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JP5953091B2 - ラッチングリレー - Google Patents
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本発明は、電力量計に用いられる開閉器に好適なラッチングリレーに関する。
ラッチングリレーは、開閉動作時のみ電力を必要とし、開状態および閉状態を保持するのに、電力を必要としない省電力型のリレーである。例えば、特許文献1に開示示されているラッチングリレーは、可動接点が取り付けられた板ばねを電磁石の磁力の発生によって回動する駆動子がくわえる係合部材を有し、この係合部材により板ばねと係合して開閉動作を行っている。
また、同様のリレーにおいて、接点のバウンスを抑制するために特許文献2では、駆動子が、前述の係合部材とは別に、板ばねの可動接点が取り付けられた位置より先端側で板ばねを引っ掛ける第2の係合部材を有している。
また、上述のタイプとは異なり、特許文献3には、電磁石の磁力により駆動子がシーソー動作し、駆動子と一体化されてほぼ同一面上に配置され、駆動子の支点付近からシーソーの腕方向に伸長された板ばねの先端に可動接点が取り付けられ、シーソー型駆動子を支持する台座面に固定された固定接点と可動接点を開閉するリレーが開示されている。
また、電気機器のコンパクト化の要望に伴い、機器に内蔵され、その開閉を司るリレーにも小型化が要求される。一般的にリレーの駆動には電磁石が用いられるが、リレーの小型化には、全体に対する占有体積の大きい電磁石の小型化が必要となるため、小さな力で所定距離だけ開閉動作させることが必要でなる。開閉動作には溶着発生時に大きな駆動力が必要となる。
特開平4−33227号公報 特開平6−103876号公報 特開平10−214552号公報
しかしながら、特許文献1のリレーのように、可動接点と端子との間の板ばねを駆動子が係合して開閉動作を行う場合、係合位置を接点側に近づけるほど溶着部を引き外す力は強くなる。しかし、閉極時に接触抵抗を所定値以下とするために必要な接触圧力を与えるための板ばねのたわみ量は小さくなり、調整が難しくなる。ラッチングリレーの接触圧力は、小さすぎると接触抵抗を招き、反対に大きすぎると開閉状態の保持力が低下してしまう。このため、接触圧力が適当な値に調整できないと、接触抵抗特性や保持力にばらつきが生じ、安定性を損なう。
特許文献2では、溶着発生の原因となるバウンスを抑制するために、板ばねの可動接点が取り付けられた位置より先端側で板ばねを引っ掛ける第2の係合部材を有している。しかし、開閉回数の少ない状態においてバウンスが抑制できたとしても、開閉に伴い接点の形状は変形していくため、バウンス発生頻度は開閉回数の増大とともに大きくなる。従って、溶着した部分を開離する方策が必要である。
特許文献3のリレーは、板ばねの可動接点側に板ばねと平行方向に駆動体と一体となった部材が伸長された構成であり、溶着が発生した場合に伸長部が板ばねと当接し、板ばねの実効ばね長を短くすることで溶着引き外し力を高めている。
しかしながら、このような構成では板ばねの固定部と伸長部先端の板ばね当接部分との距離が離れており、伸長部自体も撓むため、溶着引き外しが完了する駆動子の変位量が大きくなってしまい、駆動距離の小さいリレーでは採用できない。
さらに、特許文献3以外にも、特開平6−111702および特開平10−261356にも同様なリレーが記載されているが、これらのシーソータイプのリレーは、駆動子の接極子と板ばねの間隔が狭く、顕著なアーク放電が発生する10A以上のリレーには適さない。
本発明の課題は、接触抵抗特性や開閉保持力を損なうことなく溶着引き外し力を向上させ、小さな駆動力で10A以上の電流領域まで適用可能なラッチングリレーを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るラッチングリレーは、コイルとヨークとを有する電磁石と、板ばねと、前記板ばねの先端付近に取り付けられた可動接点と、前記可動接点と接離する固定接点と、前記板ばねに接続された可動側端子と、前記固定接点に接続された固定側端子と、前記可動側端子と前記可動接点との間に配置され、前記板ばねを挟んで係合する係合部材と、前記電磁石の前記ヨークと接離する接極子と、前記接極子間に配置された永久磁石と、前記係合部材、前記接極子、前記永久磁石を一体化して回動軸を中心に前記電磁石の作用により回動させ、前記永久磁石の磁力により前記接極子を開状態位置および閉状態位置に保持する駆動子と、前記係合部材と一体に形成され、前記係合部材とで前記板ばねを挟むように配置され、前記係合部材より前記可動接点側に配置され、開極時に前記板ばねを開極方向に押す開極補助部材とを有することを特徴とする。
本発明では、係合部材とは別に開極補助部材を可動接点寄りの位置に設けているので、接触圧力の調整が容易になり、溶着引き外し力を向上させることができ、開閉状態の保持力および接触抵抗値の安定性に優れ、かつ、開閉寿命特性に優れたラッチングリレーを提供できる。
また、開極補助部材と係合部材を一体で形成し、開極補助部材が係合部材とで板ばねを挟むように配置されているので、相互の位置関係を正確に決めることができ、接点が軽微な溶着により瞬時に開極できない場合、可動接点ばねが開極補助部材に向かって撓んで両者が当接するため、開極補助部材が可動接点ばねを押し出し、溶着引き外し力を増大させることができる。
実施例1に係るラッチングリレーの正面図および側面図である。 (a)は実施例1に係るラッチングリレーの閉極状態を示す図、(b)は実施例1に係るラッチングリレーの開極状態を示す図、(c)は軽微な溶着が発生した実施例1に係るラッチングリレーの開極補助部材による開極動作を示す図である。 比較例1の従来のラッチングリレーの正面および側面図である。 軽微な溶着が発生した比較例1の係合部材による開極動作を示す図である。 比較例2のラッチングリレーの正面および側面図である。 実施例1および比較例1のラッチングリレーの溶着引き外し力と駆動子回転角との関係を示す図である。 実施例1および比較例2の係合部材が板ばねに与えるたわみ量と接触圧力の関係を示す図である。 実施例1および比較例2の係合部材が板ばねに与えるたわみ量と接触抵抗の関係を示す図である。 実施例2のラッチングリレーの正面図および側面図である。 実施例3のラッチングリレーの正面図および側面図である。
以下、本発明の実施の形態に係るラッチングリレーについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1のラッチングリレーの主回路部およびこれに係合する駆動部の正面図(図1(a))と側面図(図1(b))である。
図1に示すラッチングリレーは、コイル1aと磁性体からなるヨーク1bとを有する電磁石1と、板ばね2と、板ばね2の先端付近に取り付けられた可動接点3と、可動接点3と接離する固定接点4と、可動接点3と板ばね2とに接続された可動側端子5と、固定接点4に接続された固定側端子6と、可動側端子5と可動接点3との間の位置で板ばね2を引っ掛けてまたは挟んで係合する係合部材7a,7bと、電磁石1のヨーク1bと接離する接極子8と、接極子8間に配置された永久磁石9と、係合部材7a,7b、接極子8、永久磁石9を一体化して回動軸10aを中心に電磁石1の作用により回動させ、永久磁石9の磁力により接極子8を開状態位置および閉状態位置に保持する駆動子10と、係合部材7a,7bと一体に形成され、係合部材7a,7bより可動接点3側の可動接点3と固定接点4間に配置され、開極時に板ばね2を開極方向に押す開極補助部材11とを有している。
板ばね2は、板ばね固定端2aから板ばね先端までが例えば25mmであり、板ばね2には板ばね固定端2aから21mmの位置に可動接点3が取り付けられている。板ばね2は、板ばね固定端2aから16mmの位置において係合部材7aと係合部材7b間のスリットに差し込まれている。
さらに、係合部材7a,7bより2mm可動接点3寄りの位置には、開極補助部材11が配置されている。開極時の接点間距離は1mmである。図2(a)に示すように、閉極状態においては、係合部材7aが板ばね2を閉極方向に撓ませることによって、可動接点3に接触圧力を与える。
製作した同形の10個のラッチングリレーの初期状態における接触抵抗を測定した結果、接触抵抗は、全数最大許容値以下となることを確認できた。また、開閉状態の保持力については、スプリングインパクトハンマーによって調べた結果、全数が所定のインパクトを与えても開閉状態を保持できることが確認できた。
一方、図2(b)に示すように、開極状態においては、係合部7bが板ばね2を開極方向に押し出すことによって、可動接点3が固定接点4から瞬時に開極される。
しかし、可動接点3と固定接点2とが軽微な溶着により瞬時に開極できない場合でも、図2(c)のように、板ばね2が撓むことによって板ばね2が開極補助部材11に当接するため、開極補助部材11が板ばね2を押し出し溶着部を引き外して開極する。このラッチングリレーを200V−60Aの条件で10000回開閉したが、溶着による開閉不具合の発生は1度も起こっていない。
また、開極補助部材11に上記機能を持たせるために、係合部7bと開極補助部材11とは板ばね側の面の位置がほぼ同一面となるように配置されているが、上記機能を実現するための開極補助部材11と係合部材7bの板ばね面に垂直な方向における位置関係は、可動接点3の固定位置、接点位置、および駆動子10との係合部材7a,7bの位置の相互の関係により決定される。
また、係合部材7a,7bおよび開極補助部材11とは、一体に形成されるので、相互の位置関係を正確に決めることができる。
(比較例1)
図3は、比較例1の従来のラッチングリレーの正面および側面図である。比較例1では、実施例1に示すような開極補助部材11がなく、その他の構成は実施例1の構成と同一である。
製作した同形の10個のラッチングリレーの初期状態における接触抵抗を測定した結果、全数最大許容値以下となることを確認できた。また、開閉保持力についても実施例1と同様に、全数が所定のインパクトを与えても開閉状態を保持できた。
しかし、このラッチングリレーを同様に200V−60Aの条件で10000回、開閉動作させたが、接点に軽微な溶着が発生した際に、駆動子10が開極位置まで移動しても、図4に示すように、可動接点3と固定接点2とは溶着状態である。即ち、溶着部位を引き外すことができず、7457回目に最初の開閉不具合が発生し、その後、10000回までに14回の不具合が発生している。
(比較例2)
図5は比較例2のラッチングリレーの正面および側面図である。即ち、図5に示す比較例2では、比較例1の従来のラッチングリレーの係合部材7a,7bを可動接点3側に寄せ、係合部材7bを実施例1の開極補助部材11の位置と一致するように移動させたものである。
実施例1と同様に、10000回の開閉で溶着による不具合の発生は起こっていないが、製作した同形の10個のラッチングリレーの初期状態における接触抵抗を測定した結果、2個が最大許容値以上の接触抵抗以上であった。また、これとは別の1個がスプリングインパクトハンマーの所定のインパクトによって開閉状態が反転した。
次にこのように構成された実施例1に係るラッチングリレーの作用を説明する。実施例1および比較例1,2のタイプのリレーでは、可動接点3が溶着した場合、溶着部位に図6に示すように、駆動子10の駆動量(駆動子回転角)に応じたばね力(溶着引き外し力)で可動接点3を引き外すことができる。
しかし、駆動子10の駆動量は、接点間距離から決まるため、祐着引き外しのためのばね力は、この接点間距離によって決まる駆動量に対応した値となる。このため、一定の確率で発生する比較的大きな規模の溶着の引き外しに必要な力がこの最大の溶着引き外し力を超えて開閉不具合を発生するリスクがある。
図6に示す点線は、開極補助部材11を用いない比較例1の溶着引き外し力を示している。実施例1のラッチングリレーでは、開極補助部材11を可動接点寄りの位置に設け、図6の実線に示すように、比較例1の1.5倍まで溶着引き外し力を増大することできるので、溶着不具合のリスクを低減することができる。
また、比較例2では、単に係合部材7a,7bを可動接点側に近づけた場合、閉極時の板ばね2のたわみ量の変化に対する接触圧力の変化は、図7に示すように、実施例1に比べて大きくなる。
接触圧力は、開閉時の保持力の確保の観点から永久磁石9の磁力に対して一定の割合以下とする必要があるため、たわみ量の最大許容値は比較例2の方が小さい値となる。一方、接触抵抗は所定値以下とする必要があるため、図8に示すように、たわみ量の最小許容値も決まるが、図8に示すように、たわみ量の許容範囲は、比較例2では実施例1より狭くなってしまう。
従って、実施例1のように、閉極時に板ばね3にたわみを与える係合部材7a,7bは可動接点3から離れた位置とし、これとは別に、可動接点3から至近の位置に開極補助部材11を設けることによって、たわみ量の許容範囲を広くとることができる。
このように、実施例1のラッチングリレーによれば、係合部材7a,7bとは別に開極補助部材11を可動接点3寄りの位置に設けているので、接触圧力の調整が容易になり、溶着引き外し力を向上させることができ、開閉状態の保持力および接触抵抗値の安定性に優れ、かつ、開閉寿命特性に優れたラッチングリレーを提供できる。
また、開極補助部材11と係合部材7a,7bを一体で形成しているので、相互の位置関係を正確に決めることができ、接点が軽微な溶着により瞬時に開極できない場合、可動接点3が開極補助部材11に向かって撓んで両者が当接するため、開極補助部材11が可動接点3を押し出し、溶着引き外し力を増大させることができる。
図9は、実施例2のラッチングリレーの正面図および側面図である。実施例1では板ばね2を係合部材7aと係合部材7bとの間に挟んで駆動子10と係合しているが、図9に示す実施例2では、係合部材7aと開極補助部材11で板ばね2を引っ掛けて駆動子10と係合させることを特徴とする。
実施例2のラッチングリレーでは、開極補助部材11を係合部材7aよりも2mm可動接点3寄りの位置に設けているが、この距離を大きくするほど、溶着引き外し力を大きくすることができる。
図10は、実施例3のラッチングリレーの正面図および側面図である。図10に示すように、実施例1のラッチングリレーの構成に、さらに板ばね2と並行に編込み導体12を併設したことを特徴とする。編込み導体12の両端部は、板ばね2の両端部に取り付けられている。
編込み導体12を併設することで、板ばね2以外の通電経路を確保すれば、板ばね2をより薄くすることができ、さらに接触圧力を容易に調整することができる。
なお、本発明は、実施例1乃至3のラッチングリレーに限定されるものではない。実施例1乃至3のラッチングリレーでは、駆動子10が三角形状であったが、例えば、駆動子10は、略L字形状に形成しても良い。
1 電磁石
1a コイル
1b ヨーク
2 板ばね
2a 板ばね固定端
3 可動接点
4 固定接点
5 可動側端子
6 固定側端子
7 係合部材
7a 上部係合部材
7b 下部係合部材
8 接極子
9 永久磁石
10 駆動子
10a 駆動子回動軸
11 開極補助部材
12 編込み導体

Claims (2)

  1. コイルとヨークとを有する電磁石と、
    板ばねと、
    前記板ばねの先端付近に取り付けられた可動接点と、
    前記可動接点と接離する固定接点と、
    前記板ばねに接続された可動側端子と、
    前記固定接点に接続された固定側端子と、
    前記可動側端子と前記可動接点との間に配置され、前記板ばねを挟んで係合する係合部材と、
    前記電磁石の前記ヨークと接離する接極子と、
    前記接極子間に配置された永久磁石と、
    前記係合部材、前記接極子、前記永久磁石を一体化して回動軸を中心に前記電磁石の作用により回動させ、前記永久磁石の磁力により前記接極子を開状態位置および閉状態位置に保持する駆動子と、
    前記係合部材と一体に形成され、前記係合部材とで前記板ばねを挟むように配置され、前記係合部材より前記可動接点側に配置され、開極時に前記板ばねを開極方向に押す開極補助部材と、
    を有することを特徴とするラッチングリレー。
  2. 前記板ばねに並行し且つ両端部が前記板ばねの両端部に取り付けられた編込み導体を設けたこと特徴とする請求項1記載のラッチングリレー。
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