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JP5915203B2 - スタンプ及びスタンプの製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、電子ペンを用いたシステムなどに適用可能なスタンプ(印判)及びその製造方法に関する。
従来から、記入した情報を電子化する電子ペンが開発されており、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。例えば、特許文献1に記載されているように、アノトペンは、用紙に印刷された所定のドットパターンを読み取って記入情報を生成し、当該記入情報を端末装置に送信する。
また、特許文献2には、インキ自給式の印判であって、単一の印版体及び当該印版体を保持するためのホルダーを備えた印判が開示されている。
特許第3842283号公報 特許第3523920号公報
異なるインキによる印影を所定の用紙等に捺印したい場合、従来では、異なるインキが充填された2つのスタンプをそれぞれ用意し、それぞれ相対的な位置合わせをして所定の用紙に捺印する必要があった。そこで、本発明は、異なるインキによる印影を一度に形成することが可能なスタンプ及びその製造方法を提供することを主な目的とする。
本発明に係るスタンプは、インキが含される第1印版体と、前記第1印版体に含されるインキと異なるインキが含される第2印版体と、前記第1印版体を保持固定する第1ホルダーと、前記第2印版体を保持固定する第2ホルダーと、を備え、前記第1印版体の印版面及び前記第2印版体の印版面は、面一の状態で保持され、前記第2ホルダーは、前記第1印版体の印版面と、前記第2印版体の印版面とが面一になるように前記第1ホルダーに対して熱融着している
この態様により、スタンプは、インキが含される第1印版体と、第1印版体に含されるインキと異なるインキが含される第2印版体とを備える。ここで、第1印版体の印版面及び第2印版体の印版面は、面一の状態で保持される。従って、この態様により、ユーザは、相対的な位置合わせを行うことなく、異なるインキを有する印版体を同時に捺印することができる。また、第2ホルダーは、第1印版体の印版面と、第2印版体の印版面とが面一になるように第1ホルダーに対して熱融着している。この態様により、好適に、第2ホルダーを、第1印版体の印版面と、第2印版体の印版面とが面一になるように、第1ホルダーに対して固定することができる。
上記スタンプの一態様では、前記第1印版体の印版面には、コード化パターンが形成され、前記第1印版体に含されるインキは、読取装置が読み取り可能なインキであり、前記第2印版体の印版面には、前記コード化パターンを意味する表示が形成され、前記第2印版体に含されるインキは、前記読取装置が読み取り不可能なインキである。ここで、「コード化パターン」は、情報がコード化されたパターンであり、例えば、アノト式のドットパターン、バーコード、2次元バーコードなどが該当する。また、「読取装置」は、コード化パターンを読み取り可能な装置であり、例えば、電子ペンやバーコードリーダなどが該当する。この態様のスタンプを用いることで、ユーザは、コード化パターンと、当該コード化パターンが意味する絵柄、文字などの表示とを同時に捺印することができる。
上記スタンプの他の一態様では、前記読取装置は、前記第1印版体の印版面に形成されたコード化パターンを読み取り可能な電子ペンであり、前記第1印版体に含されるインキは、赤外線を吸収するインキであり、前記第2印版体に含されるインキは、赤外線を吸収しないインキである。この態様のスタンプを用いることで、ユーザは、電子ペンが読み取り可能なコード化パターンと、当該コード化パターンが意味する絵柄、文字などの表示とを同時に捺印することができる。
上記スタンプの他の一態様では、前記第1印版体に含されるインキと、前記第2印版体に含されるインキとは、異なる色のインキである。この態様のスタンプを用いることで、ユーザは、異なる色のインキによる印影を同時に捺印することが可能となる。
上記スタンプの他の一態様では、前記第1ホルダー及び前記第2ホルダーを、前記第1印版体の印版面及び前記第2印版体の印版面が対向する方向に遷移させるための押下枠体をさらに備え、前記押下枠体がユーザにより押下された場合に、前記第1印版体による捺印と、前記第2印版体による捺印とが同時に行われる。この態様のスタンプを用いることで、ユーザは、押下枠体を押下し、第1印版体による捺印と、第2印版体による捺印とを同時に行うことができる。
本発明に係るスタンプの製造方法は、インキが含される第1印版体と、前記第1印版体に含されるインキと異なるインキが含される第2印版体と、前記第1印版体を保持固定する第1ホルダーと、前記第2印版体を保持固定する第2ホルダーと、を備えるスタンプの製造方法であって、前記第2ホルダーを、前記第1印版体の印版面と、前記第2印版体の印版面とが面一になるように前記第1ホルダーに対して熱融着させる固定工程を有する。
上記スタンプの製造方法は、インキが含される第1印版体と、第1印版体に含されるインキと異なるインキが含される第2印版体と、第1印版体を保持固定する第1ホルダーと、第2印版体を保持固定する第2ホルダーと、を備えるスタンプの製造方法であり、固定工程を有する。固定工程は、第2ホルダーを、第1印版体の印版面と、第2印版体の印版面とが面一になるように第1ホルダーに対して熱融着させる。このように製造したスタンプによれば、ユーザは、相対的な位置合わせを行うことなく、異なるインキを有する印版体を同時に捺印することができる。
上記スタンプの製造方法の一態様では、前記第1印版体の印版面には、コード化パターンが形成され、前記第2印版体の印版面には、前記コード化パターンを意味する表示が形成され、前記固定工程より前に、読取装置が読み取り可能なインキが含されたインキ吸蔵体を前記第1ホルダーに格納し、当該第1ホルダーに前記第1印版体を取り付ける第1印版体取付工程と、前記固定工程より前に、読取装置が読み取り不可能なインキが含されたインキ吸蔵体を前記第2ホルダーに格納し、当該第2ホルダーに前記第2印版体を取り付ける第2印版体取付工程と、をさらに有する。このように製造したスタンプを用いることで、ユーザは、コード化パターンと、当該コード化パターンが意味する絵柄、文字などの表示とを同時に捺印することができる。
本発明によれば、スタンプは、インキが含される第1印版体と、第1印版体に含されるインキと異なるインキが含される第2印版体とを備え、第1印版体の印版面及び第2印版体の印版面は、面一の状態で保持される。従って、ユーザは、このスタンプを用いることで、相対的な位置合わせを行うことなく、異なるインキを有する印版体を任意の場所に同時に捺印することができる。
本実施形態に係るドットスタンプの斜視図を示す。 ドットスタンプの断面図を示す。 ドットスタンプの製造工程を示すフローチャートを示す。 ドットスタンプが使用された電子ペンシステムを示す。 ドットパターンのドットとそのドットが変換される値との関係を説明する図である。 (a)は、ドットパターンを模式的に示し、(b)は、それに対応する情報の例を示す図である。 電子ペンの構造を示す概略図である。 第2構成例に係るドットスタンプの断面図を示す。 第2構成例のドットスタンプの製造工程を示すフローチャートである。 第3構成例に係るドットスタンプの断面図を示す。 変形例に係る第1印版面及び第2印版面の正面図を示す。 変形例に係る第1ホルダーとバネストッパとの固定部分の拡大図である。 変形例に係るドットパターンの製造工程を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するのに好適な実施形態について説明する。
[ドットスタンプの構成]
図1は、本実施形態に係るドットスタンプ1の斜視図を示す。図1に示すように、ドットスタンプ1は、ユーザによって押下される押下枠体2と、押下枠体2の移動方向を規制するガイド部3と、ドットスタンプ1の土台であって、捺印する用紙等に載置される脚枠体4とを備え、ドットスタンプ1によって捺印される印影を表した絵柄5が押下枠体2の上面に形成されている。後述するように、ドットスタンプ1は、電子ペンなどの読取装置が読み取り可能なコード化パターンと、当該コード化パターンの意味を示す絵柄、文字、又は記号などの表示とを、任意の用紙の任意の位置に対して同時に捺印することが可能なスタンプである。以後において、ドットスタンプ1が載置された用紙と平行な面上における脚枠体4の長手方向を「X軸」とし、脚枠体4の短手方向を「Y軸」とし、上述の用紙と垂直な方向を「Z軸」とする。
次に、図2に示す断面図を参照し、ドットスタンプ1の具体的な構成について説明する。図2は、図1の破線矢印により示されるドットスタンプ1のAB断面図を示す。
図2に示すように、脚枠体4には、第1ホルダー6Aと第2ホルダー6Bとが取り付けられている。具体的には、第1ホルダー6Aは、脚枠体4の平面部40に設けられた第1挿通孔41Aに挿通され、第2ホルダー6Bは、平面部40に設けられた第2挿通孔41Bに挿通される。そして、第1ホルダー6Aは、第1挿通孔41Aにより、Z軸方向に沿って移動するように規制され、第2ホルダー6Bは、第2挿通孔41Bにより、Z軸方向に沿って移動するように規制される。
第1ホルダー6Aは、熱可塑性樹脂からなり、第1印版体9Aを保持固定する。第1ホルダー6Aは、上部60Aと、下部61Aとを備える。上部60Aは、XY平面において円形の断面形状を有する筒であって、第1挿通孔41Aに挿通する。上部60Aは、第1カートリッジインキ吸蔵体11Aが充填され、かつ、第1キャップ12Aにより封がなされている。下部61Aは、XY平面において第1挿通孔41Aよりも大きな断面積を有し、正方形又は長方形の断面形状を有する。下部61Aには、第1インキ吸蔵体10Aが詰め込まれており、さらに、第1印版体9Aの一部が嵌め込まれた状態で熱融着されている。
同様に、第2ホルダー6Bは、熱可塑性樹脂からなり、第2印版体9Bを保持固定する。第2ホルダー6Bは、上部60Bと、下部61Bとを備える。上部60Bは、XY平面において円形の断面形状を有する筒であって、第2挿通孔41Bに挿通する。上部60Bは、第2カートリッジインキ吸蔵体11Bが充填され、かつ、第2キャップ12Bにより封がなされている。下部61Bは、XY平面において第2挿通孔41Bよりも大きな断面積を有し、正方形又は長方形の断面形状を有する。下部61Bには、第2インキ吸蔵体10Bが詰め込まれており、さらに、第2印版体9Bの一部が嵌め込まれた状態で熱融着されている。
また、第1ホルダー6Aの下部61Aの側面610Aに対し、第2ホルダー6Bの下部61Bの側面610Bが固定されている。具体的には、側面610Aと側面610Bとは、第1印版面90Aと、第2印版面90Bとが面一になるように熱融着している。ここで、第1印版面90Aと、第2印版面90Bとが面一の状態とは、具体的には、第1印版面90Aに形成された凸部の面又は頂点と、第2印版面90Bに形成された凸部の面又は頂点とが略同一平面上にあることを指す。
第1印版体9Aは、例えば硬質多孔性の熱可塑性樹脂からなり、アノト方式のドットパターン、バーコード、二次元バーコード(QRコード(登録商標))などのコード化パターンが形成された凹凸形状の第1印版面90Aを有する。また、第2印版体9Bは、例えば硬質多孔性の熱可塑性樹脂からなり、第1印版面90Aに形成されたコード化パターンが意味する内容を示す文字、記号、絵柄などの表示が形成された凹凸形状の第2印版面90Bを有する。
第1インキ吸蔵体10A及び第1カートリッジインキ吸蔵体11Aには、コード化パターンを読み取る電子ペンやバーコードリーダなどの読取装置が読み取ることが可能なインキが含される。上述のインキは、例えば、カーボンなどを含有した赤外線を吸収するインキである。また、第2インキ吸蔵体10B及び第2カートリッジインキ吸蔵体11Bには、コード化パターンを読み取る読取装置が読み取ることができないインキが含される。これにより、第2印版体9Bによる印影に対して不意に読取装置を近づけた場合の誤作動を抑制する。
第1ホルダー6Aの上部60Aは、第1バネ7Aにより嵌め込まれた状態で、バネストッパ8に設けられた第1開孔部80Aに挿通する。同様に、第2ホルダー6Bの上部60Bは、第2バネ7Bにより嵌め込まれた状態で、バネストッパ8に設けられた第2開孔部80Bに挿通する。そして、上部60Aは、バネストッパ8の第1開孔部80Aに熱融着しており、同様に、下部60Bは、バネストッパ8の第2開孔部80Bに熱融着している。これにより、第1ホルダー6A及び第2ホルダー6Bはバネストッパ8に対して固定され、バネストッパ8と共に第1バネ7A及び第2バネ7Bの弾性力によって支持される。
押下枠体2は、第1キャップ12A及び第2キャップ12Bの上部と密着するように、窪みが形成されており、第1キャップ12A及び第2キャップ12Bにより支持されている。
[製造方法]
次に、ドットスタンプ1の製造方法について、図3を参照して説明する。図3は、第1実施形態に係るドットスタンプ1の製造工程を示すフローチャートの一例である。
ステップS101では、まず、第1ホルダー6Aに第1インキ吸蔵体10Aを詰め込む。言い換えると、第1ホルダー6Aの下部61A内に、下部61Aの内部形状に合わせて形成された略平板上の第1インキ吸蔵体10Aを、上部60Aと下部61Aとの境界部分まで詰め込む。次に、第1ホルダー6Aに第1印版体9Aを取り付けた状態で熱融着させる。最後に、第1ホルダー6Aに第1カートリッジインキ吸蔵体11Aを詰める。
次に、ステップS102では、まず、第2ホルダー6Bに第2インキ吸蔵体10Bを詰め込む。言い換えると、第2ホルダー6Bの下部61B内に、下部61Bの内部形状に合わせて形成された略平板上の第2インキ吸蔵体10Bを、上部60Bと下部61Bとの境界部分まで詰め込む。次に、第2ホルダー6Bに第2印版体9Bを取り付けた状態で熱融着させる。最後に、第2ホルダー6Bに第2カートリッジインキ吸蔵体11Bを詰める。
さらに、ステップS103では、第1印版体9Aと第2印版体9Bの印版面が面一となる状態で、第1ホルダー6Aと第2ホルダー6Bとを熱融着させる。言い換えると、第1印版面90Aと第2印版面90Bとが同一平面上に位置するように、第1ホルダー6Aの下部61Aの側面610Aと、第2ホルダー6Bの下部61Bの側面610Bとを熱融着させる。
次に、ステップS104では、第1ホルダー6Aと第2ホルダー6Bとを脚枠体4に通す。具体的には、第1ホルダー6Aを脚枠体4の第1挿通孔41Aに通すと共に、第2ホルダー6Bを脚枠体4の第2挿通孔41Bに通す。これに加え、第1ホルダー6Aに第1バネ7Aを取り付けると共に、第2ホルダー6Bに第2バネ7Bを取り付ける。言い換えると、第1ホルダー6Aの上部60Aを第1バネ7Aに挿通させると共に、第2ホルダー6Bの上部60Bを第2バネ7Bに挿通させる。その後、第1ホルダー6Aと第2ホルダー6Bにバネストッパ8を取り付けて固定する。具体的には、バネストッパ8の第1開孔部80Aに第1ホルダー6Aの上部60Aを挿通させ、かつ、第2開孔部80Bに第2ホルダー6Bの上部60Bを挿通させた後、第1開孔部80Aと上部60Aを熱融着させると共に、第2開孔部80Bと上部60Bを熱融着させる。
次に、ステップS105では、第1ホルダー6Aに第1キャップ12Aを取り付けると共に、第2ホルダー6Bに第2キャップ12Bを取り付ける。言い換えると、第1ホルダー6Aの印版体9Aの取付部分と反対側の端を、第1キャップ12Aにより封止すると共に、第2ホルダー6Bの印版体9Bの取付部分と反対側の端を、第2キャップ12Bにより封止する。さらに、押下枠体2を取り付ける。
[応用例]
次に、上述の実施形態に係るドットスタンプ1の応用例について図4を参照して説明する。図4は、ドットスタンプ1が使用された電子ペンシステムを示す。図4に示すように、電子ペンシステムは、ユーザが使用する電子ペン21と、電子ペン21から記入情報を受信するコンピュータ装置22と、ドットスタンプ1によって捺印されたスタンプ用紙23とを備える。
(ドットスタンプ)
ドットスタンプ1の第1インキ吸蔵体10A及び第1カートリッジインキ吸蔵体11Aには、赤外線を吸収するカーボンを含んだインキが含され、第2インキ吸蔵体10B及び第2カートリッジインキ吸蔵体11Bには、赤外域に吸収性を持たないインキが含される。これにより、第1印版面90Aに形成されたドットパターンは、電子ペン21が読み取り可能な赤外線を吸収するカーボンにより捺印され、第2印版面90Bに形成された絵柄は、電子ペン21が読み取ることのできない赤外域に吸収性を持たないインキにより捺印される。以下では、電子ペンシステムの各構成要素について説明する。
(スタンプ用紙)
スタンプ用紙23は、少なくとも一部にドットスタンプ1によって捺印するための領域を有し、当該領域にドットスタンプ1によって第1印影26Aと、第2印影26Bとが捺印される。なお、第1印影26Aが捺印される領域には、電子ペン1によるドットパターン(コード化パターン)の読み取りが阻害されないよう、赤外線を吸収するインクは印刷されていない。
第1印影26Aは、第1印版面90Aがスタンプ用紙23に当接することにより形成されたドットパターンである。第1印影26Aは、電子ペン21が読み取り可能な赤外線を吸収するカーボンにより捺印されている。第2印影26Bは、第2印版面90Bがスタンプ用紙23に当接することにより形成され、第1印影26Aのドットパターンに対応する機能を示す絵柄である。第2印影26Bは、電子ペン21が読み取ることのできない赤外域に吸収性を持たないインキにより捺印されている。図4に示す例では、第1印影26Aは、ストロークの一括消去機能に対応するドットパターンであり、第2印影26Aは、ストロークを消去することを連想させる消しゴムの絵柄を含む。
なお、ドットスタンプ1は、種々の機能に対応するコード化パターンごとに予め用意され、これらのドットスタンプ1からユーザが任意のドットスタンプ1を任意に選んで捺印してもよい。この場合、種々のドットスタンプ1の第1印版面90Aに形成されるドットパターンが示す位置座標は、互いに重複しない。
(ドットパターン)
次に、ドットにより構成されるドットパターン(コード化パターン)について図5及び図6を用いて説明する。ドットパターンは、アノト社の方式によるものである。図5は、ドットパターンのドットとそのドットが変換される値との関係を説明する図である。図5に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を仮想格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組合せにより、位置座標が決定されるよう構成されている。
図6(a)は、あるドットパターンの配列を示している。図6(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、第1印影26Aのどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標を保持している。図6(b)は、図6(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図5に示す規則性に基づいて対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン21によって行われる。
(電子ペン)
次に、電子ペン21について図7を用いて説明する。図7は、電子ペン21の構造を示す概略図である。図7に示すように、電子ペン21は、その筐体101の内部に、ペン部104、LED105、CMOSカメラ106、圧力センサ107、CPU等により構成されるプロセッサ108、ROMやRAMといったメモリ109、リアルタイムクロック110、アンテナ等により構成される通信ユニット111及びバッテリー112を備える。ペン部104の先端は、ペン先部103となっており、ユーザは、電子ペン21のペン先部103を第1印影26A上に当接させる。
バッテリー112は電子ペン21内の各部品に電力を供給する。リアルタイムクロック110は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ108に供給する。圧力センサ107は、ユーザが電子ペン21により第1印影26Aにタップする際にペン先部103からペン部104を通じて与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、その値をプロセッサ108へ伝送する。LED105とCMOSカメラ106は、電子ペン21のペン先部103付近に取り付けられており、筐体101におけるLED105及びCMOSカメラ106と対向する部分には、開口部102が形成されている。LED105は、第1印影26Aのペン先部103近傍に向けて赤外線を照明する。CMOSカメラ106には、赤外線を透過し赤外線以外を遮断する赤外線透過フィルタが設けられており、CMOSカメラ106は、LED105によって照明された領域内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ108に供給する。ここで、カーボンは赤外線を吸収するため、LED105によって照射された赤外線は、ドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多い。CMOSカメラ106の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。また、CMOSカメラ106は、ドットを鮮明に撮影するため、十分な被写界深度を有している。
プロセッサ108は、CMOSカメラ106によって供給される画像データからドットパターンを読み取った場合、当該ドットパターンから、X、Y座標データを連続的に演算していく。そして、プロセッサ108は、リアルタイムクロック110から発信される現在時刻(タイムスタンプ:記入された時刻情報)、筆圧データ及びX、Y座標データを関連付ける。メモリ109には、電子ペン21を識別するための「pen01」といったペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン等のプロパティ情報が記憶されている。そして、通信ユニット111は、ペンIDと、時刻情報(タイムスタンプ)と、筆圧データと、X、Y座標データとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置22へ送信する。この場合、通信ユニット111によるコンピュータ装置22への送信は、Bluetooth(登録商標)などの無線送信によって、即時的かつ逐次的に行われる。電子ペン21は、本発明における「読取装置」の一例である。
(コンピュータ装置)
次に、コンピュータ装置22について再び図4を参照して説明する。コンピュータ装置22は、ハードウェアとして、電子ペン21とのデータ通信が可能なアンテナ装置、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、マウスやキーボード等で構成される。コンピュータ装置22は、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)、iPad(登録商標)などのタブレットPCやPDA(Personal Data Assistance)等である。そして、コンピュータ装置22は、電子ペン21から受信した記入情報に基づいて所定の処理を行う。図4に示す例では、コンピュータ装置22は、第1印影26Aのドットパターンが示す座標データを含む記入情報を受信した場合、コンピュータ装置22の表示画面上に描かれているストロークを一括消去する。
[本実施形態による作用効果]
本実施形態のドットスタンプ1によれば、読取装置が読み取り可能なインキが含される第1印版体9Aと、読取装置が読み取ることができないインキが含される第2印版体9Bとを備える。第1印版体9Aの第1印版面90Aには、コード化パターンが形成され、第2印版体9Bの第2印版面90Bには、上述のコード化パターンを意味する表示が形成されており、第1印版体9Aの第1印版面90A及び第2印版体9Bの第2印版面90Bは、面一の状態で保持される。従って、ドットスタンプ1を用いることで、ユーザは、任意の用紙の任意の位置に対して、コード化パターンと、当該コード化パターンが意味する絵柄などの表示とを同時に捺印することができる。また、ユーザは、第1印版体9Aを捺印する位置と、第2印版体9Bを捺印する位置との相対的な位置合わせを行う必要がない。
[変形例]
次に、本実施形態の変形例について説明する。以下の変形例は、任意に組み合わせて上述の実施形態に適用してもよい。
(変形例1)
図1及び図2に示すドットスタンプ1の構成は一例であり、本発明が適用可能な構成は、これに限定されない。以下では、図1及び図2に示すドットスタンプ1の構成例(第1構成例)とは異なる他の構成例(第2構成例〜第4構成例)について説明する。
図8は、第2構成例に係るドットスタンプ1xの断面図を示す。図8において、第1構成例と同様な部分は同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
図8に示すように、ドットスタンプ1xは、側面610Axと側面610Bxとが熱融着した四角筒状の第1ホルダー6Ax及び第2ホルダー6Bxを有する。そして、第1ホルダー6Axには、第1構成例の第1インキ吸蔵体10A及び第1カートリッジインキ吸蔵体11Aに相当する第1インキ吸蔵体10Axが充填され、第2ホルダー6Bxには、第1構成例の第2インキ吸蔵体10B及び第2カートリッジインキ吸蔵体11Bに相当する第2インキ吸蔵体10Bxが充填される。第1ホルダー6Ax及び第2ホルダー6Bxは、脚枠体4の挿通孔41xと、バネ7xと、バネストッパ8xの開孔部80xとに挿通した状態で、開孔部80xと熱融着される。
図9は、第2構成例のドットスタンプ1xの製造工程を示すフローチャートである。まず、第1ホルダー6Axに第1インキ吸蔵体10Axを詰めた後、第1印版体9Aを第1ホルダー6Axに取り付けた状態で熱融着させる(ステップS201)。同様に、第2ホルダー6Bxに第2インキ吸蔵体10Bxを詰めた後、第2印版体9Bを第2ホルダー6Bxに取り付けた状態で熱融着させる(ステップS202)。次に、第1印版体9Aの第1印版面90Aと第2印版体9Bの第2印版面90Bが面一となる状態で、第1ホルダー6Axの側面610Axと第2ホルダー6Bxの側面610Bxとを熱融着させる(ステップS203)。その後、熱融着した第1ホルダー6Ax及び第2ホルダー6Bxを脚枠体4xの挿通孔41xに通し、さらに、第1ホルダー6Ax及び第2ホルダー6Bxにバネ7xとバネストッパ8xとを順に取り付ける(ステップS204)。そして、第1ホルダー6Axに第1キャップ12Aを取り付けると共に、第2ホルダー6Bxに第2キャップ12Bを取り付け、最後に押下枠体2を取り付ける(ステップS205)。
このように、第2構成例によっても、ユーザは、押下枠体2を押下することにより、コード化パターンの印影と、当該コード化パターンを意味する絵柄等の印影とを任意の用紙の任意の位置に捺印することができる。
図10は、第3構成例に係るドットスタンプ1yの断面図を示す。図10に示すように、第3構成例に係るドットスタンプ1yは、押下枠体2、脚枠体4x、バネ7x、及びバネストッパ8xを有しない点において、第2構成例に係るドットスタンプ1xと異なる。従って、第3構成例の製造工程は、第2構成例の製造工程のうち、ステップS204の全ての工程及びステップS205における押下枠体2xの取り付けを行う工程を有しない。
そして、第3構成例では、ユーザは、第1印版面90A及び第2印版面90Bが面一状態で熱融着された第1ホルダー6Ax及び第2ホルダー6Bxを把持し、任意の用紙に対して第1印版面90A及び第2印版面90Bを当接させる。この態様によっても、ユーザは、コード化パターンの印影と、当該コード化パターンを意味する絵柄等の印影とを任意の用紙の任意の位置に捺印することができる
(変形例2)
本実施形態では、第1印版体9Aには電子ペンなどの読取装置が読み取り可能なインキが含され、第2印版体9Bには読取装置が読み取り不可能なインキが含されていたが、本発明が適用可能な構成は、これに限定されない。これに代えて、第1印版体9Aと、第2印版体9Bとはそれぞれ異なるインキが含されていればよい。
例えば、第1インキ吸蔵体10Aと第2インキ吸蔵体10Bには、それぞれ異なる色のインキが充填されてもよい。この場合、第1印版面90Aにコード化パターンが形成され、かつ、第2印版面90Bに当該コード化パターンが意味する表示が形成される構成に代えて、第1印版面90Aと第2印版面90Bとは、文字、記号、絵柄などの任意のパターンがそれぞれ形成される。
図11は、他の変形例に係る第1印版面90Az及び第2印版面90Bzの正面図を模式的に示す。この場合、変形例に係るスタンプは二重円筒の形状を有し、第1印版面90Azは円形であり、第2印版面90Bzは、中心の空洞部分において第1印版面90Azが嵌め込まれたリング形状を有する。そして、第1印版面90Azと第2印版面90Bzとは、それぞれ異なるパターンの絵柄が形成され、かつ、異なる色(例えば青と赤)のインキが含されている。
この態様のスタンプを用いることで、ユーザは、2色のインキにより描かれた印影を任意の用紙に捺印することができる。
(変形例3)
図2のステップS103では、第1ホルダー6Aと第2ホルダー6Bとを熱融着させることで、これらを互いに接着させたが、本発明が適用可能な方法は、これに限定されない。
これに代えて、接着剤などの固定部材を用いて、第1ホルダー6Aと第2ホルダー6Bとを接着させてもよい。同様に、ステップS104において、バネストッパ8に対して第1ホルダー6A及び第2ホルダー6Bを熱融着させることで固定する代わりに、これらを接着剤などにより接着させてもよい。さらに、ステップS101において、第1ホルダー6Aに第1印版体9Aを熱融着させる代わりに、第1ホルダー6Aに第1印版体9Aを接着剤などにより接着させてもよく、ステップS102において、第2ホルダー6Bに第2印版体9Bを熱融着させる代わりに、第2ホルダー6Bに第2印版体9Bを接着剤などにより接着させてもよい。
さらに別の例では、第1ホルダー6A及び第2ホルダー6Bに係止部を設け、ステップS104において、当該係止部により、バネストッパ8に第1ホルダー6A及び第2ホルダー6Bを係止させてもよい。図12は、本変形例に係る第1ホルダー6Aとバネストッパ8との固定部分の拡大図である。図12に示すように、第1ホルダー6Aは、係止部60Aを有する。この場合、バネストッパ8は、図示しない第1バネ7A及び第2バネ7Bから受ける力と、係止部60A及び第2ホルダー6Bの係止部(不図示)から受ける力とが釣り合い、第1ホルダー6A及び第2ホルダー6Bに対して固定される。
(変形例4)
図2に示すドットスタンプ1の製造方法は、一例であり、本発明が適用可能な方法は、これに限定されない。図13は、本変形例に係るドットパターン1の製造工程を示すフローチャートの一例である。ステップS301、ステップS302、及びステップS306の各工程では、それぞれ、図2のステップS101、ステップS102、及びステップS105の各工程と同一処理が実行されるため、その説明を省略する。
ステップS303では、まず、第1ホルダー6Aと第2ホルダー6Bとを脚枠体4に通す。次に、ステップS303では、第1ホルダー6Aに第1バネ7Aを取り付けると共に、第2ホルダー6Bに第2バネ7Bを取り付ける。これに加え、ステップS303では、第1ホルダー6Aと第2ホルダー6Bにバネストッパ8を取り付ける。なお、ステップS303では、バネストッパ8は、第1ホルダー6A及び第2ホルダー6Bに対して固定されていない。
次に、ステップS304では、ステップS103と同様に、第1印版体9Aと第2印版体9Bの印版面が面一となる状態で、第1ホルダー6Aと第2ホルダー6Bとを熱融着させる。その後、ステップS305において、バネストッパ8に対し、第1ホルダー6A及び第2ホルダー6Bを固定する。
この製造工程によっても、好適に、図1及び図2に示すドットスタンプ1を製造することが可能である。
(変形例5)
上記の応用例において、電子ペン、ドットパターン(コード化パターン)、記入情報に、アノト方式を用いたが、アノト方式に限られなくともよい。
1、1x、1y…ドットスタンプ
2…押下枠体
3…ガイド部
4、4x…脚枠体
5…絵柄
8、8x…バネストッパ
21…電子ペン
22…コンピュータ装置
23…スタンプ用紙

Claims (7)

  1. インキが含される第1印版体と、
    前記第1印版体に含されるインキと異なるインキが含される第2印版体と、
    前記第1印版体を保持固定する第1ホルダーと、
    前記第2印版体を保持固定する第2ホルダーと、
    を備え、
    前記第1印版体の印版面及び前記第2印版体の印版面は、面一の状態で保持され
    前記第2ホルダーは、前記第1印版体の印版面と、前記第2印版体の印版面とが面一になるように前記第1ホルダーに対して熱融着している
    ことを特徴とするスタンプ。
  2. 前記第1印版体の印版面には、コード化パターンが形成され、
    前記第1印版体に含されるインキは、読取装置が読み取り可能なインキであり、
    前記第2印版体の印版面には、前記コード化パターンを意味する表示が形成され、
    前記第2印版体に含されるインキは、前記読取装置が読み取り不可能なインキであることを特徴とする請求項1に記載のスタンプ。
  3. 前記読取装置は、前記第1印版体の印版面に形成されたコード化パターンを読み取り可能な電子ペンであり、
    前記第1印版体に含されるインキは、赤外線を吸収するインキであり、
    前記第2印版体に含されるインキは、赤外線を吸収しないインキであることを特徴とする請求項2に記載のスタンプ。
  4. 前記第1印版体に含されるインキと、前記第2印版体に含されるインキとは、異なる色のインキであることを特徴とする請求項1に記載のスタンプ。
  5. 前記第1ホルダー及び前記第2ホルダーを、前記第1印版体の印版面及び前記第2印版体の印版面が対向する方向に遷移させるための押下枠体をさらに備え、
    前記押下枠体がユーザにより押下された場合に、前記第1印版体による捺印と、前記第2印版体による捺印とが同時に行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のスタンプ。
  6. インキが含される第1印版体と、
    前記第1印版体に含されるインキと異なるインキが含される第2印版体と、
    前記第1印版体を保持固定する第1ホルダーと、
    前記第2印版体を保持固定する第2ホルダーと、を備えるスタンプの製造方法であって、
    前記第2ホルダーを、前記第1印版体の印版面と、前記第2印版体の印版面とが面一になるように前記第1ホルダーに対して熱融着させる固定工程を有することを特徴とするスタンプの製造方法。
  7. 前記第1印版体の印版面には、コード化パターンが形成され、
    前記第2印版体の印版面には、前記コード化パターンを意味する表示が形成され、
    前記固定工程より前に、読取装置が読み取り可能なインキが含されたインキ吸蔵体を前記第1ホルダーに格納し、当該第1ホルダーに前記第1印版体を取り付ける第1印版体取付工程と、
    前記固定工程より前に、読取装置が読み取り不可能なインキが含されたインキ吸蔵体を前記第2ホルダーに格納し、当該第2ホルダーに前記第2印版体を取り付ける第2印版体取付工程と、
    をさらに有することを特徴とする請求項に記載のスタンプの製造方法。
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