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JP5942582B2 - 振動子の製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、振動子の製造方法に関する。
時計を始めとして、携帯電話、パソコンなどの情報機器には、圧電素子を用いたタイミングデバイスが広く使われている。その中で、情報機器の高性能化、小型化、省電力化に伴い、タイミングデバイスを用いたクロックモジュールに対しては、優れた周波数特性やより一層の小型化が要求されている。例えば、特許文献1に記載されているように、クロックモジュールの小型化、高性能化を目的として、半導体回路を作り込むことのできる圧電振動子およびその製造方法が知られている。また、例えば、特許文献2に記載されているように、従来の数十kHz帯の音叉型水晶振動子に代わる、極めて小型で、また半導体回路を作り込むことのできる音叉振動子およびその製造方法が知られている。
特開2008−153944号公報 特開2007−267109号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の振動子の製造方法によると、より精度の高い振動子を得ようとした場合には、製造工程のばらつきを更に抑えることが難しく、安定して簡便に製造することが困難であるという課題があった。具体的には、特許文献1に記載の圧電振動子の場合、振動部の長さがウェットエッチングによりばらつきやすいという課題であり、特許文献2に記載の音叉振動子の場合、ビーム部を支える支持部の下方の空隙部の長さがウェットエッチングによりばらつきやすいという課題である。つまり、振動特性に影響を与える部分の長さを決定するエッチング処理において、精度ばらつきを抑えるためには、エッチングされる層の厚みばらつきや、エッチング液の濃度、温度、エッチング時間などの管理を厳格に行なう必要があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例または形態として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る振動子の製造方法は、基板の一方の主面に第1層を形成する工程と、前記第1層をパターニングして空隙形成部を形成する工程と、前記基板の一方の主面に、少なくとも前記空隙形成部の一部を覆うように第2層を積層する工程と、前記基板の一方の主面側から前記基板を平面視したときに、少なくとも前記空隙形成部の一部に重なる領域において、前記第2層に積層するように、電極と圧電体層とを備える駆動部を形成する工程と、前記第2層をパターニングして、支持部と、前記支持部から延出し前記駆動部が積層された振動部と、を形成し、前記空隙形成部の一部を露出させる工程と、前記空隙形成部を除去し、前記振動部と前記基板との間に空隙部を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本適用例の製造方法によれば、基板の一方の主面に形成された第1層をパターニングすることで空隙形成部が形成され、空隙形成部を覆う部分を含む第2層をパターニングすることで振動子の平面形状が作られる。振動子は、支持部と、支持部から延出し駆動部が積層された振動部とを含み構成され、空隙形成部を除去することによって、基板との間に空隙部を有する振動部が形成される。つまり、空隙形成部は、空隙部を形成する抜き型として機能するため、加工精度の高い空隙形成部をパターニングしておくことで、空隙部を精度良く形成することができ、製造工程における空隙部の寸法ばらつきを低減することができる。具体的には、空隙部を形成するためのエッチング工程は、空隙形成部を除去するエッチング処理であれば良く、第2層をストッパーとしたウェットエッチングで行なうことができる。従って、上述した従来の製造方法によるウェットエッチングのようにエッチング液の濃度、温度、エッチング時間などの管理を厳格に行なう必要がなく、より高精度の振動子を安定して簡便に製造することができる。
なお、パターニングとは、半導体製造工程で一般に使われるフォトリソグラフィ技術などを用いてパターンを形成することをいう。
[適用例2]上記適用例に係る振動子の製造方法において、前記第1層が酸化物層であり、前記第2層が半導体層であることを特徴とする。
本適用例のように、第1層が酸化物層であり、第2層が半導体層であることが好ましい。このように構成することで、空隙形成部を形成する第1層のエッチングを、第2層をストッパーとして行なうことができる。また、第2層の半導体層には、半導体回路を作り込むことができるため、振動子を含むクロックモジュールなどを小型に構成することができる。
[適用例3]上記適用例に係る振動子の製造方法において、前記基板の一方の主面に第3層を形成する工程と、前記第3層上に第4層を積層する工程と、前記第4層をパターニングして、前記第3層の一部を露出させる工程と、を更に含み、前記第1層を、前記第4層および露出された前記第3層上に積層し、前記基板の一方の主面側から前記基板を平面視したときに、前記空隙形成部を、少なくとも露出された前記第3層の一部に重なる領域に形成し、前記空隙形成部および前記第3層の一部を除去し、前記振動部と前記基板との間に空隙部を形成することを特徴とする。
本適用例の製造方法によれば、空隙形成部および第3層の一部を除去し、振動部と基板との間に空隙部を形成するため、振動部と基板との空隙の間隔をより大きく構成することができる。その結果、例えば、第1層の層厚を充分な厚みに形成することが難しい場合であっても、第3層の層厚と合わせて空隙部を構成することができるため、振動部に必要な基板との空隙の形成をよりフレキシブルに行なうことができる。
[適用例4]上記適用例に係る振動子の製造方法において、前記第3層が酸化物層であり、前記第4層が窒化物層であることを特徴とする。
本適用例のように、第3層が酸化物層であり、第4層が窒化物層であることが好ましい。このように構成することで、空隙形成部を形成する第3層のエッチングを、第4層をマスクとして行なうことができる。その結果、第4層によるパターンを活用することで、第1層による空隙形成部の領域に合わせて選択的に第3層のエッチングを行なうことができる。
[適用例5]上記適用例に係る振動子の製造方法において、前記電極は、少なくとも第1電極と第2電極とを含み、前記圧電体層が、前記第1電極と前記第2電極との間に挟まれていることを特徴とする。
本適用例によれば、電極は、少なくとも第1電極と第2電極とからなり、圧電体層が、第1電極と第2電極との間に挟まれている。このように構成することで、第1電極と第2電極から圧電体層に駆動電界を印加することにより振動部を振動させる駆動部を構成することができる。
[適用例6]上記適用例に係る振動子の製造方法において、前記第2層と前記電極との間に絶縁膜を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、第2層と電極との間に絶縁膜を備えている。このように構成することで、第2層に複数の電極を形成した場合や、第2層に集積回路を構成した場合などにおいても、第2層を通じて電極の電荷がリークせず、圧電体層に所定の駆動電界をかけることができる。
[適用例7]上記適用例に係る振動子の製造方法において、前記圧電体層が、前記第2層と前記電極との間に挟まれていることを特徴とする。
本適用例によれば、圧電体層が、第2層と電極との間に挟まれている。このようにすることで、第2層を対向電極とした駆動部を構成することができる。
(a)実施形態1に係る振動子を模式的に示す平面図、(b)A−A断面概略図、(c)B−B断面概略図。 (a)〜(f)実施形態1に係る振動子の製造工程を説明する断面概略図。 (a)実施形態2に係る振動子を模式的に示す平面図、(b)A−A断面概略図、(c)B−B断面概略図。 (a)〜(f)実施形態2に係る振動子の製造工程を説明する断面概略図。 (a)実施形態1に係る振動子の駆動部および振動部を示す断面概略図、(b)変形例1に係る振動子の駆動部および振動部を示す断面概略図。 (a),(b)変形例2に係る振動子の駆動部および振動部を示す断面概略図。
以下に本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して説明する。以下は、本発明の一実施形態であって、本発明を限定するものではない。なお、以下の各図においては、説明を分かりやすくするため、実際とは異なる尺度で記載している場合がある。特に断面図においては、積層構造を分かりやすくするために積層方向に10倍程度拡大して表示している。
(実施形態1)
まず、実施形態1に係る振動子1について説明する。
図1(a)は、振動子1を模式的に示す平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A断面概略図、図1(c)は、図1(a)のB−B断面概略図である。
振動子1は、シリコン基板10と、シリコン基板10の一方の主面に積層された第2層としてのポリシリコン層12を基体とした支持部100と支持部100から延出し駆動部200が積層された振動部300とを含み構成されている。ポリシリコン層12の厚みは、振動子の小型化のために10μm以下であることが好ましく、振動子1の場合には、例えば1〜2μmである。また、シリコン基板10やポリシリコン層12には、図示するCの領域などにおいて各種の半導体回路を作り込むことができるため、振動子1と半導体集積回路とを一体化して構成することができる。
なお、以下の説明においては、シリコン基板10の一方の主面側の方向、つまりシリコン基板10に対しポリシリコン層12が積層される方向を上方向、その反対方向を下方向として説明する。
支持部100は、ポリシリコン層12により構成された例えば矩形の枠状体であり、振動部300を支持している。
振動部300は、ポリシリコン層12により構成された片持ち梁であり、一方の端が枠状の支持部100の内側に支持されている。つまり、振動部300を構成しているポリシリコン層12は、シリコン基板10との間に空隙部90を有するように形成されている。振動部300の平面形状は、例えば長方形であり、長手方向の長さLは例えば300μmであり、短手方向の幅Wは例えば3μmである。
振動部300の上面には、駆動部200が積層されている。
なお、図1(a)に示す例では、2つの振動部300が枠状の支持部100の内側に支持部100から平行して延出しているが、振動部300の数は2つに限定するものではない。
駆動部200は、第1駆動部200aと第2駆動部200bとの1対の駆動部から構成されている。第1駆動部200aと第2駆動部200bは、振動部300が支持部100に支持される端部(根元の部分)から振動部300が延出する方向の略中央部分まで長手方向に沿って平行して形成されている。
第1駆動部200aおよび第2駆動部200bは、それぞれ第1電極としての電極201a、第2電極としての電極201b、圧電体層202などから構成されており、振動部300との間に絶縁層203を備えている。圧電体層202は、電極201aと電極201bとの間に挟まれており、電極201aと電極201bから圧電体層202に駆動電界(交流電界)が印加されることによって変形し、振動部300を振動させる。なお、駆動電界を印加する駆動回路および配線(図示省略)は、振動部300を振動させる様々なモードに対応して適宜構成することができる。
絶縁層203は、好適例として、酸化シリコン(SiO2)層、窒化シリコン(Si34)層などの絶縁層であり、2層以上の複合層で構成されていても良い。絶縁層203の厚さは、例えば0.1μmである。
電極201a,201bには、好適例として窒化チタン(TiN)を用いているがこれに限定するものではない。電極201a,201bの厚さは、充分に低い電気抵抗値が得られる厚さであれば良く、例えば10nm〜1μmとすることができる。
圧電体層202は、好適例として窒化アルミニウム(AlN)を用いているがこれに限定するものではなく、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3:PZT)、ニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti,Nb)O3:PZTN)、酸化亜鉛(ZnO)などの圧電材料であっても良い。圧電体層202の厚さは、例えば0.1μm〜1μmとすることができる。
なお、図示の例では、駆動部200において、電極201a,201bの間には圧電体層202のみが存在するが、電極201a,201bの間に圧電体層202以外の層を有していても良い。圧電体層202の膜厚は、共振条件に応じて適宜変更することができる。
以上のような構成の振動子1において、その振動特性は、振動部300の固有振動特性や駆動部200の構成、駆動電界のモードなどによって設定することができる。換言すると、例えば、製造段階において、振動部300の固有振動特性がばらつくことによって振動子1の振動特性がばらつくことになる。振動部300の固有振動は、振動部300を形成する材料や、振動部300の形状、大きさ、振動部300と支持部100との結合の形状、構造などによって決まるため、安定した精度の振動子1を得るためには、これらのばらつきを抑える必要がある。半導体製造工程で使われるフォトリソグラフィ技術などを用いてパターンを形成する場合、一般に、エッチングストッパーとして機能する境界層が無い場合のエッチングは、ウェットエッチングに比較して、ドライエッチングによる加工の方が、その加工精度を高めやすい。そのため、振動特性に係わる部分の加工は、エッチングストッパーを形成したウェットエッチング、あるいはドライエッチングによることが好ましい。
なお、振動特性とは、振動子を一般的な等価回路で表した場合のLCRの各特性、およびそれらで決定する振動周波数などをいう。
以下に、実施形態1に係る振動子1の製造方法の一例について説明する。
図2(a)〜(f)は、主だった製造工程における振動子1のA−A断面概略図(図1(a))、およびB−B断面概略図である。
図2(a):まず、シリコン基板10を準備し、シリコン基板10の主面(図において上方)に第1層としての酸化シリコン層11をCVD(Chemical Vapor Deposition)法などにより積層して形成する。
図2(b):次に、酸化シリコン層11をパターニングして空隙形成部11pを形成する。パターニングは、半導体製造工程で一般に使われるフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によって行なうことができる。また、ここで形成される空隙形成部11pは、後述する工程において空隙部90を形成する抜き型として機能する。空隙形成部11pの形成は、振動特性に係わる部分の加工であるため、加工寸法のばらつきを抑える必要がある。そのため、ドライエッチングなど、ばらつきを低減できる方法によって行なう。
図2(c):次に、シリコン基板10および空隙形成部11pを覆うように第2層(半導体層)としてのポリシリコン層12をCVD法などにより積層する。ポリシリコン層12は、後述する工程においてパターニングし、支持部100、振動部300などが形成される。
図2(d):次に、ポリシリコン層12に積層するように、駆動部200を形成する。具体的には、ポリシリコン層12の上に絶縁層203、電極201a、圧電体層202、電極201bを順次形成する。また、駆動部200の位置は、シリコン基板10の上からシリコン基板10を平面視したときに、空隙形成部11pに重なる領域に形成する。
絶縁層203は、熱酸化法、CVD法、スパッタリング法などにより積層して形成する。絶縁層203は、パターニングして、上述した駆動部200の最下層を構成する形状となるように形成する。
電極201aは、絶縁層203の上に、蒸着法、スパッタリング法などを用いて形成することができる。電極201aは、パターニングして、上述した駆動部200を構成する形状を有するように形成する。
圧電体層202は、蒸着法、スパッタリング法、レーザーアブレーション法、CVD法などの種々の方法で形成することができる。圧電体層202は、パターニングして、上述した駆動部200を構成する形状を有するように形成する。
電極201bは、圧電体層202の上に、蒸着法、スパッタリング法などを用いて形成することができる。電極201bは、パターニングして、上述した駆動部200を構成する形状を有するように形成する。
なお、駆動部200を形成するための各層のパターニングは、上記のように各層の形成に引き続いて個別に行なっても良いが、各層を積層させた後に合わせてパターニングを行なっても良い。また、ポリシリコン層12の上に電極201aと電気的に絶縁するための絶縁層203を設けているが、ポリシリコン層12が充分高抵抗に形成されている場合や、第2層がポリシリコン層12ではなく、何らかの絶縁材料で構成されている場合などにおいては、絶縁層203を省くことができる。
図2(e):次に、ポリシリコン層12をパターニングして、支持部100と、支持部100から延出し駆動部200が積層された振動部300と、を形成し、空隙形成部11pの一部を露出させる。ここでのパターニングは、支持部100や振動部300などの形状を決定する振動特性に係わる部分の加工であるため、これらのばらつきを抑える必要がある。そのため、ドライエッチングなど、ばらつきを低減できる方法によって行なう。
図2(f):次に、空隙形成部11pを除去し、振動部300とシリコン基板10との間に空隙部90を形成する。具体的には、シリコン基板10およびポリシリコン層12をエッチングストッパーとして、ウェットエッチングにより空隙形成部11pを除去する。ウェットエッチングには、エッチング液として、例えば、フッ化水素酸などを用いることができる。
以上説明した製造工程により、振動子1を形成することができる。なお、上記の製造工程の説明では、電極201a,201bへの配線、駆動回路および半導体回路などを形成する工程についての説明を省いている。
以上述べたように、本実施形態による振動子の製造方法によれば、以下の効果を得ることができる。
シリコン基板10の一方の主面に形成された酸化シリコン層11(第1層)をパターニングすることで空隙形成部11pが形成され、空隙形成部11pを覆う部分を含むポリシリコン層12(第2層)をパターニングすることで振動子1の平面形状が作られる。振動子1は、支持部100と、支持部100から延出し駆動部200が積層された振動部300とを含み構成され、空隙形成部11pを除去することによって、シリコン基板10との間に空隙部90を有する振動部300が形成される。つまり、空隙形成部11pは、空隙部90を形成する抜き型として機能するため、加工精度の高い空隙形成部11pをパターニングしておくことで、空隙部90を精度良く形成することができ、製造工程における空隙部90の寸法ばらつきを低減することができる。具体的には、空隙部90を形成するためのエッチング工程は、空隙形成部11pを除去するエッチング処理であれば良く、ポリシリコン層12をストッパーとしたウェットエッチングで簡便に行なうことができる。従って、本実施形態による振動子の製造方法によれば、エッチング液の濃度、温度、エッチング時間などの管理を厳格に行なう必要がなく、より高精度の振動子を安定して簡便に製造することができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る振動子2の製造方法の一例について説明する。なお、説明にあたり、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
図3(a)は、振動子2を模式的に示す平面図、図3(b)は、図3(a)のA−A断面概略図、図3(c)は、図3(a)のB−B断面概略図である。
振動子2は、空隙形成部11pとシリコン基板10との間に、更に第3層を形成しておき、空隙形成部11pおよび第3層の一部を除去することで、更に深い空隙部を形成することを特徴としている。
振動子2は、図3(b),(c)に示すように、枠状の支持部100とシリコン基板10との間に第3層としての酸化シリコン層13および第4層としての窒化シリコン層14とを有し、空隙部90が酸化シリコン層13および窒化シリコン層14の領域まで及んでいる点を除き、振動子1と同じである。
以下に、実施形態2に係る振動子2の製造方法の一例について説明する。
図4(a)〜(g)は、主だった製造工程における振動子2のA−A断面概略図(図3(a))である。
図4(a):まず、シリコン基板10を準備し、シリコン基板10の主面に第3層としての酸化シリコン層13をCVD法などにより積層して形成する。次に、酸化シリコン層13の上に第4層としての窒化シリコン層14をCVD法などにより積層して形成する。
図4(b):次に、窒化シリコン層14をパターニングして中央領域の窒化シリコン層14を除去して酸化シリコン層13が露出する空隙形成窓14hを形成する。空隙形成窓14hを形成する領域は、以降の工程で形成する空隙形成部11pよりやや狭い領域である。パターニングは、半導体製造工程で一般に使われるフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によって行なうことができる。次に、酸化シリコン層11(実施形態1における第1層)をCVD法などにより積層して形成する。
図4(c):次に、酸化シリコン層11をパターニングして空隙形成部11pを形成する。空隙形成部11pは、空隙形成窓14hを覆うよう形成する。つまり空隙形成窓14hにおいては、露出した酸化シリコン層13に空隙形成部11pが積層するように形成される。
図4(d)〜(f):次に、実施形態1において図2(c)〜(e)を参照して説明した工程と同様の工程を進める。具体的には、支持部100と、シリコン基板10との間に空隙形成部11pおよび酸化シリコン層13を挟んだ状態で、支持部100から延出し駆動部200が積層された振動部300とを形成する。
図4(g):次に、空隙形成部11pおよび酸化シリコン層13の一部を除去し、振動部300とシリコン基板10との間に空隙部90を形成する。具体的には、シリコン基板10、ポリシリコン層12、および窒化シリコン層14をエッチングストッパーとして、ウェットエッチングにより空隙形成部11pおよび酸化シリコン層13の一部を除去する。ウェットエッチングには、エッチング液として、例えば、フッ化水素酸などを用いることができる。
なお、酸化シリコン層13のエッチングは、下層のシリコン基板10と上層の窒化シリコン層14とがエッチングストッパーとして働くが、横方向(面方向)にはエッチングストッパーが無い。従って、枠状の支持部100とシリコン基板10との間に酸化シリコン層13が充分に残るようにエッチング時間を設定する必要がある。但し、支持部100下方の酸化シリコン層13の寸法精度は、支持部100や振動部300など振動特性に直接影響を与える部分ではない。そのため、厳格なエッチング管理を必要とはしていない。
以上説明した製造工程により、振動子2を形成することができる。なお、上記の製造工程の説明では、電極201a,201bへの配線、駆動回路および半導体回路などを形成する工程についての説明を省いている。
以上述べたように、本実施形態による振動子の製造方法によれば、実施形態1の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
空隙形成部11pおよび酸化シリコン層13の一部を除去することで、振動部300とシリコン基板10との間に空隙部90を形成するため、振動部300とシリコン基板10との空隙の間隔をより大きく構成することができる。その結果、例えば、酸化シリコン層11(第1層)の層厚を充分な厚みに形成することが難しい場合であっても、酸化シリコン層13(第3層)の層厚と合わせて空隙部90を構成することができるため、振動部300に必要なシリコン基板10との空隙の形成をよりフレキシブルに行なうことができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。ここで、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略している。
(変形例1)
図5(a)は、振動子1の駆動部200および振動部300を示す断面概略図、図5(b)は、変形例1に係る振動子の駆動部および振動部を示す断面概略図である。いずれも、図1(a)に示すA−A方向の断面概略図である。
実施形態1,2の製造方法では、図1(b)、図3(b)または図5(a)に示すように、駆動部200は、振動部300の上に絶縁層203、電極201a、圧電体層202、電極201bを順次積層して形成するとして説明したが、この構成に限定するものではなく、振動部300に所望の振動を発生させる電界が圧電体層202に加えられる構成であれば良い。
例えば、シリコン基板10の主面と平行な方向、つまり図5(a)に図示する矢印の方向に振動部300を振動させる場合には、振動子1において、第1駆動部200aおよび第2駆動部200bには、図示するような極性(+,−)の関係で交流電界を印加する。
変形例1に係る振動子(図5(b))は、駆動部200vおよび振動部300を含み構成されている。
駆動部200vは、一対の駆動部200av,200bvからなり、振動部300の上に圧電体層202、電極201(201av,201bv)を順次積層して形成されている。振動部300を構成するポリシリコン層12が導電性を有する場合、振動部300と駆動部200av,200bvのそれぞれの圧電体層202との界面は、電極201avと電極201bvの電位の中間の電位となる。従って、図示するような極性の関係で交流電界を印加することで、振動子1と同様に図5(b)に図示する矢印の方向に振動部300を振動させることができる。なお、図5(b)では、振動部300を接地電位に接続しているが、必ずしも接地電位に接続される必要は無い。
本変形例のように、圧電体層202が、第2層としてのポリシリコン層12と電極201との間に挟まれる構成で製造しても良い。このようにすることで、ポリシリコン層12を対向電極とした駆動部を構成することができ、上述した実施形態での効果に加えて、より簡便に振動子を構成することができる。
(変形例2)
図6(a),(b)は、変形例2に係る振動子の駆動部および振動部を示す断面概略図である。いずれも、図1(a)に示すA−A方向の断面概略図である。
実施形態1の製造方法では、図1(a),(b)に示すように駆動部200は、第1駆動部200aと第2駆動部200bとの1対の駆動部から構成されると説明したが、この構成に限定するものではなく、例えば、図6(a),(b)に示すように1つ(1組の電極および圧電体層)の駆動部からなる構成で製造しても良い。
図6(a)に示す例では、駆動部200saは、第1電極としての電極201a、第2電極としての電極201b、圧電体層202などからなり、振動部300の上に電極201a、圧電体層202、電極201bを順次積層して形成している。図6(a)では、振動部300との間に絶縁層203を形成していないが、必要に応じ絶縁層203を形成しても良い。圧電体層202は、電極201aと電極201bから圧電体層202に駆動電界(交流電界)がかけられることによって変形し、振動部300を図に示す矢印の方向に振動させる。
図6(b)に示す例では、駆動部200sbは、第2電極としての電極201b、圧電体層202などからなり、振動部300の上に圧電体層202、電極201bを順次積層して形成している。振動部300を構成するポリシリコン層12は導電性を有し、圧電体層202は、電極201bと振動部300から圧電体層202に駆動電界(交流電界)がかけられることによって変形し、振動部300を図に示す矢印の方向に振動させる。
本変形例のような振動子であっても、上述した実施形態での効果が得られる振動子の製造方法を提供することができる。
1,2…振動子、10…シリコン基板、11…酸化シリコン層、11p…空隙形成部、12…ポリシリコン層、13…酸化シリコン層、14…窒化シリコン層、14h…空隙形成窓、90…空隙部、100…支持部、200…駆動部、200a…第1駆動部、200b…第2駆動部、201,201a,201b…電極、202…圧電体層、203…絶縁層、300…振動部。

Claims (9)

  1. 基板の一方の主面上に第1層を形成する工程と、
    前記第1層をパターニングして空隙形成部を形成する工程と、
    前記基板の前記一方の主面上に、少なくとも前記空隙形成部の一部を覆うように第2層を形成する工程と、
    記基板の平面視で、前記空隙形成部と前記第2層とが重なる領域少なくとも一部と重っており、かつ前記第2層上に少なくとも第1電極、第2電極、および前記第1電極と前記第2電極との間に配置されている圧電体層を備えた駆動部を形成する工程と、
    前記第2層をパターニングして、前記基板の前記一方の主面に接続している支持部と、前記支持部から延出していて前記駆動部が積層されている振動部と、を形成する工程と、
    前記空隙形成部を除去し、前記振動部と前記基板との間に空隙部を形成する工程と、を含むことを特徴とする振動子の製造方法。
  2. 前記第1層が酸化物層であり、前記第2層が半導体層であることを特徴とする請求項1に記載の振動子の製造方法。
  3. 前記第1層を形成する工程の前に前記基板の前記一方の主面上に第3層を形成する工程と、
    前記第3層上に第4層を積層する工程と、
    前記第4層をパターニングして、前記第3層の一部を露出させる工程と、を更に含み、
    その後、前記第1層を形成する工程にて前記第1層を、前記第4層および前記露出された前記第3層上に積層し、
    前記空隙形成部を形成する工程にて前記基板を平面視で、前記空隙形成部を、少なくとも前記露出された前記第3層の一部に重なる領域に形成し、
    前記空隙形成部および前記第3層の一部を除去し、前記振動部と前記基板との間に前記空隙部を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の振動子の製造方法。
  4. 前記第3層が酸化物層であり、前記第4層が窒化物層であることを特徴とする請求項3に記載の振動子の製造方法。
  5. 前記第2層を形成する工程の後であり、かつ前記駆動部を形成する工程の前に前記第2層上に絶縁膜を形成し、
    前記駆動部を形成する工程にて前記絶縁膜上に前記駆動部を形成することを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の振動子の製造方法。
  6. 基板の一方の主面上に第1層を形成する工程と、
    前記第1層をパターニングして空隙形成部を形成する工程と、
    前記基板の前記一方の主面上に、少なくとも前記空隙形成部の一部を覆うように第2層を形成する工程と、
    前記基板の平面視で、前記空隙形成部と前記第2層とが重なる領域の少なくとも一部と重なっており、かつ前記第2層上に圧電体層を形成すると共に、少なくとも第1電極、および第2電極が前記圧電体層上に配置されている駆動部を形成する工程と、
    前記第2層をパターニングして、前記基板の一方の主面に接続している支持部と、前記支持部から延出していて前記駆動部が積層されている振動部と、を形成する工程と、
    前記空隙形成部を除去し、前記振動部と前記基板との間に空隙部を形成する工程と、を含むことを特徴とする振動子の製造方法。
  7. 前記第1層が酸化物層であり、前記第2層が半導体層であることを特徴とする請求項6に記載の振動子の製造方法。
  8. 前記基板の前記一方の主面上に第3層を形成する工程と、
    前記第3層上に第4層を積層する工程と、
    前記第4層をパターニングして、前記第3層の一部を露出させる工程と、を更に含み、
    前記第1層を、前記第4層および露出された前記第3層上に積層し、
    前記基板を平面視で、前記空隙形成部を、少なくとも露出された前記第3層の一部に重なる領域に形成し、
    前記空隙形成部および前記第3層の一部を除去し、前記振動部と前記基板との間に前記空隙部を形成することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の振動子の製造方法。
  9. 前記第3層が酸化物層であり、前記第4層が窒化物層であることを特徴とする請求項8に記載の振動子の製造方法。
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