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JP5911398B2 - 曲線推定方法及び装置 - Google Patents
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Description

本技術は、スポットレートと残存期間との関係を表す曲線を推定するための技術に関する。
スポットレート(SR:Spot Rate)とは、現在市場が予測する、満期日までの期間(残存期間)に応じた平均利回りである。厳密には満期日までの間に利子の支払いのない債券(割引債)の平均利回りである。一般的には、デフォルトリスクのない国債の価格から計算される。
但し、日本の場合には国債は、満期日までの間に、複数の利子の支払がある利付債券であるので、国債から直接スポットレートを求めることはできない。そこで、利付債券を利子と元本部分とに分け、それぞれの支払時に満期を迎え、途中に利子の支払いのない債券の組み合わせとみなして、スポットレートを算出する。
なお、日本の国債は、おおよそ300銘柄存在しており、満期までの期間は最長40年である。そして、満期までの期間が長い国債(例えば30年から40年)の銘柄数が少ないことが問題となる。また、利子及び償還額は発行時に決定されており、途中で変更されない。
図1に、銘柄αの国債の利払い及び償還と現在価値の算出を模式的に示す。例えば半年毎に、一定の利子cαが満期日までLα回続き、満期日には償還額Rαも支払われる。より具体的には、利払い1回目からLα−1回までは利払い額cαが支払われ、最後のLα回目にはcα+Rαが支払われる。
一方、これらの支払額の現在価値は、各支払時期の下部に示されている値を乗じた値となる。なお、r(t)は、時間t後のスポットレートを表しており、時間tの場合には割引率1/(1+r(t))tが乗じられている。すなわち、現在価値を複利で増やしたものが将来価値と考え、将来価値から現在価値を逆算している。なお、tk αは、銘柄αのk回目の支払時期までの期間を表す。
国債の市場価値=利子及び元本の現在価値の合計とすると、市場価格pαは、以下のように表される。
Figure 0005911398
また、割引率d(t)とスポットレートとの関係は以下のように規定される。すなわち、割引率d(t)=現在価値と将来価値の比である。従って、以下のように具体的に示される。
Figure 0005911398
Figure 0005911398
Figure 0005911398
従来、スポットレートは以下の手順にて算出していた。すなわち、国債の取引データを収集して、国債の市場価格の統計モデルに基づき割引率を算出する。統計モデルは以下の式で表される。
Figure 0005911398
なお、εαは正規分布N(0,σ2)の誤差を表している。また、nは銘柄数を表す。
しかしながら、上で述べたように、日本の国債は残存期間が長い銘柄の数が少ない。国債の残存期間と国債価格との関係を示すと図2のようになるが、点線で囲まれた部分で分かるように、残存期間が長い部分についてはサンプル数が少なくなる。このため、これらのデータを基に曲線を描くと、図3のように、残存期間が長い部分においてカーブが不自然に蛇行するようになってしまう。なお、スポットレートカーブは、残存期間とスポットレートとの関係を表す曲線である。
川崎 能典、安道 知寛(2002)正則化法非線形回帰モデルによるイールドカーブの推定,統計数理,第50巻第2号,149-164 みずほレポート「主成分分析による国債スポットレートカーブの構造把握とその予測可能性の検討 〜マクロ経済・金融変数に基づく共通ファクターモデルの利用〜」2010年9月21日発行,みずほ総合研究所 小西貞則, 北川源四郎, 情報量規準, 朝倉書店, 2004年 80-106ページ
従って、本技術の目的は、一側面として、利付債券のデータから適切なスポットレートカーブを描くことができるようにするための技術を提供することである。
本技術の一態様に係る曲線推定方法は、(A)利付債券の銘柄毎に満期日と利子と償還額と支払済み利子を含む市場価格とを格納するデータ格納部から、満期日毎に1銘柄の利付債券を抽出し、(B)抽出された利付債券の銘柄についての満期日と利子と償還額とから、抽出された利付債券の銘柄毎に各支払時期の支払額を列挙した行列を生成し、(C)生成された行列を正則行列に変換し、抽出された利付債券の銘柄毎の市場価格を含む行列と正則行列とから、抽出された利付債券の銘柄の各々について満期日における割引率を算出する処理を実行し、(D)算出された満期日における割引率から、抽出された利付債券の銘柄の各々について満期日における金利を算出し、(E)算出された満期日における金利から回帰曲線を算出する処理を含む。
利付債券のデータから適切なスポットレートカーブを描くことができるようになる。
図1は、国債の利払い及び償還並びに現在価値の算出について説明するための図である。 図2は、国債の残存期間と価格との関係を模式的に示す図である。 図3は、従来技術で描かれるスポットレートカーブの一例を示す図である。 図4は、本技術の実施の形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。 図5は、第1データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。 図6は、本実施の形態に係るメインの処理フローを示す図である。 図7は、フィルタリング処理の処理フローを示す図である。 図8は、キャッシュフロー行列の一例を示す図である。 図9は、割引率算出処理の処理フローを示す図である。 図10は、正則行列への変換処理を説明するための図である。 図11は、国債複利利回りデータの一例を示す図である。 図12は、割引率曲線の一例を示す図である。 図13は、正則行列の一例を示す図である。 図14Aは、スポットレートの数値例を示す図である。 図14Bは、スポットレートのプロット例を示す図である。 図15は、回帰モデルで用いられる基底関数の中心値及び広がりを説明するための図である。 図16は、s2 kとμkとの関係を表す図である。 図17は、スポットレートカーブ推定処理の処理フローを示す図である。 図18は、出力データの一例を示す図である。 図19は、出力データの他の例を示す図である。 図20は、コンピュータの機能ブロック図である。
図4に、本実施の形態に係り、スポットレートカーブを推定する情報処理装置100の機能ブロック図を示す。情報処理装置100は、第1データ格納部101と、抽出部102と、第2データ格納部103と、行列生成部104と、第3データ格納部105と、割引率算出部106と、第4データ格納部113と、第5データ格納部107と、スポットレート算出部108と、第6データ格納部109と、曲線推定部110と、第7データ格納部111と、出力部112とを有する。
第1データ格納部101には、例えば図5に示すような国債のデータが格納されている。図5の例では、国債の銘柄毎に、銘柄識別子、満期日、利子(又は利率)、償還額、支払間隔、市場価格、取引量、入札日などのデータが格納されている。なお、市場価格は、市場の価格に経過利子(支払済み利子)が加算された金額である。また、取引回数も併せて格納されている場合もある。
抽出部102は、第1データ格納部101に格納されている国債のデータから、以下の処理で用いられるデータを抽出し、第2データ格納部103に格納する。行列生成部104は、第2データ格納部103に格納されている国債のデータから、以下で説明するキャッシュフロー行列を生成し、第3データ格納部105に格納する。
割引率算出部106は、正則変換部1061を有し、第2データ格納部103と第4データ格納部113に格納されているデータを用いて、第3データ格納部105に格納されているキャッシュフロー行列を正則行列に変換すると共に、割引率行列を算出し、第5データ格納部107に格納する。第4データ格納部113には、例えば国債複利利回りデータ等の、フォーワードディスカウントファクターを算出するためのデータが格納されている。
スポットレート算出部108は、第2データ格納部103に格納されているデータを用いて、第5データ格納部107に格納されている割引率行列から、各満期日におけるスポットレートを算出し、算出されたスポットレートを第6データ格納部109に格納する。曲線推定部110は、第2データ格納部103に格納されているデータを用いて、第6データ格納部109に格納されているスポットレートから、スポットレートカーブを推定する処理を実行し、処理結果を第7データ格納部111に格納する。出力部112は、出力装置(表示装置、印刷装置、その他ネットワークを介して接続されている他のコンピュータなど)に、スポットレートカーブのデータを出力する。
次に、図6乃至図19を用いて、情報処理装置100の処理内容を説明する。
まず、抽出部102は、第1データ格納部101に格納されている国債データから、満期日毎に1銘柄の国債を抽出するか又は1銘柄の仮想的な国債を生成するフィルタリング処理を実行し、処理結果を第2データ格納部103に格納する(ステップS1)。例えば、図7に示すような処理フローを実施する。
まず、抽出部102は、満期日の早いもの順に国債のデータをソートする(ステップS21)。そして、抽出部102は、満期日が同じ銘柄の国債毎にグループ化する(ステップS23)。その後、抽出部102は、グループ毎に、1銘柄の国債を以下で述べるようなルールに従って選択するか、以下で述べるように1銘柄の仮想的な国債を生成し、選択された又は生成された国債のデータを第2データ格納部103に格納する(ステップS25)。
ステップS25については、様々なバリエーションが考えられるが、第1のバリエーションとしては、取引量最大の国債を1銘柄選択する。これは、取引量が多いほど適正価格との誤差が小さいと推定されるためである。また、第2のバリエーションとしては、最近入札日が最も新しい国債を1銘柄選択する。これも一般的には流動性が高いためである。
さらに、第3のバリエーションとしては、満期日が同じ国債の市場価格、償還額、利子については、重み付け和により仮想的な国債を1銘柄生成する。重みについては取引量を用いる。例えば、銘柄iの重みをaiとし、銘柄iの市場価格をpiとし、銘柄iの償還額をRiとし、銘柄iの利子をciとすると、以下のように表される。
Figure 0005911398
pは仮想的な国債の市場価格を表し、cは仮想的な国債の利子を表し、Rは仮想的な国債の償還額を表している。
なお、第1乃至第3のバリエーションについては、取引量と取引回数と残存期間(満期日までの期間)とのうち少なくともいずれかについて閾値を超えた国債について1銘柄の国債を抽出するようにしても良い。例えば、残存期間が2ヶ月未満のものを除外したり、取引量が閾値未満のものを除外したりする。
また、第4のバリエーションとしては、以下のような手順で選別するようにしても良い。
(1)残存期間のゾーン毎に、選択する国債の種類を限定する。
残存期間2年以下であれば、2年債のみ選択
残存期間2年を超えて5年以下であれば、5年債のみ選択
残存期間5年を超えて10年以下であれば、10年債のみ選択
残存期間10年を超えて20年以下であれば、20年債のみ選択
残存期間20年を超えて30年以下であれば、30年債のみ選択
残存期間30年を超えて40年以下であれば、40年債のみ選択
なお、日本の国債の5年債は新規発行がないので、5年債がなければ10年債を代替して用いるようにしても良い。また、2年債の残存日数30日未満は対象外とする。
(2)(1)のように限定した上で、同一満期日について複数の銘柄の国債が残っていれば、最新入札日の銘柄の国債を選択する。
図6の処理の説明に戻って、行列生成部104は、第2データ格納部103に格納されているフィルタリング処理結果に含まれる国債についてのキャッシュフロー行列(CF行列)を生成し、第3データ格納部105に格納する(ステップS3)。
キャッシュフロー行列の各行は、国債の1銘柄に対応し、各列は、利子又は償還額(元本)のいずれかの支払時期に対応する。そして、キャッシュフロー行列におけるij成分には、国債の銘柄iについて支払時期jに支払われる支払額(利子又は利子及び償還額)が設定される。
例えば図8に示すようなキャッシュフロー行列が生成される。図8の例では、国債はN銘柄抽出された例を示しており、これらN銘柄の国債については全部でM回の支払時期がある。例えば、支払時期t1及びtM-3には、銘柄Nの国債の利子の支払いが行われており、支払時期tMには銘柄Nの国債の利子及び償還額の支払いが行われている。それ以外の支払時期については、銘柄Nの国債については支払いはないので、「0」が設定される。他の銘柄についても同様である。
支払時期tiについては、国債の各銘柄について、満期日−支払間隔×n(nは自然数)により計算する。但し支払時期tiが負の値になると算出を停止する。すなわち、満期日を起点に、支払間隔分だけ順番に現在まで遡る。支払額は、各銘柄の利子そのものか、満期日であれば利子+償還額となる。また、以下に述べる処理にて用いるので、t1乃至tMについても第3データ格納部105に格納しておく。
次に、割引率算出部106は、第3データ格納部105に格納されているキャッシュフロー行列から、各満期日における割引率を算出する割引率算出処理を実行し、処理結果を第5データ格納部107に格納する(ステップS5)。割引率算出処理については、図9乃至図13を用いて説明する。
まず、割引率算出部106の正則変換部1061は、初期フォーワードディスカウントファクター(FD)を用いて、キャッシュフロー行列を正則行列に変換する(ステップS31)。
このステップでは、まず、キャッシュフロー行列の列j(j=1,2,...,M)のうち、対応する支払時期tjが銘柄i(i=1,...,N)の満期日T={Ti|i=1,...,N}に含まれない列を特定する。図10に模式的に示す例では、t1、t2、t5については、満期日ではないので、特定される。
そして、このように特定された列を、直後の満期日の列に、フォーワードディスカウントファクターDを考慮した上で加算する。t1及びt2の列については、t3=T1の列に加算し、t5の列については、t6=T3の列に加算する。
また、支払時期tにおけるキャッシュフローの現在価値を近似的に保存するように、フォーワードディスカウントファクターの逆数1/D(t,T)を、tの列に乗じてから、Tの列に加算する。D(t,T)は、支払時期tから支払時期Tまでのフォーワードディスカウントファクターを表している。
初期フォーワードディスカウントファクターは、例えば第4データ格納部113に格納されている国債複利利回りデータから算出される。国債複利利回りデータは、例えば図11に示すようなデータであり、この国債複利利回りから割引率を、上で述べた(1)式で算出する。そして、割引率から以下の式でフォーワードディスカウントファクターDを算出する。
Figure 0005911398
d(τt)は、現時点から時点tまでの期間τtについての割引率である。同様に、d(τT)は、現時点から時点Tまでの期間τTについての割引率である。
但し、図11に示すように、離散的な割引率しか得られないので、上で述べたキャッシュフロー行列を正則行列に変換するために用いるフォーワードディスカウントファクターD(t1,t2)のためのd(τt1)及びd(τt2)が直接計算されない場合もある。このような場合には、算出された各時点の割引率に加えて現在の割引率を「1」と設定して、例えば三次スプライン補間等の補間方式にて割引率曲線を描き、τt1及びτt2についての割引率d(τt1)及びd(τt2)を得る。
割引率曲線は、例えば図12に示すような単調減少関数を表す曲線となる。図12は、残存期間「0」(すなわち現時点)からより長い残存期間に向かって割引率の変化を表す図12のように、国債複利利回りデータからは点がプロットされるだけであり、点の間の値については、補間計算によって算出する。図12では、時点tに相当する、現在からの期間τtについての割引率はd(τt)であり、時点Tに相当する、現在からの期間τTについての割引率はd(τT)である。
図10の例では、t1の列については、D(t1,t3=T1)=d(τt1)/d(τt3)を乗じてからT1の列に加算する。さらに、t2の列については、D(t2,t3)=d(τt2)/d(τt3)を乗じてからT3の列に加算する。また、t5の列については、D(t5,t6=T3)=d(τt5)/d(τt6)を乗じてからT3の列に加算する。
そして、満期日以外の列を削除すれば、図10に示すようなキャッシュフロー行列から、図13に示すようなN行N列の正則行列が得られる。すなわち、抽出された銘柄の国債の支払時期が、これらの銘柄の国債のいずれかの満期日に集約された形のキャッシュフロー行列に変換される。
なお、初期フォーワードディスカウントファクターは仮の値であるから、国債複利利回りデータを用いなくても良い。例えば、図12に模式的に示すような、1から単調に減少するような任意の曲線を用意して用いるようにしても良い。
図9の処理の説明に戻って、割引率算出部106は、正則行列から、割引率行列を算出し、第5データ格納部107に格納する(ステップS33)。
国債の市場価格は、ファイナンス理論上、各キャッシュフローを割引率で割り引いて合算した値であるため、下記の関係から割引率行列dを算出する。なお、正則行列をCとする。
Cd=p
d=(d1,d2,...,dNT
kは、時点Tkにおける割引率である。
p=(p1,p2,...,pNT
kは、時点Tkにおける市場価格である。このようなデータは第3データ格納部105に格納されている。
従って、以下のように変形すれば、割引率行列dを得ることができる。
d=C-1
そして、割引率算出部106は、第5データ格納部107に格納されている1回前の割引率行列d’と今回算出された割引率行列dとの差が許容範囲内であるか判断する(ステップS35)。いずれの満期日における割引率の差の絶対値も閾値未満であることが要件となる。なお、初回は、この条件を満たさないものとする。この条件を満たす場合には、呼出元の処理に戻る。
一方、この条件を満たさない場合には、正則変換部1061は、ステップS33で算出された割引率行列から算出されるフォーワードディスカウントファクターを用いて、キャッシュフロー行列を正則行列に変換する(ステップS37)。変換のやり方はステップS31と同様であるが、用いるフォーワードディスカウントファクターの値だけが異なる。そして処理はステップS33に戻る。
このように、割引率が収束するまでステップS33乃至S37を繰り返すことになる。すなわち、市場価格を正しく算出するまで、正則行列及び割引率行列を設定し直すものである。
図6の処理の説明に戻って、スポットレート算出部108は、第2データ格納部103に格納されているデータを用いて、第5データ格納部107に格納されている割引率行列から、国債の各銘柄の満期日についてのスポットレートを算出し、第6データ格納部109に格納する(ステップS7)。
上で述べた(2)式と同様に、以下のような式で算出される。
Figure 0005911398
但し、riは満期日Tiにおけるスポットレートである。またdiはTiにおける割引率を表す。
満期日Tiについては、現在からの残存期間に変換することができる。そうすると、例えば図14Aに示すようなデータが得られる。図14Aの例では、残存期間とスポットレート(SR)とのデータが含まれている。図14Aのデータを、グラフにすると図14Bのようになる。図14Bの例では、横軸は残存期間を表し、縦軸はスポットレートを表す。このように、一部の残存期間、特に30年から40年の間についてはスポットレートが算出されていないことが分かる。本実施の形態では、上で述べたような処理を実施することで、以下に述べる回帰計算を実施するのに適切なデータが用意されることになる。
そうすると、曲線推定部110は、第6データ格納部109に格納されているスポットレートに対してスポットレートカーブ推定処理を実行し、処理結果を第7データ格納部111に格納する(ステップS9)。このスポットレートカーブ推定処理については、図15乃至図19を用いて説明する。
本実施の形態では、例えばガウス型の基底関数の重み付け和を含む回帰モデルを用いてスポットレートカーブを推定する。より具体的には、期間Tα後のスポットレートrαは、以下のような回帰モデルによって表される。
Figure 0005911398
Figure 0005911398
Figure 0005911398
Figure 0005911398
εαは正規分布N(0,σ2)の誤差を表す。σ2は誤差の分散を表す。また、wkは、k番目の基底関数の重みを表している。さらに、(4)式は、ガウス型の基底関数を表しており、(4)式において、μkはk番目の基底関数の中心値を表しており、νは、基底関数の広がりを制御するためのパラメータである。s2 kは、k番目の基底関数の広がりを表すパラメータである。
本実施の形態では(5)式により、k=1についての基底関数の中心値を、残存期間の最小値T1より10年短い期間に設定し、k=mについての基底関数の中心値を、残存期間の最大値TNよりも10年長い期間に設定している。これは、図15に模式的に示される。このように、基底関数の定義域を広げ、残存期間の範囲を充分に基底関数で満たすことで安定的なスポットレートカーブが得られる。特に中心値が残存期間の最小値T1から最大値TNまでの範囲の外側に設定されるk=1についての基底関数及びk=mについての基底関数によって、他の基底関数についてのひずみの補償を行うことができるようになっている。なお、10年は、一例であって、場合によっては異なる値を設定するようにしても良い。
また、残存期間の最小値T1より10年短い期間から残存期間の最大値TNよりも10年長い期間までの範囲をm等分した位置に各基底関数の中心値を配置している。但し、mは、予め設定されるか又は以下の処理で決定される。
さらに、(6)式は、長い残存期間が設定された中心値を有する基底関数ほど、その広がりが大きくなることを表している。具体的には、sk 2とμkとの関係は、図16に示すようなカーブを描く。μkが大きな値であれば、残存期間が長い位置に配置される基底関数に相当する。そして、図16から分かるように、残存期間が長い位置に配置された基底関数ほど、sk 2が大きな値となる。すなわち、基底関数の広がりが大きくなる。
これは、市場の動向により、残存期間が短いところのスポットレートは、比較的(同じ取引日のスポットレートの中での残存期間の違いによる)変化が大きく、残存期間が長いところのスポットレートは変化が少ないことを考えると、基底関数として残存期間の短いところは広がりの狭いもの、残存期間の長いところは広がりの大きいものを使うのが適切であり、本実施の形態ではこれに従っている。
そして、このような回帰モデルについての確率密度関数は以下のように表される。
Figure 0005911398
Figure 0005911398
このような確率密度関数から罰則項を含む罰則付き対数尤度は、以下のように定義される。
Figure 0005911398
Figure 0005911398
なお、λは、正則化パラメータを表す。また、(8)式の第1及び第2項は回帰モデルの誤差の対数尤度を表しており、第3項は重み行列wが滑らかに変化するように設定された罰則項を表している。
このような罰則付き対数尤度を最大化する重み行列w及びσ2を、wの推定値w^(”^”は上付きのハットを表す)及びσ2^(”^”は上付きのハットを表す)の推定値とすると、以下を解くことになる。
Figure 0005911398
Figure 0005911398
そうすると、解は以下のように表される。
Figure 0005911398
Figure 0005911398
なお、スポットレート行列r=(r1,r2,...,rN)である。
このようにして得られる重み行列w^及びσ2^で規定される一般化情報量規準の値を最小化するように、回帰モデル等のパラメータm、ν及びλを決定する。
Figure 0005911398
Figure 0005911398
Figure 0005911398
Figure 0005911398
なお、(10)式の右辺第3項のtrは、対角成分の和を表す。
以上をまとめると、曲線推定部110は、図17に示すような処理を実施する。まず、曲線推定部110は、m、ν及びλの初期値を設定する(ステップS41)。そして、曲線推定部110は、m、ν及びλを用いて重み行列w及びσ2の推定値を算出する(ステップS43)。(9)式を用いて推定値を算出する。
そして、曲線推定部110は、重み行列w及びσ2の推定値から、一般化情報量規準の値を算出する(ステップS45)。(10)式を用いて一般化情報量規準の値を算出する。
その後、曲線推定部110は、スポットレートカーブ推定処理の終了条件を満たすか判断する(ステップS47)。使用する非線形最適化手法に応じて、一般化情報量規準の値を最小化するための終了条件が決定される。終了条件を満たす場合には呼出元の処理に戻る。
一方、処理の終了条件を満たさない場合には、曲線推定部110は、所定のアルゴリズムで新たなm、ν及びλの値を設定する(ステップS49)。例えば遺伝的アルゴリズムなどよく知られた非線形最適化手法に従って、m、ν及びλの値を決定する。そして処理はステップS43に戻る。但し、非線形最適化手法は遺伝的アルゴリズムに限定されるものではない。
なお、m、ν及びλが予め何らかの手法で設定されている場合には、図17の処理を行わずに、それらの値をそのまま用いて(9)式で重み行列w及びσ2の推定値を算出して用いる。
以上のような処理を実施することで、一般化情報量規準の値を最小化するm、ν及びλに加えて、その時の重み行列w及びσ2も得られる。従って、下記の式及び(4)式乃至(6)式で、任意の残存期間についてのスポットレートを算出できるようになる。
Figure 0005911398
なお、m及びν、重み行列w、σ2、各基底関数の中心位置μk(1≦k≦m)、広がりを表すパラメータs2 k(1≦k≦m)があれば、(14)式を計算できるので、曲線推定部110は、これらのデータを第7データ格納部111に格納する。
図6の処理の説明に戻って、出力部112は、第7データ格納部111に格納されているデータそのものを出力するか、(14)式と第7データ格納部111に格納されているデータから、所定の刻みで残存期間を変化させてその残存期間についてのスポットレートを算出してその計算結果に従って数値データを出力するか又は曲線自体を出力する(ステップS11)。
例えば、図18に示すようなデータを算出して、そのまま出力するようにしても良い。図18の例では、0.01刻みで残存期間を列挙しており、それらの残存期間のスポットレートを列挙している。
また、スポットレートカーブにすると図19に示すような曲線が得られる。図19の例では、横軸は残存期間を表しており、縦軸はスポットレート(SR)を表している。丸で囲われている部分は、国債の数が少ないため(図2参照)、従来技術では図3に示すように大きく変化するような曲線しか描けなかったが、図19の例では、滑らかに変化するような曲線が描けている。
以上本技術の実施の形態を説明したが、本技術はこれに限定されるものではない。例えば、図4に示した機能ブロック図は一例であり、プログラムモジュール構成が一致しないような実装も可能である。
さらに、処理フローについても一例であって処理結果が変わらない限り、処理ステップの順番を入れ替えたり、複数の処理ステップを並列実行させるようにしても良い。
なお、上で述べた曲線推定装置である情報処理装置100は、コンピュータ装置であって、図20に示すように、メモリ2501とCPU(Central Processing Unit)2503とハードディスク・ドライブ(HDD:Hard Disk Drive)2505と表示装置2509に接続される表示制御部2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とがバス2519で接続されている。オペレーティング・システム(OS:Operating System)及び本実施例における処理を実施するためのアプリケーション・プログラムは、HDD2505に格納されており、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出される。CPU2503は、アプリケーション・プログラムの処理内容に応じて表示制御部2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、所定の動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、主としてメモリ2501に格納されるが、HDD2505に格納されるようにしてもよい。本技術の実施例では、上で述べた処理を実施するためのアプリケーション・プログラムはコンピュータ読み取り可能なリムーバブル・ディスク2511に格納されて頒布され、ドライブ装置2513からHDD2505にインストールされる。インターネットなどのネットワーク及び通信制御部2517を経由して、HDD2505にインストールされる場合もある。このようなコンピュータ装置は、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及びアプリケーション・プログラムなどのプログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
以上述べた本実施の形態をまとめると、以下のようになる。
本実施の形態に係る曲線推定方法は、(A)利付債券(例えば国債)の銘柄毎に満期日と利子(利率の場合もある)と償還額と支払済み利子を含む市場価格とを格納するデータ格納部から、満期日毎に1銘柄の利付債券を抽出するステップと、(B)抽出された利付債券の銘柄についての満期日と利子と償還額とから、抽出された利付債券の銘柄毎に各支払時期の支払額を列挙した行列を生成するステップと、(C)生成された行列を正則行列に変換し、抽出された利付債券の銘柄毎の市場価格を含む行列と正則行列とから、抽出された利付債券の銘柄の各々について満期日における割引率を算出する処理を実行するステップと、(D)算出された満期日における割引率から、抽出された利付債券の銘柄の各々について満期日における金利を算出するステップと、(E)算出された満期日における金利から回帰曲線を算出するステップとを含む。
このような処理を実施することで、一部期間の金利のデータが不足する場合においても適切な曲線を得ることができるようになる。
また、上で述べたデータ格納部が、利付債券の銘柄毎に取引量又は入札日をさらに格納する場合もある。この場合、満期日毎に1銘柄の利付債券を抽出するステップにおいて、取引量又は入札日に基づき、満期日毎に1銘柄の利付債券を選択するようにしても良い。発明者の非自明な知見によれば、このような選択を実施することで、より適切な回帰曲線が得られるようになる。
さらに、上で述べた満期日毎に1銘柄の利付債券を抽出するステップにおいて、満期日が同一の利付債券の銘柄が複数存在する場合に、当該複数の銘柄の利付債券のデータから仮想的な1つの銘柄の利付債券の利子と償還額と市場価格とを算出するようにしても良い。統計的に適切なデータを生成できるようになる。
また、上で述べた割引率を算出する処理において、生成された行列において、抽出された利付債券の銘柄の満期日以外の支払時期における支払額から当該支払時期直後の満期日における支払額を算出して、抽出された利付債券の銘柄毎に満期日毎の支払額を列挙した正則行列に変換するようにしても良い。このようにすれば、抽出された利付債券の利払い時期が利付債券のいずれかの銘柄の満期日に適切に集約されるようになる。
さらに、上で述べた割引率を算出する処理が、(c1)生成された行列において、抽出された利付債券の銘柄の満期日以外の支払時期における支払額から、抽出された利付債券の銘柄の満期日における第1の利率を用いて当該支払時期直後の満期日における支払額を算出して、抽出された利付債券の銘柄毎に満期日毎の支払額を列挙した正則行列に変換する処理と、(c2)正則行列の逆行列と、抽出された利付債券の銘柄毎の市場価格を含む行列との積から、抽出された利付債券の銘柄の各々について満期日における第2の利率を算出する処理と、(c3)第1の利率と第2の利率との差が全て所定の閾値以下となるまで、第1の利率を第2の利率で置き換えて、正則行列の変換と第2の利率の算出とを繰り返し実行する処理とを含むようにしても良い。
このような処理を実施することで得られる第2の利率は、適切な割引率となる。なお、満期日における支払額を算出する際に、第1の利率に含まれない期間についての利率については補間計算(例えば三次スプライン補間)にて算出するようにしても良い。
さらに、回帰曲線の算出において用いられる回帰モデルが、満期日における金利を、複数の基底関数の重み付き和で表すものである場合もある。その場合、複数の基底関数の中心値が、現在から満期日のうち最も早い第1の満期日までの期間より所定期間短い第1の期間から、現在から満期日のうち最も遅い第2の満期日までの期間より所定期間長い第2の期間までの期間を等分した間隔で設定される場合もある。また、複数の基底関数の各々の広がりを表すパラメータが、当該基底関数の中心値が大きいほど大きな値となるように設定される場合もある。このような回帰モデルによれば、より確からしい滑らかな回帰曲線を得られるようになる。
また、上で述べた回帰曲線の算出において、回帰曲線の算出において用いられる回帰モデルに基づく確率密度関数について規定され且つ滑らかに変化させるための罰則項を含む対数尤度を最大化し、且つ複数の基底関数の重みを含むパラメータ群の値を決定するようにしても良い。
さらに、上で述べた回帰曲線の算出において、上記パラメータ群に関連して規定される一般化情報量規準の値が最小となるように、回帰モデルにおける基底関数の中心値の間隔に関連するパラメータと基底関数の広がりを制御するパラメータと罰則項に含まれる正則パラメータとを決定するようにしても良い。以上のような処理を行うことで、適切な回帰モデルを決定できるようになる。
なお、上で述べたような処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを作成することができ、当該プログラムは、例えばフレキシブル・ディスク、CD−ROMなどの光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ(例えばROM)、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は記憶装置に格納される。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
利付債券の銘柄毎に満期日と利子と償還額と支払済み利子を含む市場価格とを格納するデータ格納部から、満期日毎に1銘柄の利付債券を抽出し、
抽出された前記利付債券の銘柄についての前記満期日と前記利子と前記償還額とから、抽出された前記利付債券の銘柄毎に各支払時期の支払額を列挙した行列を生成し、
生成された前記行列を正則行列に変換し、抽出された前記利付債券の銘柄毎の前記市場価格を含む行列と前記正則行列とから、抽出された前記利付債券の銘柄の各々について満期日における割引率を算出する処理を実行し、
算出された前記満期日における割引率から、抽出された前記利付債券の銘柄の各々について前記満期日における金利を算出し、
算出された前記満期日における金利から回帰曲線を算出する
処理を含み、コンピュータにより実行される曲線推定方法。
(付記2)
前記データ格納部が、前記利付債券の銘柄毎に取引量又は入札日をさらに格納しており、
前記満期日毎に1銘柄の利付債券を抽出する処理において、
前記取引量又は入札日に基づき、満期日毎に1銘柄の利付債券を選択する
付記1記載の曲線推定方法。
(付記3)
前記満期日毎に1銘柄の利付債券を抽出する処理において、
満期日が同一の利付債券の銘柄が複数存在する場合に、当該複数の銘柄の利付債券のデータから仮想的な1つの銘柄の利付債券の利子と償還額と市場価格とを算出する
付記1記載の曲線推定方法。
(付記4)
前記割引率を算出する処理が、
生成された前記行列において、抽出された前記利付債券の銘柄の満期日以外の支払時期における支払額から当該支払時期直後の満期日における支払額を算出して、抽出された前記利付債券の銘柄毎に前記満期日毎の支払額を列挙した正則行列に変換する
付記1乃至3のいずれか1つ記載の曲線推定方法。
(付記5)
前記割引率を算出する処理が、
生成された前記行列において、抽出された前記利付債券の銘柄の満期日以外の支払時期における支払額から、抽出された前記利付債券の銘柄の満期日における第1の利率を用いて当該支払時期直後の満期日における支払額を算出して、抽出された前記利付債券の銘柄毎に前記満期日毎の支払額を列挙した正則行列に変換し、
前記正則行列の逆行列と、抽出された前記利付債券の銘柄毎の前記市場価格を含む行列との積から、抽出された前記利付債券の銘柄の各々について満期日における第2の利率を算出し、
前記第1の利率と前記第2の利率との差が全て所定の閾値以下となるまで、前記第1の利率を前記第2の利率で置き換えて、前記正則行列の変換と前記第2の利率の算出とを繰り返し実行する
処理を含む付記1乃至3のいずれか1つ記載の曲線推定方法。
(付記6)
前記回帰曲線の算出において用いられる回帰モデルが、
前記満期日における金利を、複数の基底関数の重み付き和で表すものであり、
前記複数の基底関数の中心値が、現在から前記満期日のうち最も早い第1の満期日までの期間より所定期間短い第1の期間から、現在から前記満期日のうち最も遅い第2の満期日までの期間より前記所定期間長い第2の期間までの期間を等分した間隔で設定され、
前記複数の基底関数の各々の広がりを表すパラメータが、当該基底関数の中心値が大きいほど大きな値となるように設定される
付記1乃至5のいずれか1つ記載の曲線推定方法。
(付記7)
前記回帰曲線の算出において、
前記回帰曲線の算出において用いられる回帰モデルに基づく確率密度関数について規定され且つ滑らかに変化させるための罰則項を含む対数尤度を最大化し、且つ前記複数の基底関数の重みを含むパラメータ群の値を決定する
付記6記載の曲線推定方法。
(付記8)
前記回帰曲線の算出において、
前記パラメータ群に関連して規定される一般化情報量規準の値が最小となるように、前記回帰モデルにおける前記基底関数の中心値の間隔に関連するパラメータと前記基底関数の広がりを制御するパラメータと前記罰則項に含まれる正則パラメータとを決定する
付記7記載の曲線推定方法。
(付記9)
利付債券の銘柄毎に満期日と利子と償還額と支払済み利子を含む市場価格とを格納するデータ格納部から、満期日毎に1銘柄の利付債券を抽出し、
抽出された前記利付債券の銘柄についての前記満期日と前記利子と前記償還額とから、抽出された前記利付債券の銘柄毎に各支払時期の支払額を列挙した行列を生成し、
生成された前記行列を正則行列に変換し、抽出された前記利付債券の銘柄毎の前記市場価格を含む行列と前記正則行列とから、抽出された前記利付債券の銘柄の各々について満期日における割引率を算出する処理を実行し、
算出された前記満期日における割引率から、抽出された前記利付債券の銘柄の各々について前記満期日における金利を算出し、
算出された前記満期日における金利から回帰曲線を算出する
処理を、コンピュータに実行させるための曲線推定プログラム。
(付記10)
利付債券の銘柄毎に満期日と利子と償還額と支払済み利子を含む市場価格とを格納するデータ格納部から、満期日毎に1銘柄の利付債券を抽出する抽出部と、
抽出された前記利付債券の銘柄についての前記満期日と前記利子と前記償還額とから、抽出された前記利付債券の銘柄毎に各支払時期の支払額を列挙した行列を生成する生成部と、
生成された前記行列を正則行列に変換し、抽出された前記利付債券の銘柄毎の前記市場価格を含む行列と前記正則行列とから、抽出された前記利付債券の銘柄の各々について満期日における割引率を算出する処理を実行する割引率算出部と、
算出された前記満期日における割引率から、抽出された前記利付債券の銘柄の各々について前記満期日における金利を算出する金利算出部と、
算出された前記満期日における金利から回帰曲線を算出する曲線算出部と、
を有する曲線推定装置。
101 第1データ格納部
102 抽出部
103 第2データ格納部
104 行列生成部
105 第3データ格納部
106 割引率算出部
113 第4データ格納部
107 第5データ格納部
108 スポットレート算出部
109 第6データ格納部
110 曲線推定部
111 第7データ格納部
112 出力部

Claims (10)

  1. 利付債券の銘柄毎に満期日と利子と償還額と支払済み利子を含む市場価格とを格納するデータ格納部から、満期日毎に1銘柄の利付債券を抽出し、
    抽出された前記利付債券の銘柄についての前記満期日と前記利子と前記償還額とから、抽出された前記利付債券の銘柄毎に各支払時期の支払額を列挙した行列を生成し、
    生成された前記行列を正則行列に変換し、抽出された前記利付債券の銘柄毎の前記市場価格を含む行列と前記正則行列とから、抽出された前記利付債券の銘柄の各々について満期日における割引率を算出する処理を実行し、
    算出された前記満期日における割引率から、抽出された前記利付債券の銘柄の各々について前記満期日における金利を算出し、
    算出された前記満期日における金利から回帰曲線を算出する
    処理を含み、コンピュータにより実行される曲線推定方法。
  2. 前記データ格納部が、前記利付債券の銘柄毎に取引量又は入札日をさらに格納しており、
    前記満期日毎に1銘柄の利付債券を抽出する処理において、
    前記取引量又は入札日に基づき、満期日毎に1銘柄の利付債券を選択する
    請求項1記載の曲線推定方法。
  3. 前記満期日毎に1銘柄の利付債券を抽出する処理において、
    満期日が同一の利付債券の銘柄が複数存在する場合に、当該複数の銘柄の利付債券のデータから仮想的な1つの銘柄の利付債券の利子と償還額と市場価格とを算出する
    請求項1記載の曲線推定方法。
  4. 前記割引率を算出する処理が、
    生成された前記行列において、抽出された前記利付債券の銘柄の満期日以外の支払時期における支払額から当該支払時期直後の満期日における支払額を算出して、抽出された前記利付債券の銘柄毎に前記満期日毎の支払額を列挙した正則行列に変換する
    請求項1乃至3のいずれか1つ記載の曲線推定方法。
  5. 前記割引率を算出する処理が、
    生成された前記行列において、抽出された前記利付債券の銘柄の満期日以外の支払時期における支払額から、抽出された前記利付債券の銘柄の満期日における第1の利率を用いて当該支払時期直後の満期日における支払額を算出して、抽出された前記利付債券の銘柄毎に前記満期日毎の支払額を列挙した正則行列に変換し、
    前記正則行列の逆行列と、抽出された前記利付債券の銘柄毎の前記市場価格を含む行列との積から、抽出された前記利付債券の銘柄の各々について満期日における第2の利率を算出し、
    前記第1の利率と前記第2の利率との差が全て所定の閾値以下となるまで、前記第1の利率を前記第2の利率で置き換えて、前記正則行列の変換と前記第2の利率の算出とを繰り返し実行する
    処理を含む請求項1乃至3のいずれか1つ記載の曲線推定方法。
  6. 前記回帰曲線の算出において用いられる回帰モデルが、
    前記満期日における金利を、複数の基底関数の重み付き和で表すものであり、
    前記複数の基底関数の中心値が、現在から前記満期日のうち最も早い第1の満期日までの期間より所定期間短い第1の期間から、現在から前記満期日のうち最も遅い第2の満期日までの期間より前記所定期間長い第2の期間までの期間を等分した間隔で設定され、
    前記複数の基底関数の各々の広がりを表すパラメータが、当該基底関数の中心値が大きいほど大きな値となるように設定される
    請求項1乃至5のいずれか1つ記載の曲線推定方法。
  7. 前記回帰曲線の算出において、
    前記回帰曲線の算出において用いられる回帰モデルに基づく確率密度関数について規定され且つ滑らかに変化させるための罰則項を含む対数尤度を最大化し、且つ前記複数の基底関数の重みを含むパラメータ群の値を決定する
    請求項6記載の曲線推定方法。
  8. 前記回帰曲線の算出において、
    前記パラメータ群に関連して規定される一般化情報量規準の値が最小となるように、前記回帰モデルにおける前記基底関数の中心値の間隔に関連するパラメータと前記基底関数の広がりを制御するパラメータと前記罰則項に含まれる正則パラメータとを決定する
    請求項7記載の曲線推定方法。
  9. 利付債券の銘柄毎に満期日と利子と償還額と支払済み利子を含む市場価格とを格納するデータ格納部から、満期日毎に1銘柄の利付債券を抽出し、
    抽出された前記利付債券の銘柄についての前記満期日と前記利子と前記償還額とから、抽出された前記利付債券の銘柄毎に各支払時期の支払額を列挙した行列を生成し、
    生成された前記行列を正則行列に変換し、抽出された前記利付債券の銘柄毎の前記市場価格を含む行列と前記正則行列とから、抽出された前記利付債券の銘柄の各々について満期日における割引率を算出する処理を実行し、
    算出された前記満期日における割引率から、抽出された前記利付債券の銘柄の各々について前記満期日における金利を算出し、
    算出された前記満期日における金利から回帰曲線を算出する
    処理を、コンピュータに実行させるための曲線推定プログラム。
  10. 利付債券の銘柄毎に満期日と利子と償還額と支払済み利子を含む市場価格とを格納するデータ格納部から、満期日毎に1銘柄の利付債券を抽出する抽出部と、
    抽出された前記利付債券の銘柄についての前記満期日と前記利子と前記償還額とから、抽出された前記利付債券の銘柄毎に各支払時期の支払額を列挙した行列を生成する生成部と、
    生成された前記行列を正則行列に変換し、抽出された前記利付債券の銘柄毎の前記市場価格を含む行列と前記正則行列とから、抽出された前記利付債券の銘柄の各々について満期日における割引率を算出する処理を実行する割引率算出部と、
    算出された前記満期日における割引率から、抽出された前記利付債券の銘柄の各々について前記満期日における金利を算出する金利算出部と、
    算出された前記満期日における金利から回帰曲線を算出する曲線算出部と、
    を有する曲線推定装置。
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