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JP5962995B2 - タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムおよびタッチパネル用透明導電性フィルム - Google Patents
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JP5962995B2 - タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムおよびタッチパネル用透明導電性フィルム - Google Patents

タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムおよびタッチパネル用透明導電性フィルム Download PDF

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Description

本発明は、タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムおよびこのベースフィルムを用いたタッチパネル用透明導電性フィルムに関する。詳しくは、視認性が良好でかつ表面抵抗値が小さいタッチパネル用透明導電性フィルムを得るためのベースフィルムに関する。
以下の説明において、「タッチパネル用透明導電性フィルム」を単に「透明導電性フィルム」と言うことがあり、また「透明導電性フィルム」なる表現は断りのない限り「タッチパネル用透明導電性フィルム」を意味する。
透明導電性フィルムのベースフィルムとして、基材フィルム上にハードコート層が設けられたハードコートフィルムが一般に知られている。透明導電性フィルムは、このようなベースフィルムの片面もしくは両面に透明導電膜を設けることにより得られる。
また、透明導電性フィルムの透明導電膜の視認性を向上させるために、基材フィルム上に各種機能層を設けたベースフィルムが提案されている。
例えば、透明導電膜の色調(色味)を調整するために、基材フィルム上に光学機能層を積層したベースフィルムが提案されており(特許文献1〜3)、またパターン化された透明導電膜のパターンが視認される現象(いわゆる「骨見え」)を抑制するために、基材フィルム上に屈折率調整層を積層したベースフィルムとして知られている(特許文献4〜8)。
特開2000−301648号公報 特開2003−251751号公報 特開2004−47456号公報 特開2009−76432号公報 特開2010−208169号公報 特開2011−37258号公報 特開2011−134464号公報 特開2011−248612号公報
上述した特許文献に記載されているように、光学機能層や屈折率調整層の形成方法としては、高屈折率材料や低屈折率材料をスパッタリング法により積層する方法、あるいは高屈折率の金属酸化物微粒子や低屈折率のシリカ粒子と樹脂を含む塗布液をウェットコーティング法により積層することが一般的に知られている。
ウェットコーティング法はスパッタリング法に比べて生産性に優れている。しかしながら、金属酸化物微粒子やシリカ粒子のような粒子と樹脂を含む塗布液をウェットコーティング法により積層して形成された光学機能層や屈折率調整層の上に透明導電膜を積層して得られた透明導電性フィルムは、透明導電膜本来の表面抵抗値が得られないという問題がある。これは、透明導電膜が積層される表面(光学機能層表面あるいは屈折率調整層表面)の平滑性が起因していると推測される。
一方、透明導電膜の色調をニュートラルな無色に近づけることや、パターン化された透明導電膜のパターンが視認される「骨見え」を抑制することは、透明導電性フィルムの視認性向上にとって重要な課題である。上記した透明導電膜の視認性の問題(色調、骨見え、透過率)は、透明導電膜の厚みが小さいほど良化傾向にある。
つまり、透明導電性フィルムの透明導電膜は、設定された表面抵抗値が得られる範囲で薄膜とすることが、上記した透明導電膜の視認性の観点から好ましい。
従って、本発明の目的は、上記の従来技術の課題に鑑み、透明導電膜の視認性が良好でかつ低抵抗の透明導電膜が得られるベースフィルムを提供することにある。本発明の他の目的は本発明のベースフィルムを用いたタッチパネル用透明導電性フィルムを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明により基本的に達成された。
1)基材フィルムの少なくとも一方の面に、屈折率が1.60〜1.80である高屈折率層および屈折率が1.52以下である低屈折率層をこの順に有するタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムであって、前記高屈折率層および前記低屈折率層はそれぞれ樹脂を主成分として含有し、かつ前記低屈折率層表面の平均粗さ(Ra)が1nm未満であることを特徴とする、タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
2)前記1)に記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムの低屈折率層上に透明導電膜を有する、タッチパネル用透明導電性フィルム。
本発明によれば、透明導電膜の厚みが比較的薄膜であっても低抵抗を実現することが可能であり、かつ透明導電膜の視認性を向上させることができる、タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムを提供することができる。また、本発明のベースフィルムを用いることにより、低抵抗で視認性の良好なタッチパネル用透明導電性フィルムを得ることができる。
本発明のベースフィルムは、基材フィルムの少なくとも一方の面に高屈折率層と低屈折率層をこの順に有する。高屈折率層の屈折率は1.60〜1.80であり、低屈折率層の屈折率が1.52以下である。高屈折率層および低屈折率層はそれぞれ樹脂を主成分として含有する。そして、低屈折率層表面の平均粗さ(Ra)は1nm未満である。
本発明において、高屈折率層と低屈折率層の積層構成は、透明導電膜の色調を調整するための光学機能層あるいはパターン化された透明導電膜の骨見えを抑制するための屈折率調整層として機能を有する。特に、本発明において、高屈折率層と低屈折率層の積層構成は、パターン化された透明導電膜の骨見えを抑制するのに好適である。
本発明では、高屈折率層および低屈折率層はそれぞれ樹脂を主成分として含有することにより、低屈折率層表面の平均粗さ(Ra)を1nm未満とすることができる。つまり、本発明において、低屈折率層表面は極めて平滑である。低屈折率層表面の平均粗さ(Ra)は、0.8nm以下が好ましく、0.6nm以下がより好ましく、特に0.5nm以下が好ましい。下限の平均粗さ(Ra)は、0.1nm程度である。
低屈折率層表面の平均粗さ(Ra)は、中心平面からの偏差の算術平均を表し、下記の式で求められたものである。
Figure 0005962995
式中、Zcpは中心平面のZ値であり、Zは個々のデータ・ポイントでのZ値、Nは領域内のデータ点数である。
上記した平均粗さ(Ra)は、原子力間顕微鏡を用いて測定することができる。
このような極めて平滑な低屈折率層の上に積層された透明導電膜は、比較的薄膜であっても表面抵抗値が小さくなる。さらに、比較的薄膜の透明導電膜と、本発明の高屈折率層と低屈折率層の積層構成とを組み合わせることにより、透明導電膜の視認性(色調、骨見え)が向上する。
[基材フィルム]
本発明における基材フィルムの材料は、特に限定されるものではないが、該材料として、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等が挙げられる。好ましくは、熱、溶剤、折り曲げ等の加工時の負荷に対する耐性が高く、透明性が特に高い点で、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂等が挙げられ、より好ましくは、加工性に優れている点でポリエステルが使用される。ポリエステルの中でも特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
基材フィルムの厚みは、20〜300μmの範囲が適当であり、50〜250μmの範囲が好ましく、50〜200μmの範囲がより好ましい。
[易接着層]
本発明の基材フィルムは、少なくとも高屈折率層および低屈折率層を積層する側の面に易接着層が設けられていることが好ましい。易接着層は基材フィルムの両面に積層されていることがより好ましい。
易接着層は、樹脂を主成分とする層であることが好ましい。すなわち、易接着層の固形分総量100質量%に対して樹脂を50質量%以上含むことが好ましく、60質量%以上含むことがより好ましく、70質量%以上含むことが特に好ましく、80質量%以上含むことが最も好ましい。上限は99質量%以下が好ましく、98質量%以下がより好ましく、特に95質量%以下が好ましい。
このような樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂が好ましく用いられる。これらの樹脂の中でもポリエステル樹脂が好ましく、さらに分子中にナフタレン環を有するポリエステル樹脂が好ましく用いられる。
易接着層の厚みは、10〜300nmの範囲が好ましく、15〜200nmの範囲がより好ましく、特に20〜150nmの範囲が好ましい。
易接着層は、基材フィルム上にウェットコーティング法により積層されていることが好ましい。特に易接着層を基材フィルムの製造工程内で積層する、いわゆる「インラインコーティング法」で積層されていることが好ましい。基材フィルム上に易接着層を塗布する際には、塗布性や密着性を向上させるための予備処理として、基材フィルム表面にコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理等を施しておくことが好ましい。
上記のウェットコーティング法としては、例えばリバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法、スピンコート法、エクストルージョンコート法等の塗布方法を用いることができる。
[高屈折率層]
本発明において、高屈折率層は、その屈折率が1.60〜1.80である。高屈折率層の屈折率は、1.61〜1.75の範囲が好ましく、1.62〜1.70の範囲がより好ましく、1.63〜1.68の範囲が特に好ましい。
高屈折率層の厚みは、20nm以上が好ましく、25nm以上がより好ましく、30nm以上が特に好ましい。上限は80nm以下が好ましく、70nm以下がより好ましく、60nm以下が特に好ましく、50nm以下が最も好ましい。
高屈折率層は樹脂を主成分として含有する。ここで、高屈折率層が樹脂を主成分として含有するとは、高屈折率層の固形分総量100質量%に対して樹脂を60質量%以上含有することを意味する。高屈折率層における樹脂の含有量は、高屈折率層の固形分総量100質量%に対して樹脂を70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、特に90質量%以上が好ましい。上限は99質量%以下が好ましく、98質量%以下がより好ましい。
ベースフィルムにおける高屈折率層として、従来から高屈折率の金属酸化物微粒子(平均粒子径が5〜100nmの金属酸化物微粒子)を比較的多量に含有する高屈折率層(高屈折率層の固形分総量100質量%に対して金属酸化物微粒子を20質量%以上含有)が一般的に知られている。しかし、このような金属酸化物微粒子などの粒子を比較的多量に含有する高屈折率層を用いた場合、この高屈折率層上に低屈折率層を積層して得られたベースフィルムの低屈折率層表面の平均粗さ(Ra)は1nm未満に維持することが難しくなる。
従って、高屈折率層上に積層される低屈折率層表面の平均粗さ(Ra)が1nm未満を維持することができる範囲内で、高屈折率層に金属酸化物微粒子等の粒子を含有させることが重要である。この観点から、高屈折率層が粒子を含有する場合の含有量は、高屈折率層の固形分総量100質量%に対して10質量%以下好ましく、5質量%以下がより好ましく、特に1質量%以下が好ましい。高屈折率層は、粒子を実質的に含有しないことが最も好ましい。ここで、高屈折率層が粒子を実質的に含有しないとは、高屈折率層を形成するための塗工液に粒子を意図的に添加しないことを意味する。
本発明において、高屈折率層は、樹脂を主成分として含有しかつ屈折率が1.60〜1.80である。このような高屈折率層は、樹脂として高屈折率樹脂を含有させることによって実現することができる。
また、高屈折率層は、熱硬化性組成物あるいは活性エネルギー線硬化性組成物をウェットコーティング法により塗布し、硬化させた層であることが好ましい。特に、活性エネルギー線硬化性組成物をウェットコーティング法により塗布し、硬化させた層であることが好ましい。ウェットコーティング法としては前述の塗布方法を用いることができる。
以下、高屈折率樹脂を含有する活性エネルギー線硬化性組成物について説明する。
高屈折率樹脂としては、例えばフッ素以外のハロゲン原子を含む樹脂(例えば臭素原子を含む樹脂、塩素原子を含む樹脂)、硫黄原子を含む樹脂、窒素原子を含む樹脂、燐原子を含む樹脂、珪素原子を含む樹脂、芳香族環を含む樹脂(例えばフルオレン骨格を含む樹脂、フェニル基を含む樹脂等)が挙げられる。
フッ素以外のハロゲン原子を含む樹脂(例えば臭素原子を含む樹脂、塩素原子を含む樹脂)としては、例えば、臭素化アクリル樹脂、臭素化ウレタン樹脂、臭素化ポリエステル樹脂、臭素化ポリエーテル樹脂、臭素化エポキシ樹脂、臭素化スピロアセタール樹脂、臭素化ポリブタジエン樹脂、臭素化ポリチオールポリエン樹脂、塩素化アクリル樹脂、塩素化ウレタン樹脂、塩素化ポリエステル樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂、塩素化エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、臭素原子を含む樹脂の原料成分として、例えばアクリレートのフェニル基のオルト・パラ位をブロモ化した化合物を用いることができる。これらの化合物は、市販品として入手することができる。例えば、第一工業製薬社製のBR−42、BR−42M、BR−30M、BR−31等、ダイセル・サイテック社製のRDX51027等がある。
また、塩素原子を含む樹脂として、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのベンジルクロライド塩などを用いることができる。
尚、以下の説明において、「・・・(メタ)アクリレート」は、「・・・アクリレート」と「・・・メタクリレート」との両方の化合物を含む。
硫黄原子を含む樹脂としては、例えばS,S’−エチレンビス(チオ(メタ)アクリレート)、S,S’−(チオジエチレン)ビス(チオ(メタ)アクリレート)、S,S’−[チオビス(ジエチレンスルフィド)]ビス(チオ(メタ)アクリレート)、S,S’−(オキシジエチレン)ビス(チオ(メタ)アクリレート)等を用いることができる。ここでチオ(メタ)アクリレートとは、チオメタクリレートとチオアクリレートの両者を含む。
これらの中でも、S,S’−エチレンビス(チオメタクリレート)、S,S’−(チオジエチレン)ビス(チオメタクリレート)が好適に用いられる。S,S’−エチレンビス(チオメタクリレート)は、1,2−エタンジチオールとアルカリ金属化合物とを反応させて得られる1,2−エタンジチオールのアルカリ金属塩とメタクリロイルクロリドとを非極性有機溶媒中で反応させる方法等により製造することができる。またS,S’−(チオジエチレン)ビス(チオメタクリレート)は日本触媒社製の商品名S2EGとして市販されているものを用いることができる。
また、硫黄原子と芳香族環を含む樹脂としては、例えばS,S’−(チオジ−p−フェニレン)ビス(チオ(メタ)アクリレート)、S,S’−[4,4’−チオビス(3−クロロベンゼン)]ビス(チオ(メタ)アクリレート)、S,S’−[4,4’−チオビス(3,5−ジクロロベンゼン)](チオ(メタ)アクリレート)、S,S’−[4,4’−チオビス(3−ブロモベンゼン)](チオ(メタ)アクリレート)、S,S’−[4,4’−チオビス(3,5−ジブロモベンゼン)](チオ(メタ)アクリレート)、S,S’−[4,4’−チオビス(3−メチルベンゼン)]ビス(チオ(メタ)アクリレート)、S,S’−[4,4’−チオビス(3,5−ジメチルベンゼン)](チオ(メタ)アクリレート)、S,S’−[4,4’−チオビス(3−メチルベンゼン)]ビス(チオ(メタ)アクリレート)等を用いることができる。これらの中でもS,S’−(チオジ−p−フェニレン)ビス(チオメタクリレート)(住友精化社製MPSMA)が好適に用いられるが、これは4,4’−チオジベンゼンチオールとアルカリ金属化合物とを反応させて得られる4,4’−チオジベンゼンチオールのアルカリ金属塩とメタクリロイルクロリドとを非極性有機溶媒中で反応させる方法等により製造することができる。
芳香族環を含む樹脂としては、9,9−ビスフェノキシフルオレン骨格を有するアクリル樹脂、ビフェニル基を有するアクリル樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。例えば新中村化学社製9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(NKエステルA−BPEF)、o−フェニルフェノールグリシジルエーテルアクリレート(NKエステル401P)、ヒドロキシエチル化o−フェニルフェノールアクリレート(NKエステルA−LEN−10)、JFEケミカル社製9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(BCF)、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(BPEF)、大阪ガスケミカル社製ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル(BPFG)、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル(BPEFG)、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート(BPEF−A)、オグソールPGシリーズ、オグソールEGシリーズ、オグソールEAシリーズ、オグソールEA−Fシリーズ、長瀬産業社製オンコートEXシリーズ、共栄社化学社製HIC−Gシリーズ、ADEKA社製RF(X)シリーズ等を用いることができる。
高屈折率樹脂としては、上記で例示したように、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基、エポキシ基等の重合性官能基を含む重合性モノマーまたは重合性オリゴマーであることがより好ましい。
活性エネルギー線硬化性組成物は、上記した高屈折率樹脂に加えて、活性エネルギー線硬化性樹脂を含有することが好ましい。ここで、活性エネルギー線硬化性樹脂とは、電子線や紫外線などの活性エネルギー線を照射することにより重合して硬化する樹脂であり、このような樹脂は重合性モノマーや重合性オリゴマーから得られる。
上記重合性モノマーや重合性オリゴマーは、分子中に2個以上の重合性官能基(例えばアクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基等)を有する化合物が好ましく、特に分子中に3個以上の重合性官能基を有する化合物が好ましく用いられる。
上記重合性モノマーの例としては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)トリアクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、トリメチロールプロパン安息香酸エステル等の多官能アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート等のウレタンアクリレート等を挙げることができる。
上記重合性オリゴマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アルキット(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
活性エネルギー線硬化性組成物における高屈折率樹脂の含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、特に60質量%以上が好ましい。上限は95質量%以下が好ましく、90質量%以下が好ましい。
高屈折率樹脂と併用される重合性モノマーや重合性オリゴマーの含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して5〜60質量%の範囲が好ましく、10〜50質量%の範囲がより好ましく、特に15〜40質量%の範囲が好ましい。
活性エネルギー線硬化性組成物は、光重合開始剤を含むことが好ましい。このような光重合開始剤の具体例としては、例えばアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォルメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物などを用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上組み合せて用いてもよい。
上記光重合開始剤の含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して0.1〜10質量%の範囲が適当であり、0.5〜8質量%の範囲が好ましい。
[低屈折率層]
低屈折率層は、その屈折率が1.52以下である。低屈折率層の屈折率は、1.46以下が好ましく、1.45以下がより好ましく、1.43以下が特に好ましい。下限は1.25以上が好ましく、1.30以上がより好ましい。
低屈折率層の厚みは、5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましい。上限は50nm以下が好ましく、40nm以下がより好ましい。
低屈折率層は樹脂を主成分として含有する。ここで、低屈折率層が樹脂を主成分として含有するとは、低屈折率層の固形分総量100質量%に対して樹脂を60質量%以上含有することを意味する。低屈折率層における樹脂の含有量は、低屈折率層の固形分総量100質量%に対して樹脂を70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、特に90質量%以上が好ましい。含有量の上限は特に限定されるものではなく、樹脂の含有量が100質量%であっても良い。
ベースフィルムにおける低屈折率層として、従来からシリカ粒子やフッ化マグネシウム粒子等の低屈折率粒子を比較的多量に含有する低屈折率層(低屈折率層の固形分総量100質量%に対して低屈折率粒子を20質量%以上含有)が一般的に知られている。
しかし、このような低屈折率粒子を比較的多量に含有する低屈折率層を用いた場合、ベースフィルムの低屈折率層表面の平均粗さ(Ra)は1nm未満に維持することが難しくなる。従って、低屈折率層表面の平均粗さ(Ra)が1nm未満を維持することができる範囲内で粒子を含有させることが重要である。この観点から、低屈折率層における粒子の含有量は、低屈折率層の固形分総量100質量%に対して10質量%以下好ましく、5質量%以下がより好ましく、特に1質量%以下が好ましい。低屈折率層は、粒子を実質的に含有しないことが最も好ましい。ここで、低屈折率層が粒子を実質的に含有しないとは、低屈折率層を形成するための塗工液に粒子を意図的に添加しないことを意味する。
本発明において、低屈折率層は、樹脂を主成分として含有しかつ屈折率が1.52以下である。このような低屈折率層は樹脂として低屈折率樹脂を含有させることによって実現することができる。
また、低屈折率層は、熱硬化性組成物あるいは活性エネルギー線硬化性組成物をウェットコーティング法により塗布し、硬化させた層であることが好ましい。特に、活性エネルギー線硬化性組成物をウェットコーティング法により塗布し、硬化させた層であることが好ましい。ウェットコーティング法としては前述の塗布方法を用いることができる。
以下、低屈折率樹脂を含有する活性エネルギー線硬化性組成物について説明する。
低屈折率樹脂としては、含フッ素化合物が好ましく用いられる。含フッ素化合物としては、含フッ素モノマー、含フッ素オリゴマー、含フッ素高分子化合物が挙げられる。ここで、含フッ素モノマー、含フッ素オリゴマーは、分子中にフッ素原子と重合性官能基(例えばアクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基等)を有するモノマーやオリゴマーである。
含フッ素モノマー、含フッ素オリゴマーとしては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、βー(パーフロロオクチル)エチル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類、 ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,2−トリフルオロエチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロノニルエチレングリコールなどのジ−(α−フルオロアクリル酸)フルオロアルキルエステル類が挙げられる。
含フッ素高分子化合物としては、例えば、含フッ素モノマーと架橋性基付与のためのモノマーを構成単位とする含フッ素共重合体が挙げられる。含フッ素モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等である。架橋性基付与のためのモノマーとしてはグリシジルメタクリレートのように分子内にあらかじめ架橋性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーの他、カルボキシル基やヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有する(メタ)アクリレートモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート等)が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性組成物における含フッ素化合物の含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が特に好ましい。上限は98質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下が特に好ましい。
活性エネルギー線硬化性組成物は、上記した低屈折率率樹脂に加えて、活性エネルギー線硬化性樹脂を含有することが好ましい。ここで、活性エネルギー線硬化性樹脂とは、電子線や紫外線などの活性エネルギー線を照射することにより重合して硬化する樹脂であり、このような樹脂は重合性モノマーや重合性オリゴマーから得られる。
重合性モノマーや重合性オリゴマーとしては、前述の高屈折率層に含有させることができる重合性モノマーや重合性オリゴマーと同様の化合物を用いることができる。
低屈折率樹脂と併用される重合性モノマーや重合性オリゴマーは、1分子中に重合性官能基を3個以上有する化合物が特に好ましく用いられる。
低屈折率樹脂と併用される重合性モノマーや重合性オリゴマーの含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して5〜80質量%の範囲が好ましく、10〜70質量%の範囲がより好ましく、特に20〜6質量%の範囲が好ましい。
活性エネルギー線硬化性組成物は、光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤は、前述の高屈折率層に含有させることができる光重合開始剤と同様の化合物を用いることができる。
上記光重合開始剤の含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して0.1〜10質量%の範囲が適当であり、0.5〜8質量%の範囲が好ましい。
[高屈折率層と低屈折率層の形成方法]。
1層ずつウェットコーティング法により塗布して積層する方法は、高屈折率層をウェットコーティングし、必要に応じて乾燥および硬化させて形成した後、低屈折率層をウェットコーティングし、必要に応じて乾燥および硬化させて形成する方法である。高屈折率層と低屈折率層の形成は、別々の工程で行ってもよいし、1つの工程で連続的に行ってもよい。ウェットコーティング法により同時に積層塗布する方法は、同時に積層塗布が可能なコーティング方法、例えば、多層スロットダイコーター、多層スライドビードコーター、エクストルージョン型ダイコーター等を用いて高屈折率層と低屈折率層を同時に積層塗布し、必要に応じて乾燥および硬化性させる方法である。
[ハードコート層]
本発明のベースフィルムは、基材フィルムと高屈折率層との間にハードコート層を設けることが好ましい。更に、基材フィルムとハードコート層との間に前述したような易接着層を設けることが好ましい。
ハードコート層の厚みは0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。厚みの上限は10μm以下が好ましく、8μm以下がより好ましく、さらに5μm以下が好ましく、3μm以下が特に好ましい。
ハードコート層を設ける場合は、低屈折率層表面の平均粗さ(Ra)が1nm未満となることを阻害しないような構成とすることが重要である。つまり、ハードコート層表面は比較的平滑である必要がある。
ハードコート層は、平滑性を維持するという観点から平均粒子径が0.5μm以上の粒子は含有しないことが好ましい。ハードコート層は、平均粒子径が0.5μm未満の粒子を含有することができるが、その含有量は、ハードコート層の平滑性を維持するという観点からハードコート層の固形分総量100質量%に対して10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、特に1質量%以下が好ましい。
基材フィルムとハードコート層との間に易接着層を設ける場合、これらの層の屈折率の関係は、基材フィルムの屈折率>易接着層の屈折率>ハードコート層の屈折率であることが好ましい。
特に、基材フィルムと易接着層の屈折率差および易接着層とハードコート層の屈折率差の絶対値は、それぞれ0.1以下が好ましく、0.09以下がより好ましく、0.08以下が特に好ましい。下限は0.03以上が好ましく、0.04以上がより好ましい。これによって、ベースフィルムの反射色ムラを軽減することができる。
ハードコート層の屈折率は、1.46〜1.55の範囲が適当であり、1.48〜1.54の範囲が好ましく、1.50〜1.53の範囲がより好ましい。
また、上記ハードコート層は、着色染料もしくは着色顔料を含有させることにより、着色することができる。これにより、透明導電性フィルムの反射色や透過色を調整することができる。
ハードコート層は、熱硬化性組成物あるいは活性エネルギー線硬化性組成物をウェットコーティング法により塗布後、必要に応じて乾燥した後、硬化させた層であることが好ましい。特に、活性エネルギー線硬化性組成物をウェットコーティング法により塗布後、必要に応じて乾燥した後、硬化させた層であることが好ましい。ウェットコーティング法としては前述の塗布方法を用いることができる。
活性エネルギー線硬化性組成物は、重合性モノマーや重合性オリゴマーを含有することが好ましい。また、活性エネルギー線硬化性組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。
重合性モノマー、重合性オリゴマー、光重合開始剤としては、前述の高屈折率層に用いられるものと同様のものが用いられるので、ここでの説明は省略する。
基材フィルムの片面のみに高屈折率層および低屈折率層が設けられる場合は、基材フィルムの反対面(基材フィルムの高屈折率層および低屈折率層が設けられる面とは反対側の面)には、粒子を含有するハードコート層(裏面ハードコート層)を設けることが好ましい。このような裏面ハードコート層を設けることにより、ベースフィルムの滑り性や耐ブロッキング性が向上する。
特に、裏面ハードコート層は、平均粒子径が0.5μm未満の有機粒子を含有することが好ましく、更に平均粒子径が0.05〜0.3μmの有機粒子を含有することが好ましい。裏面ハードコート層における有機粒子の含有量は、滑り性や耐ブロッキング性を向上させるという観点から、裏面ハードコート層の固形分総量100質量%に対して3質量%以上が好ましく、4質量%以上がより好ましく、5質量%以上が特に好ましい。有機粒子の含有量の上限は、裏面ハードコート層の固形分総量100質量%に対して25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下が特に好ましい。
有機粒子を構成する樹脂としては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、あるいは上記樹脂の合成に用いられる2種以上のモノマーの共重合樹脂が挙げられる。これらの中でもアクリル系樹脂粒子が好ましく用いられる
ここでアクリル系樹脂粒子とは、アクリル樹脂粒子、メタクリル樹脂粒子、アクリルモノマーあるいはメタクリルモノマーと他のモノマー(例えば、スチレン、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、シリコーンアクリレート、シリコーンメタクリレート等)との共重合樹脂粒子が含まれる。
上記共重合樹脂粒子の中でも、スチレン−アクリル共重合樹脂粒子やスチレン−メタクリル共重合樹脂粒子のようなスチレン−アクリル系共重合樹脂粒子が好ましく用いられる。
これらの有機粒子は乳化重合法により合成されることが好ましく、乳化重合法で合成されることによって平均粒子径が0.5μm未満の有機粒子を得ることができる。
[タッチパネル用透明導電性フィルム]
透明導電性フィルムは、前述のベースフィルムの低屈折率層の上に透明導電膜を設けることにより得られる。
タッチパネルとしては、抵抗膜式タッチパネルと静電容量式タッチパネルが主流であるが、本発明の透明導電性フィルムはいずれのタッチパネルにも用いることができる。特に、本発明の透明導電性フィルムは、静電容量式タッチパネルに好適である。
静電容量式タッチパネルの透明導電性フィルムの透明導電膜は、通常、所定のパターンにパターン化されている。この透明導電膜のパターン化は、透明導電膜をエッチング処理することにより行われる。
パターン化された透明導電膜を有する透明導電性フィルムは、透明導電膜のパターン部(透明導電膜がエッチングされずに残存している部分(導電部))と非パターン部(透明導電膜がエッチングされて除去された部分(非導電部))との反射率や透過率の違い、あるいはパターン部と非パターン部の色調の違いにより、パターン部が視認される、いわゆる「骨見え」が起こり、透明導電膜の視認性を低下させている。この「骨見え」の問題は、本発明のベースフィルムを用いることにより低減される。
[透明導電膜]
透明導電膜の材料としては、透明導電性フィルムに用いられる公知の材料を用いることができる。例えば、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、ITO(酸化インジウム錫)、ATO(酸化アンチモン錫)などの金属酸化物、銀ナノワイヤーなどの金属ナノワイヤー、カーボンナノチューブ等が挙げられる。これらの中でもITOが好ましく用いられる。
透明導電膜の厚みは、透明導電膜の視認性を向上させるという観点から小さい方が好ましく、具体的には40nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましく、25nm以下が更に好ましく、特に20nm以下が好ましい。透明導電膜の厚みの下限は、低抵抗の透明導電膜を確保するという観点から5nm以上が好ましく、7nm以上がより好ましく、10nm以上が特に好ましい。
透明導電膜の表面抵抗値は、1000Ω/□以下が好ましく、500Ω/□以下が好ましい。
透明導電膜の屈折率1.81以上であることが好ましい。さらに透明導電膜の屈折率は1.85以上が好ましく、1.90以上がより好ましい。上限は2.20以下が好ましく、2.10以下がより好ましい。
透明導電膜の形成方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライプロセスを用いることができる。
透明導電膜はパターン化されていることが好ましい。透明導電膜のパターン化は、透明導電性フィルムが適用される用途に応じて、各種のパターンを形成することができる。なお、透明導電膜のパターン化により、パターン部と非パターン部が形成されるが、パターン部のパターン形状としては、例えば、ストライプ状、格子状、あるいはこれらの組み合わせ等が挙げられる。具体的には、例えば、特開2006−344163号公報、特開2011−128896号公報等に開示されているパターンが挙げられる。
透明導電膜のパターン化は、一般的にはエッチングによって行われる。例えば、透明導電膜上に所定パターンのエッチングレジスト膜を、フォトリソグラフィ法、レーザー露光法、あるいは印刷法により形成した後エッチン処理することにより、透明導電膜がパターン化される。
エッチング液としては、従来公知のものが用いられる。例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、酢酸等の有機酸、およびこれらの混合物、ならびにそれらの水溶液が用いられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、本実施例における、測定方法および評価方法を以下に示す。
[測定方法および評価方法]
(1)屈折率の測定その1(易接着層、高屈折率層、低屈折率層およびハードコート層の屈折率)
易接着層、高屈折率層、低屈折率層およびハードコート層のそれぞれの塗布組成物をシリコンウエハー上にスピンコーターにて塗工形成した塗膜(乾燥厚み約2μm)について、25℃の温度条件下で位相差測定装置(ニコン(株)製:NPDM−1000)で589nmの屈折率を測定した。
(2)屈折率の測定その2(透明導電膜の屈折率)
透明導電膜を、屈折率が既知のPETフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に実際の積層条件と同条件で厚みが20nmとなるようにそれぞれ積層して屈折率測定用サンプルを作製する。次に、屈折率測定用サンプルの透明導電膜薄の反射率と厚みをそれぞれ測定する。このようにして得られた反射率、膜厚み、およびPETフィルムの屈折率とから、透明導電膜の屈折率を算出する。
上記反射率は、透明導電膜が積層された面とは反対側のPETフィルム面に#320〜400の耐水サンドペーパーで均一に傷をつけた後、黒色塗料(黒マジックインキ(登録商標)液)を塗布して、反対側の面からの反射を完全になくした状態にして、島津製作所(株)の分光光度計UV−3150を用いて589nmの反射率を測定する。
(3)屈折率の測定3
基材フィルム(PETフィルム)の屈折率は、JIS K7105(1981)に準じて、アッベ屈折率計で589nmの屈折率を測定した。
(4)それぞれの層および膜の厚みの測定
サンプルの断面を超薄切片に切り出し、透過型電子顕微鏡(日立製H−7100FA型)で加速電圧100kVにて5万倍〜30万倍の倍率でサンプルの断面を観察し、それぞれ層、膜の厚みを測定した。尚、各層の境界が明確でない場合は必要に応じて染色処理を施した。
(5)透明導電膜パターンの視認性(「骨見え」)の評価
黒い板の上にサンプルを置き、目視によりパターン部が視認できるかどうか以下の基準で評価した。基材フィルムの一方の面のみに透明導電膜が積層されているサンプルの場合、透明導電膜が上になるように置いて評価をした。基材フィルムの両方の面に透明導電膜が積層されているサンプルの場合、それぞれの面の透明導電膜が上になるように置いて、それぞれ評価をした。
A:パターン部が視認できない。
B:パターン部が僅かに視認できる。
C:パターン部が明確に視認できる。
(6)表面抵抗値の測定
四端子法(EDTM社製 RC2175)を用いて、パターン加工前のITO膜の表面電気抵抗値(Ω/□)を測定。210mm×300mmサイズの透明導電フィルムの4隅と中心の計5点を測定し平均値を算出した。
(7)低屈折率層表面の平均粗さ(Ra)の測定
下記の原子力間顕微鏡(AFM)および解析ソフトを用いて測定した。測定範囲は1μm平方である。
<原子力間顕微鏡> Bruker Corporation 製の「DIMENSION icon with Scan Asyst」
<解析ソフト> Bruker Corporation 製の「Nano Scope Analysis(version1.40)」
[原料]
<易接着層形成用塗布液(水分散体)>
固形分質量比で、Tg(ガラス転移温度)が120℃のポリエステル樹脂aを26質量%、Tgが80℃のポリエステル樹脂bを54質量%、メラミン系架橋剤を18質量%、粒子を2質量%混合して水分散塗布液を調製した。
・ポリエステル樹脂a;2,6−ナフタレンジカルボン酸43モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸7モル%、エチレングリコールを含むジオール成分50モル%を共重合して得られたポリエステル樹脂。
・ポリエステル樹脂b;テレフタル酸38モル%、トリメリット酸12モル%、エチレングリコールを含むジオール成分50モル%を共重合して得られたポリエステル樹脂。
・メラミン系架橋剤;メチロール基型メラミン架橋剤(三和ケミカル(株)製の「ニカラックMW12LF」)
・粒子;平均粒子径190nmのコロイダルシリカ。
<ハードコート層形成用活性エネルギー線硬化性組成物>
(組成物A1)
重合性モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート58質量部、重合性オリゴマーとしてウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業(株)の「UN−901T」;分子中に重合性官能基を9個含む)37質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)5質量部を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)に分散・溶解して調製した。
(組成物A2)
重合性モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを87質量部、有機粒子としてスチレン−アクリル系共重合樹脂粒子(ガンツ化成(株)製の商品名「スタフィロイド EA−1135」;平均粒子径130nm)を固形分換算で8質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)5質量部を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)に分散・溶解して調製した。
<高屈折率層形成用活性エネルギー線硬化性組成物>
(組成物B1)
高屈折率樹脂(信越化学(株)製の紫外線硬化型樹脂である「X−12−2238」)95質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製 イルガキュア184)5質量部を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)に分散あるいは溶解した塗布組成物(活性エネルギー線硬化性組成物)である。
(組成物B2)
高屈折率樹脂としてフルオレン系アクリル樹脂(新中村化学(株)製の「NKエステルA−BPEF」)60質量部、重合性モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート35質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製の「イルガキュア184」)5質量部を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)に分散あるいは溶解して調製した。
(組成物B3)
重合性モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを47質量部、金属酸化物微粒子として酸化ジルコニウムを50質量部、および光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製の「イルガキュア184」)3質量部を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)に分散あるいは溶解して調製した。
<低屈折率層形成用活性エネルギー線硬化性組成物>
(組成物C1)
重合性モノマーとしてジペンタエリスリトールペンタアクリレート60質量部、含フッ素化合物として(ダイキン工業(株)製のフッ素樹脂「AR110」)35質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製 イルガキュア184) 5質量部を有機溶剤(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散あるいは溶解した塗布組成物(活性エネルギー線硬化性組成物)である。
(組成物C2)
含フッ素化合物としてβー(パーフロロオクチル)エチルアクリレート80質量部、重合性オリゴマーとしてペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー20質量部、および光重合開始剤(2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリプロパン−1−オン)5質量部を有機溶剤(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散あるいは溶解して調製した。
(組成物C3)
重合性モノマーとしてジペンタエリスリトールペンタアクリレート81質量部、シリカ粒子(中空シリカ)15質量部、および光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製の「イルガキュア184」)4質量部を有機溶剤(イソプロピルアルコール)に分散あるいは溶解して調製した。
[実施例1]
下記の要領でベースフィルムを作製した。
<易接着層積層PETフィルムの作製>
屈折率1.65で厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の両面に、それぞれ樹脂層をPETフィルムの製造工程内でインラインコーティングした。つまり、長手方向に一軸延伸されたPETフィルムの両面にそれぞれ易接着層形成用塗布液をバーコート法で塗布し100℃で乾燥後、引き続き幅方向に二軸延伸し、230℃で20秒間加熱処理を施し熱硬化させて、両面に樹脂層が積層されたPETフィルムを作製した。樹脂層の屈折率は1.59、厚みは90nmであった。
<ハードコート層の積層>
上記で作製した易接着層積層PETフィルムの一方の面(以下、「B面」と称することがある)に組成物A2を、ウェットコーティング法(グラビアコート法)により塗布して、90℃で乾燥後、紫外線を照射し硬化させてハードコート層(裏面ハードコート層)を形成した。このハードコート層は、厚み2μmm、屈折率が1.52であった。
次いで、易接着層積層PETフィルムの他方の面(以下、「A面」と称することがある)に組成物A1を、ウェットコーティング法(グラビアコート法)により塗布して、90℃で乾燥後、紫外線を照射し硬化させてハードコート層を形成した。このハードコート層は、厚み2μmm、屈折率が1.52であった。
<高屈折率層の積層>
上記の組成物A1を用いて形成したハードコート層の上に、組成物B1をウェットコーティング法(グラビアコート法)により塗布し、90℃で乾燥後、紫外線を照射し硬化させて高屈折率層を形成した。この高屈折率層の屈折率は1.65、厚みは50nmであった。
<低屈折率層の積層>
上記高屈折率層の上に、組成物C1をウェットコーティング法(グラビアコート法)により塗布し、90℃で乾燥し、紫外線を照射し硬化させて低屈折率層を形成して、ベースフィルムを作成した。この低屈折率層の屈折率は1.45、厚みは40nmであった。
<透明導電性フィルムの作成>
上記で作成したベースフィルムの低屈折率層の上に、透明導電膜としてITO膜を厚みが20nmとなるようにスパッタリング法で積層し、次にこのITO膜のみを格子状にパターン加工(エッチング処理)して、透明導電性フィルムを得た。
[実施例2]
低屈折率層の組成物を組成物C2に変更する以外は、実施例1と同様にして透明導電性フィルムを作製した。この低屈折率層の屈折率は1.43、厚みは40nmであった。
[実施例3]
高屈折率層の組成物を組成物B2に変更する以外は、実施例1と同様にして透明導電性フィルムを作製した。この高屈折率層の屈折率は1.62、厚みは50nmであった。
[実施例4]
低屈折率層の組成物を組成物C2に変更する以外は、実施例3と同様にして透明導電性フィルムを作製した。この低屈折率層の屈折率は1.43、厚みは40nmであった。
[比較例1]
低屈折率層の組成物を組成物C3に変更する以外は、実施例1と同様にして透明導電性フィルムを作製した。この低屈折率層の屈折率は1.43、厚みは40nmであった。
[比較例2]
高屈折率層の組成物を組成物B3に変更する以外は、比較例1と同様にして透明導電性フィルムを作製した。この高屈折率層の屈折率は1.65、厚みは50nmであった。
[比較例3]
比較例1において、低屈折率層を積層しない以外は比較例1と同様にして透明導電性フィルムを作製した。
[比較例4]
比較例2において、低屈折率層を積層しない以外は比較例2と同様にして透明導電性フィルムを作製した。
[比較例5]
実施例1において、高屈折率層を積層せずにハードコート層上に低屈折率層を直接に積層する以外は、実施例1と同様にして透明導電性フィルムを作製した。
[比較例6]
比較例1において、高屈折率層を積層せずにハードコート層上に低屈折率層を直接に積層する以外は、比較例1と同様にして透明導電性フィルムを作製した。
[比較例7]
比較例1において、高屈折率層および低屈折率相を積層せずに、ハードコート層上に透明導電膜を直接に積層する以外は、比較例1と同様にして透明導電性フィルムを作製した。
<評価>
上記で作製したそれぞれの透明導電性フィルムについて、低屈折率層表面の平均粗さ(Ra)、透明導電膜の表面抵抗値および透明導電膜の視認性を評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0005962995
表1の結果から明らかなように、本発明の実施例は、低屈折率層表面の平均粗さ(Ra)が1nm未満と極めて平滑であるため、その上に積層された透明導電膜の表面抵抗値が小さくなっている。また、本発明の実施例は透明導電膜のパターン視認性が良好である。

Claims (3)

  1. 基材フィルムの少なくとも一方の面に、屈折率が1.60〜1.68であり、かつ厚みが25nm以上80nm以下である高屈折率層および屈折率が1.52以下であり、かつ厚みが5nm以上50nm以下である低屈折率層をこの順に有するタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムであって、前記高屈折率層および前記低屈折率層はそれぞれ樹脂を主成分として含有し、かつ前記低屈折率層表面の平均粗さ(Ra)が1nm未満であることを特徴とする、タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
  2. 請求項1に記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムの低屈折率層上に透明導電膜を有する、タッチパネル用透明導電性フィルム。
  3. 前記透明導電膜がパターン部(導電部)と非パターン部(非導電部)とを有する、請求項2に記載のタッチパネル用透明導電性フィルム。
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