〔実施の形態の概要〕
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。
1.以下を含む半導体装置:
(a)第1の主面及び第2の主面を有し、パワーMOSFETが形成された半導体チップ;
(b)前記半導体チップの前記第1の主面側に設けられた前記パワーMOSFETのソース電極;
(c)前記半導体チップの前記第1の主面側の表面内に設けられ、第1導電型を有する前記パワーMOSFETのドリフト領域;
(d)前記半導体チップの前記第1の主面側から前記ドリフト領域を貫通するように設けられた複数のトレンチ;
(e)前記複数のトレンチ内に、エピタキシャル成長により、それぞれ埋め込まれ、前記第1導電型と反対導電型の第2導電型を有する複数の第2導電型カラム領域;
(f)前記複数の第2導電型カラム領域の間にあり、それらとともにスーパジャンクション構造を構成する前記第1導電型を有する複数の第1導電型カラム領域、
ここで、前記複数の第1導電型カラム領域の各々は、以下を含む:
(f1)第1の不純物濃度を有する下層領域;
(f2)前記下層領域と前記第1の主面との間にあって、前記第1の不純物濃度よりも濃度の高い第2の不純物濃度を有する上層領域。
2.前記1項の半導体装置において、前記ドリフト領域は、通常エピタキシ層である。
3.前記1または2項の半導体装置において、前記複数の第1導電型カラム領域の各々は、更に以下を含む:
(f3)前記下層領域と前記上層領域との間にあって、前記第1の不純物濃度と前記第2の不純物濃度との中間の第3の不純物濃度を有する中層領域。
4.前記1から3項のいずれか一つの半導体装置において、前記第1の不純物濃度は、前記第1導電型カラム領域が単一の領域であると仮定したときに、前記第2導電型カラム領域と前記第1導電型カラム領域とがチャージバランスを保つ濃度である。
5.前記1または2項の半導体装置において、前記第1の不純物濃度は、前記第1導電型カラム領域が単一の領域であると仮定したときに、前記第2導電型カラム領域と前記第1導電型カラム領域とがチャージバランスを保つ濃度よりも低い濃度である。
6.前記1から5項のいずれか一つの半導体装置において、前記上層領域は、前記第1導電型を有する不純物をイオン注入することによって、その濃度を高くしている。
7.前記1から6項のいずれか一つの半導体装置において、前記半導体チップは、シリコン系部材を主要な構成要素とする。
8.前記1から7項のいずれか一つの半導体装置において、前記第1導電型は、N型である。
9.前記1から8項のいずれか一つの半導体装置において、前記半導体チップは、単体または複合のパワー系能動デバイスを構成している。
10.前記1から9項のいずれか一つの半導体装置において、前記半導体チップは、パワーMOSFET単体デバイスを構成している。
11.前記1から10項のいずれか一つの半導体装置において、前記パワーMOSFETは、プレーナ型である。
12.前記1から10項のいずれか一つの半導体装置において、前記パワーMOSFETは、トレンチ型である。
13.前記1から12項のいずれか一つの半導体装置において、前記第2導電型カラム領域は、前記第1の主面側が幅が広い逆台形形状を呈している。
14.前記1、2および4から13項のいずれか一つの半導体装置において、前記下層領域の厚さは、前記上層領域の厚さよりも厚い。
15.前記1、2および4から13項のいずれか一つの半導体装置において、前記下層領域の厚さは、前記上層領域の厚さよりも薄い。
16.前記1から15項のいずれか一つの半導体装置において、更に、以下を含む:
(g)前記半導体チップの前記第1の主面側の前記ドリフト領域の表面領域に形成された前記第2導電型を有し、前記パワーMOSFETのチャネル領域を構成する第2導電型ボディ領域;
(h)前記半導体チップの前記第1の主面側の前記第2導電型ボディ領域の表面に形成されたゲート絶縁膜;
(i)前記ゲート絶縁膜を挟んで前記第2導電型ボディ領域の反対側に形成されたポリシリコン膜を主要な構成要素とするゲート電極。
17.前記16項の半導体装置において、前記第2導電型ボディ領域の導入は、前記ポリシリコン膜の成膜に先行して行われる。
18.以下を含む半導体装置:
(a)第1の主面及び第2の主面を有し、パワーMOSFETが形成された半導体チップ;
(b)前記半導体チップの前記第1の主面側に設けられた前記パワーMOSFETのソース電極;
(c)前記半導体チップの前記第1の主面側の表面内に設けられ、第1導電型を有する前記パワーMOSFETのドリフト領域;
(d)前記半導体チップの前記第1の主面側から前記ドリフト領域を貫通するように設けられ、前記第1導電型と反対導電型の第2導電型を有する複数の第2導電型カラム領域;
(e)前記複数の第2導電型カラム領域の間にあり、それらとともにスーパジャンクション構造を構成する前記第1導電型を有する複数の第1導電型カラム領域;
(f)前記半導体チップの前記第1の主面側の前記ドリフト領域の表面領域に形成された前記第2導電型を有し、前記パワーMOSFETのチャネル領域を構成する第2導電型ボディ領域;
(g)前記半導体チップの前記第1の主面側の前記第2導電型ボディ領域の表面に形成されたゲート絶縁膜;
(h)前記ゲート絶縁膜を挟んで前記第2導電型ボディ領域の反対側に形成されたポリシリコン膜を主要な構成要素とするゲート電極、
ここで、前記第2導電型ボディ領域の導入は、前記ポリシリコン膜の成膜に先行して行われる。
19.前記18項の半導体装置において、前記複数の第1導電型カラム領域の各々は、以下を含む:
(e1)第1の不純物濃度を有する下層領域;
(e2)前記下層領域と前記第1の主面との間にあって、前記第1の不純物濃度よりも濃度の高い第2の不純物濃度を有する上層領域
20.前記18または19項の半導体装置において、前記ドリフト領域は、通常エピタキシ層である。
〔本願における記載形式・基本的用語・用法の説明〕
1.本願において、実施の態様の記載は、必要に応じて、便宜上複数のセクションに分けて記載する場合もあるが、特にそうでない旨明示した場合を除き、これらは相互に独立別個のものではなく、単一の例の各部分、一方が他方の一部詳細または一部または全部の変形例等である。また、原則として、同様の部分は繰り返しを省略する。また、実施の態様における各構成要素は、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、必須のものではない。
更に、本願において、「半導体装置」というときは、主に、各種トランジスタ(能動素子)単体、またはそれらを中心に、抵抗、コンデンサ等を半導体チップ等(たとえば単結晶シリコン基板等のシリコン系部材を基材とする矩形板状等の形状を有するデバイス)上に集積した単体または複合のパワー系能動デバイス(一般に、数ワット以上の電力を扱うことができるデバイスを言う)をいう。ここで、各種トランジスタの代表的なものとしては、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)に代表されるMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を例示することができる。このとき、各種単体トランジスタの代表的なものとしては、パワーMOSFETやIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を例示することができる。
なお、パワーMOSFET等(IGBTも基本的に同じ)は、縦(Vertical)型と横(Lateral)型に大別され、この縦型パワーMOSFET等は、更に、プレーナ(Planar)型とトレンチ(Trench)型に分類でき、本願では、プレーナ型パワーMOSFETとトレンチ型パワーMOSFETを具体的に説明する。
2.同様に実施の態様等の記載において、材料、組成等について、「AからなるX」等といっても、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかに、そうでない場合を除き、A以外の要素を主要な構成要素のひとつとするものを排除するものではない。たとえば、成分についていえば、「Aを主要な成分として含むX」等の意味である。たとえば、「シリコン部材」等といっても、純粋なシリコンに限定されるものではなく、SiGe合金やその他シリコンを主要な成分とする多元合金、その他の添加物等を含む部材も含むものであることはいうまでもない。同様に、「酸化シリコン膜」、「酸化シリコン系絶縁膜」等と言っても、比較的純粋な非ドープ酸化シリコン(Undoped Silicon Dioxide)だけでなく、FSG(Fluorosilicate Glass)、TEOSベース酸化シリコン(TEOS-based silicon oxide)、SiOC(Silicon Oxicarbide)またはカーボンドープ酸化シリコン(Carbon-doped Silicon oxide)またはOSG(Organosilicate glass)、PSG(Phosphorus Silicate Glass)、BPSG(Borophosphosilicate Glass)等の熱酸化膜、CVD酸化膜、SOG(Spin ON Glass)、ナノクラスタリングシリカ(Nano-Clustering Silica:NCS)等の塗布系酸化シリコン、これらと同様な部材に空孔を導入したシリカ系Low-k絶縁膜(ポーラス系絶縁膜)、およびこれらを主要な構成要素とする他のシリコン系絶縁膜との複合膜等を含むことは言うまでもない。
また、酸化シリコン系絶縁膜と並んで、半導体分野で常用されているシリコン系絶縁膜としては、窒化シリコン系絶縁膜がある。この系統の属する材料としては、SiN,SiCN,SiNH,SiCNH等がある。ここで、「窒化シリコン」というときは、特にそうでない旨明示したときを除き、SiNおよびSiNHの両方を含む。同様に、「SiCN」というときは、特にそうでない旨明示したときを除き、SiCNおよびSiCNHの両方を含む。
なお、SiCは、SiNと類似の性質を有するが、SiONは、むしろ、酸化シリコン系絶縁膜に分類すべき場合が多い。
3.同様に、図形、位置、属性等に関して、好適な例示をするが、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、厳密にそれに限定されるものではないことは言うまでもない。
4.さらに、特定の数値、数量に言及したときも、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、その特定の数値を超える数値であってもよいし、その特定の数値未満の数値でもよい。
5.「ウエハ」というときは、通常は半導体装置(半導体集積回路装置、電子装置も同じ)をその上に形成する単結晶シリコンウエハを指すが、エピタキシャルウエハ、SOI基板、LCDガラス基板等の絶縁基板と半導体層等の複合ウエハ等も含むことは言うまでもない。
6.一般にスーパジャンクション構造は、ある導電型の半導体領域に反対導電型の柱状又は板状のカラム領域をチャージバランスが保たれるように、ほぼ等間隔に挿入したものである。本願において、トレンチフィル方式による「スーパジャンクション構造」に言及するときは、原則として、ある導電型の半導体領域に反対導電型の板状(通常は、平板状であるが屈曲又は屈折していてもよい)の「カラム領域」をチャージバランスが保たれるように、ほぼ等間隔に挿入したものである。実施の形態では、N型半導体層(たとえばドリフト領域)にP型カラムを平行に等間隔を置いて形成されたものについて説明する。
本願において、リサーフ(Resurf:Reduced Surface Field )構造またはジャンクションエッジターミネーション(Junction Edge Termination)構造に関して、ジャンクションエッジエクステンション(Junction Edge Extension)または表面リサーフ領域(具体的には「P−型リサーフ領域」)とは、ドリフト領域の表面領域に形成され、チャネル領域を構成するP型ボディ領域(P型ウエル領域)の端部に連結した同一導電型でそれよりも不純物濃度の低い領域を言う。通常、セル部を取り巻くようにリング状に形成される。なお、本願においては、N型を「第1導電型」と呼び、P型を「第2導電型」と呼ぶ。
〔実施の形態の詳細〕
実施の形態について更に詳述する。各図中において、同一または同様の部分は同一または類似の記号または参照番号で示し、説明は原則として繰り返さない。
また、添付図面においては、却って、煩雑になる場合または空隙との区別が明確である場合には、断面であってもハッチング等を省略する場合がある。これに関連して、説明等から明らかである場合等には、平面的に閉じた孔であっても、背景の輪郭線を省略する場合がある。更に、断面でなくとも、空隙でないことを明示するために、ハッチングを付すことがある。
なお、各図に示すP型カラムの数は、図示の都合上、たとえば、周辺サイド領域等に関して、3か5本程度を示したが、実際は10本程度を超える場合もある。ここに示す例は、耐圧が数百ボルト程度のものを例にとり説明する。以下の例では、一例として数百ボルト程度(具体的には、たとえば200ボルトまたは600ボルト)の耐圧の製品を例にとり説明する。
なお、スーパージャンクション構造を利用したパワーMOSFETについて開示した先行特許出願としては、たとえば日本特願第2009−263600号(日本出願日2009年11月19日)がある。
以下の実施の形態は、基本的に、縦型のパワー系デバイスにおいて、ドリフト領域にトレンチフィリング方式(トレンチフィリングによる埋め込みエピタキシ領域を上下に多層に形成することは原理的に困難)によるスーパージャンクション構造を導入するに当たり、エピタキシャルウエハの(埋め込みエピタキシ層ではない通常の)エピタキシ層(すなわち、通常またはベースエピタキシ層)を予め多層(上方が高濃度)とするか、または、単層として、上方に選択的に不純物ドープして高濃度層化することで、ドリフト領域における電界強度分布に複数のピークを持たせることによって、高耐圧を実現しようとするものである。この多層構造の総数は、通常、工程上の制限から、2から5程度であるが、連続的に濃度を変化させても良い。
また別の面から見ると、ここに示す構造は、カラム領域が理想的な直方体ではなく、断面が台形又は逆台形になることから来る必然的なチャージアンバランスを、ベースエピタキシ層を多層にすることにより、補償するものである。すなわち、N型ベースエピタキシ層の場合を例にとると、N型カラム領域は台形となり、P型カラム領域は逆台形となり、更に埋め込みエピタキシ工程の熱処理による拡散によるP型カラム領域下方の低濃度化が進行する。従って、そのままでは、電荷量の水平面密度は上から下に単調増加と単調減少の関係になり、中央部のみでチャージバランスが取れるため、電界強度分布は横向きの三角形様となり、耐圧は理想的な長方形分布と比較すると大きく低下する。そこで、ここに示す各例では、N型カラム領域を多層化(連続変化を含む。ただし、有限の層のほうが作りやすい)することによって、電界強度分布に複数のピークを持たせることで、長方形分布に近づけている。ただし、長方形分布といっても、上下端部近傍に高電界領域を作ることは、耐圧面で不利であるので、内部領域にピークを位置させるようにするのが良い。
1.本願の第1の実施の形態の半導体装置の一例であるプレーナ型パワーMOSFETのデバイス構造(N+/N型2段通常エピタキシ方式)の説明(主に図1から図6)
この例では、シリコン系半導体基板に作られたプレーナ型パワーMOSFETであって、ソースドレイン耐圧600ボルト程度のものに例をとり具体的に説明する(プレーナ型パワーMOSFETについては、以下のセクションでも同じ)が、その他の耐圧値を有するパワーMOSFETその他のデバイスにも適用できることは言うまでもない。
図1は本願の第1の実施の形態(各実施の形態に共通)の半導体チップ(シリコン系部材チップ)の全体上面図である。図2は図1のアクティブセル端部及びチップ周辺部領域切り出し部R1に対応する内部構造拡大平面図である。図3は図1及び図2のA−A’断面に対応するデバイス断面図である(P型カラム領域の形状は、実際には逆台形形状を呈している。通常、側面の垂直からの傾きは89度から89.5度程度である)。図4は図1のアクティブセル中央部切り出し部R2に対応する内部構造拡大平面図である。図5は図1及び図2のB−B’断面に対応するデバイス断面図である。図6は図5に示すアクティブセル領域におけるドリフト領域のスーパジャンクション構造のハーフピッチ分の電荷分布等の説明図(左側が半導体基板内の不純物領域構造、中央がy方向の各電荷分布、右側がy方向の電界強度の絶対値の分布)である。これらに基づいて、本願の第1の実施の形態の半導体装置の一例であるプレーナ型パワーMOSFETのデバイス構造(N+/N型2段通常エピタキシ方式)を説明する。
先ず、図1に基づいて、チップ(単体または複合のパワー系能動デバイス)の全体レイアウトから説明する。図1に示すように、チップ2の周辺部には、ガードリング3が設けられており、その内側には、ゲートメタル電極4が設けられている。チップ2の中央部は、ソースメタル電極5が占有しており、ソースメタル電極5の下のほとんどの部分には、アクティブセル領域6が形成されている。
次に、図1に示すチップ2のセル端部及びチップ周辺部領域切り出し部R1のソースメタル電極5下の半導体基板表面領域の平面構造拡大図を図2に示す。図2に示すように、ガードリング3の外側には、最外周P+型領域7が形成されており、N+型チャネルストッパ領域8を介して、通常、ドレイン電位に接続されている。ガードリング3より内部の領域は、アクティブセル領域6とエッジターミネーション領域15(セル周辺領域)に別れており、これらの領域のN型シリコンエピタキシャル層1n内には、交互に周期的に、P型カラム領域9およびN型カラム領域10が設けられている。エッジターミネーション領域15の表層部には、P−型リサーフ(Resurf)領域14(もちろん、これらは、必須ではない)が設けられており、表面での電界集中を緩和している。一方、アクティブセル領域6の半導体基板の表面上には、ポリシリコンゲート電極11が配置されており、このポリシリコンゲート電極11に一部オーバラップするように、チャネル領域等を構成するP型ボディ領域12が設けられている。
次に、図2のA−A’断面に対応するデバイス断面図を図3に示す。図3に示すように、このデバイスが形成される半導体基板1は、N+型単結晶シリコン基板1s(半導体基板1の裏面1b側)に、N型下層シリコンエピタキシャル層1tおよびN型上層シリコンエピタキシャル層1dからなる2層の通常エピタキシ層1nを成膜したものである。従って、N型カラム領域10を構成するN型上層カラム領域10dは、N型上層シリコンエピタキシャル層1dの一部であり、同様に、N型カラム領域10を構成するN型下層カラム領域10tは、N型下層シリコンエピタキシャル層1tの一部である。半導体基板1の表面1a側には、フィールド絶縁膜16、および、ゲート絶縁膜21が設けられており、ゲート絶縁膜21上にはポリシリコンゲート電極11が設けられている。フィールド絶縁膜16およびポリシリコンゲート電極11を覆うように層間絶縁膜17が設けられており、半導体基板1の表面1a側の表面領域には、ポリシリコンゲート電極11と自己整合的に、N+型ソース領域19が設けられている(なお、N+型チャネルストッパ領域8は、通常、この工程と同時に形成される)。また、ポリシリコンゲート電極11の周辺の層間絶縁膜17に開口されたコンタクトホールに対応して、半導体基板1の表面1a側の表面領域には、P+型ボディコンタクト領域18が設けられており、最外周P+型領域7は、通常、この工程と同時に形成される。更に、層間絶縁膜17上には、バリアメタル膜およびアルミニウム系メタル電極膜等から構成されたガードリング3およびソースメタル電極5等が形成されており、アクティブセル領域6の端部のP型ボディ領域12の外端部付近から外側は、セル周辺領域15となっている。
次に、図1に示すチップ2のセル中央部切り出し部R2下の半導体基板表面領域の平面構造拡大図を図4に示す。図4に示すように、アクティブセル領域6は横方向に並進対象性(周期性)を持ってレイアウトされており、それぞれ線状または帯状の複数のP型カラム領域9、N型カラム領域10、P型ボディ領域12、およびポリシリコンゲート電極11等が繰り返し設けられている。
次に、図4のB−B’断面を図5に示す。図5に示すように、半導体基板1は、N+型単結晶シリコン基板1s上にN型シリコンエピタキシャル層1n(デバイスとしての機能では、ドリフト領域30)を有し、このN型シリコンエピタキシャル層1nには、それを貫通する複数のP型カラム領域9が周期的に埋め込まれている。P型カラム領域9の間のN型シリコンエピタキシャル層1nは、N型カラム領域10として作用しており、各N型カラム領域10は、N型下層カラム領域10tとN型上層カラム領域10dから構成されている。この例では、N型下層カラム領域10tの不純物濃度は、P型カラム領域9とほぼチャージバランスを保つ程度の濃度(このドナー濃度を「Nd」と表記するが、カラム以外の濃度表記とは対応していない)に設定されている。一方、N型上層カラム領域10dの不純物濃度は、N型下層カラム領域10tの不純物濃度よりも若干高めのドナー濃度(このドナー濃度を「Nd+」と表記するが、カラム以外の濃度表記とは対応していない)に設定されている。なお、P型カラム領域9の不純物濃度Naは、通常、一定に設定されている。しかし、実際には熱処理時間の関係で下方が薄くなる傾向にある。
次に、図5のセル構造における半導体基板1の電気的構造を図6に示す。図6において、図に向かって左側は不純物構造(繰返し周期のハーフピッチ)、中央は電荷分布(繰返し周期のハーフピッチ)、右側は電界強度分布(P型カラム領域9とN型カラム領域10の境界近傍およびその延長線上近傍の電界強度の絶対値)である。図6に示すように、P型カラム領域9の幅Lp,yは、下の方ほど細くなるテーパ状となっており、N型カラム領域10の幅Ln,yは、逆に、上の方ほど細くなるテーパ状となっている。その結果、対称面であるP型カラム領域9の垂直中心面と近接するN型カラム領域10の垂直中心面間の最小対象単位領域(図6の左側)におけるドナーの分布Qn(y)及びアクセプタの分布Qp(y)(ここで、折れ線とY軸で囲まれた部分の面積は、ドナーの総量Qnおよびアクセプタの総量Qpである)は、図6の中央のようになる。すなわち、チャージバランスが正確に取れる点が2点あることがわかる。これに対応して、図6の右側に示すように、これらの2点に対応して、電界強度Eの分布に、極大点(頂点)が2個現れている。このため、頂点が1個の場合(すなわち、N型カラム領域10が一つの濃度領域からなる場合)に比較して、ソースドレイン耐圧VB(折れ線とY軸で囲まれた部分の面積)を向上させることができる。
2.本願の第1の実施の形態の半導体装置の製造方法におけるウエハプロセスの要部説明(主に図7から図21および図22から図34)
このセクションでは、図3のデバイス断面に例を取り、ウエハ処理プロセスの要部を説明する。
図7は図3のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(P型カラム溝開口用ハードマスク膜パターニング工程)である。図8は図3のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(P型カラム溝開口工程)である。図9は図3のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(エピタキシトレンチフィリング工程)である。図10は図3のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(平坦化工程)である。図11は図3のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(P−型リサーフ領域導入工程)である。図12は図3のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(フィールド絶縁膜エッチング工程)である。図13は図3のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(P型ボディ領域導入工程)である。図14は図3のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(ゲート酸化工程)である。図15は図3のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(ゲートポリシリコン膜成膜工程)である。図16は図3のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(ゲートポリシリコン膜パターニング工程)である。図17は図3のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(N+型ソース領域導入工程)である。図18は図3のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(層間絶縁膜成膜工程)である。図19は図3のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(コンタクトホール形成工程)である。図20は図3のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(P+型ボディコンタクト領域導入工程)である。図21は図3のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(アルミニウム系メタル電極形成工程)である。図22は図5のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(P型カラム溝開口用ハードマスク膜パターニング工程)である。図23は図5のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(P型カラム溝開口工程)である。図24は図5のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(エピタキシトレンチフィリング工程)である。図25は図5のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(平坦化工程)である。図26は図5のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(P型ボディ領域導入工程)である。図27は図5のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(ゲート酸化工程)である。図28は図5のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(ゲートポリシリコン膜成膜工程)である。図29は図5のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(ゲートポリシリコン膜パターニング工程)である。図30は図5のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(N+型ソース領域導入工程)である。図31は図5のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(層間絶縁膜成膜工程)である。図32は図5のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(コンタクトホール形成工程)である。図33は図5のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(P+型ボディコンタクト領域導入工程)である。図34は図5のデバイス断面に対応するプロセスフローを示すデバイス断面図(アルミニウム系メタル電極形成工程)である。これらに基づいて、本願の第1の実施の形態の半導体装置の製造方法におけるウエハプロセスの要部を説明する。
まず、図7および図22に示すように、たとえばアンチモンをドープ(たとえば1018から1019/cm3のオーダ程度)したN+シリコン単結晶基板1s(ここでは、たとえば、200φウエハ、なお、ウエハ径は、150φ、300φでも450φでもよい)上に、たとえば、厚さ50マイクロメートル程度のリンドープNエピタキシャル層1n(デバイスとしてはドリフト領域となるべき領域であり、濃度としては、たとえば1015/cm3のオーダ程度、すなわち、N型下層シリコンエピタキシャル層1tの厚さ30マイクロメートル程度、リン濃度を3x1015/cm3程度とすると、N型上層シリコンエピタキシャル層1dの厚さ20マイクロメートル程度、リン濃度を4x1015/cm3程度とする)を形成した半導体ウエハ1を準備する。この半導体ウエハ1のデバイス面1a(裏面1bの反対の主面)上に、たとえばP−TEOS(Plasma−Tetraethylorthosilicate)等からなるP型カラム用トレンチ形成用ハードマスク膜22を形成する。ここで、パターニングレベルでのN型カラム領域の幅Wnは、たとえば、6マイクロメートル程度であり、P型カラム領域の幅Wpは、たとえば、4マイクロメートル程度である(すなわち、スーパジャンクションのピッチは、10マイクロメートル程度である)。
次に、図8および図23に示すように、P型カラム用トレンチ形成用ハードマスク膜22(たとえば、プラズマTEOS膜または窒化シリコン膜、あるいは、それらの積層膜で、厚さは、たとえば、1.5マイクロメートル程度を例示することができる)をマスクとして、Nエピタキシャル層1n等を異方性ドライエッチング(ガス雰囲気としては、たとえば、Ar,SF6,O2等の混合雰囲気、エッチング深さとしては、たとえば、50マイクロメートル程度を例示することができる)することにより、P型カラム用トレンチ23を形成する。続いて、不要になったハードマスク膜22を除去する。
次に、図9及び図24に示すように、P型カラム用トレンチ23に対して、埋め込みエピタキシャル成長を実行し、P型埋め込みエピタキシャル層24(ボロン濃度としては、たとえば5x1015/cm3の程度)を形成する。ここで、埋め込みエピタキシャル成長の原料ガスとしては、四塩化珪素、トリクロロシラン、ジクロロシラン、またはモノシランを例示することができる。処理気圧としては、たとえば、10kPaから110kPa程度を好適な範囲として例示することができる。
次に、図10および図25に示すように、平坦化工程、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)により、P型カラム用トレンチ23外のP型埋め込みエピタキシャル層24を除去するとともに、半導体ウエハ1の表面1aを平坦化する。
次に、図11に示すように、半導体ウエハ1の表面1aのほぼ全面に熱酸化により、シリコン酸化膜16(フィールド酸化膜であり、厚さは、たとえば、350nm程度)を形成し、その上に、リソグラフィによりP−型リサーフ領域導入用レジスト膜25を形成する。続いて、P−型リサーフ領域導入用レジスト膜25をマスクとして、イオン注入(たとえばドーパントは、たとえばボロンで、ドーズ量は、たとえば、1x1011から1x1012/cm2程度、打ち込みエネルギは、たとえば、200keV程度)により、P−型表面リサーフ領域14を導入する。その後、不要になったレジスト膜25を全面除去する。
次に、図12に示すように、フィールド酸化膜16上に、リソグラフィによりフィールド絶縁膜加工用レジスト膜26を形成し、それをマスクとして、チップのエッジ部、アクティブセル領域6等を露出させる。その後、不要になったレジスト膜26を全面除去する。
次に、図13及び図26に示すように、半導体ウエハ1の表面1a上に、リソグラフィによりP型ボディ領域導入用レジスト膜27を形成し、それをマスクとして、イオン注入(ドーパントは、ボロン)により、P型ボディ領域12を導入する。このイオン注入は、たとえば、以下のような2ステップで実行する。第1ステップとして、たとえば200keV、1013/cm2オーダで注入を行い、続いて、第2ステップとして、たとえば75keV、1012/cm2オーダで注入を実行する。
なお、図26において、ゲート電極の幅と位置11xからわかるように、ここで用いた非自己整合P型ボディ領域導入プロセスによれば、ドーピングの時点で、すでに、たとえば、1マイクロメートルほど、ゲート電極となるべき部分に入り込んでいるので、後の熱処理負担を軽減することができ、その結果、スーパジャンクションの不純物分布の不所望な変化を低減することができる。しかし、副作用として、P型ボディ領域12の深さが浅くなる結果、耐圧が低下することがある。このため、前記のように、P型ボディ領域12のイオン注入を2ステップとすることにより、このような問題を回避している。
このように、第2導電型のP型ボディ領域12の導入を、ゲートポリシリコン膜の形成より前に実行すると、ゲートの幅及び位置によって導入部分が制限されないので、最適な位置に導入することができ、後の熱処理負担を低減できるほか、後続の熱処理(ゲートポリシリコン膜の形成等を含む)を共用することが可能となる。なお、この非自己整合P型ボディ領域導入プロセスは、スーパジャンクションを形成するベースとなる通常エピタキシ層が、多層のほか、単層の場合にも同様に適用できる。
次に、図14及び図27に示すように、半導体ウエハ1の表面1aに熱酸化(たとえば、摂氏950度でのウエット酸化)により、ゲート酸化膜21(膜厚は、たとえば、50から200nm程度)を形成する。
図15及び図28に示すように、ゲート酸化膜21上に、ゲートポリシリコン膜11(膜厚は、たとえば、200から800nm程度)をたとえば低圧CVD(Chemical Vapor Deposition)により形成する。なお、ゲート酸化前のウエハ洗浄としては、たとえば第1洗浄液、すなわち、アンモニア:過酸化水素:純水=1:1:5(体積比)、及び第2洗浄液、すなわち、塩酸:過酸化水素:純水=1:1:6(体積比)を用いてウエット洗浄を適用することができる。
次に、図16及び図29に示すように、ドライエッチングによりゲート電極11をパターニングする。
続いて、図17及び図30に示すように、リソグラフィによりN+ソース領域導入用レジスト膜28を形成し、それをマスクとして、イオン注入(たとえば砒素)により、N+ソース領域19、チップエッジ部のN+型チャネルストッパ領域8等を導入する(ドーパントは、たとえば砒素であり、ドーズ量としては、たとえば1015/cm2のオーダ程度であり、打ち込みエネルギとしては、たとえば、40keV程度を例示することができる)。その後、不要になったレジスト膜28を全面除去する。
次に、図18及び図31に示すように、半導体ウエハ1の表面1aのほぼ全面にPSG(Phospho−Silicate−Glass)膜17(層間絶縁膜)をCVD等により成膜する(上方にSOG膜を重ねて平坦化してもよい)。層間絶縁膜17としては、PSG膜のほか、BPSG,TEOS膜、SiN膜、その他、または、これらの複合膜を適用することができる。また、層間絶縁膜17の全膜厚としては、たとえば、900nm程度を例示することができる。
次に、図19及び図32に示すように、半導体ウエハ1の表面1a上に、ソース・コンタクト・ホール開口用レジスト膜29を形成し、それをマスクとして、ドライ・エッチングにより、ソース・コンタクト・ホール20、チップエッジ開口等を開口する。続いて、不要になったレジスト膜29を全面除去する。
次に、図20及び図33に示すように、パターニングされた層間絶縁膜17をマスクとして、異方性ドライエッチングにより、基板表面をエッチング(たとえば、深さ0.3マイクロメートル程度)することにより、リセス領域を形成する。続いて、このリセス領域にイオン注入することにより、P+型ボディコンタクト領域18および最外周P+型領域7を形成する。このイオン注入条件としては、ドーパント:BF2,打ち込みエネルギ:30keV程度、ドーズ量:1015/cm2のオーダ程度を例示することができる。
次に、図21及び図34に示すように、TiW等のバリア・メタル膜を介して、アルミニウム系金属層をスパッタリング等により成膜して、パターニングすることにより、メタル・ソース電極5、ガード・リング電極3等を形成する。
この後、必要であれば、たとえば、無機系ファイナルパッシベーション膜や有機系無機系ファイナルパッシベーション膜等のファイナルパッシベーション膜を上層に形成して、パッド開口およびゲート開口を開口する。ファイナルパッシベーション膜としては、無機系ファイナルパッシベーション膜または有機系無機系ファイナルパッシベーション膜等の単層膜のほか、下層の無機系ファイナルパッシベーション膜上に有機系無機系ファイナルパッシベーション膜等を積層しても良い。
3.本願の第2の実施の形態の半導体装置の一例であるプレーナ型パワーMOSFETのデバイス構造(N/N−型2段通常エピタキシ方式)の説明(主に図35および図36)
以下の例は、セクション1及び2(N型下層シリコンエピタキシャル層1tに比べてN型上層シリコンエピタキシャル層1dの方がエピタキシャル層の厚さが薄い)で説明したアクティブセル構造(図5)および全域のN型シリコンエピタキシャル層構造(図3のN型下層シリコンエピタキシャル層1tおよびN型上層シリコンエピタキシャル層1d)の変形例(N型下層シリコンエピタキシャル層1tに比べてN型上層シリコンエピタキシャル層1dの方がエピタキシャル層の厚さが厚い)であり、変更部分は、アクティブセル領域ではドリフト領域30にあり、アクティブセル領域以外では、N型シリコンエピタキシャル層1nにのみ現れるので、以下の例(以下の他のセクションにおいても同じ)では、アクティブセル領域6(図35)のみについて説明する。
図35は図1及び図2のB−B’断面に対応するデバイス断面図(第2の実施の形態)である。図36は図35に示すアクティブセル領域におけるドリフト領域のスーパジャンクション構造のハーフピッチ分の電荷分布等の説明図(左側が半導体基板内の不純物領域構造、中央がy方向の各電荷分布、右側がy方向の電界強度の絶対値の分布)である。これらに基づいて、本願の第2の実施の形態の半導体装置の一例であるプレーナ型パワーMOSFETのデバイス構造(N/N−型2段通常エピタキシ方式)を説明する。
基本的構造および目的は、図5及び図6に示したものと同じであるが、この例では図35及び図36に示すように、N型上層カラム領域10d(N型上層シリコンエピタキシャル層1d)の不純物濃度は、P型カラム領域9とほぼチャージバランスを保つ程度の濃度(このドナー濃度を「Nd」と表記するが、カラム以外の濃度表記とは対応していない)に設定されている。一方、N型下層カラム領域10t(N型下層シリコンエピタキシャル層1t)の不純物濃度は、N型上層カラム領域10dの不純物濃度よりも若干低めのドナー濃度(このドナー濃度を「Nd−」と表記するが、カラム以外の濃度表記とは対応していない)に設定されている。この例で、N型上層シリコンエピタキシャル層1dの厚さとしては、たとえば、30マイクロメートル程度、N型下層シリコンエピタキシャル層1tの厚さとしては、たとえば、20マイクロメートル程度を例示することができる。
4.本願の第3の実施の形態の半導体装置の一例であるプレーナ型パワーMOSFETデバイス構造(N+/N/N−型3段通常エピタキシ方式)の説明(主に図37および図38)
図37は図1及び図2のB−B’断面に対応するデバイス断面図(第3の実施の形態)である。図38は図37に示すアクティブセル領域におけるドリフト領域のスーパジャンクション構造のハーフピッチ分の電荷分布等の説明図(左側が半導体基板内の不純物領域構造、中央がy方向の各電荷分布、右側がy方向の電界強度の絶対値の分布)である。これらに基づいて、本願の第3の実施の形態の半導体装置の一例であるプレーナ型パワーMOSFETデバイス構造(N+/N/N−型3段通常エピタキシ方式)を説明する。
基本的構造および目的は、図5及び図6に示したものと同じであるが、この例では図37及び図38に示すように、N型シリコンエピタキシャル層1n(N型カラム領域10)が3層構造とされている。すなわち、N型中層シリコンエピタキシャル層1m(N型中層カラム領域10m)、その上層のN型上層シリコンエピタキシャル層1d(N型上層カラム領域10d)および、下層のN型下層シリコンエピタキシャル層1t(N型下層カラム領域10t)から構成されている。ここで、各エピタキシャル層の厚さとして、たとえば、上から順に16マイクロメートル程度、17マイクロメートル程度、17マイクロメートル程度を例示することができる。
ここで、N型中層カラム領域10mの不純物濃度は、P型カラム領域9とほぼチャージバランスを保つ程度の濃度(このドナー濃度を「Nd」と表記するが、カラム以外の濃度表記とは対応していない)に設定されており、N型下層カラム領域10tの不純物濃度は、N型中層カラム領域10mの不純物濃度よりも若干低めのドナー濃度(このドナー濃度を「Nd−」と表記するが、カラム以外の濃度表記とは対応していない)に設定されている。一方、N型上層カラム領域10dの不純物濃度は、N型中層カラム領域10mの不純物濃度よりも若干高めのドナー濃度(このドナー濃度を「Nd+」と表記するが、カラム以外の濃度表記とは対応していない)に設定されている。
この例の場合では、図38の右側に示すように、電界強度の頂点又は極大点が、3個存在するので、2個の場合に比較して、更に、高い耐圧を確保することができる。
5.本願の第4の実施の形態の半導体装置の一例であるプレーナ型パワーMOSFETデバイス構造(上方イオン注入N+/N型通常シングルエピタキシ方式)の説明(主に図39および図40)
図39は図1及び図2のB−B’断面に対応するデバイス断面図(第4の実施の形態)である。図40は図39に示すアクティブセル領域におけるドリフト領域のスーパジャンクション構造のハーフピッチ分の電荷分布等の説明図(左側が半導体基板内の不純物領域構造、中央がy方向の各電荷分布、右側がy方向の電界強度の絶対値の分布)である。これらに基づいて、本願の第4の実施の形態の半導体装置の一例であるプレーナ型パワーMOSFETデバイス構造(上方イオン注入N+/N型通常シングルエピタキシ方式)を説明する。
この例は、構造的にはセクション1(図5)のものと同じであるが、相違点は、N型上層カラム領域10dが、多層エピタキシ層の上層ではなく、単層のN型シリコンエピタキシャル層1nの上半部にイオン注入により、高濃度部を形成したものである点である。従って、スーパジャンクションのない領域では、N型シリコンエピタキシャル層1nは、単層のままである。また、ここでは、セクション1と同様に、N型下層カラム領域10tの不純物濃度は、P型カラム領域9とほぼチャージバランスを保つ程度の濃度(このドナー濃度を「Nd」と表記するが、カラム以外の濃度表記とは対応していない)に設定されている。一方、N型上層カラム領域10dの不純物濃度は、N型下層カラム領域10tの不純物濃度よりも若干高めのドナー濃度(このドナー濃度を「Nd+」と表記するが、カラム以外の濃度表記とは対応していない)に設定されている。この例の場合は、図40に示すように、耐圧に関しては、図6とほぼ同様になる。ここで、N型上層カラム領域10dの厚さ(深さ)としては、たとえば16マイクロメートル程度を例示することができる。
しかし、セクション23のように、N型上層カラム領域10d(N型上層シリコンエピタキシャル層1d)の不純物濃度を、P型カラム領域9とほぼチャージバランスを保つ程度の濃度(このドナー濃度を「Nd」と表記するが、カラム以外の濃度表記とは対応していない)に設定し、N型下層カラム領域10t(N型下層シリコンエピタキシャル層1t)の不純物濃度を、N型上層カラム領域10dの不純物濃度よりも若干低めのドナー濃度(このドナー濃度を「Nd−」と表記するが、カラム以外の濃度表記とは対応していない)に設定してもよい。この場合は、耐圧に関しては、図36とほぼ同様になる。
6.本願の第4の実施の形態の半導体装置の製造方法におけるウエハプロセスの要部説明(主に図41から図44)
ここでは、セクション5で説明したアクティブセル領域に対応するプロセスの要部を説明する。基本的な部分は、セクション2に説明したところと同様であり、異なる部分のみを説明する。
図41は図39のデバイス断面に対応するプロセスフロー(第4の実施の形態)を示すデバイス断面図(P型カラム溝開口用ハードマスク膜パターニング工程)である。図42は図39のデバイス断面に対応するプロセスフロー(第4の実施の形態)を示すデバイス断面図(N型カラム領域への斜めイオン注入工程)である。図43は図39のデバイス断面に対応するプロセスフロー(第4の実施の形態)を示すデバイス断面図(エピタキシトレンチフィリング工程)である。図44は図39のデバイス断面に対応するプロセスフロー(第4の実施の形態)を示すデバイス断面図(平坦化工程)である。これらに基づいて、本願の第4の実施の形態の半導体装置の製造方法におけるウエハプロセスの要部を説明する。
図41に示すように、P型カラム用トレンチ形成用ハードマスク膜22をマスクとして、Nエピタキシャル層1n(たとえば、厚さ50マイクロメートル程度)等をドライエッチングすることにより、P型カラム用トレンチ23を形成する。続いて、不要になったハードマスク膜22を除去する。
次に、図42に示すように、複数の斜め方向からイオン注入(たとえば、ドーパント:リン、打ち込みエネルギ:30keV程度、ドーズ量:1015/cm2のオーダ程度)を実行することにより、N型不純物イオン注入領域31を形成する。
次に、図43に示すように、P型カラム用トレンチ23に対して、埋め込みエピタキシャル成長を実行し、P型埋め込みエピタキシャル層24(ボロン濃度としては、たとえば5x1015/cm3の程度)を形成する。
次に、図44に示すように、平坦化工程、例えばCMPにより、P型カラム用トレンチ23外のP型埋め込みエピタキシャル層24を除去するとともに、半導体ウエハ1の表面1aを平坦化する。
この後は、セクション2の図26以降(その他の領域を含めると図11以降)とほぼ同じである。
7.本願の第1の実施の形態の半導体装置の変形例であるトレンチ型パワーMOSFETのデバイス構造(N+/N型2段通常エピタキシ方式)の説明(主に図45)
本セクションにおいては、図5のアクティブセル構造のトレンチゲート版を説明する。スーパジャンクションを有するトレンチ型バーティカル(Vertical)パワーMOSFETは、主にソースドレイン耐圧が100ボルトから300ボルト程度のものに有効と考えられている。従って、以下の説明では、ソースドレイン耐圧が200ボルト程度のものを例にとり説明する(以下のその他のセクションでも同じ)。
図45は図5のデバイス断面に対応するプロセスフロー(第4の実施の形態)を示すデバイス断面図(平坦化工程)である。これに基づいて、本願の第1の実施の形態の半導体装置の変形例であるトレンチ型パワーMOSFETのデバイス構造(N+/N型2段通常エピタキシ方式)を説明する。
図45に示すように、この例では、ゲートトレンチ34(ゲート用線状溝)内にゲート絶縁膜21を介して、線状のポリシリコンゲート電極11が埋め込まれている。このトレンチゲート構造においては、プレーナ型(セクション6以前の例)に比較して、低オン抵抗を実現しやすいメリットがある。一方、プレーナ型のような500から600ボルト台のソースドレイン耐圧を実現することについては、不利な点を有する。
8.本願の第1の実施の形態(変形例)の半導体装置の製造方法におけるウエハプロセスの要部説明(主に図46から図61)
トレンチゲート構造といっても、アクティブセルの構造の相違に起因する製法の違いがあるのみで、デバイス全体としては、セクション2で説明したものと基本的に同様である。従って、以下では、異なる部分を中心に説明する。
図46は図45のデバイス断面に対応するプロセスフロー(第1の実施の形態の変形例であるトレンチ型パワーMOSFET)を示すデバイス断面図(P型カラム溝開口用ハードマスク膜パターニング工程)である。図47は図45のデバイス断面に対応するプロセスフロー(第1の実施の形態の変形例であるトレンチ型パワーMOSFET)を示すデバイス断面図(P型カラム溝開口工程)である。図48は図45のデバイス断面に対応するプロセスフロー(第1の実施の形態の変形例であるトレンチ型パワーMOSFET)を示すデバイス断面図(エピタキシトレンチフィリング工程)である。図49は図45のデバイス断面に対応するプロセスフロー(第1の実施の形態の変形例であるトレンチ型パワーMOSFET)を示すデバイス断面図(平坦化工程)である。図50は図45のデバイス断面に対応するプロセスフロー(第1の実施の形態の変形例であるトレンチ型パワーMOSFET)を示すデバイス断面図(絶縁膜ハードマスク除去工程)である。図51は図45のデバイス断面に対応するプロセスフロー(第1の実施の形態の変形例であるトレンチ型パワーMOSFET)を示すデバイス断面図(トレンチエッチ用絶縁膜成膜工程)である。図52は図45のデバイス断面に対応するプロセスフロー(第1の実施の形態の変形例であるトレンチ型パワーMOSFET)を示すデバイス断面図(トレンチエッチ用絶縁膜成膜異方性エッチバック工程)である。図53は図45のデバイス断面に対応するプロセスフロー(第1の実施の形態の変形例であるトレンチ型パワーMOSFET)を示すデバイス断面図(ゲートトレンチエッチ工程)である。図54は図45のデバイス断面に対応するプロセスフロー(第1の実施の形態の変形例であるトレンチ型パワーMOSFET)を示すデバイス断面図(ゲート酸化工程)である。図55は図45のデバイス断面に対応するプロセスフロー(第1の実施の形態の変形例であるトレンチ型パワーMOSFET)を示すデバイス断面図(ゲートポリシリコン膜成膜工程)である。図56は図45のデバイス断面に対応するプロセスフロー(第1の実施の形態の変形例であるトレンチ型パワーMOSFET)を示すデバイス断面図(ゲートポリシリコン膜パターニング工程)である。図57は図45のデバイス断面に対応するプロセスフロー(第1の実施の形態の変形例であるトレンチ型パワーMOSFET)を示すデバイス断面図(N+型ソース領域導入工程)である。図58は図45のデバイス断面に対応するプロセスフロー(第1の実施の形態の変形例であるトレンチ型パワーMOSFET)を示すデバイス断面図(層間絶縁膜成膜工程)である。図59は図45のデバイス断面に対応するプロセスフロー(第1の実施の形態の変形例であるトレンチ型パワーMOSFET)を示すデバイス断面図(コンタクトホール形成工程)である。図60は図45のデバイス断面に対応するプロセスフロー(第1の実施の形態の変形例であるトレンチ型パワーMOSFET)を示すデバイス断面図(P+型ボディコンタクト領域導入工程)である。図61は図45のデバイス断面に対応するプロセスフロー(第1の実施の形態の変形例であるトレンチ型パワーMOSFET)を示すデバイス断面図(アルミニウム系メタル電極形成工程)である。これらに基づいて、本願の第1の実施の形態(変形例)の半導体装置の製造方法におけるウエハプロセスの要部を説明する。
図7および図22と同様に図46に示すように、たとえばアンチモンをドープ(たとえば1018から1019/cm3のオーダ程度)したN+シリコン単結晶基板1s(ここでは、たとえば、200φウエハ、なお、ウエハ径は、150φ、300φでも450φでもよい)上に、たとえば、厚さ15マイクロメートル程度のリンドープNエピタキシャル層1n(デバイスとしてはドリフト領域となるべき領域であり、濃度としては、たとえば1015/cm3のオーダ程度、すなわち、N型下層シリコンエピタキシャル層1tの厚さ9マイクロメートル程度、リン濃度を3x1015/cm3程度とすると、N型上層シリコンエピタキシャル層1dの厚さ6マイクロメートル程度、リン濃度を4x1015/cm3程度とする)を形成した半導体ウエハ1を準備する。この半導体ウエハ1のデバイス面1a(裏面1bの反対の主面)上に、たとえばP−TEOS(Plasma−Tetraethylorthosilicate)等からなるP型カラム用トレンチ形成用ハードマスク膜22を形成する。ここで、パターニングレベルでのN型カラム領域の幅Wnは、たとえば、2マイクロメートル程度であり、P型カラム領域の幅Wpは、たとえば、1マイクロメートル程度である(すなわち、スーパジャンクションのピッチは、3マイクロメートル程度である)。
次に、図46に示すように、トレンチゲートプロセスでは、プレーナ型デバイスと比較して、各部の寸法が小さいので、熱的な負担の大きいP型ボディ領域12の導入工程を初期に実施する。このP型ボディ領域12の導入のためのイオン注入は、たとえば、以下のような2ステップで実行する。第1ステップとして、たとえば200keV、1013/cm2オーダで注入を行い、続いて、第2ステップとして、たとえば75keV、1012/cm2オーダで注入を実行する。
次に、図47に示すように、P型カラム用トレンチ形成用ハードマスク膜22(たとえば、厚さ1マイクロメートル程度のCVD酸化シリコン膜)をマスクとして、Nエピタキシャル層1n等を異方性ドライエッチング(ガス雰囲気としては、たとえば、Ar,SF6,O2等の混合雰囲気、エッチング深さとしては、たとえば、18マイクロメートル程度を例示することができる)することにより、P型カラム用トレンチ23を形成する。
次に、図48に示すように、P型カラム用トレンチ23に対して、埋め込みエピタキシャル成長を実行し、P型埋め込みエピタキシャル層24(ボロン濃度としては、たとえば5x1015/cm3の程度)を形成する。ここで、埋め込みエピタキシャル成長の原料ガスとしては、四塩化珪素、トリクロロシラン、ジクロロシラン、またはモノシランを例示することができる。処理気圧としては、たとえば、10kPaから110kPa程度を好適な範囲として例示することができる。
次に、図49に示すように、平坦化工程、例えばP型カラム溝加工用ハードマスク膜22をストッパとしたCMP(Chemical Mechanical Polishing)により、P型カラム用トレンチ23外のP型埋め込みエピタキシャル層24を除去するとともに、半導体ウエハ1の表面1aを平坦化する。
次に、図50に示すように、不要になったP型カラム溝加工用ハードマスク膜22をウエットエッチングにより、除去する。
次に、図51に示すように、ウエハ1の表側主面1aのほぼ全面に、トレンチ加工用ハードマスク膜33(たとえばCVD酸化シリコン膜)を形成する。
次に、図52に示すように、異方性ドライエッチングにより、トレンチ加工用ハードマスク膜33を加工する。
次に、図52に示すように、異方性ドライエッチング(エッチング混合ガス雰囲気としては、アルゴン、酸素、SF6など)により、ウエハ1の表側主面1aのシリコン基板領域をエッチバックするとともに、ゲートトレンチ34(ゲート用線状溝)を形成する。
次に、図54に示すように、半導体ウエハ1の表面1aに熱酸化(たとえば、摂氏950度でのウエット酸化)により、ゲート酸化膜21(厚さは、たとえば、20から100nm程度)を形成する。
図55に示すように、ゲート酸化膜21上に、ゲートポリシリコン膜11(厚さは、たとえば、800nm程度)をたとえば低圧CVDにより形成する。なお、ゲート酸化前のウエハ洗浄としては、たとえば第1洗浄液、すなわち、アンモニア:過酸化水素:純水=1:1:5(体積比)、及び第2洗浄液、すなわち、塩酸:過酸化水素:純水=1:1:6(体積比)を用いてウエット洗浄を適用することができる。
次に、図56に示すように、異方性ドライエッチングによりゲート電極11をパターニングする。
次に、図57に示すように、セクション2と同様に、リソグラフィによりN+ソース領域導入用レジスト膜を形成し、それをマスクとして、イオン注入(たとえば砒素)により、N+ソース領域19、チップエッジ部のN+型チャネルストッパ領域8(図30等参照)等を導入する(ドーパントは、たとえば砒素であり、ドーズ量としては、たとえば1015/cm2のオーダ程度であり、打ち込みエネルギとしては、たとえば、40keV程度を例示することができる)。その後、不要になったレジスト膜を全面除去する。
次に、図58に示すように、半導体ウエハ1の表面1aのほぼ全面にPSG(Phospho−Silicate−Glass)膜17(層間絶縁膜)をCVD等により成膜する(上方にSOG膜を重ねて平坦化してもよい)。層間絶縁膜17としては、PSG膜のほか、BPSG,TEOS膜、SiN膜、その他、または、これらの複合膜を適用することができる。また、層間絶縁膜17の全膜厚としては、たとえば、900nm程度を例示することができる。
次に、図59に示すように、半導体ウエハ1の表面1a上に、ソース・コンタクト・ホール開口用レジスト膜29を形成し、それをマスクとして、ドライ・エッチングにより、ソース・コンタクト・ホール20、チップエッジ開口(図32等参照)等を開口する。続いて、不要になったレジスト膜29を全面除去する。
次に、図60に示すように、パターニングされた層間絶縁膜17をマスクとして、異方性ドライエッチングにより、基板表面をエッチング(たとえば、深さ0.3マイクロメートル程度)することにより、リセス領域を形成する。続いて、このリセス領域にイオン注入することにより、P+型ボディコンタクト領域18および最外周P+型領域7(図33等参照)を形成する。このイオン注入条件としては、ドーパント:BF2,打ち込みエネルギ:30keV程度、ドーズ量:1015/cm2のオーダ程度を例示することができる。
次に、図61に示すように、TiW等のバリア・メタル膜を介して、アルミニウム系金属層をスパッタリング等により成膜して、パターニングすることにより、メタル・ソース電極5、ガード・リング電極3(図34等参照)等を形成する。
この後、必要であれば、たとえば、無機系ファイナルパッシベーション膜や有機系無機系ファイナルパッシベーション膜等のファイナルパッシベーション膜を上層に形成して、パッド開口およびゲート開口を開口する。ファイナルパッシベーション膜としては、無機系ファイナルパッシベーション膜または有機系無機系ファイナルパッシベーション膜等の単層膜のほか、下層の無機系ファイナルパッシベーション膜上に有機系無機系ファイナルパッシベーション膜等を積層しても良い。
9.本願の第2の実施の形態の半導体装置の変形例であるトレンチ型パワーMOSFETのデバイス構造(N/N−型2段通常エピタキシ方式)の説明(主に図62)
本セクションにおいては、図35のアクティブセル構造のトレンチゲート版を説明する。
図62は図1及び図2のB−B’断面に対応するデバイス断面図(第2の実施の形態の変形例であるトレンチ型パワーMOSFET)である。これに基づいて、本願の第2の実施の形態の半導体装置の変形例であるトレンチ型パワーMOSFETのデバイス構造(N/N−型2段通常エピタキシ方式)を説明する。
図62に示すように、この例では、ゲートトレンチ34(ゲート用線状溝)内にゲート絶縁膜21を介して、線状のポリシリコンゲート電極11が埋め込まれている。このトレンチゲート構造においては、プレーナ型(セクション6以前の例)に比較して、低オン抵抗を実現しやすいメリットがある。一方、プレーナ型のような500から600ボルト台のソースドレイン耐圧を実現することについては、不利な点を有する。
10.本願の第3の実施の形態の半導体装置の変形例であるトレンチ型パワーMOSFETデバイス構造(N+/N/N−型3段通常エピタキシ方式)の説明(主に図63)
本セクションにおいては、図37のアクティブセル構造のトレンチゲート版を説明する。
図63は図1及び図2のB−B’断面に対応するデバイス断面図(第3の実施の形態の変形例であるトレンチ型パワーMOSFET)である。これに基づいて、本願の第3の実施の形態の半導体装置の変形例であるトレンチ型パワーMOSFETデバイス構造(N+/N/N−型3段通常エピタキシ方式)を説明する。
図63に示すように、この例では、ゲートトレンチ34(ゲート用線状溝)内にゲート絶縁膜21を介して、線状のポリシリコンゲート電極11が埋め込まれている。このトレンチゲート構造においては、プレーナ型(セクション6以前の例)に比較して、低オン抵抗を実現しやすいメリットがある。一方、プレーナ型のような500から600ボルト台のソースドレイン耐圧を実現することについては、不利な点を有する。
11.本願の第4の実施の形態の半導体装置の一例であるプレーナ型パワーMOSFETデバイス構造(上方イオン注入N+/N型通常シングルエピタキシ方式)の説明(主に図64)
本セクションにおいては、図39のアクティブセル構造のトレンチゲート版を説明する。
図64は図1及び図2のB−B’断面に対応するデバイス断面図(第4の実施の形態の変形例であるトレンチ型パワーMOSFET)である。これに基づいて、本願の第4の実施の形態の半導体装置の一例であるプレーナ型パワーMOSFETデバイス構造(上方イオン注入N+/N型通常シングルエピタキシ方式)を説明する。
図64に示すように、この例では、ゲートトレンチ34(ゲート用線状溝)内にゲート絶縁膜21を介して、線状のポリシリコンゲート電極11が埋め込まれている。このトレンチゲート構造においては、プレーナ型(セクション6以前の例)に比較して、低オン抵抗を実現しやすいメリットがある。一方、プレーナ型のような500から600ボルト台のソースドレイン耐圧を実現することについては、不利な点を有する。
12.サマリ
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前記実施の形態では、MOSFETのレイアウトとして、pnカラムに平行にストライプ状に配置した例を示したが、pnカラムに直交する方向に配置したり、格子状に配置したり種種応用可能である。
なお、前記実施の形態では、N+シリコン単結晶基板上のNエピタキシャル層上面に主にNチャネルデバイスを形成するものを具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、P+シリコン単結晶基板上のNエピタキシャル層上面にPチャネルデバイスを形成するものでもよい。
また、前記実施の形態では、パワーMOSFETを例にとり具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、スーパジャンクション構造を有するIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)パワーデバイス、すなわち、ダイオード、バイポーラトランジスタ等にも適用できることは言うまでもない。なお、これらのパワーMOSFET、ダイオード、バイポーラトランジスタ等を内蔵する半導体集積回路装置等にも適用できることは言うまでもない。
更に、前記実施の形態では、スーパジャンクション構造の形成法として、主にトレンチフィル方式を具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、たとえば、マルチエピタキシャル方式等も適用できることは言うまでもない。