特許文献1において、GPS位置が測位できればGPS信号の受信状態が悪くても、GPS位置を表示するため、精度の悪いGPS位置を更新表示してしまうという問題があった。一方、特許文献2において、トンネルや地下道路を脱出してからGPS信号の受信を開始するため、トンネルや地下道路から脱出後、早期にGPS位置を更新表示させる状態へと復帰できないという問題があった。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、精度の悪いGPS位置を更新表示することを防止しつつ、早期にGPS位置を更新表示させる状態に復帰できる技術を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明のナビゲーションシステムは、GPS信号に基づく車両の現在位置であるGPS位置を取得する位置取得手段と、GPS位置を表示部に更新表示させる表示制御手段とを備える。表示制御手段は、GPS信号が遮断される遮断空間に車両が進入した場合、GPS位置の取得状態が所定の表示基準を満足することを条件としてGPS位置を更新表示させる遮断モードの実行を開始する。さらに、表示制御手段は、車両が遮断空間における分岐地点を走行する場合において、遮断モードの実行を解除する。
前記の構成において、表示制御手段は、車両が遮断空間に進入した場合に遮断モードの実行を開始する。すなわち、車両が遮断空間を走行する場合には、GPS信号の受信状態が悪くなるため、GPS位置の取得状態が表示基準を満足する場合に限りGPS位置を更新表示させることとする。これにより、車両が遮断空間を走行する際に、受信状況が悪い状況で受信されたGPS信号に基づく精度の悪いGPS位置を更新表示することを防止できる。なお、車両が遮断空間に進入した場合に遮断モードの実行を開始するため、車両が遮断空間に進入する前においては遮断モードが実行されない。すなわち、車両が遮断空間を走行する前においては、車両が遮断空間を走行する場合よりもGPS信号の受信状態がよいため、GPS位置の取得状態が表示基準を満足するか否かに拘わらずGPS位置を更新表示させることとする。
表示制御手段は、車両が遮断空間を走行する場合であっても、車両が遮断空間における分岐地点を走行する場合には、遮断モードの実行を解除する。すなわち、遮断空間における分岐地点を走行する場合には、車両が遮断空間に進入する前と同様に遮断モードの実行を解除する。これにより、車両が分岐地点を走行し、遮断空間を脱出する可能性が高い場合に、遮断モードの実行中のようにGPS位置の取得状態が表示基準を満足するまで待つことなく、早期に、GPS位置を更新表示させる状態へと復帰できる。ここで、分岐地点では複数の分岐道路が分岐し、当該複数の分岐道路に遮断空間から脱出できる分岐道路が含まれる可能性が高い地点であると推定できる。すなわち、退出方向が互いに異なる複数の分岐道路のうちのいずれかは分岐元の道路および他の分岐道路に沿って存在する遮断空間から脱出できる道路である可能性が高いと推定できる。従って、遮断空間における分岐地点を走行する場合には、遮断空間の他の区間を走行する場合よりも車両が遮断空間から脱出する可能性が高いと推定できる。
位置取得手段は、GPS信号に基づくGPS位置を取得すればよく、GPS位置を更新表示できるように連続的にGPS位置を取得すればよい。また、位置取得手段は、GPS信号のみに基づいてGPS位置を取得しなくてもよく、GPS位置を道路形状や過去の軌跡形状等の補正要素に基づいて補正してもよい。表示制御手段は、GPS位置を表示部に更新表示させればよく、連続的にGPS位置を表示させればよい。GPS位置の更新表示態様は特に限定されず、表示制御手段は、地図上におけるGPS位置に対応する位置にマーカが位置するように表示内容を更新させてもよい。この場合、マーカが表示部にて移動してもよいし、地図が表示部にて移動してもよいし、双方が表示部にて移動してもよい。
遮断空間とは、GPS衛星から発せられたGPS信号が遮断されて内部に到達にくくなる区間であり、GPS信号の電波強度が外部と比較して少なくとも減衰する区間である。GPS信号が遮断されるとは、遮断空間を取り囲む構造物によってGPS信号が反射・吸収されることであってもよいし、遮断空間に形成された電磁界によって電磁的に遮断されることであってもよい。GPS位置の取得状態が表示基準を満足するとは、遮断空間においてGPS位置の精度が疑わしいにも拘わらず、なおもGPS位置の精度が高いと見なすことができる程度にGPS位置の取得状態が良好であることを意味する。GPS位置の取得状態とは、GPS位置の精度が評価可能な指標であればよく、受信したGPS信号の状態であってもよいし、GPS信号に基づいてGPS位置を取得する処理の処理状態であってもよいし、取得されたGPS位置そのものの状態であってもよい。
位置取得手段は、GPS位置のみならず、GPS位置の代替となる現在位置を取得してもよい。すなわち、車両が遮断空間を走行している場合、GPS位置が取得できないか、GPS位置が取得できても精度が疑わしいため、位置取得手段は、GPS信号によらない現在位置を取得してもよい。そして、表示制御手段は、車両が遮断空間を走行している場合、GPS位置の代替となる現在位置を表示部に表示させてもよい。さらに、表示制御手段は、車両が遮断空間を走行している場合、GPS位置の代替となる現在位置を車両の各種位置判定に利用してもよい。
遮断空間に車両が進入した場合とは、遮断空間の進入地点を車両が現実に走行した場合に限らず、遮断空間の所定距離手前を車両が走行した場合であってもよいし、遮断空間の進入後に所定距離だけ車両が走行した場合であってもよい。遮断モードは、少なくとも車両が分岐地点の走行後に遮断空間から脱出する際に実行が解除されていればよい。表示制御手段は、分岐地点の走行後に遮断空間から脱出するタイミングに間に合うように、分岐地点の所定距離手前を車両が走行した場合に遮断モードの実行を解除おけばよい。むろん、分岐地点の走行後に遮断空間から脱出するタイミングに間に合えばよく、表示制御手段は、分岐地点の走行したタイミングで遮断モードの実行を解除してもよい。
また、表示制御手段は、車両が遮断空間における分岐地点を走行する場合、GPS位置の取得状態が表示基準を満足するか否かに拘わらず、信頼度が所定信頼度以上のGPS位置が取得できたことを条件としてGPS位置を更新表示させる遮断分岐モードを実行してもよい。すなわち、遮断分岐モードにおいては、遮断モードのようにGPS位置の取得状態が表示基準を満足することまでは要求しないものの、所定信頼度以上の信頼度があるGPS位置を更新表示させるようにしてもよい。これにより、車両が遮断空間における分岐地点を走行する場合、精度のよいGPS位置を早期に更新表示させることができる。
さらに、表示制御手段は、遮断モードにおいて、GPS位置が取得できた累積取得回数が所定の第1基準回数以上であることを条件としてGPS位置を更新表示させてもよい。すなわち、遮断モードを開始してからGPS位置が取得できた累積取得回数が第1基準回数以上である場合に、GPS位置の累積的な信頼度が十分によくなったと見なして、当該GPS位置を更新表示させてもよい。このように、GPS位置の累積的な信頼度を評価することにより、GPS信号の受信状態が悪い状況において精度のよいGPS位置のみを更新表示できる。一般にGPS位置は所定の時間周期や走行距離周期の取得タイミングごとに取得される。そのため、遮断モードでは、遮断空間の出口付近において最初にGPS位置が取得できてから、最短でも第1基準回数分の取得タイミングが経過しなければGPS位置を更新表示する状態に復帰できないこととなる。
一方、表示制御手段は、遮断分岐モードにおいて、信頼度が所定信頼度以上のGPS位置が取得された回数が第1基準回数よりも少ない第2基準回数に達したことを条件としてGPS位置を更新表示させるようにしてもよい。このように、GPS位置の累積的な信頼度を評価することにより、一時的に信頼度の高いGPS位置が取得できたに過ぎない場合に、その後、精度が悪いGPS位置が更新表示されることが防止できる。ここで、遮断分岐モードでは、遮断空間の出口付近において最初にGPS位置が取得できてから、最短で第2基準回数分の取得タイミングが経過すればGPS位置を更新表示する状態に復帰し得る。遮断分岐モードにおける第2基準回数は遮断モードにおける第1基準回数よりも少ないため、遮断分岐モードの方が遮断モードよりも遮断空間の出口付近において早期にGPS位置を更新表示する状態に復帰し得る。すなわち、遮断空間を脱出する可能性が高い分岐地点を走行する場合は、早期にGPS位置を更新表示する状態に復帰させることができる。
さらに、位置取得手段は、車両の車速センサと方位センサとから出力された信号に基づく車両の現在位置であるセンサ位置を取得してもよい。これにより、GPS信号の受信状態に拘わらず、車両の現在位置を取得できる。そして、表示制御手段は、遮断分岐モードにおいて、センサ位置と類似するGPS位置が取得された場合に、GPS位置の信頼度が所定信頼度以上であるとしてもよい。GPS位置が当該GPS位置とは異なる手法によって特定されたセンサ位置に類似する場合、GPS位置の信頼度が高いと推定できるからである。ここで、GPS位置がセンサ位置に類似するとは、GPS位置がセンサ位置から所定距離以内であることであってもよいし、GPS位置の軌跡の方向とセンサ位置の軌跡の方向との差が所定角度以内であることであってもよい。また、ナビゲーションシステムが車両と別個の装置である場合、位置取得手段は、車両に備えられた車速センサと方位センサとから出力された信号を車両との通信によって取得してもよいし、車両のECU等が特定したセンサ位置を通信によって取得してもよい。方位センサは、車両の方位が特定可能な信号を生成するセンサであればよく、ステアリングセンサやジャイロセンサであってもよい。
さらに、位置取得手段は、車両が遮断空間における分岐地点を通過する前において、車両が走行する道路の道路形状とセンサ位置の軌跡とがマッチングするように補正したセンサ位置を取得してもよい。ここで、センサ位置は、方位センサに基づく移動方向に車速センサに基づく移動距離だけ過去のセンサ位置から進んだ位置に最新のセンサ位置を更新することにより得られる。従って、車両が遮断空間における分岐地点を通過する前に、予めセンサ位置を道路形状に基づいて高精度化させておくことにより、遮断分岐モードを実行する際におけるセンサ位置も高精度化させることができる。従って、遮断分岐モードにおいて、センサ位置に類似することをもってGPS位置の信頼度が高いと高精度に判定できる。むろん、位置取得手段は、車両が遮断空間における分岐地点を通過した後もセンサ位置を補正してもよいし、遮断分岐モードの実行中にセンサ位置を補正してもよい。
また、表示制御手段は、GPS位置を更新表示させない場合に、センサ位置を表示部に更新表示させるようにしてもよい。これにより、遮断空間を車両が走行する場合においても、車両の現在位置を継続して表示させることができる。さらに、遮断分岐モードにおいて、センサ位置とGPS位置とが類似する場合にGPS位置を更新表示する状態に復帰させれば、更新表示される現在位置がセンサ位置からGPS位置へと大きく遷移して運転者に違和感を与えることが防止できる。
さらに、本発明のようにGPS位置を更新表示させる行う手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合や、複数の装置によって実現される場合、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合が想定可能であり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のような装置を備えたナビゲーションシステムや方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)携帯端末の構成:
(2)更新表示対象設定処理:
(3)他の実施形態:
(1)携帯端末の構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかるナビゲーションシステムとしての携帯端末10の構成を示すブロック図である。携帯端末10は、車両と通信可能に接続されている。携帯端末10は、制御部20と記録媒体30とGPS受信部41とディスプレイ42と端末側通信部43とを備えている。制御部20は、CPUとRAMとROM等を備え、記録媒体30やROMに記憶されたプログラムを実行する。記録媒体30は、地図情報30aを記録する。地図情報30aは、道路区間の端点(交差点)に対応して設定されたノードを示すノードデータと、ノード間の道路区間に関する情報を示すリンクデータと、ノード間の道路区間の形状を特定するための形状補間点データ等を含んでいる。リンクデータにおいて、道路区間のうちGPS信号が遮断される遮断空間内の部分を特定する情報が各道路区間に対応付けられている。本実施形態において、道路区間のうちGPS信号が遮断される地下高速道路に対応する部分を特定する情報が各道路区間に対応付けられている。なお、携帯端末10は、地図情報30aのうち後述する更新表示対象設定処理や地図の表示に必要な部分を適宜通信により外部のサーバ等から取得してもよい。
GPS受信部41は、GPS衛星から発せられたGPS信号を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在位置であるGPS位置を算出するための信号を出力する。ディスプレイ42は、制御部20から出力された映像信号に基づいて各種案内を出力する映像出力装置である。本実施形態において、車両の現在位置に対応する座標にマーカが重畳された地図がディスプレイ42に表示される。端末側通信部43は、車両と通信を行うための通信回路を含む。端末側通信部43は車両と有線通信を行ってもよいし、無線通信を行ってもよい。
車両は、車両側通信部50とステアリングセンサ51と車速センサ52とを備えている。ステアリングセンサ51は、方位センサであり、車両の操舵角に対応した信号を車両側通信部50に出力する。車速センサ52は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を車両側通信部50に出力する。車両側通信部50は、操舵角に対応した信号および車輪の回転速度に対応した信号を携帯端末10の端末側通信部43に送信する。
携帯端末10の制御部20はナビゲーションプログラム21を実行する。ナビゲーションプログラム21は、位置取得部21aと表示制御部21bとを含む。
位置取得部21aは、GPS信号に基づく車両の現在位置であるGPS位置を取得する機能を制御部20に実行させるモジュールである。すなわち、位置取得部21aの機能により制御部20は、GPS受信部41から信号を取得し、当該取得した信号に基づいてGPS位置を取得する。本実施形態において、制御部20は、Δt秒周期の取得タイミングごとにGPS位置を取得する。
表示制御部21bは、GPS信号が遮断される遮断空間に車両が進入した場合、GPS位置の取得状態が所定の表示基準を満足することを条件としてGPS位置を更新表示させる遮断モードの実行を開始する機能を制御部20に実行させるモジュールである。すなわち、表示制御部21bの機能により制御部20は、GPS位置が取得できてもGPS位置の精度が疑わしい遮断空間において、GPS位置の取得状態が表示基準を満足する場合にのみGPS位置をディスプレイ42にて更新表示させる。なお、車両が遮断空間に進入した場合に遮断モードを開始するため、車両が遮断空間に進入する前においては遮断モードが実行されない。すなわち、車両が遮断空間を走行する前においては、車両が遮断空間を走行する場合よりもGPS信号の受信状態がよくなるため、GPS位置の取得状態が表示基準を満足するか否かに拘わらずGPS位置を更新表示させることとする。ここで、GPS位置の取得状態が表示基準を満足するとは、遮断空間においてGPS位置の精度が疑わしいにも拘わらず、なおもGPS位置の精度がよいと見なすことができる程度にGPS位置の取得状態が良好であることを意味し、本実施形態では以下のような表示基準を採用する。
すなわち、表示制御部21bの機能により制御部20は、遮断モードにおいて、GPS位置が取得できた累積取得回数が所定の第1基準回数以上であることを条件としてGPS位置を更新表示させる。つまり、制御部20は、GPS位置の精度が疑わしい遮断空間を走行する場合であっても、遮断モードを開始してから第1基準回数以上GPS位置が取得できた場合には、GPS位置の精度が十分によいと見なして、GPS位置をディスプレイ42にて更新表示させる。このように、GPS位置の取得状態を累積的に評価することにより、GPS信号の受信状態が悪い状況で一時的に取得された精度の悪いGPS位置がディスプレイ42に更新表示されることが防止できる。第1基準回数をX回と表すと、遮断モードでは、遮断空間の出口付近において最初にGPS位置が取得できてから、最短でも(X・Δt)秒経過しなければGPS位置を更新表示する状態に復帰できないこととなる。
さらに、表示制御部21bの機能により制御部20は、車両が遮断空間における分岐地点を走行する場合において、遮断モードの実行を解除する。すなわち、制御部20は、車両が遮断空間を走行する場合であっても、車両が遮断空間における分岐地点を走行する場合には、遮断モードの実行を停止させる。つまり、車両が遮断空間から脱出する可能性が高いと推定できる分岐地点を走行する場合には、車両が遮断空間に進入する前と同様に遮断モードの実行を解除する。ここで、地下高速道路内に設けられた分岐地点から分岐する分岐道路のいずれかは地下高速道路上の本線道路であるが、他のいずれかは地下高速道路から地上に脱出するランプ道路であると推定できる。従って、車両が遮断空間における分岐地点を走行する場合には、車両が遮断空間から脱出する可能性が高いと推定できる。
図2Aは、道路の平面図である。同図において、分岐地点P3において分岐元の道路区間W1から2個の道路区間W2,W3が分岐道路として分岐している。道路区間W2は直進方向に分岐し、道路区間W3は左方向に分岐している。道路の地下部分に対応する遮断空間U(実線枠内)は、分岐元の道路区間W1の一部(P0〜P3)と直進方向に分岐する道路区間W2の一部(P3〜P5)に沿って存在している。直進方向に分岐する道路区間W2は、地下高速道路の本線道路である。一方、左方向に分岐する道路区間W3は、地下高速道路から地上に出るためのランプ道路であり、分岐地点P3からしばらく道路区間W3を走行すると、車両は遮断空間Uから脱出することとなる。従って、車両が分岐地点P3を走行する場合、車両が遮断空間Uから脱出する可能性が高いと推定できる。
表示制御部21bの機能により制御部20は、車両が遮断空間Uにおける分岐地点P3を走行する場合、GPS位置の取得状態が表示基準を満足するか否かに拘わらず、信頼度が所定信頼度以上のGPS位置を更新表示させる遮断分岐モードの実行を開始する。すなわち、制御部20は、車両が遮断空間Uにおける分岐地点P3を走行する場合、遮断モードの実行を解除して、その代わりに遮断分岐モードを実行させる。この遮断分岐モードにおいて、制御部20は、遮断モードのようにGPS位置の取得状態が表示基準を満足することまでは要求しないものの、所定信頼度以上の信頼度があるGPS位置を更新表示させるようにする。これにより、精度のよいGPS位置を早期に更新表示させることができる。
具体的に、表示制御部21bの機能により制御部20は、遮断分岐モードにおいて、信頼度が所定信頼度以上のGPS位置が取得された回数が第1基準回数よりも少ない第2基準回数に達したことを条件としてGPS位置を更新表示させる。このように、GPS位置の累積的な信頼度を評価することにより、一時的に信頼度の高いGPS位置が取得できた場合でも、それ以降に取得された精度の悪いGPS位置が更新表示されることが防止できる。ここで、遮断分岐モードでは、遮断空間Uの出口付近にて最初にGPS位置が取得できてから、最短で第2基準回数分の取得タイミングが経過すればGPS位置を更新表示する状態に復帰し得る。第2基準回数分をY(<X)回と表すと、遮断分岐モードでは、最初にGPS位置が取得できてから、最短で(Y・Δt)秒経過すればGPS位置を更新表示する状態に復帰し得る。ここで、遮断分岐モードにおける第2基準回数は遮断モードにおける第1基準回数よりも少ないため、遮断分岐モード(Y・Δt)の方が遮断モード(X・Δt)よりも早期にGPS位置を更新表示する状態に復帰し得る。すなわち、遮断空間Uとしての地下高速道路を脱出する可能性が高い分岐地点P3を走行する場合は、遮断空間Uの出口付近にて早期にGPS位置を更新表示する状態に復帰できる。
表示制御部21bの機能により制御部20は、遮断分岐モードにおいて、センサ位置と類似するGPS位置が取得された場合に、GPS位置の信頼度が所定信頼度以上であるとする。GPS位置が当該GPS位置とは異なる手法によって特定されたセンサ位置に類似する場合、GPS位置の信頼度が高いと推定できるからである。本実施形態において、GPS位置がほぼ同時に取得されたセンサ位置の所定距離以内である場合に、GPS位置がセンサ位置に類似することとする。以下、センサ位置について説明する。
位置取得部21aの機能により制御部20は、車両の車速センサ52とステアリングセンサ51とから出力された信号に基づく車両の現在位置であるセンサ位置を取得する。これにより、GPS信号の受信状態に拘わらず、制御部20は、車両の現在位置を取得できる。制御部20は、所定の時間周期で方位センサに基づく移動方向と車速センサに基づく移動距離とを取得し、直前に取得したセンサ位置から移動方向に移動距離だけ進んだ位置を最新のセンサ位置として取得する。そのため、センサ位置には移動方向の誤差が蓄積しやすく、複雑な旋回を行った場合にセンサ位置の精度が悪くなりやすい。
位置取得部21aの機能により制御部20は、車両が遮断空間Uにおける分岐地点P3を通過する前において、車両が走行する道路の道路形状とセンサ位置の軌跡とがマッチングするように補正したセンサ位置を取得する。図2Bにおいては、車両が遮断空間Uにおける分岐地点P3を通過する前に取得されたセンサ位置(白丸)の軌跡を示す。図2Bに示すように、分岐元の道路区間W1の道路の方向に対してセンサ位置の軌跡の方向(二点鎖線)が時計回り方向に角度θだけずれている。図2Cに示すように、制御部20は、センサ位置の軌跡を反時計回り方向に角度θだけ回転補正することにより、センサ位置の軌跡と分岐元の道路区間W1の道路の形状とをマッチングさせる。このように、予めセンサ位置を道路形状に基づいて高精度化させておくことにより、図2Dに示すように分岐地点P3を通過した後に取得されたセンサ位置(二重丸)も高精度化させることができる。従って、遮断分岐モードにおいて、センサ位置に類似することをもってGPS位置の信頼度が高いと高精度に判定できる。なお、制御部20は、道路形状とセンサ位置の軌跡形状とがマッチングするようにセンサ位置を補正すればよく、補正手法は回転補正に限られない。
また、表示制御部21bの機能により制御部20は、GPS位置を更新表示させない場合に、センサ位置をディスプレイ42に更新表示させる。これにより、遮断空間Uにおいても、車両の現在位置を継続して表示させることができる。さらに、遮断分岐モードにおいて、センサ位置とGPS位置とが類似する場合にGPS位置を更新表示する状態に復帰させるため、更新表示される現在位置がセンサ位置からGPS位置へと大きく遷移することが防止できる。例えば、図3Dに示すように、GPS位置が同時に取得されたセンサ位置の所定距離E以内(破線の範囲内)である場合に、センサ位置とGPS位置とが類似するとした場合、センサ位置からGPS位置へと遷移する遷移距離を所定距離E程度に抑制することができる。
上述のように、本実施形態では、遮断空間Uとしての地下高速道路を脱出する可能性が高い分岐地点P3を走行する場合は、遮断空間Uの出口付近にて早期にGPS位置を更新表示する状態に復帰できる。特に地下高速道路から一般道に脱出する場合、一般道にて複雑な旋回を行うことが想定される。従って、地下高速道路から一般道に脱出する場合に、旋回により誤差が生じやすいセンサ位置を更新表示する状態から早期にGPS位置を更新表示する状態に復帰させることにより、一般道における複雑な旋回に備えることができる。
(2)更新表示対象設定処理:
図3は、更新表示対象設定処理のフローチャートである。更新表示対象設定処理は、GPS信号が受信不能となり、GPS位置が取得できない状態となった場合に実行される処理である。また、更新表示対象設定処理では通常モードと遮断モードと遮断分岐モードのいずれかの動作モードが排他的に設定され、更新表示対象設定処理の開始時の初期状態では動作モードが通常モードに設定されている。動作モードが通常モードに設定されている場合、更新表示対象はGPS位置となる。更新表示対象設定処理の実行中において、位置取得部21aの機能により制御部20は、更新表示対象であるか否かに拘わらずΔt秒周期の取得タイミングごとにGPS位置(取得できる場合)とセンサ位置とを取得する。なお、GPS位置とセンサ位置とで取得タイミングの周期が異なってもよい。
まず、表示制御部21bの機能により制御部20は、車両がトンネル内を走行しているか否かを判定する(ステップS100)。例えば、制御部20は、地図情報30aを参照して遮断空間U内の道路の区間を特定し、当該遮断空間U内の道路の区間から所定距離以内にセンサ位置が存在するか否かを判定する。車両が遮断空間Uを走行していると判定されなかった場合(ステップS100:N)、制御部20は、ステップS100に戻る。すなわち、車両が遮断空間Uに進入していないため、一時的にGPS位置が取得できなかったに過ぎないと推定できる。そのため、精度のよいGPS位置の取得が期待できるとして、動作モードを通常モードのままにして更新表示対象をGPS位置のままとする。
一方、車両が遮断空間Uを走行していると判定された場合(ステップS100:Y)、表示制御部21bの機能により制御部20は、動作モードを遮断モードに設定する(ステップS110)。さらに、表示制御部21bの機能により制御部20は、センサ位置を更新表示対象に設定する(ステップS115)。すなわち、車両が遮断空間Uを走行しており、しばらく精度のよいGPS位置の取得が期待できない場合に、動作モードを遮断モードに設定し、センサ位置をディスプレイ42に更新表示させることとする。ステップS100〜S115において、車両が遮断空間U内を走行していない状態から車両が遮断空間U内を走行している状態へ転じた場合、すなわち車両が遮断空間U内に進入した場合、通常モードの実行が解除され、遮断モードの実行が開始されることとなる。
次に、表示制御部21bの機能により制御部20は、車両が分岐地点P3の所定距離K手前の開始地点P1を走行しているか否かを判定する(ステップS120)。例えば、制御部20は、最新のセンサ位置が開始地点P1から所定距離以内にある場合に、車両が開始地点P1を走行していると判定してもよい。また、制御部20は、遮断空間Uへ進入した時刻から現在までに車両が走行した走行距離を車速センサからの信号に基づいて特定し、当該走行距離が遮断空間Uの進入地点P0から開始地点P1までの道路区間W1の長さと等しくなった場合に、車両が開始地点P1を走行していると判定してもよい。さらに、制御部20は、最新のセンサ位置と遮断空間Uへ進入した時刻におけるセンサ位置との直線距離が遮断空間Uの進入地点P0から開始地点P1までの道路区間W1の長さと等しくなった場合に、車両が開始地点P1を走行していると判定してもよい。
車両が分岐地点P3の所定距離K手前の開始地点P1を走行していると判定されなかった場合、表示制御部21bの機能により制御部20は、GPS位置の累積取得回数が第1基準回数(X回)以上であるか否かを判定する(ステップS125)。すなわち、動作モードが遮断モードである状態において、制御部20は、GPS位置の取得状態が表示基準を満足するか否かを判定する。本実施形態では、Δt秒ごとの取得タイミングにおいて失敗することなく継続してGPS位置が取得できた回数を累積取得回数とし、取得タイミングにおいてGPS位置が取得できなかった場合には累積取得回数を0にリセットする。すなわち、制御部20は、(X・Δt)秒間以上継続してGPS信号の受信状態が良好であったか否かを判定する。なお、取得タイミングにおいてGPS位置が取得できなかった場合でもリセットすることなく、GPS位置が取得するごとに1を加算する累積取得回数を採用してもよい。
GPS位置の累積取得回数が第1基準回数以上であると判定されなかった場合(ステップS120:N)、表示制御部21bの機能により制御部20は、ステップS120に戻る。すなわち、車両が遮断空間Uを走行する場合、分岐地点P3の所定距離K手前の開始地点P1を走行した場合(ステップS120:Y)を除いて、GPS位置の累積取得回数が第1基準回数以上であるか否かが繰り返して判定されることとなる。従って、車両が遮断空間Uを走行する場合、分岐地点P3を走行する場合を除いて、GPS位置の累積取得回数が第1基準回数以上とならない限り、動作モードが遮断モードに維持されセンサ位置が更新表示対象として維持され続けることとなる。そのため、地下高速道路において屋根の一部が開放されている半屋根区間を走行する場合等において、一時的にGPS位置が取得できた場合に、当該GPS位置が更新表示されることが防止できる。このような場合、GPS信号の受信状態が不安定となるため、精度の悪いGPS位置を更新表示させてしまうこととなる。
一方、GPS位置の累積取得回数が第1基準回数以上であると判定された場合、表示制御部21bの機能により制御部20は、動作モードを通常モードに設定する(ステップS130)。そして、表示制御部21bの機能により制御部20は、GPS位置を更新表示対象として設定する(ステップS135)。すなわち、GPS位置の累積取得回数が第1基準回数以上であると判定された場合、十分に精度のよいGPS位置を更新表示できるとして、動作モードを遮断モードから通常モードに復帰させ、GPS位置を更新表示する状態に復帰させる。なお、ステップS125は、GPS位置の取得タイミングごとに実行されるように実行タイミングが調整されることが望ましい。
一方、車両が分岐地点P3の所定距離K手前の開始地点P1を走行していると判定された場合(ステップS120:Y)、表示制御部21bの機能により制御部20は、センサ位置が補正可能であるか否かを判定する(ステップS140)。具体的に、制御部20は、分岐地点P3の手前の道路形状が所定基準よりも直線に近く、かつ、開始地点P1を走行後におけるセンサ位置の軌跡L1が所定基準よりも直線に近くなった段階で、センサ位置が補正可能であると判定する。すなわち、分岐元の道路区間W1の道路の方向とセンサ位置の軌跡L1の方向とがなす角度θ(図2B)が特定可能となった段階で、センサ位置が補正可能であると判定する。センサ位置が補正可能であると判定されなかった場合(ステップS140:N)、表示制御部21bの機能により制御部20は、ステップS100に戻る。すなわち、精度のよいセンサ位置を得ることができず、後述する遮断分岐モードにおいて高精度にGPS位置の信頼度が判定できないとして、遮断分岐モードの実行を回避して動作モードを遮断モードのままとする。本実施形態において、制御部20は、開始地点P1を走行後、車両がK未満の所定距離を走行しても、開始地点P1を走行後のセンサ位置の軌跡が所定基準よりも直線に近くならなかった場合に、センサ位置が補正不能であると判定する。
センサ位置が補正可能であると判定された場合(ステップS140:Y)、表示制御部21bの機能により制御部20は、動作モードを遮断分岐モードに設定する(ステップS145)。すなわち、制御部20は、開始地点P1を走行後においてセンサ位置の補正が可能であると判定された段階で、高精度にGPS位置の信頼度が判定できるとして、遮断分岐モードの実行を開始させる。なお、遮断分岐モードの実行を開始させることは、分岐モードの実行を解除することを意味する。本実施形態では、開始地点P1から分岐地点P3の間の地点であって、センサ位置の補正が可能であると判定された地点において遮断モードの実行が解除されることとなる。分岐地点P3を走行するよりも前に遮断モードの実行が解除されるため、分岐地点P3の走行後に遮断空間Uから脱出する脱出地点P6を走行するよりも前に遮断モードの実行を解除しておくことができる。
次に、位置取得部21aの機能により制御部20は、センサ位置を補正する(ステップS150)。すなわち、図2Cに示すように、開始地点P1を走行してから分岐地点P3を走行するまでのセンサ位置の軌跡L1と、分岐元の道路区間W1の道路形状とがマッチングするようにセンサ位置の軌跡L1を補正する。なお、センサ位置の補正は、車両が分岐地点P3を走行するまでに行っておけばよく、開始地点P1を走行する前からセンサ位置が得られるごとに、当該センサ位置が分岐元の道路区間W1の道路形状にマッチングするように補正しておいてもよい。
次に、表示制御部21bの機能により制御部20は、車両が分岐地点P3から終了距離S(図2A)以内に存在するか否かを判定する(ステップS155)。すなわち、制御部20は、車両が終了距離Sだけ分岐地点P3を通り過ぎたか否かを判定する。例えば、制御部20は、分岐地点P3とセンサ位置との直線距離が終了距離S以下であるか否かを判定してもよい。車両が分岐地点P3から終了距離S以内に存在すると判定された場合(ステップS155:Y)、表示制御部21bの機能により制御部20は、GPS位置とセンサ位置とが類似するか否かを判定し、類似する場合には解除カウンタを1だけ増加させる(ステップS160)。すなわち、遮断分岐モードにおいて、制御部20は、最新(最新の取得タイミング)のGPS位置が取得できた場合には、最新のGPS位置(白三角:図2D)と、分岐地点P3を走行後のセンサ位置(白二重丸:図2D)の軌跡L2のうち最新のセンサ位置(センサ位置の軌跡L2の上端の白二重丸:図2D)との直線距離が所定距離E以内であるか否かを判定する。そして、最新のGPS位置と最新のセンサ位置との直線距離が所定距離E以内である場合、制御部20は、GPS位置とセンサ位置とが類似し、GPS位置の信頼度が所定信頼度以上であるとして、解除カウンタを1だけ増加させる。なお、最新のGPS位置が取得できなかった場合、および、取得できた最新のGPS位置が最新のセンサ位置に類似しない場合には、解除カウンタを増加させることなく、ステップS160を終了させる。
次に、表示制御部21bの機能により制御部20は、解除カウンタが第2基準回数(Y回)以上であるか否かを判定する(ステップS165)。すなわち、制御部20は、遮断分岐モードにおいて、信頼度が所定信頼度以上のGPS位置が取得された回数を示す解除カウンタが第1基準回数よりも少ない第2基準回数に達したか否かを判定する。解除カウンタが第2基準回数以上であると判定されなかった場合(ステップS165:N)、表示制御部21bの機能により制御部20は、ステップS155に戻る。すなわち、遮断分岐モードにおいて、車両が分岐地点P3から終了距離S以内に存在する限り、制御部20は、ステップS160にて解除カウンタを増加させる処理を繰り返す。なお、ステップS160は、GPS位置の取得タイミングごとに実行されるように実行タイミングが調整されることが望ましい。
一方、解除カウンタが第2基準回数以上であると判定された場合(ステップS165:Y)、表示制御部21bの機能により制御部20は、動作モードを通常モードに設定する(ステップS130)。そして、表示制御部21bの機能により制御部20は、GPS位置を更新表示対象として設定する(ステップS135)。すなわち、解除カウンタが第2基準回数以上であると判定された場合、精度の高いGPS位置を更新表示できるとして、動作モードを遮断分岐モードから通常モードに復帰させ、GPS位置を更新表示する状態に復帰する。なお、解除カウンタが第2基準回数以上となることなく、車両が分岐地点P3から終了距離S以内に存在すると判定されなくなった場合(ステップS155:N)、所定期間経過後、ステップS100に戻る。すなわち、車両が分岐地点P3を走行したものの、遮断空間Uから脱出できる道路区間W3を走行しなかったとして、動作モードを遮断モードに戻す(ステップS110)。
ここで、遮断モードのステップS125においては、最初にGPS位置が取得できてから動作モードが通常モードに復帰できるまでに、最短でも第1基準回数に対応した(X・Δt)秒だけの期間を要する。一方、遮断分岐モードのステップS165においては、最初にGPS位置が取得できてから動作モードが通常モードに復帰できるまでに、最短で第2基準回数に対応した(Y・Δt)秒だけの期間を要する。第2基準回数は第1基準回数よりも少ない(X>Y)ため、遮断モードよりも遮断分岐モードの方が早期に通常モードに復帰し得ると言うことができる。従って、車両が分岐地点P3を走行し、地下高速道路の遮断空間Uを脱出する可能性が高い場合に、早期にGPS位置を更新表示する状態へと復帰させることができる。
図2Eは、図2Aの分岐地点P3から直進方向の道路区間W2に車両が退出した場合における制御部20の動作を示すタイミングチャートである。まず、車両が分岐元の道路区間W1における遮断空間Uの進入地点P0を走行すると、車両が遮断空間Uに進入したとして遮断モードの実行が開始される。車両が分岐地点P3の所定距離K手前の開始地点P1から分岐地点P3までの区間においてセンサ位置の補正が可能と判定された段階で、遮断モードの実行が解除され遮断分岐モードの実行が開始される。分岐地点P3から終了距離Sだけ進んだ限界地点P4を車両が走行すると、遮断分岐モードの実行を解除して、遮断モードの実行を開始させる。すなわち、信頼度が所定信頼度以上のGPS位置が取得された回数が第2基準回数に達することなく、車両が分岐地点P3から終了距離Sだけ離れると、遮断空間Uから早期に脱出できる道路区間W3へと車両が退出せず、しばらく遮断空間U内を車両が走行するとして、遮断モードの実行を開始させる。図2Aにおいて、直進方向の道路区間W2における脱出地点P5にて車両が遮断空間Uから脱出し、その後、GPS位置が常に取得できるようになることとする。この場合、脱出地点P5を走行してから、第1基準回数分の取得タイミングが経過する(X・Δt)秒経過後に、GPS位置を更新表示させる通常モードに復帰できることとなる。
図2Fは、図2Aの分岐地点P3から左方向の道路区間W3に車両が退出した場合における制御部20の動作を示すタイミングチャートである。図2Aにおいて、左方向の道路区間W3における脱出地点P6にて車両が遮断空間Uから脱出し、その後、信頼度が所定信頼度よりも高いGPS位置が常に取得できるようになることとする。この場合、脱出地点P6を走行してから、第2基準回数分の取得タイミングが経過する(Y・Δt)秒経過後に、GPS位置を更新表示させる通常モードに復帰できることとなる。図2Fに示すように遮断分岐モードにおいて遮断空間Uを脱出する場合の方が、図2Eのように遮断モードにおいて遮断空間Uを脱出する場合よりも、早期にGPS位置を更新表示させる通常モードに復帰し得ることとなる。さらに、地下高速道路の遮断空間Uを脱出する可能性が高い場合に、早期にGPS位置を更新表示する状態へと復帰させることができるため、一般道における複雑な旋回に対応できる。一方、遮断モードにおいて遮断空間Uを脱出する場合、道なりに地下高速道路が地上の高速道路へと変化したものと考えられる。この場合、複雑な旋回がなされる可能性が少ないため、GPS位置が取得できるようになってから、しばらくセンサ位置を更新表示する状態を維持しても、車両の現在位置を正確に更新表示できる。
(3)他の実施形態:
図4は、他の実施形態にかかる更新表示対象設定処理のフローチャートである。本発明の実施形態においては、車両が分岐地点P3を走行する場合に、遮断モードの実行を解除することができればよい。従って、分岐地点P3の所定距離K手前の開始地点P1を走行したと判定された場合に(ステップS120:Y)、表示制御部21bの機能により制御部20は、即座に動作モードを通常モードに設定してもよい(ステップS130)。これにより、車両が分岐地点P3を走行する場合に、早期に、GPS位置を更新表示させる状態へと復帰させることができる。むろん、センサ位置が補正可能であるか否かに拘わらず、車両が分岐地点P3を走行する場合に、遮断モードの実行を解除してもよい。
また、位置取得部21aの機能により制御部20は、GPS信号のみに基づいてGPS位置を取得しなくてもよく、GPS信号に基づく位置を道路形状や過去の軌跡形状等の補正要素に基づいて補正することによりGPS位置を取得してもよい。遮断空間Uは、遮断空間Uを取り囲む構造物によってGPS信号が反射・吸収されるトンネル区間や高層ビルの密集区間等であってもよいし、電波塔等が形成する電磁界によってGPS信号が乱される区間であってもよい。また、GPS位置の取得状態とは、GPS位置の精度が評価可能な指標であればよく、GPS位置を取得するまでの処理の処理状態であってもよいし、取得されたGPS位置そのものの状態であってもよい。
位置取得部21aの機能により制御部20は、車両が遮断空間Uを走行する直前のGPS位置の軌跡に基づいて遮断空間U進入時の車速を特定し、当該車速を維持して車両が走行しているものと仮定してGPS位置の代替となる現在位置を取得してもよい。位置取得部21aの機能により制御部20は、車両のECU等が車速センサと方位センサとから出力された信号に基づいて特定したセンサ位置を通信によって取得してもよい。方位センサは、車両の方位が特定可能な信号を生成するセンサであればよく、ジャイロセンサであってもよい。
また、表示制御部21bの機能により制御部20は、分岐地点P3の走行後、所定距離走行するまでは遮断空間Uを脱出する可能性は低いと推定し、分岐地点P3走行後、所定距離走行したタイミングで遮断モードの実行を解除してもよい。表示制御部21bの機能により制御部20は、GPS位置の軌跡の方向とセンサ位置の軌跡L2の方向とが所定角度以内である場合に、GPS位置がセンサ位置に類似すると判定してもよい。
さらに、表示制御部21bの機能により制御部20は、GPS位置を更新表示させない場合に、車両の現在位置を示すマーカを表示させることなく、地図のみをディスプレイ42に表示させてもよい。この場合でも、遮断分岐モードを実行させることにより、早期に現在位置を更新表示させる状態へと復帰させることができる。