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JP5889286B2 - 硫化カルボニルの製造方法 - Google Patents
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JP5889286B2 - 硫化カルボニルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、硫化カルボニルの製造方法に関する。特に、硫黄と一酸化炭素を液相で反応させて硫化カルボニルを製造する方法に関する。
硫化カルボニルは、有機系反射防止膜のプラズマによる高異方性および高選択性エッチング用のエッチングガスとして注目される重要な化合物である。従来、この硫化カルボニルの製造方法としては、炭酸ガスと二硫化炭素とを反応させる方法と、硫黄と一酸化炭素とを反応させる方法が知られている。
炭酸ガスと二硫化炭素とを触媒の存在下、気相で反応する方法が、例えば、米国特許第4120944号明細書(特許文献1)、米国特許第3409399号明細書(特許文献2)、特公昭47−40632号公報(特許文献3)に記載されているが、触媒活性低下が課題である。硫黄と一酸化炭素とを反応させる硫化カルボニルの製造方法は、気相での反応と液相での反応が知られている。気相での反応は、例えば、特公昭56−45847号公報(特許文献4)、特公昭61−5409号公報(特許文献5)には、触媒の存在下または無触媒で硫黄と一酸化炭素を反応させる方法が記載されているが、過剰に用いる硫黄の分離が必要であり、さらに、いったん生成した硫化カルボニルが高温のため、分解する恐れがある。無触媒の場合、きわめて高い反応温度が必要であり、高価な耐食材料を用いる必要がある。
硫黄と一酸化炭素とを反応させる硫化カルボニルの製造方法のうち、液相での反応は、以下の特許文献に記載されている方法が知られている。
(1)米国特許第2992896号明細書(特許文献6)には、脂肪族アルコール溶媒中、脂肪族3級アミンと硫化水素を懸濁させ、硫黄と一酸化炭素とを反応させて硫化カルボニルを製造する方法が記載されている。
(2)米国特許第2992897号明細書(特許文献7)には、脂肪族アルコール溶媒を用い、アルカリあるいはアルカリ土類金属のサルファイド、バイサルファイドを触媒に用い、硫黄と一酸化炭素を反応させて硫化カルボニルを製造する方法が記載されている。
(3)米国特許第2992898号明細書(特許文献8)には、水酸基を有する3級脂肪族アミン溶液中で硫黄と一酸化炭素を反応させて硫化カルボニルを製造する方法が記載されている。
(4)米国特許第3235333号明細書(特許文献9)には、触媒として、アルカリ金属のカルボン酸塩、アルカリ金属の蟻酸塩、アルカリ金属の酢酸塩、I、IIあるいはIII族金属のアルコキシド、テトラメチルグアニジン、蟻酸カリウムのいずれかを用い、50℃から150℃の温度、一酸化炭素の圧力が200psig(1.38MPa)から5000psig(34.4MPa)で硫黄と一酸化炭素を反応させて硫化カルボニルを製造する方法が記載されている。
(5)特開昭61−197414号公報(特許文献10)には、2級脂肪族アミンを、セレン(Se)を触媒として、一酸化炭素と硫黄とを反応させることによりチオカルバミン酸アミン塩を製造し、生成したチオカルバミン酸アミン塩を加熱することにより、硫化カルボニルと2級アミンに分解し、得られた2級アミン反応液を再度一酸化炭素と硫黄と反応させる、連続的に硫化カルボニルを製造する方法が記載されている。
(6)国際公開第2004/089824号(特許文献11)には、二硫化炭素に溶解した硫黄と一酸化炭素とを反応させる硫化カルボニルの製造プロセスが記載されている。
米国特許第4120944号明細書 米国特許第3409399号明細書 特公昭47−40632号公報 特公昭56−45847号公報 特公昭61−5409号公報 米国特許第2992896号明細書 米国特許第2992897号明細書 米国特許第2992898号明細書 米国特許第3235333号明細書 特開昭61−197414号公報 国際公開第2004/089824号
しかしながら、上記の(1)〜(6)の硫化カルボニルの製造方法は、以下の点で依然として改善の余地がある。
(1)、(2)、(3)の製造方法は、液相で、比較的低温でも硫黄と一酸化炭素から硫化カルボニルが生成することを示しているが、選択性、品質についてはなんら述べられていない。(1)や(2)の方法は、溶媒に脂肪族アルコールやグリコール類を用いることから、副生成物の生成は避けられない。
(4)の製造方法は、触媒量のアルカリの存在で、比較的低温で、望ましくは80℃から150℃で、硫黄と一酸化炭素を反応させるが、一酸化炭素の圧力が、1.38MPa(200psig)以上、望ましくは3.44MPa(500psig)以上の圧力が開示されており、比較的高い圧力が必要である。さらに、実施例は、大部分メタノールを溶媒に用いて行われており、溶媒は、メタノールが最適と思えるが、アルカリ条件では、生成した硫化カルボニルがアルカリ条件下で反応するおそれがあり、副生成物を伴うおそれがある。
(5)の製造方法は、まず、一酸化炭素と、硫黄と2当量の2級アミンからチオカルバミン酸アミン塩を作り、これを熱分解する、という2段反応であり、しかも、有害性の高いセレンを用いる必要があり、有利な工業生産の方法とはいえない。
(6)の製造方法は、二硫化炭素に溶解した硫黄が一酸化炭素と反応して硫化カルボニルが生成することを前提に、製造プロセスの組み立て方法が開示されているが、反応条件、触媒の有無については何も記載されていない。
特許文献9には、有機溶媒中、適した塩基性物質を触媒とすることにより、一酸化炭素の圧力が1.378MPaから34.45MPaの間で、50℃から150℃の間で、一酸化炭素と硫黄から硫化カルボニルを製造するプロセスが開示されている。有機溶媒中、触媒の存在下、硫黄と一酸化炭素とを、一酸化炭素の加圧下で反応させると、反応の進行とともに、生成した硫化カルボニルが示す圧力が加算されるため、一酸化炭素の圧力を高く保とうとすると、反応系全体の圧力は非常に高くなる。バッチ反応で、硫黄が過剰に存在する条件下で、一酸化炭素で加圧し、反応を開始すると、一酸化炭素の圧力は、反応とともに減少し、反応速度はゼロに近づき、最終的には、生成した硫化カルボニルに対応した圧力を示して反応は停止する。更に一酸化炭素を加えて反応を行い、一酸化炭素が消費されると、硫化カルボニルに対応する圧力は更に高まる。従って、ある圧力以下で反応する限り、1バッチでの生産量は制限される。また、バッチ反応では、一酸化炭素の圧力が低い時間が相対的に長く、反応器容積あたりの生産速度は遅くなる。一方、連続的に製造する際、定常状態で、反応器の気相部での一酸化炭素の圧力を高く保つには、気相および反応溶媒に溶存する硫化カルボニルの示す圧力が加わるため、系の圧力はきわめて高くなる。
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、硫化カルボニル(COS)を効率よく簡便に、かつ安価に製造する方法を提供することを目的とする。
高純度の硫化カルボニルを製造する際、選択性と熱的安定性および経済性を考慮して、より低温低圧での反応を実現すべく、鋭意検討を重ねた結果、塩基触媒の存在下、有機溶媒に硫黄を溶解または懸濁させた反応液が入った反応器に、一酸化炭素を連続的に導入し、0.2〜3.0MPaの圧力下、40〜120℃の温度で硫黄と一酸化炭素を反応させて硫化カルボニルを生成させ、反応器から気相部分を抜き出し、抜き出した気相部分を冷却器を用いて冷却し、気相部分の中に含まれる硫化カルボニルを凝縮させ、凝縮した硫化カルボニルを連続的に抜き出し、冷却器で凝縮しなかったガスを再び反応器に戻すことにより、優れた製造速度で硫化カルボニルを製造しうることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[4]項に関する。
[1] 塩基触媒の存在下、有機溶媒に硫黄を溶解または懸濁させた反応液が入った反応器に、一酸化炭素を連続的に導入し、0.2〜3.0MPaの圧力下、40〜120℃の温度で硫黄と一酸化炭素を反応させて硫化カルボニルを生成させ、反応器から気相部分を抜き出し、抜き出した気相部分を冷却器を用いて冷却し、気相部分の中に含まれる硫化カルボニルを凝縮させ、凝縮した硫化カルボニルを連続的に抜き出し、冷却器で凝縮しなかったガスを再び反応器に戻すことにより、連続的に硫化カルボニルを製造することを特徴とする硫化カルボニルの製造方法。
[2] さらに硫黄を連続的に反応器に導入することを特徴とする[1]に記載の硫化カルボニルの製造方法。
[3] 前記塩基触媒が、アミジン塩基、グアニジン塩基、およびフォスファゼン塩基からなる群から選ばれる塩基性有機化合物であることを特徴とする[1]または[2]に記載の硫化カルボニルの製造方法。
[4] 前記アミジン塩基が、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンおよび1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンからなる群から選ばれ、前記グアニジン塩基が1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンおよび1,1,3,3−テトラメチルグアニジンからなる群から選ばれ、前記フォスファゼン塩基がアルキルイミノ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホラン(ただしアルキルは炭素数1〜8個のアルキル基である。)およびアルキルイミノ−トリス(ピロリジノ)ホスホラン(ただしアルキルは炭素数1〜8個のアルキル基である。)からなる群から選ばれることを特徴とする[3]に記載の硫化カルボニルの製造方法。
本発明の製造方法によれば、高純度の硫化カルボニル(COS)を、効率よく簡便に、かつ安価に製造することができる。
図1は、本発明の方法を実施するのに使用することができる製造工程図の例を示す。
本発明は、塩基触媒の存在下、有機溶媒に硫黄を溶解または懸濁させた反応液が入った反応器に、一酸化炭素を連続的に導入し、0.2〜3.0MPaの圧力下、40〜120℃の温度で硫黄と一酸化炭素を反応させて硫化カルボニルを生成させ、反応器から気相部分を抜き出し、抜き出した気相部分を冷却器を用いて冷却し、気相部分の中に含まれる硫化カルボニルを凝縮させ、凝縮した硫化カルボニルを連続的に抜き出し、冷却器で凝縮しなかったガスを再び反応器に戻すことにより、連続的に硫化カルボニルを製造することを特徴とする。
本発明の方法においては、反応圧力は0.2〜3.0MPaである。本発明に従えば、連続反応において、定常状態では、反応系の圧力は3MPa以下であるが、1MPa以下でも十分可能であり、一酸化炭素の圧力は、その30%前後を保つのが望ましい。従って、一酸化炭素の圧力は、0.3MPa以下で十分大きな生産速度が得られる。
本発明の方法においては、反応温度は40〜120℃である。反応温度は、40℃以上で可能であり、通常60℃から100℃の範囲で実施できる。
本発明の方法に用いることができる塩基触媒としては、アミジン塩基、グアニジン塩基、フォスファゼン塩基、アルキル基またはアラルキル基で置換された4級アンモニウムハイドロオキサイド、脂肪族環状3級アミン、脂肪族3級アミン、脂肪族環状2級アミンおよび脂肪族2級アミン等の塩基性有機化合物が挙げられるが、好ましくは、アミジン塩基、グアニジン塩基、フォスファゼン塩基である。
アミジン塩基(amidine bases)とは、アミジン骨格を有する塩基性有機化合物をいう。ここで、アミジン骨格とは式(1)で表される構造をいう。
Figure 0005889286
アミジン塩基の具体例としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)等が挙げられる。
グアニジン塩基(guanidine bases)とは、グアニジン骨格を有する塩基性有機化合物をいう。ここで、グアニジン骨格とは、式(2)で表される構造をいう。
Figure 0005889286
グアニジン塩基は、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, Sixth, Completely Revised Ed., vol.16,p.81に記載されている。グアニジン塩基の具体例としては、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(TBD)、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(MTBD)、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(TMG)等が挙げられる。
フォスファゼン塩基とは、フォスファゼン骨格を有する塩基性有機化合物をいう。ここで、フォスファゼン骨格とは、式(3)で表される構造をいう。
Figure 0005889286
フォスファゼン塩基は、例えば、Journal of Organic Chemistry、2002年、第67巻、p.1873−1881に記載されている。フォスファゼン塩基の具体例としては、アルキルイミノ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホラン(ただしアルキルは炭素数1〜8個のアルキル基である。)、アルキルイミノ−トリス(ピロリジノ)ホスホラン(ただしアルキルは炭素数1〜8個のアルキル基である。)等が挙げられる。
アルキル基またはアラルキル基で置換された4級アンモニウムハイドロオキサイドにおけるアルキル基は、好ましくは炭素数1〜4個のアルキル基であり、その具体例としては、メチル、エチル、ノルマルプロピル、ノルマルブチルが挙げられる。
アルキル基またはアラルキル基で置換された4級アンモニウムハイドロオキサイドにおけるアラルキル基は、好ましくは炭素数7〜10個のアラルキル基であり、その具体例としては、ベンジル、パラメチルベンジルが挙げられる。
アルキル基またはアラルキル基で置換された4級アンモニウムハイドロオキサイドの具体例としては、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、ベンジルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイドが挙げられる。
脂肪族環状3級アミンとしては、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
脂肪族3級アミンとしては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン等が挙げられる。
脂肪族環状2級アミンとしては、ピロリジン、ピペラジン、ピペリジン、モルフォリン等が挙げられる。
脂肪族2級アミンとしては、ジ−n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等が挙げられる。
以上の塩基性有機化合物のなかでも、アミジン塩基、グアニジン塩基、フォスファゼン塩基が好ましい。
本発明の方法に用いることができる有機溶媒としては、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素、ヘキサン、オクタンのような脂肪族飽和炭化水素、DMF、アセトニトリル、N−メチルピロリドンのような非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソールのようなエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類が適している。メタノールのようなアルコール類も有機溶媒として適している。ケトン類や脂肪族塩素系溶媒は、塩基触媒により分解、縮合等のおそれがあり、望ましくない。また、含水有機溶媒、カルボン酸類は、生成した硫化カルボニルと反応して、不純物を生成する可能性があり、望ましくない。
有機溶媒中の塩基触媒の濃度は、0.005〜2.0mol/Lが好ましく、より好ましくは0.02〜1mol/Lの範囲で用いられる。
図1は、本発明の方法を実施するのに使用することができる製造工程図の例を示す。反応器10はたとえば撹拌式反応槽であり、反応器10には、有機溶媒に硫黄を溶解または懸濁させた反応液が入っている。反応液には塩基触媒も含まれている。反応液には、一酸化炭素も溶けている。反応器10には、一酸化炭素が一酸化炭素供給ライン20から、硫黄が硫黄供給ライン21から供給される。反応器10内の反応液の上方の気相は、原料の一酸化炭素、生成物の硫化カルボニル、有機溶媒の蒸気が含まれる。その気相は還流冷却器11に送られ、還流冷却器11において有機溶媒は凝縮し、反応器に戻される。還流冷却器11を通過した気相は、冷却器12に送られ、冷却器12において硫化カルボニルが凝縮し、凝縮した硫化カルボニルはタンク13に送られる。冷却器12において凝縮しなかったガス(主として一酸化炭素および硫化カルボニル)は、送風機14により、反応器10に戻される。系の圧力は圧力調節弁15により調節される。
本発明による連続反応を行う方法を、より具体的に説明すると、有機溶媒、硫黄、触媒を適当量撹拌式反応槽に入れ、撹拌する。反応温度に達すると、一酸化炭素を反応液中に、あるいは、気相部分に、設定圧力を保つように導入する。気相部分に冷却器を設置し、生成した硫化カルボニルが凝縮できる温度に冷却し、硫化カルボニルが凝縮できるようにする。冷却器上部の気相部分に送風機が設置されており、気相成分を、反応器に送ることができるようにする。この送風量を調節することにより、硫化カルボニルの反応速度が調節できる。
反応初期、送風機を停止しておくと、一酸化炭素が反応し、反応液中の硫化カルボニルの濃度が上昇し、やがて、一酸化炭素の吸収は、停止する。次いで、送風機を稼動し、冷却器を出た気相を反応器に送ると、再び一酸化炭素の吸収がはじまり、硫化カルボニルの凝集が見られる。送風量を一定にし、設定圧力を一定に保つように一酸化炭素を導入することにより、定常状態が達成される。この際、一酸化炭素の消費量に見合う硫黄を反応器に適宜あるいは連続的に導入する。硫黄を連続的に導入する場合は、溶融させた硫黄を用いることが好ましい。
触媒の活性の低下は大きくないが、反応速度を保つように適宜少量の触媒を追加添加してもよい。有機溶媒は基本的には、交換または追加の必要はないが、反応器の液面を保つように適宜添加してもよい。
冷却器の前に還流冷却器を設置して有機溶媒を還流することにより、有機溶媒の損失は殆んどなくなる。冷却器の温度は、系の圧力における一酸化炭素の沸点より高く、硫化カルボニルの沸点より低い温度に設定する。系のゲージ圧力が0.8MPaの場合には、冷却器の温度は好ましくは−60〜−10℃である。還流冷却器の温度は、系の圧力における硫化カルボニルの沸点より高く、有機溶媒の沸点より低い温度に設定する。系のゲージ圧力が0.8MPaの場合には、還流冷却器の温度は好ましくは0〜12℃である。
本発明に用いる硫黄の形態は、特に制限はないが、粉末状または溶融状態で、反応器に適宜または連続的に導入する。加えた硫黄は、温度に応じた溶解量が有機溶媒中に溶解して一酸化炭素と反応する。
反応の結果、冷却器で凝縮した液状の硫化カルボニルは、きわめて高純度であるが、更に、蒸留精製して製品とすることもできる。
連続反応がもっとも効率的な製造方法であるが、本発明で設定された塩基触媒、有機溶媒、反応条件を用いて、硫黄は最初に反応器に仕込み、その後は一酸化炭素のみを連続的に供給する半回分式の製造方法を採用してもよい。
以下、本発明の硫化カルボニルの製造方法について実施例を示して説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示した装置の反応器にジメチルホルムアミド(DMF)1000mL、粉末硫黄200g、触媒として1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデカ−7−エン(DBU)16gを入れ、撹拌し、60℃に加熱した。還流冷却器を11℃に保ち、冷却器を−15℃に保ち、送風機は停止した状態で、一酸化炭素を反応液に、反応圧力をゲージ圧0.8MPaに保つように連続的に導入した。やがて、一酸化炭素の吸収は停止した。次いで、送風機を稼動し、送風量を2.0NL/hにすると、一酸化炭素の吸収が始まり、硫化カルボニルがタンクに凝縮してきた。やがて、定常状態になり、一酸化炭素の吸収速度は、8.87NL/hで一定になった。更に2時間後送風量を10.4NL/hに上げると、一酸化炭素の吸収速度が高まり、やがて、定常状態になった。この時、一酸化炭素の吸収速度は17.7NL/hであった。更に、送風速度を33.6NL/hに上げると、定常状態で、一酸化炭素の吸収速度は、26.6NL/hに向上した。この時、硫化カルボニルの凝縮速度は、71g/hであり、ほぼ定常的に転化した。
[実施例2]
図1に示した装置の反応器にトルエン1000mL、粉末硫黄200g、触媒として、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(TBD)26gを入れ、撹拌し、80℃に加熱した。還流冷却器を11℃に保ち、冷却器を−15℃に保ち、送風機は停止した状態で、一酸化炭素を反応液に、反応圧力をゲージ圧0.8MPaに保つように連続的に導入した。やがて、一酸化炭素の吸収は停止した。次いで、送風機を稼動し、送風量を7.6NL/hにすると、一酸化炭素の吸収が始まり、硫化カルボニルがタンクに凝縮してきた。やがて、定常状態になり、一酸化炭素の吸収速度は、12.0NL/hで一定になった。更に2時間後送風量を24.1NL/hに上げると、一酸化炭素の吸収速度がたかまり、やがて、定常状態になった。この時、一酸化炭素の吸収速度は19.4NL/hであった。更に、送風速度を73.3NL/hに上げると、定常状態で、一酸化炭素の吸収速度は、25.3NL/hに向上した。この時、硫化カルボニルの凝縮速度は、67g/hであり、ほぼ定常的に転化した。
[実施例3]
図1に示した装置の反応器にジメチルホルムアミド(DMF)1000mL、粉末硫黄200g、触媒として1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデカ−7−エン(DBU)16gを入れ、撹拌し、60℃に加熱した。還流冷却器を11℃に保ち、冷却器を−15℃に保ち、送風機は停止した状態で、一酸化炭素を反応液に、反応圧力をゲージ圧0.8MPaに保つように導入した。やがて、一酸化炭素の吸収は停止した。次いで、送風機を稼動し、送風量を33.6NL/hにすると、一酸化炭素の吸収が始まり、硫化カルボニルがタンクに凝縮してきた。やがて、定常状態になり、一酸化炭素の吸収速度は、26.6NL/hで一定になった。2時間後から、反応器に、130℃の溶融硫黄を38g/hの速度で連続的に加え、反応を続けることにより、硫化カルボニルの凝縮速度は71g/hに維持された。
本発明の方法により製造される硫化カルボニルは、有機系反射防止膜のプラズマによる高異方性および高選択性エッチング用のエッチングガスとして好適に利用できる。
10 反応器
11 還流冷却器
12 冷却器
13 タンク
14 送風機
15 圧力調節弁
20 一酸化炭素供給ライン
21 硫黄供給ライン

Claims (4)

  1. 塩基触媒の存在下、有機溶媒に硫黄を溶解または懸濁させた反応液が入った反応器に、一酸化炭素を連続的に導入し、0.2〜3.0MPaの圧力下、40〜120℃の温度で硫黄と一酸化炭素を反応させて硫化カルボニルを生成させ、反応器から気相部分を抜き出し、抜き出した気相部分を冷却器を用いて冷却し、気相部分の中に含まれる硫化カルボニルを凝縮させ、凝縮した硫化カルボニルを連続的に抜き出し、冷却器で凝縮しなかったガスを再び反応器に戻すことにより、連続的に硫化カルボニルを製造することを特徴とする硫化カルボニルの製造方法。
  2. さらに硫黄を連続的に反応器に導入することを特徴とする請求項1に記載の硫化カルボニルの製造方法。
  3. 前記塩基触媒が、アミジン塩基、グアニジン塩基、およびフォスファゼン塩基からなる群から選ばれる塩基性有機化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の硫化カルボニルの製造方法。
  4. 前記アミジン塩基が1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンおよび1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンからなる群から選ばれ、前記グアニジン塩基が1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンおよび1,1,3,3−テトラメチルグアニジンからなる群から選ばれ、前記フォスファゼン塩基がアルキルイミノ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホラン(ただしアルキルは炭素数1〜8個のアルキル基である。)およびアルキルイミノ−トリス(ピロリジノ)ホスホラン(ただしアルキルは炭素数1〜8個のアルキル基である。)からなる群から選ばれることを特徴とする請求項3に記載の硫化カルボニルの製造方法。
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