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JP5917066B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
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Description

本発明は、金属の塗装技術分野に属し、特に重金属類を使用せずに優れた防食性能を発現する下塗り塗料・接着剤(プライマー)及びそれを用いて使用される金属積層物を提供するものである。
従来、金属は防食性、意匠性などを付与する目的で各種表面処理を行い、更に塗装又はPETフィルム等をラミネートして使用されるのが一般的である。塗料の場合、防食性、密着性、加工性、耐水性、意匠性、防汚性、耐候性、塗膜硬度など、様々な要求性能を1種1層の塗装で満足することが難しく通常は下塗り(プライマー)、中塗り、上塗り(トップ)用に各々の機能を分担した塗料を積層して用いられる。また、下塗り塗装を施した後にフィルムをラミネートするケースも近年増加している。
これらの塗装鋼板やフィルムラミネート鋼板は、例えば、打ち抜き、曲げ加工時に発生する被膜欠陥や引っかき傷等、被膜やフィルムを貫通する傷が生じた場合その部分の絶縁性が失われ耐食性が確保できない。傷部耐食性を向上させる為に、通常防食剤としては、クロム、鉛、亜鉛など環境汚染が問題となる重金属を含む化合物が防食顔料として大量に使用されている。
一方、発明者らは、近年、金属防食への適用が検討されている導電性ポリマーに着目し検討を開始した。導電性ポリマーとは、π電子共役系が発達したポリマーであり、ポリアセチレンをはじめ、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等が知られている。このうちポリアニリンについては、その金属防食能につき、多くの研究がなされている。
特許文献1には、樹脂、ポリアニリン、無機酸化物からなる被膜を金属板上に形成することで、従来のクロメート処理を代替可能な密着性、耐食性が得られる旨、記載されている。しかしながら、ベース樹脂として水溶性又は水分散性のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等を用いており、これらではポリエステル樹脂を主体とした本発明と比較して、被膜の伸びと強度特性が不十分である。
特許文献2には、平均分子量20,000以上の導電性ポリマーを有機樹脂被膜中に分散させ、鋼板上に形成する旨記載されている。この技術の不十分な点は(1)導電性ポリマーを高分子量化させているが、所詮、分子鎖の骨格は剛直なままであり、加工性改善効果をもたらさないこと、(2)導電性ポリマーの結晶化度を上限なく規定しているが、加工性を妨げること(3)マトリックス形成高分子、ドーパントに関する規定が、広く一般的な物質に留まり特定されていない為、その重要性を見出していないこと、(4)塗装下地処理を想定した技術であり、本発明とは技術的思想が異なること、などが挙げられる。
特許文献3、4には、導電性ポリマー/非導電性熱可塑性ポリマー(及び/又は非導電性熱硬化ポリマー)/無機酸化物/リン酸などの酸成分(及び/又はその誘導体)からなる被膜を金属板上に形成する旨記載されている。しかし、(1)ドーパントの有用性に関し得意な記述がないこと(2)熱硬化性ポリマーが特にエポキシ樹脂及び/又は酸変性エポキシ樹脂及び/又はアミン変性エポキシ樹脂であり、本願発明のフェノール樹脂に関する重要性を見出していない。
特開平10−251509号公報 特開2007−190896号公報 特開2000−119599号公報 特開2001−64587号公報
上記の現状から、導電性ポリマーを含有することで耐食性を向上させプライマーとして求められる要求性能を満足することが課題である。重金属系の防錆顔料を含まないことで環境にも対応したものである。
本発明者等は、導電性ポリマーのもつ耐食性能を引き出し、プライマーとしての他の性能を極めて高いレベルで成立させ、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、ポリエステル樹脂(A)、フェノール樹脂(B)、導電性ポリマー(C)及びドーパント(D)を含有することを特徴とする樹脂組成物を提供することにある。
本発明の樹脂組成物は、金属の塗装技術分野に属し、特に重金属類を使用せずに優れた防食性能を発現する下塗り塗料・接着剤(プライマー)及びそれを用いて使用される金属積層物を提供するものである。特に制限されるものではないが、具体的な用途としては、家電用電気製品、建材、自動車、工作機械、橋梁、飲料缶・食品缶等の缶胴又は蓋として用いられる。また、中塗り、上塗り塗料等の塗装鋼板用のプライマーであることは勿論、PET、PBT、PP、PEなどのフィルム用の接着プライマーとしても使用できる。
本発明の樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)、フェノール樹脂(B)、導電性ポリマー(C)及びドーパント(D)を含有することを特徴とする樹脂組成物に関する。以下、本発明の組成物について更に詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物に使用するポリエステル樹脂(A)は、数平均分子量が3,000〜100,000、ガラス転移温度が0℃〜100℃であることが好ましい。尚、数平均分子量は、GPCのポリスチレン換算による数平均分子量である。
ポリエステル樹脂(A)は、多塩基酸成分と多価アルコール成分とをエステル化反応させたものであればよい。多塩基酸成分としては、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸などの1種以上の二塩基酸及び、これらの酸の低級アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じて、安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などが併用される。
多価アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのニ価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併用することができる。これらの多価アルコールは単独で、又は2種以上を混合して使用することが出来る。
本発明の樹脂組成物に用いるポリエステル樹脂(A)は、数平均分子量が3,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは6,000〜30,000、更に好ましくは15,000〜30,000である。ガラス転移温度は、0℃〜100℃であることが好ましく、より好ましくは、10〜90℃であり、更に好ましくは30〜80℃である。数平均分子量が3,000より低いと加工性が悪くなり、100,000より高いと塗料化時の粘度が高くなり適切な塗装ができなくなる。特に、数平均分子量が15,000〜30、000であると耐食性と加工性のバランスが極めてよい。また、ガラス転移温度が0℃より低いと水蒸気、酸素等のバリアー性が劣るために塗膜の耐食性が劣り、またブロッキング性も劣るようになる。ガラス転移温度が100℃より高いと、塗膜が硬くなり加工性が悪くなる。更に、ポリエステル樹脂の骨格としては、分岐型よりも直鎖型であることが好ましい。
市販品としては、例えば、東洋紡績(株)社製のバイロン300、同500、同560、同600、同630、同650、同670、バイロンGK130、同140、同150、同190、同330、同590、同680、同780、同810、同890、同200、同226、同240、同245、同270、同280、同290、同296、同660、同885、バイロンGK250、同360、同640、同880、ユニチカ(株)社製エリーテルUE−3220、同3500、同3210、同3215、同3216、同3620、同3240、同3250、同3300、同UE−3200、同9200、同3201、同3203、同3350、同3370、同3380、同3600、同3980、同3660、同3690、同9600、同9800、東亞合成(株)社製アロンメルトPES−310、同318、同334、同316、同360などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物に用いるポリエステル樹脂(A)のうち、ジフェノール酸を必須としたポリエステル樹脂(A−1)は、フェノール樹脂との硬化性が優れるようになり、結果として特に耐水性、耐食性が優れるようになる。ポリエステル樹脂(A−1)中のジフェノール酸の導入量としては、0.1〜10質量%が好ましい。0.1質量%より低いと硬化性、耐水性及び耐食性の向上効果が得られず、また10質量%を超えると硬化が進み過ぎ、加工性が劣るようになる。
本発明の樹脂組成物に用いるフェノール樹脂(B)として特に代表的なもののみを例示するに限れば、石炭酸、m−クレゾール、m−エチルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシフェノールの如き3官能のフェノール化合物もしくはp−クレゾール、o−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、m−メトキシフェノールの如き、各種の2官能性のフェノールと、ホルムアルデヒドとをアルカリ触媒の存在下で合成したものである。これらのフェノール化合物は1種で又は2種以上を混合して使用することができる。又、フェノール樹脂に含有されるメチロール基の一部ないしは全部を、炭素数が1〜12なるアルコール類によってエーテル化した形のものを使用することもできる。
本発明の樹脂組成物に使用する導電性ポリマー(C)は、下地金属の不動態化を促進させ、金属板に傷部耐食性を付与することができる。導電性ポリマーの酸化還元電位は下地金属の電位に対して貴であるため下地金属との界面において下地金属の酸化反応と導電性ポリマーの還元反応が生じ界面に安定な不動態被膜を形成する。不動態被膜は、絶縁体であるとともに緻密であるため、腐食因子に対しバリア層として機能する。その為、下地金属の耐食性を大幅に向上させることができる。ここで導電性ポリマーの酸化還元反応は可逆的であることが分かっており、溶存酸素の還元反応とのカップリング反応によって、元の状態に戻る。すなわち、導電性ポリマーにはその可逆的な酸化還元特性により自身を劣化させることなく永続的に下地金属を防食する効果が期待できることになる。以上の防食プロセスは、腐食環境下における下地金属の自発的な不動態化を促すものであるため、導電性ポリマーには一種の自己補修作用があるものと考えることができる。従って、被膜を貫通する傷が生じたとしても、傷部周辺に不動態化被膜を形成させることで腐食の進行を著しく抑制することが可能となる。
本発明の導電性ポリマー(C)は、脱ドープ状態では半導体であり、バンドギャップを有する。よって、導電性を付与する為にはドーパントを添加し導電性ポリマーの主鎖の共役系からπ電子を奪って、主鎖上に正孔を生成させる必要がある。ドーパントとしてはハロゲン類、プロトン酸、ルイス酸、遷移金属ハライド、アルカリ金属から選ばれた一種又は二種以上の混合物であることが好ましい。なかでも、ハロゲン類、プロトン酸、ルイス酸が安定した防食能を有するため特に好ましい。
ハロゲン類としては、臭素、塩素、ヨウ素などを用いることができ、プロトン酸としては、有機カルボン酸、有機スルホン酸、有機ホスホン酸、リン酸類及びポリリン酸などを好適に用いることができる。ルイス酸としては、FeCl3、FeOCl、TiCl4、ZrCl4、SnCl4、MoCl5、WCl5、BF4、BCl3、PF5等の金属ハロゲン化物を用いることができる。
中でも好適であるのがプロトン酸であり、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリリン酸などのポリマー酸が特に好適である。これらは自身に皮膜形成能があるため、密着層となる樹脂の連続性を高め、密着性、耐食性に対して効果がある。
ドーパントの添加量としては樹脂中に添加された導電性ポリマー1molに対し0.01〜1.0molの範囲とする。ドーパントの添加量が導電性ポリマー1molに対し0.01mol未満であるとポリマー主鎖上に生成するキャリアーの数が不足し十分な電気伝導性が得られない。導電性ポリマーの防食効果は、防食対象となる金属とのスムーズな電子の授受に依存するため、導電性の低下は不動態化能を低下させ、傷部耐食性が劣ることになる。一方、ドーパントの添加量が導電性ポリマー1molに対し1mol超とすると処理液の不安定化やプライマー皮膜の加工性劣化を招き、傷部耐食性を低下させる懸念がある。従って、ドーパントの添加量は、導電性ポリマー1molに対し0.01〜1.00molの範囲に規定する。
本発明の樹脂組成物に使用することの出来る金属アルコキシド系化合物及び又は金属キレート系化合物(E)は、ポリエステル樹脂(A)、フェノール樹脂(B)及びエポキシ樹脂(F)と硬化反応を起こす。各々の樹脂の官能基と金属アルコキシド系化合物及び又は金属キレート系化合物(E)の間で、架橋反応が進行する。塗膜中の架橋構造に金属が組み込まれることで、被膜の強度が向上し、結果として耐衝撃性や耐食性が飛躍的に向上する機能を付与するものである。また、金属アルコキシド系化合物及び又は金属キレート系化合物(E)は、従来公知の有機化合物のみ、例えばポリエステル/フェノール、ポリエステル/フェノール/エポキシ、ポリエステル/メラミン系の樹脂組成物と比較して低温硬化性、高温短時間での硬化性に特に優れているなどの特徴がある。この特徴を利用することにより、従来公知の有機化合物のみでは困難であった焼付け温度の低温化、短時間化が可能となり、エネルギーコストの削減や、二酸化炭素の排出抑制にも繋がる。金属アルコキシド系化合物及び又は金属キレート系化合物(E)としては、例えばジルコニウム、アルミニウム、チタン、スズなどのアルコキシド金属化合物、アセト酢酸が金属に配位した金属キレート化合物などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物に使用するエポキシ樹脂(F)は、主に、塗膜の密着性を向上させるものである。エポキシ樹脂の市販品としては、BPAタイプのものは、エピコート1001、エピコート1004、ノボラックタイプとしては、DIC(株)社製のエピクロンN−665、同670、同673、同680、同690、同695、同730、同740、同770、同865、同870、旭化成エポキシ(株)社製のECN−1273、同ECN−1299などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、更に硬化触媒(G)を含有する事ができる。硬化触媒(G)としては、特に代表的なものを例示するに留めれば、リン酸等の無機酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸及びこれらをアミン等でブロックしたものを使用することができる。硬化触媒(G)の配合比は全固形分中に0.01〜5%含有することが好ましい。
本発明の樹脂組成物に使用することの出来る有機顔料及び又は無機顔料(H)としては、例えば、クロム酸塩(黄鉛、クロムバーミリオン)フエロシアン化物(紺青)、硫化物(カドミウムエロー、カドミウムレッド)、酸化物(酸化チタン、ベンガラ、鉄黒)、硫酸塩(硫酸バリウム、硫酸鉛)、珪酸塩(群青、珪酸カルシウム)、炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム)燐酸塩(コバルトバイオレット)金属粉末(アルミニウム粉末、ブロンズ)炭素(カーボンブラック)の如き無機顔料、アゾ系(ベンジジンイエロー、ハンザエロー、バルカンオレンジ、パーマネントレッドF5R、カーミン6B、レーキレッドC、クロモフタールレッド、クロモフタールエロー)、フタロシアニリン系(フタロシアニンブルー、フタロシアニリングリーン)、建染染料系(インダスレンブルー、チオインジゴボルドー)染付レーキ系(エオシンレーキ、キノリンエロー、ローダミンレーキ、メチルバイオレットレーキ)、キナクドリン系(シンカシアレッド、シンカシアバイオレット)ジオキジシン系(PVファストバイオレットBL)等如き有機顔料を挙げることができ、これらを単独あるいは混合して用いてよい。これらの顔料は、塗膜を着色し意匠性を付与することを可能とし、求められるデザインに対し、任意の有機顔料、無機顔料を添加することができる。かかる有機顔料及び又は無機顔料(H)の配合比率は、全固形分中で対して、0.1から70質量部%を含有することが好ましい。
本発明の樹脂組成物に使用することのできる防錆剤(I)としては、特に限定されるものではないが、例えば無機系防錆剤としては例えば酸化亜鉛、リン酸亜鉛、リン酸アルミ、有機系防錆剤としてはタンニン酸などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物のポリエステル樹脂(A)とフェノール樹脂(B)の配合比率(質量)は、60:40〜95:5であることが好ましく、より好ましくは70:30〜85:15である。ポリエステル樹脂(A)の比率が60より低いと塗膜の伸びが不足する為に加工性が悪化し、95より高いと硬化性が不足し、耐水性が劣るようになる。導電性ポリマー(C)の配合比は全固形分中で、0.01〜20質量%を含有することが好ましく、より好ましくは1〜15質量%である。導電性ポリマー(C)の配合比率が0.01質量%より低いと下地金属との界面における不動態化皮膜の形成が不十分となる。一方、15質量%より高いと下地金属との密着性や加工性が劣るようになる。金属アルコキシド系化合物及び又は金属キレート系化合物(E)の配合比率は、全固形分中で0.01〜10質量%を含有することが好ましい。金属アルコキシド系化合物及び又は金属キレート系化合物(E)の含有量が、0.01質量%よりも低いと期待する耐衝撃性、耐食性の効果が得られず、10質量%を超えると塗膜が硬くなり加工性が劣るのに加え、塗料が増粘又はゲル化するなどの不具合が生じる。エポキシ樹脂(F)の配合比は全固形分中で、0.1〜30質量%含有することが好ましい。エポキシ樹脂(F)の比率が0.1質量%より低いと塗膜の密着性が劣るようになり、30質量%を超えると耐水性が劣るようになる。
本発明の樹脂組成物を用いた塗料に使用し得る溶剤としては、特に制限はないが、たとえばトルエン、キシレン、ソルベッソ#100、ソルベッソ#150等の芳香族炭化水素系、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ギ酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系の各種有機溶剤が挙げられる。また水混和性有機溶剤としてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、シクロハキサノン等のケトン系、エチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、エチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル等のグリコールエーテル系の各種有機溶剤が挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、従来公知の滑剤、消泡剤、レベリング剤、滑剤、顔料等を添加することが可能である。また、硬化補助剤として、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、イソシアネート樹脂、ポリアミド樹脂等の他の硬化剤を併用しても良く、これらは塗料の焼付け条件やフィルム塗工の場合は、その乾燥条件、ラミネート条件により適切なものを併用することが可能である。
本発明の樹脂組成物は、エアースプレー、エアレススプレーまたは静電スプレーの如き、各種のスプレー塗装、浸漬塗装、ロールコーター塗装、グラビアコーターならびに電着塗装等公知の手段により、鋼板、アルミニウム板等の金属基材やPETペットフィルム等の塗料・接着剤として塗装することが出来る。塗布量は、乾燥塗膜厚では、0.1〜20μm程度が好ましい。
また、本発明の樹脂組成物は、100〜280℃、1秒〜30分間なる範囲内で焼付けされることが好ましい。またPET、PP等のフィルム基材に塗装される場合には、80〜180℃、1〜30秒の範囲で乾燥し、その後、金属板に150〜300℃での範囲内の温度でラミネートされれば、プライマーとして優れた性能を発揮することができる。
以下、本発明を実施例にて具体的に説明する。例中「部」及び「%」は、「質量部」、「質量%」を各々表わす。
実施合成例1(ジフェノール酸を必須の成分としたポリエステル樹脂(A−1−1)の合成)
酸成分として、テレフタル酸50質量部、イソフタル酸112質量部、ジフェノール酸、4.9質量部、多価アルコール成分として2−エチル−2−ブチル−1,3−ブタンジオール50質量部、1,4−ブタンジオール99質量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール48質量部、チタンテトラブトキシド0.07質量部を2Lフラスコに仕込み、4時間かけて220℃まで徐々に昇温し、水を留出させエステル化を行った。所定量の水を留出させた後、30分かけて10mmHgまで減圧重合行うとともに温度を250℃まで昇温し、更にこのまま1mmHg以下で50分間後期重合を行った。ついで減圧重合を止めて、窒素気流下で220℃まで冷却し、無水トリメリット酸1.9質量部を添加し、220℃で30分攪拌しカルボキシ基変性(後付加)を行った後、樹脂を取り出し数平均分子量22,000、酸価5(mgKOH/g)、ガラス転移温度30℃のポリエステル樹脂(A−1−1)を得た。この後、100℃以下まで冷却し、シクロヘキサノン/ソルベッソ150=50/50の混合溶液で希釈し、不揮発分40%のポリエステル樹脂(A−1−1)溶液を得た。
表1、2に示した割合(表中の数字は固形分質量比率を示す)で下記の原料を配合・攪拌し、実施例1−10、比較例1−6の塗料を不揮発分が25%となるように作製した。
(1)ポリエステル樹脂(A−1−1)ジフェノール酸を必須の成分としたポリエステル樹脂
数平均分子量22,000、酸価5(mgKOH/g)、ガラス転移温度30℃、シクロヘキサノン/ソルベッソ150=50/50混合溶液の40%溶解品。
(2)ポリエステル樹脂(A−1−2)=バイロンGK−360、東洋紡績(株)製
数平均分子量16,000、酸価5(mgKOH/g)、ガラス転移温度56℃、シクロヘキサノン/ソルベッソ150=50/50混合溶液の40%溶解品。
(3)フェノール樹脂(B−1)=TD2495、DIC製
パラクレゾール型フェノール樹脂、50%ノルマルブタノール溶液
(4)導電性ポリマー(C−1)=ポリアニリン 6%トルエン溶液、 ドーパント(D−1):ドデシルベンゼンスルホン酸、TAケミカル(株)製
(5)金属アルコキシド化合物(E−1)=ZA−65、マツモトファインケミカル(株)製 ジルコニウムブトキシド
(6)エポキシ樹脂(F−1)=エピコート1001、三菱化学(株)製
(7)硬化触媒(G−1)NACURE5925、楠本化成(株)製
ドデシルベンゼンスルホン酸(触媒)、25%溶液
(8)防錆剤(I−1)タンニン酸AL、富士化学工業(株)製
〔評価サンプルの調製〕
ティンフリースチール(TFS)上に、前記各実施例1〜10及び比較例1〜6の下塗り塗料(プライマー)を、乾燥膜厚が2μmとなるようにコーターにて塗装後、素材の最高到達温度180℃で10分間焼付け塗装板を得た。その後、ポリエステル/メラミン系の上塗り塗料を乾燥膜厚7μmとなるようにコーターにて塗装し180℃で10分間焼付けを行い評価サンプルを作成した。
〔評価項目〕
1−1.鉛筆硬度試験
試験塗装板をJIS−S−6006に規定された高級鉛筆を用いJIS−K−5400に準じて鉛筆硬度を測定した。
1−2.加工性試験
試験塗装板を直径約25mm×高さ約17mmのキャップ形状に打抜き加工してからネジ加工したものを、125℃/30分間のレトルト処理を行い、塗膜の割れと剥離の程度を下記基準により目視で判定した。○以上が実用レベル。
◎:割れ、剥離が全く無い。
○:若干割れ、剥離がある。
△:割れ、剥離がやや多い。
×:割れ、剥離が著しい。
1−3.耐水性試験
試験塗装板を100℃/30分間の熱水処理した後、塗膜の白化の程度を目視で判定した。○以上が実用レベル。
◎:白化が全くない。
○:若干白化が認められる
△:白化がやや多い。
×:白化が著しい。
1−4.密着性試験
試験塗装板を直径約25mm×高さ約17mmのキャップ形状に打抜き加工してからネジ加工したサンプルを作成する。ネジ切部にセロハン粘着テープを貼り付け、これをはがした後の塗膜の剥離状態を目視で判定した。原型(処理前)と100℃/30分間の熱水処理後で、塗膜の割れと剥離の程度を下記基準により目視で判定した。○以上が実用レベル。
◎:剥離が全く無い。
○:若干剥離がある。
△:剥離がやや多い。
×:剥離が著しい。
1−5.耐食性
試験塗装板に下地鋼板に達するクロスカット傷を入れる。続いてクロスカット傷を入れた塗装板に対し、JIS2371に準拠した塩水噴霧試験を72時間行い、クロスカット傷部からの片側最大腐食幅を測定した。
評価結果を表1、2に示す。
Figure 0005917066


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表1,2より、実施例1〜10の耐食性は、重金属系の防錆顔料を含んだ比較例5、6と同等の耐食性を有しており、またドーパントを含有する導電性ポリマーがない又は適性範囲にない比較例1〜4と比較して良好な耐食性能を保持していることが分かる。また、実施例1〜10は、プライマーとして要求される性能を高いレベルで成立させていることもわかった。
本発明は、金属の塗装技術分野に属し、特に重金属を使用せずに優れた防食性能を発現する下塗り塗料・接着剤(プライマー)及びそれを用いて使用される金属積層物として広く活用できる。

Claims (6)

  1. ポリエステル樹脂(A)、フェノール樹脂(B)、導電性ポリマー(C)、ドーパント(D)、及び防錆剤(I)を含有することを特徴とする樹脂組成物であって、
    ポリエステル樹脂(A)が数平均分子量3,000〜100,000、ガラス転移温度が10℃〜90℃であり、ポリエステル樹脂(A)が、ジフェノール酸を必須の成分とするポリエステル樹脂(A−1)であり、且つポリエステル樹脂(A−1)とフェノール樹脂(B)の比率が、60:40〜95:5であり、ドーパント(D)の添加量が、導電性ポリマー(C)の1molに対し0.01〜1.00molであり、防錆剤(I)がタンニン酸である樹脂組成物。
  2. 導電性ポリマー(C)がポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリアルキルジキシチオフェン、ポリイソチアナフテン、ポリフェニレン、ポリフラン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン及びこれらの誘導体、及びこれらの単量体の共重合物から選ばれる一種又は二種以上の混合物である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 更に金属キレート化合物及び又は金属アルコキシド化合物(E)を含有する請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 更にエポキシ樹脂(F)を含有する請求項1〜3の何れか1つに記載の樹脂組成物。
  5. 更に硬化触媒(G)を含有する請求項1〜4の何れかに1つに記載の樹脂組成物。
  6. 更に有機顔料及び又は無機顔料(H)を含有する請求項1〜5の何れか1つに記載の樹脂組成物。
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