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JP5962009B2 - ミスト形成用フィルタ製造装置、ミスト形成用フィルタ製造方法およびミスト形成用フィルタ - Google Patents
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JP5962009B2 - ミスト形成用フィルタ製造装置、ミスト形成用フィルタ製造方法およびミスト形成用フィルタ - Google Patents

ミスト形成用フィルタ製造装置、ミスト形成用フィルタ製造方法およびミスト形成用フィルタ Download PDF

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Description

本発明は、合成樹脂を含む基材シートに多数の微細貫通孔を形成して成るミスト形成用フィルタを製造するためのミスト形成用フィルタ製造装置、ミスト形成用フィルタ製造方法およびミスト形成用フィルタに関する。
従来より美容または医療の分野で、ミスト形成用フィルタを有するミスト発生装置が用いられている。このミスト発生装置においては、超音波の振動波で液体を押出し、ミスト形成用フィルタを通過させて微小な粒子に分解してミストを発生させている。例えば、美容分野ではミスト発生装置を用いて、水や化粧水をミストにして肌に吹き付け、肌の深部に細かい水の粒子が浸透して肌を潤し、肌への有効成分の浸透効率を高めている。
例えば、ミスト発生装置の一例として、特許文献1によるものを挙げることができる。特許文献1によれば、ミスト形成用フィルタとしては薄い金属板をエッチングや電鋳で加工して形成されたフィルタが用いられる。
しかしながら、金属製のミスト形成用フィルタには以下の問題がある。
まず、このような金属製のミスト形成用フィルタは、高価である。
またこのような金属製のミスト形成用フィルタは1回ないし数回使用ごとに使い捨てることはできず、そのため、衛生面の不安を引き起こしたり、使用者が洗浄などの手入れをする煩雑さを伴う。
さらにミスト形成用フィルタは、使用する液体の成分や粘度、ミストの粒子径といった各種パラメータを考慮して最適なミスト形成用フィルタを設計しているため、容易に交換できない金属製のミスト形成用フィルタを用いたミスト発生装置では使用できる液体は限られる。
一方、合成樹脂製のシートに多数の微細な(例えば直径100μm以下の)貫通孔を形成することも考えられる。しかしながら、合成樹脂製のシートに貫通孔を確実に形成することはむずかしい。
特開2000−237275号公報
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、金属製のミスト形成用フィルタを用いる代わりに、合成樹脂のシートに多数の微細な形成して成るミスト形成用フィルタを用いることとし、このようなミスト形成用フィルタを製造する製造装置、ミスト形成用フィルタ製造方法およびミスト形成用フィルタを提供することを目的とする。
本発明は、受台に耐熱性を有するバックシートを保持する工程と、バックシートに合成樹脂製の基材シートを支持する工程と、バックシートに対向して配置され、バックシート側に複数の突状部を有するナノインプリント成形型と、バックシートとを接近させ、受台とナノインプリント成形型との間で基材シートとバックシートを押圧して、基材シートに複数の微細貫通孔を形成する工程とを備え、バックシートを保持する受台と、ナノインプリント成形型との間で基材シートを押圧する際、受台を第1加熱部により加熱するとともに、ナノインプリント成形型を第2加熱部により加熱し、ナノインプリント成形型の複数の突状部が基材シートを貫通してバックシートまで達し、バックシート上に支持される合成樹脂製の基材シートは多孔質シートからなることを特徴とするミスト形成用フィルタの製造方法である。
本発明は、基材シートに複数の微細貫通孔を形成する工程の後で、受台を第1冷却部により冷却するとともに、ナノインプリント成形型を第2冷却部により冷却する工程を更に備えたことを特徴とするミスト形成用フィルタの製造方法である。
本発明は、多孔質シートは、平均孔径0.1um−1.0um、開孔率1%−50%を有することを特徴とするミスト形成用フィルタの製造方法である。
本発明によれば、第1加熱部により加熱された受台と、第2加熱部により加熱されたナノインプリント成型型との間で基材シートおよびバックシートを押圧する。この場合、ナノインプリント成型型の突状部により基材シートに多数の微細貫通孔を形成することができ、合成樹脂を含む基材シートに対して多数の微細な貫通孔を容易かつ高精度に形成することができる。このことにより、多数の微細貫通孔を有するミスト形成用フィルタを容易かつ精度良く製造することができる。
図1は、本発明の一実施の形態によるミスト形成用フィルタの製造装置を示す概略正面図。 図2は、本発明の一実施の形態によるミスト形成用フィルタの製造装置の突状部が基材シートを貫通する状態を示す図。 図3は、本発明の一実施の形態によるミスト形成用フィルタの製造装置のナノインプリント成形型を示す底面図。 図4は、本発明の一実施の形態によるミスト形成用フィルタの製造装置のナノインプリント成形型を示す垂直断面図(図3のIV−IV線断面図)。 図5は、本発明の一実施の形態によるミスト形成用フィルタの製造装置のナノインプリント成形型を作製する方法を示す概略斜視図。 図6は、本発明の一実施の形態によるミスト形成用フィルタの製造装置のナノインプリント成形型を作製する方法を示す概略断面図。 図7は、本発明の一実施の形態によるミスト形成用フィルタを示す平面図。 図8は、本発明の一実施の形態によるミスト形成用フィルタを示す垂直断面図(図7のVIII−VIII線断面図)。 図9は、ミスト形成用フィルタが組込まれたミスト生成装置を示す図。 図10(a)−(f)は、本発明の一実施の形態によるミスト形成用フィルタの製造方法を示す図。 図11は、本発明の一実施の形態の変形例1によるナノインプリント成形型を示す概略斜視図。 図12は、本発明の一実施の形態の変形例1によるミスト形成用フィルタを示す平面図。 図13は、本発明の一実施の形態の変形例1によるミスト形成用フィルタを示す垂直断面図(図12のXIII−XIII線断面図)。 図14は、本発明の一実施の形態の変形例2によるナノインプリント成形型を示す概略斜視図。 図15は、本発明の一実施の形態の変形例2によるミスト形成用フィルタの製造方法を示す平面図。 図16は、本発明の一実施の形態の変形例2によるミスト形成用フィルタの製造方法を示す垂直断面図(図15のXVI−XVI線断面図)。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図10は本発明の一実施の形態を示す図である。
(微細貫通孔成形装置)
まず図1によりミスト形成用フィルタを成形するミスト形成用フィルタの製造装置の全体構成について説明する。
図1に示すように、ミスト形成用フィルタの製造装置10は、固定された受台11と、受台11上に保持され、耐熱性を有するとともに合成樹脂からなる基材シート20を支持するバックシート12とを備えている。また受台11のバックシート20側にはセラミックパルスヒータからなる第1加熱部11Aが設けられ、受台11の第1加熱部11A下方には水冷管からなる第1冷却部11Bが設けられている。
このうちバックシート12は、耐熱性を有する(溶融温度が250℃以上である)とともに断熱性に優れた材料からなることが好ましく、かつ弾性変形により振動を吸収する振動吸収性及び貫入圧に抗して接触圧を発生するスプリングバック性を有することが好ましい。またバックシート12は、基材シート20に対して剥離性に優れているものであることが好ましい。このようなバックシート12としては、例えばポリイミド、ポリテトラフルオロテチレン(PTFE)のシート、フッ素コーティングされた層(バックシート剥離層)12aを有する耐熱プラスチックのシート等、またはこれらを積層して組合せたもの等を用いることができる。
一方、基材シート20は、熱溶融性プラスチックからなっているが、ある程度の剛性および耐熱性を有することが好ましい。この場合、基材シート20の溶融温度は、バックシート12の溶融温度より50℃以上低いことが好ましい。仮に基材シート20の溶融温度とバックシート12の溶融温度とが近い場合、基材シート20の成形時に、バックシート12が熱変形してしまうからである。このような基材シート20の材料としては、例えばポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、結晶性ポリエチレンテレフタレート、延伸性ポリエチレンテレフタレート、メタクリル酸エステル重合体(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ABS、ナイロン6等を用いることができる。その他、PE、PP、PVC等の熱可塑性プラスチックを適用することもできる。なお基材シート20の厚みは任意であるが、後述するナノインプリント成形型30の上下方向の位置精度から考えて、10μm乃至10mm程度とすることが好ましい。
また図1に示すように、受台11には受台11内を貫通する吸引部13が設けられている。この吸引部13を介して真空吸引することにより、図示しない通気孔を有するバックシート12およびバックシート剥離層12aを介して基材シート20を受台11上に固定保持できるようになっている。
さらにバックシート12の上方には、下方部に多数の突状部31が形成されたナノインプリント成形型30が設けられている。ナノインプリント成形型30はメカチャック33によりベース32に連結されており、ベース32およびナノインプリント成形型30は一体として駆動機構32Cにより上下方向に移動可能となっている。さらにベース32内にはナノインプリント成形型30を加熱するためのセラミックパルスヒータからなる第2加熱部32Aが設けられ、またベース32の第2加熱部32Aの上方には水冷管からなる第2冷却部32Bが設けられている。
また受台11の第1加熱部11Aおよび第1冷却部11Bと、ベース32の第2加熱部32Aおよび第2冷却部32Bと、駆動機構32Cは、いずれも制御装置15により駆動制御される。
なお制御装置15によるナノインプリント成形型30の昇降位置精度は、いずれも1μmオーダーであることが好ましい。
ベース32およびナノインプリント成形型30は、制御装置15により制御されて下降し、基材シート20に当接して基材シート20を受台11との間で押圧する。この際、ナノインプリント成形型30は、多数の突状部31によって基材シート20に多数の微細貫通孔41を形成するようになっている(詳細は後述する)。
また、受台11、ナノインプリント成形型30、ベース32および駆動機構32Cを覆って真空チャンバ10Aが設けられている。
なお、ナノインプリント成形型30およびベース32を一体として上下方向に移動させる代わりに、ナノインプリント成形型30およびベース32を固定しておき、受台11を上下方向に移動させてもよい。
またミスト形成用フィルタの製造装置は、ナノインプリント成形型を下方に配置し、ナノインプリント成形型に対向するように受台を上方に配置したものを採用してもよい。
(ナノインプリント成形型)
次に図1乃至図4により、上述したナノインプリント成形型30の構成について更に説明する。
図1および図2に示すように、ナノインプリント成形型30は、下方に向けて突設された多数の突状部31を有し、全体として例えばチタン、アルミニウム等の金属からなっている。
なお突状部31をこれらの金属上に設けたNiメッキ層、Crメッキ層により構成することもできる。
ところで、図2に示すように、ナノインプリント成形型30と受台11との間で基材シート20とバックシート12を押圧した場合、ナノインプリント成形型30の突状部31は基材シート20を貫通した後、バックシート剥離層12aとバックシート12内に距離l(5μm)程度入り込む。このことにより突状部31によって基材シート20を確実に貫通することができ、この場合、ナノインプリント成形型30と基材シート20との間の空気を真空チャンバ10Aにより効果的に引き抜くことができる。
次に図1乃至図4により、ナノインプリント成形型30の突状部31の構成について更に説明する。図1乃至図4に示すように、ナノインプリント成形型30の下面に互いに同一形状を有する多数の突状部31が形成されている。各突状部31は、それぞれ山形形状を有している。すなわち各突状部31は、平面円形状の頂部31aと、頂部31aから周囲に延びる裾部31bとを有している。このうち裾部31bは、頂部31a側からベース32側に向けて徐々に直径が大きくなる円形の水平断面を有している。なお各突状部31は、抜きテーパーを有する任意の形状であれば良いが、とりわけ各突状部31先端を鋭角的に形成することが好ましい。各突状部31先端を鋭角にすることにより、成形の際、基材シート20に最初に接触する部分の面積を小さくすることができる。このことにより、基材シート20に容易に微細貫通孔41を形成することができる。
図4において、各突状部31の頂部31aの直径dは、ミスト形成用フィルタ40の形状によって任意に定めることができるが、例えば1μm乃至1mm程度とすることが好ましい。隣接する頂部31a同士間の距離Lは、同様にミスト形成用フィルタ40の形状によって任意に定めることができるが、例えば20μm乃至5mm程度とすることが好ましい。各突状部31の高さhも同様に任意に定めることができるが、例えば10μm乃至5mm程度とすることが好ましい。
(ナノインプリント成形型の作製方法)
次に図5および図6により、ナノインプリント成形型30を作製する方法、とりわけナノインプリント成形型30の複数の突状部31を形成する方法について説明する。
まず、例えばチタン等からなる未加工のナノインプリント成形型30を準備する。次に、この未加工のナノインプリント成形型30を超精密切削加工機36に装着する。ここで超精密切削加工機36は、図5および図6に示すように、先端にダイヤモンド刃先38が設けられた切削工具37を有している。このような超精密切削加工機36としては、1nm程度の制御精度を有し、かつ加工後の金型の表面粗さRaが数nmとすることができるものが好ましい。具体的には、超精密切削加工機36として、例えばファナック株式会社製の超精密ナノ加工機(ROBONANO)等を挙げることができる。
次に、超精密切削加工機36の切削工具37は、軸A1を中心に時計回りに回転(自転)しながらナノインプリント成形型30に当接する。続いて切削工具37は、ナノインプリント成形型30のうち、各突状部31の頂部31aとなる部分を中心に反時計回りに回転(公転)しながら、ナノインプリント成形型30を切削加工する。この結果、ナノインプリント成形型30に、頂部31aと裾部31bとを有する山形形状の突状部31が形成される。その後、このような作業を突状部31の個数分繰り返すことにより、ナノインプリント成形型30に多数の突状部31が形成される。
(ミスト形成用フィルタ)
次に図7および図8により、図1に示すミスト形成用フィルタの製造装置10により成形されたミスト形成用フィルタ40の構成について説明する。
図7および図8に示すミスト形成用フィルタ40は、ミスト形成用フィルタの製造装置10を用いて基材シート20を成形することにより作製されたものである。このようなミスト形成用フィルタ40は、後述するミスト生成装置1内に組込まれる。このようなミスト形成用フィルタ40を構成する基材シート20としては、上述したような各種の熱溶融性樹脂、例えばポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、結晶性ポリエチレンテレフタレート、延伸性ポリエチレンテレフタレート、メタクリル酸エステル重合体(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ABS等が挙げられる。その他、PE、PP、PVC等の熱可塑性プラスチックを適用することもできる。
また基材シート20としては平均孔径0.1um−1.0um、開孔率1%〜50%、より詳細には上記平均孔径の孔が平面視において2.0×10〜6×10個/cmの密度で配置された多孔質シートを用いることが好ましく、このような多孔質シートを用いることにより、ナノインプリント成形型で基材シート20を貫通させやすくなり、基材シート20に微細貫通孔41を容易に形成することができる。
図7および図8に示すように、ミスト形成用フィルタ40は、フィルタ本体部42と、フィルタ本体部42の全体にわたって形成された複数の微細貫通孔41を有している。各微細貫通孔41は、それぞれナノインプリント成形型30の各突状部31によって賦形されたものであり、したがって、各突状部31の形状に対応する形状を有している。各微細貫通孔41は、フィルタ本体部42の一面42aに設けられた円形開口41aと、円形開口41aから成形品本体部42の他面42b側に向けて延び徐々に直径が大きくなる斜面部41bとを有している。
図8において、各微細貫通孔41の円形開口41aの直径dは、例えば1μm乃至1mm程度とすることが好ましい。また隣接する円形開口41a同士間の距離Lは、例えば20μm乃至5mm程度とすることが好ましい。さらに微細貫通孔成形品40の厚さtは、例えば10μm乃至5mm程度とすることが好ましい。
このような構成からなるミスト形成用フィルタ40は、ミスト生成装置1内に組込まれる(図9参照)。すなわちミスト生成装置1は、図9に示すように例えば化粧液5のような液体が充てんされた容器2と、容器2を保持する金属振動板4とを備えている。金属振動板4の内側は開口し、この金属振動板4の開口にミスト形成用フィルタ40が固着されている。
図9において、金属振動板4には円筒圧電体3が固着されており、円筒圧電体3により金属振動板4を振動させることにより、容器2内の化粧液5が加圧される。このとき、容器2内の化粧液5が、ミスト形成用フィルタ40の微細貫通孔41から外方へ向って微細な霧状に噴射される。
(ミスト形成用フィルタの製造方法)
次に、図10(a)−(f)を用いて、ミスト形成用フィルタの製造装置10によりミスト形成用フィルタ40を製造する方法について説明する。
初めに、作成しようとするミスト形成用フィルタ40の3次元形状データに基づき、超精密切削加工機36を用いて未加工のナノインプリント成形型30を切削加工し、ナノインプリント成形型30を作製する(図5および図6参照)。
続いて、ナノインプリント成形型30をベース32にメカチャック33を介して装着するとともに、第2加熱部32Aを制御装置15により制御して、ナノインプリント成形型30を通常の室温(20℃)から樹脂のガラス転移点温度乃至軟化温度程度に加熱する。
次いで、受台11上にバックシート12を保持し、このバックシート12上に基材シート20を載置する。また、吸引部13により真空吸引することにより、基材シート20をバックシート12上で動かないように固定支持する(図10(a))。
次に第1加熱部11Aを制御装置15により制御して受台11を通常の室温(20℃)から樹脂のガラス転移点温度乃至軟化温度程度に加熱する。
次に、制御装置15により駆動機構32Cを駆動して、バックシート12上方に予め配置されたナノインプリント成形型30およびベース32を一体として基材シート20に向けて下降させる(接近させる)。
その後、ナノインプリント成形型30の各突状部31が基材シート20に接触する(図10(b))。
続いて、ナノインプリント成形型30を更に下降させる。この間、第1加熱部11Aにより加熱された受台11と第2加熱部32Aにより加熱されたナノインプリント成形型30の各突状部31とにより基材シート20を加熱しながら、各突状部31が基材シート20中を貫入していく。このようにして、ナノインプリント成形型30の各突状部31先端をバックシート12に当接させる(図10(c))。このように第1加熱部11Aにより
加熱された受台11と、第2加熱部32Aにより加熱されたナノインプリント成形型30により基材シート20とバックシート12を押圧することにより、基材シート20に突状部31により微細貫通孔41を確実に形成することができる。
この場合、突状部31は基材シート20を貫通した後、バックシート剥離層12aとバックシート12内に距離l(5μm)程度入り込む。また、ナノインプリント成形型30と基材シート20との間の空気を真空チャンバ10Aにより効果的に引抜くことができ、突状部31により確実に微細貫通孔41を形成することができる。
次に、制御装置15により第1加熱部11Aおよび第2加熱部32Aが停止し、代わりに第1冷却部11Bおよび第2冷却部32Bが作動する。このことにより受台11およびナノインプリント成形型30が冷却される。これにより、基材シート20も冷却されて固化し、基材シート20に多数の微細貫通孔41が形成される。このようにして、基材シート20から多数の微細貫通孔41を有するミスト形成用フィルタ40が成形される。
次に、制御装置15によりナノインプリント成形型30およびベース32を一体として上昇させる。この場合、ナノインプリント成形型30およびミスト形成用フィルタ40(基材シート20)は冷却されて寸法がわずかに縮んでいるので、ミスト形成用フィルタ40をナノインプリント成形型30から容易に離型することができる(図10(d))。
続いて、吸引部13による真空吸引を停止し、受台11からバックシート12およびミスト形成用フィルタ40を取外す(図10(e))。最後に、バックシート12からミスト形成用フィルタ40を剥離することにより、図7および図8に示すミスト形成用フィルタ40が得られる(図10(f))。なお、受台11上に保持された状態のバックシート12からミスト形成用フィルタ40を剥離しても良い。
以上本実施の形態によれば、第1加熱部11Aにより加熱された受台11と、第2加熱部32Aにより加熱されたナノインプリント成形型30との間で基材シート20およびバックシート12を押圧する。このことによりナノインプリント成形型の突状部31により基材シート20に多数の微細貫通孔41を形成することができ、合成樹脂からなる基材シート20に対して多数の微細貫通孔41を容易かつ高精度に形成することができ、このようにしてミスト形成用フィルタ40を容易に製造することができる。
次に本発明の具体的実施例について以下述べる。
(実施例1)
バックシートとして125μm厚みのポリイミドシート(東レ・デュポン株式会社 500H)を用い、このポリイミドシート上に基材シートとして20μm厚みのポリカーボネートシート(it4ip 1N401200250)を重ねた。受台により基材シートをガラス転移温度(145℃)以上の180℃に加熱し、切削加工で作成した針状等の微細突状部を有するナノインプリント成形型をガラス転移温度以上の180℃に加熱しながら、150kPaの圧力で基材シート上にプレス成形した。次に加圧プレスした状態のままナノインプリント成形型および受台を冷却し、十分に室温近辺まで温度が下がってから、垂直方向にナノインプリント成形型を剥離した。このことによりポリカーボネート製のミスト形成用フィルタを得た。
(実施例2)
バックシートとして、200μm厚みのシリコーンゴムシート(信越化学株式会社 TC−BG)を用い、このシリコーンゴムシート上に基材シートとして20μm厚みのポリカーボネートシート(it4ip 1N401200250)を重ねた。受台により基材シートをガラス転移温度(145℃)以上の180℃に加熱し、切削加工で作成した針状等の微細突状部を有するナノインプリント成形型をガラス転移温度以上の180℃に加熱しながら、150kPaの圧力で基材シート上にプレス成形した。次に加圧プレスした状態のままナノインプリント成形型および受台を冷却し、十分に室温近辺まで温度が下がってから、垂直方向にナノインプリント成形型を剥離した。このことにより、ポリカーボネート製のミスト形成用フィルタを得た。
(本実施の形態の変形例)
次に、本実施の形態の各変形例を図11乃至図16により説明する。図11乃至図16に示す各変形例は、ナノインプリント成形型30の各突状部の形状およびミスト形成用フィルタ40の貫通孔の形状が異なるものであり、他の構成は図1乃至図10に示す実施の形態と同様である。図11乃至図16において、図1乃至図10に示す実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
変形例1
まず本実施の形態の変形例1を図11乃至図13により説明する。図11に示すように、ナノインプリント成形型30上に、互いに同一形状を有する多数の突状部51が形成されている。各突状部51はそれぞれ山形形状を有している。また各突状部51は、平面四角形状(正方形状)の頂部51aと、頂部51aから周囲に延びる裾部51bとを有している。このうち裾部51bは、頂部51a側からベース32側に向けて徐々に面積が大きくなる四角形(正方形)の水平断面を有している。
このようなナノインプリント成形型30は、図5および図6に示す実施の形態と同様、超精密切削加工機36を用いて作製することができる。具体的には、図11に示すように、ナノインプリント成形型30に対して、超精密切削加工機36の切削工具37を軸Aを中心に回転(自転)させながらD方向およびD方向に直線移動させる。なおD方向およびD方向は互いに直交している。このようにナノインプリント成形型30を切削加工することにより、図11に示すように、ナノインプリント成形型30上に、各々四角形の頂部51aを有する複数の突状部51が形成される。
また、図12および図13は、図11に示すナノインプリント成形型30を用いて作製されたミスト形成用フィルタ40を示している。図12および図13において、ミスト形成用フィルタ40は、フィルタ本体部42と、フィルタ本体部42に形成された複数の微細貫通孔52とを有している。各微細貫通孔52は、それぞれ図11に示すナノインプリント成形型30の各突状部51によって賦形されたものであり、各突状部51の形状に対応する形状を有している。図13に示すように、各微細貫通孔52は、フィルタ本体部42の一面42aに設けられた四角形開口52aと、四角形開口52aからフィルタ本体部42の他面42b側に向けて延びる斜面部52bとを有している。
本実施の形態の変形例1においても、図1乃至図10に示す実施の形態と同様の効果が得られる。とりわけ、多数の四角形の微細貫通孔52を有するミスト形成用フィルタ40を精度良く作製することができる。
変形例2
次に変形例2を図14乃至図16により説明する。図14に示すように、ナノインプリント成形型30上に、互いに同一形状を有する多数の突状部61が形成されている。各突状部61はそれぞれ山形形状を有している。また各突状部61は、平面正六角形状の頂部61aと、頂部61aから周囲に延びる裾部61bとを有している。このうち裾部61bは、頂部61a側からベース32側に向けて徐々に面積が大きくなる正六角形の水平断面を有している。
このようなナノインプリント成形型30は、図5および図6に示す実施の形態と同様、超精密切削加工機36を用いて作成することができる。具体的には、図14に示すように、ナノインプリント成形型30に対して、超精密切削加工機36の切削工具37を軸Aを中心に回転(自転)させながらD方向、D方向およびD方向に直線移動させる。なおD方向、D方向およびD方向はそれぞれ互いに60°で交わっている。このようにナノインプリント成形型30を切削加工することにより、図14に示すように、ナノインプリント成形型30上に、各々正六角形の頂部61aを有する複数の突状部61が形成される。
また、図15および図16は、図14に示すナノインプリント成形型30を用いて作製されたミスト形成用フィルタ40を示している。図15および図16において、ミスト形成用フィルタ40は、フィルタ本体部42と、フィルタ本体部42に形成された複数の微細貫通孔62とを有している。各微細貫通孔62は、それぞれ図14に示すナノインプリント成形型30の各突状部61によって賦形されたものであり、各突状部61の形状に対応する形状を有している。図16に示すように、各微細貫通孔62は、フィルタ本体部42の一面42aに設けられた六角形開口62aと、六角形開口62aからフィルタ本体部42の他面42b側に向けて延びる斜面部62bとを有している。
本実施の形態の変形例2においても、図1乃至図10に示す実施の形態と同様の効果が得られる。とりわけ、多数の六角形の微細貫通孔62を有するミスト形成用フィルタ40を精度良く作製することができる。また、加工時間をかけることで、山の頂点部、裾野部分を任意の形状に加工したものを適用できる。
10 ミスト形成用フィルタの製造装置
11 受台
11A 第1加熱部
11B 第1冷却部
12 バックシート
12a バックシート剥離層
13 吸引部
15 制御装置
20 基材シート
30 ナノインプリント成形型
31、51、61 突状部
31a、51a、61a 頂部
31b、51b、61b 裾部
32 ベース
32A 第2加熱部
32B 第2冷却部
36 超精密切削加工機
37 切削工具
40 ミスト形成用フィルタ
41、52、62 微細貫通孔
41a 円形開口
41b、52b、62b 斜面部
42 フィルム本体部
52a 四角形開口
62a 六角形開口

Claims (3)

  1. 受台に耐熱性を有するバックシートを保持する工程と、
    バックシートに合成樹脂製の基材シートを支持する工程と、
    バックシートに対向して配置され、バックシート側に複数の突状部を有するナノインプリント成形型と、バックシートとを接近させ、受台とナノインプリント成形型との間で基材シートとバックシートを押圧して、基材シートに複数の微細貫通孔を形成する工程とを備え、
    バックシートを保持する受台と、ナノインプリント成形型との間で基材シートを押圧する際、受台を第1加熱部により加熱するとともに、ナノインプリント成形型を第2加熱部により加熱し、ナノインプリント成形型の複数の突状部が基材シートを貫通してバックシートまで達し、バックシート上に支持される合成樹脂製の基材シートは多孔質シートからなることを特徴とするミスト形成用フィルタの製造方法。
  2. 基材シートに複数の微細貫通孔を形成する工程の後で、受台を第1冷却部により冷却するとともに、ナノインプリント成形型を第2冷却部により冷却する工程を更に備えたことを特徴とする請求項記載のミスト形成用フィルタの製造方法。
  3. 多孔質シートは、平均孔径0.1um−1.0um、開孔率1%−50%を有することを特徴とする請求項記載のミスト形成用フィルタの製造方法。
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