JP5935898B2 - 流路モジュール及びその流路モジュールを備えたクロマトグラフ - Google Patents
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Description
本発明は、流路モジュール及びその流路モジュールを分析カラムとして用いたガスクロマトグラフや液体クロマトグラフなどのクロマトグラフに関するものである。
従来から、微細な流路構造を形成し、その流路内において流体試料の合成や分離、分析等を行なう研究が多くなされており、その技術分野としてマイクロTAS(Total Analysis System)が広く知られている。微細な流路構造を形成する方法として2枚のプレートを張り合わせて平板状の流路プレートとする方法が一般的に知られている。流路プレートは、一方のプレートの面に微細流路となる溝が形成され、他方のプレートには前記微細流路の端部に相当する位置に該微細流路の出入口となる貫通穴が形成され、溝の形成されている面が内側になるように両プレートが貼り合わされて形成される。
かかる流路プレートに流体試料の出し入れを行なうために、流路プレートの内部流路に対して外部流路を接続する際、流体試料の漏れがないように高い気密性又は液密性を確保する必要がある。流路プレートの内部流路に外部流路を接続する上では、その接続部からの流体試料の漏れがないことに加え、接続部におけるデッドボリュームが小さいことが望まれる。例えば流路プレートをガスクロマトグラフィや液体クロマトグラフィのような分離分析用カラムとして用いた場合、特に出口側の接続部に大きなデッドボリュームが存在すると、クロマトグラムのピーク形状に影響を与え、分析結果が損なわれてしまう。
接続部において流体試料の漏れをなくし、かつ接続部におけるデッドボリュームを小さくする方法としては、フェルルを用いて外部流路であるキャピラリ等を接続できる接続ブロックを流路プレートとの間にガスケットを挟み込んで流路プレート本体に押し当てる方法(特許文献1参照。)や、接続ブロックを直接、流路プレート本体に接合する方法(非特許文献1参照。)が挙げられる。
Nishino M, et al. Development chip of μ\ochGC(Micro Gas Chromatography) with high performance micromachined chip column, IEEJ Trans, 4,pp358-364,(2009)
接続ブロックを流路プレート本体の表面に押し付ける方法を採用した場合、接続ブロックと流路プレートの間からの漏れがないように接続ブロックを流路プレートに強い力で押し付ける必要がある。流路プレートは厚みが薄く、そのため、一部分のみを強い力で押し付けると流路プレートが歪んでしまうことがある。そのため、流路プレートの接続ブロックが押し付けられる面とは反対側の面にバッキングプレートを配置し、接続ブロックとバッキングプレートとで流路プレートを挟み込むようにして接続ブロックを流路プレートに押し付ける。
しかし、このバッキングプレートが接続ブロックに対して平行に配置されていないと、接続ブロックが流路プレートに片当たりしてしまい、流路プレートと接続ブロックとの間の気密性又は液密性が保てずに接続部から流体試料が漏れてしまう。かかる問題を防止するためには、接続ブロックとバッキングプレートを平行に配置するための保持機構が必要になり、流路プレートの内部流路に外部流路を接続するための機構が大掛かりなものとなってしまう。
他方、接続ブロックを流路プレート本体に直接接合する方法を採用した場合、接続ブロックと流路プレートとの間の接続部からの漏れの心配はない。しかし、上記の接続ブロックを流路プレートの表面に押し付ける方法の場合も同様であるが、接続ブロックが流路プレートの表面から突出する突起となるため、この流路プレートに加熱機構を装着する場合に、接続ブロックがあるために平板状のヒータをそのまま流路プレート本体の表面全体に密着させることができず、ヒータに加工を施す必要がある。また、流路プレート本体が単純な平板形状でなく突起をもった形状となるため、ヒータと流路プレートの着脱が煩雑になってしまう。
さらに、上記のいずれの方法にしても、流路プレート本体に接続部が存在することによって流路プレート本体の熱容量が面内で不均一となってしまい、流路プレート本体をヒータで加熱する際にヒータの温度を面内において均一にすることが困難となる。流路プレート本体の温度が面内において不均一になると内部流路の温度が場所によって相違するようになるため、合成反応やクロマトグラフィのような温度の影響を受けやすい用途に使用することができない。
そこで、本発明は、流路プレートの内部流路と外部流路との接続部において高い気密性及び液密性を有するとともに流路プレート本体を面内において均一に加熱することができるようにすることを目的とするものである。
本発明にかかる流路モジュールは、主平面をもつ平板状の流路プレート本体に主平面内において流路プレート本体の周縁から周囲方向へ突出した突出部を有し、流路プレート本体に内部流路が形成され内部流路の端部が突出部内に引き出され、突出部の表面に内部流路に通じるポートが設けられている流路プレートと、突出部と嵌合し突出部のポートと対向するポート対向面を内部に有する凹部、及びポート対向面と流路によって接続されている外部流路接続部を備えた流路接続ブロックと、ポート対向面と外部流路接続部とを接続する流路とポートが互いに気密又は液密を保って接続されるように凹部に挿入された突出部とポート対向面とを互いに押し付ける押付機構と、を備えたものである。
なお、「突出部とポート対向面とを互いに押し付ける」とは、突出部のポートが設けられている表面とポート対向面とを直接的に接触させて押し付ける場合に限らず、両者の間に弾性体からなるガスケットなどのシール部材を挟み込んで押し付ける場合も含む。
なお、「突出部とポート対向面とを互いに押し付ける」とは、突出部のポートが設けられている表面とポート対向面とを直接的に接触させて押し付ける場合に限らず、両者の間に弾性体からなるガスケットなどのシール部材を挟み込んで押し付ける場合も含む。
本発明にかかるガスクロマトグラフは、本発明の流路モジュールによって構成された分析カラムと、分析カラムの入口側のポートに流路を介して接続され、分析カラムに試料ガスを導入するための試料導入部と、分析カラムの出口側のポートに流路を介して接続され、分析カラムにおいて分離された試料成分を検出するための検出器と、を備えたものである。
本発明の流路モジュールでは、流路プレート本体に設けられた突出部を流路接続ブロックの凹部に挿入して外部流路を接続するようになっているので、流路プレートの平板状の流路プレート本体に干渉することなく流路プレートのポートに外部流路を接続することができる。これにより、流路プレート本体に突起構造を形成することがなく、平板状のヒータを用いて流路プレート本体の温度制御を行なうことが可能になる。また、流路接続ブロックには凹部に挿入された突出部のポートと凹部内のポート対向面とを押し付ける押付機構が設けられているので、流路プレートの内部流路と流路接続ブロックの接続流路の接続部の気密性又は液密性を高めることができる。凹部が突出部と嵌合するように設けられているため、突出部のポートと外部流路接続部の位置決めが容易である。この構造により、突出部のポートと外部流路接続部に通じる流路とを凹部内において直接的に接続することが可能なため、突出部のポートと外部流路接続部との接続部分において余計な空間を設ける必要がなく、デッドボリュームを小さくすることができる。
本発明のガスクロマトグラフでは、分析カラムとして本発明の流路モジュールを使用しているので、分析カラムの温度制御が均一になされるとともに分析カラムにおける流路の接続部において高い気密性が保たれ、高い分析結果の再現性を得ることができる。
本発明の流路モジュールでは、流路接続ブロックがブロック本体とブロック本体に装着された駆動部で構成されているようにしてもよい。その場合、凹部はブロック本体に設けられ、外部流路接続部は駆動部に設けられており、ブロック本体は駆動部を挿入するための穴であって該ブロック本体表面から凹部まで貫通した駆動部挿入穴を備え、駆動部は駆動部挿入穴に先端から挿入される挿入部及び挿入部の先端に設けられた先端平面を備えており、先端平面と外部流路接続部が流路によって接続されてポート対向面をなし、押付機構は、駆動部挿入穴の内周面にネジが切られ、挿入部の外周面に駆動部挿入穴の内周面のネジと螺合するネジが切られ、駆動部をブロック本体とは相対的に回転させて駆動部を駆動部挿入穴への挿入方向に変位させることで先端平面を突出部に押し付けるものであってもよい。かかる構成にすることで、流路接続ブロックの構成を簡単なものとすることができるとともに、押付機構の構成も簡単なものとすることができる。流路プレートの突出部をブロック本体の凹部に挿入して駆動部を回転させるだけで、流路プレートの内部流路と流路接続ブロックの接続流路の接続部の気密性又は液密性が確保されるので、流路プレートの内部流路に対する外部流路の接続が容易である。
また、本発明の流路接続ブロックがブロック本体と駆動部で構成されている場合の他の例としては、凹部及び外部流路接続部はブロック本体に設けられており、ブロック本体は駆動部を挿入するための穴であって該ブロック本体の表面から凹部のポート対向面と対向する内壁面まで貫通した駆動部挿入穴を備え、駆動部は駆動部挿入穴に挿入される先端に平面を有し、押付機構は、駆動部挿入穴の内周面にネジが切られ、駆動部の外周面に駆動部挿入穴の内周面のネジと螺合するネジが切られ、駆動部をブロック本体とは相対的に回転させて駆動部を駆動部挿入穴への挿入方向に変位させることで、駆動部先端の平面によって突出部をポート対向面に押し付けるものである例を挙げることができる。かかる構成にしても、流路接続ブロックの構成及び押付機構の構成を簡単なものとすることができる。流路プレートの突出部をブロック本体の凹部に挿入して駆動部を回転させるだけで、流路プレートの内部流路と流路接続ブロックの接続流路の接続部の気密性又は液密性が確保されるので、流路プレートの内部流路に対する外部流路の接続が容易である。
また、凹部内の最も奥に位置する終端壁面と接続流路のポート対向面側端部との位置関係は突出部の終端部とポートとの位置関係に対応したものであり、凹部に挿入された突出部の終端部が該凹部の終端壁面に接触したときに接続流路とポートとの位置決めがなされるように設定されていることが好ましい。そうすれば、凹部の奥まで流路プレートの突出部を挿入するだけで、接続流路のポート対向面側の端部がポートに対して位置決めがなされるので、流路プレートの内部流路と外部流路との接続が容易にかつ正確になされるようになる。
流路接続ブロックにおける流路の接続部分のシール性を高めるために、突出部のポートとポート対向面との間には、ポートに対応する位置に貫通孔を有するリング状のシール部材が挟み込まれることが考えられるが、その場合には、突出部のシール部材が配置される位置にシール部材と同一形状の凹部が設けられていることが好ましい。そうすれば、突出部のポートに対するシール部材の位置決めが容易になる上、流路接続ブロックの凹部に突出部を挿入する際のシール部材の位置ずれを防止することができる。
流路プレートは金属からなるものであることが好ましい。そうすれば、流路プレートが高い強度を有するものとなり、流路接続ブロックの押付機構によって押し付ける強度を高くすることができ、流路接続ブロックにおける流路の接続部のシール性をさらに高めることができる。
また、流路プレートの内部流路内にクロマトグラム分離用の固定相が担持されているようにしてもよい。そうすれば、本発明の流路モジュールをクロマトグラフィ用の分析カラムとして使用することができる。
流路モジュールの一実施例を図1を用いて説明する。
この流路モジュールは流路プレート2、流路接続ブロック1及び押付機構からなる。流路プレート2は流路プレート本体3と突出部8a,8bからなる。流路プレート2は、一表面に流路4となる溝が形成された金属製(例えばステンレス製)のプレート2aと、流路4に通じるポート6a,6b(図3を参照)となる貫通孔が形成された金属製のプレート2bが張り合わされて構成されたものである。流路プレート2は流路4の大部分が内部に形成されている流路プレート本体3とその流路プレート本体の周縁から周囲方向に突出した2つの突出部8a及び8bを有する。流路4の両端部はそれぞれ突出部8aと8bの内部の終端部近傍に引き出されている。突出部8aと8bの一表面には流路4のそれぞれの端部に通じるポート6aと6bが設けられている。プレート2a及び2bの厚みが例えば0.5mmである。プレート2aの溝は、例えば幅が200μmであり深さが100μmであり、例えばフォトエッチングにより形成されている。プレート2bの貫通孔は直径が例えば0.5mmである。
この流路モジュールは流路プレート2、流路接続ブロック1及び押付機構からなる。流路プレート2は流路プレート本体3と突出部8a,8bからなる。流路プレート2は、一表面に流路4となる溝が形成された金属製(例えばステンレス製)のプレート2aと、流路4に通じるポート6a,6b(図3を参照)となる貫通孔が形成された金属製のプレート2bが張り合わされて構成されたものである。流路プレート2は流路4の大部分が内部に形成されている流路プレート本体3とその流路プレート本体の周縁から周囲方向に突出した2つの突出部8a及び8bを有する。流路4の両端部はそれぞれ突出部8aと8bの内部の終端部近傍に引き出されている。突出部8aと8bの一表面には流路4のそれぞれの端部に通じるポート6aと6bが設けられている。プレート2a及び2bの厚みが例えば0.5mmである。プレート2aの溝は、例えば幅が200μmであり深さが100μmであり、例えばフォトエッチングにより形成されている。プレート2bの貫通孔は直径が例えば0.5mmである。
流路プレート2のポート6aと6bはともに流路接続ブロック1によって外部流路と接続される。流路接続ブロック1は流路プレート2の突出部8a及び8bにそれぞれ装着され、ポート6a及び6bにそれぞれ外部流路としてのキャピラリを接続する。突出部8aと8bに装着されている流路接続ブロック1はともに同一の構造をもつものである。以下では、突出部8aに装着された流路接続ブロック1についてのみ説明する。
流路接続ブロック1はブロック本体10とリテーナ16によって構成されている。図2に示されているように、ブロック本体10は直方体形状の部材である。ブロック本体10は、一側面に開口を有し、流路プレート2の突出部8aを挿入して嵌合させるための凹部12を備えている。凹部12の開口が設けられている側面に垂直な面に、凹部12に達し凹部12と垂直に交わる円形の穴14が開けられている。穴14はリテーナ16を挿入して装着するための駆動部挿入穴であり、その内周面にリテーナ16をネジの締結によって着脱させるためのネジ15が切られている。後述するが、リテーナ16の外周面に穴14の内周面のネジと螺合するネジが切られている。
リテーナ16は円柱形状の部材である。リテーナ16の一端側がブロック本体10の穴14に挿入される挿入部となっており、他端側が外部流路であるキャピラリを接続するための外部流路接続部となっている。リテーナ16の一端側の端部は平面(先端平面)となっている。この平面がブロック本体10の穴14に挿入されて凹部12内の空間に面することで、凹部12に挿入された流路プレート2の突出部8aの一表面と対向する。突出部8aは、ポート6a側表面が凹部12内において穴14側を向くように凹部12に挿入される。リテーナ16の一端の平面は突出部8aのポート6aと対向するポート対向面をなしている。
一端側近傍の外周面に穴14の内周面のネジ15と螺合するネジ22が切られている。リテーナ16は自身が回させられることでブロック本体10とは相対的にその軸方向(図1(A)では紙面に対して垂直な方向、図1(B)では上下方向)に変位するようになっている。リテーナ16は流路接続ブロック1の駆動部をなしており、穴14の内周面に切られたネジ15とリテーナ16の外周面に切られたネジ22とが駆動部変位機構をなしている。
リテーナ16の他端側の端部にキャピラリを接続するための開口部18が設けられており、その開口部18は接続流路20を通じて一端部の平面に通じている。リテーナ16の他端側の外周面にはフェルルによりキャピラリをこのリテーナ16に固定するためのネジ24が切られている。
ブロック本体10にリテーナ16が装着された状態での接続流路20のポート対向面側の端部の位置は、凹部12に挿入された突出部8aの終端部が凹部12の最も奥に位置する終端壁面にまで達しているときのポート6aの位置に対応した位置にくるようになっている。これにより、突出部8aを凹部12の最も奥まで挿し込むだけで接続流路20とポート6aの位置決めが自動的になされる。
流路プレート2の突出部8aは、ポート6aが設けられている部分の上にガスケット26が載置された状態でブロック本体10の凹部12に挿入される。ガスケット26は中央部にポート6aと同じ内径を有する貫通孔を有する例えばニッケル、銅、ステンレス、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミドなどの弾性材料からなるシール部材であり、凹部12内においてリテーナ16の先端の平面(ポート対向面)と突出部8aとの間に介在する。ガスケット26の厚みは例えば500μmである。
ガスケット26の載置された突出部8aが凹部12に挿入された状態でリテーナ16を穴14の奥側(凹部12側)へ変位させる方向に回転させることで、突出部8のポートの設けられている部分の平面にリテーナ16の端部平面がガスケット26を介して押し付けられて密着し、接続流路20とポート6aとが高い気密性をもって接続される。この構造はリテーナ16の端部平面と突出部8とを互いに押し付ける押付機構をなしている。この実施例では、流路プレート2が高い強度を有する金属製のプレート2a,2bによって構成されているため、上記の押付機構によりリテーナ16の端部平面を突出部8に強い力で押し付けることができる。なお、流路プレート2を金属製のプレートで構成しても、内部流路4の表面にガラス等のコーティングなどの表面処理を行なうことによってこの流路プレート2をクロマトグラフの分析カラムとして使用することができる。そのような表面処理については、図7を用いて説明するガスクロマトグラフの実施例において説明する。
なお、図5に示されているように、流路プレート2の突出部8aのガスケット26の載置位置にガスケット26と同じ形状で深さが100μm程度の窪み部5が設けられていてもよい。そうすれば、ガスケット26のポート6aに対する位置決めを容易にするとともにガスケット26の位置ずれを防止することができる。
流路接続ブロックの他の実施例について図4を用いて説明する。
この実施例の流路接続ブロック1aはブロック本体30とリテーナ44によって構成されている。ブロック本体30は外部流路接続部36を備えている。外部流路接続部36はブロック本体30の一面(図において上面)から円柱形状で突起しており、その外周面にフェルルによってキャピラリを固定するためのネジ40が切られている。外部流路接続部36の内側に流路接続用の開口部38が設けられており、その開口部38は接続流路34を介して後述する凹部32の内側へ通じている。
この実施例の流路接続ブロック1aはブロック本体30とリテーナ44によって構成されている。ブロック本体30は外部流路接続部36を備えている。外部流路接続部36はブロック本体30の一面(図において上面)から円柱形状で突起しており、その外周面にフェルルによってキャピラリを固定するためのネジ40が切られている。外部流路接続部36の内側に流路接続用の開口部38が設けられており、その開口部38は接続流路34を介して後述する凹部32の内側へ通じている。
ブロック本体30は流路プレート2の突出部8aを挿入して嵌合させるための凹部32を備えている。凹部32はブロック本体30の一側面に開口を有し、外部流路接続部36の内側の接続流路34と直交する向きに設けられている。ブロック本体30の外部流路接続部36とは反対側の面に円形の穴41が開けられている。穴41は凹部32にまで達しており、その凹部32側の端部は接続流路34の端部と対向している。
穴41はリテーナ44を挿入して装着するための駆動部装着穴であり、穴41の内周面にネジ42が切られている。リテーナ44の外周面には穴41の内周面に切られたネジ42と螺合するネジが切られており、リテーナ44を穴41に嵌めて回転させることで、ブロック本体30とは相対的にリテーナ44をその軸方向(図4において上下方向)へ変位させることができる。リテーナ44の凹部32に面する端部は凹部32内において凹部32に挿入された突出部8aのポート6aとは反対側の面を支持する平面となっている。
リテーナ44は駆動部をなしており、穴41の内周面に切られたネジ42とリテーナ44の外周面に切られたネジ46は駆動部変位機構をなしている。そして、この駆動部変位機構は、リテーナ44を穴41の奥側(凹部32側)へ変位させることによって突出部8aのポート6aの設けられている部分の平面を凹部32内の接続流路34の設けられている壁面に押し付ける押付機構をなすものである。
この実施例においても、凹部32に挿入される突出部8aのポート6aの部分にガスケット26が載置されるが、図6に示されているように、流路プレート2の突出部8aのガスケット26の載置位置にガスケット26と同じ形状で深さが100μm程度の窪み部5を設けることで、ガスケット26のポート6aに対する位置決めを容易にするとともにガスケット26の位置ずれを防止することができる。
図8Aは図1から図3を用いて説明した流路接続ブロック1を用いて流路プレート2に外部流路を接続したときの流体の漏れの有無を検証したときの実験装置の構成を概略的に示している。流路プレート2の内部流路4に通じるポート6a,6bの一方に流路接続ブロック1を用いてキャピラリ62の一端を接続し、他方に同じく流路接続ブロック1を用いてキャピラリ63を接続した。キャピラリ62の他端にはフローセンサ64を介してヘリウムガスを300kPaで供給するガスボンベが接続されており、キャピラリ63の他端は閉じられている。流路プレート2と2つの流路接続ブロック1は内部温度が制御されるオーブン66内に収容されている。
図8Bは図8Aの実験装置を用いた検証結果を示すグラフである。この検証では、オーブン66内の温度を約50℃から約400℃の範囲内で周期的に変化させ、そのときにキャピラリ62を流れる流量をフローセンサ64で測定した。このグラフに示されているように、オーブン内66内の温度が約50℃や約400℃で一定となっているときの流量は0であり、流路接続ブロック1内の接続部におけるヘリウムガスの漏れが発生していないことが確認された。なお、オーブン66内の温度が約50℃から約400℃まで又は約400℃から約50℃まで急激に変化したときにフローセンサ64が流量変動を検知しているが、これは急激な温度変化に伴なう熱膨張の影響によるものである。
図9A及び図9Bは流路接続ブロックによるデッドボリュームの増加について検証したときの実験装置を概略的に示している。図9Aの実験装置はキャピラリカラムを用いた通常のガスクロマトグラフであり、キャピラリカラム68の下流側の流路70が検出器に接続されている。図9Bの実験装置はキャピラリカラム68の下流側の流路70が流路接続ブロック1によって流路プレート2の入口側のポートに接続され、さらに流路プレート2の出口側のポートが流路接続ブロック1によって検出器へ繋がる流路に接続されている。
図10は図9A及び図9Bの実験装置を用いて測定したクロマトグラムである。最上段に示されたクロマトグラムが図9Aの実験装置を用いたものであり、最下段に示されたクロマトグラムが図9Bの実験装置を用いたものである。中段の2つの波形(Solvent peakとC15 peak)は最上段と最下段のクロマトグラムの同一成分のピーク波形を拡大視したものである。
流路接続ブロック1の内部のデッドボリュームが大きい場合、キャピラリカラム68で分離した成分がそのデッドボリューム部分で混じってしまい、その成分のクロマトグラムのピーク形状が大きく乱れるはずである。拡大視した2つのピーク波形を比較すると、図9Bの実験装置を用いたときのクロマトグラムのピーク形状に乱れがないことがわかる。このことから、流路接続ブロック1内には大きなデッドボリュームが存在しないことが確認できた。なお、図9Bの実験装置を用いたときのピーク波形は、図9Aの実験装置を用いたときのピーク波形よりも高さが低く、横に(時間軸方向に)広がっているが、これは、流路長の長い内部流路を有する流路プレートが検出器の前段に接続されていることに起因するものである。
次に、本発明の流路接続ブロックが適用される分析装置の一例であるガスクロマトグラフについて図7を用いて説明する。なお、このガスクロマトグラフでは図1から図3を用いて説明した流路接続ブロック1が用いられているが、図4を用いて説明した流路接続ブロック1aについても同様に適用することができる。なお、このガスクロマトグラフにおいて使用される流路プレート2は、図3に示された構造を有するものである。流路プレート2の内部流路4の内面は分析カラムにするために表面処理が施されている。その表面処理の一例として、まず金属酸化物サイトに試料が吸着されるのを避けるために、流路内面がガラス不働体層で覆われている。その不働体層はポリシラザンがコーティングされ、架橋されたものである。その不働体層のシラノール基がシリレート化剤によって終端され、その後、いくつかの官能基をもつポリメチルシリコーンなどの固定相が担持されたものである。
試料導入部50がキャピラリ54を介して流路プレート2の入口ポートに接続され、流路プレート2の出口ポートがキャピラリ56を介して検出器52に接続されている。試料導入部50はガス化した試料をキャリアガスによって流路プレート2へ導入するものである。流路プレート2の内部には分離カラムをなす微細な内部流路があり、その内部流路において試料を成分ごとに分離する。検出器52は流路プレート2の内部流路で分離された試料を成分ごとに検出するものであり、一例としてFID検出器を使用した。流路プレート2は、図3の構造を有するものであり、流路プレート本体とその流路プレート本体の周縁から周囲方向へ突出した突出部8a及び8bを有する
試料導入部50及び検出器52は内部温度を制御するオーブン48の上部に装着されており、キャピラリ54及び56はオーブン48内に収容されている。オーブン48の側壁には、内部に流路プレート2の流路プレート本体を収容したカラムモジュール49が装着されている。カラムモジュール49内では、流路プレート2の流路プレート本体の上面と下面が平板型のヒータ58に接しており、オーブン48とは独立して流路プレート2の温度制御がなされる。
カラムモジュール49は、流路プレート2の突出部8a,8bがオーブン48側にくるように流路プレート2を水平にして装着されている。カラムモジュール49の側面とオーブン48の側壁には流路プレート2の突出部8a,8bをオーブン48内に引き込むための開口が設けられている。流路プレート2の突出部8a,8bには流路接続ブロック1が装着されており、突出部8a,8bに設けられているポート6a,6bにそれぞれ流路接続ブロック1によってキャピラリ54,56が接続されている。
図11は上記ガスクロマトグラフ装置で得られたクロマトグラムの一例である。このクロマトグラムのC15ピークについて理論段数を計算すると57000であった。このことから、この流路プレート2をガスクロマトグラフの分析カラムとして使用すると、優れた性能を発揮できることがわかる。
1,1a 流路接続ブロック
2 流路プレート
2a,2b 金属製プレート
4 内部流路
5 窪み部
6a,6b ポート(流路プレート)
8a,8b 突出部
10,30 ブロック本体
12,32 凹部
14,41 穴(駆動部装着穴)
15,22,24,40,42,46 ネジ
16,44 リテーナ(駆動部)
18,38 開口部(外部流路接続用)
20,34 接続流路
26 ガスケット(シール部材)
36 外部流路接続部
2 流路プレート
2a,2b 金属製プレート
4 内部流路
5 窪み部
6a,6b ポート(流路プレート)
8a,8b 突出部
10,30 ブロック本体
12,32 凹部
14,41 穴(駆動部装着穴)
15,22,24,40,42,46 ネジ
16,44 リテーナ(駆動部)
18,38 開口部(外部流路接続用)
20,34 接続流路
26 ガスケット(シール部材)
36 外部流路接続部
Claims (8)
- 主平面をもつ平板状の流路プレート本体に前記主平面内において前記流路プレート本体の周縁から周囲方向へ突出した突出部を有し、前記流路プレート本体に内部流路が形成され前記内部流路の端部が前記突出部内に引き出され、前記突出部の表面に前記内部流路に通じるポートが設けられている流路プレートと、
前記突出部と嵌合し前記突出部のポートと対向するポート対向面を内部に有する凹部、及び前記ポート対向面と接続流路によって接続されている外部流路接続部を備えた流路接続ブロックと、
前記接続流路と前記ポートが互いに気密又は液密を保って接続されるように前記凹部に挿入された前記突出部と前記ポート対向面とを互いに押し付ける押付機構と、を備えた流路モジュール。 - 前記流路接続ブロックはブロック本体と前記ブロック本体に装着された駆動部からなり、
前記凹部は前記ブロック本体に設けられ、前記外部流路接続部は前記駆動部に設けられており、
前記ブロック本体は前記駆動部を挿入するための穴であって該ブロック本体表面から前記凹部まで貫通した駆動部挿入穴を備え、
前記駆動部は前記駆動部挿入穴に先端から挿入される挿入部及び前記挿入部の先端に設けられた先端平面を備えており、前記先端平面と前記外部流路接続部が前記接続流路によって接続されて前記ポート対向面をなし、
前記押付機構は、前記駆動部挿入穴の内周面にネジが切られ、前記挿入部の外周面に前記駆動部挿入穴の内周面のネジと螺合するネジが切られ、前記駆動部を前記ブロック本体とは相対的に回転させて前記駆動部を前記駆動部挿入穴への挿入方向に変位させることで、前記先端平面を前記突出部に押し付けるものである請求項1に記載の流路モジュール。 - 前記流路接続ブロックはブロック本体と前記ブロック本体に装着された駆動部からなり、
前記凹部及び前記外部流路接続部は前記ブロック本体に設けられており、
前記ブロック本体は前記駆動部を挿入するための穴であって該ブロック本体の表面から前記凹部の前記ポート対向面と対向する内壁面まで貫通した駆動部挿入穴を備え、
前記駆動部は前記駆動部挿入穴に挿入される先端に平面を有し、
前記押付機構は、前記駆動部挿入穴の内周面にネジが切られ、前記駆動部の外周面に前記駆動部挿入穴の内周面のネジと螺合するネジが切られ、前記駆動部を前記ブロック本体とは相対的に回転させて前記駆動部を前記駆動部挿入穴への挿入方向に変位させることで、前記駆動部先端の平面によって前記突出部を前記ポート対向面側へ押し付けるものである請求項1に記載の流路モジュール。 - 前記凹部内の最も奥に位置する終端壁面と前記接続流路の前記ポート対向面側端部との位置関係は前記突出部の終端部と前記ポートとの位置関係に対応したものであり、前記凹部に挿入された前記突出部の終端部が該凹部の前記終端壁面に接触したときに前記接続流路と前記ポートとの位置決めがなされるように設定されている請求項1から3のいずれか一項に記載の流路モジュール。
- 前記突出部の前記ポートと前記ポート対向面との間には、前記ポートに対応する位置に貫通孔を有するリング状のシール部材が挟み込まれ、
前記突出部の前記シール部材が配置される位置に前記シール部材と同一形状の凹部が設けられている請求項1から4のいずれか一項に記載の流路モジュール。 - 前記流路プレートは金属からなるものである請求項1から5のいずれか一項に記載の流路モジュール。
- 前記流路プレートの前記内部流路にクロマトグラム分離用の固定相が担持されている請求項1から6のいずれか一項に記載の流路モジュール。
- 請求項7に記載の流路モジュールからなる分析カラムと、
前記分析カラムの入口側のポートに流路を介して接続され、前記分析カラムに試料ガスを導入するための試料導入部と、
前記分析カラムの出口側のポートに流路を介して接続され、前記分析カラムにおいて分離された試料成分を検出するための検出器と、を備えたガスクロマトグラフ。
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