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JP5898553B2 - 交通流予測装置、交通流予測方法及び交通流予測プログラム - Google Patents
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交通流予測装置、交通流予測方法及び交通流予測プログラム Download PDF

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Description

本発明は、車両の交通流を予測する交通流予測装置、交通流予測方法及び交通流予測プログラムに関する。
現在から比較的長い将来にわたった交通状況を高い精度で予測することができる交通状況推定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この交通状況推定装置は、交通状況計算部において、道路ネットワークデータ、道路ネットワーク上の信号データ、及びOD交通量を用いた交通流シミュレーションを行なって、交通量の計算値を計算し、将来予測処理部よって、過去の交通量の観測値と現在の交通量の観測値とに基づいて、将来の交通量の予測値を予測し、OD交通量推定部で計算値が現在の交通量の観測値及び予測値に一致するように交通状況計算部で使用するOD交通量を修正するものである。この交通状況推定装置によれば、交通流シミュレーションを実行することにより、交通状況を示す交通量を予測する際に、交通量の計算値が現在の交通量の観測値及び交通量の予測値に一致するように修正されたOD交通量を用いているので交通量を高い精度で予測することができる。
特開2004−118735号公報
ところで、これまでの交通流シミュレーションは、主要幹線道路などの路線に沿って固定的に配置されるトラフィックカウンターなどによって検出された交通情報データを用いて、トラフィックカウンターが配置された地点の車両の通行量と速度に基づいて交通流シミュレーションを実行し、交通量を予測していた。近年、走行する車両を移動するセンサーに見立て、実際に走行している車両の走行状態を検出して提供情報として用いることが検討されている。このような車両を検出することにより得られた情報は、「プローブ交通情報」といわれ、利用範囲を拡大することが期待されている。
しかしながら、プローブ交通情報は道路上を走行する全ての車両のうち一部を構成するのみであるため、プローブ交通情報から車両の通行量を直接計測することができず、通行量を調整しながら交通流予測を行うことができないという問題がある。また、従来の交通流シミュレーションで実際の交通状態に則した交通流予測を行うためには、試行錯誤を繰り返しながらシミュレーション実行を何度も実行しなければならないため、予測処理に多大な時間を要するという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、車両の交通流を迅速にかつ高い精度で予測することができる交通流予測装置、交通流予測方法及び交通流予測プログラムを提供することを目的とする。
本発明は、観測値である時刻、緯度経度情報からなるプローブ情報、もしくは時刻、区間番号、区間通過台数、及び区間通過平均所要時間からなるプローブ交通情報から、任意に指定した区域の交通密度と交通量の関係を定量化し、該関係を用いて交通量を推定する交通流予測装置であって、前記区域を走行した車両のプローブ交通情報に基づき、前記区域内の交通密度と交通量の関係を示す第1の近似曲線を求める第1の近似曲線算出手段と、交通流シミュレーションモデルを用いて交通流シミュレーションを行った結果に基づき、前記区域内の交通密度と交通量の関係を示す第2の近似曲線を求める第2の近似曲線算出手段と、前記第1の近似曲線を前記第2の近似曲線に合致させるための拡大率を算定する拡大率算定手段と、前記第1の近似曲線を求めた際の前記区域内の交通密度と交通量の関係を示す値のそれぞれに対して、前記拡大率を乗算して得られた前記区域内の交通密度と交通量の関係を示す値が、前記第2の近似曲線を求めた際の前記区域内の交通密度と交通量の関係を示す値との距離が最小化させるための交通量とリンク容量を求めるパラメータ調整手段と、前記パラメータ調整手段によって求めた前記交通量と前記リンク容量を入力として前記交通流シミュレーションを実行した結果が所定の終了条件を満たすまでパラメータ調整手段による前記交通量と前記リンク容量を求める処理と前記交通流シミュレーションの実行を繰り返す結果判定手段とを備えたことを特徴とする。
本発明は、観測値である時刻、緯度経度情報からなるプローブ情報、もしくは時刻、区間番号、区間通過台数、及び区間通過平均所要時間からなるプローブ交通情報から、任意に指定した区域の交通密度と交通量の関係を定量化し、該関係を用いて交通量を推定するために、第1の近似曲線算出手段と、第2の近似曲線算出手段と、拡大率算定手段と、パラメータ調整手段と、結果判定手段とを備えた交通流予測装置が行う交通流予測方法であって、前記第1の近似曲線算出手段が、前記区域を走行した車両のプローブ交通情報に基づき、前記区域内の交通密度と交通量の関係を示す第1の近似曲線を求める第1の近似曲線算出ステップと、前記第2の近似曲線算出手段が、交通流シミュレーションモデルを用いて交通流シミュレーションを行った結果に基づき、前記区域内の交通密度と交通量の関係を示す第2の近似曲線を求める第2の近似曲線算出ステップと、前記拡大率算定手段が、前記第1の近似曲線を前記第2の近似曲線に合致させるための拡大率を算定する拡大率算定ステップと、前記パラメータ調整手段が、前記第1の近似曲線を求めた際の前記区域内の交通密度と交通量の関係を示す値のそれぞれに対して、前記拡大率を乗算して得られた前記区域内の交通密度と交通量の関係を示す値が、前記第2の近似曲線を求めた際の前記区域内の交通密度と交通量の関係を示す値との距離が最小化させるための交通量とリンク容量を求めるパラメータ調整ステップと、前記結果判定手段が、前記パラメータ調整ステップによって求めた前記交通量と前記リンク容量を入力として前記交通流シミュレーションを実行した結果が所定の終了条件を満たすまでパラメータ調整ステップによる前記交通量と前記リンク容量を求める処理と前記交通流シミュレーションの実行を繰り返す結果判定ステップとを有することを特徴とする。
本発明は、コンピュータに、前記交通流予測方法を実行させるための交通流予測プログラムである
本発明によれば、プローブ交通情報から得られる交通状態を用いて交通流予測を行うようにしたため、交通流シミュレーションを必要最小限利用するのみで高精度な交通流予測が可能になるという効果が得られる。
本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。 図1に示す交通流予測装置1の動作を示すフローチャートである。 ネットワークデータの一例を示す説明図である。 ネットワークデータを構成するノードとリンクの一例を示す説明図である。 シミュレーションによって求めた集計QKをプロットした結果から求めた近似曲線と、プローブ交通情報から求めた集計QKをプロットした結果から求めた近似曲線を示す図である。 プローブ交通情報から求めた集計QKの値に拡大率α、βを乗算した結果をプロットした図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態による交通流予測装置を説明する。図1は同実施形態の構成を示すブロック図である。この図において、符号1は、コンピュータ装置で構成する交通流予測装置である。符号2は、キーボードやポインティングデバイスで構成する入力部である。符号3は、ディスプレイ装置で構成する表示部である。符号4は、交通流を予測するのに必要なデータが記憶されたデータファイルである。
符号11は、データファイル4及び入力部2から交通流を予測するのに必要なデータを入力するデータ入力部である。符号12は、データ入力部11において入力したデータに基づき交通流シミュレーションを実行するシミュレーション実行部である。ここで、実行する交通流シミュレーションは、公知のものを利用可能であり、例えば、特許文献1に記載の交通流シミュレーションや、交通流シミュレーションモデル(SOUND;Simulation on Urban road Network with Dynamic route choice;東京大学生産技術研究所において開発された広域道路ネットワークシミュレーションモデルである)が適用可能である。
符号13は、データ入力部11において入力したプローブ交通情報に基づき集計QK(Kはエリア存在台数[台]、Qは集計交通量[台km/時]であり、このQKの関係を示すデータ)を算出する集計QK算出部である。符号14は、シミュレーション実行部12において算出した集計QKと、集計QK算出部13において算出した集計QKとを合致させるための拡大率を算定する拡大率算定部である。符号15は、シミュレーション実行部12における実行結果が所定の条件を満たしたか否かを判定する結果判定部である。符号16は、結果判定部15において、所定の条件を満たさなかった場合、パラメータを調整し、再度シミュレーションを実行させるパラメータ調整部である。
ここで、図3、図4を参照して、本明細書内で用いる用語について説明する。図3は、ネットワークデータの一例を示す説明図である。図3において、破線で示す対象エリア(例えば、東京都)のゾーンAからゾーンBへ移動する際に主な走行経路として、経路1、経路2、経路3があることを示している。ここで、ゾーンとは、任意に決められた区域のことであり、例えば、市町村等の行政区域に相当する。
図4は、ネットワークデータを構成するノードとリンクの一例を示す図である。図4に示すように、ネットワークデータは、ノードとリンクによって構成する。ノード(図4の○印)とは、道路の交差点のことであり、リンク(図4の矢印)とは、端部がノードで車両の進行方向が決められている道路である。ノードとリンクには、それぞれを識別する識別情報と、座標情報とからなる。ネットワークデータは、図3の破線で示す対象エリア内の全てのノードとリンクのデータによって構成するものである。
図1に示す交通流予測装置1は、観測値である時刻、緯度経度情報からなるプローブ交通情報から、任意に指定した集計QK区域(集計QKゾーン)の交通密度と交通量の関係(集計QK)を定量化し、その関係を用いて時間帯別車種別OD交通量を推定するものである。
次に、交通流予測装置1が時間帯別車種別OD交通量を推定する処理の概要を説明する。基本の交通状態を示すデータとして、ノードとリンクから作られるネットワークデータ、車両が出発地、目的地となるODゾーンデータ、初期値としての時間帯別車種別OD交通量を入力条件とする。Oは出発地ゾーン、Dは目的地ゾーンを示す。また、予め推定対象エリアに任意の集計QKゾーンを展開する。
まず、集計QKゾーン内を走行したプローブ交通情報によって集計QKを計算し、横軸をK、縦軸をQとした集計QKグラフ上に展開する。その後、各集計QKから、観測値による集計QKの近似曲線を時間帯別に計算するこのとき、Kはエリア存在台数とし、集計QKゾーン内の1時間あたりのエリア存在台数リンク平均旅行時間とリンク長の積の総和から求める。Qは集計交通を示し、集計QKゾーン内の1時間あたりのリンク通過交通量とリンク長の積の総和で求める。
一方、交通流シミュレーションモデルを用いて対象時間帯の交通流シミュレーションを行う。その結果を用いて、あるリンクの各車両の車種、出発地、目的地から、リンクあたりの時間帯別車種別OD選択確率を算出する。同時に、時間帯別車種別OD交通量を増減させた場合の交通流シミュレーションを複数ケース行い、各集計QKゾーンにおいて計算される集計QKから、シミュレーションによる集計QKの近似曲線を時間帯別に求める。さらに、各集計QKゾーンについて、実測値による集計QKの近似曲線を、シミュレーションによる集計QKの近似曲線に合致させるための時間帯別拡大率を求める。このとき、各集計QKゾーンについて、時間帯別拡大率によって拡大された実測値による集計QKと、シミュレーションによる集計QKの位置関係が最小化するときの時間帯別車種別OD交通量、及びリンクパラメータ値(リンク容量)を得る。
次に、交通流シミュレーションモデルについて説明する。ここでは、前述のSOUNDを例にして説明する。SOUNDは、以下の特徴を有している。
(1)渋滞現象のダイナミズムを考慮しており、過飽和の交通状況を再現できる。
(2)静・的/動的な経路選択モデルを内包しており、ITS(高度道路交通システム)における情報提供や動的経路誘導などの運用策の評価が可能である。
(3)車種などの各種の属性を付与した個別の車両を扱うので、対象車両を限定した交通運用施策の評価が可能である。
(4)リンク毎に与えた交通量一密度(Q−K)特性を用いて車両移動の計算をするマクロなモデルであり、計算負荷が小さいため、大規模なネットワークに適用可能である。
シミュレーションでは、各種の施策や交通運用策を適用した場合の、リンク交通量や速度、路線別平均旅行時間、総走行距離などの走行効率に関する指標を予測できる。対象とする交通運用策は次の通りである。
(a)道路網整備。
(b)ロードプライシングや需要分散、流入規制などのTDM政策。
(c)右折禁止や一方通行などの進行方向に関する時間帯別交通規制。
(d)信号制御パラメータの変更。
(e)イベントや災害時における一時的な通行止め、あるいは流入制限。
(f)情報提供による経路変更の促進や迂回誘導。
次に、シミュレーションモデルの入出力について説明する。始めに、シミュレーションエンジンについて説明する。シミュレーションエンジンは、道路ネットワークの接続情報と幾何形状、任意の分間隔で指定した時間帯別OD交通量、信号制御パラメータ等の道路条件と交通需要のもとでの交通状況を再現する。
シミュレーションは一定時間毎に逐次計算を行うピリオデイツクスキャン方式で、任意の集計時間帯毎に、リンクの右左折直進別通過交通量、リンクの右左折直進別平均旅行時間、リンク上の滞留台数、あるいは渋滞長を出力する。指定経路の平均旅行時間や総走行距離、総走行時間などの指標は、これらのリンク毎の指標を用いて算出する。
SOUNDの入力項目は、以下の(1)〜(8)に示す通りである。
(1)シミュレーション設定
シミュレーションの実行に必要な情報として、シミュレーション対象時間帯、単位スキャン時間、車両発生間隔、結果集計間隔、ネットワークの規模、パケットサイズ、経路選択行動のための情報更新間隔、乱数シード値を入力する。
(2)ネットワークデータ
主に広域シミュレーションを目的としたSOUNDでは、デジタル道路地図(DRM)ベースのネットワーク構造に対応できる。必要となる情報は、ノード位置、リンク形状・区間長、ノード・リンク接続情報、車線構成(本線車線/右左折付加車線)、通行禁止リンクペアである。
(3)リンク交通特性パラメータ
SOUNDでは、リンクに交通特性を与えて、車両密度の管理を逐次的に行う。交通特性を決定するパラメータは、本線容量[pcu/時/車線]、自由流走行速度[km/時]、ジャム密度[pcu/km]、下流端での右左折直進別飽和交通流率[pcu/有効青1時間/車網である
(4)セントロイド(ゾーン)情報
シミュレーションでは、交通発生集中点として、ネットワーク端点および街区レベルのゾーン毎にセントロイドを設定するため、道路ネットワークとセントロイドの接続情報として、端点ノートと端点セントロイドの対応、ゾーン内、あるいはゾーン境界のリンクとゾーンセントロイドとの対応を入力する。
(5)OD交通量
SOUNDでは任意の分単位でOD交通量を発生させる。すなわち、 一定時間毎の、車種別、経路選択行動別、その他の属性別OD交通量を入力とする。
(6)経路選択層
SOUNDは複数の経路選択行動を指定できる。前述のOD交通量は、それぞれどの経路選択行動をとるかが設定されている。経路選択行動のパラメータとして、確率的経路選択/最小コスト経路選択、一般化コスト式(経路距離、経路旅行時間、右左折ペナルティの線形和)、ロジットの感度パラメータ(確率的経路選択の場合)を入力する。
(7)信号制御パラメータ
SOUNDでは、交差点に信号を設置することができる。入力情報は、信号制御機番号と設置交差点番号の対応、一連の現示ステップ、各ステップのスプリット時間である。
(8)交通規制データ
シミュレーションで評価する対象となる施策のうち、一時的な通行止め規制および車線規制による流入制御を、シミュレーションヘのイベントとして入力することができる。通行止め規制は、対象リンク、対象車種、および時間帯を入力し、車線規制は、対象リンク、閉鎖車線数(容量値によるコントロール)、および時間帯を入力する。
SOUNDの出力項目は以下の(1)、(2)に示す通りである。
(1)シミュレーション計算実行中に出力するもの
シミュレーション計算中の交通状況を確認するため、1スキャン毎のリンク上の車両位置、各集計時間毎のリンク上の滞留長、各集計時間毎のリンク平均旅行速度を表示部3上のイメージとして表示する。
(2)シミュレーション計算終了後に出力するもの
シミュレーション計算終了後は、各集計時間毎に、車種別・進行方向別リンク通過交通量、進行方向別リンク平均旅行時間、リンク上の滞留台数、セントロイド上の滞留台数等の指標を出力する。
平均旅行時間はリンク毎に集計されるため、ある経路や区間の平均旅行時間は、出発時刻からリンク旅行時間をたどることで算出できる。同様に、ある経路や区間、エリアにおける総走行距離・総走行時間などの指標も、リンクの通過交通量とリンク長あるいは平均旅行時間から求めることができる。2次的に求められる指標として、経路/区間平均旅行時間、経路/区間/エリア総走行距離、経路/区間/エリア総走行時間、あるいは総遅れ時間がある。さらに、走行車両の一部をプローブ交通情報として指定することで、プローブ車両が走行したリンクおよびリンク流入時刻の履歴等のサンプル車両走行軌跡を結果として出力することができる。
図1に示すシミュレーション実行部12において実行するシミュレーションモデルは、SOUNDに限るものではなく、前述の出力指標が得られるシミュレーションモデルであればよい。
次に、交通流シミュレーションモデル(SOUND)における経路選択について説明する。各車両は常に目的地までの「経路誘導ネットワーク」を参照している。これは、現在走行中のリンクに対して、次に走行するリンクを選ぶ確率が与えられているものである。この確率は一定時間毎に、適切な経路選択モデルによって更新される。経路選択モデルには、必ず最短コストとなる経路を選択するものと、ロジットモデルにより確率選択するものが用意されている。ロジットモデルの選択確率はDialのアルゴリズムを利用して求める。これはあるODペアについてn本の経路があり(例えば、図3に示す例では3本)、各経路のコストが与えられるとき、その経路の選択確率を求めることができる。各車両パケットはリンクに流入した時点で、経路誘導ネットワークを参照し、次に選択するリンクを得ることで、そのリンク下流端での進行方向を決定することができる。
次に、図2を参照して、図1に示す交通流予測装置1の動作を説明する。図2は、図1に示す交通流予測装置1の動作を示すフローチャートである。まず、データ入力部11は、データファイル4から交通流を予測するのに必要なデータを入力する(ステップS1)。ここで入力するデータは以下の8種類のデータ((1)〜(8)のデータ)である。
(1)プローブ情報:位置情報(緯度、経度)、時刻からなる車両情報
(2)ネットワークデータ:ノードデータ、道路データ(道路線形・道路属性データ)、リンクデータ
(3)リンクパラメータ:リンク容量、ジャム密度、自由流速度、飽和交通流率
(4)交通規制情報:信号情報、車線規制情報、リンク規制情報
(5)ゾーンデータ:ゾーンを定義する情報
(6)経路選択パラメータの初期値(θ):経路選択行動モデルの感度パラメータ
(7)評価値E’のための収束判定値(Th1)
(8)評価値Eのための収束判定値(Th2)、施行回数、前回評価値E(t−1)からの改善率=前回ABS(E(t−1)−E/E
なお、入力データであるプローブ情報に代えて、プローブ情報を集計して得られる時刻、区間番号、区間通過台数、及び区間通過平均所要時間からなるプローブ交通情報を入力するようにしてもよい。
次に、シミュレーション実行部12は、データ入力部11において入力した入力データに基づき、乱数系列及びOD交通量を増減させながら交通流シミュレーションの実行を数回繰り返す(ステップS2)ことにより、ゾーン間rsの時間帯hにおける発生交通量Qrsh、ゾーン間時間帯交通量Qrshのうち、時刻tにあるリンクkを通った車両の量Qrsh ktを得る。また、シミュレーション実行部12は、シミュレーション値の集計QKプロットを行い、この集計QKの近似曲線((1)式)を求める。
Figure 0005898553
一方、集計QK算出部13は、データ入力部11において入力したプローブ交通情報(観測値)から集計QKを算出する(ステップS3)。そして、集計QK算出部13は、プローブ交通情報の集計QKプロットを行い、この集計QKの近似曲線((2)式)を求める。
Figure 0005898553
次に、拡大率算定部14は、(1)式と(2)式から(3)式、(4式)を満たす拡大率α、βを(5)式、(6)式)によって算定する(ステップS4)。ここで、x’は、拡大後のxの値、y’は、拡大後のyの値である。
Figure 0005898553
Figure 0005898553
Figure 0005898553
Figure 0005898553
ここで、図5、図6を参照して拡大率について説明する。図5は、シミュレーションによって求めた集計QKをプロットした結果から求めた(1)式の近似曲線と、プローブ交通情報から求めた集計QKをプロットした結果から求めた(2)式の近似曲線を示す図である。図6は、この2つの近似曲線から前述の拡大率α、βを求め、プローブ交通情報から求めた集計QKの値に拡大率α、βを乗算した結果をプロットした図である。プローブ交通情報は、走行する車両のうちの一部の車両のみであるため、単に集計QKを求めると、図5に示すように、シミュレーションによって求めた近似曲線に比べて、山が小さい曲線となるが、プローブ交通情報に基づき求めた集計QKの値を相似拡大する拡大率を乗算することにより、シミュレーションの集計QKの値より高精度化することが可能となる。
次に、結果判定部15は、終了条件を満たしたか否かを判定し(ステップS5)、終了条件を満たしていれば処理を終了する。この判定は、(7)式によって得られる評価値E’がデータ入力部11において入力した収束判定値(Th1)以下であるか、または所定の施行回数に達したか否かに基づいて終了条件を満たしたか否かを判定する。
Figure 0005898553
次に、結果判定部15により終了条件を満たしていないと判定された場合、パラメータ調整部16は、所定の条件を満たすまでOD交通量とリンク容量を調整する(ステップS6)。ここでいう所定の条件とは、(8)式が評価値Eのための収束判定値(Th2)を下回る、指定された施行回数に達する、改善率がしきい値を下回る、のいずれかの条件である。
Figure 0005898553
(8)式において、(7)式と異なる点は、→uzτ sim(→はuの頭に付く、以下、同様)を→uzτと置き換えた点である。ここで、→uzτは、交通流シミュレーションによって求めた値ではなく、パラメータ調整部16が、以下に示す演算によって求めた値である。まず、→uzτは、(9)式によってQτ,Kτを求めることによって得られる。
Figure 0005898553
次に、(9)式のnjτは、(10)式によって求められ、(9)式のTjτは、(11)式によって求めることができる。(11)式においてqjτは、(12)式によって求めることができる。
Figure 0005898553
Figure 0005898553
Figure 0005898553
パラメータ調整部16は、(8)式の評価値Eが前述の条件を満たすまで、(10)式、(12)式で用いるαの値(リンク容量)と(12)式のQrsh(OD交通量)を増減させて調整を行う。このとき、αとQrshを増減させて最適化を図る手法は、公知の最適化手法を用いることが可能であるので、ここでは詳細な説明を省略する。パラメータ調整部16は、この処理によって求められた最適化されたαとQrshをシミュレーション実行部12へ出力する。
これを受けて、シミュレーション実行部12は、パラメータ調整部16から出力されたα(リンク容量)の値とQrsh(OD交通量)の値を入力して交通流シミュレーションを実行する(ステップS7)。そして、再度結果判定部15は、(7)式によって得られる評価値E’が収束判定値(Th1)以下であるか、または所定の施行回数に達したか否かに基づいて終了条件を満たしたか否かを判定する(ステップS5)。そして、結果判定部15は、終了条件を満たしていれば処理を終了し、満たしていなければステップS6、S7の処理を繰り返し行い、ステップS5における終了条件を満たすまで処理を繰り返す。
従来のOD交通量推定では、日通過交通量から、1日単位のOD交通量を推定するものが一般的である。すなわち、OD交通量の時間変動を考慮できないという問題がある。また、時間帯別OD交通量を推定するものも存在する(例えば、特許文献1)が、評価値を得るために交通流シミュレーションを毎回実行しているため、非常に計算時間が長くなるという課題を抱えている。
以上説明したように、本実施形態では、プローブ交通情報から得られる交通状態を用いて時間帯別のOD交通量及びリンク容量パラメータを求めるようにしたため、得られる値の精度を向上させることができる。また、既存のモデルでは目標値が交通量であるのに対し、本実施形態は、プローブ交通情報から集計されたエリア内存在台数(Q)と総通過交通量(K)から得られる集計QK(交通密度―交通量)を目標値としているため、実際の交通状態に則した交通流予測を行うことができる。また、交通流シミュレーションを利用するタイミングを初期計算時とパラメータ収束計算がある目的を達成した際の再評価値計算時のみに留めたため、必要最小限の利用回数で交通流予測が可能になる。
なお、図1における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより交通流予測処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
車両の交通流を高精度で予測することが不可欠な用途に適用できる。
1・・・交通流予測装置、2・・・入力部、3・・・表示部、4・・・データファイル、11・・・データ入力部、12・・・シミュレーション実行部、13・・・集計QK算出部、14・・・拡大率算定部、15・・・結果判定部、16・・・パラメータ調整部

Claims (3)

  1. 観測値である時刻、緯度経度情報からなるプローブ情報、もしくは時刻、区間番号、区間通過台数、及び区間通過平均所要時間からなるプローブ交通情報から、任意に指定した区域の交通密度と交通量の関係を定量化し、該関係を用いて交通量を推定する交通流予測装置であって、
    前記区域を走行した車両のプローブ交通情報に基づき、前記区域内の交通密度と交通量の関係を示す第1の近似曲線を求める第1の近似曲線算出手段と、
    交通流シミュレーションモデルを用いて交通流シミュレーションを行った結果に基づき、前記区域内の交通密度と交通量の関係を示す第2の近似曲線を求める第2の近似曲線算出手段と、
    前記第1の近似曲線を前記第2の近似曲線に合致させるための拡大率を算定する拡大率算定手段と、
    前記第1の近似曲線を求めた際の前記区域内の交通密度と交通量の関係を示す値のそれぞれに対して、前記拡大率を乗算して得られた前記区域内の交通密度と交通量の関係を示す値が、前記第2の近似曲線を求めた際の前記区域内の交通密度と交通量の関係を示す値との距離が最小化させるための交通量とリンク容量を求めるパラメータ調整手段と、
    前記パラメータ調整手段によって求めた前記交通量と前記リンク容量を入力として前記交通流シミュレーションを実行した結果が所定の終了条件を満たすまでパラメータ調整手段による前記交通量と前記リンク容量を求める処理と前記交通流シミュレーションの実行を繰り返す結果判定手段と
    を備えたことを特徴とする交通流予測装置。
  2. 観測値である時刻、緯度経度情報からなるプローブ情報、もしくは時刻、区間番号、区間通過台数、及び区間通過平均所要時間からなるプローブ交通情報から、任意に指定した区域の交通密度と交通量の関係を定量化し、該関係を用いて交通量を推定するために、第1の近似曲線算出手段と、第2の近似曲線算出手段と、拡大率算定手段と、パラメータ調整手段と、結果判定手段とを備えた交通流予測装置が行う交通流予測方法であって、
    前記第1の近似曲線算出手段が、前記区域を走行した車両のプローブ交通情報に基づき、前記区域内の交通密度と交通量の関係を示す第1の近似曲線を求める第1の近似曲線算出ステップと、
    前記第2の近似曲線算出手段が、交通流シミュレーションモデルを用いて交通流シミュレーションを行った結果に基づき、前記区域内の交通密度と交通量の関係を示す第2の近似曲線を求める第2の近似曲線算出ステップと、
    前記拡大率算定手段が、前記第1の近似曲線を前記第2の近似曲線に合致させるための拡大率を算定する拡大率算定ステップと、
    前記パラメータ調整手段が、前記第1の近似曲線を求めた際の前記区域内の交通密度と交通量の関係を示す値のそれぞれに対して、前記拡大率を乗算して得られた前記区域内の交通密度と交通量の関係を示す値が、前記第2の近似曲線を求めた際の前記区域内の交通密度と交通量の関係を示す値との距離が最小化させるための交通量とリンク容量を求めるパラメータ調整ステップと、
    前記結果判定手段が、前記パラメータ調整ステップによって求めた前記交通量と前記リンク容量を入力として前記交通流シミュレーションを実行した結果が所定の終了条件を満たすまでパラメータ調整ステップによる前記交通量と前記リンク容量を求める処理と前記交通流シミュレーションの実行を繰り返す結果判定ステップと
    有することを特徴とする交通流予測方法。
  3. コンピュータに、請求項2に記載の交通流予測方法を実行させるための交通流予測プログラム。
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