JP5915593B2 - 熱成形体及びその製造方法並びに加熱処理方法 - Google Patents
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Description
しかし、真空成形、真空圧空成形等の、シートを溶融した状態で成形体を成形する熱成形法は、融点以上の温度まで再加熱して容器とするため、固相圧空成形と比較すると冷却時間が長く生産性は劣る。熱成形法の中でも、固相圧空成形は、樹脂の融点以下で成形できるために成形冷却時間を大幅に短縮することが可能で、成形体の寸法精度も高いことから、製品の価値の高い熱成形体を高速サイクルで生産できる点で優れている(特許文献1参照)。
一方、シートからの熱成形体についても各種材料の提案がなされてきている(特許文献4〜7参照)が、固相圧空成形による高温加熱処理に耐えられる成形体を得るには十分ではない。通常、ポリプロピレン系樹脂を固相圧空成形することにより得られた成形体は、高温加熱処理したときの収縮率が大きい。融点に近い温度で固相圧空成形すれば、収縮率が小さくなるが、成形プラグへの樹脂の付着や成形エアーによる穴あきが起こりやすく、成形温度幅が非常に狭くなり、生産性が悪化してしまう。
したがって、固相圧空成形による高温加熱処理が可能な熱成形体及び生産性良く成形体を得られる方法が求められている。
本発明は、以下の熱成形体、熱成形体の製造方法及び加熱処理方法を提供する。
(1)MFRが、0.1〜100g/10minである。
(2)プロピレン重合体成分(A1)を60〜99重量部、エチレンを30〜99.9重量%含有するエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2)を40〜1重量部含有(但し(A1)及び(A2)成分の合計を100重量部とする。)する。
[2]前記プロピレン系樹脂層のβ晶分率が、3%以上20%未満である上記[1]記載の熱成形体。
[3]熱成形体は、深さ/口径の比が0.5以上である深絞り構造を有する容器である上記[1]又は[2]に記載の熱成形体。
[4]前記樹脂シートは、さらに、ガスバリア層を有する上記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱成形体。
[5]加熱処理に供される内容物を収納可能な熱成形体を製造する方法であって、β晶核剤(B)を10〜10,000ppmを含有し、下記(1)及び(2)を満たすプロピレン系樹脂組成物(A)からなるプロピレン系樹脂層を有する樹脂シートを、固相圧空成形法により成形することを特徴とする熱成形体の製造方法。
(1)MFRが、0.1〜100g/10min
(2)プロピレン重合体成分(A1)を60〜99重量部、エチレンを30〜99.9重量%含有するエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2)を40〜1重量部含有(但し、(A1)及び(A2)成分の合計を100重量部とする。)する。
[6]上記[1]〜[4]のいずれかに記載の熱成形体に内容物を収納し、内容物を加熱処理する加熱処理方法。
[7]加熱処理の温度が100℃以上である上記[6]に記載の加熱処理方法。
また、プラグアシスト成形等の固相圧空成形法の適用により、容器の大小、形状の違いがあるにもかかわらず、幅広い成形温度条件域で高温加熱処理による変形の少ない容器状の成形品を、歩留まり良く、高速サイクルで、安定して容易に成形することが可能である。
(1)MFRが、0.1〜100g/10minである。
(2)プロピレン重合体成分(A1)を60〜99重量部、エチレンを30〜99.9重量%含有するエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2)を40〜1重量部含有(但し、(A1)及び(A2)成分の合計を100重量部とする。)する。
なお、本明細書において「〜」という表現を用いてその前後に数値を記載する場合、その前後の数値を含む意味で用いることとする。
本発明においては、熱成形を行う樹脂シートの主層を構成するプロピレン系樹脂層に用いる第1の成分として、特定のプロピレン系樹脂組成物(A)を用いる。
本発明において使用するプロピレン系樹脂組成物(A)は、温度230℃、2.16kg荷重で測定するメルトフローレート(MFR)が0.1〜100g/10分であることを特徴とする。
MFRが0.1g/10分未満では、溶融流動性が低下しシート成形が困難になる。一方、MFRが100g/10分を超えると、ドローダウンによりシート成形が困難となり好ましくない。この中でも、MFRは0.4〜20g/10分であることが好ましく、0.4〜5g/10分であることが更に好ましい。
プロピレン重合体成分(A1)としては、プロピレンの重合体であり、結晶性プロピレン重合体が好ましく、そのアイソタクチックインデックス(I.I.)は、90%以上、中でも95%以上のものが好適である。
また、プロピレン重合体成分(A1)のMFRは、好ましくは0.5〜200g/10分、より好ましくは0.5〜50g/10分、特には0.5〜20g/10分のものが好ましい。プロピレン重合体成分(A1)は単独でも、或いは複数種類の重合体の混合物を使用することもできる。
プロピレン重合体成分(A1)中の(総)α−オレフィン含量は、1.0重量%以下であることが好ましい。
具体的には、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ペンテン共重合体、プロピレン−1−ペンテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体のような、各種二元あるいは三元共重合体が挙げられる。
チーグラー触媒としては、通常、高立体規則性触媒が用いられる。例えば、四塩化チタンを有機アルミニウム化合物で還元し、更に各種の電子供与体及び電子受容体で処理して得られた三塩化チタン組成物と有機アルミニウム化合物及び芳香族カルボン酸エステルを組み合わせた触媒、及び、ハロゲン化マグネシウムに四塩化チタンと各種の電子供与体を接触させた担持型触媒等を例示することができる。
エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2)としては、エチレンとα−オレフィンとのランダム共重合体であり、エチレンの共重合割合は30〜99.9重量%である。エチレンの共重合割合は、好ましくは35〜99.9重量%であり、より好ましくは50〜99.9重量%であり、さらに好ましくは50〜85重量%である。
エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2)のα−オレフィンとしては、好ましくは炭素数3〜20のα−オレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル1−ペンテンなどのα−オレフィン、スチレン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナンなどのビニル化合物等が挙げられる。中でも、α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、特に好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンである。
α−オレフィンは、二種以上共重合されていてもよい。
なお、後述する逐次重合により、成分(A1)及び成分(A2)を製造する場合、エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2)のMFRは、次式の関係により求める。
Log(全体のMFR)=(成分(A2)の割合)×Log(成分(A2)のMFR)+(1−成分(A2)の割合)×Log(成分(A1)のMFR)
チーグラー触媒としては、通常、高立体規則性触媒が用いられる。例えば、四塩化チタンを有機アルミニウム化合物で還元し、更に各種の電子供与体及び電子受容体で処理して得られた三塩化チタン組成物と有機アルミニウム化合物及び芳香族カルボン酸エステルを組み合わせた触媒、及び、ハロゲン化マグネシウムに四塩化チタンと各種の電子供与体を接触させた担持型触媒等を例示することができる。
前記のとおり、プロピレン系樹脂組成物(A)は、(A1)及び(A2)成分の合計100重量部に対し、プロピレン重合体成分(A1)を60〜99重量部、エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2)を40〜1重量部含有する。(A1)及び(A2)成分の好ましい含有量は、プロピレン重合体成分(A1)を50〜95重量部、エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2)を50〜5重量部である。
また、エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2)をプロピレン重合体成分(A1)中にきれいに分散させるという観点から、当該両成分を多段重合(以下「逐次重合」と呼ぶこともある)により製造することも望ましい。
逐次重合による場合、具体的には、第1工程においてプロピレン重合体成分(A1)を重合した後で、第2工程においてエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2)を重合することが望ましい。
また、逐次重合を行う際には、バッチ法と連続法のいずれを用いることも可能であるが、一般的には生産性の観点から連続法を用いることが望ましい。
バッチ法の場合には、時間と共に重合条件を変化させることにより単一の重合反応器を用いてプロピレン重合体成分(A1)とエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2)を個別に重合することが可能である。また、複数の重合反応器を並列に接続して用いてもよい。
連続法の場合にはプロピレン重合体成分(A1)とエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2)を個別に重合する必要から2個以上の重合反応器を直列に接続した製造設備を用いる必要がある。
重合プロセスは任意のものを用いることが出来る。
反応相については、液体の媒体を用いる手法であっても良いし、気体の媒体を用いる手法であっても良い。具体的な例として、スラリー法、バルク法、気相法を挙げることが出来る。
重合温度は通常用いられている温度範囲であれば特に問題なく用いることができる。具体的には、0℃〜200℃、好ましくは40℃〜100℃の範囲を用いることができる。
重合圧力は選択するプロセスによって差異が生じるが、通常用いられている圧力範囲であれば特に問題なく用いることができる。具体的には、0より大きく200MPaまで、好ましくは0.1〜50MPaの範囲を用いることができる。この際に、窒素などの不活性ガスを共存させても問題はない。
また、エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2)を製造する第2工程においては、エタノールや酸素などの重合抑制剤を添加することも出来る。
また、このようなプロピレン−エチレンブロック共重合体には、さらにプロピレン重合体成分(A1)及び/又はエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2)を配合することも好ましい。
本発明において、固相圧空成形を行う材料シートを構成するプロピレン系樹脂には、β晶核剤(B)を含有させる。β晶核剤(B)を含有することで固相圧空成形により得られる熱成形体(容器等)を、加熱処理したときの収縮率を小さくすることができる。本発明の熱成形体(容器等)は、収容された内容物を、100℃以上での加熱処理が可能であり、さらには110℃以上、特には120℃以上での処理も可能であり、その際の収縮率が著しく低減されることを特徴とする。
R2−NHCO−R1−CONH−R3
ただし、式中、R1は、芳香環、脂環または炭素数2〜24の脂肪族炭化水素を示し、R2、R3は脂環または芳香環を示す。好ましくは、R1は脂環族炭化水素であり、具体的には、シクロへキサンやシクロヘプタン、シクロオクタンを好ましく挙げることができる。また、R2、R3は好ましくは芳香環であり、具体例としてベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環を好ましく挙げることができる。
10ppm未満である場合、十分なβ晶形成活性が確保できず、10,000ppmを超えて含有しても、β晶核剤の効果はほぼ変わらず経済的にも不利になるほか、ブリ−ドが懸念されるため、好ましくない。
β晶核剤は1種のみで用いても、2種以上を組み合わせ用いることもできる。
上記からなるプロピレン系樹脂層には、本発明の効果を著しく阻害しない範囲であれば、上記以外の配合剤を使用することができる。
プロピレン系樹脂組成物(A)には、成分(A1)及び成分(A2)以外の他の重合体を配合することができる。他の重合体としては、各種のプロピレン(共)重合体(成分(A1)及び成分(A2)に該当するものを除く)、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等の重合体、各種熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
詳細には、成分(A1)及び成分(A2)を好ましくは80重量%以上、好ましくは残りの0〜20重量%の部分は、汎用の各種プロピレン(共)重合体、エチレン−プロピレン共重合体(但し、成分(A2)に該当するものを除く。)、低密度又は高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体、各種エラストマー等のような樹脂、エラストマー、充填剤、添加剤のような材料を任意に配合できる。これらの配合材料は、主層であるプロピレン系樹脂層としての役割を果たす特性を備えたものである。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤及びチオ系酸化防止剤などが例示でき、中和剤としては、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸亜鉛などの高級脂肪酸塩類が例示でき、光安定剤及び紫外線吸収剤としては、ヒンダードアミン類、ニッケル錯化合物、ベンゾトリアゾール類、ベンゾフェノン類などが例示できる。
本発明の熱成形体に使用される樹脂シートは、1層以上の少なくともβ晶核剤(B)を含むプロピレン系樹脂組成物(A)を用いた主層からなるシートであり、2層以上の多層構造であってもなんら差し支えない。例えば、主層と最内層との間に、エチレン−ビニルアルコール共重合体や、メタキシリレンジアミンとアジピン酸を主成分として用いて得られるメタキシリレンアジパミド系ポリアミド樹脂(MXD6ポリアミド)といったバリア性(バリア性樹脂層)及び接着層を配置したバリア層を設けることも好ましい。
また、最外層に高光沢層や低光沢層といった意匠性を持たせた層を配置することも可能である。
ガスバリヤー性の層としては、前記のうち、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、メタキシリレンアジパミド系ポリアミド樹脂、共役ジエン重合体環化物とエチレン−ビニルアルコール共重合体の混合物が好ましい。
なお、本発明において樹脂シートが主層とバリア層からなる時、バリア層及び/又は主層の外側に、本発明の効果を損なわない範囲で他の層があってもよい。同様に、主層とバリア層との間においても他の層があってもよい。
樹脂シートの具体的製造法の例としては、成分(A1)、(A2)およびβ晶核剤(B)等を、公知の単軸又は二軸のスクリュー押出機に通して、コートハンガーダイからシート状に押出した後、(内部で冷却水や油が循環している)金属ロール表面に、エアーナイフ、エアーチャンバー、硬質ゴムロール、スチールベルト、金属ロールにて押さえつけ冷却固化されることによって得ることができる。又、シート両面をスチールベルトで挟んで冷却固化することもできる。
このようなシートの冷却方法の中では、シート両面に金属ロール及び/又はスチールベルトを使用する方法が表面凹凸の少ないシート表面、つまり平滑性に優れたシートを得られることから最も好ましい方法である。
本発明の熱成形体は、プロピレン系樹脂層を有する樹脂シートを用い、固相圧空成形により得られる。
本発明の熱成形体は、好ましくはプラグアシスト固相圧空成形で得られ、容器の剛性、衝撃強度に優れたものである。通常、固相圧空成形では、加熱処理による収縮が小さい成形体は得られにくい。しかし、本発明の熱成形体(容器等)は、加熱処理による収縮の小さな成形体となる。一方、本発明の熱成形体(容器等)は、内容物を収納し、これを加熱処理やレトルト処理等で高温での加熱処理した際の収縮率を著しく小さくすることができる。
このような成形における加熱方法としては、間接加熱、熱板加熱、熱ロール加熱などが挙げられる。成形を、該シートの融解ピーク温度を越える温度で成形を行うと、得られる熱成形体(容器)の透明性、光沢、肉厚均一性が悪化しやすく、アシストプラグに付着し、圧空エアーによる穴あきが発生したり、成形不能となる場合があるので好ましくない。
本発明の熱成形体は、このような固相圧空成形を、樹脂シートを構成する主層のβ晶核剤(B)を含有するプロピレン系樹脂組成物(A)の融解ピーク温度より低い温度でプラグアシスト成形にて行い、製造することが好ましい。
本発明の熱成形体は、好ましくは、そのプロピレン系樹脂層のβ晶分率が3%以上20%未満である。3%未満では加熱処理による収縮が大きくなりやすく、20%以上は融点以上での成形時に得られるが、溶融成形であり、固相圧空成形においては製造上難しい。β晶分率は3%以上15%未満であることが好ましい。
なお、β晶分率は、熱成形体の側面の高さ方向中心部分より試験片を切り出し、切り出した試験片をX線回折により測定して求める。その具体的な方法は、後記実施例に記載のとおりである。
本発明の熱成形体は、上記樹脂シートを用い、固相圧空成形により得られるが、成形体としては、深さ/口径の比が0.5以上である深絞り構造を有する容器形状の熱成形容器が好ましい。
熱成形容器は、容器の形状が角型や丸型に関係無く、容器本体の底面部までの(最大)深さと容器本体の(最大)幅(口径)との比である絞り比が0.5以上であることが好ましく、1.0以上であることがより好ましい。深絞り比は本明細書の実施例で例示するように、ノギス等で測定することができる。
絞り比が0.5以上であるものは、好ましくはプラグアシスト固相圧空成形で得られ、容器の剛性、衝撃強度に優れたものであるが、固相圧空成形では通常は絞り比が大きいほど加熱処理による収縮の小さな容器は得られにくい。しかし、本発明の熱成形体は、例え絞り比が1.0以上であっても加熱処理による収縮の小さな深絞り容器となり得る。
本発明の熱成形体は、意匠性に優れレトルト加熱処理が可能なため、食品容器、洗剤容器、医療用容器等の各種分野の容器に用いることができ、特に、飲料食品分野などにおいて、広く用いることができる。
特に、本発明の熱成形体は、高温での加熱処理に対する耐加熱処理性に優れるので、熱成形体に内容物を収納し、これを高い温度で加熱処理やレトルト処理を施すことが可能となる。この際の加熱処理温度としては、100℃以上が可能であり、さらには110℃以上が可能であり、さらには120℃以上での処理が可能である。
なお、実施例及び比較例において、熱成形容器又はその構成成分についての諸物性は、下記の評価方法に従って測定、評価し、また、使用した樹脂(使用材料)としては下記のものを用いた。
(1)メルトフローレート(MFR)[単位:g/10分]:
プロピレン系樹脂とプロピレン系樹脂組成物のMFRは、JIS K7210:1999「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」のA法、条件M(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した。
エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2)中のエチレン含有量は13C−NMRにより測定した。ただし、プロピレン系樹脂組成物(A)が、逐次重合によるプロピレン−エチレンブロック共重合体の場合は、特許第4705698号公報に記載のクロス分別装置を用いた方法により、エチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2)の含有量を求め、クロス分別したエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2)中のエチレン含有量を13C−NMRにより測定した。
TAインスツルメンツ社製示差走査熱量計(DSC)「Q2000」を使用し、試料(プロピレン系樹脂、その組成物又はシート)を5mgアルミパンに充填し、室温から一旦200℃まで昇温速度100℃/分で昇温し、5分間保持した後に、10℃/分で40℃まで降温して、結晶化させた時の結晶最大ピーク温度(℃)として結晶化温度(Tc)を求め、その後、10℃/分で200℃まで昇温させた時の100℃以上155℃以下の主たる融解最大ピーク温度(℃)として融解ピーク温度(Tm)を求めた。
得られた熱成形容器の口部外径及び深さをノギスで測定し、その比(深さ/外径)を絞り比とした。
プロピレン系樹脂層のβ晶分率は、特開平6−64038、特開平6−287369、特開平7−118429、特開平7−126409号公報等に示される様にターナー・ジョーンズらの「Makromol.Chem 75、135〜137(1964)」に記載された方法に準じて以下の式を用いて算出した。X線回折は熱成形容器の高さ方向中心部分を切り出し、容器円周方向を透過法にて測定した。測定はRigaku社製X−ray
diffractmater SmartLabを用い、波長1.54Å、出力40KV 30mAで、2θスキャン範囲5〜40°を0.1°ステップ、スキャン速度10°/minの条件で測定した。
β晶分率=(hβ)/(hβ+hα1+hα2+hα3) ×100
但し、hβはβ晶(300)面による回折強度(高さ)、hα1はα晶(110)面による回折強度(高さ)、hα2はα晶(040)面による回折強度(高さ)、hα3はα晶(130)面による回折強度(高さ)を表す。
固相圧空成形機内の成形直前のシート表面温度を非接触式放射温度計で測定し、最高温度(MAX)と最低温度(MIN)を確認した。
得られた樹脂シートを用い、30分間連続して12shot/minのスピードで容器成形を行い、樹脂シートがプラグへ付着するかどうかを確認した。
○:樹脂シートの付着なし
×:樹脂シートの付着があり、成形不能
得られた熱成形容器を、温度125℃のオーブン中で30分間処理し、その前後の容積を測定し、体積収縮率(%)を測定した。体積収縮率が小さいほど耐加熱処理性に優れると評価され、以下の基準で○×を判定した。
○:3%未満
×:3%以上
耐加熱処理性が「○」であるものについて、成形時におけるヒーター温度設定可能範囲を成形温度条件幅として調べた。温度範囲が大きいものほど優れていると評価され、具体的には5℃以上の温度条件幅を有するものが良好であるといえる。
得られた熱成形容器に水を270CC充填して、口部をフィルムでヒートシールし、冷蔵庫に5℃で24時間静置した後に、冷蔵庫から取り出して、すぐに落下させる。落下高さは、1.5m及び1.2mであり、割れるまで何回も落とす。N=10で行い、回数の平均で評価した。割れるまでの回数が多いものが耐衝撃性に優れる。10回落としても割れないものはNBと表記した。
(1)プロピレン系樹脂
プロピレン系樹脂組成物(A)用のプロピレン系樹脂として、以下の混合物からなるプロピレン樹脂組成物(PP1)〜(PP11)を使用した。
・プロピレン単独重合体(1):50重量%、
MFR=1.9g/10分
・プロピレン−エチレンブロック共重合体(1):50重量%、
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分の含有量:10重量%
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分のエチレン含有量:60重量%
MFR=2.5g/10分
PP1全体
MFR=2.2g/10分
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分の含有量:5重量%
融点(Tm)=164.3℃
・プロピレン単独重合体(2):50重量%、
MFR=5.0g/10分
・プロピレン−エチレンブロック共重合体(1):20重量%、
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分の含有量:10重量%
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分のエチレン含有量:60重量%
MFR=2.5g/10分
・プロピレン−エチレンブロック共重合体(2):30重量%、
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分の含有量:14重量%
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分のエチレン含有量:49重量%
MFR=8.5g/10分
PP2全体
MFR=5.1g/10分
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分の含有量:6.2重量%
融点(Tm)=162.7℃
・プロピレン単独重合体(3):50重量%、
MFR=0.5g/10分
・プロピレン−エチレンブロック共重合体(3):50重量%、
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分の含有量:11重量%
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分のエチレン含有量:60重量%
MFR=0.5g/10分
PP3全体
MFR=0.5g/10分
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分の含有量:5.5重量%
融点(Tm)=165.0℃
・プロピレン単独重合体(1):95重量%、
MFR=1.9g/10分
・エチレン−プロピレンランダム共重合体:5重量%、
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分のエチレン含有量:74重量%
MFR(JIS K7210準拠、230℃、2.16kg)=5.4g/10分
PP4全体
MFR=2.0g/10分
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分の含有量:5.0重量%
融点(Tm)=164.3℃
・プロピレン単独重合体(1):90重量%、
MFR=1.9g/10分
・エチレン−プロピレンランダム共重合体:10重量%、
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分のエチレン含有量:74重量%
MFR(JIS K7210準拠、230℃、2.16kg)=5.4g/10分
PP5全体
MFR=2.1g/10分
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分の含有量:10.0重量%
融点(Tm)=164.3℃
・プロピレン重合体(4):90重量%、
エチレンコモノマー含有量:0.3重量%、
MFR=0.5g/10分
・エチレン−プロピレンランダム共重合体:10重量%、
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分のエチレン含有量:74重量%
MFR(JIS K7210準拠、230℃、2.16kg)=5.4g/10分
PP6全体
MFR=0.6g/10分
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分の含有量:10.0重量%
融点(Tm)=160.3℃
・プロピレン単独重合体(1):90重量%、
MFR=1.9g/10分
・エチレン−プロピレンランダム共重合体:10重量%、
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分のエチレン含有量:76重量%
MFR(JIS K7210準拠、230℃、2.16kg)=0.6g/10分
PP7全体
MFR=1.7g/10分
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分の含有量:10.0重量%
融点(Tm)=164.3℃
・プロピレン単独重合体(1):90重量%、
MFR=1.9g/10分
・プロピレン−エチレンブロック共重合体:10重量%、
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分の含有量:54重量%
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分のエチレン含有量:40重量%
MFR=0.8g/10分
PP8全体
MFR=1.7g/10分
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分の含有量:5.4重量%
融点(Tm)=164.5℃
・プロピレン単独重合体(1):80重量%、
MFR=1.9g/10分
・プロピレン−エチレンブロック共重合体:20重量%
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分の含有量:54重量%
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分のエチレン含有量:40重量%
MFR=0.8g/10分
PP9全体
MFR=1.6g/10分
エチレン−プロピレンランダム共重合体成分の含有量:10.8重量%
融点(Tm)=164.5℃
・プロピレン単独重合体(1):95重量%、
MFR=1.9g/10分
・エチレン−ヘキセンランダム共重合体:5重量%、
エチレン−ヘキセンランダム共重合体成分のエチレン含有量:82重量%
MFR(JIS K7210準拠、230℃、2.16kg)=4.1g/10分
PP10全体
MFR=2.0g/10分
エチレン−ヘキセンランダム共重合体成分の含有量:5重量%
融点(Tm)=164.3℃
・プロピレン単独重合体(1):90重量%、
MFR=1.9g/10分
・エチレン−ヘキセンランダム共重合体:10重量%、
エチレン−ヘキセンランダム共重合体成分のエチレン含有量:82重量%
MFR(JIS K7210準拠、230℃、2.16kg)=4.1g/10分
PP11全体
MFR=2.1g/10分
エチレン−ヘキセンランダム共重合体成分の含有量:10重量%
融点(Tm)=164.3℃
β晶核剤(B)として、以下を使用した。
N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミド
新日本理化株式会社製、商品名「エヌジェスターNU−100」
上記NU−100:0.1重量%と上記PP1:99.9重量%からなる混合物を、口径50mmφの単軸押出機で、温度230℃で、押し出し、プロピレン系樹脂ペレットを得た。
スクリュー口径50mmの押出機にこのプロピレン系樹脂ペレットを投入し、樹脂温度230℃にて加熱溶融可塑化しT型ダイスより押出して得たポリプロピレン系シートを、表面温度が80℃に制御された鏡面仕上げの金属製キャストロ−ルにて挟み、冷却固化させながら、1m/分の速度で連続的に引き取り、幅500mm、全体厚み2.0mmの樹脂シートを得た。
次いで、この樹脂シートを用いて、固相圧空成形機RDM50K(イーリッヒ社製)で口径75mmφ、深さが105mmの熱成形容器(絞り比1.4)を成形した。容器成形温度は138.6℃であった。
この熱成形体について、前述の各種評価を行った。その結果を表1に示す。
PP1の代わりにPP2を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
結果を表1に示す。
PP1の代わりにPP3を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
結果を表1に示す。
PP1の代わりにPP4を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
結果を表1に示す。
PP1の代わりにPP5を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
結果を表1に示す。
PP1の代わりにPP6を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
結果を表1に示す。
PP1の代わりにPP7を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
結果を表1に示す。
PP1の代わりにPP8を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
結果を表1に示す。
PP1の代わりにPP9を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
結果を表2に示す。
PP1の代わりにPP10を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
結果を表2に示す。
(実施例11)
PP1の代わりにPP11を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
結果を表2に示す。
スクリュー口径50mmの押出機に、上記実施例1で製造したプロピレン系樹脂ペレットを投入し、また、スクリュー口径40mmの押出機にEVOHペレット(「BX6804B」、商品名、日本合成化学工業社製)を投入し、さらに、他のスクリュー口径40mmの押出機に接着性樹脂(「モディックP604V」、商品名、三菱化学社製、接着性のポリプロピレン樹脂)を投入し、樹脂温度230℃にて加熱溶融可塑化してT型ダイスより押出して得たポリプロピレン系シートを、表面温度が80℃に制御された鏡面仕上げの金属製キャストロ−ルにて挟み冷却固化させながら1m/minの速度で連続的に引き取り、幅500mm、EVOHの層厚み0.1mm、接着性樹脂の厚み各0.1mm、全体厚み2.0mmの3種5層シートを得た。
次いで、この積層樹脂シートを用いて、固相圧空成形機RDM50K(イーリッヒ社製)で口径75mmφ、深さが105mmの熱成形容器を成形した。
この多層熱成形容器について、前述の各種評価を行った。結果を表2に示す。
EVOHの代わりに、メタキシリリレンアジパミド樹脂(商品名「MXD6 S7007」、三菱ガス化学社製)を用いた以外は、実施例12と同様に実施した。
評価結果を表2に示す。
EVOHの代わりに、共役ジエン重合体環化物とエチレン−ビニルアルコール共重合体の混合物(商品名「クインティア」日本ゼオン株式会社製)を用いた以外は、実施例12と同様に実施した。
評価結果を表2に示す。
β晶核剤を使用せず、また、PP1の代わりに、MFRが1.9g/10分のプロピレン単独重合体(日本ポリプロ社製、商品名「FY6H」)を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
評価結果を表3に示す。
β晶核剤を使用しなかった以外は、実施例1と同様に実施した。
評価結果を表3に示す。
β晶核剤を使用せず、また、PP1の代わりに、MFRが5.0g/10分のプロピレン単独重合体(日本ポリプロ社製、商品名「FY4」)を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
評価結果を表3に示す。
β晶核剤を使用せず、また、PP1の代わりに、PP2を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
評価結果を表3に示す。
β晶核剤を使用せず、また、PP1の代わりに、PP3を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
評価結果を表3に示す。
Claims (6)
- 加熱処理に供される内容物を収納可能な熱成形体を製造する方法であって、β晶核剤(B)を10〜10,000ppmを含有し、下記(1)及び(2)を満たすプロピレン系樹脂組成物(A)からなるプロピレン系樹脂層を有する樹脂シートを、固相圧空成形法により成形することを特徴とする熱成形体の製造方法。
(1)MFR(230℃、2.16kg荷重)が、0.1〜100g/10minである。
(2)プロピレン重合体成分(A1)を60〜99重量部、エチレンを30〜99.9重量%含有するエチレン−α−オレフィン共重合体成分(A2)を40〜1重量部(但し、(A1)及び(A2)成分の合計を100重量部とする。)含有する。 - 前記プロピレン系樹脂層のβ晶分率が、3%以上20%未満である請求項1記載の熱成形体の製造方法。
- 熱成形体は、深さ/口径の比が0.5以上である深絞り構造を有する容器である請求項1又は2に記載の熱成形体の製造方法。
- 前記樹脂シートは、さらに、ガスバリア層を有する請求項1〜3のいずれかに記載の熱成形体の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の熱成形体の製造方法によって製造された熱成形体に内容物を収納し、内容物を加熱処理する加熱処理方法。
- 加熱処理の温度が100℃以上である請求項5に記載の加熱処理方法。
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