JP5897906B2 - 高分子アントラキノン系色素、これを用いた眼用レンズ材料及び眼用レンズ - Google Patents
高分子アントラキノン系色素、これを用いた眼用レンズ材料及び眼用レンズ Download PDFInfo
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Description
下記一般式(1)で示される眼用レンズ着色用のアントラキノン系色素である。
X1及びX2は、それぞれ独立して、
R1及びR2は、それぞれ独立して、−NH2、−OH、−SO3H、−NO2、−F、−Cl、−Br、−I、C1〜C4の低級アルキル基、C1〜C4の低級アルキルアミノ基、C1〜C4の低級アルコキシ基、C1〜C4の低級アルキルアミド基、
R3は、それぞれ独立して、
R4、R5及びR6は、それぞれ独立して−H又は−CH3である。
R7及びR8は、それぞれ独立して、−H、−NH2、−OH、−SO3H、−NO2、−F、−Cl、−Br、−I、C1〜C4の低級アルキル基、C1〜C4の低級アルキルアミノ基、C1〜C4の低級アルコキシ基又はC1〜C4の低級アルキルアミド基である。
aは1である。bは0〜1の整数である。cは0〜3の整数である。dは0〜4の整数である。但し、a、b、c及びdの関係は、a+c≦4、b+d≦4となる。eは0〜4の整数である。fは0である。g及びiはそれぞれ独立して、0〜5の整数である。h及びjはそれぞれ独立して、0〜4の整数である。)
(A)上記アントラキノン系色素又は高分子アントラキノン系色素と不飽和二重結合を有する眼用レンズ用モノマー(II)とを含む眼用レンズ材料用の組成物を調製する工程、
(B)上記組成物を成型用型内に導入する工程、
(C)上記成型用型内の組成物に紫外線を照射及び/又は加熱により上記組成物を硬化させて硬化物を得る工程、
(D)上記硬化物を脱型する工程、
(E)上記硬化物を水和させる工程、及び
(F)上記水和した硬化物から未反応物を取り除く工程
を有する眼用レンズ材料の製造方法である。
本発明のアントラキノン系色素は、上記一般式(1)で示されるものである。
本発明の高分子アントラキノン系色素は、上記アントラキノン系色素と、眼用レンズ用モノマー(I)とが共有結合して得られるものである。
また、分子内に不飽和重合性基を有していない高分子アントラキノン系色素の具体例としては、以下の式(14)で表される化合物(色相 紫:以下、「高分子アントラキノン系色素2」という。)を挙げることができる。
本発明の眼用レンズ用材料は、本発明のアントラキノン系色素又は高分子アントラキノン系色素と、不飽和二重結合を有する眼用レンズ用モノマー(II)とを含む組成物を硬化重合することによって形成され、上記眼用レンズ用モノマー(II)を単量体として含む重合体を含有する。当該眼用レンズ材料は、上記アントラキノン系色素又は高分子アントラキノン系色素を含むため、不飽和二重結合を有する眼用レンズ用モノマー(II)への溶解性及び結合性が高く、均一に着色されるとともに高い耐溶出性を有している。
[式(15)中、A1は、以下の一般式(16)で表される基である。
Y11−Z11−R13− (16)
(式(16)中、Y11は(メタ)アクリロイル基、ビニル基又はアリル基である。Z11は酸素原子又は直接結合である。R13は直接結合又は炭素数1〜12の直鎖状、分岐鎖若しくは芳香環を有するアルキレン基である。)
A2は、以下の一般式(17)で表される基である。
−R14−Z12−Y12 (17)
(式(17)中、Y12は(メタ)アクリロイル基、ビニル基又はアリル基である。Z12は酸素原子又は直接結合である。R14は直接結合又は炭素数1〜12の直鎖状、分岐鎖若しくは芳香環を有するアルキレン基である。)
ただし、一般式(16)中のY11及び一般式(17)中のY12は同一であってもよく、異なっていてもよい。
U1は、以下の一般式(18)で表される基である。
−X11−E11−X15−R15− (18)
(式(18)中、X11及びX15は、それぞれ独立して直接結合、酸素原子又はアルキレングリコール基である。E11は−NHCO−基(ただし、この場合、X11は直接結合であり、X15は酸素原子又はアルキレングリコール基であり、E11はX15とウレタン結合を形成している。)、−CONH−基(ただし、この場合、X11は酸素原子又はアルキレングリコール基であり、X15は直接結合であり、E11はX11とウレタン結合を形成している。)又は飽和若しくは不飽和脂肪族系、脂環式系及び芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(ただし、この場合、X11及びX15はそれぞれ独立して酸素原子及びアルキレングリコール基から選ばれ、E11はX11及びX15の間で2つのウレタン結合を形成している。)である。R15は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖を有するアルキレン基を示す。)
S1及びS2は、それぞれ独立して以下の一般式(19)で表される基である。
U2は、以下の一般式(20)で表される基である。
−R22−X17−E14−X18−R23− (20)
(式(20)中、R22及びR23は、それぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖を有するアルキレン基である。X17及びX18は、それぞれ独立して酸素原子又はアルキレングリコール基である。E14は、飽和若しくは不飽和脂肪族系、脂環式系及び芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(ただし、この場合、E14はX17及びX18の間で2つのウレタン結合を形成している。)である。
U3は、以下の一般式(21)で表される基である。
−R24−X16−E12−X12− (21)
(式(21)中、R24は、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖を有するアルキレン基である。X12及びX16は、それぞれ独立して直接結合、酸素原子又はアルキレングリコール基である。E12は、−NHCO−基(ただし、この場合、X12は酸素原子又はアルキレングリコール基であり、X16は直接結合であり、E12はX12とウレタン結合を形成している。)、−CONH−基(ただし、この場合、X12は直接結合であり、X16は酸素原子又はアルキレングリコール基であり、E12はX16とウレタン結合を形成している。)又は飽和若しくは不飽和脂肪族系、脂環式系及び芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(ただし、この場合、X12及びX16はそれぞれ独立して酸素原子及びアルキレングリコール基から選ばれ、E12はX12及びX16の間で2つのウレタン結合を形成している。)である。
nは、0〜10の整数を示す。]
−O−(CxH2x−O)y− (22)
(式中、xは1〜4の整数、yは1〜5の整数を示す。)
当該眼用レンズ材料は、当業者が通常行う眼用レンズ材料の重合成形方法を用いて製造することができる。例えば、1)眼用レンズ材料用の組成物を混合した適当な型又は容器内で重合を行ない、棒状、ブロック状、板状の素材(重合体)を得た後、切削加工、研磨加工などの機械的加工により、所望の形状に加工する方法や、2)所望の形状に対応した型を用意し、この型の中で眼用レンズ材料用の組成物の重合を行なって硬化物を得て、必要に応じて機械的に仕上げ加工を施す方法等が採用される。
(A)上記アントラキノン系色素又は高分子アントラキノン系色素と不飽和二重結合を有する眼用レンズ用モノマー(II)とを含む眼用レンズ材料用の組成物を調製する工程、
(B)上記組成物を成型用型内に導入する工程、
(C)上記成型用型内の組成物に紫外線を照射及び/又は加熱により上記組成物を硬化させて硬化物を得る工程、
(D)上記硬化物を脱型する工程、
(E)上記硬化物を水和させる工程、及び
(F)上記水和した硬化物から未反応物を取り除く工程
を有する方法で製造することができる。
こうして得られる本発明の眼用レンズ材料は、含有される色素他の眼用レンズ成分と強く結合しているため、当該色素が溶出せず、高い耐候性を有する。従って、当該眼用レンズ材料は、例えば、コンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜、角膜オンレイ、角膜インレイ等の眼用レンズに好適に使用することができる。
アントラキノン系色素1の合成
1,4−ジクロロアントラキノン(1.00g)、4−アミノスチレン(1.03g)とパラジウム触媒(0.25g)をジメトキシエタン(DME)に溶解させた。次に、窒素ガスによるバブリングを30分間実施した。次いで60%水素化ナトリウム(1.44g)を入れ、90℃で3時間反応させた。反応終了後、溶媒のジメトキシエタンを減圧留去した。ジクロロメタン(DCM)、蒸留水及び飽和食塩液を加え攪拌・分液した。続いてDCM層を取り出し、ガラスフィルターにより濾別した。続いてDCMを減圧留去した。次に、ノルマルヘキサン及びアセトニトリルを加え溶解・攪拌・分液した。次にアセトニトリル層を取り出し、ガラスフィルターにより濾別した。次にアセトニトリルを減圧留去した。その後、カラムクロマトグラフィーにて精製した。試料を乾燥して0.71gの1,4−ビス((エテニルフェニル)アミノ)−9,10−アントラキノン(上記式(2)で表されるアントラキノン系色素1)を得た(収率45%)。得られたアントラキノン系色素1は鮮やかな緑色であった。
(1)最大吸収波長:649nm
(2)赤外吸収スペクトルを図1に示す。
(3)NMRスペクトル(溶媒:クロロホルムーd)を図2に示す。
アントラキノン系色素2の合成
1,8−ジクロロアントラキノン(0.50g)、4−アミノスチレン(0.52g)とパラジウム触媒(0.12g)をDMEに溶解させた。次に、窒素ガスによるバブリングを30分間実施した。次いで60%水素化ナトリウム(0.72g)を入れ、120℃で16時間反応させた。反応終了後、溶媒のDMEを減圧留去した。合成例1と同様の方法にて精製を実施した。試料を乾燥して0.34gの1,8−ビス((エテニルフェニル)アミノ)−9,10−アントラキノン(上記式(3)で表されるアントラキノン系色素2)を得た(収率43%)。得られたアントラキノン系色素2は鮮やかな赤紫色であった。
(1)最大吸収波長:560nm
(2)赤外吸収スペクトルを図3に示す。
(3)NMRスペクトル(溶媒:クロロホルムーd)を図4に示す。
アントラキノン系色素3の合成
1−ヨードアントラキノン(0.50g)、4−アミノスチレン(0.29g)とパラジウム触媒(0.07g)をDMEに溶解させた。次に、窒素ガスによるバブリングを30分間実施した。次いで60%水素化ナトリウム(0.82g)を入れ、70℃で3時間反応させた。反応終了後、溶媒のDMEを減圧留去した。合成例1と同様の方法にて精製を実施した。試料を乾燥して0.29gの1−((エテニルフェニル)アミノ)−9,10−アントラキノン(上記式(4)で表されるアントラキノン系色素3)を得た(収率43%)。得られたアントラキノン系色素3は鮮やかな赤色であった。
(1)最大吸収波長:515nm
(2)赤外吸収スペクトルを図5に示す。
(3)NMRスペクトル(溶媒:クロロホルムーd)を図6に示す。
アントラキノン系色素4の合成
1−ヨード−4−ヒドロキシアントラキノン(0.50g)と、4−アミノスチレン(0.28g)と、パラジウム触媒(0.02g)と、配位子(0.06g)とをトルエンに溶解・分散させ、窒素ガスによるバブリングを30分間実施した。次いで炭酸セシウム(3.15g)を入れ、120℃で12時間反応させた。反応終了後、溶媒のトルエンを減圧留去した。DCM、水、飽和食塩液を加え攪拌・分液し、DCM層を取り出し、ガラスフィルターにより濾別した。続いて、DCMを減圧留去した。次いで減圧留去にて残存している4−アミノスチレンを留去した。その後、カラムクロマトグラフィーにて精製した。その試料を乾燥して0.34gの1−エテニルフェニルアミノ−4−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン(上記式(5)で表されるアントラキノン系色素4)を得た(収率52%)。得られたアントラキノン系色素4は鮮やかな紫色であった。
(1)最大吸収波長:585nm
(2)赤外吸収スペクトルを図7に示す。
(3)NMRスペクトル(溶媒:クロロホルムーd)を図8に示す。
アントラキノン系色素5の合成
1,4−ジクロロアントラキノン(0.50g)、4−アミノスチレン(0.22g)とパラジウム触媒(0.12g)をDMEに溶解させた。次に、窒素ガスによるバブリングを30分間実施した。次いで60%水素化ナトリウム(0.72g)を入れ、60℃で3時間反応させた。その後、p−トルイジン(0.23g)を加え、90度で3時間反応させた。反応終了後、溶媒のDMEを減圧留去した。合成例1と同様の方法にて精製を実施した。試料を乾燥して0.20gの1−((エテニルフェニル)アミノ)−4−((4−メチルフェニル)アミノ)−9,10−アントラキノン(上記式(6)で表されるアントラキノン系色素5)を得た(収率26%)。得られたアントラキノン系色素5は鮮やかな緑色であった。
(1)最大吸収波長:650nm
(2)赤外吸収スペクトルを図9に示す。
(3)NMRスペクトル(溶媒:クロロホルムーd)を図10に示す。
アントラキノン系色素6の合成
1,4−ジクロロアントラキノン(0.50g)、アリルp−アミノフェニルエチルエーテル(0.77g)とパラジウム触媒(0.12g)をDMEに溶解させた。次に、窒素ガスによるバブリングを30分間実施した。次いで60%水素化ナトリウム(0.72g)を入れ、90℃で3時間反応させた。反応終了後、溶媒のDMEを減圧留去した。
合成例1と同様の方法にて精製を実施した。試料を乾燥して0.18gの1,4−ビス((アリルオキシエチルフェニル)アミノ)−9,10−アントラキノン(上記式(7)で表されるアントラキノン系色素6)を得た(収率18%)。得られたアントラキノン系色素6は鮮やかな緑色であった。
(1)最大吸収波長:646nm
(2)赤外吸収スペクトルを図11に示す。
(3)NMRスペクトル(溶媒:クロロホルムーd)を図12に示す。
アントラキノン系色素7の合成
1−ヨード−4−ヒドロキシアントラキノン(0.50g)と、アリル4−アミノフェニルメチルエーテル(0.38g)と、パラジウム触媒(0.02g)と、配位子(0.06g)とをトルエンに溶解・分散させ、窒素ガスによるバブリングを30分間実施した。次いで炭酸セシウム(3.15g)を入れ、120度で16時間反応させた。反応終了後、溶媒のトルエンを減圧留去した。DCM、蒸留水及び飽和食塩液を加え攪拌・分液し、DCM層を取り出し、ガラスフィルターにより濾別した。続いて、DCMを減圧留去した。その後、カラムクロマトグラフィーにて精製した。その試料を乾燥して0.18gの1−(アリルオキシメチルフェニル)アミノ−4−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン(上記式(8)で表されるアントラキノン系色素7)を得た(収率21%)。得られたアントラキノン系色素7は鮮やかな紫色であった。
(1)最大吸収波長:564nm
(2)赤外吸収スペクトルを図13に示す。
(3)NMRスペクトル(溶媒:クロロホルムーd)を図14に示す。
アントラキノン系色素8の合成
1−ヨード−4−ヒドロキシアントラキノン(0.50g)と、アリル4−アミノフェニルエチルエーテル(0.41g)と、パラジウム触媒(0.02g)と、配位子(0.06g)とをトルエンに溶解・分散させ、窒素ガスによるバブリングを30分間実施した。次いで炭酸セシウム(3.15g)を入れ、120℃で16時間反応させた。反応終了後、溶媒のトルエンを減圧留去した。合成例7と同様の方法にて精製を実施した。その試料を乾燥して0.10gの1−(アリルオキシエチルフェニル)アミノ−4−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン(上記式(9)で表されるアントラキノン系色素8)を得た(収率13%)。得られたアントラキノン系色素8は鮮やかな紫色であった。
(1)最大吸収波長:586nm
(2)赤外吸収スペクトルを図15に示す。
(3)NMRスペクトル(溶媒:クロロホルムーd)を図16に示す。
アントラキノン系色素9の合成
1−(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)アミノ−4−ヒドロキシアントラキノン(0.50g)と、アリルイソシアネート(0.14g)をトルエンに溶解させ、スズ触媒(0.02g)を入れ、30℃で24時間反応させた。反応終了後、溶媒のトルエンを減圧留去した。DCM、蒸留水及び飽和食塩液を加え攪拌・分液し、DCM層を取り出し、ガラスフィルターにより濾別した。続いてDCMを減圧留去した。ノルマルヘキサン及びアセトニトリルを加え溶解・攪拌・分液した。次にアセトニトリル層を取り出し、ガラスフィルターにより濾別した。次にアセトニトリルを減圧留去した。その後、カラムクロマトグラフィーにて精製した。その試料を乾燥して0.08gの1−(4−(2−(アリルアミノカルボニルオキシ)エチル)フェニルアミノ−4−ヒドロキシアントラキノン(上記式(10)で表されるアントラキノン系色素9)を得た(収率13%)。得られたアントラキノン系色素9は鮮やかな紫色であった。
(1)最大吸収波長:575nm
(2)赤外吸収スペクトルを図17に示す。
(3)NMRスペクトル(溶媒:クロロホルムーd)を図18に示す。
アントラキノン系色素10の合成
1−(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)アミノ−4−ヒドロキシアントラキノン(0.30g)と、トリエチルアミン(0.17g)をDCMに溶解させた。次いでメタクリロイルクロリド(0.09g)を入れ、室温下で24時間反応させた。反応終了後、溶媒のDCMを減圧留去した。DCM、水、飽和食塩液を加え攪拌・分液し、DCM層を取り出し、ガラスフィルターにより濾別した。続いて、DCMを減圧留去した。その後、カラムクロマトグラフィーにて精製した。その試料を乾燥して0.15gの1−(4−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル)アミノ−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン(上記式(11)で表されるアントラキノン系色素10)を得た(収率42%)。得られたアントラキノン系色素10は鮮やかな紫色であった。
(1)最大吸収波長:567nm
(2)赤外吸収スペクトルを図19に示す。
(3)NMRスペクトル(溶媒:クロロホルムーd)を図20に示す。
高分子アントラキノン系色素1の合成
ポリジメチルシロキサン−co−ヒドロメチルシロキサン(Mn=7,600、ポリスチレン換算、Si−Me:Si−H=90:10)の両末端をアリルアルコール、次いでイソシアナートエチルメタクリレートでキャップし、不飽和二重結合及びポリジメチルシロキサン構造を有するシロキサン化合物を得た。このシロキサン化合物2.28g(0.30ミリモル)及び0.10g(0.30ミリモル)の上記アントラキノン系色素4をトルエン40mLに溶解させ、不活性ガス(窒素)をバブリングしながら室温で30分攪拌し、その後溶液に白金触媒20μLを添加し、60℃以上の温度で20時間以上攪拌して反応させた。得られた溶液に蒸留水50mLを添加して100℃で2時間以上加熱した。反応溶媒を留去した後、ジクロロメタン(200mL)、蒸留水(100mL)及び飽和食塩液(100mL)を加えて攪拌した。分液ロートで分離させたジクロロメタン層を回収し、ガラスフィルターにより濾別した。再度、蒸留水(100mL)及び飽和食塩液(100mL)で洗浄してジクロロメタン層を回収し、ガラスフィルターにより濾別することにより触媒を除去した。その後、ジクロロメタンを留去し、n−ヘキサン300mLを添加して再溶解させ、アセトニトリルにて洗浄を繰り返してから取り出したn−ヘキサン層を濾過し、n−ヘキサンを留去してオイル状の高分子アントラキノン系色素1(上記式(13))を1.09g得た(収率46%)。
高分子アントラキノン系色素2の合成
ポリジメチルシロキサン−co−ヒドロメチルシロキサン(Mn=7,000、ポリスチレン換算、Si−Me:Si−H=70:30)2.10g(0.30ミリモル)及び0.31g(0.90ミリモル)の上記アントラキノン系色素4をトルエン120mLに溶解させ、不活性ガス(窒素)をバブリングしながら室温で30分攪拌した。その後、溶液に白金触媒50μLを添加し、60℃以上の温度で20時間以上攪拌して反応させた。反応後の精製工程は合成例11に準じて作業を行い、オイル状の高分子アントラキノン系色素2(上記式(14))を1.39gを得た(収率58%)。
高分子アントラキノン系色素3の合成
N−メチル−2−ピロリドン2,000質量部中に、上記アントラキノン系色素4を4.95質量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル25.06質量部、TRIS(トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート)72.05質量部、及びアゾビスイソブチロニトリル2.0質量部を加えて78〜80℃で8時間撹拌した。冷却後、水10,000質量部中に投じ、得られた析出物を濾過した。水、メタノールで順次洗浄、乾燥し、アントラキノン系色素4、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル及びTRISの共重合体である高分子アントラキノン系色素3(色相 青)を56.1質量部得た(収率55%)。
マクロモノマーAの合成
予め窒素置換された側管にジムロート冷却管、機械式撹拌器及び温度計を取り付けた1L三つ口フラスコ内に、イソホロンジイソシアネート(IPDI)75.48g(0.34モル)及び鉄アセチルアセトネート(FeAA)0.12gを添加した。ついで、両末端水酸基ジメチルシロキサン(重合度40、水酸基当量1,560g/モル、信越化学工業(株)製KF−6002、以下、DHDMSi40という)529.90gを添加し、80℃に加熱したオイルバス中で約4時間、撹拌した。
以下の実施例で用いられている略称の意味を示す。
・Green6:1,4−ビス(p−メチルフェニルアミノ)アントラキノン
・Violet2:1−(p−メチルフェニルアミノ)−4−ヒドロキシアントラキノン
・マクロモノマーA(ポリジメチルシロキサン構造と不飽和二重結合とがウレタン結合を介して存在するマクロモノマー):合成例14で合成した上記一般式(23)で表される化合物
・TRIS:トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート
・DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミド
・N−VP:N−ビニルピロリドン
・2−MTA:2−メトキシエチルアクリレート
・2−HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
・AMA:アリルメタクリレート
・EDMA:エチレングリコールジメタクリレート
・HMPPO:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
・AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
色素として上記合成例にて合成したアントラキノン系色素1を0.02質量部、眼用レンズ用モノマーとして、マクロモノマーAを30.0質量部、TRISを25.0質量部、DMAAを15.0質量部及びN−VPを30.0質量部、架橋剤としてEDMAを0.4質量部、重合開始剤としてHMPPOを0.4質量部含む眼用レンズ材料用の組成物を調製した。これらの組成物を、コンタクトレンズ形状を有する鋳型(ポリプロピレン製、直径約14mm及び厚さ0.1mmのコンタクトレンズに対応)内に注入し次いでこの鋳型に紫外線を20分間照射して光重合を行った。重合後、鋳型からコンタクトレンズ形状の硬化物を得て、生理食塩液中に浸漬し、吸水させて水和処理を施し、実施例1の眼用レンズ用材料を得た。
色素として上記合成例にて合成したアントラキノン系色素4を0.02質量部用いた以外は上記実施例1と同様にして、実施例2の眼用レンズ用材料を得た。
色素として上記合成例にて合成したアントラキノン系色素6を0.02質量部用いた以外は上記実施例1と同様にして、実施例3の眼用レンズ用材料を得た。
色素として上記合成例にて合成したアントラキノン系色素8を0.02質量部用いた以外は上記実施例1と同様にして、実施例4の眼用レンズ用材料を得た。
色素として上記合成例にて合成したアントラキノン系色素10を0.02質量部用いた以外は上記実施例1と同様にして、実施例5の眼用レンズ用材料を得た。
色素として上記合成例にて合成した高分子アントラキノン系色素1を0.02質量部用いた以外は上記実施例1と同様にして、実施例6の眼用レンズ用材料を得た。
色素として上記合成例にて合成した高分子アントラキノン系色素2を0.02質量部用いた以外は上記実施例1と同様にして、実施例7の眼用レンズ用材料を得た。
色素として上記合成例にて合成したアントラキノン系色素1を0.02質量部、眼用レンズ用モノマーとして、マクロモノマーAを10.0質量部、TRISを25.0質量部、N−VPを40.0質量部及び2−MTAを25質量部、架橋剤としてAMAを0.4質量部、重合開始剤としてHMPPOを0.4質量部含む眼用レンズ材料用の組成物を調製したこと以外は実施例1と同様にして実施例8の眼用レンズ材料を得た。
色素として上記合成例にて合成したアントラキノン系色素4を0.02質量部用いたこと以外は上記実施例8と同様にして実施例9の眼用レンズ材料を得た。
色素として上記合成例にて合成したアントラキノン系色素6を0.02質量部用いたこと以外は上記実施例8と同様にして実施例10の眼用レンズ材料を得た。
色素として上記合成例にて合成したアントラキノン系色素8を0.02質量部用いたこと以外は上記実施例8と同様にして実施例11の眼用レンズ材料を得た。
色素として上記合成例にて合成したアントラキノン系色素10を0.02質量部用いたこと以外は上記実施例8と同様にして実施例12の眼用レンズ材料を得た。
色素として上記合成例にて合成した高分子アントラキノン系色素1を0.02質量部用いたこと以外は上記実施例8と同様にして実施例13の眼用レンズ材料を得た。
色素として上記合成例にて合成した高分子アントラキノン系色素2を0.02質量部用いたこと以外は上記実施例8と同様にして実施例14の眼用レンズ材料を得た。
色素として上記合成例にて合成したアントラキノン系色素1を0.02質量部、眼用レンズ用モノマーとして、N−VPを15.0質量部及び2−HEMAを85.0質量部、架橋剤としてAMAを1.0質量部及びEDMAを1.0質量部、重合開始剤としてHMPPOを0.4質量部含む眼用レンズ材料用の組成物を調製したこと以外は実施例1と同様にして実施例15の眼用レンズ材料を得た。なお、実施例15で使用した各眼用レンズ用モノマーはポリジメチルシロキサン構造を有さないものである。
色素として上記合成例にて合成したアントラキノン系色素4を0.02質量部用いた以外は上記実施例15と同様にして実施例16の眼用レンズ材料を得た。
色素として上記合成例にて合成したアントラキノン系色素6を0.02質量部用いた以外は上記実施例15と同様にして実施例17の眼用レンズ材料を得た。
色素として上記合成例にて合成したアントラキノン系色素8を0.02質量部用いた以外は上記実施例15と同様にして実施例18の眼用レンズ材料を得た。
色素として上記合成例にて合成したアントラキノン系色素10を0.02質量部用いた以外は上記実施例15と同様にして実施例19の眼用レンズ材料を得た。
色素として上記合成例にて合成したアントラキノン系色素1を0.02質量部、眼用レンズ用モノマーとして、マクロモノマーAを30.0質量部、TRISを25.0質量部、DMAAを15.0質量部及びN−VPを30.0質量部、架橋剤としてEDMAを0.4質量部、重合開始剤としてAIBNを0.4質量部含む眼用レンズ材料用の組成物を調製した。上記組成物を、コンタクトレンズ形状を有する鋳型(ポリプロピレン製、直径約14mm及び厚さ0.1mmのコンタクトレンズに対応)内に注入し、次いでこの鋳型を90℃に調節された乾燥機にて60分間熱重合を行った。重合後、鋳型からコンタクトレンズ形状の重合体を得、生理食塩液中に浸漬し、吸水させて水和処理を施し、実施例20の眼用レンズ用材料を得た。
色素として、Green6を0.02質量部用いたこと以外は実施例1と同様にして比較例1の眼用レンズ材料を得た。
色素として、Violet2を0.02質量部用いたこと以外は実施例1と同様にして比較例2の眼用レンズ材料を得た。
色素として、Green6を0.02質量部用いたこと以外は実施例8と同様にして比較例3の眼用レンズ材料を得た。
色素として、Violet2を0.02質量部用いたこと以外は実施例8と同様にして比較例4の眼用レンズ材料を得た。
色素として、Green6を0.02質量部用いたこと以外は実施例15と同様にして比較例5の眼用レンズ材料を得た。
色素として、Violet2を0.02質量部用いたこと以外は実施例15と同様にして比較例6の眼用レンズ材料を得た。
上記実施例1〜20及び比較例1〜6で得られた各眼用レンズ用材料の外観、レンズ規格、吸光度及び抽出率を以下のように評価した。その結果を表6〜表9に示す。なお、表中の「−」は測定していないことを示す。
(1)外観
得られた着色コンタクトレンズの外観(色、透明性、異物の有無、変形の有無)を目視にて調べた。
(2)レンズ規格
20℃に調節した流通保存液中にて、レンズ3枚の直径を測定した。
(3)吸光度測定
積分球を使用してレンズの可視吸収スペクトルを測定し、着色剤に基づく吸収のλmaxを測定した。
(4)抽出率
レンズからの色素の溶出挙動(色素の重合性)を確認するため、コンタクトレンズを眼脂成分(ワックスエステル)2mL、又はアセトン2mLに浸漬し、24時間室温で抽出し、抽出前後での色素由来の吸収を紫外可視分光光度計にて測定した。測定の際は上記(3)の装置及びレンズ測定用積分球を使用した。各色素由来のピークについて最大吸光度を用い、以下の式に従って抽出率を測定した。なお、ワックスエステル又はアセトンによる抽出試験のそれぞれにおいて、レンズ3枚を使用し、レンズ個々について以下の式を用いて抽出率を求め、平均値を表示した。
なお、抽出率が低いことは、色素がレンズから溶出しないことを意味している。
Claims (5)
- 下記一般式(1)で示されるアントラキノン系色素と、ヒドロシリル基を含むポリジメチルシロキサン構造を有する化合物との付加体であり、かつ不飽和重合性基を有さない眼用レンズ着色用の高分子アントラキノン系色素。
(式(1)中、
X1及びX2は、それぞれ独立して、
で表される基である。
R1及びR2は、それぞれ独立して、−NH2、−OH、−SO3H、−NO2、−F、−Cl、−Br、−I、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルキルアミノ基、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキルアミド基、
で表される基である。
R3は、それぞれ独立して、
で表される基である。
R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、−H又は−CH3である。
R7及びR8は、それぞれ独立して、−H、−NH2、−OH、−SO3H、−NO2、−F、−Cl、−Br、−I、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルキルアミノ基、C1〜C4のアルコキシ基又はC1〜C4のアルキルアミド基である。
aは1である。bは0〜1の整数である。cは0〜3の整数である。dは0〜4の整数である。但し、a、b、c及びdの関係は、a+c≦4、b+d≦4となる。eは0〜4の整数である。fは0である。g及びiはそれぞれ独立して、0〜5の整数である。h及びjはそれぞれ独立して、0〜4の整数である。) - 請求項1に記載の高分子アントラキノン系色素と、不飽和二重結合を有する眼用レンズ用モノマーとを含む組成物から形成され、
上記眼用レンズ用モノマーを単量体単位として含む重合体を含有する眼用レンズ材料。 - 上記眼用レンズ用モノマーが、ポリジメチルシロキサン構造を有する請求項2に記載の眼用レンズ材料。
- 上記眼用レンズ用モノマーが、(メタ)アクリル酸誘導体、スチレン誘導体、アリル基含有化合物、ビニル基含有化合物及びエキソ−メチレン基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2又は請求項3に記載の眼用レンズ材料。
- 請求項1に記載の高分子アントラキノン系色素で着色されている眼用レンズ。
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