JP5889422B2 - 鞍乗型電動車両 - Google Patents
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Description
本発明は、前後輪間に電源ユニットを収容する収容空間を有した鞍乗型電動車両に関する。
鞍乗型電動車両では、航続距離の確保のため、大容量のバッテリを収容したバッテリボックスを搭載する必要がある。特許文献1は、大型のバッテリボックスがメインフレームで下から支持され、車体フレームに取り付けられた車体カバー内に収容されている。
上記要領でバッテリボックスを車体カバー内に収容するには、バッテリボックスを一旦車体フレームよりも高く持上げなくてはならない。このため、バッテリボックスを車体フレームに組み付けるための作業が煩雑になるし、バッテリボックスを高く持上げるための装置が大型化する。
そこで本発明は、電源を車体に簡便に組立て可能な鞍乗型電動車両を提供することを目的とする。
本発明に係る鞍乗型電動車両は、電気モータを動力源として走行する鞍乗型電動車両であって、前記電気モータの電源を有した電源ユニットと、前記電源ユニットを収容する収容空間を前後輪間に規定する車体フレームと、を備え、前記車体フレームが、前記電源ユニットを前記収容空間に対し車幅方向に着脱できるように構成される。
前記構成によれば、車体フレームを取り外して電源ユニットを搭載状態と略同じ高さにまで持ち上げておけば、その後に電源ユニットを車幅方向に移動させるだけで、電源ユニットを収容空間内に収容することができる。このように、電源ユニットを高く持ち上げる必要がなくなり、電源ユニットを車体に簡便に組み付けることができる。
前記車体フレームは、前記電源ユニットよりも車幅方向外側に位置して前記収容空間を規定する着脱フレーム部を有し、前記着脱フレーム部は、前記車体フレームの残余部に取外し可能に連結され、前記収容空間は、前記着脱フレーム部を前記残余部から取り外すことで車幅方向に開放されてもよい。
前記構成によれば、着脱フレーム部を取り外すと、電源ユニットを車幅方向に移動させることで電源ユニットを車体に着脱することができる。着脱フレーム部を取り付けると、収容空間に収容された電源ユニットを車幅方向において保護することができる。
前記着脱フレーム部は、その前端部及び後端部それぞれにおいて、前記残余部に車幅方向外方から当接した状態で車幅方向に挿脱される締結具により前記残余部に取外し可能に締結されてもよい。
前記構成によれば、当接部分で荷重を受けることができるので、車体フレーム全体の剛性が向上する。
前記車体フレームは、ヘッドパイプと、前記ヘッドパイプから後方に延びる左右一対のメインフレームを有し、前記着脱フレーム部が、前記一対のメインフレームのうち少なくとも一方を構成してもよい。
前記構成によれば、片側のみを取り外し可能にすることで、車体フレームの剛性を高くすることができる。
前記ヘッドパイプが、円筒状のパイプ部と、前記パイプ部の後部に設けられた箱状の継手部とを有し、前記一対のメインフレームが、前記継手部の左後部及び右後部それぞれに連結されてもよい。
前記構成によれば、継手部を箱状とすることで継手部の剛性を高くすることができるので、車体フレームの一部を着脱可能に構成しても、車体フレーム全体の剛性を確保することができる。
前記電気モータにより発生される駆動力を駆動輪に伝達する動力伝達機構を備え、前記動力伝達機構が車幅中心線に対して車幅方向一方側に偏在し、前記着脱フレーム部は、前記一対のメインフレームのうち一方のメインフレームを構成し、当該一方のメインフレームは、車幅方向において前記動力伝達機構とは反対側に配置されてもよい。
前記構成によれば、車体フレームが一対のメインフレームを有する場合、車幅方向において動力伝達機構と同じ側のメインフレームには、反対側のメインフレームよりも大きな荷重が作用する。この反対側のメインフレームを着脱可能としてヘッドパイプと一体化されるメインフレームを動力伝達機構と同じ側に配置しているので、動力伝達機構から入力される荷重を車体フレームが良好に受け止めながら、収容空間を開閉可能にして電源ユニットの着脱容易性を確保することもできる。
前記着脱フレーム部は、前記一対のメインフレームのうち一方のメインフレームを構成し、他方のメインフレームは、当該一方のメインフレームよりも高剛性を有してもよい。
前記構成によれば、車体フレームに作用する荷重を他方のメインフレームで受け止めることができるようになる。
前記電源ユニットが、前記電源を下から支持する支持体を備え、前記支持体が、前記着脱フレーム部を介して前記残余部に支持されてもよい。
前記構成によれば、電源ユニットを取り付けたときに電源から車体フレームに入力される荷重を残余部で支持することができる。
前記支持体は、前後方向に離れた複数の位置で前記着脱フレーム部に連結されてもよい。
前記電気モータにより発生する駆動力を駆動輪に伝達する動力伝達機構を備え、前記電気モータ及び前記動力伝達機構が、側面視で前記収容空間と重ならないように配置されてもよい。
本発明によれば、電源を車体に簡便に組立て可能な鞍乗型電動車両を提供することができる。
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。同一の又は対応する要素については全図を通じて同一の符号を付して重複説明を省略する。方向の概念は、鞍乗型電動車両の一例として示す電動二輪車に騎乗した運転者から見る方向を基準としている。車長方向は前後方向に対応し、車幅方向は左右方向に対応する。車幅外側及び車幅外方は、平面視で車長方向に延びる車幅中心線から車幅方向に遠ざかっていく側及び方向であり、車幅内側及び車幅内方は、車幅中心線へと車幅方向に近づいていく側及び方向である。
図1は、実施形態に係る鞍乗型電動車両の一例として示す電動二輪車1の左側面図である。図2は、図1に示す電動二輪車1の平面図である。図1及び図2に示すように、電動二輪車1は、前輪2、後輪3及び車体フレーム4を備えている。前輪2は操舵輪且つ従動輪であり、後輪3は駆動輪である。前輪2は、フロントフォーク5の下端部に回転可能に支持される。フロントフォーク5は、前輪2を軸支している下端部からキャスター角をもって後傾しながら上方に延び、その上端部にてブラケットを介してフロントフォーク5と平行に延びるステアリングシャフトと共にハンドル6に連結されている。車体フレーム4は、ヘッドパイプ7、左右一対のメインフレーム8及びピボットフレーム9を含む。ヘッドパイプ7はステアリングシャフトを回転可能に支持する。左右メインフレーム8は、ヘッドパイプ7から後方へ延び、その後端部でピボットフレーム9の左右側壁にそれぞれ連結される。ピボットフレーム9は、車長方向に延びるスイングアーム10の前端部を車幅方向に向けられた軸線周りに揺動可能に支持する。後輪3は、スイングアーム10の後端部に回転可能に支持される。
なお、シートフレーム11がスイングアーム10よりも上方でピボットフレーム9の上部から後方へ延びている。運転者用のシート12が、シートフレーム11上に支持される。サイドスタンド13が、ピボットフレーム9の左右一方の側壁下部に揺動可能に取り付けられている。走行時にはサイドスタンド13を水平姿勢として接地不能にし、駐輪時にはサイドスタンド13を下向き姿勢として前後輪2,3と共に接地させ、それにより電動二輪車1を傾斜姿勢で自立させる。当該傾斜姿勢では、背面視で上下方向に延びる車幅中心線が、後輪3の接地点近傍から鉛直方向に対して僅かに前記左右一方に傾くようにして上方へ延びる。
電動二輪車1は、モータユニット15、電源ユニット20及びインバータユニット25を備える。モータユニット15は、駆動輪3を回転駆動する動力源としての電気モータ16と、電気モータ16を収容してモータシャフトを支持するモータケース17とを有する。ここでは、動力源が内燃機関を含まない場合を例示するが、電気モータ16に加えて内燃機関を含んでいてもよい。
電源ユニット20は、電気モータ16の電源21と、電源21を収容する電源ケース22とを有する。電源21は直流電力を蓄えることができる。電気モータ16が他の電装品(例えば、灯火器、警報器、制御器)よりも高電圧で駆動される場合、この電源21を電気モータ16専用とし、電動二輪車1が、この電源21とは別に、他の電装品用の低圧電源(図示せず)を有してもよい。この場合、電源ケース22は、少なくとも電源21を収容していればよく、低圧電源を収容してもしなくてもよい。
インバータユニット25は、電源21から放電される直流を交流に変換することができるインバータ26と、インバータ26を収容するインバータケース27とを有する。インバータ26は、直流電線を介して電源21と接続され、交流電線を介して電気モータ16と接続される。インバータ26からの交流が電気モータ16に供給されると、電気モータ16が駆動力を発生してモータシャフトが回転し、電気モータ16の駆動力(モータシャフトの回転)が動力伝達機構18を介して駆動輪3に伝達される。
動力伝達機構18は、モータシャフトの回転を減速する減速機と、減速された回転を連続的或いは段階的に可変の減速比で減速する変速機と、減速機から変速機への回転の伝達を許容又は遮断するクラッチとを備えていいてもよい。モータシャフト(減速機の入力シャフトに相当)、変速機の入力シャフト(減速機の出力シャフトに相当)及び変速機の出力シャフトは、車幅方向に向けられる。変速機は電気モータ16の後方に配置され、クラッチは変速機の入力シャフトの車幅方向一方側(例えば、右側)の端部に設けられる。
モータケース17は、電気モータ16を収容するモータ収容部17aの後方に変速機を収容する変速機収容部17bと、変速機収容部17bと車幅方向に隣接してクラッチを収容するクラッチ収容部17c(図6及び図8を参照)とを一体に有する。モータケース17に収容される動力伝達機構18の構成要素もモータユニット15の一部を構成し、変速機の出力シャフトがモータユニット15の最終出力シャフトとなる。なお、動力伝達機構18が変速機を備えない場合は減速機の出力シャフトが最終出力シャフトとなり、動力伝達機構18が減速機及び変速機を備えない場合はモータシャフトが最終出力シャフトとなる。
動力伝達機構18は、モータユニット15の最終出力シャフトの回転を駆動輪3の車軸に伝達するドライブ機構18dを備える。ドライブ機構18dには、例えば、チェーン伝動機構、ベルト伝動機構又はベベルギヤ及びドライブシャフトの組立体を適用することができる。最終出力シャフトは、モータケース17の車幅方向一側壁(例えば、左側壁)から車幅方向一側(例えば、左側)に突出する。最終出力シャフトは車幅方向においてクラッチ収容部17c(図6及び図8を参照)と反対側に突出させるほうが好ましい。クラッチはモータケース17に収容される部品のなかでも比較的大径であるところ、最終出力シャフトがクラッチと干渉するのを容易に回避できる。
ドライブ機構18dは、最終出力シャフトの突出端部上に固定される駆動要素と、駆動輪3の車軸のうち駆動輪3から見て車幅方向一側(例えば、左側)の端部上に固定される従動要素と、駆動要素の回転を従動要素に伝達する伝動要素とを備える。駆動要素及び従動要素は、例えば、スプロケット、プーリ又はベベルギヤ列であり、伝動要素は、例えば、チェーン、ベルト又はドライブシャフトである。ドライブ機構18dは、車幅中心線から見て車幅方向一側(例えば、左側)に配置され、伝動要素は一例としてモータケース17よりも車幅外側で車長方向に延びる。
電源ケース22は、モータケース17及びインバータケース27と物理的に分離されている。なお、本実施形態では、モータケース17及びインバータケース27も、互いに物理的に分離され、3つのケース17,22,27が互いに分離されている。車体フレーム4は、電源ユニット20を収容する収容空間4aを前輪2と後輪3との間に規定する。収容空間4aは、概略、左右メインフレーム8の間に形成される。電源ユニット20は、収容空間4aに収容されて車体に組み付けられた状態(以下、車載状態)で、側面視で左右メインフレーム8と重なり、左右メインフレーム8より車幅内側に位置する。
なお、モータユニット15は、収容空間4a及び電源ユニット20より下方に位置する。ただし、後述のとおり、電源ユニット20はその前部に下方突出部を有していてもよく、下方突出部はモータユニット15と略同じ高さでモータユニット15の前に位置してもよい。モータユニット15は、メインフレーム8より下方且つピボットフレーム9より前方に位置する。モータユニット15は、ピボットフレーム9に支持され、電源ユニット20にも支持される。インバータユニット25は、収容空間4a及び電源ユニット20より後方且つモータユニット15より後上方に位置する。インバータユニット25は、シートフレーム12の前端部及び/又はピボットフレーム9の上部に支持されてもよく、ピボットフレーム9及びシートフレーム12の間に介在して車体フレーム4の一部を構成していてもよい。
本実施形態では、車体フレーム4が、電源ユニット20を収容空間4aに対して車幅方向に移動して着脱できるように構成される。例えば、車体フレーム4の一部が残余部に対して取外し可能であり、この一部を取り外すことで収容空間4aが車幅方向に開放され、この開放された部位を介して電源ユニット20を収容空間4aへ車幅方向に挿入したり、そこから車幅方向に抜き出したりするのを可能にしている。
したがって、電源ユニット20を収容空間4aに収容するためには、まず、電源ユニット20の底部を収容空間4aの底部まで持ち上げさえすればよい。別の言い方では、電源ユニット20を車載状態での高さと略同じ高さまで持ち上げさえすればよい。その後、電源ユニット20を車幅方向に移動させれば、電源ユニット20を収容空間4aに挿入することができる。このように、電源ユニット20を収容空間4aから水平方向に移動すれば車体に対して着脱することができる。言い換えると、収容空間4aよりも上方に移動させずに電源ユニット20を着脱することができる。これにより搭載作業の煩雑さが抑えられ、電源ユニット20が大型であっても電源ユニット20を車体に簡便に組み付けることができる。電源ユニット20を収容空間4aから抜き出す作業も簡便になる。
更に、電源ユニット20が車幅方向に移動して収容空間4aに対して出入するので、ハンドル6がフロントフォーク5の直ぐ後のスペースを上から塞いでいても、そのスペースを収容空間4aとして活用することができる。よって、キャスター角(すなわち、車両の直進性)の確保と電源21の大型化とを両立することができる。後述するが、本実施形態では、ヘッドパイプ7にボックス構造を採用し、車体フレーム4が取外し可能なフレームを含むにも関わらず車体フレーム4の剛性を確保している。電源ユニット20が車幅方向に移動して収容空間4aに対して出入するので、ボックス構造の下方のスペースも収容空間4aとして活用することができる。よって、収容空間4aを車幅方向に開放するための構造の実現と、車体フレーム4の剛性の確保とを両立しつつ、電源21を大型化することができる。
以下、本実施形態の電源ユニット20及び車体フレーム4の構成について、より詳細に説明する。
図1に示すように、電源ケース22は、電源21を収容する主ケース部31を有する。主ケース部31は、閉環状の平断面を有した周壁を備え、電源21は周壁に囲まれる。電源ケース22は、主ケース部31の前部から下方に突出する下方突出部32を有し、電源21は下方突出部32にも収容される。逆に言えば、主ケース部31は下方突出部32から見て後方に突出する後方突出部を有する。
なお、電源21は、互いに直列及び/又は並列に電気接続された複数の電源モジュール21aを含む。各電源モジュール21aは、互いに直列及び/又は並列に電気接続された複数のバッテリセルを含み、これらバッテリセルの密集整列によって全体として直方体状に成形される。複数の電源モジュール21aが、主ケース部31及び下方突出部32に分かれて収容される。
電源ケース22は、主ケース部31に収容される電源21を下から支持する支持体33を有している。支持体33は、主ケース部31の周壁に沿うようにして主ケース部31の底部に設けられる。支持体33は、例えば、主ケース部31の周壁内面に取り付けられる。支持体33は、主ケース部31の周壁下端から周壁内方に水平に突出し、周壁内底部で上に向けられた支持面を形成し、この支持面で主ケース部31に収容される電源21を下から支持する。また、支持体33を取り付けることで主ケース部31を補強することができる。ただし、支持体33は、電源ケース22にこのような支持面を提供すればよいので、主ケース部31の周壁下端に下から取り付けられていてもよい。
支持体33は、主ケース部31の底部のうち下方突出部32との境界部位に、下方突出部32に収容された電源モジュールを主ケース部31に収容された電源モジュールに電気接続する配線体を通過させるための開口を有する。一方、支持体33は、主ケース部31の底部のうち下方突出部32よりも後方部位(すなわち、前述の後方突出部の底部)では、泥水や跳ね石が主ケース部31内に下から侵入するのを防ぐため、周壁内方を密閉する。
電源ケース22は、車載状態において車幅外方に配置されている左右メインフレーム8に固定される。支持体33は、この固定のための締結具81と係合する係合孔34a,34bを有している。係合孔34a,34bは、車幅方向に向けられ、電源ケース22の左右外側面で開放されている。係合孔34a,34bは、支持体33の左右端部を車幅方向に連続させる部位に形成される。このため、左右メインフレーム8が支持体33を介して車幅方向に連結され、支持体33が車体フレーム4を補強し、ひいては車体フレーム4の一部(左右メインフレーム8同士を車幅方向に連結するクロスフレーム)を構成する。また、係合孔34a,34bは前後に分かれて設けられる。
電源ケース22は、モータユニット15との連結のため複数の第1マウント部35a,35bを有する。電源ケース22は、左側面視でL字を右に90度回転した形状に形成されており、モータユニット15は、かかる形状を呈する電源ケース22の後下部に確保されたスペースに配置される。すなわち、モータユニット15は、主ケース部31の下方且つ主ケース部31と車長方向及び車幅方向に略同じ位置に、また、下方突出部32の後方且つ下方突出部31と上下方向及び車幅方向において略同じ位置に配置される。第1マウント部35a,35bは、主ケース部31(特に、前述の後方突出部)の底部に配置され、支持体33に取り付けられている。支持体33には、前記境界部位の後端部又は前記後方部位の前端部(前述の後方突出部の底前端部)に左右に分かれて2つの前第1マウント部35aが設けられており、後端部に左右に分かれて2つの後第1マウント部35bが設けられている。
このように支持体33は、電源21の支持、電源ケース22の補強、電源ケース22の密閉、電源ユニット20の車体フレーム4への固定、車体フレーム4の補強、モータユニット15の支持などに利用される。支持体33は、例えばアルミニウム合金等の金属製であってもよい。これにより支持体33に高剛性を与え、電源21及びモータユニット15の支持剛性、電源ケース22及び車体フレーム4の補強強度が向上する。主ケース部31の周壁を支持体33と同種の金属製とし、支持体33が周壁と溶接されていてもよい。これにより電源ケース22の密閉性が高くなる。支持体33は上記構成及び機能を実現できれば、その構造は特に限定されない。
図3は、図1に示す支持体33の一例を示す斜視図である。例えば、支持体33は、複数の角型管を主ケース部31(図1参照)の平断面形状に合わせて枠状に組み合わせることによって構成された枠体33aと、枠体33aの後部内方を密閉する板体33bとを含む。板体33bは、周壁内方を密閉し、電源ケース22(図1参照)内への泥水等の侵入を防ぐ。枠体33aは、周壁のうち左側壁及び右側壁に沿って設けられる左右管31p,31qと、左右管33p,33qの前端部同士を連結して周壁の前側壁に沿って設けられる前管33rと、左右管33p,33qの後端部同士を連結して周壁のうち後側壁に沿って設けられる後管33sとを含む。これら管33p〜sの上面が前述の支持面を成し、支持面は平面視で周壁内面に沿った枠状に形成される。
支持体33は、枠体33aを成す管の他、左右管33p,33qの車長方向中央部同士を車幅方向に連結する連結管33tを有していてもよい。これにより、支持体33の強度が向上するだけでなく、下方突出部32(図1を参照)の上後縁の取付け相手や板体33bの前縁の接合相手として連結管33tを用いることができ、下方突出部32を支持体33に液密に取り付けやすくなるし板体33bを枠体33aに液密に取り付けやすくなる。
支持体33が上記の構造を有する場合、係合孔34a,34bは、連結管33tの左右両端部に設けられ、また、後管33sの左右両端部に設けられる。これにより支持体33が前述のとおり車体フレーム4を補強することができる。前第1マウント部35aは連結管33tに取り付けられ、後第1マウント部35bは左右に分かれて後管33sに取り付けられる。
図1に戻り、電源ケース22は、主ケース部31の上に、電装品を収容する電装品収容部37を有する。このような電装品には、電源21をインバータ26、低圧電源及び充電コネクタ38にそれぞれ接続する配線を開閉するリレー群、電源21を低圧電源に繋ぐ配線上に介在するDCDCコンバータ、電源21間を繋ぐ配線を開閉するサービスプラグ、電源21の漏電及び電流値等を検出するセンサ群、電源21の状態を監視する電源監視ユニットが含まれる。車体の組立てとは別フローで、電源21周辺の電気回路を組み立てることができ、車両の生産効率が向上する。
電源ユニット20は、主ケース部31の上に設置された充電コネクタ38を有する。充電コネクタ38が電源ユニット20を構成し、更には充電コネクタ38を電源21に接続する配線や充電監視ユニットが電源ユニット20を構成するので、電源ユニット20が車体から取り外されていても、電源21の充電検査などのメンテナンスを行うことができる。
よって、電源ユニット20を車体と別に保管及び輸送することが現実的に許容される。本実施形態では、電源ユニット20は車体に簡便に組み付けられるため、組立時の作業負担は小さい。更には、電源ユニット20を車体とは独立して販売及びレンタルの対象物とすることも現実的に許容される。この場合でも、本実施形態では、完成車両を速やかに提供可能になる。
図4は、図1及び図2に示す車体フレーム4の斜視図である。図1に示すように、車体フレーム4(特に、左右メインフレーム8)は、車載状態における電源ユニット20より車幅外側に位置する。図4に示すように、車体フレーム4は、収容空間4aを規定する着脱フレーム部50を有する。着脱フレーム部50は、車体フレーム4の残余部に取外し可能に連結される。収容空間4aは、着脱フレーム部50を残余部から取り外すことで車幅方向に開放される。
着脱フレーム部50は、その前端部及び後端部それぞれにおいて、残余部に車幅外方から当接した状態で、車幅方向に挿脱される締結具82(図1を参照)を用いて残余部に取外し可能に締結される。着脱フレーム部50は、それぞれ締結具82を挿通させる複数の貫通孔52を有し、残余部は、各貫通孔52に挿通された締結具82それぞれと係合する複数の係合孔53を有する。締結具82は典型的にはボルトであり、係合孔53は雌ねじであってもよい。係合孔53は車幅方向に向けられ、そのため貫通孔52も着脱フレーム部50が残余部に取り付けられている状態で車幅方向に向けられ、締結具82も車幅方向に挿脱される。
着脱フレーム部50は、一対のメインフレーム8の両方を構成してもよく、片方のみを構成してもよい。着脱フレーム部50がこのように一対のメインフレーム8のうち少なくとも一方を構成するため、ヘッドパイプ7及びピボットフレーム9が前述の残余部を構成する。着脱フレーム50が一対のメインフレーム8のうち一方のみを構成していれば、着脱フレーム部50によって構成されておらずヘッドパイプ7及びピボットフレーム9と一体化されているメインフレーム8(以下、説明の便宜のため「固定メインフレーム51」と称する)も、残余部に含まれる。着脱フレーム部50を取り外すと、収容空間4aが車幅方向にも上方にも開放され、その開放部位は側面視でヘッドパイプ7からピボットフレーム9にまで至る。この広い開放部位を用いることで、大型の電源ユニット20を高く持ち上げなくとも、簡便に収容空間4aに収容することができる(図6も参照)。
以降、着脱フレーム部50が一対のメインフレーム8のうち一方のみ(例えば、左メインフレーム)を構成するものとして説明する。他方のメインフレーム(すなわち、固定メインフレーム51)は、一方のメインフレーム(すなわち、着脱フレーム部50)よりも高い剛性を有していてもよい。これにより、メインフレーム8の一方を取外し可能に構成しながら、車体フレーム4の全体としての剛性が高くなる。
剛性の向上のため、他方のメインフレーム(固定メインフレーム51)が、ヘッドパイプ7からピボットフレーム9へと向かう部分(後述するメイン部66に相当)の途中から分岐してシートフレーム11に接続される接続フレーム51aを有していてもよい。また、他方のメインフレームが一方のメインフレームよりも大きい肉厚及び/又は外形を有してもよい。
残余部としてのヘッドパイプ7は、着脱フレーム部50の前端部を取外し可能に締結するための構造を有している。残余部としてのピボットフレーム9は、着脱フレーム部50の後端部を取外し可能に締結するための構造を有している。
固定メインフレーム51の後端部は、ピボットフレーム9の左右側壁のうち自身と同じ側に配置された側壁(例えば、右側壁)に締結具を用いずに接続される。例えば、固定メインフレーム51は当該側壁と溶接されてもよいし、当該側壁と一体に成形されてもよい。着脱フレーム部50の後端部は、締結具82を用いて自身と同じ側に配置された側壁(例えば、左側壁)に取外し可能に連結される。当該側壁の車幅外側の表面には、取合い部54が設けられる。着脱フレーム部50の後端部は、取合い部54に車幅外方から接触し、締結具82を用いて取合い部54に取外し可能に連結される。前述の係合孔53の一部(1以上)は、取合い部54に形成されて取合い部54の表面で開放されている。係合孔53の個数及び配置に対応するように、1以上の貫通孔52が着脱フレーム部50の後端部に形成される。
ヘッドパイプ7は、円筒状のパイプ部55と、パイプ部55の後部に設けられた箱状の継手部56とを有する。前述のステアリングシャフト(図示せず)は、パイプ部55に挿通されて回転可能に支持される。一対のメインフレーム8は、継手部56の左後部及び右後部それぞれに連結される。固定メインフレーム51は、溶接などの接合手法を用いて継手部56のうち左後部及び右後部の一方(例えば、右後部)に一体に連結される。着脱フレーム部50は、継手部56の左後部及び右後部の他方(例えば、左後部)に締結具82を用いて取外し可能に連結される。
継手部56は、その左後部及び右後部のうち、固定メインフレーム51と連結される側(例えば、右側)にて、固定メインフレーム51の前端部と溶接される継手板57を有し、継手板57の表面は、略後方に向けられている。固定メインフレーム51の前端部は、当該表面に締結具を用いずに接続される。例えば、固定メインフレーム51は継手板57に溶接されてもよいし、継手部56と一体に成形されてもよい。継手部56は、左後部及び右後部のうち着脱フレーム部50が連結される側(例えば、左側)に取合い板58を有し、取合い板58の表面は、車幅外方に向けられる。着脱フレーム部50の前端部は、取合い板58の表面に車幅外方から接触し、締結具82を用いて取合い板58に取外し可能に連結される。前述した係合孔53の一部(1以上)が、取合い板58にも設けられており、取合い板58の表面で開放されている。係合孔53の個数及び配置に対応するように、1以上の貫通孔52が着脱フレーム部50の前端部に形成される。
上記構成によれば、着脱フレーム部50を残余部に取り付けるときには、着脱フレーム部50の後端部を取合い部54の表面に車幅外方から接触させ、着脱フレーム部50の前端部を取合い板58の表面に車幅外方から接触させ、各貫通孔52を対応する係合孔53と整合させる。そして締結具82を、着脱フレーム部50の車幅外方から車幅内方に向かって対応する孔52,53内に挿入し、係合孔53と係合させる。これにより着脱フレーム部50が、メインフレーム8の一方を構成して、固定メインフレーム51と対を成してヘッドパイプ7からピボットフレーム9へと延在する状態となる。着脱フレーム部50を残余部から取り外すときには、これと逆の手順を踏めばよい。着脱フレーム部50の着脱作業は、電源ユニット20の車体に対する着脱作業に付帯するところ、いずれの作業も収容空間4aから見て車幅方向において同じ側で行われるので、電源ユニット20の着脱作業の作業性が向上する(図6も参照)。
取合い部54に複数(例えば、2つ)の係合孔53を設けてもよく、その場合、複数の係合孔53が取合い部54上で上下方向及び車長方向に離れて配置されていてもよい。ただし、複数の係合孔53は、上下方向又は車長方向に離れて配置されてもよい(車長方向及び上下方向のいずれか一方において同じ位置に配置されてもよい)。取合い板58に設けられた係合孔53についても同様である。
継手部56は、前述したように箱状に構成される。継手部56にこのように堅牢なボックス構造が採用されているので、メインフレーム8のうち一方が車体フレーム4の残余部に対して取外し可能であっても継手部56で荷重を受け止めることができ、組立て状態で車体フレーム4の全体として剛性を確保することができる。
図5は、図4に示すヘッドパイプ7の周辺構造を示す平面図である。図4及び図5に示すように、継手部56をより具体的に説明すると、継手部56は、ヘッドパイプ7から左右に分かれて後方へ延びる左右一対の突出部61を有し、左右の各突出部61は上下に対を成している。前述の継手板57は、左右一方側(例えば、右側)で上下に並ぶ突出部61の後端部同士を連結しており、前述の取合い板58は、左右他方側(例えば、左側)で上下に並ぶ突出部61の後端部同士を連結している。左右に並ぶ上側突出部61は天井板64で連結され、左右に並ぶ下側突出部61は底板63で連結されている。天井板64及び底板63は、左右の突出部61とパイプ部55とを連結するガセット状に設けられる。上下に並ぶ突出部61は傾斜部65を介して連結される。傾斜部65は、一方の突出部(例えば、上側突出部)61の後端部から他方の突出部(例えば、下側突出部)61の前端部へとブレース状に延びている。左右の傾斜部65の前端部は、上下の突出部61のうち同じ側に連結される。
図4に戻り、各メインフレーム8は、ヘッドパイプ7から若干下方に傾斜しながら後方に延びてピボットフレーム9に連結されるメイン部66を有する。各メインフレーム8は、ヘッドパイプ7からメイン部66よりも下方に位置して若干後方に傾斜しながら下方に延びるダウン部67を有する。各メインフレーム8は、メイン部66の途中から下方に延びてダウン部67の下端部に接続される連結部69を有する。メイン部66の前端部は、ダウン部67の前端部と上下方向に離れている。メインフレーム8(特に、着脱フレーム部30によって構成されるメインフレーム)は、これら前端部同士を接続する接続プレート68を有している。
着脱フレーム部50は、接続プレート68の内面が取合い板58の表面と面接触した状態で、ヘッドパイプ7に連結されてもよい。これにより、着脱フレーム部50に作用する荷重を互いに接触した面同士で受けることができ、車体フレーム4の全体としての剛性が向上する。同様に、着脱フレーム部50の後端部の内面が取合い部54の表面と面接触していてもよい。
各メインフレーム8(着脱フレーム部50及び固定メインフレーム51)は、メイン部66が上側突出部61の後端から車長方向に連続して後下方へ延びていくようにして、継手部56に連結される。また、各メインフレーム8は、ダウン部67が下側突出部61の後端から車長方向に連続して下後方へ延びていくようにして、継手部56に連結される。このため、メインフレーム8からの前向きの荷重の流れが円滑に継手部56に入力され、継手部56に入力された荷重が突出部61を介して天井板64、底板63及びパイプ部55へと円滑に流れる。このため、継手部56の後部およびメインフレーム9の前端部で無用な応力集中を回避することができる。メイン部66から継手部56に入力された荷重は傾斜部65にも流すことができるようになり、ヘッドパイプ7の上部への荷重を軽減することができる。
各メインフレーム8は、電源ユニット20と連結するための締結具81(図1を参照)が挿通されるボス70a,70bを有している。前述のとおり、締結具81と係合する係合孔34a,34b(図3参照)は、支持体33(図3参照)に前後に分かれて設けられ、例えば、連結管33t(図3参照)の左右両端部及び後管33s(図3参照)の左右両端部に形成されている。ボス70a,70bも、これに対応して前後に対を成している。前ボス70aはダウン部67の下端部に設けられ、後ボス70bはメイン部66の後端部であってピボットフレーム9との連結部位よりも前方に設けられる。メインフレーム8が電源ユニット20と連結されると、前述のとおり、支持体33が左右メインフレーム8同士を車幅方向に連結して車体フレーム4を補強することができる。また、連結部69と、メイン部66のうち連結部69の分岐部位から後方に延在する部分と、支持体33の左右管33p,33qのうち連結管33tと後管33sとの間を車長方向に延在する部分とが、側面視で三角形を成す。メインフレーム8及び支持体33が協動して高剛性のフレーム構造を構成し、車体フレーム4の全体としての剛性向上に大きく寄与する。
図6は、図1に示す電動二輪車1に関して、電源ユニット20を車体に組み付ける事前の状態を示す斜視図であり、図7は、図6と同じ状態を示す正面図である。以下、電源ユニット20の車体への組付けを手順に沿って説明する。
先ず、電源ユニット20が搭載される車体を準備する。ここでいう車体は、車体フレーム4の残余部に、例えば、前輪2、スイングアーム10、後輪3、モータユニット15、動力伝達機構18、インバータユニット25を組み付けたものである。ここでいう車体には、着脱フレーム部50は含まれない。また、完成車両がカウリングを備える場合、着脱フレーム部50の車幅外側に配置されるカウル部材(例えば、左サイドカウル)は、ここでいう車体には含まれず、取り外されたままとされる。
モータユニット15は、ピボットフレーム9から前方に突出するようにして、ピボットフレーム9に片持ち支持される。ピボットフレーム9は前述のとおり左右側壁を有するところ、その間に略矩形状のパネル71が表面を前及び後に向けるようにして配置され、左右側壁の内面に固定されている。モータユニット15はパネル71に後から挿入される複数本のボルトで固定され、パネル71を介してピボットフレーム9に片持ちに支持される。このような支持構造を採用しているので、モータユニット15は電源ユニット20と連結されていなくても、車体フレーム4の残余部にしっかりと組付いた状態に維持することができる。
このように準備される車体では、収容空間4aが、車幅方向のうち着脱フレーム部50が取り付けられるべき側(例えば、左側)で開放される。車長方向に関して、収容空間4aは、前輪2及び後輪3の間に形成される。また、収容空間4aは、ヘッドパイプ7の後方であってインバータユニット25の前方に形成される。収容空間4aは、シート12、シートフレーム12及びピボットブラケット9のうち少なくとも1つよりも前方に形成される。上下方向に関して、収容空間4aは、モータユニット15の上方に広く形成される。収容空間4aは、着脱の容易性を考慮してなるべく下方に配置されることが好ましい。本実施形態では、収容空間4aの下端が、路面より上方であって前後輪2,3の上端より下方に配置されるが、他の例として前後輪2,3の車軸より下方に配置されていてもよい。収容空間4aは、車幅方向に関し、固定メインフレーム51の車幅内方に形成される。
モータユニット15は、収容空間4aを外囲する部品の一つであり、電気モータ16は、収容空間4a及びこれを車幅方向に延長した領域を除く位置、すなわち、収容空間4aから上、下、前及び/又は後方に離れていて側面視で収容空間4aとは重ならない位置に、配置される。動力伝達機構18は、その一部が電気モータ16と共にモータユニット15を構成し、その別の一部がモータユニット15の車幅外方で車長方向に延びるところ、この動力伝達機構18と収容空間4aとの配置関係も、上述の電気モータ16と同様である。このため、電源ユニット20を収容空間4aに挿入するに際し、電気モータ16及び動力伝達機構18が電源ユニット20と干渉しない。逆に言えば、電気モータ16及び動力伝達機構18が車体フレーム4の残余部に組み付けられている状態であっても、電源ユニット20を無理なく収容空間4aに収容することができる。
そして、車体を起立治具(図示せず)に設置し、車体を前輪2及び後輪3の二点接地で直立姿勢に保つ。このとき、サイドスタンド13は水平姿勢としておく。車体の車幅外方であって収容空間4aが開放されている側で、搭載装置90を待機させる。
搭載装置90は、基台91と、基台91の一辺縁から立設する一対のポスト92と、各ポスト92から水平に延びる一対のフォーク93とを有する。搭載装置90は、一対のポスト92が車長方向に離れ、基台91の前記一辺縁が収容空間4aから遠位に配置され、且つ、一対のフォーク93が一対のポスト92と同様に車長方向に離れてポスト92から車幅内方へ延びるような姿勢で、車体の横に設置される。前側のフォーク93は、電源ケース22の外前面に固定された前ホルダ36aに車幅外方から車幅内方に向かって挿通され、後側のフォーク93は、電源ケース22の外後面に固定された後ホルダ36bに車幅外方から車幅内方に向かって挿通される。これにより電源ユニット20が搭載装置90によって地面から浮いた状態で支持される。このとき、前述及び後述のとおり、電源ユニット20は車幅方向に移動させることで収容空間4aに収容されるので、車載状態と同じ高さまで持ち上げさえすればよい。
次に、電源ユニット20を車幅内方に移動させる。この移動は、図7に仮想的に示すように、基台91を車幅内方に移動させてもよい。その場合、基台91が少なくともフォーク93の延在方向に走行可能なカートで構成され、基台91の高さを地面からモータユニット15の下端までの距離よりも短くする。収容空間4aの下端は路面よりも上方に位置するので、基台91をモータユニット15の下に潜りこませることができ、また、基台91の進行方向前端部を収容空間4aの下方まで進入させることができ、電源ユニット20を収容空間4aに円滑に収容することができる。サイドスタンド13が水平姿勢であるので、収容空間4aが開放される側とサイドスタンド13が配置される側とが車幅中心線から見て車幅方向に同じ側であっても、サイドスタンド13が基台91の移動を干渉しない。その他の例として、ポスト92を基台91に対して車幅内方に移動させてもよく、その場合、基台91上にフォーク93の延在方向に摺動するスライダが設けられ、ポスト92がこのスライダ上に取り付けられる。フォーク93を車幅方向に伸長させてもよく、その場合、フォーク93が伸縮自在に構成される。
電源ユニット20を車幅内方に移動させると、電源ユニット20が、前述のようにして車幅外側における開放部位を通じて、収容空間4a内に挿入されていく。
図8は、後第1マウント部35b及び後第2マウント部72bの配置を示す図である。図8に示すように、本実施形態では、クラッチ収容部17cが配置される側が、収容空間4aが開放される側と車幅中心線から見て車幅方向に反対である。前述のとおり、クラッチはモータケース17に収容される部品のなかでも比較的大径であり、そのためにクラッチ収容部17cがモータケース17の残余部(例えば、モータ収容部17a及び変速機収容部17b)から見て半径方向に突出するように形成される場合がある。本実施形態では、収容空間4aが開放される側(例えば、左側)が、車幅中心線から見てクラッチ収容部17cが配置される側(例えば、右側)と反対である。したがって、クラッチ収容部17cを乗り越えなくても電源ユニット20を収容空間4aに収容することができ、モータ収容部17a及び変速機収容部17bの上方のスペースを収容空間4aとして活用しやすくなる。
モータケース17の上面には、第1マウント部35a,35bにそれぞれ対応する複数(例えば、4つ)の第2マウント部72a,72bが設けられている。電源ユニット20を収容空間4aに挿入していく過程で、4つの第1マウント部35a,35bを対応する第2マウント部72a,72bに車幅方向に接触させる。いずれの第1マウント部35a,35bも、第2マウント部72a,72bから見て車幅方向において収容空間4aが開放されている側(例えば、左側)から対応する第2マウント部72a,72bに接触する。
このため、前第1マウント部35aのうち固定メインフレーム51と同じ側(例えば、右側)のものが、前第2マウント部72aのうち収容空間4aが開放される側(例えば、左側)に配置されたものを乗り越えさえすれば、その後は電源ユニット20を車幅方向に水平に移動させるだけで、2つの前第1マウント部35aが対応する前第2マウント部72aに適正に接触する。後第1マウント部35bと後第2マウント部72bについても同様であり、電源ユニット20を収容空間4aから抜き出す場合についても同様である。したがって、モータユニット15を電源ユニット20で支持するに際し、そのための構造が電源ユニット20の着脱作業を阻害するのを抑えることができる。同時に、モータユニット15の上方に、第1マウント部35a,35bの移動を許容するためだけにスペースを確保する必要性が低減する。
このように第1マウント部35a,35bが第2マウント部72a,72bと適正な位置関係で車幅方向に接触する状態となると、電源ユニット20が収容空間4aに適正に収容されたこととなる。そこで車幅外側から締結具83がこれらマウント部34a,34b,72a,72bに差し込まれ、それにより、モータユニット15が電源ユニット20に連結される。
図1に戻り、このとき、電源ユニット20に形成された係合孔34a,34bであって車幅方向において収容空間4aが開放される側とは反対側に設けられた前係合孔34a及び後係合孔34bが、固定メインフレーム51の前ボス70a及び後ボス70bと車幅方向に整合する。そこで締結具81を車幅外方から車幅内方に向かってボス70a,70b及びこれに対応する係合孔34a,34bへと挿入し、締結具81を係合孔34a,34bに係合させ、それにより固定メインフレームを電源ユニット20(特に、支持体33、更に言えば、支持体33の連結管33t及び後管33s)に取外し可能に連結する。これにより、電源ユニット20が収容空間4aに適正に収容され、電源ユニット20が、車体フレーム4の残余部に支持され、モータユニット15を車体フレーム4と共に支持する状態となる。なお、着脱フレーム部50の電源ユニット20への固定は、電源ユニット20を搭載装置90で持ち上げる事前に行ってもよい。
次に、着脱フレーム部50を車体フレーム4の残余部に取外し可能に連結する。すなわち、簡単に前述しているとおり、着脱フレーム部50の前端部に設けられた接続プレート68の内面をヘッドパイプ7の取合い板58に車幅外方から面接触させ、着脱フレーム部50の後端部内面をピボットフレーム9の取合い部54に車幅外方から面接触させる。このとき、接続プレート68に形成された貫通孔52を取合い板58に開放された係合孔53と車幅方向に整合させ、また、後端部に形成された貫通孔52を取合い部54の表面に開放されている係合孔53と車幅方向に整合させる。そして、締結具82を貫通孔52及び係合孔53内へと挿入し、締結具82を係合孔53に係合させ、それにより着脱フレーム部50が、車体フレーム4の残余部としてのヘッドパイプ7及びピボットフレーム9に取外し可能に連結される。これにより、収容空間4aが固定メインフレーム51及び着脱フレーム部50によって車幅方向に閉じられた状態となる。
この後は、電源ユニット20に設けられた電装品と車体に設けられた電装品との間で必要とされる結線作業を行えばよい。電源ケース22の外面にはそのためのコネクタが配置されており、車体側の配線を当該コネクタに接続すれば、所要の電気的接続が適正になされ、結線作業を完了できるようになっている。本実施形態では、インバータ26及び低圧電源が電源ユニット20外に配置されており、コネクタの着脱により、電源21とインバータ26及び低圧電源との間の結線作業が行われ、電源ユニット20を容易に着脱可能な状態へと移行することができる。
以上のとおり、本実施形態によれば、車体フレーム4が電源ユニット20を収容する収容空間4aを車幅方向に開放可能に構成される。このため、電源ユニット20を車体に組み付けるときには、車載状態と略同じ高さにまで持ち上げさえすれば、その後は収容空間4aの開放部位を通じて電源ユニット20を車幅方向に移動させれば収容空間4aの開放部位を通じて収容空間4a内に収容することができる。これにより、電源ユニット20を車体に組み付ける作業を簡便に行うことができる。
特に、本実施形態では、電源ケース22に収容される電源21に、フォーク93への挿し込みを阻害しない位置で支持面よりも下方に突出した電源部分が含まれている。これにより、電源21の容量を大きくすることができる。本実施形態では、フォーク93が挿し込まれる位置に対して前後方向に離れた位置、具体的には電源ケース21の前部において支持面から下方に突出する電源部分が形成されており、電源ケース21がこの電源部分を収容する下方突出部32を有している。
このように、本実施形態の電源ユニット20は、モータユニット15と前輪2との間のスペースを有効活用できるように、主ケース部31の前部から下方に突出する下方突出部32を有しており、この下方突出部32の下端はモータユニット15の下端と略同じ高さにある。このような構造の電源ユニット20を従前のように収容空間4aに上から収容しようとすると、搭載状態で低位置に配置される部分もまとめてメインフレーム8よりも上方にまで持ち上げなくてはならず、そのため搭載作業が極めて煩雑になる。本実施形態では、搭載状態で低く配置される部分は、その位置まで持ち上げれば収容空間4aに収容可能になるので、電源ユニット20が上下方向のどこに配置されるのかに応じて搭載作業の煩雑さが増すといった事態を避けることができる。逆に言えば、搭載作業を簡便に保ちながら、電源ユニット20を利用した車両低重心化や車両下側スペースの電源配置への活用を図ることができるようになる。
―変更例―
これまで本発明の実施形態について説明したが、上記構成は単なる一例に過ぎず本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で変更、追加及び削除することができる。
これまで本発明の実施形態について説明したが、上記構成は単なる一例に過ぎず本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で変更、追加及び削除することができる。
例えば、着脱フレーム部50によって構成される一方のメインフレームは、車幅方向において動力伝達機構18(特に、ドライブ機構18d)と反対側に配置されていてもよい。電気モータにより発生された駆動力を後輪3に伝達して車両を前進させようとするとき、動力伝達機構18からの荷重が後輪3の車軸及びスイングアーム10を介して車体フレーム4に作用する。この荷重は、車体フレーム4のうち車幅方向においてドライブ機構18dが配置されている側で大きくなる。着脱フレーム部50がドライブ機構18dと反対側に配置されていれば、動力伝達機構18からの荷重を固定メインフレーム51で受けることができ、着脱フレーム部50には動力伝達機構18からの荷重が作用しにくくなる。よって、着脱フレーム部50に要求される剛性を低くすることができ、また、着脱フレーム部50を残余部に取り付ける構造を簡素にすることができる。
このように着脱フレーム部50の配置を動力伝達機構18の配置と関連付けたうえで、上記実施形態のように固定メインフレーム51の剛性を着脱フレーム部50よりも高くすると、動力伝達機構からの荷重を受けやすい側で剛性を好適に向上させることができ、入力荷重分布に適合した車体フレーム4を提供することができる。
また、電源ユニット20が備える電源21は、電気モータ16に電力供給可能であればよく、リチウムイオン電池のような化学反応を利用した電池のほか、電荷を電気的に蓄積するキャパシタを用いた電池、発電ユニットを含む電池(例えば燃料電池)であってもよい。外部電源あるいは内部発電機から充電可能な二次電池であってもよいし、充電量が低下するたびに交換される一次電池であってもよい。
上記実施形態では、車体フレーム4の一部を残余部に対して着脱することにより、電源ユニット20を着脱させるための開口を形成するとしたが、このような着脱可能なフレームを車体フレーム4が含んでいなくてもよく、電源ユニット20が車幅方向に通過可能な開口が車体フレーム4に予め形成していてもよい。
鞍乗型電動車両は、内燃機関で駆動される自動二輪車と同等の出力で推進される電動二輪車に限られず、電動の自転車であってもよい。また、ATVのように車輪が3つ以上配置されるバギー車でもよい。また、スクータのように、シートに完全に跨る搭乗姿勢ではなく、前足をシート前側で揃える搭乗姿勢をとるような車両であってもよい。
車体に、車軸を水平に保った状態で自立させるセンタースタンドが設けられていてもよい。ホルダ36a,36bが水平に延びることになり、フォーク93を挿し込むために別途車体を自立させる装置が不要になる。逆に、サイドスタンド13によって傾斜状態で車体を自立させた場合に、ホルダ36a,36bの開口が水平となるようにホルダ36a,36bが取り付けられていてもよい。
上記実施形態では、インバータケース27が電源ケース22と物理的に分離されているとしたが、電源ユニット20にインバータ26及び低圧電源が収容されていてもよい。
本発明は前述の作用を奏し、鞍乗型の車両であって電気モータを動力源として走行する電動車両に適用すると好適である。
1 電動二輪車
2 前輪
3 後輪
4 車体フレーム
7 ヘッドパイプ
8 メインフレーム
9 ピボットフレーム
15 モータユニット
16 電気モータ
20 電源ユニット
21 電源
22 電源ケース
25 インバータユニット
33 支持体
50 着脱フレーム部
51 固定メインフレーム
55 パイプ部
56 継手部
82 締結具
2 前輪
3 後輪
4 車体フレーム
7 ヘッドパイプ
8 メインフレーム
9 ピボットフレーム
15 モータユニット
16 電気モータ
20 電源ユニット
21 電源
22 電源ケース
25 インバータユニット
33 支持体
50 着脱フレーム部
51 固定メインフレーム
55 パイプ部
56 継手部
82 締結具
Claims (9)
- 電気モータを動力源として走行する鞍乗型電動車両であって、
前記電気モータの電源を有した電源ユニットと、
ヘッドパイプおよび前記ヘッドパイプから後方に延びる左右一対のメインフレームを有し、前記電源ユニットを収容する収容空間を前後輪間に規定する車体フレームと、を備え、
前記一対のメインフレームのうち少なくとも一方は、前記電源ユニットよりも車幅方向外側で前後方向に延びて前記収容空間の側方を規定する着脱フレーム部を成し、前記着脱フレーム部は、前記車体フレームの残余部に取外し可能に連結され、
前記収容空間は、前記着脱フレーム部を前記残余部から取り外すことで、前記電源ユニットを前記収容空間に対し車幅方向に着脱できるように側面視で前記電源ユニットよりも広く車幅方向に開放される、鞍乗型電動車両。 - 前記着脱フレーム部は、その前端部及び後端部それぞれにおいて、前記残余部に車幅方向外方から当接した状態で車幅方向に挿脱される締結具により前記残余部に取外し可能に締結される、請求項1に記載の鞍乗型電動車両。
- 前記ヘッドパイプが、円筒状のパイプ部と、前記パイプ部の後部に設けられた箱状の継手部とを有し、前記一対のメインフレームが、前記継手部の左後部及び右後部それぞれに連結される、請求項1又は2に記載の鞍乗型電動車両。
- 前記一対のメインフレームのうち一方のメインフレームが前記着脱フレーム部を構成し、他方のメインフレームは、当該一方のメインフレームよりも高剛性を有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鞍乗型電動車両。
- 前記電源ユニットが、前記電源を下から支持する支持体を備え、
前記支持体が、前記着脱フレーム部を介して前記残余部に支持される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の鞍乗型電動車両。 - 前記支持体は、前後方向に離れた複数の位置で前記着脱フレーム部に連結される、請求項5に記載の鞍乗型電動車両。
- 前端部が前記車体フレームに揺動軸線周りに揺動可能に支持されるスイングアームを備え、
前記収容空間が前記スイングアームを除いた前記車体フレームにより規定される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の鞍乗型電動車両。 - 前記電気モータが前記揺動軸線よりも前方に配置される、請求項7に記載の鞍乗型電動車両。
- 電気モータを動力源として走行する鞍乗型電動車両であって、
前記電気モータの電源を有した電源ユニットと、
ヘッドパイプおよび前記ヘッドパイプから後方に延びる左右一対のメインフレームを有し、前記電源ユニットを収容する収容空間を前後輪間に規定する車体フレームと、
前記電気モータにより発生される駆動力を駆動輪に伝達する動力伝達機構と、を備え、
前記一対のメインフレームのうち一方のメインフレームが、前記電源ユニットよりも車幅方向外側に位置して前記収容空間を規定する着脱フレーム部を成し、前記着脱フレーム部は、前記車体フレームの残余部に取外し可能に連結され、前記収容空間は、前記着脱フレーム部を前記残余部から取り外すことで、前記電源ユニットを前記収容空間に対し車幅方向に着脱できるように車幅方向に開放され、
前記動力伝達機構が車幅中心線に対して車幅方向一方側に偏在し、前記着脱フレーム部を成す前記一方のメインフレームは、車幅方向において前記動力伝達機構とは反対側に配置される、鞍乗型電動車両。
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