次に、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、複数の画素からなるデジタル画像に含まれ雑音や歪みを除去する雑音除去フィルタに対して本発明を適用した場合の実施形態である。また以下の説明では、先に述べた背景技術において説明済みの概念等については、同様の名称等を用いる。
(I)本発明の原理
初めに、具体的な実施形態を説明する前に、本発明に係る基本的な原理について図1を用いて説明する。なお図1は、本発明の原理を説明するための図である。
上記背景技術と同様に、本発明においても、画像信号として入力されたデジタル画像における方形の領域が、フィルタ対象領域として設定される。例えば図1(a)に例示するように、5画素×5画素の画素Pxを含むフィルタ対象領域Fが、画像信号たるデジタル画像に含まれる各画素を中心画素として、中心画素ごとに設定される。なお図1(a)では、合計25個の画素を、それぞれ画素Px m,n(m及びnは5以下の自然数)として示している。図1(a)に例示されるフィルタ対象領域Fでは、画素Px33が上記中心画素となる。そしてフィルタ対象領域F内の各画素Pxからは、それぞれの画素Pxの輝度が取得される。
上述したように背景技術における雑音除去処理では、フィルタ対象領域F内の各画素Pxにそれぞれ対応するフィルタ係数は、図1(b)に例示するように全て同一とされていた(上記処理(5)参照)。なお、図1(b)乃至図1(f)においては、各画素Pxの輝度を( )書きの数字で示している。
このような背景技術に対して、本発明では、図1(b)に例示する背景技術の場合に加えて、図1(c)乃至図1(f)に例示するように、各画素Pxに対応するフィルタ係数を、画素Pxごとに設定(変更)可能とする。具体的に例えば、図1(c)に示すフィルタ対象領域Fの例では、中心画素Px33に対応するフィルタ係数の値を例えば「16」とし、中心画素Px33に対して上下左右に隣接する四つの画素Px23、画素Px32、画素Px34及び画素Px43にそれぞれ対応するフィルタ係数を例えば「8」とし、中心画素Px33に対して更に外側にある八つの画素Px13、画素Px22、画素Px24、画素Px31、画素Px35、画素Px42、画素Px44及び画素Px53にそれぞれ対応するフィルタ係数を例えば「4」とする。更に、画素Px12、画素Px14、画素Px21、画素Px25、画素Px41、画素Px45、画素Px52及び画素Px54にそれぞれ対応するフィルタ係数を例えば「2」とし、画素Px11、画素Px15、画素Px51及び画素Px55にそれぞれ対応するフィルタ係数を例えば「1」とする。以下同様に、図1(d)乃至図1(f)に例示するように、フィルタ対象領域Fを構成する各画素Pxに対応するフィルタ係数を、画素Pxごとに設定する。そして、図1(b)乃至図1(f)にそれぞれ例示する25個のフィルタ係数の組合せを、各々「フィルタ係数テーブル」として雑音除去フィルタ内に予め記憶しておき、これらのフィルタ係数テーブルを、デジタル画像の内容に応じて手動により又は自動に切り換えて用いるのである。
これにより、例えば図1(b)に例示する背景技術に係るフィルタ係数テーブルの場合において中心画素Px33におけるフィルタ係数の重みは、上述したように約0.04であるが、図1(c)に例示するフィルタ係数テーブルの場合においては当該フィルタ係数の重みは16÷(16+8×4+4×8+2×8+1×4)=0.16となり、また図1(d)に例示するフィルタ係数テーブルの場合においては当該フィルタ係数の重みは4÷(4+2×4+1×20)=0.125となる。更に図1(e)に例示するフィルタ係数テーブルの場合においては当該フィルタ係数の重みは4÷(4+2×4+1×8+0×12)=0.2となり、図1(f)に例示するフィルタ係数テーブルの場合においては当該フィルタ係数の重みは1÷(1+2×8+4×16)≒0.012となる。そしてこれら図1(b)乃至図1(f)に例示する場合において、フィルタ対象領域Fの範囲(大きさ)は全て同一である。即ち、図1(b)乃至図1(e)に例示するフィルタ係数テーブルでは、フィルタ対象領域Fの範囲は全て同一であるにも拘わらず、雑音除去フィルタ自体としての雑音除去強度は、図1(b)に例示するフィルタ係数テーブル→図1(c)に例示するフィルタ係数テーブル→図1(d)に例示するフィルタ係数テーブル→図1(e)に例示するフィルタ係数テーブルの順で弱くなっている。
以上の通り本発明によれば、フィルタ対象領域Fの範囲を全く変えることなく、各フィルタ係数テーブルとしての中心画素Px33におけるフィルタ係数の重み、即ち、雑音除去フィルタ自体としての中心画素Px33についての雑音除去強度を変更することができる。そして、図1(b)乃至図1(f)に例示するフィルタ係数テーブルをデジタル画像の内容に応じて手動により又は自動に切り換えることで、例えばデジタル画像における画像構成物の輪郭の明確性等を自由に制御しつつ、効果的に雑音除去処理を行うことができるのである。
なお、各フィルタ係数テーブル内におけるフィルタ係数の値は、図1(g)に例示するように、フィルタ対象領域Fにおいて中心画素Px33について対称の位置にある画素同士を同一のフィルタ係数としてもよい。図1(g)に例示する場合には、中心画素Px33について対称の位置にある、画素Px23、画素Px32、画素Px34及び画素Px43について同一のフィルタ係数とされている。また同様に、画素Px22、画素Px24、画素Px42及び画素Px44について同一のフィルタ係数とされており、画素Px13、画素Px31、画素Px35及び画素Px53について同一のフィルタ係数とされており、画素Px12、画素Px14、画素Px52及び画素Px54について同一のフィルタ係数とされており、画素Px21、画素Px25、画素Px41及び画素Px45について同一のフィルタ係数とされており、画素Px11、画素Px15、画素Px51及び画素Px55について同一のフィルタ係数とされている。このような値のフィルタ係数を含むフィルタ係数テーブルとすることで、後述するように、雑音除去フィルタとしてのハードウェア的な規模を大幅に縮小することができる。
(II)第1実施形態
次に、上述した原理に基づく本発明に係る第1実施形態について、図2及び図3を用いて説明する。なお図2は第1実施形態に係る雑音除去フィルタを示す図であり、図3は第1実施形態に係る雑音除去処理を示す図である。また以下の各実施形態におけるフィルタ対象領域Fは、図1に例示した5画素×5画素の25個の画素Pxからなるフィルタ対象領域Fであるとする。更に図3においては、例えば画素Px11の輝度は「P11」と表記されている。
図2(a)に示すように、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1は、メモリ部1と、検出手段の一例としての差分演算部2と、比較手段の一例及び特定手段の一例としての閾値判定部3と、乗算手段の一例、加算手段の一例及び制御手段の一例としての演算部4と、雑音閾値設定部5と、設定手段の一例としてのフィルタ設定部6と、選択手段の一例としての操作部7と、により構成されている。またフィルタ設定部6は、記憶手段の一例としてのテーブルメモリ60と、フィルタ係数設定部61と、により構成されている。このときテーブルメモリ60には、例えば図1(b)乃至図1(f)に例示する各フィルタ係数テーブルT1乃至Tn(nは自然数)がそれぞれ不揮発性に記憶されている。
この構成においてメモリ部1には、図2(a)及び図3に示すように、フィルタ対象領域Fを含むデジタル画像に相当する画像信号Sinが入力される。メモリ部1は、画像信号Sinの中からデジタル画像におけるフィルタ対象領域Fを構成する各画素Px(中心画素Px33を含む)の輝度を取得して、一時的に記憶する。これらの処理は上記(1)及び上記(2)にそれぞれ記載された処理に相当する(図2(b)ステップS1)。そしてメモリ部1は、記憶している各画素Pxの輝度を示す輝度情報を、メモリ信号Smとして差分演算部2に出力する。
次に差分演算部2は、中心画素Px33を含むフィルタ対象領域F内の各画素Pxの輝度を示す上記輝度情報をメモリ部1から取得し、上記(3)に相当する処理を実行する。即ち差分演算部2は、図3に模式的に示すように、中心画素Px33の輝度と、各画素Pxの輝度Pと、の差分Δを、画素Pxごとに検出し、その検出結果を画素Pxごとに差分信号Sdifとして閾値判定部3に出力する。例えば画素Px11について差分演算部2は、その輝度P11と、中心画素Px33の輝度P33と、差分Δ11を算出し、差分信号Sdifとして閾値判定部3に出力する。また例えば画素Px44について差分演算部2は、その輝度P44と、中心画素Px33の輝度P33と、差分Δ44を算出し、差分信号Sdifとして閾値判定部3に出力する。以上の処理を差分演算部2は、図3に示すようにフィルタ対象領域F内の全ての画素Pxについて実行する。
一方使用者は、例えばメモリ部1に入力される前の画像信号Sinに相当するデジタル画像を前もって図示しないディスプレイ上に表示させる等の処理により、そのデジタル画像の内容を把握し、当該把握した内容に基づいて任意にフィルタ係数テーブルT(図1(b)乃至図1(f)参照)を選択する操作を、操作部7において実行する。この操作に対応する操作信号Socは、操作部7からフィルタ設定部6のフィルタ係数設定部61に出力される。これによりフィルタ係数設定部61は、使用者の操作に対応した上記操作信号Socに基づいて、テーブルメモリ60に記憶されているフィルタ係数テーブルTの中からその時に使用者により選択されているフィルタ係数テーブルTを設定し、その設定したフィルタ係数テーブルTに含まれているフィルタ係数を、フィルタ係数信号Scとして画素Pxごとに演算部4に出力する(図2(b)ステップS2)。なお図3においては、例えば画素Px11に対応するフィルタ係数は「C11」と表記されている。
これと並行して使用者は、例えば上記ディスプレイに表示されているデジタル画像の内容に基づいて、上記(4)の雑音判定処理に係る雑音閾値を設定する操作を操作部7において実行する。この操作に対応する操作信号Sotは、操作部7から雑音閾値設定部5に出力される。これにより雑音閾値設定部5は、当該操作信号Sotに基づいて、上記(4)に相当する雑音判定処理に係る雑音閾値を設定し、閾値信号Sthとして閾値判定部3に出力する。これにより閾値判定部3は、上記(4)に相当する雑音判定処理を実行する(図2(b)ステップS3)。即ち閾値判定部3は、差分信号Sdifとして出力されてくる画素ごとの差分Δと、閾値信号Sthとして入力されてくる閾値と、を比較し、例えば閾値以上の値の差分Δに対応する画素Pxを第1実施形態に係る雑音除去処理の対象画素から除外する(図2(b)ステップS3;非雑音)。一方閾値判定部3は、例えば当該閾値未満の値の差分Δに対応する画素Pxを第1実施形態に係る雑音除去処理の対象画素とする(図2(b)ステップS3;雑音)。そして閾値判定部3は、当該対象画素とされた画素Pxについては対象画素であることを示すフラグ等を付加し、各画素Pxに対応する差分Δを、画素Pxごとに画素信号Spxとして演算部4に出力する。
次に演算部4は、フィルタ係数信号Scとしてフィルタ係数設定部61から出力されてくるフィルタ係数Cと、上記画素信号Spxとして閾値判定部3から出力されてくる差分Δと、を用いて、上記(5)に対応する乗算/加算処理及び上記(6)に相当する加算処理を実行する(図2(b)ステップS4)。即ち演算部4は、先ず画素信号Spxとして閾値判定部3から出力されてくる差分Δのうち、対象画素であることを示すフラグ等が付加されている画素Px以外の全ての他の画素Pxに対応する差分Δ又は当該全ての他の画素Pxに対応するフィルタ係数Cのいずれか一方の値をゼロとする。次に演算部4は、図3に破線で示すように、各画素Pxに対応する差分Δとフィルタ係数Cとを画素Pxごとに乗算し、画素Pxごとの乗算結果を全て加算する。このとき演算部4は、上記背景技術とは異なり、フィルタ係数信号Scとしてフィルタ係数設定部61から出力されてくるフィルタ係数C(即ち、デジタル画像ごとに使用者が選択したフィルタ係数テーブルTに含まれているフィルタ係数C)を用いて乗算処理を行う。この場合、雑音除去処理の対象画素である画素Px以外の全ての他の画素Pxについては、当該他の画素Pxに対応する差分Δ又はフィルタ係数Cのいずれか一方の値がゼロとされているので、結果として雑音除去処理の対象画素である画素Pxについてのみ、上記乗算結果が有意となる。
そして演算部4は、図3に一点鎖線で示すように、全ての画素Pxについての加算結果に対して中心画素Px33の輝度を加算し、その中心画素Px33についての(換言すれば、中心画素Px33を中心とするフィルタ対象領域Fについての)第1実施形態に係る雑音除去処理後の出力信号Soutとする。
その後演算部4は、図2(b)に示すステップS1からステップS4の処理が、デジタル画像内の全ての画素Pxを中心画素として(換言すればデジタル画像内の全てのフィルタ対象領域Fについて)行われたか否かを確認する(図2(b)ステップS5)。ステップS5の確認において全ての画素Pxについて図2(b)に示すステップS1からステップS4の処理が完了している場合(図2(b)ステップS5;YES)、演算部4は、画像信号Sinとして入力されたデジタル画像内の全ての画素に対しての雑音除去処理が終了したとして、全てのフィルタ対象領域Fについての上記出力信号Soutを当該フィルタ対象領域Fが含まれるデジタル画像に対応する出力信号Soutとして出力し、第1実施形態に係る雑音除去処理を終了する。
一方ステップS5の確認において図2(b)に示すステップS1からステップS4の処理が完了していない画素Pxがある場合(図2(b)ステップS5;NO)、演算部4は、当該完了していない新たな画素Pxを中心画素とした図2(b)に示すステップS1からステップS4の処理を実行すべく、当該ステップS1に戻る(ステップS6)。
なお、上述してきたステップS1乃至ステップS6の処理は、一のフィルタ対象領域Fについての処理である。一のフィルタ対象領域Fの全てについてステップS1乃至ステップS6の処理が終了した後は、中心画素Px33に隣接する画素Px(具体的には、図1(a)に例示する画素Px22、画素Px23、画素Px24、画素Px32、画素Px34、画素Px42、画素Px43、画素Px44のいずれか)を中心画素とした新たなフィルタ対象領域Fがメモリ部1及び差分演算部2において設定され、当該新たなフィルタ対象領域Fに対して上記ステップS1乃至ステップS6の処理が改めて実行される。そして、一のデジタル画像内に設定され得る全てのフィルタ対象領域FについてステップS1乃至ステップS6の処理が全て終了することで、当該一のデジタル画像についての第1実施形態に係る雑音除去処理が終了する。このとき第1実施形態に係るフィルタ係数テーブルTは、例えば一のフィルタ対象領域Fごとに切り換えるように構成することもできるし、例えば連続する複数のフィルタ対象領域Fごとに纏めて切り換えるように構成することもできる。
以上説明したように、第1実施形態の雑音除去フィルタS1の動作によれば、デジタル画像に含まれるフィルタ対象領域Fに対する雑音除去処理において差分Δに乗算されるフィルタ係数Cを、デジタル画像の内容に基づいて使用者が設定可能となっているので、デジタル画像ごとに最適なフィルタ係数Cに設定することで、汎用性が高く且つ効果的な雑音除去処理を当該デジタル画像について行うことができる。
また、使用者の操作によるフィルタ係数Cの設定が可能であるので、使用者の嗜好等に応じた効果的な雑音除去処理をデジタル画像について行うことができる。
更に、フィルタ係数テーブルTが複数種類記憶されており、これらをデジタル画像の内容に基づいて切り換えて乗算処理に供させるので、簡易な構成でフィルタ係数Cを変更することができる。
なお、第1実施形態に係る演算部4において実行される上記(5)に対応する乗算処理において、各画素Pxに対応する差分Δとフィルタ係数Cとを画素Pxごとに乗算する場合(図3参照)、例えば図1(b)乃至図1(f)に例示するようにフィルタ係数Cを画素Pxごとに考慮したときには、フィルタ対象領域Fを構成する画素Pxの数(図1に例示する場合は25個)の乗算器が演算部4内に必要となる。しかしながら、図1(g)に例示したようにフィルタ対象領域Fにおいて中心画素Px33について対称の位置にある画素Px同士を同一のフィルタ係数Cとする場合には、同一のフィルタ係数Cに対応する画素Pxについての差分Δを全て加算した後に当該同一のフィルタ係数Cに乗算すれば、結果として、画素Pxごとに逐一乗算をした場合と同じ乗算結果が得られる。従って図1(g)に例示する場合、フィルタ係数Cとしては中心画素Px33に対応するフィルタ係数C33を入れても合計7種類であるので、乗算器は7個で済む。更に、中心画素Px33に対応する差分Δ33は当然にゼロであるので、これを考慮すると、演算部4内の乗算器は更に6個まで減らすことができることになる。このように、例えば図1(g)に例示する態様のフィルタ係数テーブルTを用いる場合には、フィルタ係数Cが中心画素Px33に対して相互に対称の位置にある他の画素Pxにおいて同一とされるので、雑音除去フィルタS1として必要となるハードウェア的な規模(具体的には乗算器の数)を大幅に縮小することができる。
(III)第2実施形態
次に、本発明に係る他の実施形態である第2実施形態について、図4及び図5を用いて説明する。なお図4は第2実施形態に係る雑音除去フィルタを示す図であり、図5は第2実施形態並びに後述する第3実施形態及び第4実施形態に係る暗部判定処理を説明する図である。また第2実施形態に係る雑音除去フィルタを説明するに当たり、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1における部材及び処理と同一の部材及び処理については、同一の部材番号及びステップ番号を使用して、細部の説明は省略する。
第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1では、各画素Pxに対応するフィルタ係数Cについては、使用者が当該画素Pxを含むデジタル画像を実際に見つつ、フィルタ対象領域Fごとに最適なフィルタ係数テーブルTを設定する構成とした。これに対して第2実施形態及び後述する第3実施形態及び第4実施形態では、デジタル画像内に含まれる雑音の種類及びその種類に対応した特性を考慮して、各画素Pxに対応する差分Δに乗算するフィルタ係数Cを設定する。
即ち上記背景技術で述べたように、画像信号Sinに含まれる雑音には、主として撮像素子の構造上の原因からデジタル画像に含まれることとなる雑音と、デジタル化のためのブロック符号化処理が施されることに起因するブロックノイズがある。この場合前者は、いわゆる暗電流雑音と称されるものが代表的である。なお以下の説明では、暗電流雑音を含む画素Pxを中心画素とするフィルタ対象領域Fを、デジタル画像における「暗部」と称する。以下に説明する第2実施形態乃至第4実施形態では、これらの雑音それぞれの特性を考慮してフィルタ係数Cを切り換えることにより、より効果的な雑音除去処理を行う。
図4(a)に示すように、第2実施形態に係る雑音除去フィルタS2は、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1に対して、フィルタ対象領域F内の各画素Pxのうち上記暗電流雑音を含む画素Pxを検出する暗部検出手段の一例としての暗部判定部10と、上記暗電流雑音を含む画素Pxを暗部判定部10において検出する際の閾値となる暗部閾値を、操作部7における使用者の操作に基づいて設定する暗部閾値設定部11と、を備えている。
この構成において使用者は、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1と同様の雑音閾値の設定操作に加えて、例えば上記ディスプレイに表示されているデジタル画像の内容に基づいて、上記暗部閾値を設定する操作を操作部7において実行する。この操作に対応する操作信号Sodは、操作部7から暗部閾値設定部11に出力される。これにより暗部閾値設定部11は、当該操作信号Sodに基づいて上記暗部閾値を設定し暗部判定部10に出力する。そして暗部判定部10は、メモリ部1からメモリ信号Smとして出力されてくる輝度情報に基づき、デジタル画像において(換言すれば、フィルタ対象領域Fにおいて)暗部閾値設定部11により設定された暗部閾値よりも暗い輝度を有することで暗電流雑音が含まれていると思われる画素Pxを中心画素とする暗部を検出し、検出された暗部における例えば中心画素のデジタル画像内の位置を示す暗部信号Sdcを生成してフィルタ係数設定部61に出力する(図4(b)ステップS10)。なお、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1において操作部7からフィルタ係数設定部61に出力されていた操作信号Socは、第2実施形態に係る雑音除去フィルタS2では出力されない。
ここで暗部判定部10における暗部判定処理について、図5を用いて説明する。例えば図5(a)に例示するようなデジタル画像Gが画像信号Sinとして入力されたとき、これに対応するメモリ信号Smが入力される暗部判定部10はデジタル画像Gにおける上記暗部を検出する。図5(b)では、デジタル画像Gにおける左下部、下辺部及び右下部に複数の暗部Dが検出されている。そして暗部判定部10は、検出された暗部における例えば中心画素のデジタル画像G内の位置等を示す暗部信号Sdcを生成して、フィルタ係数設定部61に出力する。
これによりフィルタ係数設定部61は、上記暗部信号Sdcに基づいて、テーブルメモリ60に記憶されているフィルタ係数テーブルTの中からいずれかのフィルタ係数テーブルTを設定し、その設定したフィルタ係数テーブルTに含まれているフィルタ係数Cを、フィルタ係数信号Scとして画素Pxごとに演算部4に出力する(図4(b)ステップS11及びS12)。具体的にフィルタ係数設定部61は、例えば、暗部に対応させるべきフィルタ係数テーブルTとしてフィルタ係数テーブルTmが予め設定されており、また暗部以外のフィルタ対象領域F(換言すれば、明部と判定されるフィルタ対象領域F)に対応させるべきフィルタ係数テーブルTとしてフィルタ係数テーブルTnが予め設定されている場合、暗部信号Sdcにより暗部であるとされているフィルタ対象領域Fについては、フィルタ係数テーブルTmに含まれているフィルタ係数Cをフィルタ係数信号Scとして演算部4に出力する(図4(b)ステップS11)。またフィルタ係数設定部61は、暗部信号Sdcにより暗部であるとされているフィルタ対象領域F以外の他のフィルタ対象領域F(言い換えれば、暗電流雑音以外のブロックノイズが含まれていると考えられるフィルタ対象領域F)については、フィルタ係数テーブルTnに含まれているフィルタ係数Cをフィルタ係数信号Scとして演算部4に出力する(図4(b)ステップS12)。
これらにより演算部4は、出力されてきたフィルタ係数信号Scに基づいて、上記(5)に対応する乗算/加算処理及び上記(6)に相当する加算処理を実行する(図4(b)ステップS4)。
以上説明したように、第2実施形態に係る雑音除去フィルタS2の動作によれば、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1の動作による効果に加えて、デジタル画像Gに含まれる暗部を検出し、その検出された暗部と、デジタル画像Gの内容と、に基づいてフィルタ係数Cを設定するので、暗電流雑音及びブロックノイズそれぞれの特性を考慮して、より効果的な雑音除去処理を行うことができる。
(IV)第3実施形態
次に、本発明に係る他の実施形態である第3実施形態について、図6を用いて説明する。なお図6は第3実施形態に係る雑音除去フィルタを示す図である。また第3実施形態に係る雑音除去フィルタを説明するに当たり、第2実施形態に係る雑音除去フィルタS2における部材及び処理と同一の部材及び処理については、同一の部材番号及びステップ番号を使用して、細部の説明は省略する。
第2実施形態に係る雑音除去フィルタS2では、各画素Pxに対応するフィルタ係数Cについて、これを暗部判定部10における暗部か否かの判定結果に応じて切り換える構成とした。これに対して第3実施形態に係る雑音除去フィルタでは、閾値判定部3における雑音判定処理に用いられる雑音閾値を、暗部判定部10における暗部か否かの判定結果に応じて切り換える。なお、第3実施形態に係る雑音除去フィルタS3における各画素Pxに対応するフィルタ係数Cについては、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1と同一の構成により切り換える。
即ち図6(a)に示すように、第3実施形態に係る雑音除去フィルタS3は、第2実施形態に係る雑音除去フィルタS2は、雑音閾値設定部5と、閾値メモリ51と、を含む閾値設定部50を備えている。このとき閾値メモリ51には、異なる雑音閾値である複数の雑音閾値H1乃至Hn(nは自然数)がそれぞれ不揮発性に記憶されている。そして、第2実施形態に係る雑音除去フィルタS2における暗部信号Sdcは、第3実施形態に係る雑音除去フィルタS3では、フィルタ係数設定部61ではなく雑音閾値設定部5に出力されている。
この構成において使用者は、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1と同様のフィルタ係数テーブルTの選択操作に加えて、第2実施形態に係る雑音除去フィルタS2と同様の暗部閾値設定操作を操作部7において実行する。そして暗部判定部10は、第2実施形態に係る暗部判定処理と同様の暗部判定処理を行い、上記暗部信号Sdcを生成して雑音閾値設定部5に出力する(図6(b)ステップS10)。
これにより雑音閾値設定部5は、上記暗部信号Sdcに基づいて、閾値メモリ51に記憶されている雑音閾値Hの中からいずれかの雑音閾値Hを設定し、その設定した雑音閾値Hを雑音閾値信号Shとして暗部ごとに閾値判定部3に出力する(図6(b)ステップS15及びS16)。具体的に雑音閾値設定部5は、例えば、暗部に対応させるべき雑音閾値Hとして第m雑音閾値Hmが予め設定されており、また暗部以外のフィルタ対象領域Fに対応させるべき雑音閾値Hとして第n雑音閾値Hnが予め設定されている場合、暗部信号Sdcにより暗部であるとされているフィルタ対象領域Fについては第m雑音閾値Hmを雑音閾値信号Shとして閾値判定部3に出力する(図6(b)ステップS15)。また雑音閾値設定部5は、暗部信号Sdcにより暗部であるとされているフィルタ対象領域F以外の他のフィルタ対象領域Fについては第n雑音閾値Hnを雑音閾値信号Shとして閾値判定部3に出力する(図6(b)ステップS16)。
これらにより閾値判定部3は、出力されてきた雑音閾値Hに基づいて、上記(4)に対応する雑音判定処理を、フィルタ対象領域Fごとに実行する(図6(b)ステップS4)。
以上説明したように、第3実施形態に係る雑音除去フィルタS3の動作によれば、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1の動作による効果に加えて、デジタル画像Gに含まれる暗部を検出し、その検出された暗部と、デジタル画像Gの内容と、に基づいて雑音閾値Hを設定するので、より効果的な雑音除去処理を行うことができる。
(V)第4実施形態
次に、本発明に係る他の実施形態である第4実施形態について、図7を用いて説明する。なお図7は第4実施形態に係る雑音除去フィルタを示す図である。また第4実施形態に係る雑音除去フィルタを説明するに当たり、第3実施形態に係る雑音除去フィルタS3における部材及び処理と同一の部材及び処理については、同一の部材番号及びステップ番号を使用して、細部の説明は省略する。
第4実施形態に係る雑音除去フィルタでは、上記第2実施形態に係る雑音除去フィルタS2及び上記第3実施形態に係る雑音除去フィルタS3それぞれにおける処理を組み合わせ、演算部4における上記(5)に対応する乗算処理に用いられるフィルタ係数C及び閾値判定部3における上記(4)に相当する雑音判定処理に用いられる雑音閾値の双方を、暗部判定部10における暗部か否かの判定結果に応じて切り換える。
即ち図7(a)に示すように、第4実施形態に係る雑音除去フィルタS4では、第3実施形態に係る雑音除去フィルタS3における暗部信号Sdcが、フィルタ係数設定部61にも出力されている。なお第4実施形態に係る雑音除去フィルタS4では、操作部7からのフィルタ係数設定部61への操作信号Soc及び雑音閾値設定部5への操作信号Sotは、共に出力されない。
この構成において使用者は、第2実施形態に係る雑音除去フィルタS2と同様の暗部閾値設定操作のみを、操作部7において実行する。そして暗部判定部10は、第2実施形態に係る暗部判定処理と同様の暗部判定処理を行い、上記暗部信号Sdcを生成して、雑音閾値設定部5及びフィルタ係数設定部61に出力する(図7(b)ステップS10)。
これにより雑音閾値設定部5は、第3実施形態に係る雑音除去フィルタS3と同様に、上記暗部信号Sdcに基づいて、閾値メモリ51に記憶されている雑音閾値Hの中からいずれかの雑音閾値Hを設定し、その設定した雑音閾値Hを雑音閾値信号Shとして暗部ごとに閾値判定部3に出力する(図7(b)ステップS15及びS16)。またフィルタ係数設定部61は、第2実施形態に係る雑音除去フィルタS2と同様に、上記暗部信号Sdcに基づいて、テーブルメモリ60に記憶されているフィルタ係数テーブルTの中からいずれかのフィルタ係数テーブルTを設定し、その設定したフィルタ係数テーブルTに含まれているフィルタ係数Cを、フィルタ係数信号Scとして画素Pxごとに演算部4に出力する(図7(b)ステップS17及びS18)。
これらにより閾値判定部3は、出力されてきた雑音閾値信号Shに基づいて、上記(4)に対応する雑音判定処理を、フィルタ対象領域Fごとに実行する(図7(b)ステップS4)。また演算部4は、出力されてきたフィルタ係数信号Scに基づいて、上記(5)に対応する乗算/加算処理及び上記(6)に相当する加算処理を実行する(図7(b)ステップS4)。
以上説明したように、第4実施形態に係る雑音除去フィルタS4の動作によれば、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1の動作による効果に加えて、デジタル画像Gに含まれる暗部を検出し、その検出された暗部と、デジタル画像Gの内容と、に基づいて雑音閾値H及びフィルタ係数Cを設定するので、より効果的な雑音除去処理を行うことができる。
なお、上述してきた第2実施形態及び第4実施形態においては、演算部4における上記(5)に対応する乗算処理に用いられるフィルタ係数Cを、暗部判定部10における暗部か否かの判定結果に応じて切り換える構成とした。また第3実施形態においては、閾値判定部3における上記(4)に相当する雑音判定処理に用いられる雑音閾値を当該暗部か否かの判定結果に応じて切り換えると共に、演算部4における上記(5)に対応する乗算処理に用いられるフィルタ係数Cを第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1と同一の構成により切り換えることとした。しかしながらこれ以外に、例えば、暗部判定部10における暗部か否かの判定結果に応じて、暗部と判定されたフィルタ対象領域Fに対してのみ第1実施形態乃至第4実施形態に係る雑音除去処理を施し、暗部と判定されたフィルタ対象領域F以外の他のフィルタ対象領域Fについては当該雑音除去処理を施さない(より具体的には、当該他のフィルタ対象領域Fについては、例えば第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1におけるメモリ信号Smに対する差分演算部2以降の処理を全てバイパスさせる)ように構成することもできる。なおこの場合、暗部と判定されたフィルタ対象領域Fとそれ以外の他のフィルタ対象領域Fとの間では、雑音除去処理の実行の有無に起因する処理時間差が発生する場合がある。このため、このような処理時間差が発生する場合には、例えば演算部4により、当該処理時間差をキャンセルしてデジタル画像Gとして部分的な欠落等がないようにするための処理が必要となることに留意する。
(VI)第5実施形態
次に、本発明に係る他の実施形態である第5実施形態について、図8及び図9を用いて説明する。なお図8は第5実施形態及び後述する第6実施形態に係る領域判定処理を説明する図であり、図9は第5実施形態に係る雑音除去フィルタを示す図である。また第5実施形態に係る雑音除去フィルタを説明するに当たり、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1における部材及び処理と同一の部材及び処理については、同一の部材番号及びステップ番号を使用して、細部の説明は省略する。
第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1では、各画素Pxに対応するフィルタ係数Cについては、使用者が当該画素Pxを含むデジタル画像を実際に見つつ、フィルタ対象領域Fごとに最適なフィルタ係数テーブルTを設定する構成とした。これに対して第5実施形態及び後述する第6実施形態では、デジタル画像内の領域ごとに、各画素Pxに対応する差分Δに乗算するフィルタ係数Cを設定する。
即ち、本発明に係るフィルタ係数Cは、図8(a)に例示するデジタル画像Gに対して、そのデジタル画像Gの全体に対して同じフィルタ係数Cを適用することができる。これに対して第5実施形態及び後述する第6実施形態では、図8(c)に例示するように、デジタル画像Gを例えば八つの画像領域Ga乃至Ghに分割し、当該分割した画像領域Ga等ごとにフィルタ係数Cを変更して設定する。以下に説明する第5実施形態及び第6実施形態では、これらのデジタル画像G内の画像領域Ga等を考慮してフィルタ係数C等を切り換えることにより、より効果的な雑音除去処理を行う。
図9(a)に示すように、第5実施形態に係る雑音除去フィルタS5は、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1に対して、デジタル画像G内の画像領域Ga等を検出する判定手段の一例としての領域判定部20を備えている。
この構成において使用者は、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1と同様の雑音閾値の設定操作に加えて、例えば上記ディスプレイに表示されているデジタル画像の内容に基づいて、上記画像領域Ga等の境界等を設定する操作を操作部7において実行する。この操作に対応する操作信号Soaは、操作部7から領域判定部20に出力される。これにより領域判定部20は、当該操作信号Soaに基づいて上記領域Ga等をデジタル画像G内において識別するための領域信号Sscを生成してフィルタ係数設定部61に出力する(図9(b)ステップS20)。なお、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1において操作部7からフィルタ係数設定部61に出力されていた操作信号Socは、第5実施形態に係る雑音除去フィルタS5では出力されない。
これによりフィルタ係数設定部61は、上記領域信号Sscに基づいて、テーブルメモリ60に記憶されているフィルタ係数テーブルTの中から、画像領域Ga等に対応付けられたフィルタ係数テーブルTのいずれかを設定し、その設定したフィルタ係数テーブルTに含まれているフィルタ係数Cを、フィルタ係数信号Scとして画素Pxごとに演算部4に出力する(図9(b)ステップS11及びS12)。具体的にフィルタ係数設定部61は、図8(c)に例示する例えば画像領域Gaに対応させるべきフィルタ係数テーブルTとしてフィルタ係数テーブルTmが予め設定されており、また他の画像領域Gbに対応させるべきフィルタ係数テーブルTとしてフィルタ係数テーブルTnが予め設定されている場合、領域信号Sscにより画像領域Gaが示されているときには、当該画像領域Gaに含まれているフィルタ対象領域Fについてはフィルタ係数テーブルTmに含まれているフィルタ係数Cをフィルタ係数信号Scとして演算部4に出力する(図9(b)ステップS11)。またフィルタ係数設定部61は、領域信号Sscにより画像領域Gbが示されているときには、当該画像領域Gbに含まれているフィルタ対象領域Fについてはフィルタ係数テーブルTnに含まれているフィルタ係数Cをフィルタ係数信号Scとして演算部4に出力する(図9(b)ステップS12)。
これらにより演算部4は、出力されてきたフィルタ係数信号Scに基づいて、上記(5)に対応する乗算/加算処理及び上記(6)に相当する加算処理を実行する(図9(b)ステップS4)。
以上説明したように、第5実施形態に係る雑音除去フィルタS5の動作によれば、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1の動作による効果に加えて、フィルタ係数Cがデジタル画像Gにおける画像領域Ga等に対応付けられており、デジタル画像Gの内容と、当該画像領域Ga等と、に基づいてフィルタ係数Cを設定するので、デジタル画像Gの画像領域Ga等の特性を考慮して、より効果的な雑音除去処理を行うことができる。
(VII)第6実施形態
次に、本発明に係る他の実施形態である第6実施形態について、図10を用いて説明する。なお図10は第6実施形態に係る雑音除去フィルタを示す図である。また第6実施形態に係る雑音除去フィルタを説明するに当たり、第5実施形態に係る雑音除去フィルタS5における部材及び処理と同一の部材及び処理については、同一の部材番号及びステップ番号を使用して、細部の説明は省略する。
第5実施形態に係る雑音除去フィルタS5では、各画素Pxに対応するフィルタ係数Cについて、これを領域判定部20において判定された画像領域Ga等に応じて切り換える構成とした。これに加えて第6実施形態に係る雑音除去フィルタでは、閾値判定部3における雑音判定処理に用いられる雑音閾値をも、領域判定部20において判定された画像領域Ga等に応じて切り換える。
即ち図10に示すように、第6実施形態に係る雑音除去フィルタS6は、第5実施形態に係る雑音除去フィルタS5に対して、雑音閾値設定部5と、閾値メモリ51と、を含む閾値設定部50を備えている。このとき閾値メモリ51には、図7に示した第4実施形態に係る雑音除去フィルタS4の場合と同様に、異なる雑音閾値である複数の雑音閾値H1乃至Hn(nは自然数)がそれぞれ不揮発性に記憶されている。そして、第6実施形態に係る雑音除去フィルタS6における領域信号Sscは、フィルタ係数設定部61だけではなく雑音閾値設定部5にも出力されている。
この構成において使用者は、第5実施形態に係る雑音除去フィルタS5と同様の画像領域設定操作を操作部7において実行する。そして領域判定部20は、第5実施形態に係る領域判定部20と同様の処理を行い、上記領域信号Sscを生成して雑音閾値設定部5及びフィルタ係数設定部61にそれぞれ出力する。
これにより雑音閾値設定部5は、上記領域信号Sscに基づいて、閾値メモリ51に記憶されている雑音閾値Hの中からいずれかの雑音閾値Hを設定し、その設定した雑音閾値Hを雑音閾値信号Shとして画像領域Ga等に応じて閾値判定部3に出力する。具体的に雑音閾値設定部5は、図8(c)に例示する例えば画像領域Gaに対応させるべき雑音閾値として第m雑音閾値Hmが予め設定されており、また他の画像領域Gbに対応させるべき雑音閾値として第n雑音閾値Hnが予め設定されている場合、領域信号Sscにより画像領域Gaが示されているときには、当該画像領域Gaに含まれているフィルタ対象領域Fについては第m雑音閾値Hmを雑音閾値信号Shとして閾値判定部3に出力する。また雑音閾値設定部5は、領域信号Sscにより画像領域Gbが示されているときには、当該画像領域Gbに含まれているフィルタ対象領域Fについては第n雑音閾値Hnを雑音閾値信号Shとして閾値判定部3に出力する。またフィルタ係数設定部61は、第5実施形態に係る雑音除去フィルタS5と同様に、上記領域信号Sscに基づいて、テーブルメモリ60に記憶されているフィルタ係数テーブルTの中からいずれかのフィルタ係数テーブルTを設定し、その設定したフィルタ係数テーブルTに含まれているフィルタ係数Cを、フィルタ係数信号Scとして画素Pxごとに演算部4に出力する。
これらにより閾値判定部3は、出力されてきた雑音閾値信号Shに基づいて、上記(4)に対応する雑音判定処理を、フィルタ対象領域Fごとに実行する。また同様に演算部4は、出力されてきたフィルタ係数信号Scに基づいて、上記(5)に対応する乗算/加算処理及び上記(6)に相当する加算処理を実行する。
以上説明したように、第6実施形態に係る雑音除去フィルタS6の動作によれば、第5実施形態に係る雑音除去フィルタS5の動作による効果に加えて、デジタル画像Gの内容と、当該画像領域Ga等と、に基づいてフィルタ係数C及び雑音閾値を設定するので、デジタル画像Gの画像領域Ga等の特性を考慮して、より効果的な雑音除去処理を行うことができる。
(VIII)第7実施形態
次に、本発明に係る他の実施形態である第7実施形態について、図11及び図12を用いて説明する。なお図11は第7実施形態及び後述する第8実施形態に係る暗電流雑音検出処理を説明する図であり、図12は第7実施形態に係る雑音除去フィルタを示す図である。また第7実施形態に係る雑音除去フィルタを説明するに当たり、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1における部材及び処理と同一の部材及び処理については、同一の部材番号及びステップ番号を使用して、細部の説明は省略する。
上述してきた第1実施形態乃至第6実施形態においては、例えば実際にデジタル画像を見た使用者の目視評価等により、フィルタ係数C又は雑音閾値Hを設定する構成としていたが、以下に説明する第7実施形態及び後述する第8実施形態乃至第10実施形態においては、デジタル画像の内容に基づき、フィルタ係数C又は雑音閾値Hを自動で設定する構成とする。
初めに、以下に説明する第7実施形態及び後述する第8実施形態では、デジタル画像内に含まれている上記暗電流雑音の状態に基づいて、各画素Pxに対応する差分Δに乗算するフィルタ係数C又は雑音閾値Hを自動で設定する。
即ち、一般に暗電流雑音は、デジタル画像としての一つのフレームに依存せずに発生する。よって、最低でも二つのフレームのデジタル画像Gを取得してその差分を算出すれば、暗電流雑音が含まれているデジタル画像Gの部分(以下、当該部分を「暗電流雑音部分」と称する)を検出できる。具体的に例えば、図11(a)に例示する一フレーム分のデジタル画像G1と、図11(b)に例示する一フレーム分のデジタル画像G2と、が連続するフレームの関係にあるとする。そして図11(a)及び図11(b)において、白斑点部分に暗電流雑音が発生しているとする。これら二つのフレームのデジタル画像G1及びデジタル画像G2の差分を算出した場合、図11(c)に示すようにデジタル画像G1における暗電流雑音を含む暗電流雑音部分BN1と、デジタル画像G2における暗電流雑音を含む暗電流雑音部分BN2と、が検出できる。そして、第7実施形態及び後述する第8実施形態では、この暗電流雑音部分BNの検出状況に応じてフィルタ係数Cを変更して設定する。以下に説明する第7実施形態及び第8実施形態では、これらの暗電流雑音を検出してフィルタ係数Cを切り換えることにより、自動的にフィルタ係数Cを適切に設定して効果的な雑音除去処理を行う。
図12(a)に示すように、第7実施形態に係る雑音除去フィルタS7は、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1に対して、デジタル画像G内の暗電流雑音を検出する暗電流雑音検出部30を備えている。また演算部4から出力された出力信号Soutが、それに含まれている(雑音除去処理後の)デジタル画像Gにおける暗電流雑音の発生状況の評価のため、暗電流雑音検出部30にフィードバックされている。
この構成において使用者は、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1と同様の雑音閾値の設定操作に加えて、後述するように一つのデジタル画像G内において許容される暗電流雑音部分BNの数等(以下、当該暗電流雑音部分BNの数等を「許容数」と称する)を指定する操作を操作部7において実行する。この操作に対応する操作信号Sonは、操作部7から暗電流雑音検出部30に出力される。これにより暗電流雑音検出部30は、当該操作信号Sonに基づき、フィルタ係数テーブルTを指定するためのテーブル指定信号Sncを生成してフィルタ係数設定部61に出力する(図12(b)ステップS30)。なお、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1において操作部7からフィルタ係数設定部61に出力されていた操作信号Socは、第7実施形態に係る雑音除去フィルタS7では出力されない。
これによりフィルタ係数設定部61は、上記テーブル指定信号Sncにより示されるフィルタ係数テーブルTを、テーブルメモリ60に記憶されているフィルタ係数テーブルTの中から選択して設定し、その設定したフィルタ係数テーブルTに含まれているフィルタ係数Cを、フィルタ係数信号Scとして画素Pxごとに演算部4に出力する(図12(b)ステップS30)。
これにより演算部4は、出力されてきたフィルタ係数信号Scに基づいて、上記(5)に対応する乗算/加算処理及び上記(6)に相当する加算処理を実行する(図12(b)ステップS4)。
ここで暗電流雑音検出部30は、メモリ部1から出力されてくるメモリ信号Smに基づいて、最初は雑音除去強度が最も弱い(即ち中心画素におけるフィルタ係数Cの重みが大きい)フィルタ係数Cを含むフィルタ係数テーブルTを指定するように上記テーブル指定信号Sncを設定してフィルタ係数設定部61に出力する。そして、当該指定したフィルタ係数テーブルTを用いた雑音除去処理が実行された結果として生成された出力信号Soutが演算部4からフィードバックされると、暗電流雑音検出部30は、それに含まれている暗電流雑音部分BNを改めて検出し、その検出された数が操作信号Sonにより指定された許容数より多い場合には、一段階雑音除去強度が強いフィルタ係数Cを含むフィルタ係数テーブルTを指定するように上記テーブル指定信号Sncを再設定してフィルタ係数設定部61に再度出力する。以上の処理が、演算部4からフィードバックされる出力信号Soutに含まれる暗電流雑音部分BNの数が許容数以下となるまで自動的に繰り返される。そして演算部4からフィードバックされる出力信号Soutに含まれる暗電流雑音部分BNの数が許容数以下となったとき、その時のフィルタ係数テーブルTがその時のフィルタ対象領域Fについては適切なフィルタ係数テーブルTであるとして、以後の当該フィルタ対象領域Fを含むデジタル画像Gに対する雑音除去処理は、そのフィルタ係数テーブルTを用いてフィルタ対象領域Fごとに実行される。このフィルタ係数テーブルTの設定処理は、一のデジタル画像Gごとに実行しても良いし、数フレーム分のデジタル画像Gごとに纏めて行うようにしてもよい。
以上説明したように、第7実施形態に係る雑音除去フィルタS7の動作によれば、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1の動作による効果に加えて、フィルタ係数Cがデジタル画像Gにおける暗電流雑音部分BNの数に対応付けられており、デジタル画像Gの内容と、それに含まれる暗電流雑音部分BNの数と、に基づいてフィルタ係数Cを自動的に設定するので、デジタル画像Gの特性を考慮して、より効果的な雑音除去処理を行うことができる。
(IX)第8実施形態
次に、本発明に係る他の実施形態である第8実施形態について、図13を用いて説明する。なお図13は第8実施形態に係る雑音除去フィルタを示す図である。また第8実施形態に係る雑音除去フィルタを説明するに当たり、第7実施形態に係る雑音除去フィルタS7における部材及び処理と同一の部材及び処理については、同一の部材番号及びステップ番号を使用して、細部の説明は省略する。
第7実施形態に係る雑音除去フィルタS7では、各画素Pxに対応するフィルタ係数Cについて、これをデジタル画像Gに含まれる暗電流雑音部分BNの数に応じて切り換える構成とした。これに加えて第8実施形態に係る雑音除去フィルタでは、閾値判定部3における雑音判定処理に用いられる雑音閾値をも、上記暗電流雑音部分BNの数に応じて自動的に切り換える。
即ち図13に示すように、第8実施形態に係る雑音除去フィルタS8は、第7実施形態に係る雑音除去フィルタS7に対して、雑音閾値設定部5と、閾値メモリ51と、を含む閾値設定部50を備えている。このとき閾値メモリ51には、図7に示した第4実施形態に係る雑音除去フィルタS4の場合と同様に、異なる雑音閾値である複数の雑音閾値H1乃至Hn(nは自然数)がそれぞれ不揮発性に記憶されている。そして、第8実施形態に係る雑音除去フィルタS8におけるテーブル指定信号Sncは、フィルタ係数設定部61だけではなく雑音閾値設定部5にも出力されている。これにより雑音閾値設定部5は、当該テーブル指定信号Sncに対応する雑音閾値Hを設定する。
この構成において使用者は、第7実施形態に係る雑音除去フィルタS7と同様の許容数指定操作を操作部7において実行する。そして暗電流雑音検出部30は、第7実施形態に係る暗電流雑音検出部30と同様の処理を行い、上記テーブル指定信号Sncを生成して、雑音閾値設定部5及びフィルタ係数設定部61にそれぞれ出力する。
これにより雑音閾値設定部5は、上記テーブル指定信号Sncに基づいて、閾値メモリ51に記憶されている雑音閾値Hの中から当該テーブル指定信号Sncに対応するいずれかの雑音閾値Hを設定し、その設定した雑音閾値Hを雑音閾値信号Shとしてデジタル画像Gごとに閾値判定部3に出力する。具体的に雑音閾値設定部5は、例えば雑音除去強度が最も弱いフィルタ係数Cを含むフィルタ係数テーブルTの指定に対応させるべき雑音閾値として第m雑音閾値Hmが予め設定されている場合、最初にその第m雑音閾値Hmを雑音閾値信号Shとして閾値判定部3に出力する。一方フィルタ係数設定部61は、第7実施形態に係る雑音除去フィルタS7と同様に、上記テーブル指定信号Sncに基づいて、テーブルメモリ60に記憶されているフィルタ係数テーブルTの中からいずれかのフィルタ係数テーブルTを設定し、その設定したフィルタ係数テーブルTに含まれているフィルタ係数Cを、フィルタ係数信号Scとして画素Pxごとに演算部4に出力する。
これらにより閾値判定部3は、出力されてきた雑音閾値信号Shに基づいて、上記(4)に対応する雑音判定処理を、フィルタ対象領域Fごとに実行する。また同様に演算部4は、出力されてきたフィルタ係数信号Scに基づいて、上記(5)に対応する乗算/加算処理及び上記(6)に相当する加算処理を実行する。
以上説明したように、第8実施形態に係る雑音除去フィルタS8の動作によれば、第7実施形態に係る雑音除去フィルタS7の動作による効果に加えて、デジタル画像Gの内容と、暗電流雑音部分BNの数と、に基づいてフィルタ係数C及び雑音閾値Hを設定するので、デジタル画像Gの特性を考慮して、より効果的な雑音除去処理を行うことができる。
(X)第9実施形態
次に、本発明に係る他の実施形態である第9実施形態について、図14を用いて説明する。なお図14は第9実施形態に係る雑音除去フィルタを示す図である。また第9実施形態に係る雑音除去フィルタを説明するに当たり、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1における部材及び処理と同一の部材及び処理については、同一の部材番号及びステップ番号を使用して、細部の説明は省略する。更に、以下に説明する第9実施形態及び後述する第10実施形態においては、フィルタ係数C又は雑音閾値Hを自動で設定する構成の他の例として、デジタル画像Gが準拠すべき規格(例えば、いわゆるファイル形式)に基づいて、フィルタ係数C又は雑音閾値Hを自動で設定する。
即ち、デジタル画像Gに含まれる雑音が、そのデジタル画像Gのファイル形式等の規格に対応している場合がある。そこで、以下に説明する第9実施形態及び後述する第10実施形態においては、当該規格に応じて発生する雑音を予め統計的に解析しておき、その雑音に対して適用されるべきフィルタ係数テーブルT(又は雑音閾値H)を予め決定しておく。そして、デジタル画像Gとしての規格を使用者による操作又はそのファイル自体のヘッダ情報等を用いた自動認識により指定し、その指定された規格に対応してフィルタ係数C等を切り換えることにより、より効果的な雑音除去処理を自動的に行う。
図14に示すように、第9実施形態に係る雑音除去フィルタS9は、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1に対してパラメータ選択部40を備えている。
この構成において使用者は、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1と同様の雑音閾値の設定操作に加えて、画像信号Sinとして入力されるデジタル画像Gの規格を指定する操作を操作部7において実行する。この操作に対応する操作信号Sopは、操作部7からパラメータ選択部40に出力される。ここでパラメータ選択部40は、上述したファイル形式等の規格に対応して発生する雑音に対して適用されるべきフィルタ係数テーブルTを示す情報を、予め記憶している。そしてパラメータ選択部40は、当該操作信号Sopにより示される規格に適用されるべきフィルタ係数テーブルTを識別するための識別信号Spcを生成して、フィルタ係数設定部61に出力する。なお、第9実施形態に係る雑音除去フィルタS9のテーブルメモリ60に記憶されている各フィルタ係数テーブルTは、いずれかの上記規格に対応したフィルタ係数テーブルTである。また、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1において操作部7からフィルタ係数設定部61に出力されていた操作信号Socは、第9実施形態に係る雑音除去フィルタS9では出力されない。
これによりフィルタ係数設定部61は、テーブルメモリ60に記憶されているフィルタ係数テーブルTの中から、上記識別信号Spcにより識別されるフィルタ係数テーブルTを設定し、その設定したフィルタ係数テーブルTに含まれているフィルタ係数Cを、フィルタ係数信号Scとして画素Pxごとに演算部4に出力する。
これにより演算部4は、出力されてきたフィルタ係数信号Scに基づいて、上記(5)に対応する乗算/加算処理及び上記(6)に相当する加算処理を実行する。
以上説明したように、第9実施形態に係る雑音除去フィルタS9の動作によれば、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1の動作による効果に加えて、フィルタ係数テーブルTが、デジタル画像Gが準拠する規格に対応付けられており、当該規格に基づいてフィルタ係数テーブルTを設定するので、より効果的な雑音除去処理を行うことができる。
(XI)第10実施形態
最後に、本発明に係る他の実施形態である第10実施形態について、図15を用いて説明する。なお図15は第10実施形態に係る雑音除去フィルタを示す図である。また第10実施形態に係る雑音除去フィルタを説明するに当たり、第9実施形態に係る雑音除去フィルタS9における部材及び処理と同一の部材及び処理については、同一の部材番号及びステップ番号を使用して、細部の説明は省略する。
第9実施形態に係る雑音除去フィルタS9では、各画素Pxに対応するフィルタ係数Cについて、これをデジタル画像Gが準拠すべき規格に応じて切り換える構成とした。これに加えて第10実施形態に係る雑音除去フィルタでは、閾値判定部3における雑音判定処理に用いられる雑音閾値をも、当該規格に応じて切り換える。
即ち図15に示すように、第10実施形態に係る雑音除去フィルタS10は、第9実施形態に係る雑音除去フィルタS9に対して、雑音閾値設定部5と、閾値メモリ51と、を含む閾値設定部50を備えている。このとき閾値メモリ51には、図7に示した第4実施形態に係る雑音除去フィルタS4の場合と同様に、異なる雑音閾値Hである複数の雑音閾値H1乃至Hn(nは自然数)が、上記規格に対応する雑音閾値Hとしてそれぞれ不揮発性に記憶されている。そして、第10実施形態に係る雑音除去フィルタS10における識別信号Spcは、フィルタ係数設定部61だけではなく雑音閾値設定部5にも出力されている。
この構成において使用者は、第9実施形態に係る雑音除去フィルタS9と同様の規格指定操作を操作部7において実行する。そしてパラメータ選択部40は、第9実施形態に係るパラメータ選択部40と同様の処理を行い、上記識別信号Spcを生成して雑音閾値設定部5及びフィルタ係数設定部61にそれぞれ出力する。
これにより雑音閾値設定部5は、閾値メモリ51に記憶されている雑音閾値Hの中から、上記識別信号Spcにより示される規格に対応したいずれかの雑音閾値Hを設定し、その設定した雑音閾値Hを雑音閾値信号Shとしてデジタル画像Gごとに閾値判定部3に出力する。一方フィルタ係数設定部61は、第9実施形態に係る雑音除去フィルタS9と同様に、テーブルメモリ60に記憶されているフィルタ係数テーブルTの中から、上記識別信号Spcにより示される規格に対応したいずれかのフィルタ係数テーブルTを設定し、その設定したフィルタ係数テーブルTに含まれているフィルタ係数Cを、フィルタ係数信号Scとして画素Pxごとに演算部4に出力する。
これらにより閾値判定部3は、出力されてきた雑音閾値信号Shに基づいて、上記(4)に対応する雑音判定処理を、フィルタ対象領域Fごとに実行する。また同様に演算部4は、出力されてきたフィルタ係数信号Scに基づいて、上記(5)に対応する乗算/加算処理及び上記(6)に相当する加算処理を実行する。
以上説明したように、第10実施形態に係る雑音除去フィルタS10の動作によれば、第9実施形態に係る雑音除去フィルタS9の動作による効果に加えて、フィルタ係数テーブルT及び雑音閾値Hが、デジタル画像Gが準拠する規格に対応付けられており、当該規格に基づいてフィルタ係数テーブルT及び雑音閾値Hを設定するので、より効果的な雑音除去処理を行うことができる。
なお、上述した第7実施形態に係る雑音除去フィルタS7乃至第10実施形態に係る雑音除去フィルタS10は、フィルタ係数テーブルT及び雑音閾値Hを自動的に選択する場合の実施形態であり、これらにより様々な雑音解析結果を本発明に適用することができる。また、雑音に対する評価は使用者によって異なるため、第7実施形態に係る雑音除去フィルタS7乃至第10実施形態に係る雑音除去フィルタS10におけるフィルタ係数テーブルT等の自動選択機能と、第1実施形態に係る雑音除去フィルタS1乃至第6実施形態に係る雑音除去フィルタS6におけるフィルタ係数テーブルT等の手動選択機能と、を組み合わせることにより、より汎用性が高く且つ効果的な雑音除去処理を実行することができる。
また、上述した各実施形態に係る雑音除去フィルタSは、デジタル画像Gを記録媒体に記録する情報記録装置において、当該デジタル画像Gに対する符号化処理の終了後且つ当該記録媒体への記録処理前の段階に挿入して備えさせるように構成することが可能である。なお当該記録媒体としては、例えば光ディスクやハードディスク等が挙げられる。更に当該雑音除去フィルタSは、デジタル画像Gを記録済みの記録媒体から当該デジタル画像Gを再生する情報再生装置において、当該デジタル画像Gに対する復号化処理の前又は後の段階に備えさせるように構成することも可能である。
更にまた、各実施形態に係るメモリ部1、差分演算部2、閾値判定部3、演算部4、雑音閾値設定部5及びフィルタ係数設定部61等の機能に対応するプログラムを、例えば光ディスク等の記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークから取得して記録しておき、これらを読み出して汎用のマイクロコンピュータ等により実行させることにより、当該マイクロコンピュータ等を、各実施形態に係るメモリ部1、差分演算部2、閾値判定部3、演算部4、雑音閾値設定部5及びフィルタ係数設定部61等として機能させることも可能である。