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JP5951983B2 - ランフラットタイヤ - Google Patents
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JP5951983B2 - ランフラットタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ランフラットタイヤに関する。
走行中にタイヤがパンクしたとき、一定距離をパンク走行可能なランフラットタイヤとして、サイドウォール部をサイド補強ゴムで補強したランフラットタイヤがある。この種のランフラットタイヤにおいて、パンク走行時にサイドウォール部が大きく撓んで亀裂が発生したり剥離する標識層をサイドウォール部に配設したランフラットタイヤがある(例えば、特許文献1)。
しかしながら、パンク走行時以外の走行時(通常の走行時)にサイドウォール部を路肩に擦った場合、パンク走行時と同様に標識層に亀裂が発生したり剥離するため、パンク走行履歴の有無を判断することができない。
特開平5−229317号公報
本発明は上記事項を考慮し、パンク走行履歴の有無を判断可能なランフラットタイヤを提供することを目的とする。
請求項1に記載のランフラットタイヤは、トレッド部とビード部を連結するサイドウォール部と、前記サイドウォール部の内面に形成されたサイド補強ゴムと、前記サイド補強ゴムの表面及び前記サイドウォール部の外壁に塗布され、前記サイド補強ゴムの温度上昇に伴って不可逆的に変色する示温塗料と、を有し、前記外壁に塗布された前記示温塗料は、前記サイド補強ゴムの前記ビード部側の端部から前記サイドウォール部へタイヤ幅方向に延ばした延長線と前記サイドウォール部との交点と、タイヤ最大幅部との間のみに設けられている
請求項1に記載のランフラットタイヤでは、トレッド部とビード部を連結するサイドウォール部に示温塗料塗布されており、サイドウォール部の内面に形成されたサイド補強ゴムの温度上昇に伴って不可逆的に変色する。このため、パンク走行時にサイドウォール部が繰り返し大きく撓んでサイド補強ゴムの温度が上昇すれば、示温塗料が変色するので、ランフラットタイヤのパンク走行履歴の有無を判断できる。
また、通常の走行時にサイドウォール部を路肩に擦ってもサイド補強ゴムの温度が上昇しないので、示温塗料が変色しない。従って、パンク走行履歴の有無を誤判断しない。
さらに、示温塗料は不可逆的に変色するので、車両が停車してサイド補強ゴムの温度が下がっても示温塗料の色は変色したままの状態となっている。これにより、車両の停車後であってもパンク走行履歴の有無を判断することができる。
また、サイドウォール部に示温塗料が塗布されている。これにより、パンク走行時にサイドウォール部が繰り返し大きく撓んでも剥がれにくい。また、サイドウォール部を路肩に擦っても、シールのように剥がれることがない。
さらに、示温塗料は、タイヤ最大幅部よりビード部側に設けられている。これにより、サイドウォール部の外面に示温塗料が設けられた場合、通常の走行時に路面に接触するのを抑制している。
また、通常の走行時は、タイヤ最大幅部よりタイヤ径方向内側のサイドウォール部の変形量が少ないので、示温塗料をサイドウォール部の内面に設けた場合、サイドウォール部の変形に伴って示温塗料にひび割れが発生するのを抑制できる。
さらに、示温塗料のビード部側の端部は、サイドウォール部へタイヤ幅方向に延ばした延長線と前記サイドウォール部との交点よりトレッド部側に位置している。これにより、サイド補強ゴムから発生する熱は、示温塗料の全域に亘って均等に伝達される。
請求項に記載のランフラットタイヤは、請求項に記載のランフラットタイヤであって、前記示温塗料は、厚さが0.5mm以下である。
請求項に記載のランフラットタイヤでは、示温塗料の厚さが0.5mm以下となっている。サイドウォール部が大きく撓んだとき、サイドウォール部と示温塗料との界面に作用する界面応力は、示温塗料の厚さに比例するので、示温塗料の厚さが0.5mm以下であれば、界面応力が低減され、示温塗料に亀裂が発生するのを抑制できる。
請求項に記載のランフラットタイヤは、請求項1又は2に記載のランフラットタイヤであって、前記示温塗料は、前記サイド補強ゴムの表面に設けられている。
請求項に記載のランフラットタイヤでは、示温塗料がサイド補強ゴムの表面に設けられている。これにより、サイド補強ゴムから発生した熱を直に示温塗料に伝えることができる。
請求項に記載のランフラットタイヤは、請求項に記載のランフラットタイヤであって、前記示温塗料の変色温度が80度〜100度である。
請求項に記載のランフラットタイヤでは、補強ゴムが変質して内部破壊が起こる温度(80度〜100度)で示温塗料が変色するので、補強ゴムの内部破壊が起こったかどうかを容易に判断することができる。
請求項に記載のランフラットタイヤは、請求項1〜の何れか1項に記載のランフラットタイヤであって、前記示温塗料の変色後の色の明度が60%以上である。
請求項に記載のランフラットタイヤでは、示温塗料の変色後の色の明度が60%以上であるため、ランフラットタイヤの色(一般的に黒色)と変色後の示温塗料の色とのコントラスト比が高くなる。また、示温塗料がサイドウォール部の内面に設けられている場合は、陰になって示温塗料が見え難くなるが、明度が60%以上であれば、示温塗料の色を容易に確認できる。
また、通常の走行時は、タイヤ最大幅部よりタイヤ径方向内側のサイドウォール部の変形量が少ないので、示温材をサイドウォール部の内面に設けた場合、サイドウォール部の変形に伴って示温材にひび割れが発生するのを抑制できる。
本発明は、上記の構成としたので、パンク走行履歴の有無を判断可能なランフラットタイヤを提供できる。
本発明の第1実施形態に係るランフラットタイヤのタイヤ幅方向に沿った断面の片側を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係るランフラットタイヤのタイヤ幅方向に沿った断面の片側を示す断面図である。 ランフラットタイヤに塗布した示温塗料の厚みと、走行後の示温塗料の剥がれ及び亀裂発生の有無との関係を示す表である。 ランフラットタイヤのパンク走行距離と、サイド補強ゴムの表面に塗布した示温塗料の変色状態との関係を説明するための表である。 ランフラットタイヤのパンク走行距離と、サイドウォール部の外面に塗布した示温塗料の変色状態との関係を説明するための表である。
(第1実施形態)
図1を参照しながら、本発明の第1実施形態に係るランフラットタイヤ10について説明する。なお、図中矢印Wはランフラットタイヤ10の幅方向を示し、矢印Rはランフラットタイヤ10の径方向を示す。また、符号CLはランフラットタイヤ10の赤道面を示す。
本実施形態に係るランフラットタイヤ10(以下、タイヤ10と記載する)は、左右一対のビード部12(図1では、片側のビード部12のみ図示)と、これら一対のビード部12内にそれぞれ埋設された一対のビードコア14と、一対のビードコア14間をトロイド状に延びたカーカス層16と、カーカス層16よりタイヤ10の径方向外側に設けられたベルト層18と、このベルト層18よりタイヤ10の径方向外側に設けられたトレッド部20と、ビード部12とトレッド部20とを連結するサイドウォール部22と、サイドウォール部22の内面に形成されたサイド補強ゴム26と、を備えている。
カーカス層16は、1枚又は複数枚のカーカスプライによって構成されている。本実施形態では、一例として2枚のカーカスプライで構成されている。このカーカスプライは、複数本のコード(例えば、有機繊維コードや金属コードなど)を被覆ゴムで被覆して形成されている。また、カーカス層16は、端部側がビードコア14周りにタイヤ10の内側から外側へ折り返されている。
ベルト層18は、一例として複数枚のベルトプライによって構成されている(1枚のベルトプライで構成してもよい)。このベルトプライは、複数本のコード(例えば、有機繊維コードや金属コードなど)を被覆ゴムで被覆して形成されている。
トレッド部20には、タイヤ10の周方向に延びる複数の周方向溝24が形成されている。また、トレッド部20には、周方向に対して交差する方向に延びる図示しない幅方向溝が複数形成されている。
サイドウォール部22の内面には、サイド補強ゴム26が形成されており、タイヤ10の内側壁を構成している。サイド補強ゴム26の上端部26Aは、トレッド部20まで延びており、サイド補強ゴム26の下端部26Bは、ビード部12の近傍まで延びている。また、サイド補強ゴム26は、上端部26A、及び下端部26Bへ向かうにつれ、厚みが薄くなっている。さらに、サイド補強ゴム26は、サイドウォール部22を構成するゴムよりも硬質のゴムで形成されており、タイヤ10がパンクしても、サイド補強ゴム26が車両及び乗員の重量を支えることでパンク走行ができるように構成されている。
サイド補強ゴム26の表面には、示温材としての示温塗料28が塗布されている。示温塗料28は、サイド補強ゴム26が露出している領域のほぼ全域に亘って塗布されており、示温塗料28の厚みは、0.5mm以下で均一に塗布されている。本実施形態では、一例として0.5mmの厚みとしている。
ここで、示温塗料28の材料としては、非結晶−結晶または相分離−非相分離によるリタイラブル系の電子供与性呈色性化合物(例えばロイコオーラミン類、ジアリールフタリド類ポリアリールカルビノール類、アシルオーラミン類、ローダミンBラクタム類、インドリン類、スピロピラン類、フルオラン類、シアニン色素類、クリスタルバイオレット等、の電子供与性有機物等)、及び電子受容性化合物(例えばフェノール類、フェノール金属塩類、カルボン酸金属塩類、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸塩、リン酸金属塩類、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステル金属塩類、亜リン酸塩、亜リン酸類、亜リン酸金属塩類等の酸化物等)が挙げられる。このような材料を用いた示温塗料28は、融点以上に加熱された後に急冷されることで無色となり、その後、ガラス転移点以上の温度になると、徐々に変色する特徴がある。
上記の材料を用いた場合、可逆剤等の濃度を変更することで、示温塗料28の変色が始まる温度を調整することができる。示温塗料28を変色させる温度は、示温塗料28を塗布する位置によって適宜調整されるが、サイド補強ゴム26の表面に示温塗料28を塗布する場合、80℃〜100℃で変色する示温塗料28を用いるのが好ましい。本実施形態では、一例として、80℃で変色するサーモペイント(登録商標)を用いた。
示温塗料28の塗布方法は、塗布する領域をアセトンで洗浄した後、スプレーで吹き付けるスプレー塗布方法や、示温塗料28を染み込ませたローラー等で塗り付ける方法等がある。本実施形態では、一例として、ローラーで示温塗料28をサイド補強ゴム26へ塗り付けた後、タイヤ10を高温環境下に一定時間放置して示温塗料28をサイド補強ゴム26に定着させた。
なお、上記の材料を用いた示温塗料28の他に、顔料としてコバルト、ニッケル、鉄、銅、クロム、マンガン等の塩類を用い、これらの組成中にアミン、アンモニウム塩、炭酸基、しゅう酸基等を含んだ示温塗料を用いてもよい。この場合、アンモニア、炭酸ガス、水などの発生を伴う熱分解によって顔料化合物の組成そのものが変化して変色を起こさせる。
また、本実施形態ではサイド補強ゴム26の表面に示温塗料28を塗布したが、粘着フィルムの上に、無色あるいは淡色の塩基性染料と、呈色剤および熱可融性物質を含有する層とを設けて構成される不可逆性の示温ラベルをサイド補強ゴム26の表面に貼付してもよい。この示温ラベルの塩基性染料としては、3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、又は3,3’−ビス(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリドが用いられ、熱可融性物質としては、1,2−ジフェノキシエタン、及びシュウ酸ジベンジルエステルのうち少なくとも一つを含有している熱可融性物質が用いられる。
さらに、示温塗料28は、変色後の色の明度を60%以上とするのが好ましい。タイヤ10に限らず、一般的なタイヤの色は黒色であり、タイヤの色の明度は0%に近いので、示温塗料28の変色後の色の明度が60%以上であれば、コントラスト比が高くなり、示温塗料28の変色後の色を容易に確認できる。また、示温塗料28は、サイドウォール部22の内面に塗布されているため陰になっているが、示温塗料28の変色後の色の明度が60%以上であれば、容易に確認できる。ここで、明度とは、HSVモデルにおいて定義され、明度100%を純色、明度0%を真黒とする。また、明度は、分光測色計を用いて、標章、模様部またはグラデーション部等の測定対象の明度を他系統(例えば、Lab色空間)で測定した後、photoshop(登録商標)等のソフトウェアを用いてHSV系統に変換する方法によって測定するものとする。
次に、本実施形態のタイヤ10の作用について説明する。タイヤ10は、走行中にパンクしても運転者が気付かれないため、タイヤ空気圧監視システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)を装備した車両の図示しないリムに取り付けられる。
ここで、車両の走行中にタイヤ10がパンクすると、タイヤ10に充填された空気(窒素)がタイヤ10の外部に漏れ、タイヤ10の空気圧が低下する。このとき、タイヤ空気圧監視システムは、空気圧が低下していることを検知し、運転席のモニタ等に表示する。
一方、空気が漏れたタイヤ10は、サイドウォール部22の内面に形成されたサイド補強ゴム26が車両及び乗員の重量を支えることで、一定距離をパンク走行することができる。
パンク走行時には、路面に接地しているトレッド部20側のサイド補強ゴム26が、タイヤ径方向の荷重によって大きく撓んで変形する。また、タイヤ10は転動しているので、サイド補強ゴム26は、全周に亘って連続的に撓み変形が繰り返される。これにより、ヒステリシスロスが増大し、サイド補強ゴム26の温度が急激に上昇する。このような現象は、サイド補強ゴム26が数回撓んだ程度では発生しないので、タイヤ10がパンクした状態でのみ発生することになる。
サイド補強ゴム26の温度が上昇し、サイド補強ゴム26の表面温度が80℃に到達すると、サイド補強ゴム26の表面に塗布された示温塗料28は、サイド補強ゴム26から伝達された熱に反応して可逆的に変色を始める。このとき、示温塗料28は、サイド補強ゴム26の表面に塗布されており、サイド補強ゴム26から発生した熱を直に伝達されるので、サイド補強ゴム26の表面温度が正確に反映される。また、サイド補強ゴム26は、連続して撓み変形を繰り返すことにより、サイド補強ゴム26の表面温度が80℃〜100℃になった時点で変質し始める。
ここで、示温塗料28は、サイド補強ゴム26の表面に均一に塗布されているので、サイド補強ゴム26が繰り返し大きく撓んでも、示温ラベルのように剥がれることがない。また、示温塗料28の膜厚は0.5mm以下で塗布されているので、サイドウォール部22と示温塗料28との界面に作用する界面応力が低減され、示温塗料28に亀裂が発生するのを抑制できる。
タイヤ空気圧監視システムによってタイヤ10のパンクを知った運転者は、一定距離をパンク走行した後、パンクしたタイヤ10をリムから外し、示温塗料28が変色しているか確認する。示温塗料28は不可逆的に変色するため、サイド補強ゴム26の表面温度が80℃に到達して示温塗料28が一度変色すれば、その後にサイド補強ゴム26の温度が下がっても示温塗料28の色は元に戻らない。
示温塗料28の確認した結果、パンク走行したにも関わらず、示温塗料28が変色していなければ、サイド補強ゴム26の表面温度は80℃に到達していなかったことになる。この場合、サイド補強ゴム26は、変質に至っていないので、パンクした箇所を修理して空気を充填すれば、再びタイヤ10を使用することができる。
また逆に、示温塗料28が変色していれば、サイド補強ゴム26の表面温度が80℃に到達していたことになり、サイド補強ゴム26は変質し、支持強度が低下していると推定される。この場合、タイヤ10を再使用せずに、新しいタイヤ10と交換する。以上のように、サイド補強ゴム26の温度上昇に伴って変色する示温塗料28を塗布することにより、タイヤ10のパンク走行履歴の有無を判断できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るランフラットタイヤ50について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については同一符号を付し、説明を省略する。図2示すように、ランフラットタイヤ50(以下、タイヤ50と記載する)は、サイド補強ゴム26に塗布された示温塗料28とは別に、サイドウォール部22の外壁に示温塗料52が塗布されている。
示温塗料52は、示温塗料28と同様の材料で構成されたものであり、サイド補強ゴム26が変質する温度で変色するように可逆剤等の濃度が調整されている。サイドウォール部22の外壁の温度は、サイド補強ゴム26の温度より低くなるので、本実施形態のように、サイドウォール部22の外壁に示温塗料52を塗布する場合は、60℃〜80℃で変色するように調整するのが好ましい。本実施形態では、一例として60℃で変色するように調整されている。また、示温塗料52は、タイヤ最大幅部Aよりビード部12側に塗布されており、示温塗料52の厚みは0.5mm以下で均一に塗布されている。本実施形態では、一例として0.5mmの厚みで塗布されている。
また、サイド補強ゴム26のビード側の端部からサイドウォール部22へタイヤ幅方向に延ばした延長線とサイドウォール部22との交点を交点Bとすると、示温塗料52は、タイヤ最大幅部Aと交点Bとの間に塗布されていることが好ましい。本実施形態では、タイヤ最大幅部Aと交点Bとの間のほぼ全ての領域に塗布されている。
次に、本実施形態のタイヤ50の作用について説明する。本実施形態に係る示温塗料52は、タイヤ最大幅部Aよりビード部12側に塗布されているので、通常の走行時であれば、示温塗料52を路面に擦ることがない。また、凹凸のある路面を走行した場合は、サイドウォール部22が撓んで、何度か示温塗料52を路面に擦ることがあるが、連続して擦り続けることはないので、摩擦熱では示温塗料52は変色しない。
さらに、示温塗料52のビード部12側の端部は、交点Bよりトレッド部20側に位置している。これにより、サイド補強ゴム26から発生する熱は、示温塗料52の全域に亘って均等に伝達される。仮に、示温塗料52のビード部12側の端部が、交点Bよりビード部12側まで延びていた場合、交点Bよりビード部12側の示温塗料52には熱が伝達されにくいため、示温塗料52の変色が遅れる虞がある。
また、第1実施形態のタイヤ10では、タイヤ10をリムから外さなければ、示温塗料28が変色しているか確認できなかったが、本実施形態のタイヤ50では、タイヤ50を外さなくても、サイド補強ゴム26が変質したか推定することができる。すなわち、タイヤ空気圧監視システムによってタイヤ50がパンクしたことを運転者が知った後、一定距離をパンク走行してからタイヤ50を見た場合、示温塗料52が変色していなければ、サイド補強ゴム26は変質していないと推定できる。
また逆に、示温塗料52が変色していれば、タイヤ50をリムから外し、示温塗料28が変色しているか確認する。ここで、示温塗料28は、サイド補強ゴム26の表面に塗布されているので、示温塗料52より正確にサイド補強ゴム26の温度を反映している。従って、示温塗料28も変色していれば、サイド補強ゴム26は変質したと推定されるので、新しいタイヤ50に交換する。
以上、本発明の第1実施形態、及び第2実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、示温塗料28をサイドウォール部22の外壁だけに塗布してもよい。また、サイドウォール部22の外壁には示温塗料52を塗布し、サイド補強ゴム26の表面には示温ラベルを貼付してもよい。
(試験例)
本発明の効果を確かめるため、以下の条件で示温塗料28、及び示温塗料52を塗布した新品のランフラットタイヤ4本(タイヤ1、タイヤ2、タイヤ3、タイヤ4)、及び示温塗料28、52を塗布しない新品のタイヤ(タイヤ5)を用意して試験を実施した。なお、ランフラットタイヤのサイズは全て225/45R17とした。
塗布条件1:タイヤ1のサイド補強ゴム26の表面、及びサイドウォール部22の外壁のタイヤ最大幅部Aから交点Bまでの領域をアセトンで洗浄した後、これらの領域に厚みがそれぞれ、0.2mm、0.5mm、0.8mm、及び1.1mmになるように示温塗料をタイヤの周方向に5分の1周ずつ塗布した。残りの5分の1周については、示温塗料を塗布せずにそのままの状態とした。
塗布条件2:タイヤ2〜タイヤ4の3本のタイヤのサイド補強ゴム26の表面をアセトンで洗浄した後、変色する温度がそれぞれ、60℃(比較例)、80℃(実施例)、100℃(実施例)、及び120℃(比較例)に調整された4種類の示温塗料を0.5mmの厚さでタイヤの周方向に5分の1周ずつ塗布した。また、残りの5分の1周については、示温塗料を塗布せずにそのままの状態とした。
塗布条件3:タイヤ2〜タイヤ4の3本のタイヤのサイドウォール部22の外壁のタイヤ最大幅部Aから交点Bまでの領域をアセトンで洗浄した後、この領域に、変色する温度がそれぞれ、40℃(比較例)、60℃(実施例)、80℃(実施例)、及び100℃(比較例)に調整された4種類の示温塗料を0.5mmの厚さでタイヤの周方向に5分の1周ずつ塗布した。また、残りの5分の1周については、示温塗料を塗布せずにそのままの状態とした。
以下に試験の内容を説明する。
試験1:上記の塗布条件1で示温塗料が塗布されたタイヤ1をリム幅7.5インチのリムに取り付け、パンクした状態(内圧0kPa)にしてドラム試験機に取り付けた。この状態で、400kgf(3.92kN)の荷重を加えながら時速80kmになるようにドラムを回転させ、30kmパンク走行させた。パンク走行後、タイヤをリムから外し、それぞれの厚みの示温塗料に対して、剥がれ、及び亀裂の発生の有無を確認して図3に示した。
試験2:上記の塗布条件2及び3で示温塗料が塗布されたタイヤ2、タイヤ3、タイヤ4をそれぞれ、リム幅7.5インチのリムに取り付け、パンクした状態(内圧0kPa)にしてドラム試験機に取り付けた。この状態で、400kgf(3.92kN)の荷重を加えながら時速80kmになるようにドラムを回転させた。ここで、それぞれのタイヤのパンク走行距離は、タイヤ2が8km、タイヤ3が12km、タイヤ4が16kmとした。パンク走行後、タイヤをリムから外し、塗布された示温塗料の変色の有無と、サイドウォール部の内壁のシワの有無を目視で確認し、結果を図4、及び図5に示した。
試験3:試験2で使用した後の3本のタイヤ(タイヤ2、タイヤ3、タイヤ4)、及びパンク走行をしていないタイヤ5をそれぞれリムに取り付け、試験2と同様の条件で追加ドラム試験を実施した。ここで、ドラム試験中のタイヤの高さが、ドラム試験前のタイヤの高さの80%まで変形した時点で追加ドラム試験を終了し、走行した追加走行距離を図4、及び図5に示した。
図3に示すように、タイヤ1に塗布した厚みが0.8mm、1.1mmの示温塗料では、30kmパンク走行後の示温塗料に剥がれ、又は亀裂が発生したが、厚みが0.2mm、0.5mmの示温塗料は、30kmパンク走行をしても、示温塗料に剥がれ、及び亀裂が発生することがなかった。この結果から、塗布する示温塗料の厚みを0.5mm以下とすることで、サイドウォール部22と示温塗料との界面応力が低減されることが確認できた。
また、図4、及び図5に示すように、サイド補強ゴム26の表面に塗布した示温塗料、及びサイドウォール部22の外壁に塗布した示温塗料の全てに対して変色の有無を確認することができたので、パンク走行しても、示温塗料が剥がれたり、示温塗料に亀裂が入らないことが確認された。
さらに、図4に示すように、タイヤ2及びタイヤ3の追加走行距離は84km、81kmとなっており、8km、及び12kmパンク走行してもサイド補強ゴム26が変質せず、試験2でパンク走行していないタイヤ5の追加走行距離(87km)と同程度の追加走行距離となった。また、16kmパンク走行したタイヤ4の追加走行距離は、64kmとなっており、他のタイヤと比較して著しく短くなっている。これにより、16kmパンク走行している間にサイド補強ゴム26が変質し、一旦停止しても追加走行距離が伸びないことが確認された。
ここで、サイドウォール部22の内壁のシワの有無の結果では、パンク走行距離が12kmのタイヤ3及びパンク走行距離が16kmのタイヤ4でシワが確認された。しかしながら、タイヤ3のサイド補強ゴム26は、上述したように、まだ変質していないので、サイドウォール部22の内壁のシワを確認しただけでは、タイヤを交換する必要があるか判断することができない。
次に、示温塗料の変色の有無を見ると、変色温度が80℃の示温塗料28、及び変色温度が100℃の示温塗料28は、サイド補強ゴム26の変質後に変色していることが確認された。これにより、変色温度が80℃〜100℃の示温塗料28をサイド補強ゴム28の表面に塗布すれば、修理可能なランフラットタイヤを無駄に交換せずに済み、また、変質したランフラットタイヤを推定することができる。
図5に示すように、サイドウォール部22の外面に示温塗料52を塗布した場合、示温塗料52が変色する最適な範囲は、60℃〜80℃の範囲であることが確認された。この温度の範囲で変色する示温塗料52をサイドウォール部22の外面に塗布すれば、パンク走行履歴の有無を判断することができる。
10 ランフラットタイヤ
12 ビード部
20 トレッド部
22 サイドウォール部
26 サイド補強ゴム
28 示温塗料(示温材)
50 ランフラットタイヤ
52 示温塗料(示温材)
A タイヤ最大幅部

Claims (5)

  1. トレッド部とビード部を連結するサイドウォール部と、
    前記サイドウォール部の内面に形成されたサイド補強ゴムと、
    前記サイド補強ゴムの表面及び前記サイドウォール部の外壁に塗布され、前記サイド補強ゴムの温度上昇に伴って不可逆的に変色する示温塗料と、
    を有し、
    前記外壁に塗布された前記示温塗料は、前記サイド補強ゴムの前記ビード部側の端部から前記サイドウォール部へタイヤ幅方向に延ばした延長線と前記サイドウォール部との交点と、タイヤ最大幅部との間のみに設けられているランフラットタイヤ。
  2. 前記示温塗料は、厚さが0.5mm以下である請求項1に記載のランフラットタイヤ。
  3. 前記示温塗料は、前記サイド補強ゴムの表面に設けられている請求項1又は2に記載のランフラットタイヤ。
  4. 前記示温塗料の変色温度が80℃〜100℃である請求項3に記載のランフラットタイヤ。
  5. 前記示温塗料の変色後の色の明度が60%以上である請求項1〜4の何れか1項に記載のランフラットタイヤ。
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