JP5909565B2 - ドリルおよびそれを用いた切削加工物の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、ドリルおよびそれを用いた切削加工物の製造方法に関する。
特開2004−306170号公報には、チップ本体の後端面および先端面ならびにチップ本体の外周面に交差して、ドリル回転方向の後方側を向く一対のトルク受け面と、トルク受け面に隣接する一対のクランプ受け面とを備えるスローアウェイチップが開示されている。そして、クランプ受け面およびトルク受け面は、それぞれ先端面側から見て軸線を基準にして点対称に配置されている。
しかしながら、このようなスローアウェイチップでは、上記の各面が軸線を基準にして点対称に配置されていることから、チップ本体をドリル本体に装着する際に、一対のクランプ受け面などによって判断することができず、ドリル本体に対して誤った方向に装着してしまうおそれがあった。
そのため、優れた穴加工性と簡易な装着性とを兼ね備えたドリルおよびそれを用いた切削加工物の製造方法が求められていた。
本発明の課題の1つは、優れた穴加工性と簡易な装着性とを兼ね備えたドリルおよびそれを用いた切削加工物の製造方法を提供することである。
本発明の実施形態に係るドリルは、先端部に互いに離れて位置している第1切刃および第2切刃、前記第1切刃および前記第2切刃に対して回転方向の前方側においてそれぞれ連続しており、かつ後端部側へ延びている第1溝および第2溝、前記第1溝および前記第2溝に対して回転方向の前方側においてそれぞれ連続しており且つ回転方向の前方側に向かって延びている第1側面および第2側面、前記第1側面および前記第2側面に対して回転方向の前方側においてそれぞれ連続しており、かつ回転方向に対して傾斜する方向に向かって延びている第1拘束面および第2拘束面、ならびに前記後端部に位置している底面を有する切削チップと、前記底面に接触している搭載面、前記第1側面および前記第2側面にそれぞれ接触している第1接触面および第2接触面、ならびに前記第1拘束面および前記第2拘束面にそれぞれ接触している第1ホールド面および第2ホールド面、を有し、前記切削チップの前記後端部側に位置しているホルダとを備え、先端視において、前記第1側面および前記第2側面は、中心軸を基準として非対称であって、かつ前記第1拘束面および前記第2拘束面は、前記中心軸を基準として点対称である。
<ドリル>
以下、本発明のドリルに係る実施形態について、図1〜図6、図11〜図13を参照して詳細に説明する。
以下、本発明のドリルに係る実施形態について、図1〜図6、図11〜図13を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態のドリル1は、大略、工作機械の回転するスピンドル等で把持されるホルダ20と、ホルダ20の先端部20aに取り付けられた切削チップ10とを備えている。ホルダ20は、工作機械(不図示)の回転軸の形状に応じて設計される部位である。切削チップ10は、被削材に接触して切削を行なうための主たる部位である。本実施形態のドリル1は、図2に示すように2つの切刃11A、11Bを有する2枚刃ドリルである。なお、図1などにおいて示されている矢印aは、ドリル1の回転方向である。
(切削チップ)
切削チップ10は、被削材の切削において主たる役割を有する部位である。
切削チップ10は、被削材の切削において主たる役割を有する部位である。
本実施形態の切削チップ10は、後述するようにホルダ20に着脱可能なスローアウェイタイプである。切削チップ10は、図5に示すように、第1切刃11aおよび第2切刃11b、第1溝12aおよび第2溝12b、第1側面14aおよび第2側面14b、第1拘束面15aおよび第2拘束面15b、ならびに底面17を有している。
第1切刃11aおよび第2切刃11bは、図2に示すように、先端部において互いに離れて位置している。第1溝12aおよび第2溝12bは、図5に示すように、第1切刃11aおよび第2切刃11bに対して回転方向の前方側においてそれぞれ連続している。また、第1溝12aおよび第2溝12bは、それぞれ後端部側へ延びている。
図2に示すように、第1側面14aおよび第2側面14bは、第1溝12aおよび第2溝12bに対して回転方向の前方側においてそれぞれ連続している。また、第1側面14aおよび第2側面14bは、回転方向の前方側に向かってそれぞれ延びている。第1拘束面15aおよび第2拘束面15bは、第1側面14aおよび第2側面14bに対して回転方向の前方側においてそれぞれ連続している。また、第1拘束面15aおよび第2拘束面15bは、回転方向に対して傾斜する方向に向かってそれぞれ延びている。底面17は、図6に示すように、後端部10b側に位置している。以下、各構成要素について順に説明する。
2つの切刃(第1切刃11aおよび第2切刃11b)は、被削材を切削するための主たる部位であり、切削チップ10の先端部10aに形成されている。本実施形態において、第1切刃11aおよび第2切刃11bは、図5に示すように、切削チップ10の中心軸O(軸線)を基準にして180°の回転対称となるように位置している。
すなわち、第1切刃11aおよび第2切刃11bは、互いに中心軸Oに対して2回対称である。言い換えれば、切削チップ10を先端部10aの側から見たときに、第1切刃11aおよび第2切刃11bは切削チップ10の中心軸Oを基準として点対称である。第1切刃11aおよび第2切刃11bをこのような配置にすることで、被削材を加工する際の直進安定性を向上させることができる。
ここで、切削チップ10の中心軸Oとは、先端部10aおよび後端部10bを貫く軸であり、切削チップ10を先端部10a側から見た状態において、切削チップ10を回転させたときに回転軸となる軸を意味するものとする。なお、本実施形態において、切削チップ10の中心軸Oは、後述するホルダおよびドリルの回転軸と同じ位置にある。それゆえ、後述するホルダおよびドリルの回転軸は、切削チップ10の中心軸Oと同じ符号を用いて回転軸Oとして説明する。
また、本実施形態において、切削チップ10の最も先端部10aの側には、図4に示すように、チゼルエッジ(第1チゼルエッジ11a1、第2チゼルエッジ11b1)が位置している。チゼルエッジ11a1、11b1は、第1切刃11aおよび第2切刃11bとともに被削材を切削する役割を有する。
なお、本実施形態においては、図2などに示すように、第2逃げ面13bに対して第1逃げ面13aとは反対側において連続するようにシンニング面11a2、11b2が設けられている。これらのシンニング面11a2、11b2は、第2逃げ面13bから離れるにつれて後端部10bの側に傾斜するようにフラットカットされていてもよい。これによって、切削加工時においてチゼルエッジ11a1、11b1に加わる切削抵抗を低減することが可能となる。
2つの溝(第1溝12aおよび第2溝12b)は、2つの切刃11A、11Bによって生成される切屑を外部に排出することを主目的としている。具体的には、第1溝12aおよび第2溝12bは、図5(b)に示すように、第1切刃11aおよび第2切刃11bのそれぞれに連続している。また、第1溝12aおよび第2溝12bは、切削チップ10の先端部から後端部(ホルダ20の側)へ向かって螺旋状に延びている。本実施形態では、第1溝12aの溝幅および第2溝12bの溝幅は同一であり、また、第1溝12aの深さおよび第2溝12bの深さは一定である。
切削加工時に第1切刃11aで形成された切屑は、基本的に第1切刃11aに連続している第1溝12aを通って後端部10bの側(ホルダ20の側)に排出され、第2切刃11bで形成された切屑は、基本的に第2切刃11bに連続している第2溝12bを通って後端部10bの側(ホルダ20の側)に排出される。
第1切刃11aに連続している第1チゼルエッジ11a1で形成された切屑、および第2切刃11bに連続している第2チゼルエッジ11b1で形成された切屑は、それぞれのチゼルエッジ11a1、11b1に対応して位置している2つの逃げ面(第1逃げ面13aおよび第2逃げ面13b)のうち第2逃げ面13bを経由して、第1溝12aおよび第2溝12bを通って後端部10bの側に排出される。なお、逃げ面は、被削材との接触を避けて切削抵抗を低減する役割を有する。
2つの側面(第1側面14aおよび第2側面14b)は、後述するホルダに装着する際にホルダの接触面に接する面である。具体的には、第1側面14aおよび第2側面14bは、第1溝12aおよび第2溝12bに対して回転方向の前方側においてそれぞれ連続して位置している。また、第1側面14aおよび第2側面14bは、回転方向の前方側に向かって延びている。
そして、本実施形態において、第1側面14aおよび第2側面14bは、図5に示すように、先端視において、中心軸Oを基準として非対称である。これによれば、切削チップ10のうち比較的切削力の影響が小さい第1側面14aおよび第2側面14bが、先端視において、中心軸Oを基準として非対称であることから、ホルダに対して切削チップ10を装着する際に、装着方向を間違うことなくスムーズに装着作業を行なうことが可能となる。
また、第1側面14aおよび第2側面14bは、回転方向の前方側に向かって延びているため、比較的切削力への影響が小さいことから、非対称な構成に伴って生じ得るドリルの切削加工性の低下を抑制する効果も兼ね備えることが可能となる。
具体的には、第1側面14aは、図5に示すように、先端視において、外方に凸の円弧形状である。このとき、第1側面14aの円弧は、切削チップ10の外接円10Pと同心円を構成するように延びている。これによれば、ホルダの第1接触面は、切削加工時に、切削チップ10を介して受ける回転方向の切削力に対して、優れた強度を発揮することが可能となる。
他方において、第2側面14bは、図5に示すように、先端視において、直線形状である。このように、直線形状という製造が容易なシンプルな形状でありながらも、第1側面14aの円弧形状とは形状が明らかに異なることから、ホルダに対して切削チップ10を装着する際に、装着方向を間違うことなくさらにスムーズに装着作業を行なうことが可能となる。
このとき、先端視において、直線形状である第2側面14bは、図5に示すように、円弧形状である第1側面14aよりも中心軸Oの側に位置している。第1側面14aが円弧形状であることによって、回転方向の切削力に対するホルダの強度を優れたものにできるが、第2側面14bは直線形状であるため、回転方向の切削力に対するホルダへの影響が生じる。しかしながら、直線形状である第2側面14bが第1側面14aと比較して中心軸Oに近くなるように中心軸Oの側に位置している場合には、第2側面14bによる回転方向の切削力に対するホルダへの影響を小さくできる。
なお、先端視において、第1側面14aの両端と第2側面14bの両端とを、それぞれ中心軸Oを基準として点対称としてもよい。これにより、被削材を加工する際の直進安定性を向上させることができる。
また、第1側面14aおよび第2側面14bは中心軸Oに平行であることが好ましい。ここで、平行とは、それぞれの側面14aを中心軸Oに沿った方向に切断して得られる切断線との対比によって判断するものとする。
2つの拘束面(第1拘束面15aおよび第2拘束面15b)は、後述するホルダのホールド面25a、25bに接触しており、主としてホールド面25a、25bとともに切削加工時に生じる回転方向の切削力を受け止める役割を有する。具体的には、図2に示すように、第1拘束面15aおよび第2拘束面15bは、第1側面14aおよび第2側面14bに対して回転方向の前方側においてそれぞれ連続して位置している。また、第1拘束面15aおよび第2拘束面15bは、回転方向に対して傾斜する方向に向かって延びている。
なお、ここで、回転方向に対して傾斜する方向とは、回転方向に沿った方向ではないことを意味している。具体的には、先端視において、第1拘束面15aおよび第2拘束面15bと回転方向とのなす角度が0°でないことを意味している。本実施形態においては、先端視において、第1拘束面15aおよび第2拘束面15bが回転方向に直交する方向に向かって延びている。そのため、第1拘束面15aおよび第2拘束面15bと回転方向とのなす角度が90°であるが、このように直交する場合も回転方向に対して傾斜する方向の概念に含まれる。
本実施形態において、第1拘束面15aと第2拘束面15bとは、図5に示すように、回転方向に直交する方向に向かって延びており、また、先端視において、中心軸Oを基準として点対称である。これによって、切削加工時に生じる回転方向の切削力に対して優れた強度をもって受け止めることが可能となる。
なお、第1拘束面15aと第2拘束面15bとは、先端視において、中心軸Oを通る同一直線上に延びるようにしてもよい。これによれば、切削加工時に生じる回転方向の切削力をより効果的な方向から受けることができるため、より優れた効果を発揮することが可能となる。
また、本実施形態において、第1拘束面15aおよび第2拘束面15bは、先端視において、ドリル10の外接円10Pの側から中心軸Oに向かって延びている。そして、第1拘束面15aおよび第2拘束面15bは直線状に延びていることが好ましい。さらに、第1拘束面15aおよび第2拘束面15bは、平面であることが好ましい。
なお、第1側面14aおよび第2側面14bと、第1拘束面15aおよび第2拘束面15bとは、直接に連続している必要はない。第1側面14aおよび第1拘束面15aと、第2側面14bおよび第2拘束面15bとを滑らかに接続するために、これらの面の間にそれぞれ曲面形状の接続面(不図示)を設けていてもよい。このような接続面を備えている場合には、第1側面14a、第2側面14b、第1拘束面15aおよび第2拘束面15bの端部は、それぞれ上記の接続面との境界に位置することになる。
また、切削チップ10の外周のうち溝12a、12bが形成されていない領域は、図2に示すように、ランド(第1ランド16aおよび第2ランド16b)として存在しており、ドリル径(外径)は溝12a、12bを形成する前の大きさで維持されている。第1ランド16aおよび第2ランド16bは、図5に示すように、切削チップ10の外接円10P上に位置しており、円弧形状をなしている。なお、切削チップ10の外接円10Pは、図5において点線で示している部位である。
また、図5に示すように切削チップ10がクリアランス16a1、16b1を有していてもよい。そして、クリアランス16a1、16b1を先端部10aから後端部10bの側の領域まで延びるように形成してもよい。これにより、ドリルと被削材の加工穴の内壁との接触を低減することができるとともに、切屑排出性の向上に寄与し得る。
また、切削チップ10は、図6に示すように、後端部10b側に底面17を有している。本実施形態において、底面17は、平面形状であり、また、中心軸に垂直である。これにより、切削時に中心軸の方向の後方に向かう力を、後述するホルダの搭載面とともに受けとめることが可能となる。
また、第1側面14aが、先端視において外方に凸の円弧形状である場合には、第1側面14aの中心軸Oからの距離を過度に大きくしなくても、底面17の面積を広く確保することができる。そのため、ホルダにおける第1接触面から外周までの厚みが過度に小さくなることを抑制できるとともに、切削時に中心軸Oの後方に向かう力を安定して受け止めることが可能となる。
また、切削チップ10は、図6に示すように、底面17の中央領域から突出している軸足部18を有している。これにより、ホルダに対する装着容易性を向上させることが可能となる。そして、本実施形態において、軸足部18は、図6に示すように中心軸Oを軸とする円柱形状である。また、軸足部18は、後述する固定部材に接触する切欠き部18aを有している。
そして、図4〜図6を参照すれば分かるように、先端透視において、軸足部18の切欠き部18aとホルダ20の第1接触面24aとは、中心軸Oからホルダ20の第1接触面24aに向かって延びる直線上に軸足部18の切欠き部18aが位置している。両者をこのような配置にすることによって、切削チップ10は、中心軸Oを基準として優れた重量バランスを確保することができるため、被削材を加工する際の直進安定性を向上させることができる。
具体的には、本実施形態の切削チップ1においては、第2側面14bが第1側面14aよりも中心軸Oの側に位置している。そのため、先端視した場合における重心が、中心軸Oから第1側面14aの側に偏って位置することになる。しかしながら、軸足部18の切欠き部18aと図2に示す第1接触面24aとが、先端透視において中心軸Oを通る同一直線上に位置している場合には、軸足部18の切欠き部18aによって切り欠かれた分だけ、先端透視した場合における重心が、第2側面14bの側に偏ることになる。このように重心の偏りを打ち消し合うことができるため、先端透視した場合における切削チップ1の重心の中心軸Oからの偏りを小さくすることができる。結果として、被削材を加工する際の直進安定性を向上させることができる。
上述の実施形態においては、図5に示すように、先端視において中心軸Oを基準として非対称である第1側面14aおよび第2側面14bの具体的な形状として、第1側面14aを外方に凸の円弧形状とするとともに、第2側面14bを直線形状とした。しかしながら、第1側面14aおよび第2側面14bの具体的な形状は、これに限定されるものではない。
以下に、変形例1〜4を示す。なお、これらの変形例は、上述の実施形態と比較して第1側面14aおよび第2側面14bの少なくとも一方の形状が異なるが、これらの側面以外の構成は上述の実施形態と同じである。そのため、第1側面14aおよび第2側面14b以外の構成については説明を省略する。
図7に示すように、第1側面14aが第2側面14bよりも中心軸Oの側に位置するような構成とすることによって、第1側面14aおよび第2側面14bを、中心軸Oを基準として非対称である形状としてもよい。なお、図7においては、先端視において、第1側面14aが直線形状であって、第2側面14bが外方に凸の円弧形状となっている。
また、図8に示すように、第1側面14aは外方に凸の円弧形状とし、第2側面14bを円弧ではない曲線形状としてもよい。図8においては、第2側面14bが第1側面14aよりも中心軸Oの側に位置している。
また、図9に示すように、第1側面14aは外方に凸の円弧形状とし、第2側面14bは複数の直線形状の部位からなり、第2側面14bが全体として凹形状となっていてもよい。
また、図10に示すように、第1側面14aは外方に凸の円弧形状とし、第2側面14bの大部分を第1側面14aと同様に円弧形状とするとともに、第2側面14bの一部に凹形状となる部分を設けてもよい。
これらの場合においても、第1側面14aおよび第2側面14bは、先端視において、中心軸Oを基準として非対称であることから、上述の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(ホルダ)
ホルダ20は、その先端部20aの側に切削チップ10を装着して、切削チップ10とともに被削材の切削を行なう部位である。
ホルダ20は、その先端部20aの側に切削チップ10を装着して、切削チップ10とともに被削材の切削を行なう部位である。
本実施形態のホルダ20は、図1に示すように、切削チップ10の後端部10bの側に位置している。ホルダ20は、図12に示すように、搭載面27、第1接触面24a、第2接触面24b、第1ホールド面25aおよび第2ホールド面25bを有している。搭載面27は、図5に示す切削チップ10の底面17に接触する面である。第1接触面24aおよび第2接触面24bは、図5に示す切削チップ10の第1側面14aおよび第2側面14bにそれぞれ接触する面である。第1ホールド面25aおよび第2ホールド面25bは、図5に示す切削チップ10の第1拘束面15aおよび第2拘束面15bにそれぞれ接触する面である。
また、ホルダ20は、図11〜図13に示すように、切削チップの第1溝および第2溝にそれぞれ連続する第1主溝22aおよび第2主溝22bを有する。第1主溝22aおよび第2主溝22bは、それぞれ螺旋形状である。以下、順に説明する。
図11に示す搭載面27は、切削チップを搭載する際に、図5に示す切削チップ10の底面17に接触する部位であって、ホルダ20の先端部20aに位置している。本実施形態において、搭載面27は、切削チップ10の底面17と同一形状である。
搭載面27の中央領域に軸受け穴28が設けられている。本実施形態において、軸受け穴28は、図6に示す切削チップ10の軸足部18と同様に、中心軸Oを軸とする円柱形状である。そして、軸受け穴28の内部に切削チップ10の軸足部18が挿入されることによって、図5に示す切削チップ10の底面17と図12に示すホルダ20の搭載面27とが接触することになる。これにより、切削加工時に生じる中心軸Oの方向に加わる力に対して優れた強度を発揮することができる。
図2および図12に示す接触面(第1接触面24aおよび第2接触面24b)は、図4〜図10に示す切削チップ10を搭載する際に、切削チップ10の第1側面14aおよび第2側面14bにそれぞれ接触する部位である。第1接触面24aおよび第2接触面24bは、切削チップ10の第1側面14aおよび第2側面14bと同様に、先端視において、中心軸Oを基準として非対称である。
ホールド面(第1ホールド面25aおよび第2ホールド面25b)は、図4〜図10に示す切削チップ10を搭載する際に、切削チップ10の第1拘束面15aおよび第2拘束面15bにそれぞれ接触する部位である。
また、本実施形態において、第1ホールド面25aおよび第2ホールド面25bは、図12に示すように、先端視において、ホルダ20の外周20P1から中心軸Oに向かって延びている。このとき、第1ホールド面25aおよび第2ホールド面25bは直線状に延びていることが好ましい。
さらに、図13に示すように、第1ホールド面25aおよび第2ホールド面25bの少なくとも一方は、平面である。
また、ホルダ20は、貫通孔29を有している。貫通孔29は、外周20P2と軸受け穴28との間を貫通している。貫通孔29は、切削チップ10をホルダ20に装着する際に、ホルダ20の軸受け穴28の内部に切削チップ10の軸足部18が挿入された状態で、後述する固定部材を挿入するための部位である。
以上のような構成を有する、切削チップ10およびホルダ20は、切削チップ10の軸足部18をホルダ20の軸受け穴28に挿入した状態において、貫通孔29から挿入された固定部材を軸足部18の切欠き部18aに接触させる、あるいは押圧することによって、両者を互いに固定している。例えば図1および図3に示すように、固定部材30としてはネジを用いればよい。
本実施形態のドリル1は、例えば、切刃11A、11Bの外径が6mm〜30mm、好ましくは8mm〜25mmのドリルとして好適に用いることができる。また、本実施形態のドリル1は、例えば、軸線の長さ(切刃11A、11Bから溝12a、12bが終了するまでの長さ)をLとし、径(切刃11A、11Bの外径)をDとするとき、L/Dが5以上であるような穴加工に好適に用いることができる。
<切削加工物の製造方法>
次に、本発明の実施形態に係る切削加工物の製造方法を、図14を用いて説明する。本実施形態においては、上述の実施形態に係るドリル1を例にとって説明する。
次に、本発明の実施形態に係る切削加工物の製造方法を、図14を用いて説明する。本実施形態においては、上述の実施形態に係るドリル1を例にとって説明する。
本実施形態の切削加工物の製造方法は、以下の(i)〜(iv)の工程を備える。
(i)図14(a)に示すように、準備された被削材100の上方にドリル1を配置する工程。
(ii)次いで、ドリル1を、回転軸Oを中心に矢印a方向に回転させ、ドリル1を矢印Y1方向に動かし、被削材100にドリル1を近付ける工程。
(iii)図14(b)に示すように、ドリル1をさらに被削材100に近付けることによって、回転しているドリル1の第1切刃および第2切刃を、被削材100の表面の所望の位置に接触させて、被削材100に加工穴101、ここでは貫通孔を形成する工程。
(iv)図14(c)に示すように、ドリル1を矢印Y2方向に動かし、ドリル1を被削材100から離す工程。
(i)図14(a)に示すように、準備された被削材100の上方にドリル1を配置する工程。
(ii)次いで、ドリル1を、回転軸Oを中心に矢印a方向に回転させ、ドリル1を矢印Y1方向に動かし、被削材100にドリル1を近付ける工程。
(iii)図14(b)に示すように、ドリル1をさらに被削材100に近付けることによって、回転しているドリル1の第1切刃および第2切刃を、被削材100の表面の所望の位置に接触させて、被削材100に加工穴101、ここでは貫通孔を形成する工程。
(iv)図14(c)に示すように、ドリル1を矢印Y2方向に動かし、ドリル1を被削材100から離す工程。
以上のような各工程を経ることによって、図14(c)に示す切削加工物が製造される。また、ドリル1は、優れた穴加工性を発揮することが可能となる。
なお、(ii)の工程は、例えば、被削材100を、ドリル1を取り付けた工作機械のテーブル上に固定し、ドリル1を回転した状態で被削材100に近付けることによって行なうことができる。また、(ii)の工程では、被削材100とドリル1とは相対的に近付けばよく、例えば被削材100をドリル1に近付けてもよい。
(iii)工程は、良好な仕上げ面を得る観点から、ドリル1の切削チップのうち後端部の側の一部領域が被削材100を貫通しないように設定するのが好ましい。すなわち、この一部領域を切屑排出のためのマージン領域として機能させることで、優れた切屑排出性を奏することが可能となる。
(iv)の工程は、上述の(ii)の工程と同様に、被削材100とドリル1とは相対的に離隔すればよく、例えば被削材100をドリル1から離してもよい。
なお、以上に示したような被削材100の切削加工を複数回行なう場合、例えば、1つの被削材100に対して複数の加工穴101を形成する場合には、ドリル1を回転させた状態を保持しつつ、被削材100の異なる箇所にドリル1の第1切刃および第2切刃を接触させる工程を繰り返せばよい。
以上、本発明に係る実施形態について例示したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意のものにできることは言うまでもない。
例えば、上述の実施形態では2枚刃ドリルを例にとって説明したが、これらの構成を3枚刃ドリルに応用してもよい。具体的には、2枚刃ドリルにおいては、第1側面および第2側面は、先端視において、中心軸を基準として非対称とした。これに代えて、3枚刃ドリルにおいて、第1側面、第2側面および第3側面のいずれかが、先端視において、中心軸を基準として回転対称ではない構成とすればよい。
このような構成においても、切削チップのうち比較的切削力の影響が小さい第1側面および第2側面が、先端視において、中心軸を基準として非対称であることから、ホルダに対して切削チップを装着する際に、装着方向を間違うことなくスムーズに装着作業を行なうことが可能となる。また、第1側面および第2側面は、切削チップのうち比較的切削力の影響が小さいことから、ドリルによる切削加工性の低下を抑制する効果も兼ね備えることが可能となる。
また、切削チップの形状は、上述の実施形態の構成に限定されるものではなく、当業者が通常用いる形状を採用することができる。例えば、切削チップは、芯厚、すなわち中心軸に垂直な断面における内接円の直径が先端部から後端部に向かって大きくなるようなテーパー状であってもよい。
また、切削チップは、ドリル径(外径)が先端部から後端部に向かうにつれて大きくなるか、または小さくなるように傾斜していてもよい。さらに、切削チップには、アンダーカット部を設けてもよい。
1 ドリル
10 切削チップ
10a 先端部
10b 後端部
10P 外接円
11A、11B 切刃
11a 第1切刃
11b 第2切刃
11a1 第1チゼルエッジ
11a2 第1シンニング面
11b1 第2チゼルエッジ
11b2 第1シンニング面
12a 第1溝
12b 第2溝
13a 第1逃げ面
13b 第2逃げ面
14a 第1側面
14b 第2側面
15a 第1拘束面
15b 第2拘束面
16a 第1ランド
16a1 第1クリアランス
16b 第2ランド
16b1 第2クリアランス
17 底面
18 軸足部
18a 切欠き部
20 ホルダ
20a 先端部
20b 後端部
20P1 外周
22a 第1主溝
22b 第2主溝
24a 第1接触面
24b 第2接触面
25a 第1ホールド面
25b 第2ホールド面
27 搭載面
28 軸受け穴
29 貫通孔
30 固定部材
100 被削材
101 加工穴
O 回転軸、中心軸
10 切削チップ
10a 先端部
10b 後端部
10P 外接円
11A、11B 切刃
11a 第1切刃
11b 第2切刃
11a1 第1チゼルエッジ
11a2 第1シンニング面
11b1 第2チゼルエッジ
11b2 第1シンニング面
12a 第1溝
12b 第2溝
13a 第1逃げ面
13b 第2逃げ面
14a 第1側面
14b 第2側面
15a 第1拘束面
15b 第2拘束面
16a 第1ランド
16a1 第1クリアランス
16b 第2ランド
16b1 第2クリアランス
17 底面
18 軸足部
18a 切欠き部
20 ホルダ
20a 先端部
20b 後端部
20P1 外周
22a 第1主溝
22b 第2主溝
24a 第1接触面
24b 第2接触面
25a 第1ホールド面
25b 第2ホールド面
27 搭載面
28 軸受け穴
29 貫通孔
30 固定部材
100 被削材
101 加工穴
O 回転軸、中心軸
Claims (15)
- 先端部に互いに離れて位置している第1切刃および第2切刃、前記第1切刃および前記第2切刃に対して回転方向の前方側においてそれぞれ連続しており、かつ後端部側へ延びている第1溝および第2溝、前記第1溝および前記第2溝に対して回転方向の前方側においてそれぞれ連続しており、かつ回転方向の前方側に向かって延びている第1側面および第2側面、前記第1側面および前記第2側面に対して回転方向の前方側においてそれぞれ連続しており、かつ回転方向に対して傾斜する方向に向かって延びている第1拘束面および第2拘束面、ならびに前記後端部に位置している底面を有する切削チップと、
前記底面に接触している搭載面、前記第1側面および前記第2側面にそれぞれ接触している第1接触面および第2接触面、ならびに前記第1拘束面および前記第2拘束面にそれぞれ接触している第1ホールド面および第2ホールド面を有し、前記切削チップの前記後端部側に位置しているホルダとを備え、
先端視において、前記第1側面および前記第2側面は、中心軸を基準として非対称であって、かつ前記第1拘束面および前記第2拘束面は、前記中心軸を基準として点対称である、ドリル。 - 先端視において、前記第1側面は外方に凸の円弧形状である、請求項1に記載のドリル。
- 先端視において、前記第2側面は直線形状である、請求項2に記載のドリル。
- 先端視において、前記第2側面は前記第1側面よりも前記中心軸側に位置している、請求項3に記載のドリル。
- 先端視において、前記第1側面の両端と前記第2側面の両端とは、それぞれ前記中心軸を基準として点対称である、請求項1〜3のいずれかに記載のドリル。
- 前記切削チップは、前記底面の中央領域から突出している軸足部をさらに有し、
前記ホルダは、前記搭載面の中央領域に位置しており、かつ前記軸足部が内部に挿入される軸受け穴、および外周と前記軸受け穴との間を貫通している貫通孔をさらに有し、
前記貫通孔に挿入されており、かつ前記軸足部に接触している固定部材をさらに備える、請求項1〜5のいずれかに記載のドリル。 - 前記軸足部は、前記中心軸を軸とする円柱形状である、請求項6に記載のドリル。
- 前記軸足部は、前記固定部材に接触する切欠き部を有する、請求項6または7に記載のドリル。
- 先端視において、前記軸足部の前記切欠き部と前記第1接触面とは、前記中心軸を通る同一直線上に位置している、請求項8に記載のドリル。
- 先端視において、前記貫通孔は、前記中心軸よりも前記第1側面側に位置している、請求項6〜9のいずれかに記載のドリル。
- 先端視において、前記第1ホールド面および前記第2ホールド面の少なくとも一方は、前記ホルダの外周から前記中心軸に向かって直線状に延びている、請求項10に記載のドリル。
- 先端視において、前記第1切刃と前記第2切刃とは、前記中心軸を基準として点対称である、請求項1〜11のいずれかに記載のドリル。
- 前記底面は、平面形状である、請求項1〜12のいずれかに記載のドリル。
- 前記底面は、前記中心軸に垂直である、請求項1〜13のいずれかに記載のドリル。
- 請求項1〜14のいずれかに記載のドリルを回転軸回りに回転させる工程と、
回転している前記ドリルの前記第1切刃および前記第2切刃を、被削材に接触させる工程と、
前記ドリルを前記被削材から離す工程とを備える、切削加工物の製造方法。
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