作をしていれば、停止中と判定し、ブレーキ操作をしていなければ、走行中と判定することができる。なお、ブレーキセンサがパーキングブレーキの操作を検出して駐車中の判断を行ってもよい。
このようにして走行状態を判定した結果、走行状態判定部150は、前回の判定から走行状態が変化したか否かを検出する(ステップS320)。ここで、走行状態が変化していれば、走行状態判定部150は、変化した走行状態をアプリ選択制御部120及び出力制御部130へ出力する(ステップS330)。走行状態判定部150による走行状態の出力は、走行状態が変化した時だけでなく、例えば、前回の走行状態の出力から一定時間(例えば、5秒間)が経過した後の走行状態の出力を行ってもよい。走行状態判定部150は、このような走行状態の出力操作の終了指示があるまで走行状態の出力を繰り返す(ステップS340)。
また、走行状態送信部160は、走行状態判定部150が抽出した車両の走行状態を、通信部190を経由して携帯端末200(請求項1の外部端末)へ送信する。また、アプリ実行部(第2アプリ実行部)110は、車載端末100へアプリケーションを提供する。車載端末100のアプリ実行部110が提供するアプリケーションの一例としては、ナビゲーション(ナビ)111、ビデオ再生112、及び音楽再生113などがあるが、アプリケーションの種類はこれらに限定されるものではない。
なお、アプリ実行部110が提供するアプリケーションは、アプリケーションソフトウェアとして、アプリ実行部110の単一のCPU上で動作してもよいし、ナビ111、ビデオ再生112、及び音楽再生113の一部または全てのアプリケーションが、それぞれ、ハードウェアユニットとしてアプリ実行部110に接続されていてもよい。アプリ実行部110で実行されるアプリケーションの映像出力及び音声出力は、それぞれ、出力制御部130へ入力される。
車載端末100のアプリ選択制御部120は、走行状態判定部150が判定した走行状態に応じて、アプリ実行部110で実行するアプリケーション及びその実行状態を制御する。このアプリ選択制御部120は、アプリ実行部110で実行中のアプリケーションの種類と表示条件とを管理する。アプリケーションの種類は、例えば、ナビ111、ビデオ再生112、または音楽再生113のいずれのアプリケーションが実行中かを示す。また、実行中のアプリケーションの表示条件は、実行中のアプリケーションが、例えば、車両の走行中に表示可能な表示出力であるか、車両が停止中でなければ表示できない表示出力であるかを示す。このような表示条件は、例えば、低速走行中の表示の可否、高速走行中の表示の可否をさらに示してもよい。
また、アプリ選択制御部120は、走行状態判定部150が判定した走行状態と、実行中のアプリケーションの表示条件とが一致しているか否かを判断する。そして、走行状態と実行中のアプリケーションの表示条件とが一致していなければ、アプリ選択制御部120は、表示条件に一致した表示出力を、実行中のアプリケーションまたは他のアプリケーションが行うように、アプリケーションの選択制御を行う。そして、アプリ選択制御部120は、実行中のアプリケーションの種類と表示条件とを出力制御部130へ入力する。
図4は、本発明の一実施の形態における車載端末100のアプリ選択制御部120が行う処理の流れを示すフローチャートである。したがって、図4のフローチャートを用いて、アプリ選択制御部120が行う処理について詳細に説明する。車載端末100のアプリ選択制御部120は、走行状態判定部150が出力する走行状態を、前回取得した走行状態と比較する(ステップS410)。ここで、前回取得した走行状態から変化している場合は(ステップS410でYes)、アプリ選択制御部120は、アプリ実行部110で実行されるアプリケーションまたはその表示条件を変更する。
ここで、アプリ選択制御部120は、走行状態ごとにアプリケーションが設定されているか否かを判定し(ステップS420)、走行状態ごとにアプリケーションが設定されている場合は(ステップS420でYes)、アプリ選択制御部120は、走行状態に対応して設定されているアプリケーションに実行を切り替えるように、アプリ実行部110へ指示する(ステップS430)。例えば、走行状態が「走行中」のときは、アプリ選択制御部120は、必ず「音楽再生アプリケーション」を実行するような設定を行うことができる。
一方、走行状態ごとにアプリケーションが設定されていない場合は(ステップS420でNo)、アプリ選択制御部120は、実行中のアプリケーションの表示条件を変更するようにアプリ実行部110に指示する(ステップS440)。そして、アプリ選択制御部120は、変更後のアプリケーションの種類とその表示条件を出力制御部130へ出力する(ステップS450)。アプリ選択制御部120は、このような操作を終了指示があるまで繰り返す(ステップS460)。
図2は、本発明の一実施の形態におけるアプリケーションの表示条件を説明する図である。したがって、図2を参照して、アプリケーションの表示条件の変更について説明する。なお、図2は、時間軸tが図の左から右の方向に進行するにしたがって、走行状態2010が停止中2011から走行中2012へ、さらに停止中2013へと変化することを示している。なお、アプリケーションの一例としては、ナビゲーション(ナビ)2030、ビデオ再生2040、及び音楽再生2050の3つを挙げている。
アプリケーションの車載端末100の表示については、特に車両の走行中には、視認性を高めるためにわかりやすい簡略画面を表示することが望ましい。そのため、車両の走行状態が走行中2012のときは、アプリケーションの「表示条件」2020を「走行表示可」とし、走行中に表示してよい画面のみを表示することができる。また、車両の走行状態が停止中2011、2013のときは、アプリケーションの「表示条件」2020を「走行表示不可」とするが、車両の停止中は、走行中に表示できない画面を表示してもよいし、走行中に表示可能な画面を表示してもよい。図2では、表示条件2020が、走行状態の変化に伴い、走行表示不可、走行表示可、走行表示不可と変更されることを示している。
アプリケーションの表示切り替えの一例としては、ナビ2030を表示する場合は、文字が小さくて字数が多く、かつ地図に細い道路も表示されるような詳細表示は、表示条件2020を走行表示不可とする。また、文字が大きく字数も少なく、かつ地図に細い道路を表示しない簡略表示は、表示条件2020を走行表示可とする。
また、ビデオ再生2040の場合は、通常の動画映像の表示を走行表示不可とし、映像のタイトル表示を走行表示可とする。さらに、音楽再生2050の場合は、アルバム全ての曲名や歌手、演奏者などを数曲分表示する詳細タイトル表示を走行表示不可とし、演奏中の1曲のみについての簡易タイトル表示を走行表示可とする。なお、表示条件の種類や名称、またそれに対応する表示画面の構成は、法律や団体・メーカーなどの規則に基づいて決められるものとする。また、表示条件2020を「走行表示可」とする特定の画面が作成されない場合は、単色で何も表示されない無表示画面を「走行表示可」としてもよい。
再び図1に戻って、車載端末100の出力制御部130は、アプリ選択制御部120が出力した、車載端末100で実行中のアプリケーションの種類と表示条件、走行状態判定部150が出力した車両の走行状態、及び通信部190が受信した携帯端末200で実行中のアプリケーションの種類と表示条件とに基づいて、アプリ実行部110で実行されるアプリケーションの映像出力及び音声出力と、通信部190が受信した携帯端末200の映像出力及び音声出力とから、映像信号を表示装置180に、音声信号をスピーカ185に、それぞれ出力する。
車載端末100の表示装置180は、液晶ディスプレイなどで実現され、出力制御部130が出力する映像信号に応じた映像を表示する。スピーカ185は、出力制御部130が出力する音声信号に応じた音声を再生する。出力する映像信号及び音声信号は、アプリ実行部110で実行されるアプリケーションの映像出力及び音声出力と、通信部190が受信した携帯端末200の出力情報(映像出力及び音声出力)との、いずれか一方の映像出力及び音声出力によるものであってもよいし、双方の出力情報を混合した出力によるものであってもよい。
また、出力制御部130は、出力中のアプリケーションの属性と表示条件を、表示状態として表示状態送信部170へ出力する。なお、アプリケーションの属性は、アプリケーションが車載端末100で実行されているか、携帯端末200で実行されているかを示すものである。さらに、出力制御部130は、出力中のアプリケーションの属性と表示条件とに基づいて、携帯端末200へ映像及び音声を出力させるか否かの出力指示情報を、出力指示送信部140へ出力する。また、出力制御部130は、携帯端末200の映像及び音声の出力指示として、映像及び音声の出力の可否だけでなく、映像及び音声の出力方法を指示してもよい。例えば、出力制御部130は、映像出力のフレームレート(秒あたりのフレーム数)を出力指示してもよい。
図6は、本発明の一実施の形態における車載端末100の出力制御部130が行う処理の流れを示すフローチャートである。したがって、図6のフローチャートを参照して、出力制御部130が行う処理について詳細に説明する。出力制御部130は、アプリ選択制御部120から車載端末100上で動作するアプリケーションの種類とその表示条件を取得し、また通信部190から携帯端末200上で動作するアプリケーションの種類とその表示条件を取得する。
このような前提条件において、出力制御部130は、走行状態判定部150が出力する走行状態が、前回取得した走行状態から変化しているか否かの比較を行う(ステップS610)。ここで、走行状態判定部150が出力する走行状態が、前回取得した走行状態から変化している場合は(ステップS610でYes)、出力制御部130は、走行状態判定部150から取得した走行状態、車載端末100で実行中のアプリケーションの種類と表示条件、及び携帯端末200で実行中のアプリケーションの種類と表示条件に基づいて、映像信号を表示装置180へ出力し、音声信号をスピーカ185へ出力するアプリケーションを、車載端末100と携帯端末200とのいずれかから選択して取得する(ステップS620)。また、このとき、出力制御部130は、携帯端末200にアプリケーションの出力を開始させるか停止させるかを判断する(ステップS630)。なお、携帯端末200のアプリケーションの選択の仕方、及び携帯端末200のアプリケーションの出力開始または停止の判断の仕方については後述する。
次に、ステップS630の携帯端末200への出力指示の判断結果を受けて、出力制御部130は、必要に応じて、携帯端末200に対して出力を開始するか停止するかの指示を、出力指示送信部140へ出力する(ステップS640)。さらに、出力制御部130は、走行状態判定部150から取得した走行状態を、走行状態送信部160へ出力する(ステップS650)。
そして、ステップS620で実行した出力するアプリケーションの選択結果を受けて、出力制御部130は、表示装置180及びスピーカ185へ、車載端末100と携帯端末200とのどちらのアプリケーションが表示されているかを示すアプリケーションの属性(車載端末か携帯端末か)と、表示条件(走行表示可か走行表示不可か)とを、表示状態送信部170へ出力する(ステップS660)。さらに、出力制御部130は、選択したアプリケーションの映像信号を表示装置180へ、音声信号をスピーカ185へ、それぞれ出力する(ステップS670)。出力制御部130は、以上のような操作を終了指示があるまで繰り返す(ステップS680)。
図7は、図6のステップS620における出力アプリケーションの選択の仕方を詳細に示すフローチャートである。したがって、図6のステップS620における出力制御部130が行うアプリケーションの選択のしかたについて、図7のフローチャートを参照して詳細に説明する。すなわち、図6のステップS620で行う、出力するアプリの選択処理では、出力制御部130が、アプリ選択制御部120から取得した車載アプリの種類、通信部190から取得した携帯アプリの種類、走行状態判定部150から取得した走行状態、及び出力制御部130が管理する走行状態に対応する表示優先度設定(優先度)の、各種情報を用いる(ステップS710)。
なお、出力制御部130が行う走行状態に対応する表示優先度設定の一例は、下記の表1に示す通りである。
すなわち、表1の走行状態に対応する表示優先度設定は、優先度のより高い(数値の小さい)アプリケーションを優先的に表示させることを示している。表1における表示優先度設定の場合は、例えば、車載端末100と携帯端末200とでそれぞれビデオ再生アプリケーションとナビゲーションアプリケーションとが実行されているとき、走行中は表示優先度のより高いナビゲーションのアプリケーションを表示させることを示している。また、表1では、走行中に表示するアプリケーションの表示優先度を示しているが、停止中など他の走行状態におけるアプリケーションの表示優先度を設定してもよい。
このような表示優先度は、利用者が任意に操作して設定できるようにしてもよいし、情報表示処理装置(車載端末100)が固有の表示優先度設定を持っていてもよい。また、特に表示優先度設定がされていない場合は、表示操作の履歴により自動的に表示優先度を設定してもよい。例えば、走行状態が停止中のときにビデオ再生のアプリケーションを実行している場合は、停止中のビデオ再生のアプリケーションの表示優先度を最高にするように自動設定することもできる。これにより、走行状態が走行中となって他のアプリケーションに切り替えられても、走行状態が停止中に移行したときは、表示優先度を参照し自動的にビデオ再生に戻ることができる。
再び図7に戻って、出力制御部130は、走行状態に対応する表示優先度が設定されているか否かを確認する(ステップS720)。例えば、走行状態が走行中のときのみ表示優先度が設定されており、停止中のときの表示優先度が設定されていなければ(ステップS720でNo)、出力制御部130は、停止中においては表示アプリの属性をそのままにする(ステップS750)。すなわち、表示中のアプリケーションが車載端末100のアプリケーションであれば、出力制御部130は、そのまま車載端末100のアプリケーションの表示を継続し、表示中のアプリケーションが携帯端末アプリケーションならばそのまま携帯端末アプリケーションの表示を継続する。
一方、走行状態に対応する表示優先度が設定されていれば(ステップS720でYes)、出力制御部130は、表示中のアプリケーションの種類よりも表示優先度の高い種類のアプリケーションが実行されているか否かを確認する(ステップS730)。ここで、表示中のアプリケーションの種類よりも表示優先度の高い種類のアプリケーションが実行されていれば(ステップS730でYes)、出力制御部130は、表示アプリケーションの属性を切り替える(ステップS740)。
一方、表示中のアプリケーションの種類よりも表示優先度の高い種類のアプリケーションが実行されていなければ(ステップS730でNo)、出力制御部130は、表示アプリケーションの属性をそのままとする(ステップS750)。例えば、出力制御部130は、車載端末100でビデオ再生のアプリケーションが実行され、携帯端末200でナビゲーションのアプリケーションが実行され、かつ、停止中にビデオ再生のアプリケーションが表示される、というような制御を行う。
前述の表1における表示優先度の設定では、走行状態が走行中に変わったとき、表示中のビデオ再生のアプリケーションよりも表示優先度の高いナビゲーションのアプリケーションが携帯端末200で実行されているので、ステップS740の処理に基づいて、出力制御部130は、表示アプリケーションの属性(表示元)を、車載端末100のアプリケーション(ビデオ再生)から携帯端末200のアプリケーション(ナビ)に切り替える。ここで、もし携帯端末200で音楽再生のアプリケーションが実行されていれば、音楽再生のアプリケーションの表示優先度は、ビデオ再生のアプリケーションより低いので、出力制御部130は、ステップS750の処理に基づいて、表示状態をそのまま車載端末100のアプリケーション(ビデオ再生)で継続させる。
次に、図6のステップS630における携帯端末200への出力指示の判断の仕方について、図8のフローチャートを用いて詳細に説明する。図8は、図6のステップS630における携帯端末200への出力指示の判断の仕方を詳細に示すフローチャートである。すなわち、図6におけるステップS630の携帯端末200への出力指示の判断では、出力制御部130は、図6のステップS620で選択した出力アプリケーションの情報を用いる(ステップS810)。
そして、出力制御部130は、出力アプリケーションが車載端末100のアプリケーションであるか、携帯端末200のアプリケーションであるかを判断する(ステップS820)。ここで、出力アプリケーションが携帯端末200のアプリケーションであれば(ステップS820でNo)、出力制御部130は、そのアプリケーションを出力させる必要があるため、携帯端末200に対して、通常レートで携帯アプリを出力するように指示する(ステップS850)。なお、映像信号の出力レートが指定可能であれば、出力制御部130は、表示のための通常レートでの出力を指示することが望ましい。
一方、出力アプリケーションが車載端末100のアプリケーションであれば(ステップS820でYes)、出力制御部130は、走行状態が停止中であるか否かを確認する(ステップS830)。ここで、走行状態が停止中でなければ走行中の状態であるので(ステップS830でNo)、出力制御部130は、停止中に走行状態が変化しても携帯端末200のアプリケーションへ遅延なく表示を切り替える必要性は低いため、携帯端末200に出力停止を指示し、表示出力によって生じる通信路のデータ量を抑える(ステップS870)。
また、ステップS830において、走行状態が停止中であれば(ステップS830でYes)、出力制御部130は、車載端末100と携帯端末200とでそれぞれ実行されているアプリケーションの表示優先度を比較する(ステップS840)。ここで、携帯端末200のアプリケーションの表示優先度が、車載端末100のアプリケーションの表示優先度より高い場合は(ステップS840でYes)、車両が停止中から走行中に状態が変化したときに、表示中の車載端末100のアプリケーションから、より表示優先度の高い携帯端末200のアプリケーションに切り替える必要がある。
そこで、走行中に表示を切り替える際は、映像や詳細地図などの詳細画面を即時に見えなくする必要があるため、出力制御部130は、走行中に表示可能な低レートの携帯端末200のアプリケーションを出力するように、停止中の時点から携帯端末200に対して指示する(ステップS860)。これによって、詳細画面から走行表示可能な画面への即時切替が可能となる。例えば、映像信号の出力レートが指定可能であれば、出力制御部130が、表示よりも低いレートでの出力を送信するように、携帯端末200へ指示することにより、表示出力による通信路のデータ量を抑えることができる。
また、ステップS840において、携帯端末200のアプリケーションの表示優先度が車載端末100のアプリケーションの表示優先度よりも低い場合は(ステップS840でNo)、車両が停止中から走行中に状態変化したときに、表示中の車載端末100のアプリケーションから携帯端末200のアプリケーションへ切り替える必要がないため、出力制御部130は、携帯端末200に出力停止を指示し、表示出力による通信路のデータ量を抑える(ステップS870)。
また、表示状態送信部170は、出力制御部130から受信した、出力中のアプリケーションの種類と表示条件を、表示状態として、通信部190を経由して携帯端末200へ送信する。ここで送信される表示状態により、携帯端末200は、表示装置180に表示されているアプリケーションの属性と表示条件を知ることができる。一例として、携帯端末200は、車載端末100のアプリケーションが、停止中専用の『走行中表示のできない』画面内容で表示されている、というような情報がわかる。
また、出力指示送信部140は、出力制御部130から受信した、携帯端末200の映像及び音声に関する出力指示を、通信部190を経由して携帯端末200へ送信する。
車載端末100の通信部190及び携帯端末200の通信部290は、相互に通信できるように接続されている。すなわち、車載端末100の通信部190と携帯端末200の通信部290は、車載端末100の通信部190から主にデータが送信されるため、例えば、IEEE802.11b規格などを用いた無線接続または有線接続が用いられる。
また、携帯端末200の通信部290からは、データだけではなく映像信号も送信されるため、その際は別途映像専用のHDMI(High Definition Multimedia Interface;デジタル情報入出力インタフェース規格)(登録商標)等の有線接続または無線接続を用いてもよい。また、映像信号は、動画像の信号だけでなく、JPEG(Joint Photographic Experts Group:静止画像のデータ圧縮方式)ファイルなどの静止画による映像信号であってもよい。
次に、図1に示す携帯端末200(請求項1の外部端末)について説明する。図1に示す携帯端末(外部端末)200は、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末、音楽や映像などのメディアプレーヤ、携帯ナビゲーション装置、ノート型のパーソナルコンピュータなどである。この携帯端末200は、アプリ実行部210(請求項1の第1アプリ実行部)と、アプリ選択制御部220(請求項1の第1アプリ選択制御部)と、出力指示受信部240と、表示装置280と、スピーカ285と、出力制御部230(請求項1の第1出力制御部)と、通信部290と、走行状態受信部260と、表示状態受信部270とを備える。
なお、アプリ実行部(第1アプリ実行部)210、アプリ選択制御部(第1アプリ選択制御部)220、及び出力制御部(第1出力制御部)230は、例えば、CPU、ROM及びRAMによって実現される。CPUは、ROMに格納されたコンピュータプログラムを、RAMを作業領域として使いながら実行する。また、アプリ実行部210、アプリ選択制御部220、及び出力制御部230は、同一のCPU上で動作してもよい。
携帯端末(外部端末)200における出力指示受信部240は、車載端末(情報表示処理装置)100の出力指示送信部140が送信する携帯端末200の映像及び音声に関する出力指示を、通信部290を経由して受信し、出力制御部230へ入力する。携帯端末200における走行状態受信部260及び表示状態受信部270は、車載端末100の走行状態送信部160及び表示状態送信部170がそれぞれ送信する車両の走行状態、及び出力中のアプリケーションの属性と表示条件を、通信部290を経由して受信し、何れもアプリ選択制御部(第1アプリ選択制御部)220へ入力する。
携帯端末200におけるアプリ実行部(第1アプリ実行部)210はアプリケーションを提供する。アプリ実行部210が提供するアプリケーションの一例としては、ナビゲーション(ナビ)211、ビデオ再生212、音楽再生213などがあるが、アプリケーションの種類はこれらに限定されない。またアプリケーションは、アプリケーションソフトウェアとしてアプリ実行部210の単一のCPU上で動作してもよい。アプリ実行部110で実行されるアプリケーションの映像出力及び音声出力は、出力制御部230に入力される。
携帯端末200におけるアプリ選択制御部220は、走行状態受信部260が受信する車両の走行状態、及び表示状態受信部270が受信する出力中のアプリケーションの属性と表示条件に応じ、アプリ実行部210で実行するアプリケーション及びその状態を制御する。また、携帯端末200のアプリ選択制御部220は、車載端末100のアプリ選択制御部120と同様に、アプリ実行部210で実行中のアプリケーションの種類と表示条件とを管理する。さらに、アプリ選択制御部220は、走行状態受信部260が受信する車両の走行状態、及び表示状態受信部270が受信する出力中のアプリケーションの属性と表示条件に基づいて、実行中のアプリケーションの表示出力を変更するか、または他のアプリケーションに実行を切り替えるようにアプリケーションの選択制御を行う。このアプリ選択制御部220は、実行中のアプリケーションの種類と表示条件を出力制御部230へ入力する。
次に、携帯端末200のアプリ選択制御部220が行う処理について、図5に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、図5は、本発明の一実施の形態における携帯端末200のアプリ選択制御部220が行う処理の流れを示すフローチャートである。図5において、携帯端末200のアプリ選択制御部220は、表示状態受信部270が受信する出力中のアプリケーションの属性及び表示条件と、走行状態受信部260が出力する走行状態と、前回取得したアプリケーションの属性及び表示条件、並びに走行状態とについて、前回の各データと比較する(ステップS510)。比較結果において、表示条件または走行状態の何れかが変化していれば(ステップS510でYes)、アプリ選択制御部220は、アプリ実行部210で実行されるアプリケーションまたはその表示条件を変更する(ステップS520)。
すなわち、ステップS520では、前述の図4を用いて説明した車載端末100のアプリ選択制御部120と同様に、もし走行状態ごとにアプリケーションが設定されている場合は、携帯端末200のアプリ選択制御部220は、設定されているアプリケーションに実行を切り替えるようにアプリ実行部210に指示する。一方、走行状態ごとにアプリケーションが設定されていない場合は、アプリ選択制御部220は、実行中のアプリケーションの表示条件を変更するようアプリ実行部210に指示する。さらに、アプリ選択制御部220は、変更後のアプリケーションの種類とその表示条件を出力制御部230へ出力する(ステップS530)。アプリ選択制御部220は、このような操作を終了指示があるまで繰り返す(ステップS540)。
図5のステップS520におけるアプリケーションまたはその表示条件の変更について、図5中のステップS525を用いて詳細に説明する。アプリ選択制御部220は、表示状態受信部270で受信した車載端末100で表示中のアプリケーションの属性と、走行状態受信部260で受信した車両の走行状態とに基づいて、携帯端末200で実行するアプリケーションの表示条件を決定する。車両が走行中のときは、表示中のアプリケーションの属性によらず、アプリ選択制御部220は、携帯端末200のアプリケーションを走行表示可の条件で実行させる。これにより、利用者が手動でアプリケーションの表示を車載端末100のアプリケーションから携帯端末200のアプリケーションに切り替えても、そのまま表示が可能となる。
一方、車両が停止中のときは、表示中のアプリケーションが携帯端末200のアプリケーションの場合は、アプリ選択制御部220は、携帯端末200のアプリケーションの表示条件は走行表示不可として詳細表示を行う。しかし、表示中のアプリケーションが車載端末100のアプリケーションの場合、車両が停止中から走行中に移行するに伴って携帯端末200のアプリケーションに切り替える可能性があるため、アプリ選択制御部220は、その準備として携帯端末200のアプリケーションの表示条件を「走行表示可」とする(ステップS525の太枠550参照)。これにより、停止中から走行中に移行するのに伴って携帯端末200のアプリケーションに表示が切り替わった際には、アプリ選択制御部220は、「走行表示可」の画面でそのまま速やかに表示させることができる。
次に、携帯端末200の出力制御部(第1の出力制御部)230は、出力指示受信部240が出力する、携帯端末200の映像及び音声に関する出力指示に基づいて、アプリ実行部210で実行されるアプリケーションの映像出力及び音声出力と、アプリ選択制御部220が出力する、アプリ実行部210で実行されるアプリケーションの種類と表示条件とを、通信部290を経由して車載端末100へ送信する。
出力指示受信部240の出力指示が、映像及び音声の出力を指示している場合は、出力制御部230は、アプリケーションの映像出力と音声出力を、指示にしたがって通信部290を経由して車載端末100へ送信する。なお、映像のフレームレートや音声の音量など出力の方法に指示がある場合はそれにしたがう。一方、出力指示が、映像、及び音声の出力停止を指示している場合は、出力制御部230は、アプリケーションの映像出力と音声出力を指示にしたがって停止する。また、出力制御部230は、アプリ実行部210で実行されるアプリケーションの映像出力及び音声出力から、映像信号を表示装置280へ出力し、音声信号をスピーカ285へ出力する、というようにすることもできる。
表示装置280は、携帯端末200に接続された液晶ディスプレイなどであり、出力制御部230が出力する映像信号に応じた映像を表示する。スピーカ285は、出力制御部230が出力する音声信号に応じた音声を再生する。
図9は、本発明の一実施の形態における情報表示処理システムの動作の一例を説明する図である。したがって、図9を用いて本発明の一実施の形態に係る情報表示処理システムの全体の動作を説明する。図9では、時間が図の左から右に向けて経過しており、車載端末100の走行状態判定部150が判定した走行状態920が、時間の経過にしたがって「停止中」「走行中」「停止中」と推移することを表している。
矢印921及び矢印922は、走行状態が伝達されることを表し、走行状態判定部150から、矢印921によりアプリ選択制御部120へ、矢印922により出力制御部130へ伝達されていることを示している。走行状態920の時間経過による変化により、車載端末100で実行されているビデオ再生アプリケーション910は「映像」「タイトル」「映像」と切り替えられる。
一方、出力制御部130で出力するアプリケーションの属性930は、出力制御部130が出力するアプリを選択した結果(図6のステップS620参照)、「車載」「携帯」「車載」と切り替えられる。また、出力制御部130は、携帯端末200への出力指示を判断した結果(図6のステップS630参照)、出力指示940を、表示状態(表示するアプリケーションの属性と表示条件)と走行状態とともに、携帯端末200へ送信する。
矢印941で示す出力指示は、表示状態が車載アプリケーションの属性で表示条件が走行表示不可の詳細表示であり、走行状態が停止中であって、携帯端末200への出力指示が低レート出力である例を示している。この出力指示を受信した携帯端末200のアプリケーション(ナビゲーションアプリケーション)は、携帯端末200のアプリ選択制御部220により、走行状態が停止中で車載アプリケーションを表示中であることから、表示条件が走行表示可の簡略表示を行い(950)、出力指示により低いフレームレート(例:1フレーム/秒)での出力を行う(矢印942)。
このことにより、車載端末100のアプリケーションが表示中でも、並行して携帯端末200のアプリケーションを走行表示可の状態で、低フレームレートにて出力させられるため、次に走行状態が走行中に変わる(矢印923)。そのため、携帯端末200のアプリケーションに表示を切り替えることになっても、出力されていた低フレームレート出力を即時に表示できるとともに、通常フレームレート出力の出力指示(矢印943)により、通常フレームレート出力(矢印944)で携帯端末200のアプリケーションの出力を得ることができる。
矢印923で示す走行状態の変化により表示を携帯端末200のアプリケーションに切り替える際に、それまで表示していた「ビデオ再生」アプリケーションを走行状態「停止中」に対応する表示優先度の最上位に登録することにより、次に走行状態が停止中に変わることを伝える矢印924により、車載端末100の出力制御部130は、走行状態「停止中」に対応する表示優先度設定を参照して、最上位にある「ビデオ再生」アプリケーションに切り替えるため、出力を車載端末100のアプリケーションに切り替える。このとき、携帯端末200への出力指示(矢印945)は、矢印941と同内容となり、携帯端末200のアプリケーションは、次に走行中に切り替わるときの準備として低レート出力に切り替わる(矢印946)。
次に、本発明の一実施の形態に係る情報表示処理システムの優位性を示すために、比較例として、本実施の形態を適用しない一般的な情報表示処理システムの動作について、図10を参照しながら説明する。図10は、比較例として本実施の形態を適用しない一般的な情報表示処理システムの動作の一例を説明する図である。一般的な情報表示処理システムは、先行技術として引用した特許文献1の情報表示処理システムであり、車載端末の走行状態を用いて携帯端末の表示を変更するしくみを有していない。
図10に示すように、この情報表示処理システムでは、車両が走行中であっても、車載端末が走行表示不可であるビデオ再生1010を行い、携帯端末が走行表示可であるナビゲーションの簡略表示1050を行っている状態を示している。走行状態1020は、図9と同様に、時間の経過とともに「停止中」、「走行中」、「停止中」と変化している。車載端末は、携帯端末に非特許文献1の技術を用いる場合、停止中の走行状態1021により車載端末のアプリケーションを表示した後、走行中の走行状態1022に基づいて携帯端末のアプリケーションの表示を行うため、携帯端末に対し出力指示(矢印1041)を送信して、表示出力(矢印1042)を得る。
また、走行中は車載端末のアプリケーション(ビデオ再生)を表示することができないため、走行状態が走行中になってから携帯端末のアプリケーションの出力を得るまでの間は無表示1031となり、表示装置の表示が短時間で2度切り替わることになって、利用者に無用の注意を払わせることになる。つまり、情報表示処理システムの使い勝手が悪くなる。一方、本実施の形態の情報表示処理システムを適用することにより、図9に示すように、無表示区間がなく表示を切り替えることで、表示の乱れを利用者に感じさせることなく表示することが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態の情報表示処理システムによれば、携帯端末200のアプリ選択制御部220が、走行状態受信部260が受信する車両の走行状態、及び車載端末100の表示装置180に出力中のアプリケーションの属性と表示条件とに基づいて、出力中のアプリケーションの属性が車載端末100のアプリケーションのとき、走行状態とは異なる表示条件で実行中のアプリケーションの表示出力を変更するように携帯端末200のアプリケーションの選択制御を行っている。これにより、走行状態が変化して携帯端末200のアプリケーションに表示が切り替えられる際に、アプリ選択制御部220は、走行状態に合った表示条件で表示内容を遅延なく切り替えることができる。
また、車載端末100の出力制御部130が、車載端末100で実行中のアプリケーションの種類と表示条件、携帯端末200で実行中のアプリケーションの種類と表示条件、及び走行状態判定部150で判定した車両の走行状態に基づいて、車載端末100のアプリケーションの表示を行う際に、携帯端末200に対して該携帯端末200のアプリケーションの出力を指示している。これにより、走行状態が変化して携帯端末200のアプリケーションに表示が切り替えられる際に、アプリ選択制御部220は、受信済みまたは受信中の出力を用いて表示を遅延なく切り替えることができる。