(1)全体構成
図1は、本実施形態に係るエンジンの排気浄化制御装置の概略構成図である。本実施形態に係るエンジンは、高圧高温の燃焼室内に吹き込まれた燃料が自己着火する点火装置が不要なディーゼルエンジンである。エンジン本体1に複数の気筒2(図には1つのみ図示)が形成され、各気筒2にピストン3が嵌挿されている。ピストン3はコンロッドを介してクランクシャフト4に連結されている。ピストン3の上方に燃焼室5が形成され、燃焼室5の頂部に燃料噴射弁6が設けられている。
燃料噴射弁6は、図略のニードル弁及びソレノイドを内蔵し、パルス信号が入力されることにより、そのパルス入力時期にパルス幅に対応する時間だけ駆動されて開弁し、その開弁時間に応じた量の燃料を燃焼室5内に噴射する。
各気筒2の燃焼室5に吸気通路10及び排気通路20が接続している。吸気通路10と燃焼室5との間に吸気弁11が設けられ、排気通路20と燃焼室5との間に排気弁21が設けられている。吸気通路10にスロットル弁12が配設されている。スロットル弁12は、その開度に応じて吸気通路10の流路断面積を調節し、気筒2に流入する吸気量を制御する。排気通路20にDOC(酸化触媒)22とDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)23とが上流側からこの順に配設されている。
DOC22は、気筒2から排出される排ガスの酸化反応を促進するための排気浄化装置である。排ガス中のCO(一酸化炭素)やHC(炭化水素)はこのDOC22を通過するときに酸化され、CO2(二酸化炭素)やH2O(水)に浄化される。DOC22は、DOC22内部で起きるこのような排ガスの酸化反応によって排ガス温度を上昇させ、下流のDPF23に高温の排ガスを流入させる役割も担う。
DPF23は、気筒2から排出される排ガス中に含まれる煤等の微粒子を捕集するための排気浄化装置である。DPF23は、例えばSiC(炭化ケイ素)等のセラミックス製のウォールスルータイプのフィルタである。排ガス中の微粒子はこのDPF23のセル壁を流入側から流出側に向かって通過するときにセル壁に捕集される。DPF23は、排ガスの酸化反応を促進する触媒(例えば白金等)を担持する触媒付きフィルタである。DPF23は、DPF23内部で起きるこのような排ガスの酸化反応によって排ガス温度を上昇させ、捕集した微粒子を燃焼し除去する機能(自己再生機能)を有する。
本実施形態に係るエンジンは、燃費性能に優れるため、排ガス温度が相対的に低く、排気通路20に備えられたDOC22及びDPF23が活性化し難いという傾向がある。そこで、本実施形態では、燃料噴射弁6は、圧縮行程の上死点付近で燃料を噴射するメイン噴射に加えて、メイン噴射の後に膨張行程で燃料を噴射するポスト噴射も実行可能に構成されている。ポスト噴射が実行されると、燃料は膨張行程で噴射されるので、噴射された燃料は、燃焼の熱エネルギーがピストン3を押す機械的エネルギーに変換される率が小さくなる。そのため、ポスト噴射された燃料の排ガス温度は、メイン噴射された燃料の排ガス温度よりも高くなる。したがって、ポスト噴射を行うことにより、DOC22及びDPF23を積極的に活性化させることができる。
しかし、ポスト噴射は燃費性能の低下やエンジンオイルの希釈の原因になり得るので、本実施形態では、排気浄化装置を加熱するための加熱用デバイスとして、電気ヒータを用いてDOC22を強制的に加熱し、これによりDOC22及びDPF23を積極的に活性化させるようにしている。具体的に、図2に示すように、排気通路20において、DOC22の触媒担体22aの直上流に、例えばニクロム線等からなる電気ヒータ24を配置している。電気ヒータ24に通電すると、電気ヒータ24が発熱して排ガスを加熱し、加熱された排ガスが触媒担体22aに流入してDOC22を加熱し、DOC22が活性化する。
なお、図2は、電気ヒータ24を触媒担体22aの直上流の外周部に配置した例を示すが、状況に応じて、電気ヒータ24を触媒担体22aの他の部位に配置してもよい。例えば、電気ヒータを触媒担体22aの外周面に巻き付けてもよく、触媒担体22aの内部に通してもよい。また、排気浄化装置の加熱用デバイスとして、前記電気ヒータに代えてマイクロウェーブ等を用いてもよい。
前述のように、ポスト噴射は燃費性能を低下させたりエンジンオイルを希釈させるという不具合があるのに対し、電気ヒータ24にはそのような不具合がないので、本実施形態では、DOC22及びDPF23を積極的に活性化させる方策として、電気ヒータ24によるDOC22の加熱を主たる方策とし、ポスト噴射による排ガス温度の上昇を補助的な方策としている。この排気浄化制御動作については後に詳しく説明する。
図1に戻り、DOC22の上流の排気通路20とスロットル弁12の下流の吸気通路10との間にEGR通路30が配設されている。EGR通路30は、排気通路20を流れる排ガスの一部を吸気通路10に還流させるための通路である。EGR通路30にEGR弁31が配設されている。EGR弁31は、その開度に応じてEGR通路30の流路断面積を調節し、排気通路20から吸気通路10に還流する排ガスの量を制御する。吸気通路10に還流した排ガスは、吸気通路10の上流から流れてくる新気と合流して気筒2に流入する。
図3は、本実施形態に係るエンジンの電気系統のブロック図である。図3に示すように、本実施形態に係るエンジンの電気系統には、エンジンから動力を得て発電を行うオルタネータ(本発明の発電装置に相当)50と、オルタネータ50で発電された電力を蓄電するキャパシタ(本発明の蓄電装置に相当)51と、DOC22を加熱するための前記電気ヒータ24と、例えばオーディオやエアコン等の前記電気ヒータ24以外の車載電気デバイス52と、キャパシタ51と車載電気デバイス52との間に介設されたDC/DCコンバータ53と、エンジン始動時にエンジンに回転力を付与するスタータモータ55とが含まれる。
前記電気系統には、さらに、主としてスタータモータ55の電源として用いられるバッテリ54が含まれる。これに対し、前記キャパシタ51は、主として電気ヒータ24及び車載電気デバイス52の電源として用いられる。
図3に示すように、オルタネータ50とキャパシタ51とが相互に電気的に接続されている。そのため、オルタネータ50の発電電力がキャパシタ51に供給され得る。電気ヒータ24がヒータリレー24aを介してオルタネータ50及びキャパシタ51と電気的に接続されている。そのため、ヒータリレー24aがONになると、キャパシタ51の蓄電電力又はオルタネータ50の発電電力が電気ヒータ24に供給され得る。
また、バッテリ54とスタータモータ55とがスタータリレー56を介して相互に電気的に接続されている。そのため、スタータリレー56がONになると、バッテリ54の蓄電電力がスタータモータ55に供給され得る。バッテリ54と車載電気デバイス52とが相互に電気的に接続されている。そのため、バッテリ54の蓄電電力が車載電気デバイス52に供給され得る。
そして、キャパシタ51及びオルタネータ50と、車載電気デバイス52及びバッテリ54とが、DC/DCコンバータ53を介して相互に電気的に接続されている。また、DC/DCコンバータ53をバイパスするバイパス回路53bが設けられ、バイパス回路53bにバイパスリレー53aが介設されている。そのため、バイパスリレー53aがOFFになると、キャパシタ51の蓄電電力又はオルタネータ50の発電電力がDC/DCコンバータ53で降圧されて車載電気デバイス52及びバッテリ54に供給され得る。一方、バイパスリレー53aは、オルタネータ50の発電電圧が車載電気デバイス52の定格電圧となるまで待った後、ONとされる。このバイパスリレー53aがONとされることにより、降圧された発電電圧のオルタネータ50の発電電力がDC/DCコンバータ53を経由することなく車載電気デバイス52及びバッテリ54に供給され得る。また、キャパシタ51、オルタネータ50及び電気ヒータ24と、DC/DCコンバータ53及びバイパス回路53bとの間には、これらの電圧が相違する際に切断する切断リレー26が設けられている。
オルタネータ50は、エンジンから動力を得るために、クランクシャフト4(図1参照)とベルト等の巻掛伝動部材を介して連結されている。オルタネータ50は、クランクシャフト4と連動して回転するロータと、ロータの周囲に配置されたステータコイルとを有している(いずれも図示省略)。ロータには磁界を発生させるためのフィールドコイルが巻装されている。発電時には、前記フィールドコイルに電流が印加され、それによって生成された磁界の中をロータが回転することにより、ステータコイルに誘導電流が発生する。
オルタネータ50は、交流電流を直流電流に変換する整流器50aを有している。オルタネータ50で発電された交流電流は、この整流器50aで直流に変換された後、キャパシタ51側に供給される。
キャパシタ51は、電気二重層キャパシタ(EDLC)である。このようなキャパシタ51は、バッテリ54のような二次電池と異なり、電解質イオンの物理的な吸着によって電気を蓄えるものであるため、内部抵抗が少なく、比較的急速な充放電が可能という特性がある。
バッテリ54は、車載用バッテリとして一般的な鉛蓄電池等からなる二次電池である。このようなバッテリ54は、化学反応によって電気エネルギーを蓄えるものであるため、急速な充放電には不向きであるが、比較的大量の電力を蓄電可能という特性がある。
本実施形態では、オルタネータ50は、発電電圧が調節可能であり、最大25Vの電力を発電することができる。キャパシタ51は、最大25Vの電力を蓄電し、それを外部に供給することができる。バッテリ54は、最大14Vの電力を外部に供給することができる。車載電気デバイス52の定格電圧は14Vであり、電気ヒータ24の定格電圧は25Vである。
そのため、キャパシタ51に蓄電された25Vの電力は、車載電気デバイス52及びバッテリ54に対しては、DC/DCコンバータ53によって例えば12Vに降圧されて供給されるのに対し、電気ヒータ24に対しては、DC/DCコンバータ53を介さずに25Vのまま供給できる。一方、バッテリ54は最大14Vの電力しか電気ヒータ24に供給できない。したがって、電気ヒータ24の電源としてキャパシタ51を用いるほうが、バッテリ54を用いるよりも、電気ヒータ24が速やかに発熱し、DOC22が速やかに加熱され、活性化される。
スタータリレー56は、エンジン始動時にONとされ、それ以外のときはOFFとされる。スタータリレー56がONになると、バッテリ54の蓄電電力がスタータモータ55に供給され、スタータモータ55が駆動される。スタータモータ55は、クランクシャフト4に一体に取り付けられたリングギヤを回転させ、エンジンに回転力を付与する。
本実施形態に係る車両は、イグニッションがONであっても所定の条件下でエンジンが自動停止される、いわゆるアイドルストップ機能付きの車両である。そのため、スタータモータ55は、イグニッションがOFFからONにされたときだけでなく、自動停止されたエンジンを再始動させる際にも駆動される。したがって、バッテリ54はスタータモータ55の電源として頻繁に使用されるので、仮にバッテリ54を車載電気デバイス52の電源や電気ヒータ24の電源に兼用すると、バッテリ54の蓄電量が大幅に低下し、バッテリ54の劣化が進んでしまう。
以上を総合して、本実施形態では、キャパシタ51を主として電気ヒータ24及び車載電気デバイス52の電源として用い、バッテリ54を主としてスタータモータ55の電源として用いるようにしている。これにより、DOC22を速やかに活性化できる、バッテリ54の劣化を抑制できる、という利点が得られる。
次に、オルタネータ50が発電を行う時期について説明する。図3に示すように、エンジン本体1に変速機40が連結され、変速機40の出力側にドライブシャフト41及び車輪42が設けられている。車両の加速時は、エンジンの出力トルクが変速機40を経由してドライブシャフト41に伝達され、車輪42が回転駆動される。車両の減速時は、惰性で回転する車輪42及びドライブシャフト41によってエンジンが回転される。
オルタネータ50による発電は、車両の減速時に集中的に行われる。そして、そのときの発電電力(回生電力)は一旦キャパシタ51に蓄電される。キャパシタ51は、前述のように、比較的急速な充電が可能なので、限られた減速の時間内にオルタネータ50から供給される回生電力を捨てずに蓄電することができる(キャパシタ51は例えば10秒でほぼ満充電となる)。車両の減速頻度が高いときは、オルタネータ50が頻繁に発電を行い、多くの電力を発電する。そして、それをキャパシタ51が無駄にすることなく十分蓄電するので、車両の走行中に必要な電力はほぼ全て回生電力によって賄われる。例えば、車両が市街地走行をしているときは、頻繁に車両の加減速が繰り返されるため、多くの場合、キャパシタ51の蓄電量が大幅に低下する前に再び車両が減速して回生電力がキャパシタ51に供給される。
一方、車両の加速時は、オルタネータ50からエンジンに加わる抵抗トルクをできるだけ少なくするため、基本的にオルタネータ50による発電は行われない。このとき、車載電気デバイス52への電力供給は、キャパシタ51の蓄電電力と、必要に応じてバッテリ54の蓄電電力とによって賄われる。
このように、本実施形態の電気系統は、オルタネータ50による発電が車両の減速時に集中的に行われ、得られた回生電力をキャパシタ51が捨てずに急速充電するので、無駄がなく、燃費や環境によい電気系統である。
図4は、PCM(power−train control module)60を中心とした本実施形態に係るエンジンの制御システム図である。PCM60は、周知の通り、CPU、ROM、RAM等から構成されるマイクロプロセッサであり、本発明の制御手段及び活性化継続手段に相当する。
PCM60には、車両に設けられた複数のセンサから種々の情報が入力される。すなわち、車両には、車両の走行速度を検出するための車速センサSW1と、図外のブレーキペダルの操作力(踏力)を検出するためのブレーキセンサSW2と、図外のアクセルペダルの踏込量に応じたアクセル開度を検出するためのアクセル開度センサSW3と、クランクシャフト4の回転速度を検出するためのエンジン速度センサSW4(図1参照)と、DOC22の温度を検出するためのDOC温度センサSW5(図1参照:本発明の温度検出手段に相当)と、キャパシタ51の電圧(端子間電圧)を検出するためのキャパシタ電圧センサSW6とが設けられ、これらのセンサSW1〜SW6とPCM60とが電気的に接続されている。
また、PCM60は、燃料噴射弁6、ヒータリレー24a、切断リレー26、オルタネータ50のフィールドコイル、車載電機デバイス52、DC/DCコンバータ53、バイパスリレー53a、及びスタータリレー56と電気的に接続され、これらの機器に種々の制御信号を出力する。
例えば、PCM60は、前記センサSW1〜SW6から入力される種々の情報に基いて、車両の走行状態に応じた適切なトルクが得られるようにエンジンの燃焼を制御したり、車両の走行状態に応じてオルタネータ50の発電量を制御したり、オルタネータ50で発電された回生電力のキャパシタ51や車載電気デバイス52やバッテリ54への供給を制御する。
また、本実施形態に係る車両は、前述のように、アイドルストップ機能付きの車両であるから、PCM60は、所定の条件下でエンジンを自動停止させ、自動停止させたエンジンを再始動させる。
また、本実施形態に係るエンジンは、前述のように、燃費性能に優れ、排ガス温度が低く、排気通路20上のDOC22及びDPF23が活性化し難いエンジンであるから、PCM60は、DOC22及びDPF23を積極的に活性化させるために、主として電気ヒータ24でDOC22を強制的に加熱し、補助的にポスト噴射で排ガス温度を上昇させる。次に、PCM60が行うこの排気浄化制御動作について詳しく説明する。
(2)具体的制御
<第1の制御例>
図5は、前記PCM60が行う排気浄化制御動作のフローチャート、図6は、そのタイムチャートである。このタイムチャートは、車両の走行中に例えば燃料カットが行われる等して排気通路20上のDOC22の温度が低下した場合を示している。この場合、本実施形態では、燃焼が再開しても、排ガス温度が相対的に低いため、DOC22の活性化が遅れる。そこで、本実施形態では、DOC22を積極的に活性化させるために、PCM60は、まず電気ヒータ24でDOC22を強制的に加熱し、それでも足りないときに限り、ポスト噴射で排ガス温度を上昇させる(DOC22の活性化を継続する)。しかも、その場合、DOC22を速やかに活性化させ、かつバッテリ54の劣化を抑制し、またさらなる燃費性能の向上のために、PCM60は、回生電力を蓄電するキャパシタ51を電気ヒータ24の電源として用いる。
すなわち、排気浄化制御がスタートすると、PCM60は、ステップS1で、バイパスリレー53aをOFFとし、切断リレー26をONとした上で、DOC22の温度を計測する。DOC22の温度は、DOC温度センサSW5からの情報で特定される。
次いで、PCM60は、ステップS2で、DOC22の温度が所定の閾値温度未満か否かを判定する。PCM60は、判定がNOのときはステップS9に進み、判定がYESのときはステップS3に進む。
PCM60は、ステップS3で、車載電気デバイス52の消費電流及びキャパシタ51の蓄電量SOC(state of charge)を計測(あるいは算出)する。車載電気デバイス52の消費電流及びキャパシタ51の蓄電量SOCは、キャパシタ電圧センサSW6からの情報で特定される。
次いで、PCM60は、ステップS4で、車載電気デバイス52の消費電流及びキャパシタ51の蓄電量SOCに基き、キャパシタ51の蓄電量SOCが所定の注意蓄電量SOC1(本発明の閾値蓄電量に相当)に低下するまでの電気ヒータ24への通電可能時間Th0を算出する。すなわち、この通電可能時間Th0は、現在キャパシタ51から電力を供給している車載電気デバイス52に今後もキャパシタ51から電力を供給し続けた上に、新たに電気ヒータ24にもキャパシタ51から電力を供給し始めた場合に、キャパシタ51の蓄電量SOCが前記注意蓄電量SOC1まで低下するのに要する時間である。この通電可能時間Th0は、現在のキャパシタ51の蓄電量SOCと、前記注意蓄電量SOC1と、車載電気デバイス52の消費電流と、電気ヒータ24の消費電力とから定まる。
次いで、PCM60は、ステップS5で、前記通電可能時間Th0だけキャパシタ51から電気ヒータ24に通電する。すなわち、ヒータリレー24aをオンにして、キャパシタ51の蓄電電力を電気ヒータ24に供給する。
これにより、DOC22の温度が閾値温度未満のときは、DOC22が電気ヒータ24で強制的に加熱されるので、たとえDOC22の活性化が遅れるような状況であっても、DOC22を積極的に活性化させることができる。
しかも、その際、現在の車載電気デバイス52の消費電流とキャパシタ51の蓄電量SOCとから、電気ヒータ24にもキャパシタ51から通電した場合にキャパシタ51の蓄電量SOCが注意蓄電量SOC1に低下するまでの電気ヒータ24への通電可能時間Th0が算出され、算出された通電可能時間Th0だけキャパシタ51から電気ヒータ24に通電されるので、たとえ電気ヒータ24の使用によりキャパシタ51の蓄電量SOCが大幅に低下しても、キャパシタ51の蓄電量SOCは注意蓄電量SOC1を超えて低下することがなく、車載電気デバイス52への電力不足が回避される。そのため、電気ヒータ24への電力供給と、他の車載電気デバイス52への電力供給とが単一のキャパシタ51で安定して賄われる。
次いで、PCM60は、ステップS6で、DOC22の温度を計測し、ステップS7で、DOC22の温度が前記閾値温度未満か否かを判定する。PCM60は、判定がNOのときはステップS9に進み、判定がYESのときはステップS8に進む。
PCM60は、ステップS8で、圧縮行程の上死点付近で燃料を噴射するメイン噴射の後に燃料を膨張行程で噴射するポスト噴射を実行し、ステップS6に戻る(DOC22の活性化を継続する動作)。
これにより、ポスト噴射によってDOC22に流入する排ガス温度が高くなるので、電気ヒータ24への通電を停止してキャパシタ51の過放電を回避しつつ、電気ヒータ24への通電停止後も、ポスト噴射によってDOC22の活性化を継続することができる。そのため、DOC22の機能(酸化反応を促進する機能)が確実に回復する。
なお、PCM60は、ステップS2又はS7でDOC22の温度が前記閾値温度以上である場合はステップS9に進むが、このステップS9では、DOC22の温度が閾値温度以上、つまり活性化温度以上であるため、電気ヒータ24の通電状態を確認し、ON状態であればステップS10で電気ヒータ24への通電をOFFとした後、ステップS1へリターンし、OFF状態であればそのまま、ステップS1へリターンする。
図6において、時刻t1までは、キャパシタ51から車載電気デバイス52にのみ電力が供給されている状態である。そのため、キャパシタ51の蓄電量SOCは、車載電気デバイス52のみへの電力供給によりゆっくりと低下している。時刻t1で、DOC22の温度が閾値温度よりも低下すると、通電可能時間Th0だけ電気ヒータ24がONとされる。電気ヒータ24の消費電力が大きいため、時刻t1以後は、キャパシタ51の蓄電量SOCは速やかに低下している。また、時刻t1以後の所定時点において、DOC22の温度が電気ヒータ24によるDOC22の加熱により上昇に転じている。
通電可能時間Th0が経過した時刻t2で、電気ヒータ24がOFFとされる。また、この時刻t2では、キャパシタ51の蓄電量SOCが注意蓄電量SOC1まで低下している。図例では、この時刻t2でまだDOC22の温度が閾値温度まで上昇していないから、時刻t2以後は、電気ヒータ24によるDOC22の加熱に代わり、ポスト噴射が実行される(DOC22の活性化の継続)。その結果、DOC22の温度が時刻t3で閾値温度まで上昇し、時刻t3でポスト噴射が停止する。キャパシタ51の蓄電量SOCは、時刻t2以後は、再び車載電気デバイス52のみへの電力供給に切り換わってゆっくりと低下している。
<第2の制御例>
第2の制御例は、第1の制御例と比べて、PCM60が行う排気浄化制御動作の一部(より詳しくはDOC22の活性化を継続する動作)が異なり、その他は同じであるので、異なる部分のみ説明し、同じ部分は説明を省略する。
すなわち、図7に示すように、この第2の制御例におけるステップS11〜S17、S21、S22は、第1の制御例におけるステップS1〜S7、S9、S10と同じである。
PCM60は、ステップS17の判定がYESのときは、ステップS18で、キャパシタ51の蓄電量SOCが所定の下限蓄電量SOCX以上か否かを判定する。この下限蓄電量SOCXは前記注意蓄電量SOC1よりも小さい値の量、つまり低い量である。キャパシタ51の蓄電量SOCがこの下限蓄電量SOCXを超えて低下したときは、オルタネータ50による発電が行われ、キャパシタ51が充電される。
PCM60は、ステップS18の判定がYESのときはステップS19に進み、NOのときはステップS20に進む。
PCM60は、ステップS19で、車載電気デバイス52のうち予め決められた車載電気デバイス52への通電を停止して電気ヒータ24への通電を継続し、ステップS16に戻る。
これにより、所定の車載電気デバイス52への通電停止によってキャパシタ51の蓄電量SOCの低下速度が遅くなるので、キャパシタ51の過放電を回避しつつ、電気ヒータ24への通電を継続することにより、電気ヒータ24によってDOC22の活性化を継続することができる。そのため、DOC22の機能(酸化反応を促進する機能)が確実に回復する。
なお、通電停止が予め決められた車載電気デバイス52としては、車両の走行への影響が少ないものや、変化がすぐに乗員に感知できない温度制御に関するもの等が挙げられ、例えば、エアコンや、各種ヒータ類等が挙げられる。
一方、PCM60は、ステップS20で、圧縮行程の上死点付近で燃料を噴射するメイン噴射の後に燃料を膨張行程で噴射するポスト噴射を実行すると共に、切断リレー26をOFFとし、オルタネータ50の発電を実施する。そして、PCM60は、ステップS23で、キャパシタ51が満充電状態に回復したか否かを判定し、NOであれば、ステップS20を繰り返し実行し、YESであれば、ステップS11に戻る。
これにより、ポスト噴射によってDOC22に流入する排ガス温度が高くなるので、電気ヒータ24への通電を停止し、オルタネータ50の発電によりキャパシタ51へ充電することでキャパシタ51の過放電を回避しつつ、電気ヒータ24への通電停止後も、ポスト噴射によってDOC22の活性化を継続することができる。そのため、DOC22の機能(酸化反応を促進する機能)が確実に回復する。
図8において、時刻t11は、図6の時刻t1に相当する。通電可能時間Th0が経過した時刻t12でまだDOC22の温度が閾値温度まで上昇していないから、時刻t12以後は、キャパシタ51の電力を使用する車載電気デバイス52の数が減らされた状態で電気ヒータ24による加熱が継続される(DOC22の活性化の継続)。そのため、時刻t12以後は、キャパシタ51の蓄電量SOCの低下速度は、それまでに比べて幾分遅くなっている。
また、図8において、キャパシタ51の蓄電量SOCが下限蓄電量SOCX未満まで低下した時刻t13でまだDOC22の温度が閾値温度まで上昇していないから、時刻t13以後は、電気ヒータ24による加熱に代わり、ポスト噴射が実行される(DOC22の活性化の継続)。その結果、DOC22の温度が時刻t14で閾値温度まで上昇し、時刻t14でポスト噴射が終了する。
また、時刻t13以後は、切断リレー26をOFFしてオルタネータ50による発電が行われ、キャパシタ51が充電される。この間、車載電気デバイス52にはバッテリ54から電力が供給される。その際、バッテリ54の蓄電量が少ないときは、電力を使用する車載電気デバイス52の数を減らした状態でバッテリ54から車載電気デバイス52に電力が供給され、バッテリ54の蓄電量が多いときは、電力を使用する車載電気デバイス52の数を減らさずにバッテリ54から車載電気デバイス52に電力が供給される。そして、キャパシタ51が満充電となった後は、車載電気デバイス52にはキャパシタ51から電力が供給される。その際、電力を供給する車載電気デバイス52の数を減らさずにキャパシタ51から車載電気デバイス52に電力が供給される。そのため、キャパシタ51の蓄電量SOCは、満充電となった後、ゆっくりと低下している。
<第3の制御例>
第3の制御例は、第1の制御例と比べて、PCM60が行う排気浄化制御動作の一部(より詳しくはDOC22の活性化を継続する動作)が異なり、その他は同じであるので、異なる部分のみ説明し、同じ部分は説明を省略する。
すなわち、図9に示すように、この第3の制御例におけるステップS31〜S37、S39、S40は、第1の制御例におけるステップS1〜S7、S9、S10と同じである。
PCM60は、ステップS37の判定がYESのときは、ステップS38で、圧縮行程の上死点付近で燃料を噴射するメイン噴射の後に燃料を膨張行程で噴射するポスト噴射を実行しつつ、キャパシタ51の蓄電量SOCが所定の回復蓄電量SOC2(この回復蓄電量SOC2は注意蓄電量SOC1よりも大きい値の量である)に上昇するまでオルタネータ50による発電を行い、キャパシタ51を充電し、ステップS33に戻る。つまり、再び、車載電気デバイス52の消費電流及びキャパシタ51の蓄電量SOCに基き、電気ヒータ24への通電可能時間Th0を算出し、算出した時間だけキャパシタ51から電気ヒータ24に通電するのである。
これにより、キャパシタ51を充電することによりキャパシタ51の過放電を回避しつつ、電気ヒータ24への通電を繰り返すことにより、電気ヒータ24によってDOC22の活性化を継続することができる。そのため、DOC22の機能(酸化反応を促進する機能)が確実に回復する。
また、キャパシタ51の充電中も、ポスト噴射によってDOC22の活性化を継続することができる。そのため、DOC22の機能(酸化反応を促進する機能)が確実に回復する。
図10において、時刻t21は、図6の時刻t1に相当する。通電可能時間Th0が経過した時刻t22でまだDOC22の温度が閾値温度まで上昇していないから、時刻t22以後は、電気ヒータ24による加熱に代わり、ポスト噴射が実行される(DOC22の活性化の継続)。また、時刻t22以後は、オルタネータ50による発電が行われ、キャパシタ51が充電される。この間、車載電気デバイス52には、バッテリ54の蓄電量が多いときは、バッテリ54から電力が供給され、バッテリ54の蓄電量が少ないときは、オルタネータ50からDC/DCコンバータ53を介し降圧して(すなわちバイパスリレー53aがOFFの状態を維持して)電力が供給される。
キャパシタ51の蓄電量SOCが回復蓄電量SOC2に上昇した時刻t23で、ポスト噴射が停止し、電気ヒータ24による加熱が再開する(DOC22の活性化の継続)。すなわち、通電可能時間Th0だけ電気ヒータ24がONとされる。その後、通電可能時間Th0が経過する時刻t24、及びキャパシタ51の蓄電量SOCが回復蓄電量SOC2に上昇する時刻t25を経て、電気ヒータ24による加熱の繰り返し及びポスト噴射の繰り返しにより(DOC22の活性化の継続)、通電可能時間Th0が経過する時刻t26以前の所定時点において、DOC22の温度が閾値温度以上となり、前記時刻t26でこの制御が終了する。
<第4の制御例>
第4の制御例は、第1の制御例と比べて、PCM60が行う排気浄化制御動作の一部(より詳しくはDOC22の活性化を継続する動作)が異なり、その他は同じであるので、異なる部分のみ説明し、同じ部分は説明を省略する。
すなわち、図11に示すように、この第4の制御例におけるステップS41〜S47、S51、S52は、第1の制御例におけるステップS1〜S7、S9、S10と同じである。
PCM60は、ステップS47の判定がYESのときは、ステップS48で、キャパシタ51の蓄電量SOCが所定の下限蓄電量SOCX以上か否かを判定する。この下限蓄電量SOCXは前記注意蓄電量SOC1よりも小さい値の量、つまり低い量である。キャパシタ51の蓄電量SOCがこの下限蓄電量SOCXを超えて低下したときは、オルタネータ50による発電が行われ、キャパシタ51が充電される。
PCM60は、ステップS48の判定がYESのときはステップS49に進み、NOのときはステップS50に進む。
PCM60は、ステップS49で、バイパスリレー53aをONにして、オルタネータ50による発電を行い、電気ヒータ24に通電し、ステップS46に戻る。
つまり、前述のように、オルタネータ50は、最大25Vまで発電電圧が調節可能であるから、この第4の制御例においては、オルタネータ50に例えば車載電気デバイス52の定格電圧である14Vの電力を発電させ、これを電気ヒータ24にそのまま供給させると共に、車載電気デバイス52に対しては、バイパス回路53bを経由して(すなわちDC/DCコンバータ53を介さずに)、同じく14Vの電力をそのまま供給させるのである。換言すれば、PCM60は、車載電気デバイス52への通電は、オルタネータ50の発電電圧を降圧すると共に、DC/DCコンバータ53をバイパスさせて通電するものである。
これにより、オルタネータ50で発電された回生電力で電気ヒータ24に通電することにより、キャパシタ51の過放電を回避しつつ、電気ヒータ24によってDOC22の活性化を継続することができる。そのため、DOC22の機能(酸化反応を促進する機能)が確実に回復する。
一方、PCM60は、ステップS50で、圧縮行程の上死点付近で燃料を噴射するメイン噴射の後に燃料を膨張行程で噴射するポスト噴射を実行し、ステップS46に戻る。
これにより、ポスト噴射によってDOC22に流入する排ガス温度が高くなるので、電気ヒータ24への通電を停止してキャパシタ51の過放電を回避しつつ、電気ヒータ24への通電停止後も、ポスト噴射によってDOC22の活性化を継続することができる。そのため、DOC22の機能(酸化反応を促進する機能)が確実に回復する。
図12において、時刻t31は、図6の時刻t1に相当する。通電可能時間Th0が経過した時刻t32でまだDOC22の温度が閾値温度まで上昇していないから、時刻t32以後は、オルタネータ50の発電電力(14V)が電気ヒータ24に供給されることにより、電気ヒータ24による加熱が継続される(DOC22の活性化の継続)。また、時刻t32以後は、バイパスリレー53aがONとされて、車載電気デバイス52にも、オルタネータ50の発電電力(14V)がバイパス回路53bを経由して供給される。そのため、時刻t32以後は、キャパシタからの電力の持ち出しがないため、キャパシタ51の蓄電量SOCは下限蓄電量SOCX以上に保たれている。
そして、電気ヒータ24によるDOC22の加熱の継続により、DOC22の温度が時刻t33で閾値温度まで上昇すると、オルタネータ50が発電を停止して電気ヒータ24による加熱が停止する。この時刻t33以後は、バッテリ54を介して車載電気デバイス52へ電力が供給されるため、キャパシタ51の蓄電量SOCは、下限蓄電量SOCX以上に保たれる。
次に、第5〜第8の制御例を説明する。第5〜第8の制御例は、前記第1〜第4の制御例がキャパシタ51の蓄電量SOCから電気ヒータ24への通電可能時間Th0を予め算出するものであったのに対し、常にキャパシタ51の蓄電量SOCを算出(あるいは計測)し、その結果に基いて電気ヒータ24への通電可否を判断するものである。
<第5の制御例>
第5の制御例は、第1の制御例に対応するものであり、第1の制御例が電気ヒータ24への通電可能時間Th0を算出し、通電可能時間Th0が経過するまで、キャパシタ51から電気ヒータ24に通電するものであったのに対し、常にキャパシタ51の蓄電量SOCを算出する点が異なり、その他は同じであるので、異なる部分のみ説明し、同じ部分は説明を省略する。
すなわち、図13に示すように、この第5の制御例におけるステップS61、S62、S66、S67は、第1の制御例におけるステップS1、S2、S9、S10と同じである。
PCM60は、ステップ62の判定がYESのときは、ステップS63で、車載電気デバイス52の消費電流及びキャパシタ51の蓄電量SOCを算出する。
次いで、PCM60は、ステップS64で、電気ヒータ24に通電した後も、キャパシタ51の蓄電量SOCが前記注意蓄電量SOC1以上であるか否かを判定する。
その結果、ステップS64でキャパシタ51の蓄電量SOCが前記注意蓄電量SOC1以上であるYESと判定された場合は、PCM60は、ステップS65で、ヒータリレー24aをONにして、キャパシタ51から車載電気デバイス52への通電を維持しながら電気ヒータ24への通電を行う。そして、ステップS61へリターンする。
一方、ステップS64でキャパシタ51の蓄電量SOCが前記注意蓄電量SOC1未満であるNOと判定された場合は、PCM60は、ステップS68で、電気ヒータ24の通電状態がOFF状態であるか否かを判定し、判定がYESのときは、そのまま、ステップS70に進んでポスト噴射を実行し、判定がNOのときは、ステップS69でヒータリレー24aをOFFにして電気ヒータ24への通電をOFFとした後、ステップS70に進んでポスト噴射を実行する。そして、ステップS61へリターンする。
<第6の制御例>
第6の制御例は、第2の制御例に対応するものであり、第5の制御例と比べて、PCM60が行う排気浄化制御動作の一部(より詳しくはDOC22の活性化を継続する動作)が異なり、その他は同じであるので、異なる部分のみ説明し、同じ部分は説明を省略する。
すなわち、図14に示すように、この第6の制御例におけるステップS71〜S77は、第5の制御例におけるステップS61〜S67と同じである。
PCM60は、ステップS74の判定がNOのときは、ステップS78で、キャパシタ51の蓄電量SOCが前記下限蓄電量SOCX以上か否かを判定する。
PCM60は、ステップS78の判定がYESのときは、ステップS79で、車載電気デバイス52のうち予め決められた車載電気デバイス52への通電を停止して電気ヒータ24への通電を継続し、ステップS71に戻る。
PCM60は、ステップS78の判定がNOのときは、ステップS80で、電気ヒータ24の通電状態を確認し、ON状態であればステップS81で電気ヒータ24への通電をOFFとした後、ステップS82に進み、OFF状態であればそのまま、ステップS82に進む。
PCM60は、ステップS82で、ポスト噴射を実行すると共に、切断リレー26をOFFとし、オルタネータ50の発電を実施し、キャパシタ51が満充電状態に回復するまでポスト噴射を実行し、ステップS71に戻る。
<第7の制御例>
第7の制御例は、第3の制御例に対応するものであり、第5の制御例と比べて、PCM60が行う排気浄化制御動作の一部(より詳しくはDOC22の活性化を継続する動作)が異なり、その他は同じであるので、異なる部分のみ説明し、同じ部分は説明を省略する。
すなわち、図15に示すように、この第7の制御例におけるステップS91〜S97は、第5の制御例におけるステップS61〜S67と同じである。
PCM60は、ステップS94の判定がNOのときは、ステップS98で、電気ヒータ24の通電状態を確認し、ON状態であればステップS99で電気ヒータ24への通電をOFFとした後、ステップS100に進み、OFF状態であればそのまま、ステップS100に進む。
PCM60は、ステップS100で、ポスト噴射を実行しつつ、キャパシタ51の蓄電量SOCが前記回復蓄電量SOC2に上昇するまでオルタネータ50による発電を行い、キャパシタ51を充電し、ステップS91に戻る。
<第8の制御例>
第8の制御例は、第4の制御例に対応するものであり、第5の制御例と比べて、PCM60が行う排気浄化制御動作の一部(より詳しくはDOC22の活性化を継続する動作)が異なり、その他は同じであるので、異なる部分のみ説明し、同じ部分は説明を省略する。
すなわち、図16に示すように、この第8の制御例におけるステップS101〜S107は、第5の制御例におけるステップS61〜S67と同じである。
PCM60は、ステップS104の判定がNOのときは、ステップS108で、キャパシタ51の蓄電量SOCが前記下限蓄電量SOCX以上か否かを判定する。
PCM60は、ステップS108の判定がYESのときは、ステップS109で、バイパスリレー53aをONにして、オルタネータ50による発電を行い、電気ヒータ24に通電し、ステップS101に戻る。
PCM60は、ステップS108の判定がNOのときは、ステップS110で、電気ヒータ24の通電状態を確認し、ON状態であればステップS111で電気ヒータ24への通電をOFFとした後、ステップS112に進み、OFF状態であればそのまま、ステップS112に進む。
PCM60は、ステップS112で、ポスト噴射を実行し、ステップS101に戻る。
<第9の制御例>
次に、第9の制御例を説明する。第9の制御例は、第1の制御例に対応するものであり、第1の制御例が通電可能時間Th0が経過するまでキャパシタ51から電気ヒータ24に通電するものであったのに対し、通電可能時間Th0が経過していなくてもDOC22の温度が前記閾値温度まで上昇したときは電気ヒータ24への通電を停止する点が異なり、その他は同じであるので、異なる部分のみ説明し、同じ部分は説明を省略する。
すなわち、図17に示すように、この第9の制御例におけるステップS121〜S124、S130、S131は、第1の制御例におけるステップS1〜S4、S9、S10と同じである。
PCM60は、ステップS124の後、ステップS125で、キャパシタ51から電気ヒータ24への通電を開始する。
次いで、PCM60は、ステップS126で、DOC22の温度を計測し、ステップS127で、DOC22の温度が前記閾値温度未満か否かを判定する。
ステップS127の判定がNOのとき、すなわち、DOC22の温度が閾値温度以上のとき(DOC22の温度が閾値温度まで上昇したとき)は、PCM60は、電気ヒータ24への通電時間が通電可能時間Th0に至っていない場合でも、ステップS130〜S131で、電気ヒータ24への通電を停止する。
ステップS127の判定がYESのとき、すなわち、DOC22の温度が閾値温度未満のとき(DOC22の温度が閾値温度まで上昇していないとき)は、PCM60は、ステップS128で、通電可能時間Th0が経過したか否かを判定する。
ステップS128の判定がNOのとき、すなわち、電気ヒータ24への通電時間が通電可能時間Th0に至っていないときは、PCM60は、電気ヒータ24への通電をONとしたまま、ステップS126に戻る。
ステップS128の判定がYESのとき、すなわち、電気ヒータ24への通電時間が通電可能時間Th0に至っているときは、PCM60は、ステップS129で、電気ヒータ24への通電をOFFとした上で、ポスト噴射を実行し、ステップS126に戻る。
(3)作用
以上のように、本実施形態に係るエンジンの排気浄化制御装置は、エンジンの排気通路20に備えられた排気浄化装置を制御するものであって、次のような特徴的構成を備えている。
すなわち、排気通路20上のDOC22を加熱するための電気ヒータ24と、電気ヒータ24以外の車載電気デバイス52と、電気ヒータ24及び車載電気デバイス52に電力を供給するためのキャパシタ51と、DOC22の温度を検出するDOC温度センサSW5と、マイクロプロセッサであるPCM60とが備えられている。
PCM60は、キャパシタ51から車載電気デバイス52にのみ電力が供給されている状態で、DOC温度センサSW5で検出された温度が所定の閾値温度未満のとき、キャパシタ51の蓄電量SOCが所定の注意蓄電量SOC1に低下するまで、キャパシタ51から車載電気デバイス52と電気ヒータ24とに通電する。さらに、PCM60は、前記電気ヒータ24への通電の後、DOC温度センサSW5で検出された温度が前記閾値温度未満のとき、DOC22の活性化を継続する。
本実施形態によれば、排気通路20に備えられたDOC22の温度が所定の閾値温度未満のときは、DOC22を加熱するための電気ヒータ24に通電されるので、DOC22が電気ヒータ24で強制的に加熱され、たとえDOC22が活性化し難い状況でも、DOC22を積極的に活性化させることができる。
そして、その際、キャパシタ51の蓄電量SOCが所定の注意蓄電量SOC1に低下するまで、キャパシタ51から電気ヒータ24に通電されるので、たとえ電気ヒータ24の使用によりキャパシタ51の蓄電量SOCが大幅に低下しても、注意蓄電量SOC1を下回って低下することがなく、車載電気デバイス52への電力不足が回避される。そのため、電気ヒータ24への電力供給と、他の車載電気デバイス52への電力供給とが単一のキャパシタ51で安定して賄われる。
さらに、前記電気ヒータ24への通電の後、DOC22の温度がまだ閾値温度まで上昇していないときは、DOC22の活性化が継続されるので、DOC22の機能が確実に回復する。
特に、第1〜第4、第9の制御例では、仮にキャパシタ51から電気ヒータ24にも電力が供給されるとした場合にキャパシタ51の蓄電量SOCが前記注意蓄電量SOC1に低下するまでの電気ヒータ24への通電可能時間Th0が現在のキャパシタ51の蓄電量SOCと車載電気デバイス52の消費電流とから算出され、算出された通電可能時間Th0が経過するまで、キャパシタ51から車載電気デバイス52と電気ヒータ24とに通電されるので、たとえ電気ヒータ24の使用によりキャパシタ51の蓄電量SOCが大幅に低下しても、注意蓄電量SOC1を下回って低下することがなく、車載電気デバイス52への電力不足が回避される。そのため、電気ヒータ24への電力供給と、他の車載電気デバイス52への電力供給とが単一のキャパシタ51で安定して賄われる。
また、第1〜第4、第9の制御例では、電気ヒータ24への通電中に、キャパシタ51の蓄電量SOCが注意蓄電量SOC1に低下したか否かの判定(SOC>SOC1)を行う必要がない。
第5〜第9の制御例では、電気ヒータ24への通電中にDOC22の温度が閾値温度まで上昇したときは電気ヒータ24への通電が停止されるので、電気ヒータ24への通電中にDOC22の温度が閾値温度に達した場合のキャパシタ51の蓄電量SOCの無駄な浪費が回避される。
第1、第5、第9の制御例では、電気ヒータ24への通電の後、DOC温度センサSW5で検出された温度が前記閾値温度未満のときは、燃料を膨張行程で噴射するポスト噴射が実行されるので、ポスト噴射によってDOC22に流入する排ガス温度が高くなる。そのため、電気ヒータ24への通電を停止してキャパシタ51の過放電を回避しつつ、電気ヒータ24への通電停止後も、ポスト噴射によってDOC22の活性化を継続することができる。
第2、第6の制御例では、電気ヒータ24への通電の後、DOC温度センサSW5で検出された温度が前記閾値温度未満のときは、車載電気デバイス52のうち所定の車載電気デバイス52への通電が停止される一方、電気ヒータ24への通電が継続されるので、所定の車載電気デバイス52への通電が停止されることによりキャパシタ51の蓄電量SOCの低下速度が遅くなる。そのため、キャパシタ51の過放電を回避しつつ、電気ヒータ24への通電を継続することにより、電気ヒータ24によってDOC22の活性化を継続することができる。
第3、第7の制御例では、電気ヒータ24への通電の後、DOC温度センサSW5で検出された温度が前記閾値温度未満のときは、キャパシタ51が充電され、再び、電気ヒータ24に通電されるので、キャパシタ51を充電することによりキャパシタ51の過放電を回避しつつ、電気ヒータ24への通電を繰り返すことにより、電気ヒータ24によってDOC22の活性化を継続することができる。
また、第3、第7の制御例では、キャパシタ51の充電中、燃料を膨張行程で噴射するポスト噴射が実行されるので、キャパシタ51の充電中も、ポスト噴射によってDOC22の活性化を継続することができる。
第4、第8の制御例では、電気ヒータ24への通電の後、DOC温度センサSW5で検出された温度が前記閾値温度未満のときは、オルタネータ50が発電を行い、発電された電力で電気ヒータ24に通電されるので、オルタネータ50で発電された電力で電気ヒータ24に通電されることにより、キャパシタ51の過放電を回避しつつ、電気ヒータ24によってDOC22の活性化を継続することができる。
また、第4、第8の制御例では、車載電気デバイス52への通電は、オルタネータ50の発電電圧が降圧されると共に、DC/DCコンバータ53をバイパスして通電されるので、車載電気デバイス52への通電がDC/DCコンバータ53を経由することなく供給される。そのため、DC/DCコンバータ53による電力消費を抑制することができる。
(4)他の実施形態
前記実施形態では、電気ヒータ24で加熱する対象の排気浄化装置がDOC22であった。つまり、DOC22を活性化させることで、排ガスの酸化反応を促進し、排ガス中のCOやHCを浄化すると共に、その酸化反応の熱で排ガス温度を上昇させ、下流のDPF23の自己再生機能(捕集した微粒子を燃焼し除去する機能)を援助することができる。
ただし、これに限らず、電気ヒータ24で加熱する対象の排気浄化装置を触媒付きDPF23としてもよい。つまり、DPF23が担持する白金等の触媒を活性化させることで、排ガスの酸化反応を促進し、その酸化反応の熱で排ガス温度を上昇させ、DPF23の自己再生機能を援助することができる。
そして、いずれの場合も、ポスト噴射は、DOC22又は触媒付きDPF23を活性化させるため、燃料を膨張行程で噴射し、DOC22又は触媒付きDPF23に流入する排ガス温度を高めるものであった。
ただし、DOC22の活性化後におけるDPF23の活性化に関しては、ポスト噴射は、燃料を排気行程で噴射してもよい。排気工程で噴射された燃料は未燃のままDOC22に流入し、DOC22で燃焼するので、極めて高温の排ガスがDPF23に流入することになる。したがって、触媒付きDPF23の活性化及びDPF23の自己再生機能を援助することができる。
前記実施形態では、エンジンは、燃料が自己着火するディーゼルエンジンであった。ただし、これに限らず、火花点火式のガソリンエンジン等であってもよい。この場合、排気浄化装置として排気通路に三元触媒を配設し、三元触媒を電気ヒータで加熱する。ポスト噴射は、点火時期をリタードし、燃焼のタイミングを遅らせて、通常よりも高温の排ガスを三元触媒に流入させる。
各制御例において、排気浄化装置の温度を計測する代わりに、排気浄化装置に流入する排ガスの温度を計測してもよい。
第2の制御例のステップS19及び第6の制御例のステップS79で、予め決められた車載電気デバイス52への通電を停止する代わりに、通電を抑制してもよい。
各制御例のタイムチャート(図6、8、10、12)は一例であり、これらに限定されない。
各制御例のタイムチャートは、車両の走行中に排気浄化装置が冷えた場合のものであったが、各制御例のフローチャート(図5、7、9、11、13〜17)は、エンジンの始動時にも適用することができる。エンジン始動時は、車両の走行中とは異なり、それまで排気浄化装置が活性化していないため、排気浄化装置の活性化が継続(ステップS8、S19、S20、S38、S49、S50、S70、S79、S82、S100、S109、S112、S129)されることにより、排気浄化装置の機能が確実に実現することになる。