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JP5888044B2 - 地絡方向継電器の方向性確認試験方法とその装置 - Google Patents
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地絡方向継電器の方向性確認試験方法とその装置 Download PDF

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本発明は、地絡方向継電器の方向性確認試験に関するもので、特に地絡方向継電器の単体試験だけではなく、零相電圧や零相電流の検出部材をも含めた総合的な方向性確認試験方法とその装置に関するものである。
地絡方向継電器は、保護対象系統の地絡時に発生する零相電圧を接地形計器用変圧器(EVT)または零相コンデンサ分圧器(ZPC)などで検出し、保護対象系統の負荷回線を流れる零相電流を零相変流器(ZCT)で検出し、これら零相電圧と零相電流との位相関係から、系統の負荷側回線が健全であるか地絡故障回線であるかを弁別し、地絡故障回線のみ選択遮断することにより系統全体の安定運用を確保することを目的にして使用される。
地絡発生時には当該の地絡故障回線に設置された地絡方向継電器のみが動作し、他の健全回線の地絡方向継電器は全て不動作となることにより、正しく故障回線のみ選択遮断することを確認するためには、単に地絡方向継電器の単体試験だけではなく、EVT(またはZPC)及びZCTを含めた総合的確認試験が必要となる。
総合的確認試験方法として特許文献1などが公知となっており、図4はその特許文献1に記載された試験方法の一つである。この試験方法は、停止状態の高圧母線1を三相一括短絡し、これを変圧比nの試験用単相変圧器Tfの二次側の一端に接続する。試験用単相変圧器Tfの二次側の他端は零相変流器ZCTを貫通させて接地する。
試験用単相変圧器Tfの一次側からは、対地試験電圧(地絡時に主回路に含まれている零相電圧成分に相当)を印加し、試験用単相変圧器Tfの二次側に流れる零相電流I0を零相変流器ZCTで検出する。地絡方向継電器67Gは高圧母線1に接続された接地形計器用変圧器EVTからの零相電圧V0および負荷回線に設ける零相変流器ZCTからの零相電流の位相関係から、負荷回線側が健全であるか地絡故障回線であるかを弁別する。
ここで、試験用単相変圧器Tfの二次側の高圧側(系統に零相電圧を印加する側)と対地間に試験用インピーダンス回路Ztが接続され、試験用単相変圧器Tfの出力電圧に応じた電流が試験用インピーダンスZtを介して対地に流れ、その帰路電流を零相変流器ZCTの一次側に零相電流分として加算させている。
特許登録第4770403
図4で示す特許文献1に記載された試験方法の場合、それ以前の従来方法に比較して大幅に軽量・小規模の試験機材により簡便に確認試験ができ、且つ高圧電源を用いずに低圧電源だけで試験が可能となるため、人的にも物的にも安全性を向上することができる利点を有している。
一方、試験時においては、地絡方向継電器の零相電圧整定や零相電流整定に対して、短時間とは言えこれを上回る電圧・電流を発生させることのできる容量が必要となるため、試験器に纏めようとした場合、全体の更なる小型化には限界が生じていた。また、試験用インピーダンスZtとして抵抗、コンデンサ或いはこれらを組み合わせて用いるが、抵抗を用いる方法の場合、抵抗容量が十分に大きくないと試験を繰り返していくうちに発熱が問題となることも予想される。コンデンサを用いれば発熱の問題は無くなるが、印加電圧に十分に耐えうる定格電圧で、試験電流を流すのに十分な静電容量のコンデンサの確保が困難となっている。
本発明が目的とするとこは、更なる小型化と、より小さな容量のインピーダンスの使用が可能な地絡方向継電器の方向性確認試験方法とその装置を提供することにある。
本発明の請求項1は、主回路と、主回路に接続される零相電圧検出手段、零相変流器及び地絡方向継電器を有する被試験対象物に対し、地絡時の主回路に含まれている零相電圧成分に相当する対地試験電圧を試験用単相変圧器にて印加し、発生した零相電圧と零相電流を地絡方向継電器に入力して試験する方法において、
前記対地試験電圧印加する試験用単相変圧器を、電圧印加用の第1と電流回路用の第2の試験用単相変圧器に分け、第2の試験用単相変圧器の二次側に試験用インピーダンスを接続し、試験用インピーダンスを流れる零相電流と前記零相電圧検出手段により検出された零相電圧を地絡方向継電器に入力し、零相電流と零相電圧との位相関係による地絡方向継電器の動作・不動作の弁別で確認試験を行うことを特徴としたものである。
本発明の請求項2は、主回路と、主回路に接続される零相電圧検出手段、零相変流器及び地絡方向継電器を有する被試験対象物に対し、地絡時の主回路に含まれている零相電圧成分に相当する対地試験電圧を試験用単相変圧器にて印加し、発生した零相電圧と零相電流を地絡方向継電器に入力して試験する装置において、
前記対地試験電圧を印加する試験用単相変圧器を、電圧印加用の第1と電流回路用の第2の試験用単相変圧器に分け、第1の試験用単相変圧器の二次側の一端を前記主回路の三相一括点に接続し、二次側の他端を接地すると共に、
第2の試験用単相変圧器の二次側の一端を接地し、二次側の他端に試験用インピーダンスを接続し、試験用インピーダンスの他端は前記零相変流器を貫通して接地するよう構成することを特徴としたものである。
本発明の請求項3は、前記第1の試験用単相変圧器と第2の試験用単相変圧器の出力電圧位相は逆位相となるよう構成し、前記試験用インピーダンスを抵抗で構成したことを特徴としたものである。
本発明の請求項4は、前記第1の試験用単相変圧器と第2の試験用単相変圧器の出力電圧位相を同相となるよう構成し、前記試験用インピーダンスをインダクタンスとしたことを特徴としたものである。
本発明の請求項5は、前記第1及び第2の試験用単相変圧器の一次側にそれぞれスライダックを接続し、各一次側に印加される試験電圧を各別に調整可能に構成したことを特徴としたものである。
以上のとおり、本発明によれば、試験用単相変圧器を電圧印加用と電流回路用に分け、電流回路用の試験用単相変圧器の二次側に試験用インピーダンスを接続することによって、試験用インピーダンスを構成する部品の選定は、零相電圧よりも低い電流回路用の変圧器の二次電圧との関係から決めることができ、その値や容量の小さなインピーダンスを用いることが可能となり小型・軽量化を図ることができる。また、試験用インピーダンスとしてリアクトルの使用が可能となり、
試験装置としての構成部品選定の柔軟性が向上するものである。
本発明の実施形態を示す試験装置の構成図。 本発明の他の実施形態を示す試験装置の構成図。 本発明の他の実施形態を示す試験装置の構成図。 従来の地絡方向継電器の方向性確認試験装置の構成図。
保護対象系統である高圧・低圧系統の主回路(各実施例では高圧母線)、または運用時の主回路に電気的に接続される零相電圧検出手段、零相変流器などに対して試験用単相変圧器を介して等価的に零相電圧を印加し、この電圧印加によって発生した零相電圧を零相電圧検出手段にて検出する。また、試験用インピーダンスを流れる零相電流成分を零相変流器にて検出し、検出された零相電圧と零相電流を地絡方向継電器に入力して両者の位相関係から地絡方向継電器の総合確認試験方法において、本発明の実施例1,2では、試験用単相変圧器を2個用い、一方を電圧印加用とし、他方を電流回路用に分けたものである。また、実施例3では、試験用インピーダンスとしてインダクタンスの使用を可能としたものである。以下図に基づいて詳述する。
図1は、本発明の第1の実施例を示す試験装置の構成図を示したもので、図4と同一部分若しくは相当する部分に同一符号を示している。本発明の実施例1では、2個の試験用単相変圧器Tf1,Tf2が用いられる。第1の試験用単相変圧器Tf1の二次側の一端は三相の高圧母線1を一括した部位に接続され、二次側の他端は接地される。また、試験用単相変圧器Tf1の一次側には試験用電源から電圧調整用のスライダックSDを介して試験電圧が印加される。
第2の試験用単相変圧器Tf2の一次側は、スライダックSDを介して試験用電源が接続される。単相変圧器Tf2の二次側の一端は接地されるが、他端には試験用インピーダンスZtが接続され、試験用インピーダンスZtの他端は被試験対象の一つである零相変流器ZCTを貫通して接地される。インピーダンスZtとしては抵抗、コンデンサ、或いはこれらの組合せからなる回路が用いられるが、その場合単相変圧器Tf1,Tf2の電圧出力位相は逆相となるよう構成される。
例えばインピーダンスZtとして抵抗を用いた場合には、主回路に印加される零相電圧位相が正の半波のとき、零相変流器ZCTを電源側(K側)から負荷側(L側)に貫通する零相電流が負の半波になるよう構成される。67は地絡方向継電器、EVTは零相電圧検出手段としての接地形計器用変圧器(またはコンデンサZPC)である。
図1において、試験用単相変圧器Tf1二次側に、地絡時に主回路に含まれている零相電圧成分に相当する対地試験電圧を発生させる電圧が試験用電源を介して印加される。試験用単相変圧器Tf1,Tf2の各二次側にはそれぞれ印加電圧に対応した零相電流I0が流れるが、試験用インピーダンスZtを流れる電流は試験用変圧器Tf2に印加された電圧に相当する零相電流I0分となって零相変流器ZCTにより検出され、地絡方向継電器67に入力される。地絡方向継電器67には、零相電圧検出手段EVTによって検出された零相電圧V0も入力されている。
この回路構成で対地試験電圧・電流を徐々に増加させ、零相電圧V0と零相変流器ZCTからの零相電流I0の位相関係で動作する地絡方向継電器67の「動作」「不動作」の有無を判別することで、零相電圧検出手段EVT、零相変流器ZCTを含めた保護回路の構成・接続が正しいか否かを弁別することが可能となる。
すなわち、この実施例では第1の試験用単相変圧器Tf1を電圧印加用とし、第2の試験用単相変圧器Tr2を電流回路用に分けて構成したものである。このように構成することにより、電圧印加用の第1の試験用単相変圧器Tf1に流れる電流は、零相電圧検出手段EVTに設けられる三次回路の電流制限抵抗や主回路対地静電容量に流れる電流のみとなり、この電流は系統の各負荷回線に設置される遮断器を断路位置に引出しておくことにより大幅に軽減される。結果として電圧印加用としての試験用単相変圧器Tf1は、図4で示す試験用単相変圧器Tfよりも更に小さな容量とすることが可能となる。
また、電流回路用の試験用単相変圧器Tf2は、試験用インピーダンスZtを適切に選定することでそれほど高い出力電圧でなくとも地絡方向継電器67を動作させ得るに十分な電流を流すことができ、その結果、試験用単相変圧器Tf2の容量も小さくすることが可能となった。
したがって、この実施例によれば、試験用単相変圧器を電圧印加用と電流回路用に分け、電流回路用の試験用単相変圧器Tf2の二次側に試験用インピーダンスZtを接続することによって、試験用インピーダンスZtを構成する部品の選定は、零相電圧よりも低い電流回路用の変圧器Tf2の二次電圧との関係から決めることができ、その値や容量の小さなインピーダンスを用いることが可能となる。図4の回路構成と比較して試験用単相変圧器が1個増えた部品構成となるが、試験装置全体としては図4よりも更に小型・軽量化を図ることが可能となった。
図2は第2の実施例を示したもので、図1との相違点は、試験用単相変圧器Tf1,Tf2の各一次側に電圧調整用のスライダックSD1,SD2を各別に設けたことである。スライダックSD1を調整することによって試験用単相変圧器Tf1を介して印加する負荷回線に対する対地試験電圧の調整を可能とし、また、スライダックSD2を調整することにより試験用単相変圧器Tf2からの零相電流の調整を可能としたものである。他は、実施例1と同様である。
したがって、この実施例2によれば、電圧・電流がそれぞれ個別に任意調整が可能としたことにより、より柔軟な測定が可能となる。
なお、試験用単相変圧器を2個用いる図1及び図2の実施例において、Tf1とTf2の電圧出力位相を同相となるように回路構成し、試験用インピーダンスZtとしてインダクタンスを用いることにより、EVTで検出された零相電圧V0に対して零相変流器ZCTを電源側(K)から負荷側(L)に貫通する零相電流I0は略90゜遅れの関係になるので、図1及び図2と同様の試験が可能となる。すなわち、Tf1,Tf2の電圧出力位相を同相にすることによって、Ztとしてインダクタンスの使用が可能となり、試験装置としての構成部品選定の柔軟性が向上するものである。
図3は第3の実施例を示したもので、試験用単相変圧器をTfの1個とし、試験用インピーダンスZtとしてインダクタンスの使用を可能としたものである。すなわち、三相の高圧母線1を一括した負荷回路に、試験用単相変圧器Tfの二次側とインダクタンスZtの各一端が接続される。試験用単相変圧器Trの他端は接地され、インダクタンスZtの他端は零相変流器ZCTを貫通して接地される。また、試験用単相変圧器Tfの一次側は、スライダックSDを介して試験用電源に接続される。
図3の回路構成の場合、零相電圧検出手段EVTで検出された零相電圧V0に対して、インダクタンスZtを通り零相変流器ZCTを電源側(K)から負荷側(L)を貫通して流れる零相電流I0は略90゜遅れの関係になる。この回路構成で対地試験電圧・電流を徐々に増加させ、零相電圧V0と零相変流器ZCTからの零相電流I0の位相関係で動作する地絡方向継電器67の「動作」「不動作」の有無を判別することで、零相電圧検出手段EVT、零相変流器ZCTを含めた系統回線は健全か否かを弁別することが可能となる。
図1〜図4で示す回路構成は、電力ケーブルなどが接続されていないなどの理由で高圧母線等に接続される対地インピーダンスを流れる電流が小さい場合でも、試験用インピーダンスZtを流れる電流成分によって零相変流器ZCTの一次側に貫通して流れる電流を地絡方向継電器67の零相電流整定値を上回ることができる特徴を備えている。したがって、系統に接続される対地インピーダンスを流れる零相電流成分を考慮しなくても、試験用インピーダンスZtを流れる電流成分のみにより地絡方向継電器67の動作確認試験ができることから、電力ケーブルなどを試験回路から極力除外することにより、必要最小限の容量の試験機材での試験が可能となる。
この実施例3によれば、上記特徴を有する試験装置の試験用インピーダンスZtとしてインダクタンスの使用が可能となり、試験装置としての構成部品選定の柔軟性が向上するものである。
1… 高圧母線
EVT… 零相電圧検出手段
ZCT… 零相変流器
Zt… 試験用インピーダンス
67… 地絡方向継電器
SD… スライダック
Tf… 試験用単相変圧器

Claims (5)

  1. 主回路と、主回路に接続される零相電圧検出手段、零相変流器及び地絡方向継電器を有する被試験対象物に対し、地絡時の主回路に含まれている零相電圧成分に相当する対地試験電圧を試験用単相変圧器にて印加し、発生した零相電圧と零相電流を地絡方向継電器に入力して試験する方法において、
    前記対地試験電圧印加する試験用単相変圧器を、電圧印加用の第1と電流回路用の第2の試験用単相変圧器に分け、第2の試験用単相変圧器の二次側に試験用インピーダンスを接続し、試験用インピーダンスを流れる零相電流と前記零相電圧検出手段により検出された零相電圧を地絡方向継電器に入力し、零相電流と零相電圧との位相関係による地絡方向継電器の動作・不動作の弁別で確認試験を行うことを特徴とした地絡方向継電器の方向性確認試験方法。
  2. 主回路と、主回路に接続される零相電圧検出手段、零相変流器及び地絡方向継電器を有する被試験対象物に対し、地絡時の主回路に含まれている零相電圧成分に相当する対地試験電圧を試験用単相変圧器にて印加し、発生した零相電圧と零相電流を地絡方向継電器に入力して試験する装置において、
    前記対地試験電圧を印加する試験用単相変圧器を、電圧印加用の第1と電流回路用の第2の試験用単相変圧器に分け、第1の試験用単相変圧器の二次側の一端を前記主回路の三相一括点に接続し、二次側の他端を接地すると共に、
    第2の試験用単相変圧器の二次側の一端を接地し、二次側の他端に試験用インピーダンスを接続し、試験用インピーダンスの他端は前記零相変流器を貫通して接地するよう構成することを特徴とした地絡方向継電器の方向性確認試験装置。
  3. 前記第1の試験用単相変圧器と第2の試験用単相変圧器の出力電圧位相は逆位相となるよう構成し、前記試験用インピーダンスを抵抗で構成したことを特徴とした請求項2記載の地絡方向継電器の方向性確認試験装置。
  4. 前記第1の試験用単相変圧器と第2の試験用単相変圧器の出力電圧位相を同相となるよう構成し、前記試験用インピーダンスをインダクタンスとしたことを特徴とした請求項2記載の地絡方向継電器の方向性確認試験装置。
  5. 前記第1及び第2の試験用単相変圧器の一次側にそれぞれスライダックを接続し、各一次側に印加される試験電圧を各別に調整可能に構成したことを特徴とした請求項2又は3記載の何れかである地絡方向継電器の方向性確認試験装置。
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