1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。遊技領域3は、前面枠51の中央に嵌め込まれている透明板ユニット52によって視認可能になっている。なお、透明板ユニット52は、二枚の透明板が所定間隔を空けて積層されたものである。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図4参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また、遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄8L,8C,8Rの可変表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図2参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄可変表示演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図2参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
第1始動口20の下方には、第2始動口21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、開閉部材23を備え、開閉部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。開閉部材23は、電チューソレノイド24(図3参照)により駆動される。第2始動口21は、開閉部材23が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、開閉部材23が閉じているときには遊技球が入球不可能となっている。なお、第2始動口21は、開閉部材23が閉じているときには開いているときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、開閉部材23が閉じているときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口(特別の領域)30を備えた第1大入賞装置31が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材32(可動部材)を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド(駆動源)33(図3参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、第2大入賞口35を備えた第2大入賞装置36が設けられている。第2大入賞装置36は、羽根部材37を備え、羽根部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。羽根部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図3参照)により駆動される。第2大入賞口35は、羽根部材37が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。第2大入賞装置36には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能なVゾーン39が形成されている。なお本パチンコ遊技機1では、Vゾーン39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機になっている。つまり、Vゾーン39は、確変作動口となっている。このようなVゾーン39は、第1大入賞装置31には設けられていない。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域3の下部には、複数の普通入賞口27が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域3Aと、右側の右遊技領域3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞を狙う。一方、右打ちにてゲート28への通過、第2始動口21、第1大入賞口30、および第2大入賞口35への入賞を狙う。
また図1および図2に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報、特定表示結果、すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値は、特図保留記憶部85(図3参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図3参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図3参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図2参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。なおハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図3参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そして、このような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に図3及び図4に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図3及び図4に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、後述する不正検知部89とが設けられている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、Vゾーンセンサ39a、普通入賞口センサ27a、および磁気センサ(磁気検出手段)45が接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。Vゾーンセンサ39aは、第2大入賞口35内のVゾーン39に設けられてVゾーン39を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。磁気センサ45は、遊技領域3に向けて近づけられる磁石ZS(図12参照)から生じる磁束を検出するものである。磁気センサ45による不正検知の構成については、後に詳しく説明する。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、および第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の開閉部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の羽根部材37を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の貸球モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため貸球センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図4に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。そして演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。なお装飾可動体15は、図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。なお、動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たり又は小当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞装置31又は第2大入賞装置36を作動させて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる「特別遊技」が実行される。大当たりに当選して実行される特別遊技を「大当たり遊技」と言う。
大当たりには複数の種別がある。図5に示すように大当たりの種別としては、「15R(ラウンド)特定大当たり」、「15R通常大当たり」がある。「15R特定大当たり」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であり、その大当たり遊技中にVゾーン39への遊技球の通過が可能な態様で第2大入賞装置36を開放させる大当たりである。「15R通常大当たり」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であり、その大当たり遊技中にVゾーン39への遊技球の通過が不可能な大当たり(すなわちVゾーン39への遊技球の通過が可能な態様で第2大入賞装置36を開放させることのない大当たり)である。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中のVゾーン39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記の15R特定大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中にVゾーン39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、15R通常大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中にVゾーン39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常状態(非高確率状態)となる。なお、大当たりにおいては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよい。
本形態のパチンコ遊技機1における各大当たりの大入賞口の開放パターンは、図5のようになっている。すなわち、15R特定大当たりに当選した場合(第1特別図柄表示器41aに特図1_15R特定図柄1が停止表示された場合、第2特別図柄表示器41bに特図2_15R特定図柄1が停止表示された場合)には、1R〜14Rまでは第1大入賞口30を最大28秒開放し、15Rは第2大入賞口35を最大13秒開放させる。この当たりでは、15R目における第2大入賞口35の開放時間が13秒あるため、そのラウンド中にVゾーン39へ遊技球を通過させることがたやすくなっている。
また、15R通常大当たりに当選した場合(第1特別図柄表示器41aに特図1_15R通常図柄2が停止表示された場合)には、1R〜14Rまでは第1大入賞口30を最大28秒開放し、15Rは第2大入賞口35を最大0.3秒開放させる。この当たりでは、15R目における第2大入賞口35の開放時間が0.3秒と極めて短いため、そのラウンド中にVゾーン39へ遊技球を通過させることは不可能となっている。
なお、第2大入賞装置36は、その内部にVゾーン39への遊技球の通過を阻止するシャッター部材を有しているものであってもよい。すなわち、第2大入賞装置36がシャッター部材を備え、シャッター部材がVゾーン39への遊技球の通過を妨げる第1の状態にあるとき、第2大入賞口35へ入賞した遊技球がVゾーン39ではない非特定領域を通過し、シャッター部材がVゾーン39への遊技球の通過を許容する第2の状態にあるとき、第2大入賞口35へ入賞した遊技球が非特定領域ではなくVゾーン39を通過するように構成してもよい。なおシャッター部材を駆動するソレノイドは、主制御基板80に接続する。このようなシャッター部材を設けた場合には、15R通常大当たりにおいて第2大入賞口35が開放する15R中は、シャッター部材を第1の状態に制御してVゾーン39を塞げばよい。このようにすれば、万が一0.3秒の極短時間の開放中に第2大入賞口35内へ遊技球が入球したとしても、確実にVゾーン39への遊技球の通過を防ぐことができる。また、15R通常大当たりにおける15R中の第2大入賞口35の最大開放時間を、遊技球が十分に入球可能な長さ(例えば28秒)に設定したとしても、Vゾーン39への遊技球の通過を防ぐことができる。なお、15R特定大当たり等においてVゾーン39への遊技球の通過をさせたいときには、第2大入賞口35の開放中にシャッター部材を第2の状態に制御するようにすればよい。すなわち、V有効期間(第1期間)と同期してシャッター部材を第2の状態に制御し、V無効期間(第2期間)と同期してシャッター部材を第1の状態に制御すればよい。
なお、第1特別図柄(特図1)の抽選における各大当たりへの振分確率は、15R特定大当たりが50%、15R通常大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全て15R特定大当たりとなっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となった第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ず15R特定大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。図6(A)に示すように、大当たり乱数は0〜629までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動表示演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜126までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜198までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図6(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜240までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図7(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図8参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図7(D)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図7(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図9参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図9参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、15R特定大当たりへの当選による特別遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中にVゾーン39の通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態(電サポ制御状態)である(図5参照)。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(例えば140回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、15R通常大当たりへの当選による特別遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中にVゾーン39の通過はなされないので、通常状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である(図5参照)。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。
これに対して、低確低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.磁気センサ45による不正検知の構成
次に図1及び図10に基づいて、本パチンコ遊技機1の磁気センサ45による不正検知の構成を説明する。図1に示すようにパチンコ遊技機1は、第1大入賞装置31の近傍に、磁気センサ45と磁性板70(検知領域拡大部材)とを備えている。磁気センサ45は、第1大入賞口30に近づけられる磁石ZS(図12参照)から生じる磁束によって磁束密度の変化を検知するものであり、遊技盤2の裏面側に配置されている。これにより磁気センサ45は、図10(A)(B)に示すように、遊技者から視認できないようになっている。なお図10(B)に示す二点鎖線L1は遊技盤2の表面(前面)の位置を示していて、図3(B)に示す二点鎖線L2は透明板ユニット52の裏面(後面)の位置を示している。このため、遊技盤2の表面の位置L1よりも前方(図10(B)の下側)で且つ透明板ユニット52の裏面の位置L2よりも後方で、遊技球が流下する。
磁気センサ45は、磁束密度の大きさに応じて導通状態になるリードスイッチを内蔵した薄型の磁気センサである。磁気センサ45の検知距離、すなわち標準磁石(20mm×20mm×10mmの大きさで表面の磁束密度が430mTの磁石)を磁気センサ45に近づけたときに磁気センサ45が非導通状態から導通状態になる距離は、磁気センサ45から約50〜90mmの範囲ある。なお設置場所及び求める検知性能に応じて、検知距離が約50〜90mm以外の磁気センサを用いても良い。また磁気センサ45は、磁気を検知できるものであればリードスイッチを内蔵するものに限られるものではなく、コイル、ホール素子、磁気抵抗素子を内蔵するものや、磁気インピーダンス効果を利用した高感度なものであっても良い。
磁気センサ45が検知した検知信号は、図3に示すように、入出力回路87を介して遊技制御用マイコン81の不正検知部89(図3参照)に入力される。不正検知部89は、入力された検知信号に基づいて磁石による不正行為を判断し、演出制御用マイコン91に不正検知用のコマンドを出力する。演出制御用マイコン91は、受信した不正検知用のコマンドに基づいて不正用演出コマンドを画像制御基板100に送信するとともに音声制御基板106に送信する。
画像制御基板100のCPU102は、受信した不正用演出コマンドに基づいて、所定の画像情報をROM103から読み出して、図11に示すように、画像表示装置7の表示画面7aにて「WARNING」の文字を表示する。また音声制御基板106は、受信した不正用演出コマンドに基づいて、サブ制御基板90のROM93から読み出された所定の音声情報に基づいて、スピーカ67にて不正用の警告音を出力する。こうして、磁気センサ45が磁石ZSから生じる磁気を検知した場合に、ホールの従業員や周りの遊技者等に不正行為を報知するようになっている。
なお、「WARNING」の文字を表示することは、不正行為を表示する態様の一つであり、他の表示内容(例えば「ERROR」、「不正行為を遠ざけてください」)を表示画面7aに表示しても良い。また、不正行為を報知する方法は、不正用の画像を表示する方法や不正用の警告音を出力する方法に限られるものではなく、枠ランプ66や盤ランプ5を特殊な態様で点灯させても良い。
ここで、第1大入賞装置31では、上述したように開閉部材32が第1大入賞口ソレノイド33により駆動されると、第1大入賞口30が開閉する。より詳細には、図10(B)に示すように、第1大入賞口ソレノイド33は、ハウジング33aとプランジャ33bとスプリング33cとを備え、非通電時にスプリング33cによりプランジャ33bが付勢された状態にある。プランジャ33bの先端には、係合部材34が取付けられている。係合部材34は、図示しないリンク機構を介して開閉部材32に連結されている。
こうして、第1大入賞口ソレノイド33の非通電時には、プランジャ33bが図10(B)の下側に付勢されて、係合部材34にリンク機構を介して連結されている開閉部材32が第1大入賞口30を閉鎖している(図示省略)。一方、第1大入賞口ソレノイド33の通電時には、プランジャ33bが電磁力によってスプリング33cの付勢力に抗して10(B)の上側へ移動する。これにより、開閉部材32がリンク機構と係合部材を介して傾動して、第1大入賞口30を開放させる(図1参照)。
ところで、第1大入賞口ソレノイド33は電磁力によって開閉部材32を駆動させるため、作動する際に周りに磁束を生じさせる。このため図10(B)に示すように、仮に配置禁止領域R1内に磁気センサ45を配置すると、磁気センサ45が第1大入賞口ソレノイド33から生じる磁束密度の変化を検知して、誤検知となってしまう。つまり、第1大入賞口ソレノイド33の周りには、磁気センサ45を配置することができない配置禁止領域R1が存在している。磁気センサ45は、この配置禁止領域R1の外側で、第1大入賞口ソレノイド33の作動により生じる磁束によって作動することのない配置可能領域R2に配置されている。即ち、配置可能領域R2は、配置禁止領域R1の外側の全領域である。
しかし、磁気センサ45の検知領域R3は磁気センサ45の位置を中心として約50〜90mmの範囲であって、検知領域R3が狭いという問題点がある。なお、図10(B)に示す配置禁止領域R1及び検知領域R3の大きさは、視覚的に分かり易くするために、模式的に示したものである。検知領域R3は、磁気センサ45の向きや配置によって検知し易い範囲(指向性)が異なり、図12では検知領域R3の形状を楕円状で示したが、検知領域R3の形状は適宜変更可能である。ここで、検知領域R3が狭いという問題点に対して、仮に第1大入賞装置31の周りに複数個の磁気センサを配置する方法が考えられるが、コストが大幅に上昇するとともに複数の磁気センサを取付ける手間が大きくなる。
そこで、本形態のパチンコ遊技機1は、磁性板70を用いて磁気センサ45の検知領域を拡大できるように構成されている。なお以下では、磁性板70の有無に関わらず磁気センサ45のみによる検知領域R3を自己検知領域R3と呼び、磁性板70を用いて拡大された検知領域のうち自己検知領域R3を除く領域を拡大検知領域と呼び、磁性板70を用いて拡大された検知領域全体を検知可能領域と呼ぶことにする。
磁性板70は、周囲の磁界によって磁化され易い鉄板(磁性体)で構成されていて、図10(B)に示すように、前方部70aと側方部70bと後方部70cとを備えている。磁性板70(前方部70aと側方部70bと後方部70c)は薄板状で起立した状態になっていて、その板厚は約2mmである。なお磁性板70は比較的安価で入手し易い鉄板が好ましいが、磁性体(強磁性体)であれば鋼板、鉄ニッケル合金板、鉄コバルト合金板等であっても良い。磁性板70は、第1大入賞口ソレノイド33の作動により生じる磁束によって磁化しないように、配置可能領域R2内に配置されている。
前方部70a(遊技領域前方部)は、一辺が47mmの略正方形状になっていて、透明板ユニット52の裏面の位置L2よりも後方(図10(B)の上側)に位置するとともに、遊技領域3よりも前方(図10(B)の下側)に位置している。そして、前方部70aから遊技盤2の表面の位置L1までの距離は、遊技球の直径である9mmより大きくなっている。これにより、遊技領域3で転動する遊技球は、前方部70aによって動きを妨げられずに流下可能になっている。また、前方部70aは、配置禁止領域R1に向かって近づく磁石ZSによって磁化し易いように、配置禁止領域R1の前方の略全体に設けられている。
そして前方部70aには、図10(A)に示すように、左端面から右方向に開口(肉抜き)された9個の切欠き70a1(遊技球視認部)が形成されている。これにより、前方部70aの右端面から左方向に延びる10個の突片70a2が形成されている。切欠き70a1はその後方を転動する遊技球Y1,Y2を視認可能にするものであり、各切欠き70a1の厚さt1は3mmであり、各突片70a2の厚さt2は2mmである。こうして、遊技者は直径9mmである遊技球Y1,Y2の一部を各切欠き70a1によって視認することができて、遊技球Y1,Y2が前方部70aによって完全に隠れることはない。なお、前方部70aで示した各寸法(前方部70aの一辺(47mm)、切欠き70a1の厚さt1(3mm)、突片70a2の厚さt2(2mm))はあくまで本形態の一例として示した寸法であって、遊技球が完全に隠れるものでなければこれら以外の寸法であっても良い。
側方部70bは、図10(B)に示すように、前方部70aの右端面から後方に延びていて、遊技盤2を貫通するように取付けられている。後方部70cは側方部70bの後端から右方に延びる短辺状になっていて、その先端が磁気センサ45に対して非常に近い位置で非接触に配置されている。なお後方部70cの先端と磁気センサ45とが接触していても良い。このように後方部70cの先端と磁気センサ45とが非常に近い位置に配置されているのは、磁化された磁性板70は磁束を端から放出する性質があり、磁性板70の端から放出される磁束によって磁気センサ45が磁束密度の変化を検知し易くするためである。こうして、前方部70aは自己検知領域R3外で磁気センサ45から遠い位置に配置されているが、後方部70cは自己検知領域R3内で磁気センサ45に非常に近い位置に配置されている。
これにより、図12に示すように、例えば遊技者が第1大入賞口30の近傍で多数の遊技球を磁石ZSで吸着させようとして、磁石ZSが配置禁止領域R1の前方に向かって近づくと、磁性板70が磁化される。磁化された磁性板70ではその端から磁束(磁力線)を放出するため、磁束が前方部70aから側方部70bを介して後方部70cを流れて、後方部70cの先端から放出される。そのため、後方部70cの先端の近傍で磁束密度の変化(増加)が生じて、磁気センサ45がその磁束密度の変化を検知する。従来では第1大入賞口ソレノイド33と磁気センサ45との位置関係により、特に配置禁止領域R1の前方(図12の下側)で生じる磁束密度の変化を磁気センサ45のみでは検知し難くかった。これに対して本形態では、磁性板70の前方部70aが配置禁止領域R1の前方(図12の下側)全体を覆うように配置され、磁性板70の側方部70b及び後方部70cが自己検知領域R3内に位置しているため、配置禁止領域R1の前方で生じる磁束を磁性板70と磁気センサ45とによって検知することができて、検知可能領域が大きくなっている。
6.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1では、磁気センサ45の自己検知領域R3の外側で、磁石ZSが磁性板70に近づくと、磁性板70が磁化される。これにより磁性板70の後方部70cから放出された磁束は、磁気センサ45によって検知される。すなわち、磁石ZSが磁気センサ45の自己検知領域R3の外側に位置していても、磁石ZSによって生じる磁束密度の変化を、磁性板70と磁気センサ45とによって検知可能となる。こうして、第1大入賞口ソレノイド(駆動源)の作動の影響を受けないように、磁気センサ45の検知可能領域が、磁気センサ45の自己検知領域R3と磁性板70が磁石ZSによって磁化する領域(拡大検知領域)とを足した領域にまで拡大することができ、磁石ZSによる不正行為を広範囲に防止することが可能となる。この結果、配置禁止領域R1の前方(図12の下側)のように、不正行為による磁束密度の変化を検知し難い領域を無くすことが可能となる。また本形態では、磁気センサを複数設けて検知領域を拡大するわけではなく、比較的安価な鉄板で構成された磁性板70を設けて検知可能領域を拡大するため、不正行為を広範囲に防止できるパチンコ遊技機1を安価に構成することが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機1では、図12(B)に示すように、磁性板70の前方部70aが遊技領域3よりも前方に位置するため、前方側から近づく磁石ZSに対してより近い位置になる。そのため、磁性板70が磁石ZSから生じる磁束によって磁化し易くなり、前方側から近づく磁石ZSによる不正行為を確実に防止することが可能となる。そして図10(A)に示すように、前方部70aの後方で遊技球Y1,Y2が転動しても、切欠き70a1によって遊技者が遊技球Y1,Y2の動きを十分に把握することができる。従って、前方側から近づく磁石ZSの不正検知と遊技球の視認の確保との両立を図ることが可能となる。
7.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、第1形態と同じ符号を付して説明を省略する。
〈第2形態〉
本発明に係る第2形態の遊技機について図13に基づいて説明する。上記の第1形態では、遊技球がVゾーン39へ通過することが高確率状態への移行の契機になっているパチンコ遊技機1(図1参照)であった。これに対して第2形態では、大当たり抽選(特別図柄抽選)により特定の大当たり(例えば15R特定大当たり等)になることが高確率状態への移行の契機になっているパチンコ遊技機(図示省略)である。第2形態のパチンコ遊技機では、大当たりの種別として「15R特定大当たり」と「15R通常大当たり」の他に「2R特定大当たり」がある。
大当たり抽選により2R特定大当たりに当選(所定条件が成立)した場合には、遊技制御用マイコン(駆動制御手段)81が、1R目に第1大入賞口30が最大0.3秒開放するように第1大入賞口ソレノイド33を駆動させ、2R目に第1大入賞口30が最大0.3秒開放するように第1大入賞口ソレノイド33を駆動させる。2R特定大当たりは、第1大入賞口30の総開放時間が0.6秒と短いため、第1大入賞口30への入賞が見込めない態様にて開閉部材32が開閉する。ただし、2R特定大当たりでは、第1大入賞口30へ1,2球程度のわずかな入賞がなされる場合があり得る。従って、「見込めない態様」とは、第1大入賞口30への入賞が全く不可能な態様に限られず、1,2球程度のわずかな入賞がなされる可能性はあるという態様を含む意味である。遊技制御用マイコン81は、15R特定大当たりの他に、2R特定大当たりの後にも遊技状態を高確率状態に移行させるようになっている。
図13に示すように、第2形態のパチンコ遊技機の第1大入賞装置31の周辺には、第1形態と同様、磁性板70Aと磁気センサ45が設けられている。磁性板70Aの前方部70aaの突片70a3は、第1形態の突片70a2(図10(A)参照)に比べて長くなっていて、遊技者から見たときに第1大入賞装置31の大部分を覆っている。これにより、第1大入賞口ソレノイド33が開閉部材32を駆動するときに、開閉部材32による第1大入賞口30の開閉が遊技者にとって見え難くなっている。
ここで、第2形態のパチンコ遊技機では、2R特定大当たりの特別遊技の実行後に、遊技状態を高確率状態に移行させるものの、高確率状態であることを遊技者に明示しない。すなわち、画像表示装置7を用いて高確率状態かもしれないモード演出を行わない。この高確率状態は「潜伏確変」と呼ばれ、潜伏確変では遊技者に対して高確率状態かもしれないと期待感の伴う遊技興趣を提供可能になる。しかしながら、上述したように2R特定大当たりの特別遊技では開閉部材32が僅かな時間で第1大入賞口30を2回開閉させるようになっているため、遊技者が開閉部材32の動きを注視していれば、潜伏確変へ移行するか否かの判断が可能になる。そこで第2形態では、潜伏確変への移行を分かり難くするために、磁性板70Aの前方部70aaの突片70a3が開閉部材32の前方で長く形成されていて、第1大入賞装置31の大部分を覆っている。
以上説明したように第2形態のパチンコ遊技機によれば、第1形態と同様、磁性板70Aの前方部70aaによって、第1大入賞口30の周りで磁気センサ45の検知可能領域を拡大することが可能となる。また磁性板70Aの前方部70aaに切欠き70a1が形成されているため、第1大入賞口30の周りで転動する遊技球Y1,Y2の動きを十分に把握することが可能となる。特に第2形態では、2R特定大当たりの特別遊技で、第1大入賞口30への入賞が見込めない態様にて開閉部材32が開閉するとき、磁性板70Aの前方部70aaの突片70a3によって開閉部材32の開閉動作が見え難い。そのため、そのような見せる必要のない開閉部材32の開閉動作を認識され難くすることができ、潜伏確変への移行を分かり難くすることが可能となる。従来、潜伏確変への移行を伴う遊技機において、見かけ上2R特定大当たりと同じ開放パターンで第1大入賞口30を開放させる小当たりを実行して、潜伏確変への移行を分かり難くしていた。これに対して、第2形態のパチンコ遊技機によれば、小当たりを設定しないでも、磁性板70Aの前方部70aaによって潜伏確変への移行を分かり難くすることが可能となる。
〈第3形態〉
本発明に係る第3形態の遊技機について図14に基づいて説明する。上記の第1形態では、磁性板70の前方部70aが第1大入賞装置31の近傍に配置されていた(図1参照)。これに対して第3形態では、図14に示すように、磁性板170の前方部170aが第2大入賞装置36の近傍に配置されている。この第3形態では、磁気センサ45が、第1大入賞装置31に向けて近づけられる磁石によって磁束密度の変化を検知できるように、第1大入賞装置31の近傍に配置されている。但し、磁気センサ45は、第2大入賞装置36に向けて近づけられる磁石に対しては磁束密度の変化を検知できないようになっている。つまり、磁気センサ45は、第1大入賞装置31に対する不正行為をカバーできるものの、第2大入賞装置36に対する不正行為をカバーできないようになっている。なお、第3形態のパチンコ遊技機(図示省略)は、第1形態のパチンコ遊技機1と同様、遊技球がVゾーン39へ通過することが高確率状態への移行の契機になっているものである。
図14に示すように磁性板170は、前方部170aと側方部170bと後方部170cとを備えていて、薄板状の鉄板(磁性板)で構成されている。ここで第2大入賞装置36では、第2大入賞口ソレノイド38(図3参照、図14で不図示)が電磁力によって羽根部材37を駆動させるため、作動する際に周りに磁束が生じる。このため、磁性板170は、第2大入賞口ソレノイド38の作動により生じる磁束によって作動することのない配置可能領域(不図示)内に配置されている。
前方部170aは、略長方形状になっていて、遊技領域3よりも前方に位置している。また前方部170aは、第2大入賞装置36に向かって近づく磁石によって磁化し易いように、第2大入賞装置36の前方の略全体に設けられている。そして前方部170aには、上端面から下方向に開口(肉抜き)された9個の切欠き170a1(遊技球視認部)が形成されている。これにより、前方部170aの下端面から上方向に延びる10個の突片170a2が形成されている。切欠き170a1はその後方を転動する遊技球を視認可能にするものである。
側方部170bは、前方部170aの下端から後方に延びていて、遊技盤2を貫通するように取付けられている。後方部170cは側方部170bの後端から下方に延びる長辺状になっていて、その先端が磁気センサ45に対して非常に近い位置に配置されている。こうして、前方部170aは磁気センサ45の自己検知領域R3(図10(B)参照)外で磁気センサ45から遠い位置に配置されているが、後方部170cは磁気センサ45の自己検知領域R3内で磁気センサ45に非常に近い位置に配置されている。これにより、磁石が第2大入賞口35の前方に向かって近づけられると、磁性板170が磁化される。磁化された磁性板170では、磁束が前方部170aから側方部170bを介して後方部170cを流れて、後方部170cの先端から放出される。こうして、磁気センサ45は、磁束密度の変化を検知することが可能となる。
つまり、第3形態では、第1大入賞口(第1の特別の領域)30が磁気センサ45の自己検知領域R3の近傍に配置され、第2大入賞口(第2の特別の領域)35が磁性板170によって拡大された検知領域である拡大検知領域の近傍に配置されている。
以上説明したように第3形態のパチンコ遊技機によれば、第1大入賞口30の周りの磁気検知を磁気センサ45で行いつつ、第2大入賞口35の周りの磁気検知を磁性板170の前方部170aと磁気センサ45とによって行うことが可能となる。更に、磁性板170の前方部170aは第2大入賞装置36の前方の略全体に設けられているため、Vゾーン39の周りの磁気検知も行うことができる。よって第3形態によれば、2つ以上の特別の領域(第1大入賞口30,第2大入賞口35,Vゾーン39)の周りであっても、磁性板170と1つの磁気センサ45とによって、磁石による不正行為を広範囲に防止可能となる。言い換えると、磁性板170が、従来において第2大入賞装置36の周りに設けられている磁気センサと同様の機能を果たすことができるため、第2大入賞装置36の周りに設けられていた磁気センサを無くすことができ、パチンコ遊技機を安価に構成することが可能となる。
〈その他の変更例〉
第1形態では、図10(B)に示すように、磁性板70が前方部70aと側方部70bと後方部70cとを有し、第1大入賞口ソレノイド33に対して前方及び右方に配置されていた。これに対して図15に示す第1変形例の磁性板270は、配置禁止領域R1の外側で断面がコ字状になっている。即ち、磁性板270は、第1大入賞口ソレノイド33に対して前方に配置された前方部270aと、右方に配置された側方部270bと、後方に配置された後方部270cとを有している。そして、側方部270bの中間から磁気センサ45に向かって突部270dが形成されていて、突部270dの先端が磁気センサ45に非常に近い位置に配置されている。この第1変形例では、磁性板270が配置禁止領域R1の周りを囲んでいるため、配置禁止領域R1の前方及び側方だけでなく、後方から遊技領域3に向けて近づけられる磁石に対しても磁性板270が磁化して、より広範囲に不正検知を行うことが可能となる。
また第1形態では、図10(A)に示すように、磁性板70の前方部70aに切欠き70a1が形成されていた。これに対して、図16に示す第2変形例の磁性板370では、前方部370aに正方形状の25個の貫通孔370a1が格子状に形成されていて、これら各貫通孔370a1によって前方部370aの後方を転動する遊技球Y1,Y2が視認可能になっている。なお、貫通孔370a1の数は25個以外であっても勿論良く、貫通孔370a1の形状は長方形状、円形状、角形状等適宜変更可能である。
また第1形態では、図10(A)に示すように、磁性板70の前方部70aで開口された切欠き70a1によって、前方部70aの後方を転動する遊技球Y1,Y2が視認可能になっていた。これに対して、図17に示す第3変形例の磁性板470では、前方部470aの取付孔470a1に嵌め込まれた透明板470bによって、前方部470aの後方を転動する遊技球Y1,Y2が視認可能になっている。上述した第1,第2,第3変形例の説明から分かるように、磁性板(検知領域拡大部材)の形状及び大きさは、第1形態の磁性板70の形状及び大きさに限られるものではなく、適宜変更可能である。更に「検知領域拡大部材」は板状である磁性板に限られるものではなく、例えば棒状、球状、複雑な立体形状等であっても良い。
また第1形態では、第1大入賞口ソレノイド33によって設定される配置可能領域R2内に磁性板70を配置し、第3形態では、第2大入賞口ソレノイド38によって設定される配置可能領域内に磁性板170を配置した。これに対して電チュー22の開閉部材23を駆動する電チューソレノイド24によって設定される配置可能領域内に磁性板を配置しても良く、センター装飾体10に設けられた可動式のギミック(装飾可動体15)を駆動する電動モータによって設定される配置可能領域内に磁性板を配置しても良い。これらの変形例から分かるように、パチンコ遊技機において遊技の進行に伴って駆動され得る可動部材があって、その可動部材を電磁力によって駆動する駆動源によって設定される配置可能領域内であれば、磁性板の位置は適宜変更可能である。
また第1形態では、第1大入賞口30に対応して設けられている磁気センサ45を用いて本発明を実施した。しかしながら、磁気センサは第1大入賞口30に対応して設けられているものに限られるものではなく、第1始動口20、第2始動口21、普通入賞口27、ゲート28、第2大入賞口35、Vゾーン39等に対応して設けられている磁気センサを用いて本発明を実施しても良い。この場合、磁気センサが設けられているこれらの場所が、特別の領域に相当する。そして、本発明を実施する際には、1つの磁気センサ45と1つの磁性板70を用いて実施する場合に限られるものではなく、複数の磁気センサと1つの磁性板を用いる場合、1つの磁気センサと複数の磁性板を用いる場合、複数の磁気センサと複数の磁性板を用いる場合であっても良い。
また第1形態では、図10(A)(B)に示すように、駆動源である第1大入賞口ソレノイド33の周りに磁気を遮蔽する部材が無く、配置禁止領域R1を第1大入賞口ソレノイド33の特性のみによって決まる円形状に設定していた。このため、磁気センサ45を円形状の配置禁止領域R1の外側で、第1大入賞口ソレノイド33から比較的遠く離して配置していた。しかしながら、例えば第1大入賞口ソレノイド33の右方に磁気遮蔽板を配置して、配置禁止領域を左半分の略半円状に設定しても良い。この場合には、磁気センサをこの配置禁止領域の外側で、磁気遮蔽板の直ぐ右方に配置することが可能となる。つまり、磁気センサを磁気遮蔽板によって第1大入賞口ソレノイドから比較的近い位置に配置することが可能である。このように、配置禁止領域は、駆動源と磁気遮蔽板等のその他の部材との関係で変化するものであり、磁気センサの位置は必ずしも駆動源から遠く離さなくても良い。
また第2形態では、2R特定大当たりに当選した場合に、第1大入賞口30への入賞が見込めない態様にて開閉部材32が開閉して、その後に高確率状態に移行するパチンコ遊技機であった。しかしながら、高確率状態に移行するための契機であり、且つ第1大入賞口30への入賞が見込めない態様にて開閉部材32を開口させるための契機となる大当たりは、2R特定大当たりに限られるものではなく、例えば3R特定大当たりであっても良い。つまり潜伏確変の契機となり、且つ大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)への入賞が見込めない態様にて開閉部材を開口させる大当たりであれば、適宜変更可能である。
また第1形態及び第2形態では、磁性板70,170の前方部70a、170a(遊技領域前方部)が、透明板ユニット52の裏面の位置L2よりも後方に位置するとともに、遊技領域3よりも前方に位置していた。しかしながら、磁性板70,170の前方部70a、70aは遊技領域3よりも前方に配置されていれば良く、例えば透明板ユニット52が二枚の透明板を所定間隔を空けて積層している場合に、二枚の透明板の間に磁性板70,70A,170の前方部70a,70aa,170aを配置しても良い。
また上記各形態では、次回の大当たり当選まで高確率状態に制御されるとは限らない遊技機(所謂ST機)であったが、実質的に次回の大当たり当選まで高確率状態に制御されるように構成しても良い。又は、高確率状態に制御された状態で当選した特別遊技の連続実行回数が所定の制限回数に至っている場合には、特別遊技後の遊技状態を通常確率状態に制御する遊技機(所謂セット機)であっても良い。或いは、開放チャッカーに遊技球が入球することで羽根部材が開放してセンター役物へのルートが開き、遊技球がセンター役物内部に設けられたVゾーンに入球することで大当たりとなる遊技機(所謂羽根モノ)であっても良い。特に遊技機を羽根モノとして構成する場合には、羽根部材を駆動する駆動源の周りの配置禁止領域の外側に磁気センサを配置し、羽根部材の周りに磁性板を配置すると良い。これにより、羽根部材が開放するタイミングに合わせて磁石で保持した遊技球を役物内部に進入させるような不正行為を、羽根部材の周りに多くの磁気センサを配置することなく、また高性能な磁気センサを用いることなく、効果的に防止することが可能となる。
また上記した各形態の遊技機1では、遊技者に所定の利益が付与される場合として、第1始動口20又は第2始動口21に遊技球が進入することより賞球の払い出し及び大当たり抽選を実行し、普通入賞口27に遊技球が進入することにより賞球の払い出しを実行し、ゲート28に遊技球が進入することにより普図抽選を実行し、第1大入賞口30又は第2大入賞口35に遊技球が進入することにより賞球の払い出しを実行し、Vゾーン39に遊技球が進入することにより大当たり遊技の終了後の遊技状態を高確率状態に移行させる場合があった。しかしながら、遊技者に所定の利益が付与される場合は、上記した場合以外でも良く、例えば遊技機が上記した羽根モノである場合に、開放チャッカーに遊技球が進入することにより羽根部材が開放してセンター役物へのルートが開く場合や、センター役物内部に設けられたVゾーンに遊技球が進入することにより大当たりとなる場合等であっても良い。また、遊技機として、所謂1種2種混合機タイプ、権利物タイプ、普通機タイプ等であっても良い。