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JP5952833B2 - 高解像度網膜結像方法および装置 - Google Patents
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JP5952833B2 - 高解像度網膜結像方法および装置 - Google Patents

高解像度網膜結像方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、細胞規模の結像に適合する高解像度網膜結像方法および装置に関する。
近頃、網膜疾患の始まりとその診断との間で数年が経過している。
これは、網膜疾患が通常静かに進行するためであり、結果的に最初の臨床症状が現れる前に不可逆性損傷を引き起こす。例えば加齢性黄斑変性症(ARMD)や緑内障などの、網膜の神経線維を攻撃し、患者に失明を引き起こす可能性がある病気でも事情は同じであり、このような病気は、通常、神経線維の半分が取り返しがつかないほど壊れたときに診断される。現在、網膜疾患は、網膜が細胞規模に結像可能である場合、早ければ第1週目で診断可能である。実際には、網膜疾患の最初の影響は、網膜の微視的構造に影響を及ぼす。最も多く見られ、且つ最も深刻な3つの網膜疾患(ARMD、緑内障、糖尿病性網膜症)の影響を受ける微細構造は、光受容体である。光受容体は、光を検出し2〜5μmのサイズを有する錐体状の光受容細胞、人体における最小の血管である網膜の微小毛細血管(直径約6μm)、および約10μmの直径を有する神経線維束を含む。
多くの研究所が、網膜結像を細胞レベルの解像度で実行することのできる異なる技術を研究している。これらのさまざまな技術は、異なる網膜照射および/または検出系を採用しているが、それらの全ては、眼と結像系の視覚欠損を測定し、解像度を高めるために網膜から反射して検出系に入射する光線を補正することを可能とする適応光学系を実行する。
図1Aは、補償光学走査型レーザ検眼鏡(AOSLO:adaptive optics scanning laser opthalmoscopy)技術に基づいた網膜結像系のブロック図を示す。AOSLOアセンブリは、主に、網膜を照らすための系11(照明ブロック)と、検出ブロック12と、走査ブロック13と、入射光線に対する修正面を備える修正系14と、入射光線の光学的欠点を解析するための面を備える光学的欠点測定系15と、結像光学系16とを備える。照明ブロックは、例えば、点光源を形成するために光ファイバに結合されたレーザダイオードと、点光源から光線を形成することを可能とする光学レンズとを備える。照明ブロック11のダイヤフラムは、瞳を規定する。光線は、例えば一組のミラー(図示せず)によって修正系14、例えば可変ミラー、に送られ、その後走査ブロック13内に送られ、垂直および水平走査に従って被験者の眼10に向けられる。光線は、このようにして焦点合わせされて網膜上に網膜を走査する準点ビーム(quasi-point beam)を形成し、網膜により後方散乱した光は、リターンで同様の光学走査を受けて可変ミラー14および検出器ブロック12に送られる。検出器ブロックは、例えば、共焦点検出孔および検出器(光電子増倍管またはアバランシェフォトダイオードであってよい)から成る。光学系ブロック60で表された一組の光学素子は、網膜の面と検出器の共焦点検出孔を光学的に共役にするのに関わる。光学的欠点を測定するためのシステム(光学的欠点測定計)15は、例えば、シャックハルトマン(Shack-Hartmann)型のアナライザから成る。これは、網膜により後方散乱した光を受け、光線および後方散乱光を修正するために、可変ミラーを制御する。照明ブロックの瞳面、可変ミラーの面および光学的欠点を測定する系の解析面は、眼の所定の平面17、例えば眼の瞳面と光学的に共役である。所定の平面17は、有利には、検出器ブロックの網膜結像系の入射瞳面である。A.Roorda等による論文("Adaptive optics scanning laser ophthalmoscopy", Optics express 405, Vol. 10, N°9, 2002)は、例えば、図1Aに概略的に示された装置について説明している。
本明細書では以下、「光学的欠点」という表現は、光線が網膜および検出器間で受ける全ての擾乱(disturbance)を意味すると理解されるべきである。これらの欠点は、面の光学系により与えられる欠点だけでなく、結像系の光学系により与えられる欠点も含む。
光学系の「入力瞳」という表現は、光学系における光線の入射または伝搬を制限する最小の開口を意味すると理解されるべきである。この開口は、光学系の瞳に関係する物理的なダイアフラムが光線の入射を制限する場合には実在し、またはこの開口が光学系内に位置し且つ例えばダイアフラムにより形成される光学系の物理的な瞳の像である場合にはバーチャルである。従って、網膜結像系16が眼の瞳面またはそれに極めて近接して位置する平面に位置する場合、前記入射瞳は、バーチャルであり、前記光学結像系内に位置する物理的なダイアフラムの像である。
図1Bは、適応光学系に連結されたOCT(Optical Coherence Tomography:光コヒーレンストモグラフィー)型のアセンブリの理論的なブロック図を示す。このようなシステムは、例えば、R. Zawadzki("Adaptive-optics optical coherence tomography for high resolution and high speed 3D retinal in vivo imaging", Optics Express 8532, Vol. 13, N°21, 2005)で説明されている。OCTは、低いコヒーレンスで干渉計を用いることに依存している。この結像技術は、生体内で数ミクロンの解像度で組織の断面像を生成することを可能とする。眼科においてOCTを用いることへの興味の一つは、生体内で他の拡散した組織を通り抜けた組織を明らかにするその能力にある。図1Bのアセンブリは、OCT型のアセンブリの主要な構成要素の非常に簡易化した図を与える。この配置は、AOSLOの配置に似ているが、ここでは、検出器ブロック12は、OCTに特有であり、特に干渉計、例えばマイケルソン型等のファイバー干渉計から成る。ファイバの入力点(図示せず)は、光学系16により表される光学的共役系によって眼10の網膜と共役である。AOSLOと比較して、OCT技術は、取得速度を損ねて、網膜の縦断面図の像の取得を可能とする。
図1Cは、例えばA.Roordaによる"Adaptive Optics Ophthalmoscopy"(Journal of Refractive Surgery Vol.16 Sep/Oct 2000)や、H. Hofer等の("Improvements in retinal image quality with dynamic correction of the eye's aberrations", Optics Express, Vol. 8, Issue 11, pp. 631-643, 2001)に記載された、フルフィールドの、すなわち「フラッドな(flood)」、網膜結像系の理論的なブロック図を示す。この系では、照明ブロックは、第1の拡張された(extended)結像用放射源と、第2の光学的欠点解析用の点放射源とを備える。検出器ブロック12は、例えばCCDカメラなどのマルチ検出器取得装置(またはマトリクス検出器)を備え、その検出面は、光学系16により表される光学像形成系または結像系を用いて、結像されるべき眼10の網膜と光学的に共役となるよう意図されている。例えばシャックハルトマン型アナライザ等の光学的欠点測定系15は、解析用光源から放射されて網膜により後方散乱された光線が受けた光学的欠点を解析する。光学的欠点測系15は、網膜により後方散乱された光線を修正するために、例えば可変ミラーなどの修正系14につながれる。前述の系では、光学的欠点測定系の解析面と可変ミラーの面は、有利には、検出器12における網膜結像系の入射瞳面である例えば眼の瞳面17などの眼の所定の平面と光学的に共役である。図1Cを参照して説明される装置は、網膜の厚み方向の調査に限定されるものではあるが、OCTまたはAOSLO型と比較して、フルフィールドモードでの動作の利点を与える。すなわち、網膜を機械的に走査することが無くなり、且つフル画像の取得時間が非常に短くなる。同時に、これにより、同時に生成がより単純となり、低コストとなり、取得時間の間に像が受ける変形(網膜の移動により発生する変形)に対し感度が低くなる。
これらの装置のそれぞれでは、結像系16は、網膜上の250cycle/mmのオーダの空間周波数構造の発見を可能にするよう設計された検出器ブロック12において網膜の像を形成することを可能とし、結像経路を形成する。例えば可変ミラー等の修正装置14は、網膜で後方散乱された光線に対する修正面を備え、光学的欠点測定系15により制御されるものであり、眼に起因するおよび結像系の光学系に起因する光学的欠点の全てまたは一部を修正することを可能とし、それ故に検出器ブロック12上に形成される網膜の像の品質を高める。光学的欠点測定系15は、解析面において一回の測定で、入射光波の光学的欠点を見つけ出すことを可能とする。有利には、シャックハルトマン型のアナライザは、前記マイクロレンズの焦点面に配置された一組のマイクロレンズとマトリクス検出器により形成される解析面を備える。これらの系では、光学的欠点のアナライザの解析面と修正装置の修正面は、結像系の入力空間の所定の面、眼の所定の平面、例えば眼の瞳面と併合されるよう意図された実平面と光学的に共役である。結像系の入射瞳は、有利には、この同じ所定の面に位置する。解析経路は、従って、光学的欠点測定系15と結像系の入力空間において解析面と前記所定の平面とを共役にする手段とにより形成される。結像系の入射瞳は、例えば、例えばダイアフラムにより形成される修正装置の物理的な瞳の像であり、修正装置の有効面(useful surface)を規定する。
解像度を高めることと、眼の瞳から来る光束を最大化してより良い信号対雑音比を得ることの両方のために、網膜と検出器との間の結像系の入射瞳のサイズをできるだけ大きくしようとするのはよく行われていることである。
本出願人は、期待される効果に反して、瞳のサイズをある程度まで制限することにより、信号体雑音比が大幅に高められ、像の品質を高めることができることを示した。これは、特に網膜により後方散乱された光の性質に起因するものである。
第1の態様によれば、本発明に係る高解像度網膜結像装置は、
被験者の眼の網膜の照明のために光線を発光する少なくとも1つの光源であって、所定の結像波長の範囲で発光する光源と、
網膜の面において測定された250cycles/mmの空間周波数構造を検出可能な検出装置と、光学結像系とを備える網膜結像経路と、
網膜で後方散乱された一連の光線を受けるよう意図された解析面で光学的欠点を測定する装置と、前記解析面を結像経路の前記光学結像系の入力空間の所定の面と光学的に共役にする手段とを備える解析経路と、
修正面を備えるとともに、前記修正面において、前記光源からの、網膜で後方散乱された光線を、光学的欠点を測定する装置により測定された光学的欠点に応じて修正するよう意図された修正装置であって、前記修正面が結像系路の光学結像系の入力空間における前記所定の面と光学的に共役である修正装置と、
を備える。
本発明の第1の態様によれば、前記光学結像系の入射瞳は、第1の値Φminと第2の値Φmaxの間の直径を有し、第1の値は、250cycles/mmの空間周波数を有する網膜の構造を、前記結像波長の範囲の中心波長において前記検出装置により検出可能とするよう規定され、第2の値は、5.75mm未満である。
本出願人は、結像系の入射瞳の直径を制限することにより、一般に認められた見識に反して、網膜結像装置の信号対雑音比が改善され、網膜の微細構造のコントラストがそれにより改善されることを明らかに示した。
有利には、結像系の入射瞳は、結像系の入力空間の前記所定の面に位置しており、像のフィールドの至る所で光強度のより良好な均一性を可能にさせる。
変形例によれば、修正装置は可変ミラーを備え、該可変ミラーの瞳は結像系の物理的な瞳を規定する。
有利には、第1の値Φminは、前記250cycles/mmの空間周波数において5%より大きい結像系の理論的なコントラストを得るように、結像波長の範囲の前記中心波長の関数として規定される。本出願人は、網膜結像装置において、網膜の微細構造の検出を可能とするのに十分な光学系の開口を有するために、どの程度の信号対雑音比に起因する制限が必要とされるかを実際に明らかにした。
有利には、前記第1の値Φminは、Φmin=5000×λの関係により与えられ、λは結像波長の範囲の前記中心波長である。
本出願人は、結像系の入射瞳の直径の最適値が結像波長の範囲に依存しており、それ故、使用される高解像度結像装置にかかわらず、信号対雑音比が最適となり且つ解像度が最良となる波長の範囲に応じて値の範囲を規定することが可能であることを実証した。
変形例によれば、結像波長の範囲の前記中心波長は、750nmから1100nmの間であり、結像系の入射瞳の直径は、3.75mmから5.75mmの間である。変形例によれば、結像波長の範囲の前記中心波長は、500nmから750nmの間であり、結像系の入射瞳の直径は、2.5mmから5.25mmの間である。変形例によれば、結像波長の範囲の前記中心波長は、350nmから500nmの間であり、結像系の入射瞳の直径は、1.75mmから4.25mmの間である。
変形例によれば、本装置はフルフィールド型である。そして、光源は、所定のフィールドで網膜を照明することを可能にする拡張光源であり、検出装置は、マトリクス検出器を備える。本装置はまた、光学的欠点を測定する前記装置による光学的欠点の解析のために、有利には結像波長の離散範囲(discrete range)とは異なる解析波長の範囲で発光する、網膜を照明する第2光源を備える。
別の変形例によれば、本装置はAOSLO型である。光源は、この変形例によれば、準点照明ビームで網膜を照明することを可能にする点光源であり、検出装置は共焦点検出系を備える。本装置はまた、この変形例によれば、網膜上で前記照明ビームを走査するための系をさらに備える。
別の変形例によれば、本装置はOCT型である。光源は、準点照明ビームで網膜を照明することを可能にする点光源であり、検出装置は干渉計を備える。本装置はまた、この変形例によれば、網膜上で前記照明ビームを走査するための系を備える。
有利には、光学的欠点を測定する装置は、シャックハルトマン型のアナライザである。このような装置は、公称の方向に関して、光学的欠点の影響を受ける光学系を通過した後の光線の方向の変化を解析することを可能とする。このような装置は、例えばマイクロレンズのマトリクスの焦点面にマトリクス検出器を配置することにより、このような測定を実現する。正規に測定された変化は、光学的欠点の修正装置を制御するために直接使用され得る。
第2の態様によれば、本発明に係る高解像度網膜結像方法は、
光源を用いて、被験者の眼の網膜の照明のために少なくとも1つの光線を、所定の結像波長の範囲で発光することと、
所定の直径の入射瞳を備える光学結像系を用いて、前記結像波長の範囲で発光した前記光線により照明された網膜の少なくとも一部の像を、網膜の面において測定された250cycles/mmの空間周波数構造を検出可能な検出装置の検出面に形成することと、
網膜で後方散乱された光線を所定の解析面において解析することにより、光学的欠点を測定することと、前記解析面は眼の所定の面と光学的に共役であり、
所定の修正面において、前記光源からの、網膜で後方散乱された光線を、測定された光学的欠点に応じて修正することと、前記修正面は眼の所定の面と光学的に共役である、
を備える。
本発明の第2の態様によれば、前記光学結像系の入射瞳の直径は、第1の値Φminと第2の値Φmaxの間であり、第1の値は、250cycles/mmの空間周波数を示す網膜の構造を、前記結像波長の範囲の中心波長において前記検出装置により検出可能とするよう規定され、第2の値は、5.75mm未満である。
変形例によれば、本方法はフルフィールド型であり、光学的欠点の解析のために解析波長の範囲で解析光ビームを発光することをさらに備える。結像波長の範囲で発光した光線は、所定のフィールドでの網膜の照明を可能とし、網膜の前記フィールドの像の形成は、マトリクス検出器を用いてなされる。
変形例によれば、本方法はAOSLO型であり、網膜の前記照明ビームの走査および共焦点検出をさらに備える。
変形例によれば、本方法はOCT型であり、干渉法による検出をさらに備える。
本願発明の他の利点および特徴は、以下の図を用いて説明された記載を読むことによって明らかとなるであろう。
(説明済)従来技術から公知の網膜結像系の理論的なブロック図である。 2つの瞳直径に関し、所定の波長(850nm)でのMTFの理論的な傾向を周波数の関数として表す曲線を示す図である。 被験者について実験的に測定された網膜の像を示す図である。 3つの光受容体について測定された強度を表す曲線を示す図である。 250cycles/mmの要求解像度を実現するために必要とされる結像系の入射瞳の最小直径を波長の関数として表す曲線を示す図である。 瞳面における位置の関数として網膜で後方散乱された光エネルギーの分布を表す曲線を示す図である。 フルフィールド型の網膜結像装置において、近赤外域(850nm)での正規化された信号対雑音比の変化を瞳の直径の関数として表す曲線を示す図である。 フルフィールド型の網膜結像装置において、可視域(550nm)での正規化された信号対雑音比の変化を瞳の直径の関数として表す曲線を示す図である。 SLO型の網膜結像系において、網膜で後方散乱された全光に応じて光受容体の層から生じる光の割合を、共焦点検出孔の直径の関数として表す曲線を示す図である。 SLO型の網膜結像装置において、近赤外域(850nm)での正規化された信号対雑音比の変化を瞳の直径の関数として表す曲線を示す図である。 フルフィールド型またはSLO型の網膜結像装置において、種々の波長での正規化された信号対雑音比の変化を瞳の直径の関数として表す曲線を示す図である。 本発明の実施形態に係るフルフィールド型の網膜結像系を示す図である。 7.5mmの瞳に関して、850nmでフルフィールド型網膜結像系で測定された網膜の像を示す図である。 5mmの瞳に関して、850nmでフルフィールド型網膜結像系で測定された網膜の像を示す図である。
図2は、回折により制限された完全に修正された光学系において、周波数の関数(cycles/mmで与えられる)として変調伝達関数を表す曲線(符号21)を示す。値νはカットオフ周波数、すなわちコントラストがゼロとなる周波数である。カットオフ周波数νは、以下に式により与えられる。
ここで、Φは光学系の入射瞳の直径であり、Fは光学系の焦点距離であり、λは波長である。
前述のようなタイプの網膜結像系では、その目的は、網膜の構造体の像、例えば、2μmのオーダの窩(fovea)の中心に近接した寸法を有し、約4μmの空間的周期でモザイク状に分布する錐体光受容体の像、を形成することである。構造体を検出することは、撮像装置を用いて、網膜上で250cycles/mmの空間周波数を分解できることを伴う。仮に光学系の検出器の信号対雑音比が無限である場合、錐体を観察するのに必要とされる瞳の最小直径は、空間周波数に関して観察される要素に対応する周波数、すなわち250cycles/mmを取ることにより、式(1)により与えられる。しかしながら、網膜結像装置では、それらがOCTであるか,AOSLOであるか、あるいはフルフィールド型であるかによって、信号対雑音比が検出装置および網膜により後方散乱された光束により制限される。従って、より大きな入射瞳の最小直径−図2の曲線上における興味のある空間周波数での良いコントラストに対応する−が、信号を検出可能とするために必要である。
使用される検出装置によれば、網膜結像装置のそれぞれは、理論的にまたは試行錯誤により、信号対雑音比を評価することができる。
フルフィールド型の結像系の場合における、実験データに基づく信号対雑音比の計算の現在の技術水準での現実的な実施例が、図3Aおよび図3Bにより表されている。
本明細書では以下、「波長」という表現は、嫌い無く、単色光放射源の波長あるいは広スペクトルの光放射源、すなわち特定の波長範囲で放射する光放射源、の中心波長を意味するために用いられる。
結像のための網膜の照明(11,図1C)は、波長850nm、30nmのスペクトル幅、パルス幅9msおよび反復周期9.5Hzでパルスを放射するLED(light-emitting diode)型の光源により生成される。光照射野は網膜上においておよそ4×4°または1.2×1.2mmである。直径3mmの瞳を通って、0.12mWの平均光束が眼に送られる。角膜レベルでのエネルギー密度は、従って、1.7mW/cmである。撮像カメラは、850nmにおいて、0.2の量子効率、2.2e−のレベルごとの電子数、8e−の読み出しノイズおよび150レベルの(黒での)暗さレベルを示す12ビットCCDカメラである。これらの条件において、45才の人の健康な眼に像(図3A)が生成された。網膜の光受容体に対応する一連の点がそこに見られる。図3Bは、網膜の3つの光受容体に生成される断面を示す(図3AのA−A線)。図3Bから、以下の式により信号対雑音比を計算することができる。
ここで、Sは、平均有効信号または図3Bを参照する場合にはおよそ150レベル(330e−)であり、Sは、全信号であり、バックグラウンドレベル(2200レベルまたは4840e−)を除いた有効信号S(330e−)と検出信号の平均値の合計に等しく、B1は、読み出しノイズ(8e−)である。このようにして、4.6の信号対雑音比が計算される。
その次に、より大きな照明の場合に信号対雑音比がどのようになるかを推定することができる。カメラを用いる条件では、光力を制限する要因は、眼の安全性を考慮することと関連している。より具体的には、眼への入射光束が増加するとして考慮しなければならない要因は、角膜への影響である。上記の測定条件では、角膜への影響は、許容限度に関して1.7mW/cm、クラスI機器に関して20mW/cmである(接眼レンズの安全性に関するフランス標準規格NF EN ISO 15004−2)。眼の安全性限界を超えないとすると、11.8だけ光強度の増加が観測され、従って信号対雑音比が11.8の平方根、すなわち数値3.43と掛け合わされ(検出信号の光子雑音と比較して実質的に極めてごくわずかな読み出しノイズを無視している)、これにより信号対雑音比は約16になる。このように本出願人は、それが達成可能な信号対雑音比の値であることを実証した。このような信号対雑音比は、物体を1/16、すなわち6.25%だけのコントラストで検出可能である。
ここで図2を参照すると、そこから系の入射瞳の最小直径を、興味のある空間周波数に関し(250cycles/mm)、MTFは少なくとも6.25%に等しいというように推定することができる。これは、空間周波数ν=0.85νに相当する。系の入射瞳の直径の最小値Φminは、それ故、以下のようになる。
ここで、fは空気中で測定された眼の焦点距離(すなわち17mm)およびλは動作波長である。
図4は、上述の条件に従って計算されたパラメータで得られた式(3)に従って、波長の関数として系の入射瞳の最小直径を示す。この曲線から、各波長に関して、興味のある空間周波数において網膜の要素を区別するのに必要とされる入射瞳の直径の最小値を推定することができる。例えば、850nm(これは被験者の快適性という理由から網膜結像で通常利用される波長である)において、入射瞳の最小直径は、4.25mmである。通常、式(3)において、眼の焦点距離を空気中で測定された値(17mm)で置き換えることにより、この例においてΦmin=5000×λが得られる。
検出装置と関係している最大信号対雑音比の計算は、他の網膜結像系に対しても実行可能である。つまり、例えばSLO型の系では、信号対雑音比が共焦点孔のサイズによって10から15の値に、すなわち、フルフィールド型のシステムで到達する大きさと同じオーダに、到達し得ることが実証されている。
結像技術がどのようなものであっても、本出願人は、系の検出サブ系における20未満の信号対雑音比に対応して、得られる理論的なコントラストが5%よりも大きくなるように最小直径を選択することにより、結像系の入射瞳の寸法を測ることが現実的であることを実証した。
結像技術がどのようなものであっても、大きな入射瞳の直径を選択することにより、網膜の構造をより良いコントラストで見ることが理論的に可能となることは知られている。有効な光束を増加させることにより、信号対雑音比の値が理論的に増加するからだけでなく、入射瞳が大きくなると、高い空間周波数において光学系の応答がより良くなるからである。従って、図2を参照して、動作波長850nmの条件で続けると、直径4.25mmの瞳と比較して直径7mmの瞳を選択することにより、カットオフ周波数を増大させることが可能となり、その結果250cycles/mmの周波数に対し、理論的なコントラストの値を6倍近く増大させる(6%から35%コントラストに変化)ことが可能となる(図2の曲線22)。
この最初の解析に反して、本出願人は、理論的にも実験的にも、入射瞳のサイズの最大値が存在し、それを超えると信号対雑音比が低下し、それとともに系の解像度のコントラストも低下することを示した。
信号対雑音比の低下を説明するために本出願人により強調される第1の理由は、スタイルズ‐クロフォード効果である。これは、例えばJan van de KraatsとDirk van Norrenによる論文("Directional and nondirectional spectral reflection from the human fovea", Journal of Biomedical Optics 13(2), 024010 (March/April 2008))に記載されている。
この論文は、網膜の光受容体の層の指向性特性を説明している。網膜により後方散乱された信号は、光受容体の層の上流および下流に位置する網膜の層から生じた無指向性成分を有するとともに、光受容体の層から生じた指向性成分を有する。従ってそれは、無指向性成分は、有効な信号を伝達せず(主にノイズを構成する)、さらに、瞳の有効表面、従って瞳の直径の2乗とともに変化することを明らかにしている。光受容体の層から生じた指向性成分は、有効な信号を構成する。瞳におけるそのエネルギー分布は、ガウス形状を示す。このため、指向性成分は、瞳が変化したときに非指向性成分と同じように速くは変化しない。従って、下記により詳細に説明されるように、瞳が増大したときに、ノイズに関係する非指向性成分は指向性成分よりも速く増大するということになる。図5は、Jan van de Kraats等により論文から抜粋したものであり、眼の瞳のレベルにおいて測定された、網膜により後方散乱された光の指向性(A)と非指向性(B)の寄与率を示す。
信号対雑音比の低下は、まず第一に、図1Cに示されたようなフルフィールド型の網膜結像系を参照して説明される。
瞳において網膜で後方散乱されたエネルギーE(r)の式は、以下のように近似される。
ここで、Bは非指向性成分の大きさ(波長に依存する)であり、Aは指向性成分の大きさでありこれもまた波長に依存し、yは「指向性」係数であり、下記の式に従って波長に依存する。
瞳での積分信号は、従って、非指向性成分(CND)に関し、以下のようになる。
ここで、Rpupは瞳の半径である。
そして、信号を構成する指向性成分CDに関しては、以下のようになる。
信号対雑音比は以下の式、
または以下の式(7)で与えられる。
このように、信号対雑音比はrpupに依存する。固定波長に対し、比A/Bは固定される。式(7)は、rpupの関数として、正規化された信号対雑音比の傾向が、AまたはBに依存するのではなく、比A/Bに依存することを示す。
850nmの波長に関し、y=0.09およびA/B=0.1を示すことができる(この値は、Jan van de Kraats等の論文に由来し、実験により確認されている)。
このような条件で得られた信号対雑音比の正規化曲線が、図6Aに示されている。この曲線から、一般的に認められている見識に反して、信号対雑音比が、約5mmの入射瞳の直径の最大値を通過しており、それを超えると信号対雑音比が減少することが分かる。
550nmの波長に関し、およそy=0.147およびA/B=0.5である(ここでも、この値はJan van de Kraats等の論文に由来し、実験により確認されている)。このような条件で得られた信号対雑音比の正規化曲線が図6Bに示されている。ここでも、瞳の直径が約4mmを超えて増加したときに、信号対雑音比の減少が観測される。
OCTまたはAOSLO型の網膜結像系の場合でも、瞳の直径の効果を同じように明らかにすることができる。
瞳において網膜で後方散乱されたエネルギーの分布の式は、上記の式(4)により与えられる。しかしながら、OCTまたはSLO技術での共焦点効果は、特に検出器において、網膜で後方散乱された光束の非指向性成分の透過率を低減する。これは、この成分を後方散乱する網膜の層が、共焦点系の孔の平面に焦点を合わせられる層である光受容体の層の上方または下方に位置するからである。
網膜で後方散乱された光束の信号対雑音比は、フルフィールド系の場合と同じように表される。すなわち、上記の式(7)により与えられる。相違点は、比A/Bにある。
網膜層の反射率の差を評価するために、例えば、網膜の各層の反射率の情報を取得することができる市販のOCT系を用いることができる。ひとたびこの情報が利用可能になると、共焦点系の孔(ファイバが入力される孔)のサイズに応じてどのような共焦点効果があるのかについて計算がなされる。ひとたびこの孔の直径が決まると、共焦点孔の像が網膜の各層に映る立体角(Ωpinhole)が決定され、眼の瞳が網膜の各層に映る立体角(Ωpupil)が次に計算される。網膜の各層によって生じる光束の到着を制限する立体角は、これら2つの立体角よりも小さくなるであろう
これらの立体角の値は、層の深さzに依存する。慣習では、光受容体の層のレベルではz=0である。立体角を計算するために、下記の関係が用いられ、半径Rの円盤が観測点からの距離dで見られる立体角を計算することができる。
従って、ΩpinholeおよびΩpupilを、z、共焦点孔の直径Φpinhole、瞳の直径Φpupil、および空気中における眼の焦点距離(17mm)の関数として表すことができる。
OCTプロファイルで見ることができる網膜の各層に関して、共焦点系のワークの立体角を最小の立体角Ωpinhole(z)およびΩpupil(z)で計算することができる(zは光受容体の層と関心を持っている層との間の距離である)。この情報と網膜の各層の反射率の情報とを組み合わせることにより、共焦点孔のサイズに応じて検出される全光束に対して、光受容体の層により後方散乱される光束の割合を与える曲線が得られる。そのような曲線は図7Aに示されている。この曲線は、正規化された信号対雑音比の傾向を見つけ出すのに重要な基準である比A/Bに直接アクセスする。最近、共焦点系の孔の直径が実質的にエアリースポットの直径と等しいSLOシステムにおいて最も一般的に用いられるケースが考慮される場合、比A/(A+B)=0.45が得られ、それはA/B=0.82を意味する。
AOSLOシステムに関して850nmで取得された信号対雑音比の正規化曲線が、図7Bに図示されている(y=0.09およびA/B=0.82)。瞳の直径が約5.5mmを超えて増加するとき、信号対雑音比の減少が850nmで観察される。
本出願人は、このようにして、フルフィールド型網膜結像装置(図8Aおよび図8B)およびSLO型網膜結像装置(図8Dから図8F)について、結像系の入射瞳の直径の値の関数として、信号対雑音比の正規化値を与える曲線を測定した。これらの曲線は、異なる結像波長(イメージング波長)に対して測定されている。図8Aから図8Cの曲線に関し、それぞれ750nm、500nmおよび350nmであり、図8Dから図8Fの曲線に関し、それぞれ1100nm、750nmおよび500nmである。これらの曲線は、正規化された信号対雑音比が減少する入射瞳の直径の値を明らかにする。
従って、どのような技術が用いられても、本出願人は、波長に依存する入射瞳のある直径を超えると信号対雑音比の低下が出現することを実証した。典型的には、近赤外域(750nmから1100nm)では、信号対雑音比は、5mmから6mmの間の値より大きな瞳直径に対して低下し始める。可視域(500nmから750nm)では、信号対雑音比は、4mmから5.25mmの間の値より大きな瞳直径に対して低下し始める。青色スペクトル領域(350nmから500nm)では、信号対雑音比は、3mmから4.25mmの間の値より大きな瞳直径に対して低下し始める。
信号対雑音比の低下を説明するために本出願人により強調される第2の理由は、多数の被験者、特に網膜疾患に最もかかりやすい老齢者における、眼内レンズの存在である。白内障の治療に対する外科的処置は、実際には、処置の間に適切な位置に部分的に残される水晶体の「膜」(カプセルと呼ばれる)内にその場所をとる濁った水晶体を取り除き、それを人工水晶体(眼内レンズ)に置き換えることにある(嚢外摘出)。外科用語では、老人性白内障手術は、それ故、後のカプセルの保護と嚢内インプラントの調整とともに、水晶体超音波乳化吸引術により(右または左に)側方化した水晶体の嚢外摘出から成る。眼内レンズの有効サイズは、カプセルに形成(嚢切開)された丸孔の外形により制限される。その直径は最大でも5mmである。眼の出力空間内に持ち込まれると(すなわち角膜により与えられた拡張を考慮することにより)、それもまた結像系の入力空間である、最大有効サイズは5.75mmである。
従って、結像系の入射瞳の5.7mmの制限は、網膜の照明に用いられる波長にかかわらず、像の品質に対して有利であるように見える。実際には、この直径5.75mmの外側に到達する光線は、その波長にかかわらず遮断されるであろう。
実例として、図9は、フルフィールド技術(「フラッド(flood)」技術とも呼ばれる)に基づいた、本発明の典型的な実施形態にかかる高解像度網膜結像装置の実施例を示す。図9では、本発明の理解に必要な装置の構成要素のみ示されている。結像装置は、検出器ブロック12を用いて被験者の眼10の網膜の像を形成するために、被験者の眼10の網膜を照明するよう意図された光線を発光する第1光源LSを有する照明ブロック11を備える。この光源は拡張されており(extended)、いわゆる「フルフィールド(全視野)」像を形成するために、所定のフィールド、典型的には4°×4°で眼の網膜を照明することを可能とする。有利には、網膜を照明する光源LSは、典型的には750nmから1100nmの近赤外の波長を有する。これは被験者の眼に大きな快適性を与える波長範囲であり、網膜の層への進入の長さは、その波長範囲に対して大きくなる。変形例によれば、網膜の照明の光源LSの波長は、網膜のカラー画像を生成するために可視域とすることもできる。例えば緑内障の場合には神経線維の束を視覚化するために、典型的には350nmから500nmの青色域の波長が用いられてもよい。光源LSは、例えばLEDまたはフィルタを備えるランプである。また、照明ブロック11は、結像系の光学的欠点を解析することを目的として、網膜を照明する第2光源LSを備える。結像を目的としたLSとは異なり、光源LSは点光源であり、被験者の眼の網膜上に第2の光源点(source point)を形成することを可能とする。典型的には、光学的欠点の解析用の光源LSの中心波長は、750nmである。このような波長は、被験者にとって快適であり、結像波長に可能な限り近い。光源LSの波長は、光学的欠点の測定と網膜の結像との間の光学距離を分離するという理由から、光源LSの波長と異なることが好ましい。光源LSは、例えば、レーザダイオードまたはスーパー発光ダイオード(SLED:super light-emitting diode)である。一組のスプリッタ板BS、BSは、光源LSおよびLSから出射された光線を被験者の眼10に送ることができる。一連の光学素子L,L,Lは、光源から、眼の瞳への入射平行ビームを形成するために用いられる。網膜の像は、特に図9において符号L,L,Lが付された一連の光学素子を備える光学系を用いて、例えばCCD型のイメージングカメラを備える検出器ブロック12に形成される。結像系は、眼の所定の面17、例えば瞳面に位置することを意図された入射瞳を有する。図9では、符号「r」が付された面は、網膜の面と光学的に共役な面に相当するのに対し、符号「p」が付された面は、前記所定の面17と光学的に共役な面に想到する。また、網膜結像装置は、光学的欠点を解析するための装置15を備える。これは、光線が網膜と検出器との間で受ける擾乱(disturbance)の全てを解析することを含む。本明細書の意義の範囲における光学的欠点は、それ故、ほぼ眼の光学系により引き起こされるだけでなく、解析経路と共通である光学結像系の一部により引き起こされる欠点も含む。光学的欠点を解析するための装置は、例えば、シャックハルトマン型のアナライザ(HASO(登録商標)32-eye Imagine Eyes(登録商標))であり、一連のマイクロレンズと、マイクロレンズの焦点面に位置する検出器とを備える。解析面は、有利には、光学素子L,L,Lおよび追加の光学素子Lを用いることにより、結像系の入射瞳の面17と光学的に共役である。コンピュータ(図示せず)は、系(システム)の光学的欠点を測定し、修正装置14(例えばmirao52-e Imagine Eyes(登録商標)といった可変ミラー)に修正コマンドを送ることができる。有利には、シャックハルトマン型アナライザと関連するコンピュータは、公称の方向に関して、光学的欠点の影響を受ける光学系を通過した光線方向の変化を測定する。このようにして測定された変化は、可変ミラーを制御するために直接使用され得る。また、可変ミラーの面は、結像系の入射瞳の面17と光学的に共役である。図9で符号BS,BS,BSが付された一連のスプリッタ板は、光源LSおよびLSからの光線であって網膜で後方散乱された光線を可変ミラー14に導き、その後それぞれ検出器12およびアナライザ15に導いて、それぞれ結像ビームおよび解析ビームを形成することが可能である。変形例によれば、結像装置の入射瞳17は、可変ミラーの瞳の像である。
結像系の入射瞳のサイズの最適化に伴う像品質の改善を実験的にチェックするために、臨床研究が行われた。導入された手順は、とりわけ、適応光学系を組み込んだ2つのフルフィールド型高解像度網膜装置を用いた網膜の測定に基づいている。これらの装置は、図9で説明されたようなタイプの装置であるが、2つの装置のうち一方は7.5mmの入射瞳を有し、他方は5mmの入射瞳を有する。イメージング波長(結像波長)は、両方の装置において850nmである。2つの装置に関しては、全ての構成要素と同様に全体構造も全く同じである(同じ特性)。両方のケースにおいて、修正構成要素の瞳(この場合にはmirao52e(Imagin Eyes(登録商標))可変ミラー)は、結像系の物理的な瞳(physical pupil)を示す。それ故、2つの装置の唯一の相違は、可変ミラーの瞳と眼との間の光学的拡大(optical enlargement)にある。瞳直径が7.5mmの系の場合には、眼の瞳と可変ミラーとの間の拡大(enlargement)は2であり、入射瞳の直径が5mmの系の場合には、拡大は3である。
この調査の関連で結像された眼の数は、19である。それぞれの眼に関し、窩(fovea)の中心に対して2度および5度の一時的偏心(temporal eccentricity)に対して、光受容体の層のレベルにおいて3つの像が形成された。従って、眼ごとおよび装置ごとに全部で6つの像が形成された。比較は、5段階の光受容体の可視性(visibility)に基づいた表記方法(最上位に5点を記録し、最下位に1点を記録する)に基づいている。採点は、4人の観測者によってなされた。結果は、平均して、5mmの入射瞳直径を有する系で生成される像は、7.5mmの入射瞳直径を有する系で生成される像よりも1段階良い得点を記録することを示した。1対1の原理(one-to-one basis)(同一の眼、網膜の同一位置に対して3つの像のうち最良なもの)で比較すると、5mmの入射瞳直径を有する系で生成された19の像は、7.5mmの入射瞳直径を有する系で生成された像と比べて、19ケースのうち15ケースにおいて良く、19ケースのうち2ケースにおいて等しく、19ケースのうち2ケースにおいて悪かった。
図10Aおよび図10Bは、この調査の結果を示す。提示されたこの2つの画像は、検出器の網膜結像系がそれぞれ7.5mmおよび5mmの入射瞳を有する網膜結像装置を用いて、2度の一時的偏心(temporal eccentricity)で、同じの眼(58才の人)且つ網膜の全く同じ点において生成されたものである。それらは、5mmの入射瞳を有する系を支持する、採点基準において1段階の偏差を示す。従って、それらは、2つの装置間で観測された標準偏差を代表する。
いくつかの詳細な典型的な実施形態を通じて説明されているが、本発明に係る網膜結像装置および方法は、当業者にとって明らかなさまざまな変形、修正および改良を包含しており、これらのさまざまな変形、修正および改良は、以下の特許請求の範囲により規定される本発明の範囲の一部を形成している。

Claims (16)

  1. 被験者の眼(10)の網膜の照明のために光線を発光する少なくとも1つの光源(LS)であって、所定の結像波長の範囲で発光する光源と、
    網膜の面において測定された250cycles/mmの空間周波数構造を検出可能な検出装置(12)と、光学結像系(16)とを備える網膜結像経路と、
    網膜で後方散乱された一連の光線を受けるよう意図された解析面で光学的欠点を測定する装置(15)と、前記解析面を前記光学結像系の入力空間の所定の面(17)と光学的に共役にする手段とを備える解析経路と、
    修正面を備えるとともに、前記修正面において、前記光源(LS)からの、網膜で後方散乱された光線を、光学的欠点を測定する装置(15)により測定された光学的欠点に応じて修正するよう意図された修正装置(14)であって、前記修正面が結像系路の光学結像系の入力空間における前記所定の面(17)と光学的に共役である修正装置と、
    を備える高解像度網膜結像装置であって、
    前記光学結像系の入射瞳は、第1の値Φminと第2の値Φmaxの間の直径を有し、第1の値は、250cycles/mmの空間周波数を有する網膜の構造を、前記結像波長の範囲の中心波長において前記検出装置(12)により検出可能とするよう規定され、第2の値は、5.75mm未満である、
    ことを特徴とする高解像度網膜結像装置。
  2. 結像系の前記入射瞳は、前記結像系の入力空間の前記所定の面(17)に位置していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 修正装置は可変ミラーを備え、その瞳は結像系(16)の物理的な瞳を規定することを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記第1の値Φminは、前記250cycles/mmの空間周波数において5%より大きい結像系の理論的なコントラストを得るように、結像波長の範囲の前記中心波長の関数として規定されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の装置。
  5. 前記第1の値Φminは、Φmin=5000×λの関係により与えられ、λは結像波長の範囲の前記中心波長であることを特徴とする請求項4に記載の装置。
  6. 結像波長の範囲の前記中心波長は、750nmから1100nmの間であり、結像系の入射瞳の直径は、3.75mmから5.75mmの間であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の装置。
  7. 結像波長の範囲の前記中心波長は、500nmから750nmの間であり、結像系の入射瞳の直径は、2.5mmから5.25mmの間であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の装置。
  8. 結像波長の範囲の前記中心波長は、350nmから500nmの間であり、結像系の入射瞳の直径は、1.75mmから4.25mmの間であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の装置。
  9. 当該装置はフルフィールド型であり、前記光源(LS)は所定のフィールドで網膜を照明することを可能にする拡張光源であり、検出装置はマトリクス検出器を備え、
    光学的欠点を測定する前記装置による光学的欠点の解析のために、所定の解析波長の離散範囲で発光する、網膜を照明する第2光源(LS)をさらに備えることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の装置。
  10. 当該装置はAOSLO型であり、前記光源は準点照明ビームで網膜を照明することを可能にする点光源であり、検出装置は共焦点検出系を備え、
    網膜上で前記照明ビームを走査するための系をさらに備えることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の装置。
  11. 当該装置はOCT型であり、前記光源は準点照明ビームで網膜を照明することを可能にする点光源であり、検出装置は干渉計を備え、
    網膜上で前記照明ビームを走査するための系をさらに備えることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の装置。
  12. 光学的欠点を測定する装置(15)は、シャックハルトマン型のアナライザであることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の装置。
  13. 光源を用いて、被験者の眼(10)の網膜の照明のために少なくとも1つの光線を、所定の結像波長の範囲で発光することと、
    所定の直径の入射瞳を備える光学結像系(16)を用いて、前記結像波長の範囲で発光した前記光線により照明された網膜の少なくとも一部の像を、網膜の面において測定された250cycles/mmの空間周波数構造を検出可能な検出装置(12)の検出面に形成することと、
    網膜で後方散乱された光線を所定の解析面において解析することにより、光学的欠点を測定することと、前記解析面は眼の所定の面と光学的に共役であり、
    所定の修正面において、前記光源からの、網膜で後方散乱された光線を、測定された光学的欠点に応じて修正することと、前記修正面は眼の所定の面(17)と光学的に共役であり、
    を備える高解像度網膜結像方法であって、
    前記光学結像系の入射瞳の直径は、第1の値Φminと第2の値Φmaxの間であり、第1の値は、250cycles/mmの空間周波数を示す網膜の構造を、前記結像波長の範囲の中心波長において前記検出装置(12)により検出可能とするよう規定され、第2の値は、5.75mm未満である、
    ことを特徴とする高解像度網膜結像方法。
  14. 当該方法はフルフィールド型であり、光学的欠点の解析のために所定の解析波長の範囲で解析光ビームを発光することをさらに備え、結像波長の範囲の前記中心波長の光線は、網膜を所定のフィールドで照明することを可能とし、網膜の前記フィールドの像の形成は、マトリクス検出器を用いてなされることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 当該方法はAOSLO型であり、網膜の前記照明ビームの走査および共焦点検出をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  16. 当該方法はOCT型であり、干渉法による検出をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の方法。
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