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JP5924136B2 - 検査装置、検査方法、及び、プログラム - Google Patents
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JP5924136B2 - 検査装置、検査方法、及び、プログラム - Google Patents

検査装置、検査方法、及び、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、検査装置、検査方法、及び、プログラムに関する。
ノズルなどの噴射部からインクのような液体が噴射される液体噴射装置が開発されている。このような液体噴射装置では、適切に液体が噴射部から噴射されるか否かの検査が行われる。
特許文献1には、ノズル駆動用アクチュエーターをセンサとしても用い、波形の位相、周期、振幅から増粘及び気泡などのノズル状態を検出することが示されている。
特許第4114638号公報
上述のような噴射部の検査は、噴射部の振動周期等が所定の範囲にあるか否かに基づいて行われる。このような検査を行うためには、予め、基準となる範囲を適切に求めておく必要がある。すなわち、噴射異常を判定するための基準範囲を適切に求めることが望まれる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、噴射異常を判定するための基準範囲を適切に求めることを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、
駆動素子を駆動させて液体を噴射させる複数の噴射部と、
前記駆動素子を駆動させて得られる検査値と、検査用の基準範囲と、を比較した結果に基づいて前記噴射部の検査を行う検査部と、
を備え、
前記検査値は、前記複数の噴射部の駆動素子が駆動されて、複数取得され、
前記検査用の基準範囲は、暫定的な基準範囲以上の領域における前記複数の検査値の出現頻度と前記暫定的な基準範囲以下の領域における前記複数の検査値の出現頻度とに基づいて求められる、検査装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本実施形態のプリンター1の全体構成のブロック図である。 図2Aは、プリンター1の斜視図であり、図2Bは、プリンター1の横断面図である。 ヘッド41の仮面(ノズル面)のノズル配置の一例を示す図である。 ヘッド41のノズルの周辺の断面図である。 圧電式アクチュエーター422の他の例を示す図である。 振動板421の残留振動を想定した単振動の計算モデルを示す図である。 残留振動検出回路55の構成の一例を示す回路図である。 残留振動検出回路55の比較器57の入力と出力の関係の一例を示す図である。 ノズルに関する振動周期の説明図である。 ヘッドユニット40のヘッド制御部HCの構成の一例の説明図である。 各信号のタイミングの説明図である。 ASIC60に対する入力と出力を説明する図である。 本実施形態における検査用の基準範囲決定処理のフローチャートである。 検査用の基準範囲を決定する手法の説明図である。 仮の基準範囲のそれぞれの領域における確率変数の説明図である。 仮の基準範囲の移動の説明図である。 仮の基準範囲の変化の説明図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。すなわち、
駆動素子を駆動させて液体を噴射させる複数の噴射部と、
前記駆動素子を駆動させて得られる検査値と、検査用の基準範囲と、を比較した結果に基づいて前記噴射部の検査を行う検査部と、
を備え、
前記検査値は、前記複数の噴射部の駆動素子が駆動されて、複数取得され、
前記検査用の基準範囲は、暫定的な基準範囲以上の領域における前記複数の検査値の出現頻度と前記暫定的な基準範囲以下の領域における前記複数の検査値の出現頻度とに基づいて求められる、検査装置である。
このようにすることで、暫定的な基準範囲を用いて検査用の基準範囲を求めることができる。このとき、暫定的な基準範囲以上における検査値の出現頻度と、暫定的な基準範囲以下における検査値の出現頻度と、に基づいて統計的に検査用の基準範囲を得ることができる。そして、噴射異常を判定するための基準範囲を適切に求めることができる。
かかる検査装置であって、前記暫定的な基準範囲は、前記複数の検査値が、前記暫定的な基準範囲以上の領域と前記暫定的な基準範囲内の領域と前記暫定的な基準範囲以下の領域とのいずれの領域にも出現する範囲に、特定されることが望ましい。
このようにすることで、暫定的な基準半以上と暫定的な基準範囲以下のいずれの領域にも複数の噴射部における検査値が出現するので、これらの出現頻度に基づいて統計的に検査用の基準範囲を得ることができる。
また、前記暫定的な基準範囲は、前記複数の検査値のすべてが前記暫定的な基準範囲内の領域に出現する場合に狭められることが望ましい。
このようにすることで、暫定的な基準範囲内の検査値を暫定的な基準範囲以下及び暫定的な基準範囲以上の領域に出現させることができるので、これらの出現頻度に基づいて統計的に検査用の基準範囲を得ることができる。
また、前記検査値が入力されると、前記暫定的な基準範囲以上の領域と前記暫定的な基準範囲内の領域と前記暫定的な基準範囲以下の領域とのいずれの領域に分類されるかの情報を出力する演算部を備えることが望ましい。
このようにすることで、暫定的な基準範囲以上と暫定的な基準範囲内と暫定的な基準範囲以下の3状態の出現頻度という単純な情報のみが得られる状況下であっても、適切に検査用の基準範囲を得ることができる。
また、前記検査用の基準範囲は、前記複数の検査値の分布中心に基づいて特定されることが望ましい。
このようにすることで、統計的に検査用の基準範囲を得ることができる。
また、前記分布中心は、前記暫定的な基準範囲以上の領域における前記複数の検査値の出現頻度により求められた第1確率変数と、前記暫定的な基準範囲以下の領域における前記複数の検査値の出現頻度に求められた第2確率変数と、の比に基づいて求められることが望ましい。
このようにすることで、確率変数を用いて統計的に検査用の基準範囲を得ることができる。
また、本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項も明らかとなる。すなわち、
噴射部の駆動素子を駆動させて検査値を取得する工程と、
前記検査値と検査用の基準範囲とを比較して前記噴射部の検査を行う工程と、
を含み、
前記検査値は、前記複数の噴射部の駆動素子が駆動されて、複数取得され、
前記検査用の基準範囲は、暫定的な基準範囲以上の領域における前記複数の検査値の出現頻度と前記暫定的な基準範囲以下の領域における前記複数の検査値の出現頻度とに基づいて求められる、検査方法である。
このようにすることで、暫定的な基準範囲を用いて検査用の基準範囲を求めることができる。このとき、暫定的な基準範囲以上における検査値の出現頻度と、暫定的な基準範囲以下における検査値の出現頻度と、に基づいて統計的に検査用の基準範囲を得ることができる。そして、噴射異常を判定するための基準範囲を適切に求めることができる。
また、本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項も明らかとなる。すなわち、
噴射部の駆動素子を駆動させて検査値を取得する工程と、
前記検査値と検査用の基準範囲とを比較して前記噴射部の検査を行う工程と、
を検査装置に行わせるプログラムであって、
前記検査値は、前記複数の噴射部の駆動素子が駆動されて、複数取得され、
前記検査用の基準範囲は、暫定的な基準範囲以上の領域における前記複数の検査値の出現頻度と前記暫定的な基準範囲以下の領域における前記複数の検査値の出現頻度とに基づいて求められる、プログラムである。
このようにすることで、暫定的な基準範囲を用いて検査用の基準範囲を求めることができる。このとき、暫定的な基準範囲以上における検査値の出現頻度と、暫定的な基準範囲以下における検査値の出現頻度と、に基づいて統計的に検査用の基準範囲を得ることができる。そして、噴射異常を判定するための基準範囲を適切に求めることができる。
===実施形態===
図1は、本実施形態のプリンター1の全体構成のブロック図である。また、図2Aは、プリンター1の斜視図であり、図2Bは、プリンター1の横断面図である。以下、本実施形態のプリンター1の基本的な構成について説明する。
本実施形態のプリンター1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)60(検出器群の残留振動検出回路55とASIC60は、検査部に相当する)を有する。外部装置であるコンピューター110から印刷データを受信したプリンター1は、ASIC60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。ASIC60は、コンピューター110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を印刷する。プリンター1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をASIC60に出力する。ASIC60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体(例えば、紙Sなど)を第1の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。この搬送ユニット20は、給紙ローラー21と、搬送モーター22(PFモーターとも言う)と、搬送ローラー23と、プラテン24と、排紙ローラー25とを有する。給紙ローラー21は、紙挿入口に挿入された紙Sをプリンター内に給紙するためのローラーである。搬送ローラー23は、給紙ローラー21によって給紙された紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラーであり、搬送モーター22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の紙Sを支持する。排紙ローラー25は、紙Sをプリンターの外部に排出するローラーであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。
キャリッジユニット30は、ヘッドを第2の方向(以下、移動方向という)に移動(「走査」とも呼ばれる)させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモーター32(CRモーターとも言う)とを有する。キャリッジ31は、移動方向に往復移動可能であり、キャリッジモーター32によって駆動される。また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。
ヘッドユニット40は、紙Sにインクを噴射するためのものである。ヘッドユニット40は、複数のノズルを有するヘッド41とヘッド制御部HCを備えている。ヘッド41はキャリッジ31に設けられているため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中にインクを断続的に噴射することによって、移動方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が紙Sに形成される。
ヘッド制御部HCは、ヘッド41の駆動等を制御するためのものである。ヘッド制御部HCは、ASIC60からのヘッド制御信号に応じて、ヘッド41の各ノズルと対応する圧電式アクチュエーターを選択的に駆動させる。これによりヘッド41のノズルからインクが噴射される。
なお、ヘッドユニット40の詳細については後述する。
検出器群50は、ノズルの噴射検査(以下、ノズル検査ともいう。噴射部の検査に相当する)を行うための残留振動検出回路55を備えている。なお、残留振動検出回路55の詳細については後述するが、噴射部の検査においてインク粘度の変動検出による検査も噴射部の検査に含まれるものとする。
ASIC60は、プリンターの制御を行うための制御ユニットである。ASIC60は、特定の機能を発揮するための回路の他、不図示のインターフェイスと、CPUと、メモリーと、駆動信号生成回路を有する。インターフェイス部は、外部装置であるコンピューター110とプリンター1との間でデータの送受信を行う。CPUは、プリンター全体の制御を行うための演算処理装置であり、プログラムの実行も行う。メモリーは、CPUのプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。駆動信号生成回路は、ヘッド41を駆動させる駆動信号COMを生成する。
また、本実施形態のASIC60は、残留振動検出回路55の検出結果に基づいて、各ノズルの正常、異常を判定する処理も行う。
図3はヘッド41の下面(ノズル面)のノズル配置の一例を示す図である。
ヘッド41には、図3に示すように複数のノズルが配列されている。この図3の例では、4色のインク(Y:イエロー、M:マゼンダ、C:シアン、K:ブラック)を用いる場合のノズルの配列パターンを示しており、これらの色の組合せによりフルカラー印刷が可能となる。
各色についてn個(例えば180個)のノズルが設けられている。図ではY(イエロー)のノズル列の各ノズルに番号(Y(1)〜Y(n))を付している。
なお、本実施形態のヘッド41では圧電式アクチュエーター(いわゆるピエゾ方式)を用いており、各ノズルに対応して圧電式アクチュエーターが備えられている。
図4は、ヘッド41のノズルの周辺の断面図である。ヘッド41は、図4に示すように、振動板421と、この振動板421を変位させる圧電式アクチュエーター422と、内部に液体であるインクが充填され且つ振動板421の変位により内部の圧力が増減されるキャビティ(圧力室)423と、このキャビティ423に連通し且つ当該キャビティ423内の圧力の増減によりインクを液滴として噴射するノズル424と、を少なくとも備えている。なお、圧電式アクチュエーター422、キャビティ423及びノズル424は噴射部に相当する。また、噴射部には、振動板421を含めることができる。また、後述のように、噴射部は、圧電素子427によりインク滴を噴射するものに限られず、発熱素子によりインク滴を噴射してもよく、圧電式アクチュエーター422を含んでいなくても、駆動素子を含んでいればよい。
更に詳述すると、ヘッド41は、ノズル424が形成されたノズル基板425と、キャビティ基板426と、振動板421と、複数の圧電素子427を積層した積層型の圧電式アクチュエーター422とを備えている。キャビティ基板426は、図示のように所定形状に形成され、これにより、キャビティ423と、これに連通するリザーバ428とが形成されている。また、リザーバ428は、インク供給チューブ429を介してインクカートリッジCTに接続されている。圧電式アクチュエーター422は、対向して配置される櫛歯状の第1電極431、第2電極432と、その電極(第1電極431、第2電極432)の各櫛歯と交互に配置される圧電素子427とを有している。また、圧電式アクチュエーター422は、その一端側が図4に示すように、中間層430を介して振動板421と接合されている。
このような構成からなる圧電式アクチュエーター422では、第1電極431と第2電極432との間に駆動信号COMが印加されることによって、図4の矢印で示すように上下方向に伸び縮みするモードを利用している。従って、この圧電式アクチュエーター422では、駆動信号COMが印加されると、振動板421に圧電式アクチュエーター422の伸縮による変位が生じてキャビティ423内の圧力が変化し、ノズル424からインク滴が噴射されるようになっている。具体的には、後述するように、キャビティ423の容積を拡大してインクを引き込み、次いでキャビティ423の容積を縮小してインク滴を噴射する。
図5は、圧電式アクチュエーター422の他の例を示す図である。なお、図中の符号は、図4のものを流用している。この図5の圧電式アクチュエーターは、一般にユニモルフ型アクチュエーターと呼ばれ、圧電素子427を二つの電極(第1電極431、第2電極432)で挟んだ簡単な構造である。この図5の構成の場合では、駆動信号が印加されることによって圧電素子427が図の上下方向に撓む。これにより、図4の積層型アクチュエーターと同様に、振動板421に変位が生じて、インク滴を噴射する。この場合もキャビティ423の容積を拡大してインクを引き込み、次いでキャビティ423の容積を縮小してノズル424からインク滴を噴射する。
このようなヘッド41を備えたプリンター1では、インク切れ、インクの増粘、気泡の発生、目詰まり(乾燥)などの原因によって、ノズル424からインク滴が噴射すべきときに噴射しない(不噴射)というインク滴の噴射異常(所謂ドット抜け現象)を生じることがある。このような異常を検出するため、ノズル検査を行なうことが必要になる。
<ノズル検査について>
各ノズル424に対応する圧電式アクチュエーター422に駆動信号COMを印加すると、その際の圧力変動後、キャビティ423内に残留振動(正確には、図4の振動板421の自由振動)が発生する。この残留振動の状態から各ノズル424の状態(キャビティ423内の状態を含む)を検出することが可能である。
図6は、振動板421の残留振動を想定した単振動の計算モデルを示す図である。駆動信号生成回路65から圧電式アクチュエーター422に駆動信号COM(駆動パルス)が印加されると、圧電式アクチュエーター422は駆動信号COMの電圧に応じて伸縮する。振動板421は圧電式アクチュエーター422の伸縮に応じて撓み、これによりキャビティ423の容積は拡大した後収縮する。このとき、インク室内に発生する圧力により、キャビティ423を満たすインクの一部が、ノズル424からインク滴として噴射される。この一連の振動板421の動作の際に、インク供給口の形状やインク粘度等による流路抵抗rと、流路内のインク重量によるイナータンスmと振動板421のコンプライアンスcによって決定される固有振動周波数で振動板421が自由振動を起こす(残留振動)。
この振動板421の残留振動の計算モデルは、圧力Pと、上述のイナータンスm、コンプライアンスCおよび流路抵抗rとで表せる。図6の回路に圧力Pを与えた時のステップ応答を体積速度uについて計算すると、次式が得られる。
Figure 0005924136
<残留振動検出回路について>
図7は、残留振動検出回路55の構成の一例を示す回路図である。なお、本実施形態の残留振動検出回路55は、ヘッド41の各ノズルに対して共通に設けられている。
本実施形態の残留振動検出回路55は、キャビティ423内の圧力変化が圧電式アクチュエーター422に伝達されることを利用して検出するものであり、具体的には圧電式アクチュエーター422の機械的変位によって発生する起電力(起電圧)の変化を検出するものである。この残留振動検出回路55は、圧電式アクチュエーター422のグランド端(HGND印加側)を接地又は開放するスイッチ(トランジスタQ)と、圧電式アクチュエーター422に駆動信号COMのパルスを印加した後にグランド端を開放することで発生する残留振動の交流成分を増幅する交流増幅器56と、増幅された残留振動VaOUTと基準電圧Vrefとを比較する比較器(コンパレータ)57とを有して構成されている。このうち、交流増幅器56は、直流成分を除去するコンデンサCと、基準電圧Vrefの電位を基準として抵抗R1、R2で決まる増幅率で反転増幅する演算器AMPとで構成されている。また、抵抗R3は、トランジスタQのオンオフの切り替わり時における急激な電圧変化を抑制するために設けられている。
以上の構成により、残留振動検出回路55中のトランジスタQのゲート電圧(ゲート信号DSEL)がハイレベル(以下、Hレベルともいう)になるとトランジスタQがオンし、圧電式アクチュエーター422のグランド端が接地された状態になり、駆動信号COMが圧電式アクチュエーター422に供給される。逆に、各残留振動検出回路55中のトランジスタQのゲート電圧(ゲート信号DSEL)がローレベル(以下、Lレベルともいう)になるとトランジスタQがオフし、圧電式アクチュエーター422の起電力が残留振動検出回路55で取出される。そして、残留振動検出回路55によって残留振動の検出が行われ、その検出結果がパルスPOUTとして出力される。なお、図中の符号HGNDは、圧電式アクチュエーター422のグランド端への信号線(接地ライン)である。
なお、ここでは圧電式アクチュエーター422を介してキャビティ内の圧力変化を検出することとしたが、別途、振動を検出する素子をヘッド41のノズルごとに設けることとしてもよい。この場合、振動を検出する素子とASIC60が検査部に相当することになる。
図8は、残留振動検出回路55の比較器57の入力と出力の関係の一例を示す図である。比較器57の非反転入力端子(+端子)には基準電圧Vrefが印加され、反転入力端子(−端子)には残留振動VaOUTが印加される。比較器57は、+端子の電圧(Vref)が−端子の電圧(VaOUT)よりも大きければHレベルを出力し、+端子の電圧(Vref)が−端子の電圧(VaOUT)よりも小さければLレベルを出力する。よって、図に示すように残留振動VaOUTの振動に応じたパルス(COMP出力)が出力される。本実施形態では、このパルス出力(COMP出力)のパルス周期(振動周期Tt)に基づいて、ノズル424の検査を行う。
図9は、ノズルに関する振動周期の説明図である。図9には、圧電式アクチュエーター422を駆動した後のその振動周期が示されている。横軸は時間であり、縦軸は振幅である。
図9には、正常なノズルにおける圧電式アクチュエーター422の振動周期Ttが実線で示されている。これに対し、キャビティ423に気泡が入り込んだときの振動周期Ttが一点鎖線で示されている。キャビティ423に気泡が入り込んだときの振動周期Ttは、正常なものに比較して短い。キャビティ423内のインクに気泡が発生すると、キャビティ423内のインクが少なくなるため、主にイナータンスmが減少する。イナータンスmが減少すると、前述の数式に示すように、角速度ωが大きくなる。そのため、図9に示すように、振動周期Ttは短くなる。
また、図9には、インクが増粘したときの振動周期Ttが破線で示されている。キャビティ423内のインクが増粘すると流路抵抗rが増加する。流路抵抗rが増加すると、前述の数式に示すように、角速度ωが小さくなる。そのため、図9に示すように、振動周期Ttは長くなる。
よって、振動周期Ttについて所定の振動周期の範囲内であるノズルについては正常なノズルと考えることができる。一方、所定の振動周期の範囲以下であるノズルについては、気泡が入り正常に噴射しないノズルと考えることができ、所定の振動周期の範囲以上であるノズルについては、増粘により正常に噴射しないノズルと考えることができる。
<ヘッド制御部の構成について>
図10は、ヘッドユニット40のヘッド制御部HCの構成の一例の説明図であり、図11は、各信号のタイミングの説明図である。
図10に示すヘッド制御部HCは、第1シフトレジスタ81Aと、第2シフトレジスタ81Bと、第1ラッチ回路82Aと、第2ラッチ回路82Bと、デコーダー83と、制御ロジック84と、スイッチ86(第1スイッチに相当する)を備えている。なお、制御ロジック84を除いた各部(すなわち、第1シフトレジスタ81A、第2シフトレジスタ81B、第1ラッチ回路82A、第2ラッチ回路82B、デコーダー83、スイッチ86)は、それぞれ圧電式アクチュエーター422毎(ノズル424毎)に設けられている。
なお、本実施形態の残留振動検出回路55は各ノズル424に対して共通に設けられており、残留振動検出回路55には、各圧電式アクチュエーター422のグランド端側への信号線(接地ラインHGND)が入力されている。
本実施形態の場合、フレキシブルケーブル71中の伝送線には、駆動信号COM、ラッチ信号LAT、チャンネル信号CH、画素データSI、転送用クロックSCK、及び接地ラインHGNDの各伝送線がある。そして、ヘッド制御部HCには、ASIC60からフレキシブルケーブル71の各伝送線を介して、駆動信号COM、ラッチ信号LAT、チャンネル信号CH、画素データSI、転送用クロックSCKが送信される。以下、これらの信号について説明する。
ラッチ信号LATは、繰り返し周期T(1画素の区間をヘッド41が移動する期間)を示す信号である。ラッチ信号LATは、リニア式エンコーダー51の信号に基づいて、ASIC60によって生成され、制御ロジック84とラッチ回路(第1ラッチ回路82A、第2ラッチ回路82B)に入力される。
チャンネル信号CHは、駆動信号COMに含まれる駆動パルスを圧電式アクチュエーター422に印加する区間を示す信号である。チャンネル信号CHは、リニア式エンコーダー51の信号に基づいてASIC60によって生成され、制御ロジック84に入力される。
画素データSIは、各画素にドットを形成するか否か(すなわちノズル424からインクを噴射するか否か)を示す信号である。また、本実施形態では画素データSIはノズル424の検査期間も示す。この画素データは、1個のノズル424に対して2ビットずつで構成されている。例えば、ノズル数が64個の場合、2ビット×64の画素データSIが繰り返し周期T毎にASIC60から送られてくることになる。なお、画素データSIは、転送用クロックSCKに同期して、第1シフトレジスタ81A及び第2シフトレジスタ81Bに入力される。
転送用クロックSCKは、ASIC60から送られる画素データSIやチャンネル信号CHを、制御ロジック84や各シフトレジスタ(第1シフトレジスタ81A、第2シフトレジスタ81B)にセットする際に用いられる信号である。
本実施形態の駆動信号COMは、図11に示すように、繰り返し周期Tの間に駆動期間1、検査期間1、駆動期間2、及び検査期間2の4つの期間が設けられている。このうち、駆動期間1には、インク滴は噴射しないがヘッド41の圧力室423内のインクに微振動を与える波形1(以下、微振動用波形ともいう)が含まれる。また、駆動期間2には、ドットの形成時(インク噴射時)に圧電式アクチュエーター422に印加される波形2(以下、噴射用波形ともいう)が含まれる。また、検査期間1及び検査期間2は、ノズル検査を行う期間を示すものであり、それぞれ、駆動期間1、駆動期間2の直後に設けられている。なお、各検査期間では駆動信号COMは一定である。
駆動信号COMは、圧電式アクチュエーター422毎に設けられたスイッチ86にそれぞれ入力されている。スイッチ86は、画素データSIに基づいて、駆動信号COMを圧電式アクチュエーター422に印加するか否かのオン/オフ制御を行う。このオン/オフ制御により、駆動信号COMの一部分を、選択的に圧電式アクチュエーター422へ印加させることができる。
次に、ヘッド制御部HCで生成される信号について説明する。ヘッド制御部HCでは、選択信号q0〜q3、スイッチ制御信号SW、印加信号が生成される。選択信号q0〜q3は、ラッチ信号LATとチャンネル信号CHに基づいて、制御ロジック64で生成される。そして生成された選択信号q0〜q3は、圧電式アクチュエーター422毎に設けられたデコーダー83にそれぞれ入力される。
スイッチ制御信号SWは、各ラッチ回路(第1ラッチ回路82A、第2ラッチ回路82B)にラッチされた画素データ(2ビット)に基づいて、選択信号q0〜q3の何れかがデコーダー83によって選択されたものである。各デコーダー83で生成されたスイッチ制御信号SWは、対応するスイッチ86にそれぞれ入力される。印加信号は、駆動信号COMとスイッチ制御信号SWに基づいてスイッチ86から出力される。この印加信号は、各スイッチ86と対応する圧電式アクチュエーター422にそれぞれ印加される。
<ヘッド制御部HCの動作について>
ヘッド制御部HCは、ASIC60からの画素データSIに基づき、インクを噴射させるための制御を行う。すなわち、ヘッド制御部HCは、印刷データに基づいてスイッチ86のオン/オフを制御し、駆動信号COMの必要な部分(期間)を選択的に圧電式アクチュエーター422へ印加させている。言い換えると、ヘッド制御部HCは、各圧電式アクチュエーター422の駆動を制御している。本実施形態では、画素データSIが2ビットで構成されている。そして、転送用クロックSCKに同期して、この画素データSIがヘッド41へ送られてくる。さらに、画素データSIの上位ビット群が各第1シフトレジスタ81Aにセットされ、下位ビット群が各第2シフトレジスタ81Bにセットされる。第1シフトレジスタ81Aには第1ラッチ回路82Aが電気的に接続され、第2シフトレジスタ81Bには第2ラッチ回路82Bが電気的に接続されている。
そして、ASIC60からのラッチ信号LATがHレベルになると、各第1ラッチ回路82Aは対応する画素データSIの上位ビット(SIH)をラッチし、各第2ラッチ回路82Bは画素データSIの下位ビット(SIL)をラッチする。第1ラッチ回路82A及び第2ラッチ回路82Bでラッチされた画素データSI(上位ビットと下位ビットの組)はそれぞれ、デコーダー83に入力される。デコーダー83は、第1ラッチ回路82A及び第2ラッチ回路82Bにラッチされた画素データSIに応じて、制御ロジック84から出力される選択信号q0〜q3のうちの一つの選択信号(例えば選択信号q1)を選択し、選択された選択信号をスイッチ制御信号SWとして出力する。各スイッチ86は、スイッチ制御信号SWに応じてオン/オフされて、駆動信号COMの必要な部分(期間)を選択的に圧電式アクチュエーター422へ印加する。
図12は、ASIC60に対する入力と出力を説明する図である。前述の図1に示されるように、検出器群50の残留振動検出回路55はASIC60に接続されている。ASIC60は、接続される様々なユニットを制御するが、残留振動検出回路55に対しては、残留振動検出回路55から入力される振動周期Ttに対してその振動周期が、(1)基準範囲内、(2)基準範囲以下、(3)基準範囲以上のいずれであるかを出力する機能を有している。よって、ASIC60は、演算部に相当する。
ASIC60が残留振動検出回路55の入力に対して上記3通りのいずれであるかを出力するのは、入力される振動周期Ttに対してその振動周期のノズルが、(1)異常なし、(2)キャビティに気泡が混入、(3)キャビティ内のインクが増粘、のいずれの状態であるかを判定する機能を有しているためである。
そのために、ASIC60には、基準範囲の上限及び下限を設定することができるようになっている。そして、これら上限及び下限は書き換えが可能となっている。本実施形態は、このようにASIC60が振動周期に関する基準範囲に基づいて上記3状態を判定できるという単純な構成下であっても実現できるものである。
ところで、このようなASIC60を用いてノズルの噴射異常を検出するにあたり、噴射異常の検査用の基準範囲を適切に決定する必要がある。また、インクを噴射するヘッド41は製造誤差を有するため、個体毎に基準範囲も異なることになる。よって、それぞれのヘッド(又はノズル列毎)に応じて適切な基準範囲を決定する必要があるのである。
図13は、本実施形態における検査用の基準範囲決定処理のフローチャートである。ここでは、ノズル列毎に検査用の基準範囲決定処理が行われるものとする。そして、ノズル列毎に正常又は異常なノズルが判別されるものとする。
まず、残留振動検出回路55からあるノズル列について各ノズルの振動周期Ttを取得する(S102)。振動周期Ttの取得方法は、図7及び図8を用いて説明した前述の手法による。よって、説明は省略する。
次に、仮の基準範囲内、仮の基準範囲以下、仮の基準範囲以上のそれぞれの振動周期Ttの出現頻度が求められる(S104)。仮の基準範囲(暫定的な基準範囲に相当)は、検査用の基準範囲を求める前段階で暫定的に求められた基準範囲である。仮の基準範囲の上限値及び下限値は、予めASICに任意の値として設定されている。なお、仮に、予め設定された下限値及び上限値が適切ではなかった場合の処理については、後述する(図16、図17)。
出現頻度の算出では、各ノズルの振動周期TtがASIC60に入力される。そして、各ノズルの振動周期Ttが、仮の基準範囲内の領域、仮の基準範囲以下の領域、仮の基準範囲以上の領域のいずれに該当するかが求められる。そして、それぞれの領域に該当するノズルの個数をカウントすることにより、あるノズル列についての振動周期の、仮の基準範囲内の領域、仮の基準範囲以下の領域、及び、仮の基準範囲以上の領域の出現頻度が求められることになる。
図14は、検査用の基準範囲を決定する手法の説明図である。図14には、横軸に振動周期、縦軸にその出現頻度数(図では「度数」で表示)を表したグラフが示されている。そして、あるノズル列についての振動周期Ttの出現頻度が正規分布のグラフとして示されている。なお、ここでは、ノズル数が十分多いものとして正規分布のグラフが示されているが、必ずしもこのような出現頻度になるとは限らない。
また、図14には、仮の基準範囲が示されている。すなわち、仮の基準範囲を規定する仮の下限値Ltmと仮の上限値Htmが示されている。そして、これらの中心として、仮の中央値Ctmが示されている。よって、仮の下限値Ltmからの仮の中央値Ctmまでの幅と、仮の中央値Ctmから仮の上限値Htmまでの幅は同じである。
また、図14には、これから求めようとする検査用の基準範囲も示されている。すなわち、検査用の基準範囲を規定する検査用の下限値Ltsと検査用の上限値Htsが示されている。そして、これらの中心として、検査用の中央値Ctsが示されている。よって、検査用の下限値Ltsからの検査用の中央値Ctsまでの幅Wtと、検査用の中央値Ctsから検査用の上限値Htsまでの幅Wtは同じである。
ステップS104において、仮の下限値Ltm以下(すなわち、仮の基準範囲以下)の出現個数と、仮の上限値Htm以下(すなわち、仮の基準範囲以上)の出現個数が求められたことになる。これらの個数を全ノズルの個数で除すると、合計値を「1」とする確率変数で表すことができる。
図15は、仮の基準範囲のそれぞれの領域における確率変数の説明図である。上述のようにして求められた確率変数は、仮の下限値Ltm以下でZ1となり、仮の上限値Htm以上でZ2となる。仮の基準範囲内の確率変数は、1−(Z1+Z2)となる。
次に、このようにして求められた各領域の確率変数(出現頻度)に基づいて、分布中心を算出する(S106)。この分布中心は、検査用の基準範囲の中央値Ctsとなる。
分布中心の算出は、確率変数の比で仮の基準範囲を分割することにより求められる。つまり、検査用の基準範囲の中央値Ctsは、

Cts=Ltm+(Htm−Ltm)×Z2/(Z1+Z2)

となる。
このようにすることで、分布中心、すなわち検査用の基準範囲の中央値Ctsが求められる。
次に、検査用の基準範囲Lts〜Htsが求められる(S108)。検査用の基準範囲は、求められた基準範囲の中央値Ctsに±Wtを適用することにより求められる。すなわち、検査用の基準範囲の下限値Ltsは、(Cts−Wt)である。検査用の基準範囲の上限値Htsは、(Cts+Wt)である。
このようにして、検査用の基準範囲Lts〜Htsを求めることができる。このようにして求められた検査用の基準範囲の下限値Lts及び上限値Htsは、前述の図12に示したASIC60に設定される。これにより、振動周期Ttが残留振動検出回路55からASIC60に入力されると、検査用の基準範囲Lts〜Htsの領域に入っているノズルは適正にインクを噴射するノズルであると判定することができるようになる。また、基準範囲の下限値Lts以下のノズルについては、気泡が混入し適切に噴射できないノズルであると判定することができる。また、基準範囲の上限値Hts以上のノズルについては、インクが増粘し適切に噴射できないノズルであると判定することができる。
なお、ここでは、図13のステップS102〜S108を1回実行するのみで検査用の基準範囲を求めたが、ステップS108が完了した後に、ステップS104に戻り、ステップS104〜ステップS108を複数回繰り返すこととしてもよい。このとき、ステップS108で決定された検査用の基準範囲は、ステップS104において仮の基準範囲として用いられる。
また、ステップS102にいて各ノズルについての振動周期Ttは一度だけ取得され、これらの振動周期をASIC60内のメモリー等に記憶しておくことができる。このようにすることで、再び、ピエゾ素子を駆動して振動周期を取得しなおす必要がないので、検査速度を向上させることができる。一方、これらの振動周期をメモリー等に記憶せず、ノズルを実際に検査するときに、再度、振動周期を取得することとしてもよい。この場合、メモリーを振動周期のデータで占有しないこととすることができる。
図16は、仮の基準範囲の移動の説明図である。ところで、前述の図13のステップS104において、仮の基準範囲と取得される振動周期Ttとが全く異なる値である場合、取得される振動周期Ttが上記の3つの領域、すなわち、基準範囲内、基準範囲以下、及び、基準範囲以上のすべての領域に入らない場合があり得る。このような場合には、前述の分布中心の算出を行うことができない。
たとえば、図16に示されるように、仮の基準範囲が得られる振動周期群よりも低すぎる場合などがある。このような場合、仮の基準範囲の上限以上に全ての振動周期が入ることになる。このような、場合には、仮の基準範囲を少しずつ振動周期が高くなる側に移動させ(ASIC60に設定される下限値Ltm及び上限値Htmを共に少しだけ大きく設定しなおす)、再度、ASIC60に振動周期Ttを入力して出力を得る。このような動作を繰り返すことで、仮の基準範囲内、基準範囲以下、基準範囲以上のいずれの領域にも振動周期が入るような仮の基準範囲の下限値及び上限値を見つけることができる。
図17は、仮の基準範囲の変化の説明図である。前述の図16のように、基準範囲を移動させた場合であっても、基準範囲が広すぎると、得られた振動周期群が全て基準範囲内に入ってしまう場合がある。このような場合にも、前述の分布中心の算出を行うことができない。
よって、図17に示すように、得られた振動周期Ttの全てが基準範囲内に入ってしまった場合には、仮の基準範囲を少しずつ狭めるように移動させ(ASIC60に設定される下限値Ltmを大きく設定しなおし、上限値Htmを小さく設定しなおす)、再度、ASIC60に振動周期Ttを入力して出力を得る。このような動作を繰り返すことで、仮の基準範囲内、基準範囲以下、基準範囲以上のいずれの領域にも振動周期が入るような仮の基準範囲の下限値及び上限値を見つけることができる。
一般的に複数のノズルのうち正常にインクを噴射できるノズルが大多数であると考えられる。よって、振動周期は正常にインクを噴射できるノズルの振動周期の出現頻度が最も高くなり、正常にインクを噴射できないノズルの振動周期の出現頻度が低い。そのため、前述のような手法で、振動周期群の中央を探索し、その中央値から所定範囲内の振動周期のノズルが正常にインクを噴射できるノズルであると判定することで、適切に正常なノズルと異常なノズルを判別することができる。
なお、上記実施形態では、ヘッドが用紙Sの搬送方向と交差する方向に移動しながらインクを吐出する所謂シリアル型のプリンターを例に説明したが、用紙Sの紙幅方向に長いヘッドがプリンターに固定され、搬送される用紙Sにインクを噴射して画像を形成する所謂ラインヘッド型のプリンターであっても上記手法を行うことができるは言うまでもない。
===その他の実施の形態===
上述の実施形態では、検査装置を含むプリンター1が説明されていたが、これに限られるものではなくインク以外の他の流体(液体や、機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェルのような流状体)を噴射したり吐出したりする液体吐出装置に具現化することもできる。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、気体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の装置に、上述の実施形態と同様の技術を適用してもよい。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
<ヘッドについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを噴射していた。しかし、液体を噴射する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
この場合、発熱素子を発熱させて発生した気泡によりインクを吐出するプリンターにおいて、上述のように圧力変動を検出してもよいし、あるいは、ノズル内のインクが吐出されず、温度と共に発熱素子の抵抗値が上昇することを利用して、駆動電圧が変化するか否かにより、検査を行ってもよい。
1 プリンター、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラー、22 搬送モーター、
23 搬送ローラー、24 プラテン、25 排紙ローラー、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、
40 ヘッドユニット、
50 検出器群、55 残留振動検出回路、
60 ASIC、
81A 第1シフトレジスタ、81B 第2シフトレジスタ、
82A 第1ラッチ回路、82B 第2ラッチ回路、
83 デコーダー、84 制御ロジック、86 スイッチ、
421 振動板、422 圧電式アクチュエーター、423 キャビティ、
424 ノズル、425 ノズル基板、426 キャビティ基板、
427 圧電素子、428 リザーバ、429 インク供給チューブ、
430 中間層、431 第1電極、432 第2電極

Claims (8)

  1. 駆動素子を駆動させて液体を噴射させる複数の噴射部と、
    前記駆動素子を駆動させて得られる検査値と、検査用の基準範囲と、を比較した結果に基づいて前記噴射部の検査を行う検査部と、
    を備え、
    前記検査値は、前記複数の噴射部の駆動素子が駆動されて、複数取得され、
    前記検査用の基準範囲は、暫定的な基準範囲以上の領域における前記複数の検査値の出現頻度と前記暫定的な基準範囲以下の領域における前記複数の検査値の出現頻度とに基づいて求められる、検査装置。
  2. 前記暫定的な基準範囲は、前記複数の検査値が、前記暫定的な基準範囲以上の領域と前記暫定的な基準範囲内の領域と前記暫定的な基準範囲以下の領域とのいずれの領域にも出現する範囲に、特定される、請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記暫定的な基準範囲は、前記複数の検査値のすべてが前記暫定的な基準範囲内の領域に出現する場合に狭められる、請求項2に記載の検査装置。
  4. 前記検査値が入力されると、前記暫定的な基準範囲以上の領域と前記暫定的な基準範囲内の領域と前記暫定的な基準範囲以下の領域とのいずれの領域に分類されるかの情報を出力する演算部を備える、請求項1〜3のいずれかに記載の検査装置。
  5. 前記検査用の基準範囲は、前記複数の検査値の分布中心に基づいて特定される、請求項1〜4のいずれかに記載の検査装置。
  6. 前記分布中心は、前記暫定的な基準範囲以上の領域における前記複数の検査値の出現頻度により求められた第1確率変数と、前記暫定的な基準範囲以下の領域における前記複数の検査値の出現頻度に求められた第2確率変数と、の比に基づいて求められる、請求項5に記載の検査装置。
  7. 噴射部の駆動素子を駆動させて検査値を取得する工程と、
    前記検査値と検査用の基準範囲とを比較して前記噴射部の検査を行う工程と、
    を含み、
    前記検査値は、前記複数の噴射部の駆動素子が駆動されて、複数取得され、
    前記検査用の基準範囲は、暫定的な基準範囲以上の領域における前記複数の検査値の出現頻度と前記暫定的な基準範囲以下の領域における前記複数の検査値の出現頻度とに基づいて求められる、検査方法。
  8. 噴射部の駆動素子を駆動させて検査値を取得する工程と、
    前記検査値と検査用の基準範囲とを比較して前記噴射部の検査を行う工程と、
    を検査装置に行わせるプログラムであって、
    前記検査値は、前記複数の噴射部の駆動素子が駆動されて、複数取得され、
    前記検査用の基準範囲は、暫定的な基準範囲以上の領域における前記複数の検査値の出現頻度と前記暫定的な基準範囲以下の領域における前記複数の検査値の出現頻度とに基づいて求められる、プログラム。
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