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JP5948831B2 - 測定装置、測定方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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JP5948831B2 - 測定装置、測定方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

測定装置、測定方法、プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Description

本開示は、測定装置、測定方法、プログラム及び記録媒体に関する。
医療分野において、脈波形(動脈の拍動波形)を測定する技術が多用されている。脈波形は、その波形形状を解析することにより、循環器系の検査(例えば、動脈硬化度測定、ストレス測定)等に用いられるほか、パルスオキシメータ(動脈血中酸素飽和濃度測定装置)等にも利用されている。
なかでも、採血や穿刺を伴わない非侵襲で経皮的に脈波形を測定する技術の一つである光学式容積脈波法(Photoplethysmography)と呼ばれる技術(例えば、以下の特許文献1を参照。)は、人体に負担をかけずに簡便に測定が可能であるため、非常に広い範囲で利用されている。
特開2003−135434号公報
上記のような光学式容積脈波法を用いた脈波形の測定においては、動脈血、静脈血、その他の体成分による光吸収が混合された状態から、周波数フィルタを用いて動脈血による光吸収の時間変動のみを分離する技術が、重要な役割を果たす。
ところで、人間の脈拍は、通常1分間に50回〜150回程度であり、これは、周波数領域では、0.8Hz〜2.5Hz程度の信号に相当する。このような、比較的低い周波数帯域の信号を、直流成分(0Hz)と明確に分離するためには、急峻な遮断特性を有する周波数フィルタが用いられることとなる。
一般に、急峻な遮断特性を有するフィルタ回路は規模が大きくなる傾向があり、現実的な規模のフィルタ回路では、十分な性能を確保するのが困難であった。そのため、特に低灌流で十分な拍動が得られない場合などの悪条件下では、拍動成分の十分な分離が行えない等といった場合が生じうる。
そこで、本開示では、上記事情に鑑みて、急峻な遮断特性を有する周波数フィルタを用いることなく、動脈拍動成分の分離を行うことが可能な、測定装置、測定方法、プログラム及び記録媒体を提案する。
本開示によれば、生体の少なくとも一部に対して所定波長の光を照射して、当該生体をイメージセンサにより撮像し、前記生体による前記光の吸収度合いを測定する測定部と、前記測定部による測定データを利用して、前記生体の測定部位において前記生体の内部に存在する静脈に対応する位置を特定する静脈位置特定部と、前記測定部による測定データの時間変化と、前記静脈位置特定部により特定された前記静脈の位置と、に基づいて、前記測定データの時間変化のうち前記生体の内部に存在する動脈の拍動に由来する成分を分離する拍動成分分離部と、前記拍動成分分離部により分離された前記測定データの前記動脈の拍動に由来する成分を利用して、動脈血中の酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出部と、を備える測定装置が提供される。
また、本開示によれば、生体の少なくとも一部に対して所定波長の光を照射して、当該生体をイメージセンサにより撮像し、前記生体による前記光の吸収度合いを測定することと、測定された測定データを利用して、前記生体の測定部位において前記生体の内部に存在する静脈に対応する位置を特定することと、前記測定データの時間変化と、特定された前記静脈の位置と、に基づいて、前記測定データの時間変化のうち前記生体の内部に存在する動脈の拍動に由来する成分を分離することと、分離された前記測定データの前記動脈の拍動に由来する成分を利用して、動脈血中の酸素飽和度を算出することと、を含む測定方法が提供される。
また、本開示によれば、生体の少なくとも一部に対して所定波長の光を照射して、当該生体をイメージセンサにより撮像し、前記生体による前記光の吸収度合いを測定する測定部と通信可能なコンピュータに、前記測定部による測定データを利用して、前記生体の測定部位において前記生体の内部に存在する静脈に対応する位置を特定する静脈位置特定機能と、前記測定部による測定データの時間変化と、前記静脈位置特定機能により特定された前記静脈の位置と、に基づいて、前記測定データの時間変化のうち前記生体の内部に存在する動脈の拍動に由来する成分を分離する拍動成分分離機能と、前記拍動成分分離機能により分離された前記測定データの前記動脈の拍動に由来する成分を利用して、動脈血中の酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出機能と、を実現させるためのプログラムが提供される。
また、本開示によれば、生体の少なくとも一部に対して所定波長の光を照射して、当該生体をイメージセンサにより撮像し、前記生体による前記光の吸収度合いを測定する測定部と通信可能なコンピュータに、前記測定部による測定データを利用して、前記生体の測定部位において前記生体の内部に存在する静脈に対応する位置を特定する静脈位置特定機能と、前記測定部による測定データの時間変化と、前記静脈位置特定機能により特定された前記静脈の位置と、に基づいて、前記測定データの時間変化のうち前記生体の内部に存在する動脈の拍動に由来する成分を分離する拍動成分分離機能と、前記拍動成分分離機能により分離された前記測定データの前記動脈の拍動に由来する成分を利用して、動脈血中の酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出機能と、を実現させるためのプログラムが記録された記録媒体が提供される。
また、本開示によれば、生体の少なくとも一部に対して所定波長の光を照射して、当該生体をイメージセンサにより撮像し、前記生体による前記光の吸収度合いを測定する測定部と、前記測定部による測定データを利用して、前記生体の測定部位において前記生体の内部に存在する静脈に対応する位置を特定する静脈位置特定部と、前記測定部による測定データの時間変化と、前記静脈位置特定部により特定された前記静脈の位置と、に基づいて、前記測定データの時間変化のうち前記生体の内部に存在する動脈の拍動に由来する成分を分離する拍動成分分離部と、前記拍動成分分離部により分離された前記測定データの前記動脈の拍動に由来する成分を利用して、動脈血中の酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出部と、を備え、前記測定部は、所定波長を有する赤色光及び赤外光の少なくとも2種類の測定光を、前記生体に向かって射出する光源部と、複数のセンサが所定の配置で規則的に配設されており、前記光源部から射出され前記生体を透過した測定光を当該複数のセンサで検出する検出部と、を有する測定装置が提供される。
また、本開示によれば、生体の少なくとも一部に対して所定波長の光を照射して、当該生体をイメージセンサにより撮像し、前記生体による前記光の吸収度合いを測定することと、測定された測定データを利用して、前記生体の測定部位において前記生体の内部に存在する静脈に対応する位置を特定することと、前記測定データの時間変化と、特定された前記静脈の位置と、に基づいて、前記測定データの時間変化のうち前記生体の内部に存在する動脈の拍動に由来する成分を分離することと、分離された前記測定データの前記動脈の拍動に由来する成分を利用して、動脈血中の酸素飽和度を算出することと、を含み、前記光の吸収度合いを測定する際には、所定波長を有する赤色光及び赤外光の少なくとも2種類の測定光を、前記生体に向かって射出し、複数のセンサが所定の配置で規則的に配設されたセンサによって、前記生体を透過した測定光を検出する、測定方法が提供される。
本開示によれば、生体の少なくとも一部に対して所定波長の光が照射され、当該生体がイメージセンサにより撮像されることで、前記生体による前記光の吸収度合いが測定され、測定された測定データを利用して、前記生体の測定部位において前記生体の内部に存在する静脈に対応する位置が特定され、前記測定データの時間変化と、特定された前記静脈の位置と、に基づいて、前記測定データの時間変化のうち前記生体の内部に存在する動脈の拍動に由来する成分が分離され、分離された前記測定データの前記動脈の拍動に由来する成分を利用して、動脈血中の酸素飽和度が算出される。
以上説明したように本開示によれば、急峻な遮断特性を有する周波数フィルタを用いることなく、動脈拍動成分の分離を行うことが可能となる。
一般的なパルスオキシメータの構成について示した説明図である。 一般的なパルスオキシメータの構成について示した説明図である。 生体の皮膚組織と吸光度との関係を示した説明図である。 本開示の第1の実施形態に係る測定装置の構成を示したブロック図である。 同実施形態に係る測定部について説明するための説明図である。 同実施形態に係る測定部について説明するための説明図である。 同実施形態に係る静脈位置特定部について示したブロック図である。 同実施形態に係る拍動成分分離部の構成について示したブロック図である。 同実施形態に係る測定装置における生体の皮膚組織と吸光度との関係を示した説明図である。 同実施形態に係る測定方法の全体的な流れの一例を示した流れ図である。 同実施形態に係る静脈マスクの生成処理の流れの一例を示した流れ図である。 同実施形態に係る静脈マスクの適用処理の流れの一例を示した流れ図である。 本開示の実施形態に係る測定装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は、以下の順序で行うものとする。
(1)パルスオキシメータの原理について
(2)第1の実施形態
(2−1)測定装置の構成について
(2−2)測定方法の流れについて
(3)本開示の実施形態に係る測定装置のハードウェア構成について
(4)まとめ
(パルスオキシメータの原理について)
本開示の実施形態に係る測定装置、測定方法、プログラム及び記録媒体について説明するに先立ち、光学式容積脈波法を用いた一般的なパルスオキシメータの原理について、図1〜図3を参照しながら、簡単に説明する。図1及び図2は、一般的なパルスオキシメータの構成について示した説明図である。図3は、生体の皮膚組織と吸光度との関係を示した説明図である。
パルスオキシメータは、経皮的に動脈血の酸素飽和度(percutaneous oxygen saturation,SpO2と呼ばれる。)を測定する機器である。このパルスオキシメータ700は、図1に示したように、その構成要素として、一般的な脈波測定装置701を含む。
パルスオキシメータ700は、測定プローブ703が接続された吸光度測定部715で、生体情報を測定する。測定プローブ703は、図1に示したように、発光部711と受光部713とで構成されており、後述するように、生体による光吸収の時間変化を測定する。測定プローブ703により測定された光吸収に関する測定結果は、周波数フィルタ717へと出力され、周波数フィルタ717において、動脈の拍動に由来する周波数成分(以下、単に「拍動成分」とも称する。)が分離される。分離された拍動成分に関する情報は、酸素飽和度算出部719へと出力され、拍動成分の振幅に基づいて、酸素飽和度が算出される。算出された酸素飽和度は、酸素飽和度出力部721へと出力され、酸素飽和度出力部721によりユーザへと出力される。
パルスオキシメータでは、生体に向けて照射する光(入射光)に、複数の波長の光を用いることが求められる。そのため、測定プローブ703には複数の発光部711が配置され、時分割で切り替えて用いられる。また、入射光には、生体内に届きやすいという理由から、赤色光から近赤外光の帯域に属する波長の光が用いられることが多い。
図2に示したように、パルスオキシメータ700の測定プローブ703では、発光部711から入射光を生体の皮膚面に照射し、生体内で反射したり拡散したりして戻った出射光を、受光部713で受光する。このとき、入射光は、生体内に存在する動脈や静脈やその他の体組織によって一部吸収されて、出射光として観測されることとなる。
ここで、以下の式11で表されるランベルト・ベール(Lambert−Beer)の法則が成り立つとすると、入射光と出射光の強度比から、物質の濃度を算出することができる。
Figure 0005948831
ここで、上記式11において、
:入射光強度
:出射光強度
ε:吸光係数
C:物質の濃度
l:光路長
である。
特に、血液中のヘモグロビン(Hb)は、酸素との結合の有無によって吸光度が変化し、また、観測する波長によっても吸光度が異なる。従って、複数の波長で吸光度を測定することによって、酸素と結合していないヘモグロビン(Hb)と、酸素と結合したヘモグロビン(酸素化ヘモグロビン:HbO2)の比率を求めることができる。
血液中に含まれる総ヘモグロビンのうち、酸素化ヘモグロビンの割合を、血中酸素飽和度と呼ぶ。生体情報として特に有用なものは動脈血の酸素飽和度SaO2(arterial oxygen saturation)であるが、この酸素飽和度SaO2は、以下の式12で算出することができる。
Figure 0005948831
なお、上記式12において、
SaO2:動脈血酸素飽和度
HbO2:酸素化ヘモグロビン濃度
Hb:ヘモグロビン濃度
である。
ここで、先述のSpO2は、SaO2を経皮的に測定したものである。SpO2は、非侵襲で測定が可能であることから、極めて広範囲で利用される反面、直接観血を行う測定法にどれだけ近い測定値を得ることができるかが課題となる。パルスオキシメータの国際標準規格(ISO 9919 2005)には、SpO2が70%〜100%の範囲において、SaO2との誤差が4%以内であることが規定されている。
上述の通り、パルスオキシメータ700における測定プローブ703の受光部713で観測される出射光は、入射光が体内における反射・散乱の過程で、体組織や血液成分による吸収を受けたものである。出射光強度を解析することでSpO2を算出することが可能であるが、SpO2は動脈血の酸素飽和度であるから、出射光から動脈血以外による光吸収の影響を除外することが求められる。
入射光に光吸収をもたらす要素は、動脈血、静脈血、その他の体組織の3種類に大別することができる。このとき、出射光は、図3及び下記の式13に示すような光吸収を受ける。下記の式13は、上記式11に示したランベルト・ベールの法則を拡張したものであり、拡張ランベルト・ベールの法則と呼ばれる。
Figure 0005948831
ここで、上記式13において、
λ:波長
ε:吸光係数
C:濃度
d:光路長
である。
また、上記式13において、最右辺第1項は、血液以外の成分に起因する光吸収を表しており、最右辺第2項は、静脈血に起因する光吸収を表しており、最右辺第3項は、動脈血に起因する光吸収を表しており、最右辺第4項は、生体内での拡散に起因する光吸収を表している。
パルスオキシメータは、上記3種類の要素のうち、動脈のみに拍動性があることを利用し、動脈血の吸光をその他の要素から分離する。すなわち、上記式13を時間微分することで、拍動性を持たない(換言すれば、時間変化の無い)静脈及びその他の体組織による光吸収の影響を除去する。この微分操作は、信号処理においては、周波数フィルタによる直流成分の除去に相当するものであり、脈波形の抽出処理に他ならない。
上記式12において、SaO2を算出するための未知数は、ヘモグロビン濃度(CHb)と、酸素化ヘモグロビン濃度(CHbO2)の2種類であるため、2つの未知数を特定するために2つの測定結果を連立させることが求められる。従って、パルスオキシメータでは、少なくとも2つの波長を用いて測定が行われる。
いま、波長λ1,λ2の2種類の入射光で測定を行い、出射光強度の時間変化であるΔODλ1,ΔODλ2を求める場合を考える。この場合、2つの波長を用いて測定された出射光強度の時間変化は、上記式13から、以下の式14のように表すことができる。従って、未知数であるヘモグロビン濃度(CHb)及び酸素化ヘモグロビン濃度(CHbO2)は、ヘモグロビン及び酸素化ヘモグロビンの吸光係数等と、測定結果とを用いて、以下の式15に示したように算出することが可能となる。
Figure 0005948831
従って、式15を式12に代入すると、以下の式16を得ることができる。ここで、下記式16において、パラメータα、β,Φは、以下の式17a〜式17cの通りである。
Figure 0005948831
上記式16の最右辺から明らかなように、SaO2の値は、パラメータΦに比例する関数として与えられることがわかる。パラメータΦは、上記式17cのように、波長λ1と波長λ2で測定した脈波形の振幅の比である。また、パラメータα,βは、式17a及び式17bに示したように、ヘモグロビンの吸光係数から理論的に算出することが可能であるが、多くの場合には、事前に実験で求めた変換表に基づく校正を行うことで求めている。そのようにすることで、ランベルト・ベールの法則の成立する条件と、実際の生体における条件との乖離も含めた補正が可能となるからである。
このような方法がパルスオキシメータの動作原理であり、パルスオキシメータは、2種類の波長による測定結果を利用して、動脈血の酸素飽和度SpO2を算出する。
このように、一般的なパルスオキシメータでは、動脈の拍動成分に対応する信号を分離するために周波数フィルタを利用することとなるが、動脈の拍動成分に対応する信号を明確に分離するためには、急峻な遮断特性を有する周波数フィルタを用いることが求められる。しかしながら、急峻な遮断特性を有する周波数フィルタ回路は規模が大きくなる傾向がある一方で、規模の小型化を図るために現実的な規模の周波数フィルタ回路を用いると、拍動成分の十分な分離が行えない可能性があるという、トレードオフの関係が成立していた。
そこで、本発明者らは、上述のような状況について鋭意検討を行った結果、以下で説明するような本開示の実施形態に係る測定装置及び測定方法に想到し、急峻な遮断特性を有する周波数フィルタを用いることなく、動脈拍動成分の分離を精度よく行うことが可能となった。
(第1の実施形態)
<測定装置の構成について>
以下では、図4〜図9を参照しながら、本開示の第1の実施形態に係る測定装置及び測定方法について、詳細に説明する。図4は、本実施形態に係る測定装置の構成を示したブロック図であり、図5及び図6は、本実施形態に係る測定部について説明するための説明図である。図7は、本実施形態に係る静脈位置特定部について示したブロック図であり、図8は、本実施形態に係る拍動成分分離部の構成について示したブロック図である。図9は、本実施形態に係る測定装置における生体の皮膚組織と吸光度との関係を示した説明図である。
本実施形態に係る測定装置10は、図4に示したように、測定部101と、測定制御部103と、測定データ取得部105と、静脈位置特定部107と、拍動成分分離部109と、酸素飽和度算出部111と、測定結果出力部113と、記憶部115と、を主に備える。
本実施形態に係る測定部101は、生体の少なくとも一部を測定する測定プローブとして機能するものである。本実施形態に係る測定部101は、生体の少なくとも一部に対して所定波長の光を照射して、当該生体をイメージセンサにより撮像し、生体による光の吸収度合いを測定する。
この測定部101は、例えば図5に示したように、所定波長を有する赤色光(例えば、660nm前後)及び近赤外光(例えば、940nm前後)の少なくとも2種類の測定光を、生体に向かって射出する光源部と、複数のセンサが所定の配置で規則的に配設されており、光源部から射出され前記生体を透過した測定光を当該複数のセンサで検出する検出部(例えば、イメージセンサ)と、を有している。
測定部101の光源部は、赤色光及び近赤外光のそれぞれを入射光として生体の一部(測定部位)に照射して、測定部位の肌画像を撮像する。入射光が皮膚に照射されると、入射光は生体内で反射・拡散した後に、生体表面から出射光として出射し、イメージセンサを有する検出部により検出される。このとき、入射光は、動脈や、静脈や、その他の生体組織によって一部吸収されるため、出射光の光量は入射光の光量よりも減少している。検出部は、出射光の光量の分布を測定して、測定部位に関する測定データとする。
測定部位を撮影するための光学系としては、イメージセンサの位置ずれや、生体との距離変化の影響を避けるため、体表面に密着して撮影ができるような光学系が望ましい。このような光学系の一例として、図6に示したようなマイクロレンズアレイ(MLA)光学系を挙げることができる。図6に示したようなMLA光学系を、適切な波長の入射光と組み合わせて用いると、イメージセンサを体表面に密着させた状態で、生体内の撮影が可能となる。
以下では、図6を参照しながら、本実施形態に係る測定部101の一例であるマイクロレンズアレイ光学系の構成について、具体的に説明する。
○光源について
光源121は、生体の測定部位を測定するために用いられ、所定の波長帯域に属する測定光を、生体表面に向かって射出する。この光源121は、測定光の射出面が生体表面と対向するように、所定のフレームFに配設される。
先だって説明したように、光源121は、ヘモグロビン(還元ヘモグロビン)を測定するために用いられる赤色光(例えば、波長660nmの赤色光)や、酸素化ヘモグロビンを測定するために用いられる近赤外光(例えば、波長940nmの近赤外光)等を射出する。このような複数の波長の光は、例えば、光源121から時分割で射出される。
なお、前述の赤色光及び近赤外光の波長はあくまでも一例であって、本実施形態に係る測定装置10の光源121が射出する光が、上記の例に限定されるわけではない。
このような光源121としては、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)や小型のレーザ等を利用可能であり、このような発光デバイスが、光源121として1又は複数個設けられる。
また、光源121は、後述する測定制御部103により、上記測定光の射出タイミングや射出される測定光の強度等が制御される。
なお、光源121の配設されるフレームFの形状は特に限定されるわけではないが、光源121と、後述する検出部との間に図6に示したような壁部を設けることで、このような壁部を、光源121から射出される光が検出部に入射することを防止する遮光壁として用いることが可能となる。
○検出部について
本実施形態に係る測定装置10が備える検出部は、複数のセンサが所定の配置で規則的に配設されており、光源121から射出され生体内を透過した測定光を、複数のセンサで検出するものである。換言すれば、本実施形態に係る検出部は、いわゆるマルチタップセンサにより構成されている。
本実施形態に係る測定装置10が備える検出部は、図6に示したように、例えば、光源121から射出された測定光が属する波長帯域の光を透過可能な透明基板123と、第1遮光体125と、マイクロレンズアレイ127と、第2遮光体131と、センサ133と、を主に備える。
透明基板123は、生体表面の一部が配設される部分である。この透明基板123は、測定処理で利用される波長の光を透過可能な基板を用いて形成される。光源121から射出され、生体内部を透過してきた測定光は、透明基板123を透過すると、第1遮光体125によって指向性が制御される。
第1遮光体125は、透明基板123を透過した測定光の指向性を制御する指向性制御板として機能するものであり、後述するマイクロレンズアレイ127において互いに隣り合うマイクロレンズ129の境界部に設けられている。このような第1遮光体125を設けることにより、各マイクロレンズ129に入射する測定光の指向性を制御することが可能となり、より高精度な測定を行うことが可能となる。第1遮光体125を通過した測定光は、マイクロレンズアレイ127へと導光される。
マイクロレンズアレイ127は、図6上段に示したように、受光レンズである複数のマイクロレンズ129から構成されており、各マイクロレンズ129は、所定の基板上にx方向及びy方向に沿って格子状に配列されている。各マイクロレンズ129は、マイクロレンズ129に入射した測定光を、後述するセンサ133へと導光する。マイクロレンズアレイ127は、像面湾曲が少なく深さ方向のひずみがないレンズアレイであるため、このようなマイクロレンズアレイ129を用いることで、良好な測定データを得ることができる。なお、マイクロレンズアレイ127を構成する各マイクロレンズ129の被写界深度は、本実施形態に係る測定装置10で着目する皮膚構造を包括するように(例えば、体表から10mmの深さの範囲までがフォーカスされるように)設定される。
なお、本実施形態に係るマイクロレンズアレイ127に配設されるマイクロレンズ129の個数は、図6上段に示した例に限定されるわけではない。本実施形態に係るマイクロレンズアレイ127に配設されるマイクロレンズ129の個数は、撮像したい生体の大きさや、センサ133の大きさに応じて、自由に設定することが可能である。
マイクロレンズアレイ127に入射した測定光は、マイクロレンズ129により集光されて、後述するセンサ133へと結像されることとなる。
ここで、マイクロレンズアレイ127におけるセンサ133側に位置する面では、互いに隣り合うマイクロレンズ129の境界部に、第2遮光体131が設けられる。この第2遮光体131により、マイクロレンズアレイ127を透過した測定光の指向性を制御することが可能となり、各マイクロレンズ129に入射した光を、隣接するマイクロレンズ129に入射した光と分離することができる。これにより、本実施形態に係る測定装置10では、センサ133に集光される測定光を選択することが可能となる。
センサ133は、図6上段に示したxy平面の各位置における測定光の強度を検出する。このセンサ133は、光検出器(Photo Detector:PD)等により受光した測定光の強度を電気信号に変換して、後述する測定データ取得部105へと出力する。このセンサ133としては、CCD(Charge Coupled Devices)型画像センサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型画像センサ、有機ELを受光素子としたセンサ、TFT(Thin Film Transistor)型画像センサや等の2次元エリアセンサを利用することができる。
このセンサ133は、後述する測定制御部103により走査タイミング等が制御され、例えば図6上段における任意の位置の検出強度を測定データ取得部105に出力することができる。
以上、図6を参照しながら、本実施形態に係る測定部101の構成の一例について、詳細に説明した。
以上説明したようなマイクロレンズアレイ光学系では、それぞれのマイクロレンズは、直下にある受光素子アレイの小領域に小さな像を結ぶ。これらの像は周囲の像と重複部分があるため、不要な部分を除いて再構成を行うことにより、重複のない1枚の完全な画像を得ることができる。MLA光学系の画像処理においては、この再構成を行う際に、元画像から取り出す領域を変化させることで、異なる距離に焦点を合わせた画像を生成できるという特徴がある。すなわち、体表面に密着したまま、機械的な光学系の移動を伴わずに、体表面から数ミリメートルの深さに存在する皮下組織(例えば、静脈組織等)に焦点を合わせることができ、都合がよい。なお、動脈は体内の深いところにあって、光拡散の影響を強く受けるため、像を結ぶことはなく、動脈血の拍動による、広い面積の光吸収変化としてのみ観測される。
測定部101として、以上説明したようなマイクロレンズアレイ光学系を備えたイメージセンサを利用することにより、測定装置10の小型化を図ることが可能となる。また、マイクロレンズアレイ光学系を利用することでより細かな血管(静脈)を撮像することが可能となり、後述する拍動成分分離部109における処理の精度を向上させることができる。
以上、図5及び図6を参照しながら、本実施形態に係る測定部101について、詳細に説明した。
以下では、再び図4に戻って、本実施形態に係る測定制御部103について説明する。
測定制御部103は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信装置等により実現される。測定制御部103は、測定部101に設けられた光源部や検出部等の駆動制御を行うことにより、測定部101における生体の測定処理全般を統括する。より詳細には、測定制御部103は、所定の同期信号等に基づいて、検出部に用いられたイメージセンサの走査タイミングや、情報を取得するイメージセンサの画素の選択等といったセンサの駆動制御を行う。また、測定制御部103は、光源部に対しても、測定光の射出タイミングや強度に関する駆動制御を行う。
測定制御部103が以上のような駆動制御を行うことで、測定部101の光源部は、時分割で異なる波長の測定光を射出することが可能となるとともに、測定部101の検出部は、イメージセンサ上の任意の位置の測定データを時分割で取得することが可能となる。
測定制御部103により駆動制御された測定部101によって測定された測定データは、後述する測定データ取得部105へと出力されて、測定データの解析処理が実施される。
ここで、測定制御部103は、測定部101の制御を行うにあたり、後述する記憶部115等に記録されている各種のプログラムやパラメータやデータベース等を参照することが可能である。
測定データ取得部105は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。測定データ取得部105は、測定部101により測定された測定データ(所定波長の光を用いて撮像された測定部位の撮像データ)を測定部101から取得して、後述する静脈位置特定部107及び拍動成分分離部109に出力する。測定データ取得部105は、所定のタイミング毎に測定部101から出力される測定データを順次取得することで、後述する拍動成分分離部109や酸素飽和度算出部111は、測定データの時間変化を把握することが可能となる。
なお、測定データ取得部105は、取得した測定データを、当該データを取得した日時等に関する時刻情報と関連付けて、履歴情報として後述する記憶部115に格納してもよい。
静脈位置特定部107は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。静脈位置特定部107は、測定部101によって測定された測定データを利用して、生体の測定部位において生体の内部に存在する静脈の位置を特定する。
測定部101に設けられた光源部から射出され体内に入射した測定光は、体内を散乱して検出部へと到達するが、生体内の静脈が存在する位置では、静脈血による光吸収が起こって、生体からの出射光の強度が減少することとなる。従って、測定部101により測定された撮像データでは、静脈に該当する位置は、周囲よりも輝度の低い領域として存在することとなる。以下では、撮像データに表される静脈の形状を示した画像を、静脈パターンと称することとする。
本実施形態に係る静脈位置特定部107は、例えば、測定データ取得部105から出力された測定データ(すなわち、測定部位の撮像画像)に対して、静脈パターン抽出の前処理を行なう機能と、静脈パターンの抽出を行なう機能と、静脈パターン抽出の後処理を行なう機能と、を有している。
ここで、上記の静脈パターン抽出の前処理は、例えば、静脈画像から指の輪郭を検出し、静脈画像のどの位置に指があるかを識別する処理や、検出した指の輪郭を利用して撮像画像を回転させて、撮像画像の角度を補正する処理等を含む。
また、上記の静脈パターンの抽出は、輪郭の検出や角度の補正が終了した撮像画像に対して差分フィルタを適用することで行なわれる。差分フィルタは、注目している画素とその周囲の画素について、注目している画素と周囲の画素との差分が大きな部分で、大きな値を出力値として出力するフィルタである。換言すれば、差分フィルタとは、注目している画素とその近傍の階調値の差分を用いた演算により、画像中の線や縁を強調するフィルタである。
一般的に、2次元平面の格子点(x,y)を変数とする画像データu(x,y)に対してフィルタh(x,y)を用いてフィルタ処理を行なうと、以下の式101に示すように、画像データν(x,y)が生成される。ここで、以下の式101において、‘*’は畳込み積分(コンボリューション)を表す。
Figure 0005948831
本実施形態に係る静脈パターンの抽出では、上記の差分フィルタとして、1次空間微分フィルタや2次空間微分フィルタ等の微分フィルタを用いてもよい。1次空間微分フィルタは、注目している画素について、横方向と縦方向の隣接している画素の階調値の差分を算出するフィルタであり、2次空間微分フィルタは、注目している画素について、階調値の差分の変化量が大きくなっている部分を抽出するフィルタである。
上記の2次空間微分フィルタとして、例えば、以下に示すLog(Laplacian of Gaussian)フィルタを用いることが可能である。Logフィルタ(式103)は、ガウス関数を用いた平滑化フィルタであるガウシアン(Gaussian)フィルタ(式102)の2次微分で表される。ここで、以下の式102において、σはガウス関数の標準偏差を表し、ガウシアンフィルタの平滑化の度合いを表す変数である。また、以下の式103におけるσは、式102と同様にガウス関数の標準偏差を表すパラメータであり、σの値を変化させることで、Logフィルタ処理を行なった場合の出力値を変化させることができる。
Figure 0005948831
また、上記の静脈パターン抽出の後処理は、例えば、差分フィルタ適用後の撮像画像に対してなされる閾値処理や、2値化処理や、細線化処理等を含む。かかる後処理を経て、静脈パターンのスケルトンを抽出することが可能となる。
静脈位置特定部107は、以上説明したような方法で静脈パターンを抽出すると、抽出した静脈パターンに基づいて、生体の測定部位において生体の内部に存在する静脈の位置を表す情報を生成する。なお、以下では、この静脈の位置を表す情報を、静脈マスクと称することとする。
以下、図7を参照しながら、静脈位置特定部107によって生成される静脈マスクについて、簡単に説明する。
図7(a)は、本実施形態に係る測定部101によって撮像された撮像画像であり、図7(b)は、図7(a)に示した撮像画像から抽出された静脈パターンを示した模式図である。図7(a)を参照すると、静脈の形状が暗く浮かび上がっていることがわかる。これは、静脈血によって入射光の吸収がおこったためである。従って、例えば図7(a)に示したような撮像画像において周囲よりも輝度値が暗い領域は、静脈が存在する位置であると判断することができる。
本実施形態に係る静脈位置特定部107は、図7(a)に示したような撮像画像を利用して図7(b)に示したような静脈パターンを抽出すると、続いて、図7(c)に示したように、静脈パターンを複数の小領域に分割する。ここで、小領域への分割数は、特に限定されるわけではなく、撮像画像の画素数や求める測定精度等に応じて、適宜決定すればよい。
静脈位置特定部107は、図7(c)に示した小領域毎の平均輝度が、所定の閾値より明るいか否か(平均輝度が所定の閾値よりも大きいか否か)を判定して、静脈パターンを2値化する。すなわち、静脈位置特定部107は、所定の閾値以上の平均輝度を有する小領域の画素値を1として取り扱うとともに、所定の閾値未満の平均輝度を有する小領域の画素値を0として取り扱うことで、図7(d)に示したように、静脈パターンの2値化画像を生成することができる。静脈位置特定部107は、このような静脈パターンの2値化画像を、静脈マスクとして利用する。
静脈位置特定部107は、このようにして静脈マスクを生成すると、生成した静脈マスクを、後述する拍動成分分離部109へと出力する。
なお、以上のような静脈マスクの生成は、1回の脈波測定について最初に1枚作成すれば十分であるが、2枚以上の静脈マスクが生成されてもよい。また、静脈位置特定部107により行われる静脈パターンの抽出処理の詳細は、上記の処理方法に限定されるわけではなく、公知の任意の処理方法を利用することが可能である。
再び図4に戻って、本実施形態に係る拍動成分分離部109について説明する。
本実施形態に係る拍動成分分離部109は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。拍動成分分離部109は、測定部101による測定データの時間変化と、静脈位置特定部107により特定された静脈の位置と、に基づいて、測定データの時間変化のうち生体の内部に存在する動脈の拍動に由来する成分を分離する。
この拍動成分分離部109は、図8に示したように、空間フィルタ部141と、周波数フィルタ部143と、を備える。
空間フィルタ部141は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。空間フィルタ部141は、静脈位置特定部107により特定された静脈の位置(すなわち、静脈マスク)に基づいて、測定部位を連続撮像して得られた複数の測定データから、静脈の位置に該当するデータを除外する。その後、空間フィルタ部141は、静脈の部位を除外し、静脈がない位置にある受光素子の測定データ毎に、平均輝度を算出する。このようにして算出した平均輝度を画像フレーム毎に時系列で並べることで、空間フィルタ部141は、図7に示したようなそれぞれの小領域について、静脈血以外の体組織(すなわち、動脈血及びその他の体組織)による吸光度の時間変化データを生成することができる。
静脈のない位置で測定される光吸収は、図9に示したように、最初から静脈血に由来する光吸収成分を除外した状態にある。静脈の存在しない位置で受光した光は、静脈血による光吸収を受けていないため、静脈の存在する位置で受光した光と比較して、測定したい動脈血の光吸収成分の割合が相対的に大きくなる。従って、静脈マスク画像を参照し、静脈の存在しない位置での測定データを利用することで、信号対雑音比(Signal to Noise Ratio:S/N)を向上させることが可能となる。
このように、撮像画像から静脈と認識された空間的な位置に基づく分離を行う処理は、空間フィルタによる情報分離に相当する処理であることがわかる。
空間フィルタ部141は、静脈マスク及び測定データを利用して、吸光度の時間変化データを生成すると、生成した時間変化データを、後述する周波数フィルタ部143へと出力する。
周波数フィルタ部143は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。周波数フィルタ部143は、空間フィルタ部141から出力された、静脈の位置に該当するデータが除外された測定データから、所定の周波数成分を分離する。これにより、周波数フィルタ部143は、空間フィルタ部141から出力された時間変化データから、直流成分(すなわち、図9におけるその他の体組織に由来する成分)を除外する。このようにして生成されたデータが、動脈の拍動を表す脈波形データである。
周波数フィルタ部143は、このようにして生成された動脈の拍動を表す脈波形データを、後述する測定結果出力部113へと出力する。また、本実施形態に係る測定装置10において、酸素飽和度SpO2を算出する場合には、周波数フィルタ部143は、生成した脈波形データを、後述する酸素飽和度算出部111へと出力する。
以上説明したように、本実施形態に係る拍動成分分離部109では、撮像画像上で、静脈と認識された空間的な位置を分離した上で、分離後のデータを周波数フィルタにより処理する。これにより、周波数フィルタに求められる遮断周波数特性を緩和することができ、急峻な遮断特性を有する周波数フィルタを用いることなく、動脈の拍動成分を精度よく分離することが可能となる。
なお、周波数フィルタ部143は、生成した動脈の拍動を表す脈波形データを、当該データを生成した時刻等に関する時刻情報と関連付けて、履歴情報として後述する記憶部115等に格納してもよい。
酸素飽和度算出部111は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。酸素飽和度算出部111は、拍動成分分離部109により分離された動脈の拍動に由来する成分(すなわち、脈波形データ)を利用して、動脈血中の酸素飽和度を算出する。より詳細には、酸素飽和度算出部111は、赤色光を用いて測定された測定データから生成された脈波形データと、赤外光を用いて測定された測定データから生成された脈波形データと、を利用して、ヘモグロビン濃度及び酸素化ヘモグロビン濃度を算出する。その上で、酸素飽和度算出部111は、算出したヘモグロビン濃度及び酸素化ヘモグロビン濃度を利用して、酸素飽和度を算出する。
酸素飽和度の算出方法は、特に限定されるものではないが、例えば、先だって説明したような、式16〜式17cに基づく酸素飽和度の算出方法を利用することが可能である。
酸素飽和度算出部111は、脈波形データを利用して算出したヘモグロビン濃度及び酸素化ヘモグロビン濃度を利用して酸素飽和度SpO2を算出すると、算出した酸素飽和度SpO2に関する情報を、後述する測定結果出力部113へと出力する。また、酸素飽和度算出部111は、算出した酸素飽和度に関する情報を、当該情報を生成した日時等の時刻情報と関連付けて、履歴情報として後述する記憶部115に格納してもよい。
測定結果出力部113は、例えば、CPU、ROM、RAM、出力装置、通信装置等により実現される。測定結果出力部113は、拍動成分分離部109が生成した脈波形データや、酸素飽和度算出部111が算出した酸素飽和度SpO2に関する情報といった、動脈の拍動成分を解析することにより得ることができる特徴データや特徴量を出力する。測定結果出力部113は、このような動脈の拍動成分に由来する各種の情報を、測定装置10が備えるディスプレイ等の出力装置に出力してもよいし、プリンタ等を利用して紙媒体としてユーザに出力してもよい。また、測定結果出力部113は、得られた動脈の拍動成分に由来する各種の情報を、測定装置10の外部に設けられたディスプレイや各種の情報処理装置等に出力してもよい。
測定結果出力部113が、動脈の拍動成分に由来する各種の情報を出力することで、本実施形態に係る測定装置10のユーザは、測定結果を把握することが可能となる。
記憶部115は、本実施形態に係る測定装置10に設けられたRAMやストレージ装置等により実現される。記憶部115には、上記式16に示した定数α,βに関する変換表等といった、測定装置10における各種の処理で用いられる光吸収スペクトルのデータや、各種のデータベースやルックアップテーブル等が格納されている。また、記憶部115には、本実施形態に係る測定部101により測定された測定データや、本実施形態に係る測定装置10が実施する処理に用いられる各種のプログラムやパラメータやデータ等が記録されていてもよい。また、記憶部115には、これらのデータ以外にも、測定装置10が、何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等を適宜記憶することが可能である。この記憶部115は、測定部101、測定制御部103、測定データ取得部105、静脈位置特定部107、拍動成分分離部109、酸素飽和度算出部111、測定結果出力部113等の各処理部が、自由にアクセスし、データを書き込んだり読み出したりすることができる。
以上、図4〜図9を参照しながら、本実施形態に係る測定装置10の構成について、詳細に説明した。
なお、本実施形態に係る測定制御部103、測定データ取得部105、静脈位置特定部107、拍動成分分離部109、酸素飽和度算出部111及び測定結果出力部113は、本実施形態に係る測定装置10の一部として実現されていてもよいし、測定装置10に接続されているコンピュータ等の外部機器に実現されていてもよい。また、測定部101によって生成される測定データがリムーバブル記憶媒体等に格納され、この記憶媒体が測定装置10から取り外されて、測定データ取得部105、静脈位置特定部107、拍動成分分離部109、酸素飽和度算出部111及び測定結果出力部113を有する他の装置に接続されることで、測定データが解析されてもよい。
以上、本実施形態に係る測定装置10の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
なお、上述のような本実施形態に係る測定装置の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
<測定方法について>
続いて、図10〜図12を参照しながら、本実施形態に係る測定装置10で実施される測定方法の流れについて、詳細に説明する。図10は、本実施形態に係る測定方法の全体的な流れの一例を示した流れ図である。図11は、本実施形態に係る静脈マスクの生成処理の流れの一例を示した流れ図であり、図12は、本実施形態に係る静脈マスクの適用処理の流れの一例を示した流れ図である。
[測定方法の全体的な流れ]
まず、図10を参照しながら、本実施形態に係る測定方法の全体的な流れについて説明する。
まず、本実施形態に係る測定装置10の測定部101は、測定制御部103による制御のもとで、測定部101に載置された生体の測定部位を測定し(ステップS101)、静脈マスク作成のための初期画像(静脈マスク用画像)を取得する(ステップS103)。測定部101は、得られた静脈マスク用画像を測定データ取得部105に出力し、測定データ取得部105は、出力された静脈マスク用画像を、静脈位置特定部107に出力する。
静脈位置特定部107は、測定データ取得部105から出力された静脈マスク用画像に基づいて、静脈マスクを生成する(ステップS105)。静脈位置特定部107は、静脈マスクを生成すると、生成した静脈マスクを、拍動成分分離部109へと出力する。
その後、本実施形態に係る測定装置10の測定部101は、測定制御部103による制御のもとで、脈波測定のための最初の測定データ(画像データ)を取得する(ステップS107)。その後、測定部101は、得られた画像を測定データ取得部105に出力し、測定データ取得部105は、出力された測定データ(画像データ)を、拍動成分分離部109へと出力する。
拍動成分分離部109の空間フィルタ部141は、測定データ取得部107から出力された画像に対して、静脈位置特定部105により生成された静脈マスクを適用して(ステップS109)、静脈が存在する位置を除外した測定データを生成する。その後、空間フィルタ部141は、得られたデータを利用して平均輝度値を算出し、得られた平均輝度値のデータを周波数フィルタ部143に出力する。
周波数フィルタ部143は、空間フィルタ部141から出力された、平均輝度値のデータの時系列に対して周波数フィルタを適用し(ステップS111)、直流成分を除去した後、得られたデータ(すなわち、脈波形データ)を酸素飽和度算出部111に出力する。
ここで、測定制御部103は、所望の測定時間だけ測定をしたか否かを判断し(ステップS113)、所望の測定時間分の測定を完了していない場合には、測定部101に次の画像を取得させる(ステップS115)。測定部101は、次の画像を取得すると、取得した画像を測定データ取得部105に出力し、測定データ取得部105は、取得したデータを拍動成分分離部109に出力する。その後、拍動成分分離部109では、ステップS109以降の処理を継続して実施することとなる。
一方、所望の測定時間分の測定が終了している場合には、酸素飽和度算出部111は、得られた脈波形データの時系列の推移に基づいて、酸素飽和度を算出する(ステップS117)。その後、酸素飽和度算出部111は、得られた酸素飽和度に関する情報を、測定結果出力部113に出力する。
以上のような処理が行われることにより、本実施形態に係る測定装置10では、測定部位の脈波形データを測定して、酸素飽和度を算出することができる。
[静脈マスクの生成処理について]
次に、図11を参照しながら、静脈位置特定部107により実施される静脈マスク画像の生成処理の流れについて、簡単に説明する。
静脈位置特定部107は、まず、測定データ取得部105から出力された、静脈マスク用画像を、複数の小領域に分割する(ステップS121)。その後、静脈位置特定部107は、最初の小領域を選択して(ステップS123)、選択した小領域内の各画素の輝度値を積分する。
次に、静脈位置特定部107は、積分することで得られた輝度値を、事前に設定した所定の閾値と比較する(ステップS125)。積分することで得られた輝度値が所定の閾値以上である場合には、静脈位置特定部107は、選択した小領域が静脈による光吸収を受けている領域(以下、静脈領域とも称する。)であると特定する(ステップS129)。一方、積分することで得られた輝度値が所定の閾値未満である場合には、静脈位置特定部107は、選択した小領域が静脈による影響を受けていない領域(以下、非静脈領域とも称する。)であると特定する(ステップS131)。
その後、静脈位置特定部107は、全ての小領域に対して処理を実施したか否かを判断する(ステップS133)。全ての小領域に対して処理を実施していない場合には、静脈位置特定部107は、次の小領域を選択し(ステップS1359、ステップS125を再び実施する。一方、全ての小領域に対して処理を実施した場合には、静脈マスク画像を生成することができたと判断し、処理を終了する。
[静脈マスクの適用処理について]
次に、図12を参照しながら、空間フィルタ部141により実施される静脈マスク画像の適用処理の流れについて、簡単に説明する。
空間フィルタ部141で実施される静脈マスクの適用処理は、静脈マスク及び測定部位を連続撮影して得られた複数の測定データ(画像データ)を用いて、画像毎の平均輝度を測定する処理である。具体的には、空間フィルタ部141は、連続撮影で得られた各画像フレームについて、以下の操作を行う。
空間フィルタ部141は、まず、測定データ取得部105から出力された画像データを、複数の小領域に分割する(ステップS141)。その後、空間フィルタ部141は、複数の小領域のうち、最初の小領域を選択する(ステップS143)。
続いて、空間フィルタ部141は、静脈位置特定部107から出力された静脈マスクを参照して、選択している小領域が静脈領域としてマークされているか否かを判断する(ステップS145)。選択している小領域が静脈領域ではない場合、空間フィルタ部141は、選択した小領域内の各画素の輝度値を積分し(ステップS147)、続いて、積分した輝度値を全体輝度値に積算する(ステップS149)。一方、選択している小領域が静脈領域である場合、空間フィルタ部141は、上記ステップS147及びステップS149を実施せずに、後述するステップS151を実施する。
次に、空間フィルタ部141は、全ての小領域に対して処理を実施したか否かを判断する(ステップS151)。全ての小領域に対して処理を実施していない場合には、空間フィルタ部141は、次の小領域を選択して(ステップS153)、上記ステップS145を再び実施する。一方、全ての小領域に対して処理を実施した場合には、空間フィルタ部141は、全体輝度値を、積算に用いた画素の総数で除算する。これにより、静脈マスクにおける静脈領域の数によらず、1画素あたりの平均輝度値に正規化が行われることとなる(ステップS155)。空間フィルタ部141は、以上の処理を実施することで、各画像フレームの1画素あたりの平均輝度値を算出する。
なお、上記ステップS155において、正規化のための除算を行わない構成も考えられる。この場合は、複数の受光素子の出力を加算することになり、受光面積が増えて感度が高くなるという効果を得ることができる。
以上、図10〜図12を参照しながら、本実施形態に係る測定装置10で実施される測定方法の流れについて説明した。
(ハードウェア構成について)
次に、図13を参照しながら、本開示の実施形態に係る測定装置10のハードウェア構成について、詳細に説明する。図13は、本開示の実施形態に係る測定装置10のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
測定装置10は、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。また、測定装置10は、更に、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インターフェース913、センサ914、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート923および通信装置925を備える。
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、測定装置10内の動作全般またはその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。
ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
センサ914は、例えば、ユーザに固有の生体情報、または、かかる生体情報を取得するために用いられる各種情報を検出する検出手段である。このセンサ914として、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の各種の撮像素子を挙げることができる。また、センサ914は、生体部位を撮像するために用いられるレンズ等の光学系や光源等を更に有していてもよい。また、センサ914は、音声等を取得するためのマイクロフォン等であってもよい。なお、センサ914は、上述のもの以外にも、温度計、照度計、湿度計、速度計、加速度計などの様々な測定機器を備えていてもよい。
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、測定装置10の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器929であってもよい。さらに、入力装置915は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。測定装置10のユーザは、この入力装置915を操作することにより、測定装置10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置およびランプなどの表示装置や、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置や、プリンタ装置、携帯電話、ファクシミリなどがある。出力装置917は、例えば、測定装置10が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、測定装置10が行った各種処理により得られた結果を、テキストまたはイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
ストレージ装置919は、測定装置10の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種データなどを格納する。
ドライブ921は、記録媒体用リーダライタであり、測定装置10に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体927は、例えば、DVDメディア、HD−DVDメディア、Blu−rayメディア等である。また、リムーバブル記録媒体927は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、フラッシュメモリ、または、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等であってもよい。また、リムーバブル記録媒体927は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)または電子機器等であってもよい。
接続ポート923は、機器を測定装置10に直接接続するためのポートである。接続ポート923の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート等がある。接続ポート923の別の例として、RS−232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)ポート等がある。この接続ポート923に外部接続機器929を接続することで、測定装置10は、外部接続機器929から直接各種データを取得したり、外部接続機器929に各種データを提供したりする。
通信装置925は、例えば、通信網931に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。通信装置925は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置925は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置925は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置925に接続される通信網931は、有線または無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信等であってもよい。
以上、本開示の実施形態に係る測定装置10の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
(まとめ)
以上説明したように、本開示の実施形態では、静脈パターン画像を基に、静脈の存在しない位置にある受光素子で取得された情報のみを利用することで、最初から静脈血による光吸収成分が除外された、より信号雑音比が高い状態のデータを、周波数フィルタに入力することができるようになる。すなわち、空間フィルタによって分離可能な情報を事前に分離したデータを、周波数フィルタに入力する方法を採用することにより、周波数フィルタに求められる遮断周波数特性を緩和することができる。その結果、より簡素な構成の周波数フィルタを用いた場合であっても、優れた拍動成分の分離処理(脈波形の分離処理)を実現することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
生体の少なくとも一部に対して所定波長の光を照射して、当該生体をイメージセンサにより撮像し、前記生体による前記光の吸収度合いを測定する測定部と、
前記測定部による測定データを利用して、前記生体の測定部位において前記生体の内部に存在する静脈に対応する位置を特定する静脈位置特定部と、
前記測定部による測定データの時間変化と、前記静脈位置特定部により特定された前記静脈の位置と、に基づいて、前記測定データの時間変化のうち前記生体の内部に存在する動脈の拍動に由来する成分を分離する拍動成分分離部と、
前記拍動成分分離部により分離された前記測定データの前記動脈の拍動に由来する成分を利用して、動脈血中の酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出部と、
を備える、測定装置。
(2)
前記拍動成分分離部は、
前記静脈位置特定部により特定された前記静脈の位置に基づいて、前記測定データから前記静脈の位置に該当するデータを除外する空間フィルタ部と、
前記静脈の位置に該当するデータが除外された前記測定データから、所定の周波数成分を分離する周波数フィルタ部と、
を有する、(1)に記載の測定装置。
(3)
前記測定部は、
所定波長を有する赤色光及び赤外光の少なくとも2種類の測定光を、前記生体に向かって射出する光源部と、
複数のセンサが所定の配置で規則的に配設されており、前記光源部から射出され前記生体を透過した測定光を当該複数のセンサで検出する検出部と、
を備える、(1)又は(2)に記載の測定装置。
(4)
前記検出部は、複数のレンズが格子状に規則的に配設されたマイクロレンズアレイを利用したセンサにより、前記生体を透過した測定光を検出する、(3)に記載の測定装置。
(5)
前記酸素飽和度算出部は、前記赤色光を用いて測定された前記測定データと、前記赤外光を用いて測定された前記測定データと、を利用して、ヘモグロビン濃度及び酸素化ヘモグロビン濃度を算出し、算出した前記ヘモグロビン濃度及び酸素化ヘモグロビン濃度を利用して、前記酸素飽和度を算出する、(3)又は(4)に記載の測定装置。
(6)
生体の少なくとも一部に対して所定波長の光を照射して、当該生体をイメージセンサにより撮像し、前記生体による前記光の吸収度合いを測定することと、
測定された測定データを利用して、前記生体の測定部位において前記生体の内部に存在する静脈に対応する位置を特定することと、
前記測定データの時間変化と、特定された前記静脈の位置と、に基づいて、前記測定データの時間変化のうち前記生体の内部に存在する動脈の拍動に由来する成分を分離することと、
分離された前記測定データの前記動脈の拍動に由来する成分を利用して、動脈血中の酸素飽和度を算出することと、
を含む、測定方法。
(7)
生体の少なくとも一部に対して所定波長の光を照射して、当該生体をイメージセンサにより撮像し、前記生体による前記光の吸収度合いを測定する測定部と通信可能なコンピュータに、
前記測定部による測定データを利用して、前記生体の測定部位において前記生体の内部に存在する静脈に対応する位置を特定する静脈位置特定機能と、
前記測定部による測定データの時間変化と、前記静脈位置特定機能により特定された前記静脈の位置と、に基づいて、前記測定データの時間変化のうち前記生体の内部に存在する動脈の拍動に由来する成分を分離する拍動成分分離機能と、
前記拍動成分分離機能により分離された前記測定データの前記動脈の拍動に由来する成分を利用して、動脈血中の酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出機能と、
を実現させるためのプログラム。
(8)
生体の少なくとも一部に対して所定波長の光を照射して、当該生体をイメージセンサにより撮像し、前記生体による前記光の吸収度合いを測定する測定部と通信可能なコンピュータに、
前記測定部による測定データを利用して、前記生体の測定部位において前記生体の内部に存在する静脈に対応する位置を特定する静脈位置特定機能と、
前記測定部による測定データの時間変化と、前記静脈位置特定機能により特定された前記静脈の位置と、に基づいて、前記測定データの時間変化のうち前記生体の内部に存在する動脈の拍動に由来する成分を分離する拍動成分分離機能と、
前記拍動成分分離機能により分離された前記測定データの前記動脈の拍動に由来する成分を利用して、動脈血中の酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出機能と、
を実現させるためのプログラムが記録された記録媒体。
(9)
生体の少なくとも一部に対して所定波長の光を照射して、当該生体をイメージセンサにより撮像し、前記生体による前記光の吸収度合いを測定する測定部と、
前記測定部による測定データを利用して、前記生体の測定部位において前記生体の内部に存在する静脈に対応する位置を特定する静脈位置特定部と、
前記測定部による測定データの時間変化と、前記静脈位置特定部により特定された前記静脈の位置と、に基づいて、前記測定データの時間変化のうち前記生体の内部に存在する動脈の拍動に由来する成分を分離する拍動成分分離部と、
前記拍動成分分離部により分離された前記測定データの前記動脈の拍動に由来する成分を利用して、動脈血中の酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出部と、
を備え、
前記測定部は、
所定波長を有する赤色光及び赤外光の少なくとも2種類の測定光を、前記生体に向かって射出する光源部と、
複数のセンサが所定の配置で規則的に配設されており、前記光源部から射出され前記生体を透過した測定光を当該複数のセンサで検出する検出部と、
を有する、測定装置。
(10)
生体の少なくとも一部に対して所定波長の光を照射して、当該生体をイメージセンサにより撮像し、前記生体による前記光の吸収度合いを測定することと、
測定された測定データを利用して、前記生体の測定部位において前記生体の内部に存在する静脈に対応する位置を特定することと、
前記測定データの時間変化と、特定された前記静脈の位置と、に基づいて、前記測定データの時間変化のうち前記生体の内部に存在する動脈の拍動に由来する成分を分離することと、
分離された前記測定データの前記動脈の拍動に由来する成分を利用して、動脈血中の酸素飽和度を算出することと、
を含み、
前記光の吸収度合いを測定する際には、
所定波長を有する赤色光及び赤外光の少なくとも2種類の測定光を、前記生体に向かって射出し、複数のセンサが所定の配置で規則的に配設されたセンサによって、前記生体を透過した測定光を検出する、測定方法。
10 測定装置
101 測定部
103 測定制御部
105 測定データ取得部
107 静脈位置特定部
109 拍動成分分離部
111 酸素飽和度算出部
113 測定結果出力部
115 記憶部

Claims (10)

  1. 生体の一部に対して所定波長の光を照射して、当該生体をイメージセンサにより撮像し、前記生体による前記光の吸収度合いを測定する測定部と、
    前記測定部による測定データを利用して、前記生体の測定部位において前記生体の内部に存在する静脈に対応する位置を特定する静脈位置特定部と、
    前記測定部による測定データの時間変化と、前記静脈位置特定部により特定された前記静脈の位置と、に基づいて、前記測定データの時間変化のうち前記生体の内部に存在する動脈の拍動に由来する成分を分離する拍動成分分離部と、
    前記拍動成分分離部により分離された前記測定データの前記動脈の拍動に由来する成分を利用して、動脈血中の酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出部と、
    を備える、測定装置。
  2. 前記拍動成分分離部は、
    前記静脈位置特定部により特定された前記静脈の位置に基づいて、前記測定データから前記静脈の位置に該当するデータを除外する空間フィルタ部と、
    前記静脈の位置に該当するデータが除外された前記測定データから、所定の周波数成分を分離する周波数フィルタ部と、
    を有する、請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記測定部は、
    所定波長を有する赤色光及び赤外光の少なくとも2種類の測定光を、前記生体に向かって射出する光源部と、
    複数のセンサが所定の配置で規則的に配設されており、前記光源部から射出され前記生体を透過した測定光を当該複数のセンサで検出する検出部と、
    を備える、請求項2に記載の測定装置。
  4. 前記検出部は、複数のレンズが格子状に規則的に配設されたマイクロレンズアレイを利用したセンサにより、前記生体を透過した測定光を検出する、請求項3に記載の測定装置。
  5. 前記酸素飽和度算出部は、前記赤色光を用いて測定された前記測定データと、前記赤外光を用いて測定された前記測定データと、を利用して、ヘモグロビン濃度及び酸素化ヘモグロビン濃度を算出し、算出した前記ヘモグロビン濃度及び酸素化ヘモグロビン濃度を利用して、前記酸素飽和度を算出する、請求項4に記載の測定装置。
  6. 生体の一部に対して所定波長の光を照射して、当該生体をイメージセンサにより撮像し、前記生体による前記光の吸収度合いを測定することと、
    測定された測定データを利用して、前記生体の測定部位において前記生体の内部に存在する静脈に対応する位置を特定することと、
    前記測定データの時間変化と、特定された前記静脈の位置と、に基づいて、前記測定データの時間変化のうち前記生体の内部に存在する動脈の拍動に由来する成分を分離することと、
    分離された前記測定データの前記動脈の拍動に由来する成分を利用して、動脈血中の酸素飽和度を算出することと、
    を含む、測定方法。
  7. 生体の一部に対して所定波長の光を照射して、当該生体をイメージセンサにより撮像し、前記生体による前記光の吸収度合いを測定する測定部と通信可能なコンピュータに、
    前記測定部による測定データを利用して、前記生体の測定部位において前記生体の内部に存在する静脈に対応する位置を特定する静脈位置特定機能と、
    前記測定部による測定データの時間変化と、前記静脈位置特定機能により特定された前記静脈の位置と、に基づいて、前記測定データの時間変化のうち前記生体の内部に存在する動脈の拍動に由来する成分を分離する拍動成分分離機能と、
    前記拍動成分分離機能により分離された前記測定データの前記動脈の拍動に由来する成分を利用して、動脈血中の酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出機能と、
    を実現させるためのプログラム。
  8. 生体の一部に対して所定波長の光を照射して、当該生体をイメージセンサにより撮像し、前記生体による前記光の吸収度合いを測定する測定部と通信可能なコンピュータに、
    前記測定部による測定データを利用して、前記生体の測定部位において前記生体の内部に存在する静脈に対応する位置を特定する静脈位置特定機能と、
    前記測定部による測定データの時間変化と、前記静脈位置特定機能により特定された前記静脈の位置と、に基づいて、前記測定データの時間変化のうち前記生体の内部に存在する動脈の拍動に由来する成分を分離する拍動成分分離機能と、
    前記拍動成分分離機能により分離された前記測定データの前記動脈の拍動に由来する成分を利用して、動脈血中の酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出機能と、
    を実現させるためのプログラムが記録された記録媒体。
  9. 生体の一部に対して所定波長の光を照射して、当該生体をイメージセンサにより撮像し、前記生体による前記光の吸収度合いを測定する測定部と、
    前記測定部による測定データを利用して、前記生体の測定部位において前記生体の内部に存在する静脈に対応する位置を特定する静脈位置特定部と、
    前記測定部による測定データの時間変化と、前記静脈位置特定部により特定された前記静脈の位置と、に基づいて、前記測定データの時間変化のうち前記生体の内部に存在する動脈の拍動に由来する成分を分離する拍動成分分離部と、
    前記拍動成分分離部により分離された前記測定データの前記動脈の拍動に由来する成分を利用して、動脈血中の酸素飽和度を算出する酸素飽和度算出部と、
    を備え、
    前記測定部は、
    所定波長を有する赤色光及び赤外光の少なくとも2種類の測定光を、前記生体に向かって射出する光源部と、
    複数のセンサが所定の配置で規則的に配設されており、前記光源部から射出され前記生体を透過した測定光を当該複数のセンサで検出する検出部と、
    を有する、測定装置。
  10. 生体の一部に対して所定波長の光を照射して、当該生体をイメージセンサにより撮像し、前記生体による前記光の吸収度合いを測定することと、
    測定された測定データを利用して、前記生体の測定部位において前記生体の内部に存在する静脈に対応する位置を特定することと、
    前記測定データの時間変化と、特定された前記静脈の位置と、に基づいて、前記測定データの時間変化のうち前記生体の内部に存在する動脈の拍動に由来する成分を分離することと、
    分離された前記測定データの前記動脈の拍動に由来する成分を利用して、動脈血中の酸素飽和度を算出することと、
    を含み、
    前記光の吸収度合いを測定する際には、
    所定波長を有する赤色光及び赤外光の少なくとも2種類の測定光を、前記生体に向かって射出し、複数のセンサが所定の配置で規則的に配設されたセンサによって、前記生体を透過した測定光を検出する、測定方法。
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