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JP5920166B2 - 放射能検査方法および放射能検査装置 - Google Patents
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JP5920166B2 - 放射能検査方法および放射能検査装置 - Google Patents

放射能検査方法および放射能検査装置 Download PDF

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Description

この発明は、被検体から放射されるセシウム134からの放射線とセシウム137からの放射線とを放射線検出器により検出する放射能検査方法および放射能検査装置に関する。
平成23年3月11日の東日本大震災による東京電力株式会社福島第一原子力発電所における事故により、広範囲の食品に放射性物質が含まれる事態となっている。これに対処するため、食品放射能スクリーニング検査に必要性が高まっている。例えば、食品としての米に対して放射能検査を行う食品放射能スクリーニング検査装置においては、30キログラム程度の米を収納した米袋をコンベアにより搬送し、このコンベアの上下に配設した放射線検出器により米袋から放射されるガンマ線を検出する構成を有するものが提案されている。
平成24年3月1日には、厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課より、「食品中の放射性セシウムスクリーニング法の一部改正について」が公表されている。この公表以前より、食品中の放射性物質については、地方自治体において厚生労働省が定めたガイドラインに基づきモニタリング検査が実施されているが、さらに、効率的・効果的なモニタリング検査を確保する観点から、「食品中の放射性セシウムスクリーニング法」が定められ、簡易測定機器の導入によるスクリーニング検査の導入が推進されてきた。そして、上記改正においては、「食品中の放射性セシウムスクリーニング法」における技術的性能要件等が変更されている(非特許文献1参照)。
この「食品中の放射性セシウムスクリーニング法」においては、セシウム134(Cs−134/134 Cs)とセシウム137(Cs−137/137 Cs)とを分析可能な食品放射能スクリーニング検査装置を使用して被検体のスクリーニングを行い、スクリーニングの結果が一定のレベル以下とはならず、放射性セシウムが基準値より確実に低いと判断できない被検体は、ゲルマニュウム半導体を用いたガンマ線スペクトロメトリー等による試験法を用いて検査結果を確定することとしている。
平成24年3月1日 厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課「食品中の放射性セシウムスクリーニング法の一部改正について」
このようなスクリーニング検査装置においては、放射線検出器による検出値である計数率(Count per second/CPS)を基準値(Bq/kg)に換算するための変換係数が予め設定されている。ところで、このようなスクリーニング検査装置におけるスクリーニング検査の対象は、セシウム134およびセシウム137の両方であるが、上述した変換係数を設定するときには、通常、セシウム137の単一標準線源を利用している。
このとき、セシウム134の半減期は2.7年であり、セシウム137の半減期は30年である。このため、上述した変換係数を利用してセシウム134およびセシウム137を含む被検体を測定した場合には、安全側ではあるが有為な過大評価となり、より高い放射能濃度を有すると判断されることになる。このような場合には、ゲルマニュウム半導体を用いたガンマ線スペクトロメトリー等による試験法を用いて再度検査を実行する必要が生じ、検査コストや検査時間が必要以上に増大することになる。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、セシウム134とセシウム137の混合比を考慮して正確に放射能の検査を実行することが可能な放射能検査方法および放射能検査装置を提供することを目的とする。
被検体から放射されるセシウム134およびセシウム137からの放射線を放射線検出器により検出した値と、前記放射線検出器により検出した値をセシウムの単位重さあたりの放射能に変換するための変換係数とを乗算し、この乗算結果を基準値と比較する放射能検査方法において、セシウム134とセシウム137との混合標準線源を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値と、セシウム134の単一標準線源を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値と、セシウム137の単一標準線源を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値とを測定する標準線源測定工程と、前記被検体を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値を測定する被検体測定工程と、前記標準線源測定工程において測定した放射線の検出値と、前記被検体測定工程において測定した放射線の検出値とに基づいて、前記被検体におけるセシウム134とセシウム137との混合比を演算する混合比演算工程と、前記被検体測定工程おいて測定した検出値と前記変換係数との乗算結果に対して、前記被検体におけるセシウム134とセシウム137との混合比に基づいて特定した前記放射線検出器による放射線の検出値を前記混合比に対応して補正するための係数である第1補正係数と、セシウム134とセシウム137との混合標準線源を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値と前記被検体を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値とに基づいて演算した前記放射線検出器による放射線の検出値を前記放射線検出器の感度に対応して補正するための係数である第2補正係数とを乗算し、この乗算結果を基準値と比較する比較工程とを備えたことを特徴とする。
被検体から放射されるセシウム134およびセシウム137からの放射線を放射線検出器により検出した値と、前記放射線検出器により検出した値をセシウムの単位重さあたりの放射能に変換するための変換係数とを乗算し、この乗算結果を基準値と比較する放射能検査方法において、セシウム134とセシウム137との混合比と、前記被検体を前記放射線検出器により検出したときに、前記放射線検出器による放射線の検出値を前記混合比に対応して補正するための係数である第1補正係数との関係を記憶する第1補正係数記憶工程と、セシウム134とセシウム137との混合標準線源を前記放射線検出器により検出したときの、セシウム134からのガンマ線の第1ピーク値とセシウム137からのガンマ線のピーク値とを含む第1エネルギーウインドEW1およびセシウム134からのガンマ線の第2ピーク値を含む第2エネルギーウインドEW2における放射線の検出値と、セシウム134の単一標準線源を前記放射線検出器により検出したときの前記第1エネルギーウインドEW1および前記第2エネルギーウインドEW2における放射線の検出値と、セシウム137の単一標準線源を前記放射線検出器により検出したときの前記第1エネルギーウインドEW1における放射線の検出値とを測定する標準線源測定工程と、前記被検体を前記放射線検出器により検出したときの前記第1エネルギーウインドEW1および前記第2エネルギーウインドEW2における放射線の検出値を測定する被検体測定工程と、前記標準線源測定工程で得たセシウム134とセシウム137との混合標準線源を前記放射線検出器により検出したときの前記第1エネルギーウインドEW1における放射線の検出値と、前記被検体測定工程で得た前記被検体を前記放射線検出器により検出したときの前記第1エネルギーウインドEW1における放射線の検出値とに基づいて、前記放射線検出器による放射線の検出値を前記放射線検出器の感度に対応して補正するための係数である第2補正係数を演算する第2補正係数演算工程と、前記標準線源測定工程において測定した放射線の検出値と、前記被検体測定工程において測定した放射線の検出値とに基づいて、前記被検体におけるセシウム134とセシウム137との混合比を演算する混合比演算工程と、前記混合比演算工程で得た前記被検体におけるセシウム134とセシウム137との混合比と、前記第1補正係数記憶工程で記憶したセシウム134とセシウム137との混合比と第1補正係数との関係とから、第1補正係数を特定する第1補正係数特定工程と、前記被検体測定工程おいて測定した前記第1エネルギーウインドEW1における放射線の検出値と前記変換係数との乗算結果に対して、前記第1補正係数特定工程で得た第1補正係数と、前記第2補正係数演算工程で得た第2補正係数とを乗算し、この乗算結果を基準値と比較する比較工程とを備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記第1エネルギーウインドEW1は、ガンマ線のエネルギーとして605keVおよび662keVを含む領域であり、前記第2エネルギーウインドEW2は、ガンマ線のエネルギーとして796keVを含む領域である。
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の発明において、前記第1補正係数記憶工程において記憶する第1補正係数を特定した時点を基準として、前記セシウム134とセシウム137との混合標準線源、前記セシウム134の単一標準線源および前記セシウム137の単一標準線源の減衰補正を行う。
被検体から放射されるセシウム134およびセシウム137からの放射線を放射線検出器により検出した値と、前記放射線検出器により検出した値をセシウムの単位重さあたりの放射能に変換するための変換係数とを乗算し、この乗算結果を基準値と比較する放射能検査装置において、セシウム134とセシウム137との混合比と、前記被検体を前記放射線検出器により検出したときに、前記放射線検出器による放射線の検出値を前記混合比に対応して補正するための係数である第1補正係数との関係を記憶する第1補正係数記憶部と、セシウム134の単一標準線源を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値と、セシウム137の単一標準線源を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値と、前記被検体を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値とに基づいて、前記被検体におけるセシウム134とセシウム137との混合比を演算する混合比演算部と、セシウム134とセシウム137との混合標準線源を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値と、前記被検体を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値とに基づいて、前記放射線検出器による放射能の検出値を前記放射線検出器の感度に対応して補正するための係数である第2補正係数を演算する第2補正係数演算部と、前記混合比演算部により演算したセシウム134とセシウム137との混合比と、前記第1補正係数記憶部に記憶したセシウム134とセシウム137との混合比と第1補正係数との関係とから、第1補正係数を特定する第1補正係数特定部と、前記被検体を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値と前記変換係数との乗算結果に対して、前記第1補正係数特定部で得た第1補正係数と、前記第2補正係数演算部で得た第2補正係数とを乗算し、この乗算結果を基準値と比較する比較部とを備えたことを特徴とする。
請求項1から請求項5に記載の発明によれば、セシウム134とセシウム137の混合比を考慮して正確に放射能の検査を実行することができる。このため、放射能の検査コストや検査時間が必要以上に増大することを有効に防止することが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、セシウム134とセシウム137の半減期の差異を考慮して減衰補正を実行することにより、セシウム134とセシウム137の混合比にかかわらずより正確に放射能の検査を実行することが可能となる。
この発明に係る放射能検査装置の斜視図である。 この発明に係る放射能検査装置の断面概要図である。 この発明に係る放射能検査装置の主要な制御系を示すブロック図である。 第1エネルギーウインドEW1および第2エネルギーウインドEW2における第1放射線検出器7および第2放射線検出器8による放射線の検出値を示すグラフである。 この発明に係る放射能検査方法のフローチャートである。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。最初に、放射能検査装置の基本的な構成について説明する。図1は、この発明に係る放射能検査装置の斜視図である。また、図2は、この発明に係る放射能検査装置の断面概要図である。
この放射能検査装置は、その内部に例えば30キログラムの米を収納した米袋Rに対して放射能検査を実行するための食品放射能スクリーニング検査装置であり、米袋Rを搬入するための搬入口2と、米袋Rを搬出するための搬出口3とが形成されたガントリー構造の装置本体1と、搬入口2から装置本体1内に米袋Rを搬入するとともに、搬出口3から検査を終了した米袋Rを搬出する一対のコンベア4(これらを総称する場合には、単に「コンベア4」という)と、検査結果を表示するための表示部9とを備える。
装置本体1内のコンベア4の上方の位置には、米袋Rから放射される放射線を検出するための第1放射線検出器7が配設されている。そして、この第1放射線検出器7の周囲には、放射線の遮蔽効果を有する鉛から構成され、第1放射線検出器7における下側(コンベア4側)の領域以外の領域を囲う形状を有する第1放射線遮蔽部材5が配設されている。この第1放射線遮蔽部材5は、コンベア4の上方において、搬入口2方向に向けてコンベア4による米袋Rの搬送方向と逆方向に延びる庇部51と、コンベア4の上方において、搬出口3方向に向けてコンベア4による米袋Rの搬送方向に延びる庇部52とを備える。この第1放射線遮蔽部材5は、装置本体1における支持板12により支持されている。この支持板12には、第1放射線遮蔽部材5における下側を向く開口部と対応する開口部が形成されている。
一方、装置本体1内のコンベア4の下方の位置には、米袋Rから放射される放射線を検出するための第2放射線検出器8が配設されている。そして、この第2放射線検出器8の周囲には、放射線の遮蔽効果を有する鉛から構成され、第2放射線検出器8における上側(コンベア4側)の領域以外の領域を囲う形状を有する第2放射線遮蔽部材6が配設されている。この第2放射線遮蔽部材6は、コンベア4の下方において、搬入口2方向に向けてコンベア4による米袋Rの搬送方向と逆方向に延びる庇部61と、コンベア4の下方において、搬出口3方向に向けてコンベア4による米袋Rの搬送方向に延びる庇部62とを備える。この第2放射線遮蔽部材6は、装置本体1における支持板13により支持されている。
装置本体1における搬入口2側に配設されたコンベア4と搬出口3側に配設されたコンベア4との間には、案内板41が配設されている。この案内板41は、例えば、カーボン等の放射線吸収率の低い材質から構成されている。このため、米袋Rからの放射線を、コンベア4により遮断されることなく、第2放射線検出器8により効率的に測定することが可能となる。
上述した第1放射線検出器7および第2放射線検出器8は、例えば、シンチレータとフォトマルチプライヤーとを組み合わせることにより、第1放射線遮蔽部材5または第2放射線遮蔽部材6における開口部から放射線を検出する構成を有する。これらの第1放射線検出器7および第2放射線検出器8による放射線の検出領域の米袋Rの搬送方向と直交する方向の幅は、米袋Rの搬送方向と直交する方向における搬入口2の幅と略同一となっている。そして、第1放射線検出器7における放射線の検出面は、第1放射線遮蔽部材5における庇部51および庇部52の下面より上方に配置されており、第2放射線検出器8における放射線の検出面は、第2放射線遮蔽部材6における庇部61および庇部62の上面より下方に配置されている。
図3は、この発明に係る放射能検査装置の主要な制御系を示すブロック図である。
この放射能検査装置は、装置全体を制御する制御部100を備える。この制御部100は、後述する第1補正係数記憶部101、混合比演算部102、第2補正係数演算部103、第1補正係数特定部104、比較部105、判定部106を備えている。また、この制御部100は、上述した第1放射線検出器7、第2放射線検出器8および表示部9と接続されている。
以上のような構成を有する放射能検査装置において、米袋R内の米のスクリーニング検査を実行するときには、操作者がパレット上に載置された多数の米袋Rを順次コンベア4上に載置する。コンベア4上に載置された米袋Rは、搬入口2を介して、装置本体1内に搬入される。そして、この米袋Rが第1放射線検出器7および第2放射線検出器8の間を通過するときに、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により米袋Rに入れられた米からの放射線が検出される。
このように、この発明に係る放射能検査装置においては、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8がコンベア4により搬送されて移動中の米袋Rから放射される放射線を検出することから、米袋Rを連続して搬送しながら放射能検査を実行することが可能となり、多量の米袋Rを効率的に検査することが可能となる。このため、全ての米袋Rに対してスクリーニング検査を実行する場合においても、検査を短時間で完了することが可能となる。
この時には、第1放射線検出器7は第1放射線遮蔽部材5により、また、第2放射線検出器8は第2放射線遮蔽部材6により、各々、囲まれていることから、バックグラウンド放射線の影響を受けることなく、正確に放射線を検出することが可能となる。
第1放射線検出器7および第2放射線検出器8による放射線の検出値は、予め設定された基準値と比較される。この基準値は、例えば、1キログラム当たり50Bq程度の値である。そして、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8による放射線の検出値が基準値以下の場合には、表示部9にその旨の表示(例えば、「○」の表示)がなされる。一方、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8による放射線の検出値が基準値を越えている場合には、表示部9にその旨の表示(例えば、「×」の表示)とともに、警告音等が発生する。
次に、この発明の特徴部分の構成について説明する。第1放射線検出器7および第2放射線検出器8による放射線の検出値と予め設定された基準値とを比較するときには、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8による検出値である計数率を基準値に換算するための変換係数が使用される。この変換係数は、通常、セシウム137の単一標準線源を利用して設定される。しかしながら、上述したように、セシウム134とセシウム137の半減期の差異により、セシウム134およびセシウム137を含む被検体(米袋R)を測定した場合には、安全側ではあるが有為な過大評価となり、より高い放射能濃度を有すると判断されることになる。
このため、この発明に係る放射能検査装置においては、放射線の検出値に変換係数を乗算するだけではなく、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8による放射線の検出値をセシウム134とセシウム137の混合比に対応して補正するための係数である第1補正係数と、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8による放射線の検出値をこれらの検出器の感度に対応して補正するための係数である第2補正係数との両方をも乗算するようにしている。
ここで、第1補正係数は、被検体としての米袋Rを第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により測定したときに、その検出値をセシウム134とセシウム137の混合比に対応して補正するための係数である。第1放射線検出器7および第2放射線検出器8による放射線の検出値は、同じ放射線量であっても、セシウム134とセシウム137の混合比により異なる値となることが知られている。このため、この放射能検査装置においては、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8の検出値を、セシウム134とセシウム137の混合比に対応して補正する構成を採用している。
セシウム134とセシウム137との混合比と、米袋Rを第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により検出したときの第1放射線検出器7および第2放射線検出器8の検出値との関係は、予め、実験的に求めることが可能である。このため、セシウム134とセシウム137との混合比に対応して、その混合比に対しては第1補正係数としていかなる値のものを使用すべきか、という混合比と第1補正係数との関係が、混合比に対応して予め求められている。この混合比と第1補正係数との関係は、図3に示す第1補正係数記憶部101にテーブルとして記憶されている。後述する放射能検査時には、セシウム134とセシウム137との混合比に基づいて、図3に示す第1補正係数特定部104により第1補正係数が特定され、放射線の検出値と変換係数との乗算結果に、この第1補正係数が乗算される。
なお、セシウム134とセシウム137との混合比は、後述するように、セシウム134の単一標準線源を第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により測定したときの放射線の検出値と、セシウム137の単一標準線源を第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により測定したときの放射線の検出値と、米袋Rを第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により測定したときの放射線の検出値とに基づいて演算される。
また、第2補正係数は、被検体としての米袋Rを第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により測定したときに、その検出値を第1放射線検出器7および第2放射線検出器8の感度に対応して補正するための係数である。この第2補正係数は、セシウム134とセシウム137との混合標準線源を第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により検出したとき放射線の検出値と、米袋Rを第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により測定したときの放射線の検出値とに基づいて演算される。そして、放射線の検出値と変換係数との乗算結果に、この第2補正係数が乗算される。
次に、セシウム134とセシウム137との混合比の演算方法および第2補正係数の演算方法について説明する。図4は、第1エネルギーウインドEW1および第2エネルギーウインドEW2における第1放射線検出器7および第2放射線検出器8による放射線の検出値を示すグラフである。
ここで、図4に示すグラフの縦軸は放射線の計数率(CPS)を示し、図4に示すグラフの横軸は放射線のガンマ線のエネルギー(キロエレクトロンボルト/keV)を示している。また、図4における(1)は、100Bq(ベクレル)のセシウム134と100Bqのセシウム137からなるセシウム134とセシウム137との混合標準線源(200Bq)を、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により測定したときの検出結果を示している。また、図4における(2)は、100Bqのセシウム134の単一標準線源を、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により測定したときの放射線の検出値を示している。また、図4における(3)は、100Bqのセシウム137の単一標準線源を、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により測定したときの放射線の検出値を示している。さらに、図4における(4)は、米袋Rを、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により測定したときの放射線の検出値を示している。
なお、第1エネルギーウインドEW1は、セシウム134からのガンマ線の第1ピーク値である605keVと、セシウム137からのガンマ線のピーク値である662keVとを含むエネルギーウインドである。また、第2エネルギーウインドEW2は、セシウム134からのガンマ線の第2ピーク値である796keVを含むエネルギーウインドである。
第1放射線検出器7および第2放射線検出器8として、一般的にシンチレータとフォトマルチプライヤーを利用したものを使用した場合には、ゲルマニュウム半導体を利用した放射線検出器に比べてエネルギー分解能が低く、ガンマ線のピーク値が鈍ってしまうという問題を生ずる。このため、ガンマ線のピーク値付近にのみ注目した第1、第2エネルギーウインドEW1、EW2を設定することにより、このような問題が生ずることを有効に防止している。
図4(2)に示すように、100Bqのセシウム134の単一標準線源を第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により測定したときの放射線の検出値が第2エネルギーウインドEW2において80Bqに相当するカウント数であるとする。この条件下で、図4(4)に示すように、米袋Rを第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により測定したときの放射線の検出値が第2エネルギーウインドEW2において100Bqに相当するカウント数であった場合には、米袋Rにおけるセシウム134は125Bqに相当するカウント数であると認定することができる。そして、図4(2)に示すように、100Bqのセシウム134の単一標準線源を第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により測定したときの放射線の検出値が第1エネルギーウインドEW1において140Bqに相当するカウント数であることから、米袋Rにおけるセシウム134が125Bqに相当するカウント数であるならば、図4(4)の第1エネルギーウインドEW1においては125×(140/100)=175Bqがセシウム134によるカウント数であると判定することができる。
この場合においては、図4(4)の第1エネルギーウインドEW1における250Bqに相当するカウント数のうち、175Bqに相当するカウント数がセシウム134であることから、セシウム137によるカウント数は残りの75Bqに相当するカウント数となる。このとき、図4(3)に示すように、100Bqのセシウム137の単一標準線源を第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により測定したときの放射線の検出値が第1エネルギーウインドEW1において120Bqに相当するカウント数であることから、米袋Rにおけるセシウム137は75×(120/100)=90Bqに相当するカウント数であることがわかる。従って、米袋Rにおけるセシウム134とセシウム137の混合比は、125:90となる。このセシウム134とセシウム137の混合比に基づいて、第1補正係数記憶部101に記憶した第1補正係数が特定される。
図4(1)に示すように、100Bq(ベクレル)のセシウム134と100Bqのセシウム137からなるセシウム134とセシウム137との混合標準線源(200Bq)を、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により測定したときの第1エネルギーウインドEW1における検出結果は240Bqに相当するカウント数となっている。このため、米袋Rを第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により測定したときに、その検出値を第1放射線検出器7および第2放射線検出器8の感度に対応して補正するための第2補正係数は、(240/200)となる。なお、ここで、第1エネルギーウインドEW1のみに注目しているのは、第2エネルギーウインドEW2は第1エネルギーウインドEW1に比べて、S/Nが悪いためである。
そして、米袋Rについての最終的な測定結果は、図4(4)の第1エネルギーウインドEW1における250Bqに相当するカウント数に対して第1放射線検出器7および第2放射線検出器8による検出値である計数率(CPS)を基準値(Bq/kg)に換算するための変換係数を乗算し、これに対して特定された第1補正係数および演算された第2補正係数を乗算することにより決定される。この乗算結果は、予め設定された基準値と比較され、基準値を超えているか否かが判定される。
なお、セシウム134とセシウム137との混合標準線源、セシウム134の単一標準線源およびセシウム137の単一標準線源は、その半減期に対応して経時的に減衰する。このため、放射能測定を正確に実行するためには、減衰補正を実行することが必要となる。
例えば、2012年1月の時点で、セシウム134セシウム(半減期は2.7年)が100Bq/kgであり、セシウム137(半減期は30年)が100Bq/kgである混合標準線源に対して、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8の第1エネルギーウインドEW1における感度が10%、すなわち、セシウム134とセシウム137を各々10CPS(合計で20CPS)であると仮定した場合には、セシウム134の変換係数は10(Bq/kg/CPS)であり、セシウム137の変換係数は10(Bq/ko/CPS)となり、合計では、変換係数は20(Bq/kg/CPS)となる。
これから時間が経過し、2.7年経過後の2014年7月頃には、混合標準線源は減衰し、セシウム134が50Bq/kgであり、セシウム137が94Bq/kgとなる。この場合に減衰補正を行わないと、セシウム134は100Bq/kgとして取り扱われ、これが5CPSしか計数されないことから、セシウム134の変換係数は20(Bq/kg/CPS)となってしまう。この場合には、減衰補正を行うことにより、セシウム134を50Bq/kgとして取り扱われ、セシウム134の変換係数を10(Bq/kg/CPS)と正しい値に訂正されることになる。このような条件は、セシウム137の場合も同様である。
この減衰補正を正しく行う為に必要なパラメータは、核種(上述した実施形態においてはセシウム134およびセシウム137)、混合比、核種毎の半減期(2.7年および30年)、核種毎の感度(上記の例では10%)等がある。これらについては、予め、制御部100における記憶領域に記憶されているものとする。
次に、上述した前提の元で上記放射能検査装置により放射能検査を実行するときの動作について説明する。図5は、この発明に係る放射能検査方法のフローチャートである。
放射能検査を実行する前には、準備工程として、第1補正係数記憶工程(ステップS1)と、標準線源測定工程(ステップS2)と、減衰補正工程(ステップS3)とを実行する。
第1補正係数記憶工程(ステップS1)においては、上述したように、セシウム134とセシウム137との混合比と、米袋Rを第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により検出したときの第1放射線検出器7および第2放射線検出器8の検出値との関係を、予め、実験的に求めておく。そして、図3に示す第1補正係数記憶部101に、セシウム134とセシウム137との混合比に対応して、そのときには第1補正係数としていかなる値のものを使用すべきか、という混合比と第1補正係数との関係をテーブルとして記憶しておく。
また、標準線源測定工程(ステップS2)においては、セシウム134とセシウム137との混合標準線源と、セシウム134の単一標準線源と、セシウム137の単一標準線源とを、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により測定したときの放射線の検出値を測定する。
さらに、減衰補正工程(ステップS3)においては、セシウム134とセシウム137との混合標準線源、セシウム134の単一標準線源およびセシウム137の単一標準線源の減衰補正を行う。この場合には、各標準線源の基準となる日時と、上述した各パラメータを考慮して補正を実行する。
以上の準備工程が完了すれば、放射能検査の開始を待つ(ステップS4)。そして、放射能検査を開始する場合には、オペレータがコンベア4上に米袋Rを載置し、この米袋Rをコンベア4により搬送することにより、米袋Rを第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により測定する(ステップS5)。そして、標準線源測定工程での測定結果と、米袋Rの測定結果とに基づいて、図3に示す第2補正係数演算部103により第2補正係数を演算するとともに(ステップS6)、混合比演算部102により混合比を演算する(ステップS7)。しかる後、第1補正係数特定部104により、演算された混合比に基づいて、第1補正係数記憶部101にテーブルとして記憶されたデータから混合比に対応する第1補正係数を特定する(ステップS8)。
次に、比較部105により、米袋Rを第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により測定した第1エネルギーウインドEW1における測定結果に対して、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8による検出値である計数率(CPS)を基準値(Bq/kg)に換算するための変換係数を乗算し、これに対して第1補正係数および第2補正係数を乗算するとともに、比較部105によりその乗算結果を基準値と比較する(ステップS9)。そして、判定部106により、演算結果と基準値との関係が判定され(ステップS10)、放射線の検出値が基準値以下の場合には、表示部9にその旨の表示がなされ、放射線の検出値が基準値を越えている場合には、表示部9にその旨の表示とともに、警告音等を発生させる。
1 装置本体
2 搬入口
3 搬出口
4 コンベア
5 第1放射線遮蔽部材
6 第2放射線遮蔽部材
7 第1放射線検出器
8 第2放射線検出器
9 表示部
11 フレーム
100 制御部
101 第1補正係数記憶部
102 混合比演算部
103 第2補正係数演算部
104 第1補正係数特定部
105 比較部
106 判定部
EW1 第1エネルギーウインド
EW2 第2エネルギーウインド
R 米袋

Claims (5)

  1. 被検体から放射されるセシウム134およびセシウム137からの放射線を放射線検出器により検出した値と、前記放射線検出器により検出した値をセシウムの単位重さあたりの放射能に変換するための変換係数とを乗算し、この乗算結果を基準値と比較する放射能検査方法において、
    セシウム134とセシウム137との混合標準線源を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値と、セシウム134の単一標準線源を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値と、セシウム137の単一標準線源を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値とを測定する標準線源測定工程と、
    前記被検体を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値を測定する被検体測定工程と、
    前記標準線源測定工程において測定した放射線の検出値と、前記被検体測定工程において測定した放射線の検出値とに基づいて、前記被検体におけるセシウム134とセシウム137との混合比を演算する混合比演算工程と、
    前記被検体測定工程おいて測定した検出値と前記変換係数との乗算結果に対して、前記被検体におけるセシウム134とセシウム137との混合比に基づいて特定した前記放射線検出器による放射線の検出値を前記混合比に対応して補正するための係数である第1補正係数と、セシウム134とセシウム137との混合標準線源を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値と前記被検体を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値とに基づいて演算した前記放射線検出器による放射線の検出値を前記放射線検出器の感度に対応して補正するための係数である第2補正係数とを乗算し、この乗算結果を基準値と比較する比較工程と、
    を備えたことを特徴とする放射能検査方法。
  2. 被検体から放射されるセシウム134およびセシウム137からの放射線を放射線検出器により検出した値と、前記放射線検出器により検出した値をセシウムの単位重さあたりの放射能に変換するための変換係数とを乗算し、この乗算結果を基準値と比較する放射能検査方法において、
    セシウム134とセシウム137との混合比と、前記被検体を前記放射線検出器により検出したときに、前記放射線検出器による放射線の検出値を前記混合比に対応して補正するための係数である第1補正係数との関係を記憶する第1補正係数記憶工程と、
    セシウム134とセシウム137との混合標準線源を前記放射線検出器により検出したときの、セシウム134からのガンマ線の第1ピーク値とセシウム137からのガンマ線のピーク値とを含む第1エネルギーウインドEW1およびセシウム134からのガンマ線の第2ピーク値を含む第2エネルギーウインドEW2における放射線の検出値と、セシウム134の単一標準線源を前記放射線検出器により検出したときの前記第1エネルギーウインドEW1および前記第2エネルギーウインドEW2における放射線の検出値と、セシウム137の単一標準線源を前記放射線検出器により検出したときの前記第1エネルギーウインドEW1における放射線の検出値とを測定する標準線源測定工程と、
    前記被検体を前記放射線検出器により検出したときの前記第1エネルギーウインドEW1および前記第2エネルギーウインドEW2における放射線の検出値を測定する被検体測定工程と、
    前記標準線源測定工程で得たセシウム134とセシウム137との混合標準線源を前記放射線検出器により検出したときの前記第1エネルギーウインドEW1における放射線の検出値と、前記被検体測定工程で得た前記被検体を前記放射線検出器により検出したときの前記第1エネルギーウインドEW1における放射線の検出値とに基づいて、前記放射線検出器による放射線の検出値を前記放射線検出器の感度に対応して補正するための係数である第2補正係数を演算する第2補正係数演算工程と、
    前記標準線源測定工程において測定した放射線の検出値と、前記被検体測定工程において測定した放射線の検出値とに基づいて、前記被検体におけるセシウム134とセシウム137との混合比を演算する混合比演算工程と、
    前記混合比演算工程で得た前記被検体におけるセシウム134とセシウム137との混合比と、前記第1補正係数記憶工程で記憶したセシウム134とセシウム137との混合比と第1補正係数との関係とから、第1補正係数を特定する第1補正係数特定工程と、
    前記被検体測定工程おいて測定した前記第1エネルギーウインドEW1における放射線の検出値と前記変換係数との乗算結果に対して、前記第1補正係数特定工程で得た第1補正係数と、前記第2補正係数演算工程で得た第2補正係数とを乗算し、この乗算結果を基準値と比較する比較工程と、
    を備えたことを特徴とする放射能検査方法。
  3. 請求項2に記載の放射能検査方法において、
    前記第1エネルギーウインドEW1は、ガンマ線のエネルギーとして605keVおよび662keVを含む領域であり、前記第2エネルギーウインドEW2は、ガンマ線のエネルギーとして796keVを含む領域である放射能検査方法。
  4. 請求項2または請求項3に記載の放射能検査方法において、
    前記第1補正係数記憶工程において記憶する第1補正係数を特定した時点を基準として、前記セシウム134とセシウム137との混合標準線源、前記セシウム134の単一標準線源および前記セシウム137の単一標準線源の減衰補正を行う放射能検査方法。
  5. 被検体から放射されるセシウム134およびセシウム137からの放射線を放射線検出器により検出した値と、前記放射線検出器により検出した値をセシウムの単位重さあたりの放射能に変換するための変換係数とを乗算し、この乗算結果を基準値と比較する放射能検査装置において、
    セシウム134とセシウム137との混合比と、前記被検体を前記放射線検出器により検出したときに、前記放射線検出器による放射線の検出値を前記混合比に対応して補正するための係数である第1補正係数との関係を記憶する第1補正係数記憶部と、
    セシウム134の単一標準線源を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値と、セシウム137の単一標準線源を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値と、前記被検体を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値とに基づいて、前記被検体におけるセシウム134とセシウム137との混合比を演算する混合比演算部と、
    セシウム134とセシウム137との混合標準線源を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値と、前記被検体を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値とに基づいて、前記放射線検出器による放射能の検出値を前記放射線検出器の感度に対応して補正するための係数である第2補正係数を演算する第2補正係数演算部と、
    前記混合比演算部により演算したセシウム134とセシウム137との混合比と、前記第1補正係数記憶部に記憶したセシウム134とセシウム137との混合比と第1補正係数との関係とから、第1補正係数を特定する第1補正係数特定部と、
    前記被検体を前記放射線検出器により検出したときの放射線の検出値と前記変換係数との乗算結果に対して、前記第1補正係数特定部で得た第1補正係数と、前記第2補正係数演算部で得た第2補正係数とを乗算し、この乗算結果を基準値と比較する比較部と、
    を備えたことを特徴とする放射能検査装置。
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