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JP5914123B2 - 電子部品用接着剤及び電子部品用接着フィルム - Google Patents
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JP5914123B2 - 電子部品用接着剤及び電子部品用接着フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、速硬化性にも貯蔵安定性にも優れ、かつ、高い接着力を有する電子部品用接着剤に関する。また、本発明は、該電子部品用接着剤を用いて製造される電子部品用接着フィルムに関する。
半導体チップを用いて半導体装置を製造する場合、接着剤を用いて半導体チップを基板等に接着固定する工程(ダイボンディング工程)が行われる。
ダイボンディング工程において使用される接着剤としては、例えば、特許文献1にはエポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂、及び、イミダゾール化合物を含有するダイアタッチペーストが開示されている。特許文献1に記載されたダイアタッチペーストは、接着性、速硬化性、信頼性に優れているとされ、特に短時間の硬化で高い接着信頼性が得られる旨が記載されている。特許文献1の実施例においては、200℃、30秒及び60秒で硬化させた際の接着強度が評価されている。
近年、半導体装置の高集積化への要望が益々大きくなっており、半導体チップの多層積層化が進んでいる。そのため、特許文献1に記載されたダイアタッチペーストのように硬化に数十秒を要する接着剤を用いたのでは、一つの半導体装置を製造するのに要する時間が長時間化してしまうという問題が生じていた。また、多層積層化により、ごく僅かな半導体チップのズレが積層体としては致命的な欠陥となりうるところ、硬化に時間がかかりすぎるとズレが発生しやすくなるという問題もあった。
半導体装置の製造時間の長時間化を解消するためには、例えば、速硬化型の接着剤を使用することが検討されている。しかしながら、一般的に速硬化型の接着剤は高反応性の硬化剤及び硬化促進剤を使用するため、貯蔵安定性に劣るという問題があった。
特開2004−172443号公報
本発明は、速硬化性にも貯蔵安定性にも優れ、かつ、高い接着力を有する電子部品用接着剤を提供することを目的とする。また、本発明は、該電子部品用接着剤を用いて製造される電子部品用接着フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、エポキシ樹脂、硬化剤、アニオン硬化促進剤、及び、前記アニオン硬化促進剤100重量部に対して1〜60重量部のスルホニウム塩化合物を含有する電子部品用接着剤である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、エポキシ樹脂、硬化剤、及び、硬化促進剤を含有する電子部品用接着剤において、硬化促進剤としてアニオン硬化促進剤とスルホニウム塩化合物とを併用することで、速硬化性でありながら貯蔵安定性にも優れた電子部品用接着剤が得られることを見出した。更に、本発明者は、アニオン硬化促進剤とスルホニウム塩化合物との配合比によっては、速硬化性又は貯蔵安定性が低下するだけではなく接着力も不足するのに対し、配合比を所定範囲内とすることで、速硬化性にも貯蔵安定性にも優れ、かつ、高い接着力を有する電子部品用接着剤が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の電子部品用接着剤は、エポキシ樹脂を含有する。
上記エポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、芳香族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。上記芳香族エポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、軟化点が150℃以下の芳香族エポキシ樹脂、常温で液体又は結晶性固体の芳香族エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記軟化点が150℃以下の芳香族エポキシ樹脂として、例えば、フェノールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルフェノールノボラックエポキシ樹脂等が挙げられる。上記常温で液体又は結晶性固体の芳香族エポキシ樹脂として、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型等のビスフェノール型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、アニリン型エポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも、硬化速度が速いことから、ナフタレン型エポキシ樹脂、アニリン型エポキシ樹脂が好ましい。これらの芳香族エポキシ樹脂は、単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
上記芳香族エポキシ樹脂のうち、市販品として、例えば、YL−980、1004AF(以上、三菱化学社製)、HP−4032、HP−4700(以上、DIC社製)、EP−3900(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記脂肪族エポキシ樹脂は、脂肪族鎖式化合物であってもよく、脂環式化合物であってもよい。上記脂肪族鎖式化合物として、例えば、(ポリ)エチレングリコール型エポキシ樹脂、(ポリ)プロピレングリコール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA−(ポリ)プロピレンオキサイド型エポキシ樹脂、ビスフェノールF−(ポリ)プロピレンオキサイド型エポキシ樹脂等が挙げられる。上記脂環式化合物として、例えば、水添レゾルシノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビフェニル型エポキシ樹脂、水添ナフタレン型エポキシ樹脂、水添アントラセン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも、電子部品用接着剤の硬化物の弾性率が高くなることから、脂環式化合物が好ましく、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂がより好ましい。これらの脂肪族エポキシ樹脂は、単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
上記脂肪族エポキシ樹脂のうち、市販品として、例えば、EP−4000S、EP−4010S、ED−502S、ED−501、EP−4080S、EP−4088S、EP−4088L(ADEKA社製)、YX−8000、YX−8040、YL−6753、YL−7410(三菱化学社製)、EXA−7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂と反応可能な官能基を有する高分子化合物(以下、単に、反応可能な官能基を有する高分子化合物ともいう)を含有してもよい。
上記反応可能な官能基を有する高分子化合物は、造膜成分としての役割を果たす。また、上記反応可能な官能基を有する高分子化合物を含有することで、得られる電子部品用接着剤の硬化物は靭性をもち、優れた耐衝撃性を発現することができる。
上記反応可能な官能基を有する高分子化合物は特に限定されず、例えば、アミノ基、ウレタン基、イミド基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等を有する高分子化合物等が挙げられる。なかでも、エポキシ基を有する高分子化合物が好ましい。
上記エポキシ基を有する高分子化合物を含有することで、得られる電子部品用接着剤の硬化物は、上記芳香族エポキシ樹脂等に由来する優れた機械的強度、耐熱性及び耐湿性と、上記エポキシ基を有する高分子化合物に由来する優れた靭性とを兼備することにより、高い接合信頼性及び接続信頼性を発現することができる。
上記エポキシ基を有する高分子化合物は、末端及び/又は側鎖(ペンダント位)にエポキシ基を有する高分子化合物であれば特に限定されず、例えば、エポキシ基含有アクリルゴム、エポキシ基含有ブタジエンゴム、ビスフェノール型高分子量エポキシ樹脂、エポキシ基含有フェノキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、エポキシ基含有ウレタン樹脂、エポキシ基含有ポリエステル樹脂等が挙げられる。なかでも、エポキシ基を多く含み、得られる電子部品用接着剤の硬化物が優れた機械的強度、耐熱性、靭性等を発現できることから、エポキシ基含有アクリル樹脂が好ましい。これらのエポキシ基を有する高分子化合物は、単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
上記反応可能な官能基を有する高分子化合物として、上記エポキシ基を有する高分子化合物、特にエポキシ基含有アクリル樹脂を用いる場合、該エポキシ基を有する高分子化合物の重量平均分子量の好ましい下限は1万、好ましい上限は20万である。上記重量平均分子量が1万未満であると、得られる電子部品用接着剤をフィルム化する際の造膜性が不充分となり、フィルム形状を保持できないことがあり、また、低分子量化合物が多く存在するため、ボイドが発生しやすくなることがある。上記重量平均分子量が20万を超えると、得られる電子部品用接着剤は流動性が低くなり、ボンディング後に導通がとれなくなることがある。
上記反応可能な官能基を有する高分子化合物として、上記エポキシ基を有する高分子化合物、特にエポキシ基含有アクリル樹脂を用いる場合、該エポキシ基を有する高分子化合物のエポキシ当量の好ましい下限は200、好ましい上限は1000である。上記エポキシ当量が200未満であると、得られる電子部品用接着剤の硬化物が堅く、脆くなることがある。上記エポキシ当量が1000を超えると、得られる電子部品用接着剤の硬化物の機械的強度、耐熱性等が不充分となることがある。
上記エポキシ樹脂が上記反応可能な官能基を有する高分子化合物を含有する場合、上記反応可能な官能基を有する高分子化合物の含有量は特に限定されないが、上記エポキシ樹脂中の好ましい下限が5重量%、好ましい上限が80重量%である。上記反応可能な官能基を有する高分子化合物の含有量が5重量%未満であると、得られる電子部品用接着剤をフィルム化する際の造膜性が不充分となり、フィルム形状を保持できないことがあり、また、タックが強くなることがある。上記反応可能な官能基を有する高分子化合物の含有量が80重量%を超えると、得られる電子部品用接着剤は、未硬化状態でのハンドリング時に割れることがある。
本発明の電子部品用接着剤は、硬化剤を含有する。
上記硬化剤は特に限定されず、例えば、酸無水物硬化剤、フェノール硬化剤、アミン硬化剤、チオール硬化剤等が挙げられる。上記酸無水物硬化剤は特に限定されないが、2官能の酸無水物硬化剤が好ましい。上記2官能の酸無水物硬化剤は特に限定されず、例えば、フタル酸誘導体の無水物、無水マレイン酸等が挙げられる。上記酸無水物硬化剤のうち、市販品として、例えば、YH−306(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記フェノール硬化剤は特に限定されず、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ジシクロペンタジエンフェノール、アラルキルフェノール、トリスフェノール、テトラキスフェノール、レゾール型フェノール、ビフェニルジメチレン型フェノール、フェノール樹脂−シリカハイブリッド及びこれらの誘導体、変性体等が挙げられる。なかでも、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ジシクロペンタジエンフェノール、ビフェニルジメチレン型フェノール、フェノール樹脂−シリカハイブリッド及びこれらの誘導体、変性体が好ましい。上記フェノール硬化剤のうち、市販品として、例えば、MEH−8000H(明和化成社製)、TD−2131(DIC社製)、Matrimid(Huntsman社製)、KA−1160(DIC社製)等が挙げられる。
上記アミン硬化剤は特に限定されず、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の変性脂肪族アミン、ジアミノジフェニルスルフォン等の変性芳香族アミン及びこれらの誘導体、変性体等が挙げられる。なかでも、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の変性脂肪族アミン及びこれらの誘導体、変性体等が好ましい。上記アミン硬化剤のうち、市販品として、例えば、DICY(ナカライテスク社製)、エポキシ樹脂硬化剤 T、TO184、U(以上、三菱化学社製)、EH540−5(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記チオール硬化剤は特に限定されないが、チオグリコール酸、β−メルカプトプロパン酸、3−メルカプトブタン酸及びこれらの誘導体、変性体等が好ましい。上記チオール硬化剤のうち、市販品として、例えば、BMPA、MPM、PEMP、TMMP、TEMPIC(以上、SC有機化学社製)、カレンズMT PE1、BD1、NR1(以上、昭和電工社製)等が挙げられる。
上記硬化剤の含有量は特に限定されないが、上記エポキシ樹脂100重量部に対する好ましい下限が20重量部、好ましい上限が200重量部である。上記硬化剤の含有量が20重量部未満であると、得られる電子部品用接着剤が充分に硬化しないことがある。上記硬化剤の含有量が200重量部を超えると、得られる電子部品用接着剤の接続信頼性が低下することがある。上記硬化剤の含有量は、上記エポキシ樹脂100重量部に対するより好ましい下限が25重量部、より好ましい上限が150重量部、更に好ましい下限は30重量部、更に好ましい上限は120重量部である。
本発明の電子部品用接着剤は、アニオン硬化促進剤、及び、前記アニオン硬化促進剤100重量部に対して1〜60重量部のスルホニウム塩化合物を含有する。
上記アニオン硬化促進剤と上記スルホニウム塩化合物とを含有することで、本発明の電子部品用接着剤は、速硬化性でありながら貯蔵安定性にも優れたものとなる。更に、上記アニオン硬化促進剤と上記スルホニウム塩化合物との配合比によっては、速硬化性又は貯蔵安定性が低下するだけではなく接着力も不足するのに対し、配合比が上記範囲内であることで、本発明の電子部品用接着剤は、速硬化性にも貯蔵安定性にも優れ、かつ、高い接着力を有することができる。
上記アニオン硬化促進剤として、例えば、イミダゾール化合物、アミン及びアミン誘導体等が挙げられる。なかでも、得られる電子部品用接着剤の接着力がより高まることから、イミダゾール化合物が好ましい。
上記イミダゾール化合物は特に限定されず、例えば、イミダゾールの1位をシアノエチル基で保護した1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、イソシアヌル酸で塩基性を保護したイミダゾール化合物(商品名「2MAOK」、四国化成工業社製)、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン イソシアヌル酸付加塩(商品名「2MAOK−PW」、四国化成工業社製)、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン(商品名「2MZA」、四国化成工業社製)、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(商品名「2P4MHZ」、四国化成工業社製)、2−エチル−4−メチルイミダゾール(商品名「2E4MZ」、四国化成工業社製)、コアシェル型潜在性イミダゾール化合物(商品名「HX−3792」、旭化成社製)、液状イミダゾール化合物(商品名「フジキュア7000」、富士化成社製)、エポキシ−イミダゾールアダクト(商品名「キュアダクトP−0505」、四国化成社製)等が挙げられる。これらのイミダゾール化合物は、単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
上記アミン及びアミン誘導体として、例えば、JERキュア3010(三菱化学社製)、アデカハードナーEH4351S、EH4388S、EH3636AS(以上、ADEKA社製)、アミキュアPN−23J、PN−40J、MY−24、VDH、UDH(以上、味の素ファインテクノ社製)、ノバキュアHX−3742、HX−3792(以上、旭化成社製)等が挙げられる。これらのアミン及びアミン誘導体は、単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
上記イミダゾール化合物、上記アミン及びアミン誘導体以外の他のアニオン硬化促進剤として、例えば、DBU(1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7)、DBN(1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノネン−5)、U−CAT SA1(DBU−フェノール塩)、U−CAT SA31、U−CAT 5002(DBU系テトラフェニルボレート塩)(以上、サンアプロ社製)等が挙げられる。これらの他のアニオン硬化促進剤は、単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
上記アニオン硬化促進剤の含有量は特に限定されないが、上記エポキシ樹脂100重量部に対する好ましい下限が0.3重量部、好ましい上限が20重量部である。上記アニオン硬化促進剤の含有量が0.3重量部未満であると、得られる電子部品用接着剤が充分に硬化しなかったり、硬化速度が遅くなったり、接着力が低下したりすることがある。上記アニオン硬化促進剤の含有量が20重量部を超えると、得られる電子部品用接着剤において、未反応のアニオン硬化促進剤が接着界面に染み出すことにより、接合信頼性が低下することがある。
上記スルホニウム塩化合物はカチオン硬化促進剤であり、上記アニオン硬化促進剤とともに硬化促進剤として作用する。
上記スルホニウム塩化合物は、硬化促進剤として作用するスルホニウム塩化合物であれば特に限定されず、例えば、下記一般式(I)又は(II)で表される構造を有する芳香族スルホニウム塩化合物等が挙げられる。なお、上記スルホニウム塩化合物の代わりにその他のカチオン硬化促進剤を使用すると、電子部品用接着剤の速硬化性又は貯蔵安定性が低下してしまう。
Figure 0005914123
Figure 0005914123
一般式(I)及び(II)中、Rは水素、ハロゲン、アルキル基、ベンゾイル基又はアルキル化ベンゾイル基を表す。R’及びR’’はそれぞれ、アルキル基、ベンジル基又はアルキル化ベンジル基を表す。R’’’はベンゾイルオキサイド基又はアルキル化ベンゾイルオキサイド基を表す。
上記スルホニウム塩化合物として、具体的には例えば、4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−ベンゾイルオキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロホフェート、ベンジル−4−(4−トルオイルオキシ)フェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。これらのスルホニウム塩化合物は、単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
上記スルホニウム塩化合物のうち、市販品として、例えば、サンエイドSI−45、SI−80、SI−110、SI−180(以上、三新化学社製)等が挙げられる。
上記スルホニウム塩化合物の含有量は、上記アニオン硬化促進剤100重量部に対する下限が1重量部、上限が60重量部である。上記スルホニウム塩化合物の含有量が1重量部未満であると、得られる電子部品用接着剤の貯蔵安定性が低下する。上記スルホニウム塩化合物の含有量が60重量部を超えると、得られる電子部品用接着剤が充分に硬化しなかったり、硬化速度が遅くなったり、接着力が低下したりする。上記スルホニウム塩化合物の含有は、上記アニオン硬化促進剤100重量部に対する好ましい下限が2重量部、好ましい上限が55重量部であり、より好ましい下限が3重量部、より好ましい上限が50重量部である。
本発明の電子部品用接着剤は、無機フィラーを含有してもよい。
上記無機フィラーを含有することで、得られる電子部品用接着剤の硬化物の線膨張率が低下し、半導体チップへの応力の発生及びハンダ等の導通部分のクラックの発生を良好に防止することができる。
上記無機フィラーは特に限定されず、例えば、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ等のシリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、ガラスパウダー、ガラスフリット等が挙げられる。
上記無機フィラーとして粒子状の無機フィラーを用いる場合、平均粒子径の好ましい下限は1nm、好ましい上限は30μmである。上記粒子状の無機フィラーの平均粒子径が1nm未満であると、電子部品用接着剤が増粘して、ボンディング後に導通がとれないことがある。上記粒子状の無機フィラーの平均粒子径が30μmを超えると、得られる電子部品用接着剤を用いて半導体チップを圧接合する際に、電極間で上記無機フィラーを噛みこむことがある。
本発明の電子部品用接着剤が上記無機フィラーを含有する場合、上記無機フィラーの含有量は特に限定されないが、上記エポキシ樹脂100重量部に対する好ましい下限は5重量部、好ましい上限は500重量部である。上記無機フィラーの含有量が5重量部未満であると、上記無機フィラーを添加する効果をほとんど得ることができないことがある。上記無機フィラーの含有量が500重量部を超えると、得られる電子部品用接着剤の硬化物の線膨張率は低下するものの、同時に引っ張り弾性率が上昇し、半導体チップへの応力及びハンダ等の導通部分のクラックが発生しやすくなることがある。
上記無機フィラーの含有量は、上記エポキシ樹脂100重量部に対するより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は400重量部、更に好ましい下限は15重量部、更に好ましい上限は300重量部である。
本発明の電子部品用接着剤は、その他必要に応じて、ブリード防止剤、シランカップリング剤、イミダゾールシランカップリング剤等の接着性付与剤、増粘剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の電子部品用接着剤を製造する方法は特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、アニオン硬化促進剤、スルホニウム塩化合物、及び、必要に応じて配合される他の材料を所定量配合し、ホモディスパー、万能ミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等を用いて混合する方法等が挙げられる。
本発明の電子部品用接着剤は、半導体装置の製造に好適に用いられ、特に、半導体チップを基板等に接着固定する工程(ダイボンディング工程)において好適に用いられる。また、本発明の電子部品用接着剤からなる接着剤層を有する電子部品用接着フィルムを用いて、半導体装置を製造することもできる。
本発明の電子部品用接着剤からなる接着剤層を有する電子部品用接着フィルムもまた、本発明の1つである。
本発明の電子部品用接着フィルムを作製する方法は特に限定されず、例えば、本発明の電子部品用接着剤と溶剤とを含有する接着剤溶液を、PETフィルム等の離型処理した基材上にアプリケーター等を用いて塗工し、溶剤を乾燥除去することでフィルム化する方法等が挙げられる。
このようにして得られた電子部品用接着フィルムは、所望の形状にカットされて上述のような半導体装置の製造方法に用いられてもよい。
本発明によれば、速硬化性にも貯蔵安定性にも優れ、かつ、高い接着力を有する電子部品用接着剤を提供することができる。また、本発明によれば、該電子部品用接着剤を用いて製造される電子部品用接着フィルムを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明の実施態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
実施例1〜12及び比較例1〜5、11
表1の組成に従って、ホモディスパーを用いて下記に示す各材料を攪拌混合し、電子部品用接着剤を調製した。
実施例14〜24及び比較例6〜10、12
表2の組成に従って、ホモディスパーを用いて下記に示す各材料を溶剤としてのメチルエチルケトン50重量部に添加して攪拌混合し、接着剤溶液を調製した。この接着剤溶液を離型処理したPETフィルム上にアプリケーターを用いて塗工し、溶剤を乾燥除去することでフィルム化し、厚みが50μmの接着剤層を有する電子部品用接着フィルムを得た。
(1)エポキシ樹脂
グリシジル基含有アクリル樹脂(重量平均分子量20万、商品名「G−2050M」、日油社製)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「1004AF」、三菱化学社製)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「YL−980」、三菱化学社製)
(2)硬化剤
トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸(商品名「YH−306」、三菱化学社製)
液状フェノールノボラック(商品名「MEH−8000H」、明和化成社製)
ジシアンジアミド(商品名「DICY」、ナカライテスク社製)
トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(商品名「TMMP」、SC有機化学社製)
(3)無機フィラー
シリカフィラー(商品名「SE−4050」、アドマテックス社製)
(4)アニオン硬化促進剤
2−エチル−4−メチルイミダゾール(商品名「2E4MZ」、四国化成工業社製)
液状イミダゾール化合物(商品名「フジキュア7000」、富士化成社製)
コアシェル型潜在性イミダゾール化合物(商品名「HX−3792」、旭化成社製)
2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン(商品名「2MZA」、四国化成工業社製)
2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン イソシアヌル酸付加塩(商品名「2MAOK−PW」、四国化成工業社製)
(5)カチオン硬化促進剤
(5−1)スルホニウム塩化合物
芳香族スルホニウム化合物とアンチモン化合物との塩(商品名「サンエイドSI−45」、三新化学社製)
芳香族スルホニウム化合物とアンチモン化合物との塩(商品名「サンエイドSI−80」、三新化学社製)
芳香族スルホニウム化合物と6フッ化リン化合物との塩(商品名「サンエイドSI−110」、三新化学社製)
芳香族スルホニウム化合物と6フッ化リン化合物との塩(商品名「サンエイドSI−180」、三新化学社製)
(5−2)その他
トリフェニルホスフィン(商品名「TPP」、北興化学工業社製)
テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート(商品名「TPP−S」、北興化学工業社製)
テトラフェニルホスホニウムテトラ−p−トリボレート(商品名「TPP−MK」、北興化学工業社製)
<評価>
実施例及び比較例で得られた電子部品用接着剤及び電子部品用接着フィルムについて、以下の評価を行った。結果を表1及び2に示した。
(1)貯蔵安定性
実施例1〜12及び比較例1〜5、11
得られた電子部品用接着剤、及び、電子部品用接着剤からカチオン硬化促進剤を除いたものを25℃で放置し、E型粘度計を用いて25℃、10rpmで測定される粘度が初期値の2倍となる時間(25℃放置時間)を測定し、これを貯蔵安定性とした。電子部品用接着剤の貯蔵安定性を、電子部品用接着剤からカチオン硬化促進剤を除いたものの貯蔵安定性で除することで、貯蔵安定性倍数を求めた。
実施例14〜24及び比較例6〜10、12
得られた電子部品用接着フィルム、及び、電子部品用接着フィルムからカチオン硬化促進剤を除いたものを25℃で放置し、レオメーター(STRESSTECH、REOLOGICA社製)を用いて、サンプル厚み600μm、歪制御(1rad)、周波数10Hz、昇温速度10℃/min、測定温度範囲60〜300℃で測定を行い、最も低い複素粘度が初期値の2倍となる時間(25℃放置時間)を測定し、これを貯蔵安定性とした。電子部品用接着フィルムの貯蔵安定性を、電子部品用接着フィルムからカチオン硬化促進剤を除いたものの貯蔵安定性で除することで、貯蔵安定性倍数を求めた。
(2)ゲルタイム
得られた電子部品用接着剤又は電子部品用接着フィルムを260℃のホットプレートに乗せ、スパチュラ等で接着剤を流動させ、接着剤が流動しなくなった時間をゲルタイムとした。
(3)接着力
得られた電子部品用接着剤又は電子部品用接着フィルムを用いて、3mm×3mmのシリコンチップを20mm×20mmのシリコンチップに接着し、190℃30分で硬化させた後、即座にボンドテスター(Dage社製、Dage シリーズ4000)を用いて260℃における接着力を測定した。
(4)MRT、TCT
実施例1〜13及び比較例1〜5で得られた電子部品用接着剤を、ハンダボール(高さ85μm)が150μm間隔でチップ全面に3136個形成されたフルアレイのTEGチップ(10mm×10mm×厚み725μm)に塗布し、接着剤付TEGチップを得た。また、実施例14〜25及び比較例6〜10で得られた電子部品用接着フィルムを、ハンダボール(高さ85μm)が150μm間隔でチップ全面に3136個形成されたフルアレイのTEGチップ(10mm×10mm×厚み725μm)にラミネートした後、チップサイズに合わせて電子部品用接着フィルムを裁断し、接着剤付TEGチップを得た。
得られた接着剤付TEGチップのハンダと1本のデイジーチェーンとなるように配線されたハンダプリコート付ガラスエポキシTEG基板に、ステージ温度120℃、ヘッド温度140℃20秒、280℃5秒、ヘッド圧100Nで接着剤付TEGチップをフリップチップボンディングした。その後、190℃30分でポストキュア(後硬化)を行い、試験用サンプルを得た。
試験用サンプルを8個作製し、あらかじめ導通抵抗値(以下、初期抵抗値とする)を測定しておき、60℃、60%RHで40時間吸湿させ、ピーク温度260℃のリフローオーブンに3回通してリフロー試験を行った後(MRT)、−55〜125℃(30分/1サイクル)、1000サイクルのTCTを行った。MRT、TCT(1000サイクル)後の導通抵抗値を測定し、導通抵抗値が初期抵抗値から10%以上変化した場合を不良(NG)とし、NG数を評価した。
Figure 0005914123
Figure 0005914123
本発明によれば、速硬化性にも貯蔵安定性にも優れ、かつ、高い接着力を有する電子部品用接着剤を提供することができる。また、本発明によれば、該電子部品用接着剤を用いて製造される電子部品用接着フィルムを提供することができる。

Claims (3)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤、アニオン硬化促進剤、及び、カチオン硬化促進剤であるスルホニウム塩化合物を含有する電子部品用接着剤であって、
    前記エポキシ樹脂100重量部に対して0.3〜20重量部の前記アニオン硬化促進剤を含有し、かつ、
    前記アニオン硬化促進剤100重量部に対して1〜10重量部のスルホニウム塩化合物を含有する
    ことを特徴とする電子部品用接着剤。
  2. アニオン硬化促進剤は、イミダゾール化合物であることを特徴とする請求項1記載の電子部品用接着剤。
  3. 請求項1又は2記載の電子部品用接着剤からなる接着剤層を有することを特徴とする電子部品用接着フィルム。
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