以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながらより詳細に説明する。以下では、湿度センサを備えるデジタル複合機として本発明を具体化する。
図1は本実施形態におけるデジタル複合機の全体構成の一例を示す概略構成図である。図1に示すように、複合機100は、画像読取部120及び画像形成部140を含む本体101と、本体101の上方に取り付けられたプラテンカバー102とを備える。本体101の上面にはコンタクトガラス等の透明板からなる原稿台103が設けられており、原稿台103はプラテンカバー102によって開閉されるようになっている。また、プラテンカバー102は、原稿搬送装置110を備えている。なお、複合機100の前面には、ユーザが複合機100に複写開始やその他の指示を与えたり、複合機100の状態や設定を確認したりすることができる操作パネル171が設けられている。
原稿台103の下方には、画像読取部120が設けられている。画像読取部120は、走査光学系121により原稿の画像を読み取りその画像のデジタルデータ(画像データ)を生成する。原稿は、原稿台103や原稿搬送装置110に載置することができる。走査光学系121は、第1キャリッジ122や第2キャリッジ123、集光レンズ124を備える。第1キャリッジ122には線状の光源131及びミラー132が設けられ、第2キャリッジ123にはミラー133及び134が設けられている。光源131は原稿を照明する。ミラー132、133、134は、原稿からの反射光を集光レンズ124に導き、集光レンズ124はその光像をラインイメージセンサ125の受光面に結像する。
この走査光学系121において、第1キャリッジ122及び第2キャリッジ123は、副走査方向135に往復動可能に設けられている。第1キャリッジ122及び第2キャリッジ123を副走査方向135に移動することによって、原稿台103に載置された原稿の画像をイメージセンサ125で読み取ることができる。原稿搬送装置110にセットされた原稿の画像を読み取る場合、画像読取部120は、第1キャリッジ122及び第2キャリッジ123を画像読取位置に合わせて一時的に固定し、画像読取位置を通過する原稿の画像をイメージセンサ125で読み取る。イメージセンサ125は、受光面に入射した光像から、例えば、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色に対応する原稿の画像データを生成する。生成された画像データは、画像形成部140において用紙に印刷することができる。また、生成された画像データは、図示しないネットワークインタフェイス等を介して、ネットワークを通じて他の機器へ送信することもできる。
画像形成部140は、画像読取部120で得た画像データや、上記ネットワークを通じて他の機器から受信した画像データを用紙に印刷する。画像形成部140は、感光体ドラム141を備える。感光体ドラム141は一定速度で一方向に回転する。感光体ドラム141の周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器142、露光器143、現像器144、中間転写ベルト145が配置されている。帯電器142は、感光体ドラム141表面を一様に帯電させる。露光器143は、一様に帯電した感光体ドラム141の表面に、画像データに応じて光を照射し、感光体ドラム141上に静電潜像を形成する。現像器144は、その静電潜像にトナーを付着させ、感光体ドラム141上にトナー像を形成する。中間転写ベルト145は、感光体ドラム141上のトナー像を用紙に転写する。画像データがカラー画像である場合、中間転写ベルト145は、各色のトナー像を同一の用紙に転写する。なお、RGB形式のカラー画像は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)形式の画像データに変換され、各色の画像データが露光器143に入力される。
画像形成部140は、手差しトレイ151、給紙カセット152、153、154等から、中間転写ベルト145と転写ローラ146との間の転写部に用紙を給送する。手差しトレイ151や各給紙カセット152、153、154には、様々なサイズの用紙を載置又は収容することができる。画像形成部140は、ユーザの指定した用紙や、自動検知した原稿のサイズに応じた用紙を選択し、選択した用紙を給送ローラ155により手差しトレイ151やカセット152、153、154から給紙する。給紙された用紙は搬送ローラ156やレジストローラ157で転写部に搬送する。トナー像が転写された用紙は、搬送ベルト147により定着器148に搬送される。定着器148は、ヒータを内蔵した定着ローラ158及び加圧ローラ159を有しており、熱と押圧力によってトナー像を用紙に定着する。画像形成部140は、定着器148を通過した用紙を排紙トレイ149へ排紙する。
図2は、複合機における制御系のハードウェア構成図である。本実施形態の複合機100は、CPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)202、ROM(Read Only Memory)203、HDD(Hard Disk Drive)204及び原稿搬送装置110、画像読取部120、画像形成部140における各駆動部に対応するドライバ205が内部バス206を介して接続されている。ROM203やHDD204等はプログラムを格納しており、CPU201はその制御プログラムの指令にしたがって複合機100を制御する。例えば、CPU201はRAM202を作業領域として利用し、ドライバ205とデータや命令を授受することにより上記各駆動部の動作を制御する。また、HDD204は、画像読取部120により得られた画像データや、他の機器からネットワークを通じて受信した画像データの蓄積にも用いられる。
内部バス206には、操作パネル171や各種のセンサ207も接続されている。操作パネル171は、ユーザの操作を受け付け、その操作に基づく信号をCPU201に供給する。また、操作パネル171は、CPU201からの制御信号にしたがって自身が備えるディスプレイに操作画面を表示する。センサ207は、プラテンカバー102の開閉検知センサや原稿台103上の原稿検知センサ、定着器148の温度センサ、搬送される用紙又は原稿の検知センサなど各種のセンサを含む。
CPU201は、例えばROM203に格納されたプログラムを実行することで、以下の各手段(機能ブロック)を実現するとともに、これらセンサからの信号に応じて各手段の動作を制御する。
図3は、本実施形態の複合機の湿度計測に関連する部分の機能ブロック図である。図3に示すように、複合機100は、湿度計測部301、温度計測部302、基準データ保持部303、個体差データ保持部304及び湿度演算部305を備える。
湿度計測部301は、湿度に応じて抵抗値が変化する湿度センサと当該湿度センサに交番電圧を印加する手段とを備え、当該湿度センサの抵抗値に対応する電圧値を取得する。図4は、本実施形態の湿度計測部301の一例を示す概略構成図である。図4に示すように、湿度計測部301は、湿度センサ401、抵抗素子402及び計測部403を備える。湿度センサ401と抵抗素子402とは直列に接続されており、直列接続された湿度センサ401と抵抗素子402に、計測部403が接続されている。湿度センサ401は、高分子抵抗式のセンサ素子であり、雰囲気の湿度に応じて抵抗値が変化する。抵抗素子402は、固定抵抗素子であり。抵抗素子402には任意の構造の抵抗器を使用することができるが、その抵抗値のばらつき(許容差)が、例えば1%の範囲内にある抵抗器を使用することが好ましい。
本実施形態では、計測部403は、電圧印加部411と電圧検出部412とを備える。電圧印加部411は端子P1及び端子P2を備え、当該端子P1と端子P2との間に交番電圧を印加する。図4に示すように、直列接続された湿度センサ401及び抵抗素子402の湿度センサ401側端部が端子P1に接続され、抵抗素子402側端部が端子P2に接続されている。また、電圧検出部412が備える電圧検出端子PA1は、湿度センサ401と抵抗素子402との間に接続されている。電圧検出部412は、湿度センサ401の抵抗値と抵抗素子402の抵抗値とで分圧された当該位置の電圧(電位)を計測することにより、湿度センサ401の抵抗値に対応する電圧値を取得する。このように湿度センサ401に交番電圧を印加することで湿度センサを構成する高分子材料の分極劣化を避けることができる。
図5は、電圧印加部411の端子P1、P2に印加される電圧と、電圧検出部412の端子PA1で検出される電位の一例を示す図である。図5に示すように、本実施形態では、端子P1、P2は、Highレベル信号とLowレベル信号とで構成される、相互に位相が180度ずれた矩形波を出力する。特に限定されないが、当該交番電圧の周波数(1/周期T)は1kHzである。端子PA1では、矩形波の印加中、徐々に絶対値が大きくなる電位が現れる。電圧検出部412は、端子P1、P2に印加される矩形波の極性が反転する直前の電位(図中の矢指部X)を、湿度センサ401の出力電位として取得する。
温度計測部302は、湿度計測部301の周囲の雰囲気温度を計測する。温度計測部302の構造、温度計測方式は特に限定されない。例えば、1℃程度の分解能で温度を取得できれば、その構成は任意である。
基準データ保持部303は、予め他の湿度センサについて求められた、当該他の湿度センサの抵抗値に対応する電圧値、計測対象雰囲気の湿度及び計測対象雰囲気の温度の対応関係を保持する。ここで、他の湿度センサは、複合機100に搭載された湿度センサ401と同型の湿度センサである。特に限定されないが、本実施形態では、当該他の湿度センサは、素子ばらつきの範囲内において、標準的な特性を有する素子としている。ここで、標準的な特性とは、湿度センサの製造メーカから、カタログ等に掲載されて提供される標準特性であり、素子ばらつきの範囲内で最も多くの素子が分布しているとされる部分に属する素子の特性である。当該対応関係の保持する形態は特に限定されない。例えば、対応関係を表現する式の形態で対応関係を保持してもよく、対応関係を示すテーブルを保持してもよい。
図6は、上述の構成を有する湿度計測部301の出力電圧(電圧検出部412の検出電圧)と湿度との関係の温度依存性を示す図である。ここでは、湿度計測部301には、標準的な特性を有する湿度センサ401が搭載されている(以下、適宜、標準品という。)。図6では、横軸が湿度に対応し、縦軸が出力電圧に対応する。また、図6では、雰囲気温度をパラメータとして変化させている。図6において最も下方にある実線が0℃に対応し、最も上方にある実線が50℃に対応する。当該0℃の実線と50℃の実線との間の9本の実線は、それぞれ5℃〜45℃までの5℃ステップの温度依存性に対応する。
図6から理解できるように、湿度計測部301の出力電圧が同一であっても、周囲温度が異なれば対応する湿度の値が大きく異なることになる。このような対応関係を使用することで、湿度計測部301の出力電圧から湿度を求めることができる。例えば、雰囲気温度が20℃であり、湿度計測部301の出力電圧値が2.3Vである場合、湿度は58%になる。
基準データ保持部303には、図6に示す、湿度計測部301の出力電圧と湿度との対応関係、及びその温度依存性が格納されている。特に限定されないが、本実施形態では、この対応関係をテーブルとして基準データ保持部303に格納している。すなわち、出力電圧と湿度とを対応づけて記録したテーブルを、各温度(0℃〜50℃の範囲を5℃ステップの11温度)について作成し、基準データ保持部303に格納している。また、ここでは、各テーブルにおいて、出力電圧のステップを0.1Vとし、各出力電圧に対応する湿度を記録している。なお、湿度計測時における湿度計測部301の出力電圧が各テーブルに記録されたデータの間である場合は、適宜補間等を実施することができる。また、湿度計測時における温度計測部302の計測温度が、各テーブルに対応する温度の間である場合は、適宜補間等を実施することもできるが、単に、温度が近い方のテーブルを使用することもできる。
個体差データ保持部304は、計測対象雰囲気が既知の温度及び既知の湿度である状態で湿度計測部301を使用して取得された、当該湿度計測部301が備える湿度センサ401の抵抗値の個体差を示す情報を保持する。ここで、個体差を示す情報(以下、個体差情報という。)とは、複合機100に搭載されている湿度センサ401と、基準データ保持部303に格納されている特性を有する湿度センサとの差を示す情報を意味する。なお、当該個体差情報は、例えば、製造工場において、組立完了時や出荷検査時に、既知温度、既知湿度の雰囲気中において複合機100に搭載される湿度センサ401を備える湿度計測部301を使用して実際に取得され、個体差データ保持部304に格納される。
図7は、温度センサの個体差を示す図である。図7では、横軸が湿度に対応し、縦軸が湿度計測部301の出力電圧に対応する。図7において、中央の実線71が、素子ばらつき範囲において、標準的な特性を有する湿度センサを備えた湿度計測部301の出力電圧と湿度との関係を示している。上方の実線72が、素子ばらつき範囲において、最小に近い抵抗値を有する湿度センサを備えた湿度計測部301の出力電圧と湿度との関係を示している。下方の実線73が、素子ばらつき範囲において、最大に近い抵抗値を有する湿度センサを備えた湿度計測部301の出力電圧と湿度との関係を示している。なお、図4に示すように、電圧検出部412は湿度センサ401と抵抗素子402とで分圧された電位を計測しているため、湿度センサ401の抵抗値が小さくなると検出電位が大きくなり、湿度センサ401の抵抗値が大きくなると検出電位が小さくなる。なお、この例では、雰囲気温度は20℃である。
図7から理解できるように、測定対象雰囲気の温度及び湿度が同一であっても、湿度センサ401の個体差によって、湿度計測部301の出力電圧が大きく異なることになる。例えば、湿度55%(温度20℃)であっても、実線71では出力電圧値が2.0Vであるのに対し、実線72では2.4V、実線73では1.4Vになる。
ここでは、個体差データ保持部304には、単一の計測対象雰囲気において複合機100に搭載する湿度計測部301を使用して取得された、当該湿度計測部301が備える湿度センサ401の抵抗値に対応する電圧値を格納している。例えば、単一の計測対象雰囲気が温度20℃、湿度55%であり、この湿度センサ401を搭載した湿度計測部301の出力電圧が2.4V(実線72に相当)であるとすると、標準品を搭載した湿度計測部301の出力電圧2.0Vとの差である0.4V(すなわち、この湿度センサ401は、標準品よりも0.4V出力電圧が高くなるという個体差情報)が個体差データ保持部304に格納される。なお、複合機100に搭載される湿度センサが図7の実線73に相当する特性を有している場合(温度20℃、湿度55%において出力電圧1.4V)、個体差データ保持部304には、1.4−2.0=−0.6Vが格納されることになる。
湿度演算部305は、湿度計測時に複合機100に搭載された湿度計測部301が取得した電圧値、当該湿度計測時に温度計測部302が計測した温度及び基準データ保持部303に保持された対応関係と、個体差データ保持部304に保持された湿度計測部301が備える湿度センサ401の抵抗値の個体差情報とに基づいて、計測対象雰囲気の湿度を算出する。
上述のように、個体差データ保持部304に、個体差情報として0.4Vが格納されている場合、例えば、複合機100に搭載した湿度計測部301の出力電圧が1.5V、温度計測部302の計測温度が20℃であるとすると、湿度演算部305は、当該1.5Vに個体差データ保持部304に格納された値を減算した補正出力電圧1.1Vで湿度を求める。すなわち、図6に示す図における温度20℃に対応する特性線において1.1Vの出力電圧に対応する湿度を求める。この場合、湿度は44%になる。一方、個体差情報を使用することなく、湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めた場合、湿度は49%になる。実際、この例の湿度センサ401は、図7に示す実線72の特性を有しているので、当該特性において湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めると43%である。したがって、個体差情報を使用することにより、標準品の特性データから誤差のより小さい湿度を求めることが可能になっている。
また、個体差データ保持部304に、個体差情報として−0.6Vが格納されている場合、例えば、複合機100に搭載した湿度計測部301の出力電圧が1.5V、温度計測部302の計測温度が20℃であるとすると、湿度演算部305は、当該1.5Vに個体差データ保持部304に格納された値を減算した補正出力電圧2.1Vで湿度を求める。すなわち、図6に示す図において、温度20℃に対応する特性線において2.1Vの出力電圧に対応する湿度を求める。この場合、湿度は57%になる。一方、個体差情報を使用することなく、湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めた場合、湿度は49%になる。実際、この例の湿度センサ401は、図7に示す実線73の特性を有しているので、当該特性において湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めると56%である。したがって、個体差情報を使用することにより、標準品の特性データから誤差のより小さい湿度を求めることが可能になっている。
なお、上述の例の場合、個体差データ保持部304に保持された個体差情報は、異なる雰囲気温度について取得された出力電圧に対しても一様に減算されることになる。以下、雰囲気温度が10℃の場合と40℃の場合について、個体差データ保持部304に保持された個体差情報を使用した湿度の算出について説明する。
図8及び図9は、雰囲気温度が10℃の場合と40℃の場合とにおける温度センサの個体差を示す図である。図8及び図9では、図7と同様に、横軸が湿度に対応し、縦軸が湿度計測部301の出力電圧に対応する。図8及び図9において、中央の実線81、91が、素子ばらつき範囲において、標準的な特性を有する湿度センサを備えた上述の湿度計測部301(図7に示す実線71に対応する湿度計測部301)の出力電圧と湿度との関係を示している。上方の実線82、92が、素子ばらつき範囲において、最小に近い抵抗値を有する湿度センサを備えた上述の湿度計測部301(図7に示す実線72に対応する湿度計測部301)の出力電圧と湿度との関係を示している。下方の実線83、93が、素子ばらつき範囲において、最大に近い抵抗値を有する湿度センサを備えた上述の湿度計測部301(図7に示す実線73に対応する湿度計測部301)の出力電圧と湿度との関係を示している。
上述のように、個体差データ保持部304に、個体差情報として0.4V(標準品よりも0.4V出力電圧が高くなるという個体差情報)が格納されている場合、例えば、複合機100に搭載した湿度計測部301の出力電圧が1.5V、温度計測部302の計測温度が10℃であるとすると、湿度演算部305は、上述の補正出力電圧1.1Vで湿度を求める。すなわち、図6に示す図における温度10℃に対応する特性線において1.1Vの出力電圧に対応する湿度を求める。この場合、湿度は49%になる。一方、個体差情報を使用することなく、温度10℃に対応する特性線において湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めた場合、湿度は54%になる。実際、この例の湿度センサ401は、雰囲気温度10℃において、図8に示す実線82の特性を有しているので、当該特性において湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めると47%である。
同様に、例えば、当該湿度計測部301の出力電圧が1.5V、温度計測部302の計測温度が40℃であるとすると、湿度演算部305は、図6に示す図における温度40℃に対応する特性線において1.1Vの出力電圧に対応する湿度を求める。この場合、湿度は37%になる。一方、個体差情報を使用することなく、温度40℃に対応する特性線において湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めた場合、湿度は41%になる。実際、この例の湿度センサ401は、雰囲気温度40℃において、図9に示す実線92の特性を有しているので、当該特性において湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めると32%である。
また、上述のように、個体差データ保持部304に、個体差情報として−0.6V(標準品よりも0.6V出力電圧が低くなるという個体差情報)が格納されている場合、例えば、複合機100に搭載した湿度計測部301の出力電圧が1.5V、温度計測部302の計測温度が10℃であるとすると、湿度演算部305は、当該1.5Vに個体差データ保持部304に格納された値を減算した補正出力電圧2.1Vで湿度を求める。すなわち、図6に示す図における温度10℃に対応する特性線において2.1Vの出力電圧に対応する湿度を求める。この場合、湿度は61%になる。一方、個体差情報を使用することなく、温度10℃に対応する特性線において湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めた場合、湿度は54%になる。実際、この例の湿度センサ401は、雰囲気温度10℃において、図8に示す実線83の特性を有しているので、当該特性において湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めると61%である。
同様に、例えば、当該湿度計測部301の出力電圧が1.5V、温度計測部302の計測温度が40℃であるとすると、湿度演算部305は、図6に示す図における温度40℃に対応する特性線において2.1Vの出力電圧に対応する湿度を求める。この場合、湿度は48%になる。一方、個体差情報を使用することなく、温度40℃に対応する特性線において湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めた場合、湿度は41%になる。実際、この例の湿度センサ401は、雰囲気温度40℃において、図9に示す実線93の特性を有しているので、当該特性において湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めると49%である。
以上のように、個体差情報を使用することにより、個体差情報を取得した雰囲気温度と異なる雰囲気温度においても、標準品の特性データから誤差のより小さい湿度を求めることが可能になっている。
図10は、複合機100(湿度演算部305)が実施する湿度計測手順の一例を示すフロー図である。なお、当該手順は、例えば、複合機100において画像形成指示が入力されたこと、あるいは、所定の時間間隔の経過をトリガとして開始される。
当該手順が開始すると、湿度演算部305が湿度計測部301の出力電圧を取得する。また、このとき、湿度演算部305は、温度計測部302が計測した温度を取得する(ステップS1001)。
温度及び出力電圧を取得した湿度演算部305は、個体差データ保持部304に個体差情報が格納されているか否かを確認する(ステップS1002)。個体差情報が格納されている場合、湿度演算部305は、当該個体差情報を個体差データ保持部304から読み出して上述の出力電圧を補正する演算を行う(ステップS1002Yes、S1003)。
補正演算を完了した湿度演算部305は、温度計測部302から取得した温度及び演算した出力電圧に基づいて、基準データ格納部303に格納されているテーブルを参照し、当該出力電圧に対応する湿度を求める(ステップS1004)。
一方、個体差情報が格納されていない場合、湿度演算部305は、温度計測部302から取得した温度及び湿度計測部301から取得した出力電圧に基づいて、基準データ格納部303に格納されているテーブルを参照し、当該出力電圧に対応する湿度を求める(ステップS1002No、S1004)。
以上のように、この複合機100では、単一の既知温度、既知湿度において取得した個体差情報を利用するという極めて簡便な構成により、従来に比べて、湿度センサの個体差に起因する計測誤差を低減することができる。
ところで、個体差情報は、湿度が異なる複数の同一温度の計測対象雰囲気においてそれぞれ取得されてもよい。
例えば、異なる湿度が70%と40%であり、それぞれの温度が20℃である場合、湿度計測部301の出力電圧がそれぞれ3.1V、1.3V(図7の実線72に相当)であるとする。標準品を搭載した湿度計測部301のそれぞれの湿度における出力電圧は2.8V、0.8Vであるので、出力電圧が3.1V(湿度70%)における電圧差はΔV(3.1)=3.1−2.8=0.3V、出力電圧が1.3V(湿度40%)における電位差はΔV(1.3)=1.3−0.8=0.5Vとなる。この場合、ΔV(3.1)=0.3V、ΔV(1.3)=0.5Vが個体差データ保持部304に格納される。
この場合、例えば、複合機100に搭載した湿度計測部301の出力電圧が1.5V、温度計測部302の計測温度が20℃であるとすると、湿度演算部305は、まず、個体差データ保持部304に格納されたΔV(3.1)、ΔV(1.3)から算出される、出力電圧1Vあたりの電圧差の変化率Δと、出力電圧の値が1.5Vにより近い、出力電圧1.3Vのときの電圧差ΔV(1.3)とを使用して、出力電圧の補正量Cを算出する。すなわち、C=ΔV(1.3)+(1.5−1.3)×Δ=0.5+0.2×{(0.3−0.5)/(3.1−1.3)}=0.5−0.022=0.478となる。そして、湿度演算部305は、湿度計測部301の出力電圧から当該補正量を減算した補正出力電圧1.022Vで湿度を求める。すなわち、図6に示す図において、温度20℃に対応する特性線において1.022Vの出力電圧に対応する湿度を求める。この場合、湿度は43%になる。実際、この例の湿度センサ401は、図7に示す実線72の特性を有しているので、当該特性において湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めると43%である。一方、個体差情報を使用することなく、湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めた場合、上述のとおり湿度は49%である。したがって、個体差情報を使用することにより、標準品の特性データから誤差のより小さい湿度を求めることが可能になる。
なお、この事例では、個体差データ保持部304に保持された個体差情報は、異なる雰囲気温度について取得された出力電圧に対しても同様にして算出された補正量Cが減算される。例えば、複合機100に搭載した湿度計測部301の出力電圧が1.5V、温度計測部302の計測温度が10℃であるとすると、湿度演算部305は、湿度計測部301の出力電圧から上述の補正量を減算した補正出力電圧1.022Vで湿度を求める。すなわち、図6に示す図における温度10℃に対応する特性線において1.022Vの出力電圧に対応する湿度を求める。この場合、湿度は48%になる。実際、この例の湿度センサ401は、雰囲気温度10℃において、図8に示す実線82の特性を有しているので、当該特性において湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めると47%である。一方、個体差情報を使用することなく、湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めた場合、上述のとおり湿度は54%になる。同様に、例えば、当該湿度計測部301の出力電圧が1.5V、温度計測部302の計測温度が40℃であるとすると、湿度演算部305は、図6に示す図における温度40℃に対応する特性線において1.022Vの出力電圧に対応する湿度を求める。この場合、湿度は35%になる。実際、この例の湿度センサ401は、雰囲気温度40℃において、図9に示す実線92の特性を有しているので、当該特性において湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めると32%である。一方、個体差情報を使用することなく、湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めた場合、上述のとおり湿度は41%になる。したがって、個体差情報を取得した雰囲気温度と異なる雰囲気温度においても、標準品の特性データから誤差のより小さい湿度を求めることが可能になる。
当該事例において、複合機100に搭載される湿度センサが図7の実線73に相当する特性を有している場合(温度20℃、湿度70%において出力電圧2.6V、温度20℃、湿度40%において出力電圧0.3V)は、個体差データ保持部304には、ΔV(2.6)=2.6−2.9=−0.3V、ΔV(0.3)=0.3−0.8=−0.5Vが格納されることになる。この場合、例えば、複合機100に搭載した湿度計測部301の出力電圧が1.5V、温度計測部302の計測温度が20℃であるとすると、湿度演算部305は、まず、ΔV(2.6)、ΔV(0.3)とこれらから算出される出力電圧1Vあたりの電圧差の変化率Δと、出力電圧の値が1.5Vにより近い、出力電圧2.6Vのときの電圧差ΔV(2.6)とを使用して、出力電圧の補正量Cを算出する。すなわち、C=ΔV(2.6)+(1.5−2.6)×Δ=−0.3−1.1×{(−0.3−(−0.5)/(2.6−0.3)}=−0.3−0.096=−0.396となる。そして、湿度演算部305は、湿度計測部301の出力電圧から当該補正量を減算した補正出力電圧1.896Vで湿度を求める。すなわち、図6に示す図において、温度20℃に対応する特性線において1.896Vの出力電圧に対応する湿度を求める。この場合、湿度は54%になる。実際、この例の湿度センサ401は、図7に示す実線73の特性を有しているので、当該特性において湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めると56%である。一方、個体差情報を使用することなく、湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めた場合、上述のとおり湿度は49%である。したがって、個体差情報を使用することにより、標準品の特性データから誤差のより小さい湿度を求めることが可能になる。
また、例えば、当該湿度計測部301の出力電圧が1.5V、温度計測部302の計測温度が10℃であるとすると、湿度演算部305は、湿度計測部301の出力電圧から上述の補正量を減算した補正出力電圧1.896Vで湿度を求める。すなわち、図6に示す図における温度10℃に対応する特性線において1.896Vの出力電圧に対応する湿度を求める。この場合、湿度は58%になる。実際、この例の湿度センサ401は、雰囲気温度10℃において、図8に示す実線83の特性を有しているので、当該特性において湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めると61%である。一方、個体差情報を使用することなく、湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めた場合、上述のとおり湿度は54%である。同様に、例えば、当該湿度計測部301の出力電圧が1.5V、温度計測部302の計測温度が40℃であるとすると、湿度演算部305は、図6に示す図における温度40℃に対応する特性線において1.896Vの出力電圧に対応する湿度を求める。この場合、湿度は45%になる。実際、この例の湿度センサ401は、雰囲気温度40℃において、図9に示す実線93の特性を有しているので、当該特性において湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めると49%である。一方、個体差情報を使用することなく、湿度計測部301の出力電圧が1.5Vで湿度を求めた場合、上述のとおり湿度は41%である。したがって、個体差情報を取得した雰囲気温度と異なる雰囲気温度においても、標準品の特性データから誤差のより小さい湿度を求めることが可能になる。
このように 、湿度が異なる複数の同一温度の計測対象雰囲気においてそれぞれ取得した個体差情報とその変化率を使用することで、高湿度側に向かうにしたがって、個体差に起因する出力電圧のばらつき(電圧差)が次第に小さくなるという状態(図7参照)を反映することが可能になる。なお、ここでは、異なる湿度を2条件としたが、条件数を増やすことで、より精度を向上させることが可能になる。
以上のように、湿度が異なる複数の同一温度の計測対象雰囲気においてそれぞれ取得した個体差情報とその変化率を使用する事例では、同一の雰囲気温度において取得した数点の個体差情報を利用するという比較的簡便な構成により、従来に比べて、湿度センサの個体差に起因する計測誤差を低減することができる。
以上説明したように、本発明によれば、1点又は数点の実測した個体差情報を使用するという比較的簡便な構成で、湿度センサの個体差に起因する計測誤差を従来に比べて低減した湿度計測が可能になる。この構成では、各画像形成装置に格納される、湿度センサの温度依存性データは共通であるため、極めて合理的である。
なお、上述した実施形態は本発明の技術的範囲を制限するものではなく、既に記載したもの以外でも、本発明の範囲内で種々の変形や応用が可能である。例えば、上述の実施形態では、特に好ましい形態として、個体差情報を単一の温度で取得する構成としたが、複数の温度(例えば、基準データ保持部303が保持するテーブルごと)においてそれぞれ取得してもよい。
また、上述の実施形態では、デジタル複合機として本発明を具体化したが、デジタル複合機に限らず、プリンタ、複写機等の任意の画像形成装置に本発明を適用することも可能である。