JP5888639B2 - 色彩画像撮像・解析システム - Google Patents
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Description
特に、農産物の色彩や形状、大きさ等の外観は食味・食感とともに農産物の商品価値を決める重要な品質要素である。又、少子化や食の多様化等にともなってカット品の流通・販売が盛んになっており、農産物の内観も重要視されている。上記の通り、農産物の栽培・品質管理や外観・内観評価等、生育過程の時系列モニタリングは、現場での熟練者の目視によって行われ、経験や勘に基づく判断要因や判断基準に依存しているため、客観性や再現性が課題となっている。
さらに、最近では農業の産業化が注目されており、植物工場等の導入が検討されているが、環境制御が中心となっている。農産物を製品としてとらえた場合、農産物の加工業者や消費者が希望する物理的特性(スペック)の構築、その数値化を含めた定量的評価の確立、ライン設計等が課題となっている。
本発明は、当該色彩画像撮像撮像・解析システムを用いた生体鉱物の品質管理・評価装置を提供する。又、当該色彩画像撮像撮像・解析システムを用いた農産物の品質管理・評価装置を提供する。更に、当該色彩画像撮像撮像・解析システムを用いた農産物の栽培診断方法をも提供する。
<1>(A)色彩画像撮像システム及び/又は(B)色彩画像解析システムからなる色彩画像撮像・解析システムであって、
(A)色彩画像撮像システムは、円筒型拡散光源を有し、該光源内に対象物を設置すること及び該光源の円筒底面中心部に垂直な軸の上部にカメラが設置されていること、
(B)色彩画像解析システムは、CDE(Color Distribution Entropy)に基づく画像解析工程と、Color Histogramに基づく色彩解析工程とからなり、
前記画像解析工程において対象物画像の長径の両端を含むアニュラーサークルを最大アニュラーサークルとすること及びCDEの誤差を抑制するアニュラーサークルの分割数Nを決定すること
を特徴とする。
<2>生体鉱物の品質管理及び/又は品質評価システムであって、前記<1>記載の色彩画像撮像・解析システムを用いることを特徴とする。
<3>農産物の品質管理及び/又は品質評価システムであって、前記<1>記載の色彩画像撮像・解析システムを用いることを特徴とする。
<4>農産物の栽培診断装置であって、前記<1>記載の色彩画像撮像・解析システムを用いることを特徴とする。
<5>前記<3>記載の農産物の品質管理及び/又は品質評価システムであって、標準的な農産物とのCDEの類似度、形状の類似度及び大きさの類似度を評価指標とすることを特徴とする。
<6>前記<4>農産物の栽培診断装置であって、標準的な農産物とのCDEの類似度、形状の類似度及び大きさの類似度を評価指標とすることを特徴とする。
本発明によれば、当該色彩画像撮像撮像・解析システムを用いた生体鉱物の品質管理・評価装置を提供することができる。又、当該色彩画像撮像撮像・解析システムを用いた農産物の品質管理・評価装置を提供することができる。更に、発明によれば、当該色彩画像撮像撮像・解析システムを用いた農産物の栽培診断方法を提供することができる。
本発明の色彩画像撮像システムは、主に、(1)試料設置台、(2)拡散円筒光源、(3)カメラ、及び(4)その他構成から構成される。本発明の色彩画像撮像システムの概略図を図1に、設計図を図2に、外観図を図3に示す。
撮像対象物が生体鉱物(真珠等)や農産物(サイズの小さい物としてはイチゴ、大きい物としてはスイカ、カット品を含む)等であり、様々なサイズを有するため、ジャッキによる試料の高さ調節が可能な他、下記(2)円筒が開閉可能なように設計されている。又、円筒の直径は、スイカを撮像可能とするために38[cm]に設定されている。より大きな対象物の場合、円筒の直径を大きくすることで対応できる。
拡散円筒光源は、撮像対象物にほぼ均一な光が照射されることが望ましく、電球型蛍光灯と円筒からなる。光源である電球型蛍光灯としては、特に限定されないが、高い演色性を有することが望ましく、SPIRAL VITALIGHT(LS社製、演色指数92、色温度5500[K])が例示される。又、円筒の材質としては、特に限定されないが、対象物に照射されるスペクトルパターンが顕著な分布を有さないことが望ましく、標準白色ケント紙が例示される。標準白色ケント紙としては、ルミネッセンスニュートラルホワイト(特殊紙製)、マシュマロCOC (王子特殊紙製)等が例示される。
SPIRAL VITALIGHTの可視分光スペクトルを分光光度計(i1、エックスライト社製)にて測定した結果を図4に示す。このように任意のスペクトルパターンを有する光源であっても、標準白色ケント紙を介することによって、対象物に照射されるスペクトルパターンがピーク等の顕著な分布を有していなければよい(図5)。
円筒に対して4点から照明を照射することにより、拡散円筒内部で拡散光となって対象物に照射される。光源の数は4点から増減することも可能であるし、もちろん光源自体が、LED光源等を用いることにより、円筒形状を有していてもよい。
色彩照度計(CL-200、コニカミノルタ社製)により測定した拡散円筒内の照明ムラを図6に示す。円筒内においてほぼ均一の照度分布を有することがわかる。
撮像を行うカメラは、特に限定されないが、デジタル一眼レフカメラが望ましく、D300(Nikon社製)、レンズはAF Zoom Nikkor ED(Nikon社製)が例示される。又、カメラを固定する撮影台は、カメラの高さの変更に対して自由度が高いL-4(KING社製)が例示される。
更に外光の影響を遮断するために、撮像システム全体を暗幕で覆うことが好ましい。暗室内での暗幕の光の反射をなくすため、暗幕は、表地が遮光一級の暗幕、裏地が黒色の暗幕である二重暗幕が好適である。又、色の再現性の高いモニタを撮像システム外に設置し、上記(3)カメラと該モニタとを接続することにより、モニタリングが可能となる。色の再現性の高いモニタとしては、特に限定されないが、SyncMaster XL24(Samsung製)が例示される。
本発明の色彩画像解析システムは、主に、(1)CDEに基づく画像解析と(3)Color HistogramとCDEに基づく色彩解析からなる。表面の色・分布・形状等が複雑な対象物については、(1)と(3)の間に、(2)アニュラーサークルの最適N数決定の工程を挿入することが望ましい。又、色彩画像解析システムはコンピュータ等の計算機上で実行される。
CDE(Color Distribution Entropy)は、非特許文献4に記載のNSDH(Normalized Spatial Distribution Histogram)と非特許文献5に記載の情報エントロピーに基づく、画像中の色の空間情報を求める手法である。
AiをColor bin iの集合、|Ai|をAiの個数とし、CiをAiの重心としたとき、Ciを同心とするN個の円を等間隔に描く。このとき、j番目のアニュラーサークルの中に含まれているColor bin iのピクセル数を|Aij|とする。PiをColor bin iのNSDHとすると、Piは式1(数1)、式2(数2)のように定義される。
更に、CDEを改良したI-CDE(Improved CDE)も提案されている。I-CDEではまず、重み関数(式4(数4))を用いることで、重心に近いアニュラーサークルに対して重み付けを行う。
デジタル画像解析を行う際には、画像取得やプログラムによる計算の過程で様々な誤差が生じるため、理論的に導かれた解析手法を採用しても、実際の色彩解析結果にはこれらの誤差が含まれることになる。特に、農産物を対象にした場合、解析対象に併せて決定される最大アニュラーサークルのサイズと、アニュラーサークルの分割数が解析結果の精度に影響を与えることがある。
そこで、図9に示す、同じ色彩特徴を有する相似な画像、画像サイズが同じで色彩の空間分布が異なる画像およびベースの色相が異なる画像を作成した。表1にモデル画像のColor Histogramを示したが、(f)の図以外は赤と黒の色彩バランスはほぼ同じで(a)、(d)、(e)は色彩の空間配置が異なるもの、(a)、(b)、(c)は100%、70%、 50%の相似画像である。又、(a)と(f)は背景画像の色相が赤と青の画像である。これらの画像に対してそれぞれアニュラーサークルの分割数Nを10分割、20分割及び30分割と変えて色彩解析を施し、実際の画像解析作業における誤差評価を行い、アニュラーサークルの分割数NとCDE 値について検討した。
が適していることが示された。
このように、CDE 手法を用いた色彩解析においてはアニュラーサークルの分割数Nが極めて重要なパラメータとなることが分かる。このことから、アニュラーサークルの分割数N は色彩特徴を基に解析対象ごとに決定する必要があり、又、このパラメータは画像の色彩特徴の複雑さを表す指標として用いることができる。
又、画像のサイズが同じで色彩の空間分布が異なる図9(a)、図9(d)、及び図9(e)のCDE 値を比較すると,i=15
ではそれほど大きな差は見られなかったものの、i=36 において37%以上の差が確認された。この結果から、図9のモデル画像においては、CDE
値に1%以上の差が認められれば、物体の大きさに関係なく有意な色彩の差が存在するとみなすことができると考えられた。又、ベースの色相が異なる図9(a)と図9(f)のColor Histogram 解析の結果を比較すると、図9(a)の代表色がi=15であるのに対し、図9(f)ではi=174 であったことから、Color Histogram の結果からは画像の全体的な色合いの差異を評価できる。
次に、Color HistogramとCDEを用いて画像の色彩解析を行う。この2つの解析手法を用いることで、Color
Histogramで色の出現頻度を比較して大まかな画像の評価ができ,更によく似たColor Histogramを持つ画像をCDEで比較することで、より細かな画像の評価が可能になる。解析に用いる画像の色空間をRGBからHSVに変換し256色に減色することで、コンピュータへの負荷を軽減し、解析結果の評価を容易にする。減色後の色は0〜255の値で表し、これをColor
bin iとする。Color bin iと色度変化の関係を図10示す。
(1)ランク別の真珠の比較
専門家によってA、B、Cとランク付けされた真珠を色彩画像撮像システムにて撮像し、色彩解析をおこなうことでランクの違いの検出を行った。真珠画像撮像時のカメラの設定を表3に示す。
撮像した画像を図12、色彩画像解析システムによる解析結果を図13に示す。出現するColor
binの数はAで40、Bで27、Cで24となり、本発明の色彩画像撮像・解析システムを用いて真珠を等級別に分類できた。
拡散円筒の直径を変えて撮像した真珠画像を図14に示す。円筒の直径が変わると、出現するColor
binの数が変化することがわかった(表4)。特に円筒の直径が37[cm]のとき、ランクの違いが解析結果に顕著に表れていることから、真珠の分類を行うためには直径37[cm]の円筒が最適であると判断できる。
色彩画像撮像システムにてイチゴの色彩画像を撮像し、品種の違いの検出を行った。
試料としてのイチゴは、野菜茶業研究所にて栽培されている3種類の栽培条件の下で育てられた34品種のイチゴを2010年1月から2月に採取し、冷蔵庫で保存した上で、採取から72時間以内のものを使用した。使用したイチゴの品種一覧を表5に、イチゴ画像撮像時のカメラの設定を表6に示す。
拡大率を変えた標準イチゴ画像の色彩解析の結果を表7と表8に示す。表8から、標準イチゴの色彩解析ではアニュラーサークルの分割数を40としたときに、CDE値のばらつきが0.01%以内と最も小さくなり、これより分割数を増減させると、誤差が大きくなることが確認できる。
色彩画像撮像システムにて撮像したイチゴ(久留米16号)の色彩画像について、色彩画像解析システムにより全試料の画像から標準的なイチゴのCDE、形状、大きさを算出し、全試料と標準的なイチゴとのCDE、形状、大きさの類似度を求めた。
イチゴのCDEの算出方法を式10(数10)に、全試料と標準的なイチゴとのCDEの類似度を表す図を図17に示す。
更に、イチゴの大きさ(長径及び短径)の算出方法を式11(数11)に、全試料と標準的なイチゴとの大きさの類似度を表す図を図18下図に示す。
イチゴ表面及び断面について、全試料と標準的なイチゴとのサイズ類似度、色彩類似度、形状類似度をプロットし、標準的なイチゴからのコサイン尺度を求めた。図23に示す6次元のコサイン尺度による総合類似度により、イチゴの順列においてより一致し、有効性が示された。
Claims (6)
- (A)色彩画像撮像システム及び/又は(B)色彩画像解析システムからなる色彩画像撮像・解析システムであって、
(A)色彩画像撮像システムは、円筒型拡散光源を有し、該光源内に対象物を設置すること及び該光源の円筒底面中心部に垂直な軸の上部にカメラが設置されていること、
(B)色彩画像解析システムは、CDE(Color Distribution Entropy)に基づく画像解析工程と、Color Histogramに基づく色彩解析工程とからなり、
前記画像解析工程において対象物画像の長径の両端を含むアニュラーサークルを最大アニュラーサークルとすること及びCDEの誤差を抑制するアニュラーサークルの分割数Nを決定すること
を特徴とする色彩画像撮像・解析システム。 - 請求項1記載の色彩画像撮像・解析システムを用いてなる生体鉱物の品質管理及び/又は品質評価システム。
- 請求項1記載の色彩画像撮像・解析システムを用いてなる農産物の品質管理及び/又は品質評価システム。
- 請求項1記載の色彩画像撮像・解析システムを用いてなる農産物の栽培診断装置。
- 標準的な農産物とのCDEの類似度、形状の類似度及び大きさの類似度を評価指標とすることを特徴とする請求項3に記載の農産物の品質管理及び/又は品質評価システム。
- 標準的な農産物とのCDEの類似度、形状の類似度及び大きさの類似度を評価指標とすることを特徴とする請求項4に記載の農産物の栽培診断装置。
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