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JP5941696B2 - 貯蔵タンクの解体方法および構築方法並びに解体または構築用設備 - Google Patents
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貯蔵タンクの解体方法および構築方法並びに解体または構築用設備 Download PDF

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Description

本発明は、貯蔵タンクの解体方法および構築方法並びに貯蔵タンクの解体または構築用設備に係り、仮設備の軽量化および作業の容易化が可能で、狭小な現場でも重機を用いることなく作業を可能にする技術に関する。
原油やガソリン、重油、灯軽油、液化ガスなどの液体燃料用の地上式貯蔵タンクは、一般的に、円形の底板と底板上に構成される円筒状の側板と屋根とを有しており、側板は、上下方向および周方向に分割された複数枚の側板ピースにより構成されている。屋根には、固定屋根式、浮き屋根式、およびこれらを組み合わせたものなどの形式があり、さらに固定屋根には、円錐屋根や球面屋根などの形式がある。
固定屋根式の貯蔵タンクを構築する場合には、クレーンを用い、底板を敷設した後、最下段の1段目の側板ピースを組立て、その後、その上に2段目、3段目と順に側板ピースを組立て、最上段の側板ピースを組立てた後に、最上段の側板ピースに直接接合しながら屋根を組立てるか、あるいは底板上で組んだ屋根をエアレイジング法やジャッキアップ法により側板の最上部まで押し上げて側板に接合する方法が一般的である。また、貯蔵タンクを解体する場合には、これとは逆の手順で、最初に屋根を解体し、次に側板を適宜な大きさに切断しながら最上部から下方へ順に解体してゆく方法が一般的である。
一方、固定屋根式の外槽と、その内部に配置される内槽とを有する二重殻タンクを構築する場合には、外槽の屋根を構築し終えるまで内槽の構築作業ができないため、底板上で最初に側板の最上段部分と屋根とを組立て、側板の外周に配置した複数のジャッキ設備により、屋根が一体化された側板最上段部分を所定の高さまで尺取り虫動作でジャッキアップした後に、内槽側板の組立作業と外槽の次段部分の側板組立作業とを並行して実施し、次いで、外槽側板の次段部分および内槽側板の最上段部分を所定の高さまでジャッキアップし、以後同様に、外槽側板と内槽側板との1段分の継ぎ足し作業を繰り返すようにしたタンクの構築方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2000−328809号公報
しかしながら、特許文献1の構築方法では、側板の最上段部分をジャッキアップするときには、側板の周囲に配置したジャッキのうち、1つ置きに配置された第1グループのジャッキのみを用い、側板の次段部分をジャッキアップするときには、残りの第2グループのジャッキのみを用いるため、タンクをジャッキアップするのに必要な本数の2倍のジャッキが必要になる。また、ジャッキを係合させるために、側板の各段にジャッキアップ用ピースを固設しなければならいため、仮設部品をタンク本体へ結合する箇所数が多くなり、その撤去作業も必要になるほか、ジャッキ自体の盛替え(尺取り虫動作での移動)作業も必要になる。一方、この方法に用いる設備をタンクの解体作業に適用する場合にも、タンク重量に対してジャッキの本数が2倍必要になる点、ジャッキ係合用の仮設部品を多数結合する作業が必要になる点、およびジャッキ自体の盛替え作業が煩雑である点は構築時と同様である。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、用いるジャッキの本数を少なくできるとともに、仮設部品をタンク本体へ結合する箇所数を抑制でき、作業が容易な貯蔵タンクの構築方法および解体方法、さらにこれらの方法を実現できる貯蔵タンクの解体または構築用設備を提供することをその第1の目的とする。
また、特許文献1の構築方法では、タンクをジャッキアップする際には重機を用いる必要がないが、ジャッキ設備の設置時に重機が必要になるほか、側板部材などのタンク材料の搬入時や設置時には重機を用いないと作業が煩雑である。また、特許文献1の設備をタンクの解体に適用する場合にも、解体する側板切断片を仮吊りするために吊りピースを溶接する作業が必要になるだけでなく、解体した側板切断片の搬出作業も煩雑である。したがって、重機を設置できない狭小な現場での作業には不適である。
そこで、本発明は、重機を用いることなく作業を行うことができ、狭小な現場にも適した貯蔵タンクの構築方法および解体方法、さらにこれらの方法を実現できる貯蔵タンクの解体または構築用設備を提供することをその第2の目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、底板(3)と該底板上に構築される円筒状の側板(4)とを有する貯蔵タンク(1)を、前記側板を上下方向に複数段の側板部分(4a〜4a)に分割しつつ撤去する前記貯蔵タンクの解体方法であって、前記側板よりも高い高さを有するジャッキ用架台(21)を前記側板に沿って所定の間隔に複数配置し、各ジャッキ用架台の前記側板の上端よりも高い位置にジャッキ(22)を設置するステップと、吊り材(23)を前記ジャッキ用架台および前記ジャッキに係合可能に設けるとともに最上段の側板部分(4a)に結合するステップと、前記側板を前記吊り材で懸吊した状態で、前記底板上の最下段の側板部分(4a)を撤去するステップと、前記吊り材を前記ジャッキに係合させて前記ジャッキを収縮させ、前記最下段の側板部分(4a)が撤去された側板(4)を下降させるステップとを含み、前記最下段の側板部分(4a)を撤去するステップおよび前記側板(4)を下降させるステップを繰り返し、前記吊り材の結合位置を盛替えることなくすべての側板部分を撤去する構成とする。
このような構成の解体方法とすることにより、側板を下降させる際に全てのジャッキを用いることができるため、ジャッキの必要本数を少なくすることができる。また、吊り材は、最上段の側板部分に一度結合するだけでよいため、仮設部品をタンク本体に結合する箇所数を抑制できるとともに、ジャッキの盛替えをなくして作業を容易にできる。
また、本発明の一側面によれば、前記複数のジャッキ用架台に支持されるレール(32)を前記側板の周囲に延在するように設けるとともに、前記レールに沿って移動可能な揚重手段(35)を設けるステップをさらに含み、前記側板部分(4a)を撤去するステップでは、撤去した側板部分の断片(4b)を前記揚重手段で搬出する構成とすることができる。
この構成によれば、揚重手段で仮吊りした状態で側板切断片を解体することができる。そのため、チェーンブロックなどの仮吊り用の吊りピースを設ける必要がなく解体作業が容易である。また、解体した側板切断片を揚重手段で吊ったままレールに沿って移動させて搬送できるため、側板切断片の搬出作業も容易である。したがって、重機を設置できない狭小な現場にも好適である。
また、上記課題を解決するために、本発明は、底板(3)と、上下方向に分割された複数段の側板部分(14a〜14a)により構成され、前記底板上に構築される円筒状の側板(14)とを有する貯蔵タンク(11)の構築方法であって、構築しようとする側板よりも高い高さを有するジャッキ用架台(21)を、前記側板を設置する位置に沿って所定の間隔に複数配置し、各ジャッキ用架台の前記側板の上端よりも高い位置にジャッキ(22)を設置するステップと、最上段の前記側板部分(14a)を前記底板上で組立てるステップと、吊り材(23)を前記ジャッキ用架台および前記ジャッキに係合可能に設けるとともに前記底板上の側板部分(14a)に結合するステップと、前記吊り材を前記ジャッキに係合させて前記ジャッキを伸長させ、組立てた底板上の側板部分(14a)を上昇させるステップと、上昇させた側板部分(14a)を前記吊り材で懸吊した状態で、前記底板上で次段の側板部分(14a)をその上段の側板部分(14a)に一体接合するように組立てるステップとを含み、前記底板上の側板部分(14a)を所定寸法上昇させるステップおよび前記底板上で次段の側板部分(14a)を組立てるステップを繰り返し、前記吊り材の結合位置を盛替えることなく最下段の側板部分(14a)を組立てる構成とする。
このような構成の構築方法とすることにより、側板を上昇させる際に全てのジャッキを用いることができるため、ジャッキの必要本数を少なくすることができる。また、吊り材は、最上段の側板部分に一度結合するだけでよいため、仮設部品をタンク本体に結合する箇所数を抑制できるとともに、ジャッキに対する盛替えをなくして作業を容易にできる。
また、本発明の一側面によれば、前記各側板部分(14a)は周方向に分割された複数の側板ピース(14b)により構成されるものであり、前記複数のジャッキ用架台に支持されるレール(32)を前記側板の周囲に延在するように設けるとともに、前記レールに沿って移動可能な揚重手段(35)を設けるステップをさらに含み、前記側板部分(14a)を組立てるステップでは、前記側板ピース(14b)を前記揚重手段で搬入する構成とすることができる。
この構成によれば、側板ピースを揚重手段で吊ったままレールに沿って移動させて搬送できるため、側板ピースの搬入作業が容易である。また、側板ピースを揚重手段で吊って組立てることができる。そのため、仮吊り用の吊りピースを設ける必要がなく組立作業も容易である。したがって、重機を設置できない狭小な現場にも好適である。
また、上記課題を解決するために、本発明は、底板(3)と該底板上に構築される円筒状の側板(4)とを有し、前記側板が上下方向に分割される複数段の側板部分(4a〜4a、14a〜14a)により構成される貯蔵タンク(1、11)の解体または構築用設備(20)であって、前記側板に沿って所定の間隔に配置され、前記側板よりも高い高さを有する複数のジャッキ用架台(21)と、前記側板の上端よりも高い位置にて前記各ジャッキ用架台に設置されるジャッキ(22)と、前記ジャッキ用架台および前記ジャッキに係合可能に設けられるとともに最上段の側板部分(4a、14a)に結合され、前記側板を懸吊する吊り材(23)とを有し、前記吊り材が、前記底板上に載置される前記最上段の側板部分(4a、14a)に結合可能な長さとされた構成とする。
この構成によれば、側板を下降または上昇させる際に全てのジャッキを用いることができるため、ジャッキの必要本数を少なくすることができる。また、吊り材は、最上段の側板部分に一度結合するだけでよいため、仮設部品をタンク本体へ結合する箇所数を抑制できるとともに、ジャッキの盛替えをなくして作業を容易にできる。
また、本発明の一側面によれば、前記複数のジャッキ用架台に支持され、前記側板の周囲に延在するレールと、前記レールに移動可能に設けられた揚重手段とをさらに有する構成とすることができる。
この構成によれば、解体した側板切断片または組立てる側板ピースを揚重手段で吊ったままレールに沿って移動させて搬送できるため、側板切断片の搬出作業あるいは側板ピースの搬入作業が容易である。また、揚重手段で吊って側板切断片を解体すること或いは側板ピースを組立てることができる。そのため、仮吊り用の吊りピースを設ける必要がなく組立作業も容易である。したがって、重機を設置できない狭小な現場にも好適である。
このように本発明によれば、用いるジャッキの本数を少なくできるとともに、仮設部品をタンク本体に結合する箇所数を抑制でき、作業が容易な貯蔵タンクの構築方法および解体方法、さらにこれらの方法を実現できる貯蔵タンクの解体または構築用設備を提供することができる。
実施形態に係る既設貯蔵タンクの側面図 実施形態に係る解体・構築設備の平面図 実施形態に係る解体・構築設備の断面図 図3のIV部拡大図 図1に示す既設貯蔵タンクの解体手順の説明図 図4に示すセンターホールジャッキの作動説明図 実施形態に係る新設貯蔵タンクの構築手順の説明図
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1を参照して、石油貯蔵用の既設の貯蔵タンク(以下、既設タンク1と称する。)の構成について説明する。既設タンク1は、鉄筋コンクリートからなる底版2上に敷設された鉄板からなる円形の底板3と、底板3の周縁から立ち上げられた鉄板からなる円筒状の側板4と、側板4の上縁に接合された屋根5とから構成されている。屋根5は、側板4の上縁に接合されるトラス構造の骨組6によって支持される円錐屋根である。
本実施形態では、既設タンク1を、底板3を残して解体撤去した後に、新たに側板14および屋根15(図7参照)を構築して、既設タンク1と同様な構成からなる同一容量の新設の貯蔵タンク(以下、新設タンク11と称する。)として用いるものとし、後述する作業手順においては解体および構築を一連に説明する。なお、既設タンク1の解体および新設タンク11の構築に用いる設備は共通であるが、ここではタンク構築用設備20と称するものとする。
図2および図3に示すように、タンク構築用設備20は、8基のジャッキ用架台21と、各ジャッキ用架台21に設置される8台のジャッキ22と、ジャッキ22に係合可能な8本の吊り材23とを主要素としている。
8基のジャッキ用架台21は側板4に沿って等間隔に配置される。各ジャッキ用架台21は、側板4の内側および外側に配置される一対の支柱24o・24i(総称する場合には、支柱24と記す。)と、水平に延在して一対の支柱24の上端を連結する連結部材25とから構成される。各支柱24は、側板4よりも高い高さを有しており、人力での搬送が可能でかつクレーン設備を有する重機を用いずに設置できるように、鋼管パイプの上下端にプレートを設けた複数本(ここでは2本)の支柱部材24aを鉛直方向に同軸に連結した構成とされている。屋根5には内側の支柱24iに対応する位置に予め開口5a(図3)を形成しておき、屋根5を貫通するように内側の支柱24iを設置することで、連結部材25が屋根5の上方に位置し、ジャッキ用架台21が側板4を跨ぐように設置される。
なお、煩雑になるために図3では省略しているが、各ジャッキ用架台21の周囲には、図2に想像線で示すように仮設足場からなる昇降設備26が設けられており、ジャッキ用架台21の上部にアクセスできるようにされている。外側の支柱24oを設置する際には、昇降設備26を足場として利用することで作業を容易に行うことができる。一方、内側の支柱24iの周囲(既設タンク1の内部)には昇降設備を設けないが、既設タンク1の屋根5を利用してウィンチやチェーンブロックを設けることで、内側の支柱24iの設置作業を容易にすることができる。
図4に示すように、ジャッキ22は、作動油の供給および排出により伸縮する油圧式のセンターホールジャッキであり、側板4の真上に位置するように連結部材25の上面に固定されたラムチェア27上、すなわち側板4の上端よりも高い位置にてジャッキ用架台21に設置される。ジャッキ22への作動油の給排には、電動ポンプユニットと手動ポンプユニットとのどちらを用いてもよい。なお、連結部材25におけるジャッキ22のセンターホールに対応する位置、すなわち側板4の真上には、貫通孔25aが穿設されており、吊り材23を挿通できるようになっている。
吊り材23は、全長にわたってその外面にねじが形成された総ねじPC鋼棒であり、ジャッキ22のセンターホールに挿入されるとともに、この状態でジャッキ22の上方とラムチェア27の内部(連結部材25の貫通孔25aの上方)とにナット28(28u・28l)が螺合されることで、上側のナット28uを介してジャッキ22に係合し、下側のナット28lを介してジャッキ用架台21に係合できるようになっている。吊り材23の下端には接続金物29が螺着されており、接続金物29が側板4の上端に溶接されることで、吊り材23が側板4を懸吊してその荷重をジャッキ用架台21に伝達することができる。
本実施形態では、図1に想像線で示す位置にて側板4を上下に分割して、4段の側板部分4a(下段から順に4a、4a、4a、4aとする)として後述する解体手順に則って解体するものとし、この場合、吊り材23は、最上段の側板部分4aを底板3上に載置できる長さ、言い換えれば、吊り材23がジャッキ22に係合した状態で、底板3上に載置される最上段の側板部分4aに結合可能な長さとされている。
図3に示すように、各ジャッキ用架台21は、水平補強材30およびブレース31によって隣接する周方向両側のジャッキ用架台21とそれぞれ連結されている。水平補強材30およびブレース31はそれぞれ外側の支柱24o同士を連結しており、図2に示すように、外側の支柱24oの側板4からの離間距離は、水平補強材30およびブレース31が側板4に最も接近する長さ方向の中央部においても側板4から離間するように設定される。水平補強材30には、例えば鋼管を用いることができる。ブレース31には、例えば鋼管やワイヤを用いることができる。
水平補強材30の下方には、側板4から外側に所定寸法オフセットした位置にて側板4に沿って周方向に延在するレール32が設けられている。レール32は、人力で運搬可能な長さに分割された円弧状のI形鋼を連結して円環状としたものであり、水平補強材30から略鉛直に下方へ垂設された鉛直レール支持材33により懸吊されている。鉛直レール支持材33の上端は、そこから斜め上方に延びて外側の支柱24oの上端に連結される斜め補強材34に連結されており、これによりレール32がジャッキ用架台21により確実に支持される。
レール32には、適宜の数量の揚重手段35が摺動可能に設けられている。揚重手段35としては、トロリ付きのチェーンブロックやレバーホイストなど、人力で操作するものの他、ウィンチやホイストクレーンといった電力駆動のものなどを用いることもできる。揚重手段35の数量は、2つ1組で使用する場合には、2つや4つなど偶数とするとよいが、これに限定されるものではない。なお、揚重手段35は、後述する解体作業において側板切断片4bを吊ったり、後述する構築作業において側板ピース14bを吊ったりするときに用いるものであり、このような使用目的から、レール32の設置高さは、1段の側板部分4aの高さに揚重手段35の最低高さ(上限吊上げ時の上下寸法)を加えた高さよりも高くするとともに、操作性を考慮して、2段分の側板部分4aの高さよりも低くするとよい。
<解体手順>
次に、図5を参照しながら、既設タンク1をタンク構築用設備20を用いて解体する解体方法の手順について説明する。まず、(A)に示すように、既設タンク1の屋根5の所定の位置に内側の支柱24iを貫通させるための開口5a(図3)を穿設し、上記したタンク構築用設備20を設置する。すなわち、側板4よりも高い高さを有するジャッキ用架台21を側板4に沿って所定の間隔に8基配置し、各ジャッキ用架台21の連結部材25上にジャッキ22を設置する。加えて、ジャッキ用架台21にレール32を取付けて側板4の周囲に延在させるとともに、揚重手段35をレール32に移動可能に取付ける。
その後、吊り材23を、下側のナット28lまたは上側のナット28u(ともに図4)によってジャッキ用架台21およびジャッキ22に係合可能に設けるとともに、吊り材23の下端に螺着させた接続金物29(図4)を溶接により最上段の側板部分4aに結合する。ここでは、吊り材23をジャッキ用架台21とジャッキ22との両方に係合させた状態とする。
次に、図5(B)に示すように、上側のナット28uによって全ての吊り材23をジャッキ22に係合させ、ジャッキ22で吊り材23に所定の張力を加えた上で、下側のナット28lによって吊り材23をジャッキ用架台21に係合させ、側板4を吊り材23で懸吊した状態、すなわち側板4および屋根5の荷重を8基のジャッキ用架台21で支持した状態で、底板3上にて最下段の側板部分4aを撤去する。側板部分4aの撤去は、ガス切断機で吊り孔を開けて揚重手段35で仮吊りした状態で、側板部分4aを所望の大きさの側板切断片4bに切断し、切断した側板切断片4bを揚重手段35で吊上げてレール32に沿って移動させ、所定の搬出位置まで搬出して行う。
最下段の側板部分4aの撤去終了後、図5(C)に示すように、全ての吊り材23をジャッキ22に係合させるとともにジャッキ22を収縮させ、最下段の側板部分4aが撤去された側板4を下降させる。ここでは、図6(A)に示すように、まず上側のナット28uを緩めて(上昇させて)ジャッキ22との係合を解き、側板4の荷重を下側のナット28lのみで支持した状態とする。次に、(B)に示すように、ジャッキ22を伸長させた後に上側のナット28uを締め付けて(下降させて)上側のナット28uに荷重が加わるようにするとともに、下側のナット28lを緩めて(上昇させて)側板4の荷重を上側のナット28uのみで支持した状態とする。この状態で、(C)に示すように、ジャッキ22の作動油を徐々に抜いてジャッキ22を収縮させ、ジャッキストローク分だけ側板4を下降させる。ジャッキ22を最短寸法まで収縮させた後には下側のナット28lを締め付けて(下降させて)下側のナット28lに荷重が加わるようにする。このような手順を繰り返すことにより、撤去した最下段の側板部分4aの高さ分だけ側板4を下降させる。
図5(B)の最下段の側板部分4a(4a、4a)を撤去する作業、および図5(C)の側板4を下降させる作業をさらに2回繰り返すことにより、吊り材23の結合位置を盛替えることなく、図5(D)に示すように、下側の3段の側板部分4a〜4aが撤去されて最上段の側板部分4aと屋根5だけになった既設タンク1が底板3上に載置された状態となる。最後に、底板3上で屋根5と最上段の側板部分4aとを解体撤去して、図5(E)に示すように、底板3を残した状態で既設タンク1の解体が完了する。なお、底板3も撤去する場合には、各ジャッキ用架台21が、残された底板3の上に内側の支柱24iを載置した状態となっているため、内側の支柱24iの下側の支柱部材24aを撤去するなどして盛替えることで、底板3の撤去および新設タンク用底板の敷設が可能になる。
<構築手順>
次に、図7を参照しながら、側板14が上下方向に分割された4段の側板部分14a(下段から順に14a、14a、14a、14aとする)から構成される新設タンク11を、タンク構築用設備20を用いて構築する構築方法の手順について説明する。まず、(A)に示すように、最上段の側板部分14aを構成する側板ピース14bを揚重手段35を用いて所定の組立位置へ搬入し、底板3上で周方向に連結して円筒状の最上段の側板部分14aを組立てる。なお、本実施形態の新設タンク11は屋根15を備えているため、最上段の側板ピース14bを搬入する前に屋根15の材料を組立位置に分配しておくとよい。図7(B)に示すように、最上段の側板部分14aの組立後、配置しておいた屋根部材により屋根15を組立てて最上段の側板部分14aに一体接合する。ここでも、ジャッキ用架台21の内側の支柱24iが屋根5と干渉するため、内側の支柱24iの周囲は屋根板を接合せずに開口5aとしておく。
本実施形態では、既設タンク1を解体した後に続けて新設タンク11を構築するため、タンク構築用設備20が残された状態となっているが、新規に新設タンク11を構築する場合には、底板3の敷設後に、図5(A)で説明したのと同様の手順でタンク構築用設備20を設置する。この場合、既設タンク1がないため、側板14を設置する位置に沿って8基のジャッキ用架台21を設置する際には、外側の支柱24oに近接して設置する昇降足場の他に、移動足場などを設置して内側の支柱24iを組立てるとよい。各支柱24の高さは、構築しようとする側板14の高さよりも高くし、各ジャッキ用架台21の側板14の上端よりも高い位置にジャッキ22を設置する。タンク構築用設備20を設置する時期は、最上段の側板部分14aの組立前であっても組立後であってもよい。
最上段の側板部分14aおよび屋根15の構築後、図7(C)に示すように、吊り材23をジャッキ22に係合させるとともに、吊り材23の下端に螺着させた接続金物29(図4)を溶接により底板3上の最上段の側板部分14aに結合する。
その後、図7(D)に示すように、吊り材23を係合させた状態で全てのジャッキ22を伸長させ、組立てた底板3上の側板部分14aを上昇させる。ここでは、図6を参照して説明した側板下降時とは逆の手順、すなわち、図6(C)の状態からジャッキ22を伸長させて図6(B)の状態とし、下側のナット28lを締め付けた後にジャッキ22を収縮させて図6(A)の状態とする手順で、上側のナット28uと下側のナット28lとに交互に荷重伝達させながら、ジャッキストローク分だけ上昇させる作業を複数回繰り返すことにより、組立てた側板部分14aを次段の側板部分14aの高さ分だけ上昇させる。
次に、図7(E)に示すように、吊り材23をジャッキ用架台21またはジャッキ22(ここでは両方)に係合させて、側板部分14aの荷重をジャッキ用架台21に支持させ、上昇した側板部分14aを吊り材23で懸吊した状態で、底板3上で次段の側板部分14aをその上段の側板部分14aに一体接合するように組立てる。
図7(D)の底板3上の側板部分4a(14a・14a、および14a・14a・14a)を上昇させる作業、および図7(E)の底板3上で次段の側板部分4a(14a・14a)を組立てる作業をさらに2回繰り返すことにより、吊り材23の結合位置を盛替えることなく、図7(F)に示すように、最下段の側板部分14aの組立が完了する。なお、最下段の側板部分14aは、溶接により底板3にも一体接合する。その後、タンク構築用設備20を解体し、ジャッキ用架台21の内側の支柱24iを貫通させていた箇所に屋根板を溶接して開口5aを閉塞し、新設タンク11の構築作業が完了する。なお、新設タンク11内部で解体した内側の支柱24iは、新設タンク11の側板14に設けられたマンホールから搬出すればよい。
このように構成されるタンク構築用設備20を用いて、上記手順で既設タンク1を解体あるいは新設タンク11を構築することにより、側板4、14を下降または上昇させる際に全てのジャッキ22を用いることができるため、ジャッキ22の必要本数が少なくて済む。また、側板4、14をリフトダウンおよびリフトアップするために吊り材23を用いて上方から懸吊するようにし、吊り材23の長さを、ジャッキ22に係合した状態で最上段の側板部分4aを底板3上に載置できる長さ、或いは底板3上に載置された最上段の側板部分14aに結合できる長さとしているため、揚程が大きくなって吊り材23の側板4に対する結合が一度で済み、仮設部品(接続金物29)をタンク本体へ溶接する箇所数が抑制される。また、ジャッキ22の盛替えがないため、リフトダウン・リフトアップ作業も容易である。
本実施形態では、側板4の周囲にレール32を設け、揚重手段35をレール32に移動可能に設けているため、側板切断片4bの解体時にチェーンブロックなどの仮吊り用の吊りピースを設ける必要がなく、解体作業が容易であり、解体した側板切断片4bの搬出も容易である。また、側板ピース14bの搬入および組立も容易である。したがって、重機を設置できない狭小な現場にも好適である。
また、本実形態では、各ジャッキ用架台21が一対の支柱24を有し、一対の支柱24の間にジャッキ22および吊り材23が設けられた両持ち形式としているため、片持ち形式とした場合に比べて各部材を軽量にすることができる。また、比較的重量の大きな支柱24やレール32を分割式としているため、人力での運搬や組立が可能であり、重機を設置できない狭小な現場での作業に好適である。
以上で具体的実施形態についての説明を終えるが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、固定屋根式の円錐屋根を有する既設タンク1および新設タンク11に本発明を適用したが、浮屋根式のタンクや、球面屋根など異なる形式の固定屋根式タンクに適用することも可能である。また、上記実施形態では、屋根5、15が側板4、14のみによって支持される自立式であるが、屋根5、15を支持する屋根支柱を内部に有するタンクにも適用可能である。この場合には、必要に応じて、屋根支柱を跨ぐようにジャッキ用架台21を設け、屋根支柱の上端部を吊り材23で懸吊したり、特許文献1に記載されるようなジャッキ設備を設けて屋根支柱の下部を支持したりするとよい。また、屋根支柱がある場合には、これを利用することで屋根材の運搬をより容易にすることもできる。この他、各部材の具体的形状や、配置、数量、並びに作業手順の順序などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。また、上記実施形態に示した本発明に係る既設タンク1の解体方法および新設タンク11の構築方法の各要素(ステップ)や、タンク構築用設備20の各構成要素は、必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
1 既設タンク
2 底版
3 底板
4 側板
4a 側板部分
4b 側板切断片
11 新設タンク
14 側板
14a 側板部分
14b 側板ピース
20 タンク構築用設備
21 ジャッキ用架台
22 ジャッキ
23 吊り材
32 レール
35 揚重手段

Claims (3)

  1. 底板と該底板上に構築される円筒状の側板とを有する貯蔵タンクを、前記側板を上下方向に複数段の側板部分に分割しつつ撤去する前記貯蔵タンクの解体方法であって、
    前記側板よりも高い高さを有する複数のジャッキ用架台を前記側板に沿って所定の間隔に配置し、各ジャッキ用架台の前記側板の上端よりも高い位置にジャッキを設置するステップと、
    前記複数のジャッキ用架台に支持されるレールを前記側板の周囲に延在するように設けるとともに、前記レールに沿って移動可能な揚重手段を設けるステップと、
    吊り材を前記ジャッキ用架台および前記ジャッキに係合可能に設けるとともに最上段の側板部分に結合するステップと、
    前記側板を前記吊り材で懸吊した状態で、前記底板上の最下段の側板部分を撤去し、撤去した側板部分の断片を前記揚重手段で搬出するステップと、
    前記吊り材を前記ジャッキに係合させて前記ジャッキを収縮させ、前記最下段の側板部分が撤去された側板を下降させるステップとを含み、
    前記最下段の側板部分を撤去するステップおよび前記側板を下降させるステップを繰り返し、前記吊り材の結合位置を盛替えることなくすべての側板部分を撤去することを特徴とする貯蔵タンクの解体方法。
  2. 底板と、上下方向に分割された複数段の側板部分により構成され、前記底板上に構築される円筒状の側板とを有する貯蔵タンクの構築方法であって、
    構築しようとする側板よりも高い高さを有する複数のジャッキ用架台を、前記側板を設置する位置に沿って所定の間隔に配置し、各ジャッキ用架台の前記側板の上端よりも高い位置にジャッキを設置するステップと、
    前記複数のジャッキ用架台に支持されるレールを前記側板の周囲に延在するように設けるとともに、前記レールに沿って移動可能な揚重手段を設けるステップと、
    前記側板部分を周方向に分割した複数の側板ピースを前記揚重手段で搬入するステップと、
    搬入した側板ピースによって最上段の前記側板部分を前記底板上で組立てるステップと、
    吊り材を前記ジャッキ用架台および前記ジャッキに係合可能に設けるとともに前記底板上の側板部分に結合するステップと、
    前記吊り材を前記ジャッキに係合させて前記ジャッキを伸長させ、組立てた底板上の側板部分を上昇させるステップと、
    上昇させた側板部分を前記吊り材で懸吊した状態で、搬入した側板ピースによって次段の側板部分をその上段の側板部分に一体接合するように前記底板上で組立てるステップとを含み、
    前記底板上の側板部分を上昇させるステップおよび前記底板上で次段の側板部分を組立てるステップを繰り返し、前記吊り材の結合位置を盛替えることなく最下段の側板部分を組立てることを特徴とする貯蔵タンクの構築方法。
  3. 底板と該底板上に構築される円筒状の側板とを有し、前記側板が上下方向に分割される複数段の側板部分により構成される貯蔵タンクの解体または構築用設備であって、
    前記側板に沿って所定の間隔に配置され、前記側板よりも高い高さを有する複数のジャッキ用架台と、
    前記側板の上端よりも高い位置にてジャッキ用架台に設置される複数のジャッキと、
    前記底板上に載置される最上段の板部分に結合可能な長さを有し、前記ジャッキ用架台および前記ジャッキに係合可能に設けられるとともに前記最上段の側板部分に結合される吊り材と
    前記複数のジャッキ用架台に支持され、前記側板の周囲に延在するレールと、
    前記レールに移動可能に設けられた揚重手段と
    を有することを特徴とする貯蔵タンクの解体または構築用設備。
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