以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
まず、本実施の形態に係る加工物製造システムの構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る加工物製造システム10のブロック図である。
図1に示すように、加工物製造システム10は、用紙などの図1に示していない後述の記録媒体70に図1に示していない後述の画像81を印刷した後、画像81が印刷された記録媒体70に対して加工を実行することによって、加工物を製造するシステムである。ここで、加工には、例えば、記録媒体70から一部分を切り抜くダイカットの他、シール用紙などの記録媒体70に対して厚み方向の一部に切れ目を入れるキスカット、記録媒体70に対して点線状に切れ目を入れる点線カット、記録媒体70に対して折り目を入れる折り目加工などが含まれる。
加工物製造システム10は、記録媒体70に画像81を印刷する加工用画像印刷システム20と、加工用画像印刷システム20によって画像81が印刷された記録媒体70に対して加工を実行する加工システム50とを備えている。
加工用画像印刷システム20は、コンピューターであるPC(Personal Computer)30と、印刷を実行するプリンターであるインクジェットプリンター40とを備えている。PC30およびインクジェットプリンター40は、LAN(Local Area Network)などのネットワーク11を介して互いに通信可能に接続されている。
加工システム50は、PC30と、記録媒体70に対して主走査方向および副走査方向に加工位置を変えながら加工を実行する加工装置であるカッティングプロッター60とを備えている。PC30およびカッティングプロッター60は、ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続されている。
図2は、PC30のブロック図である。
図2に示すように、PC30は、利用者による種々の操作が入力されるマウス、キーボードなどの入力デバイスである操作部31と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部32と、ネットワーク11経由で通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部33と、各種のデータを記憶しているHDD(Hard Disk Drive)などの記憶デバイスである記憶部34と、PC30全体を制御する制御部35とを備えている。
記憶部34は、図2に示していない後述の画像81と、カッティングプロッター60が図2に示していない後述の記録媒体70から読み取って加工の位置合わせの基準とするマークである加工用基準マークとしての図2に示していない後述のトンボ82とを含む図2に示していない後述の加工用画像80を生成する加工用画像生成プログラム34aを記憶している。加工用画像生成プログラム34aは、PC30の製造段階でPC30にインストールされていても良いし、USB(Universal Serial Bus)メモリー、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの記憶媒体からPC30に追加でインストールされても良いし、ネットワーク11上からPC30に追加でインストールされても良い。
記憶部34は、インクジェットプリンター40による印刷のためのデータである印刷用データ34bと、加工用画像80が印刷された記録媒体70に対する加工において加工システム50が使用するデータである加工用データ34cとを記憶することができる。すなわち、PC30は、加工用データ34cを記憶するようになっており、本発明の加工用データ記憶部を構成している。
制御部35は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部34に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
制御部35は、記憶部34に記憶されている加工用画像生成プログラム34aを実行することによって、加工用画像80を生成する加工用画像生成部35a、加工用データ34cを生成する加工用データ生成部35b、および、加工用画像生成部35aによって生成された加工用画像80を印刷用データ34bとしてインクジェットプリンター40に送信する加工用画像送信部35cとして機能する。すなわち、PC30は、加工用画像80を生成するようになっており、本発明の加工用画像生成手段を構成している。また、PC30は、加工用データ34cを生成するようになっており、本発明の加工用データ生成手段を構成している。
図3は、インクジェットプリンター40の概略の斜視図である。
図3に示すように、インクジェットプリンター40は、矢印40aで示す主走査方向に延在する本体41と、記録媒体70を搬送する搬送装置42と、インクジェットプリンター40全体を制御する図示していない制御部とを備えている。
本体41は、矢印40aで示す主走査方向に延在しているガイドレール41aと、矢印40aで示す主走査方向に移動可能にガイドレール41aに支持されているキャリッジ41bとを備えている。キャリッジ41bは、ノズルからインクを記録媒体70に向けて吐出する記録ヘッド41cを搭載している。
搬送装置42は、本体41の記録ヘッド41cに対して矢印40bで示す副走査方向に記録媒体70を搬送する装置である。
インクジェットプリンター40の制御部は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行するようになっている。
インクジェットプリンター40は、矢印40aで示す主走査方向に移動しない記録媒体70に対してキャリッジ41bによって主走査方向に記録ヘッド41cを移動させて、記録ヘッド41cのノズルからインクを記録媒体70に向けて吐出することによって、記録ヘッド41cによる主走査方向の印刷を実行させる装置である。また、インクジェットプリンター40は、矢印40bで示す副走査方向に移動しない記録ヘッド41cに対して搬送装置42によって副走査方向に記録媒体70を搬送することによって、記録媒体70に対する記録ヘッド41cの副走査方向における位置を主走査方向の印刷の終了の度に変更する装置である。
インクジェットプリンター40は、PC30によって生成されてPC30によって印刷用データ34bとして送信されてきた加工用画像80を記録媒体70に印刷するようになっており、本発明の加工用画像印刷手段を構成している。
図4は、インクジェットプリンター40によって記録媒体70に印刷された加工用画像80の一例を示す図である。
図4に示す記録媒体70は、画像81と、トンボ82とを含んでいる加工用画像80が印刷されている。図4に示す記録媒体70において、トンボ82は、画像81を取り囲む位置に合計4個配置されている。図4に示す記録媒体70において、全てのトンボ82は、図形によってデータを保持している図形コードとしてのQRコード(登録商標)によって構成されているトンボである本発明のコード付基準マークとしてのコード付トンボ82aである。加工用画像80は、この加工用画像80に対してPC30によって生成された加工用データ34cを識別するデータである加工用データ識別データを少なくとも1つのコード付トンボ82aによって保持している。
図5は、カッティングプロッター60の概略の斜視図である。
図5に示すように、カッティングプロッター60は、矢印60aで示す主走査方向に延在する本体61と、画像81が印刷されている記録媒体70を搬送する搬送装置62と、カッティングプロッター60全体を制御する図5に示していない後述の制御部63とを備えている。
本体61は、矢印60aで示す主走査方向に延在しているガイドレール61aと、矢印60aで示す主走査方向に移動可能にガイドレール61aに支持されているキャリッジ61bとを備えている。キャリッジ61bは、記録媒体70に印刷されているトンボ82を読み取るCCD(Charge Coupled Device)カメラ61cと、記録媒体70に対して加工を施すカッターなどの加工具61dとを搭載している。
搬送装置62は、本体61のCCDカメラ61cおよび加工具61dに対して矢印60bで示す副走査方向に記録媒体70を搬送する装置である。
カッティングプロッター60の制御部63は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行するようになっている。
カッティングプロッター60は、矢印60aで示す主走査方向に移動しない記録媒体70に対してキャリッジ61bによって主走査方向に加工具61dを移動させるとともに、矢印60bで示す副走査方向に移動しない加工具61dに対して搬送装置62によって副走査方向に記録媒体70を搬送することによって、記録媒体70に対して主走査方向および副走査方向に加工位置を変えながら加工を実行する装置である。なお、カッティングプロッター60は、複数の加工具61dをキャリッジ61bに搭載しており、加工用データ34cの加工種類データに応じて加工具61dを自動的に交換可能である。
図6は、カッティングプロッター60の制御部63の機能のブロック図である。
図6に示すように、カッティングプロッター60の制御部63は、ROMに記憶されているプログラムを実行することによって、記録媒体70からトンボ82を読み取る基準マーク読取手段としてのトンボ読取部63a、記録媒体70上のコード付トンボ82aから加工用データ識別データを読み取る識別データ読取手段としての識別データ読取部63b、識別データ読取部63bによって読み取られた加工用データ識別データに応じた加工用データ34cをPC30から取得する加工用データ取得手段としての加工用データ取得部63c、および、トンボ読取部63aによって記録媒体70から読み取られたトンボ82を加工の位置合わせの基準として加工を実行する加工実行手段としての加工実行部63dとして機能する。
次に、加工物製造システム10の動作について説明する。
まず、加工用画像印刷システム20による印刷用データ34bの生成について説明する。
PC30の制御部35は、印刷用データ34bの生成が利用者によって指示されると、図7に示す処理を開始する。
図7は、印刷用データ34bを生成する場合のPC30の動作のフローチャートである。
図7に示すように、制御部35の加工用画像生成部35aは、操作部31を介した利用者からの指示に応じて、画像81を生成する(S101)。なお、加工用画像生成部35aは、予め作成されて記憶部34に記憶されていた画像81を記憶部34から読み出すこともできる。
次いで、制御部35の加工用データ生成部35bは、操作部31を介した利用者からの指示に応じて、カッティングプロッター60による加工のためのデータである加工用データ34cを生成する(S102)。ここで、加工用データ34cには、加工システム50によって変更される加工位置を表す後述の加工線84を示すデータである加工線データとして、画像81の加工に必要な全ての加工線データが含まれている。また、加工用データ34cには、ダイカット、キスカット、点線カット、折り目加工などの加工の種類を示すデータである加工種類データ、記録媒体70に対して加工具61dを押し付ける圧力を示すデータである加工具押付圧データ、加工位置の変更の速度を示すデータである加工位置移動速度データ、加工具61dが回転しながら加工を実行するものである場合に加工具61dの回転速度を示すデータである加工具回転速度データなどのデータが含まれていても良い。加工用データ34cのうち加工線データ以外のデータは、加工線84上の箇所によって異なる値が設定されていても良い。
図8(a)は、図7に示す画像81の生成の処理(S101)において生成された画像81の一例を示す図である。図8(b)は、図8(a)に示す画像81に対する加工線84の一例を示す図である。なお、図8においては、記録媒体70が描かれている。この記録媒体70は、本発明の理解の参考のために描かれており、実際に生成される画像81のデータや加工線データには含まれていない。また、図8(b)においては、加工線84として、図8(a)に示す元の画像81の図柄を囲むダイカット用の線が示されている。
図7に示すように、加工用画像生成部35aは、S102の処理の後、S101において生成した画像81に対してトンボ82を自動で付与する位置を決定する(S103)。
図9は、図8(b)に示す加工線84に対するトンボ82の位置を表す座標85の一例を示す図である。なお、図9においては、記録媒体70が描かれている。この記録媒体70は、本発明の理解の参考のために描かれており、実際に生成される加工用データ34cには含まれていない。
図7に示すように、加工用画像生成部35aは、S103の処理の後、コード付トンボ82aを生成する(S104)。ここで、コード付トンボ82aは、コード付トンボ82a自身が属する群を識別するデータである群識別データと、コード付トンボ82a自身の座標を示すデータである自座標データと、コード付トンボ82a自身の次に加工システム50によって読み取られるべきコード付トンボ82aの座標を示すデータである次コード座標データとを保持している。また、コード付トンボ82aの少なくとも1つ、例えば最初に読み取られる位置に存在するコード付トンボ82aなどは、S102において生成された加工用データ34cの加工用データ識別データを保持している。また、コード付トンボ82aの少なくとも1つ、例えば最初に読み取られる位置に存在するコード付トンボ82aなどは、S103において決定された全てのトンボ82の座標を示すデータである全トンボ座標データを保持している。
次いで、加工用画像生成部35aは、印刷用データ34bを生成する(S105)。ここで、印刷用データ34bによって表される加工用画像80は、S101において生成した画像81に対して、S103において決定した位置に、S104において生成したコード付トンボ82aを含むトンボ82が付与されたものである。
図4に示す加工用画像80は、図8(a)に示す画像81に対してトンボ82を付与した加工用画像80の一例である。なお、図4においては、記録媒体70が描かれている。この記録媒体70は、実際に生成される印刷用データ34bには含まれていない。加工用画像生成部35aは、図8(a)に示す画像81に対して例えば図4に示すようにトンボ82を付与したデータを、印刷用データ34bとして生成する。
図7に示すように、加工用画像生成部35aは、S105の処理の後、S102において生成した加工用データ34cと、S105において生成した印刷用データ34bとを記憶部34に記憶させて(S106)、図7に示す処理を終了する。
次に、加工用画像印刷システム20による記録媒体70への画像81の印刷について説明する。
PC30の制御部35の加工用画像送信部35cは、操作部31を介した利用者からの指示に応じて、記憶部34に記憶されている印刷用データ34bをネットワーク11経由でインクジェットプリンター40に送信することによって、インクジェットプリンター40に記録媒体70への印刷を実行させる。
インクジェットプリンター40の制御部は、加工用画像送信部35cによって送信されてきた印刷用データ34bに基づいて、例えば図4に示す加工用画像80を記録媒体70に印刷する。
次に、加工システム50による記録媒体70に対する加工について説明する。
利用者は、加工用画像80が印刷された記録媒体70をカッティングプロッター60にセットした後、この記録媒体70に対する加工の実行を、操作部31を介してPC30に指示する。
PC30の制御部35は、操作部31を介した利用者からの指示に応じて、加工の実行を指示する信号をネットワーク11経由でカッティングプロッター60に送信することによって、カッティングプロッター60に記録媒体70への加工を実行させる。
図10は、カッティングプロッター60の動作のフローチャートである。
図10に示すように、カッティングプロッター60の制御部63の識別データ読取部63bは、セットされている記録媒体70上のコード付トンボ82aをCCDカメラ61cで読み取ることによって、記録媒体70上のコード付トンボ82aが保持している加工用データ識別データなどの全てのデータを読み取る(S121)。
ここで、識別データ読取部63bは、各コード付トンボ82aに保持されている次コード座標データに基づいて次に読み取られるべきコード付トンボ82aの座標を認識することができるので、記録媒体70上の何れのコード付トンボ82aからデータを読み始めても良い。
図11は、カッティングプロッター60によるコード付トンボ82aの探索の一例を示す図である。図11に示す加工用画像80は、図4に示す加工用画像80と同一である。すなわち、図11に示す例において、全てのトンボ82は、コード付トンボ82aである。
図11に示す記録媒体70において、図中左上のコード付トンボ82aは、次コード座標データとして、図中右上のコード付トンボ82aの座標を示すデータを保持している。したがって、カッティングプロッター60の識別データ読取部63bは、図中左上のコード付トンボ82aが保持しているデータを読み取った後、図中左上のコード付トンボ82aが保持していた次コード座標データに基づいて、矢印64aで示すように、図中右上のコード付トンボ82aを探索することが可能である。同様に、識別データ読取部63bは、矢印64b〜矢印64dで示すように順番にコード付トンボ82aを探索することが可能である。ここで、識別データ読取部63bは、探索先のコード付トンボ82aが保持している自座標データに基づいて、探索先のコード付トンボ82aに間違いなく辿り着いたことを確認することができる。
図10に示すように、制御部63の加工用データ取得部63cは、S121の処理の後、S121において読み取った加工用データ識別データに応じた加工用データ34cをPC30から取得する(S122)。
次いで、制御部63は、S122において取得した加工用データ34cにおいて、1つの長方形の領域を対象にする(S123)。この長方形の領域は、隣接する2個の座標85によって長方形の各辺が構成されて合計4個の座標85で規定された領域であって、加工線84を囲む領域である。なお、これらの4個の座標85に対応する4個のトンボ82は、カッティングプロッター60によって加工時に同時に基準とされる一式のトンボ82である。これらの座標85は、S121において読み取った全トンボ座標データから取得される。
次いで、制御部63のトンボ読取部63aは、セットされている記録媒体70において、現在対象としている長方形の領域に対応する領域(以下「媒体上対応領域」と言う。)を認識する(S124)。すなわち、トンボ読取部63aは、記録媒体70に印刷されているトンボ82の実際の位置をCCDカメラ61cで読み取ることによって、媒体上対応領域を検出する。なお、トンボ読取部63aは、S121において既に読み取られているトンボ82、すなわちコード付トンボ82aについてはS121において読み取られた時の位置を使用するようになっていても良い。
次いで、制御部63の加工実行部63dは、S124において認識した媒体上対応領域の位置、角度、形状、大きさに基づいて、加工用データ34cにおいて現在対象としている長方形の領域内の加工線84を補正する(S125)。すなわち、加工実行部63dは、現在対象としている長方形の領域に対する媒体上対応領域の位置、角度、形状、大きさに合わせて、現在対象としている長方形の領域内の加工線84を変形する。
次いで、加工実行部63dは、S125において補正した加工線84に基づいて、記録媒体70のうち媒体上対応領域内の部分に対して加工具61dによって加工を実行する(S126)。
次いで、制御部63は、加工用データ34cにおいて、未だ対象にしていない長方形の領域が存在するか否かを判断する(S127)。この長方形の領域は、隣接する2個の座標85によって長方形の各辺が構成されて合計4個の座標85で規定された領域であって、加工線84を囲む領域である。
制御部63は、未だ対象にしていない長方形の領域が存在するとS127において判断すると、未だ対象にしていない長方形の領域のうち1つの長方形の領域を対象にして(S128)、S124の処理を実行する。
一方、制御部63は、全ての長方形の領域を対象にしたとS127において判断すると、図10に示す処理を終了する。
以上に説明したように、加工用画像印刷システム20は、加工用画像80に対して生成した加工用データ34cを識別する加工用データ識別データをコード付トンボ82aとして記録媒体70自体に印刷するので、加工システム50による記録媒体70の加工の際に、加工の対象である記録媒体70に対応付けられている加工用データ34cが利用者によって指定される必要をなくすことができる。すなわち、加工用画像印刷システム20は、加工システム50による記録媒体70の加工の際に、加工の対象である記録媒体70に対応付けられている加工用データ34cではない加工用データが利用者によって誤って指定されることを防止することができる。したがって、加工用画像印刷システム20は、加工システム50における記録媒体70に対する加工の失敗を従来より抑えることができる。
加工用画像印刷システム20は、複数のトンボ82のうち少なくとも1つのトンボであるコード付トンボ82aが、加工システム50による加工の位置合わせの基準としての機能だけでなく、加工用データ識別データを保持する機能を有しているので、加工用データ識別データを保持する機能を有するQRコードをトンボ82とは別に加工用画像80に含める必要性を低減することができる。すなわち、加工用画像印刷システム20は、加工用データ識別データを保持する機能のみを有するQRコードの印刷によって記録媒体70が無駄に消費されることを抑えることができる。
加工用画像印刷システム20は、トンボ82の座標を示すデータである基準マーク座標データを全てのトンボ82について全トンボ座標データとしてコード付トンボ82aの少なくとも1つに保持させるようになっている。すなわち、加工用画像印刷システム20は、全てのトンボ82の基準マーク座標データをQRコードとして記録媒体70自体に印刷する。したがって、加工用画像印刷システム20は、記録媒体70に印刷されている全てのトンボ82の基準マーク座標データが電子データとして加工システム50に移動されなくても、記録媒体70自体に印刷されている全トンボ座標データによって示されているトンボ82の座標と、実際に記録媒体70に印刷されているトンボ82の位置とのずれに基づいて加工線データを加工システム50に補正させることができる(S123〜S125)。
なお、全てのトンボ82の基準マーク座標データは、本実施の形態において、全トンボ座標データとしてコード付トンボ82aの少なくとも1つに保持されている。しかしながら、加工用画像80は、全てのトンボ82の基準マーク座標データを全トンボ座標データ以外の方法によって保持していても良い。例えば、全てのトンボ82がコード付トンボ82aである場合、コード付トンボ82aのそれぞれに保持されている自座標データは、加工用画像80に含まれているそれらの全体として、全てのトンボ82の基準マーク座標データとなる。同様に、全てのトンボ82がコード付トンボ82aである場合、コード付トンボ82aのそれぞれに保持されている次コード座標データは、加工用画像80に含まれているそれらの全体として、全てのトンボ82の基準マーク座標データとなる。
なお、加工用画像印刷システム20は、記録媒体70に印刷されている全てのトンボ82の基準マーク座標データが記録媒体70上のコード付トンボ82aに保持されているので、トンボ82の基準マーク座標データを加工用データ34cに含める必要がない。例えば、加工用画像印刷システム20は、予め定められた1個のトンボ82を原点として加工用データ34cの加工線データを生成すれば良く、加工用データ34cの構成を簡素化することができる。
加工用画像印刷システム20は、次コード座標データをコード付トンボ82aに含めて記録媒体70に印刷するので、この記録媒体70上のコード付トンボ82aの座標を加工システム50のPC30が記憶していなくても、コード付トンボ82a中の次コード座標データを頼りに記録媒体70から全てのコード付トンボ82aを加工システム50に迅速に読み取らせることができる。
なお、加工用画像印刷システム20は、次コード座標データ以外の仕組みによって、記録媒体70から全てのコード付トンボ82aを加工システム50に迅速に読み取らせるようになっていても良い。例えば、加工用画像印刷システム20は、記録媒体70上の全てのコード付トンボ82aの座標を示すデータである全コード座標データをコード付トンボ82aに含めて記録媒体70に印刷することによって、記録媒体70上のコード付トンボ82aから全コード座標データを加工システム50に読み取らせるようになっていても良い。加工システム50は、記録媒体70上のコード付トンボ82aから全コード座標データを読み取り、全コード座標データを頼りに記録媒体70から全てのコード付トンボ82aを読み取りの順番の制限なく迅速に読み取ることができる。ここで、全コード座標データは、記録媒体70上に含まれる全てのコード付トンボ82aに保持されていても良いし、コード付トンボ82aの少なくとも1つ、例えば最初に読み取られる位置に存在するコード付トンボ82aなどに保持されていても良い。
加工用画像印刷システム20は、コード付トンボ82a中の次コード座標データによって順番にコード付トンボ82aを加工システム50に読み取らせるので、コード付トンボ82aの読み取りが一巡することによって、記録媒体70上の全てのコード付トンボ82aを読み取ったことを加工システム50に認識させることができる。
なお、加工用画像印刷システム20は、記録媒体70上の全てのコード付トンボ82aを読み取ったことを次コード座標データ以外の仕組みによって加工システム50に認識させるようになっていても良い。例えば、加工用画像印刷システム20は、コード付トンボ82a自身の識別情報を示すデータであるコード識別データと、記録媒体70上に含まれる全てのコード付トンボ82aの数を示すデータである全コード数データとをコード付トンボ82aに含めて記録媒体70に印刷することによって、記録媒体70上のコード付トンボ82aからコード識別データおよび全コード数データを加工システム50に読み取らせるようになっていても良い。加工システム50は、記録媒体70上のコード付トンボ82aからコード識別データおよび全コード数データを読み取り、全コード数データで示されているコード付トンボ82aの数と、記録媒体70上のコード付トンボ82aから読み取ったコード識別データの種類の数とが一致した時点で、記録媒体70上の全てのコード付トンボ82aを読み取ったことを認識することができる。ここで、全コード数データは、記録媒体70上に含まれる全てのコード付トンボ82aに保持されていても良いし、コード付トンボ82aの少なくとも1つ、例えば最初に読み取られる位置に存在するコード付トンボ82aなどに保持されていても良い。また、コード識別データは、自座標データなど、コード付トンボ82aに保持されているデータのうち、他のコード付トンボ82aと識別可能であるデータで兼用されても良い。
加工用画像印刷システム20は、コード付トンボ82a自身の識別情報を示すデータであるコード識別データをコード付トンボ82aに含めて記録媒体70に印刷するとともに、次コード座標データ、全コード座標データ、全トンボ座標データなどの座標データによって示される対象のコード付トンボ82aの座標と、このコード付トンボ82aのコード識別データとを対応付けるデータである座標ID対応データをコード付トンボ82aに含めて記録媒体70に印刷することによって、記録媒体70上のコード付トンボ82aからコード識別データおよび座標ID対応データを加工システム50に読み取らせるようになっていても良い。加工システム50は、記録媒体70上のコード付トンボ82aからコード識別データおよび座標ID対応データを読み取った場合、読み取った座標データによって示される座標を頼りに対象のコード付トンボ82aを探索したとき、この座標データに座標ID対応データによって対応付けられていたコード識別データと、対象のコード付トンボ82aから実際に読み取ったコード識別データとの一致によって、対象のコード付トンボ82aに間違いなく辿り着いたことを確認することができる。すなわち、加工システム50は、対象のコード付トンボ82aに近接している他のコード付トンボ82aと、対象のコード付トンボ82aとの一方を、他方であると誤判定することを防止することができる。これによって、加工用画像印刷システム20は、コード付トンボ82a同士の配置の間隔を近付けることができるので、コード付トンボ82a同士の間に設けられるスペースによって記録媒体70が無駄に消費されることを抑えることができる。また、加工用画像印刷システム20は、コード付トンボ82a同士の配置の間隔を近付けることができる場合、加工システム50による加工線データの補正の精度が高い必要がある箇所に、多数のコード付トンボ82aを密接して配置することができる。なお、コード識別データは、自座標データなど、コード付トンボ82aに保持されているデータのうち、他のコード付トンボ82aと識別可能であるデータで兼用されても良い。また、座標ID対応データは、記録媒体70に印刷されているのではなく、PC30から読み出されるようになっていても良い。
加工用画像生成部35aは、図4に示す例においては1個の画像81に対してトンボ82を付与しているが、例えば図12に示すように、複数の画像81の纏まりに対してトンボ82を付与しても良い。図12に示す例において、全てのトンボ82は、コード付トンボ82aである。
また、加工用画像生成部35aは、図4に示す例においては1個の画像81のみを含んでいる加工用画像80を生成しているが、例えば図13に示すように、画像81の複数の群を含んでいる加工用画像80を生成しても良い。図13に示す例において、全てのトンボ82は、コード付トンボ82aである。
図13に示す加工用画像80において、12個のトンボ82は、図中右上の画像81を取り囲む4個のトンボ82から構成される群と、図中左上の画像81を取り囲む4個のトンボ82から構成される群と、図中下部の2個の画像81を取り囲む4個のトンボ82から構成される群との合計3個の群に分けられている。加工用画像印刷システム20は、複数の群のコード付トンボ82aが記録媒体70上に散在している場合であっても、コード付トンボ82aに保持されている群識別データに基づいて、それぞれのコード付トンボ82aが属する群を加工システム50に判別させることができる。したがって、加工用画像印刷システム20は、例えば、1枚の記録媒体70に印刷されている各群の画像81に対して異なる加工用データ34cを加工システム50に適用させることができる。
また、加工用画像生成部35aは、図4に示す例においては全てのトンボ82がコード付トンボ82aである加工用画像80を生成しているが、例えば図14に示すように、コード付トンボ82aではないトンボ82を含んでいる加工用画像80を生成しても良い。図14に示す例において、画像81を取り囲む4個のトンボ82のうち図中左上のトンボ以外のトンボは、コード付トンボ82aではないトンボである。
なお、PC30は、本実施の形態において、加工装置によって加工時に同時に基準とされる一式のトンボ82として、4個のトンボ82を採用しているので、4個のトンボ82によって加工時の補正を高精度に実行することができる。しかしながら、PC30は、加工装置によって加工時に同時に基準とされる一式のトンボ82として、4個以外の数のトンボ82を採用することもできる。例えば、PC30は、加工装置によって加工時に同時に基準とされる一式のトンボ82として、2個のトンボ82、または、3個のトンボ82を採用することもできる。
また、PC30は、本実施の形態において、加工装置によって加工時に同時に基準とされる一式のトンボ82として、長方形の領域を構成する4個のトンボ82を採用しているが、加工装置によって加工時に同時に基準とされる一式のトンボ82として、長方形以外の形状の領域を構成する複数のトンボ82を採用しても良い。例えば、加工用画像生成部35aは、加工装置によって加工時に同時に基準とされる一式のトンボ82として、図15に示すようなトンボ82を含んでいる加工用画像80を生成しても良い。
インクジェットプリンター40は、本実施の形態において、図3に示すように、主走査方向に移動しない記録媒体70に対してキャリッジ41bによって主走査方向に記録ヘッド41cを移動させることによって記録ヘッド41cによる主走査方向の印刷を実行させ、副走査方向に移動しない記録ヘッド41cに対して副走査方向に記録媒体70を搬送することによって記録媒体70に対する記録ヘッド41cの副走査方向における位置を主走査方向の印刷の終了の度に変更する方式のプリンターである。しかしながら、インクジェットプリンター40は、本実施の形態における方式以外の方式のプリンターであっても良い。例えば、本発明のプリンターは、テーブルに載置されて移動しない記録媒体70に対してキャリッジ41bによって主走査方向に記録ヘッド41cを移動させることによって記録ヘッド41cによる主走査方向の印刷を実行させ、記録媒体70が載置されているテーブルに対して副走査方向に本体41を移動させることによって記録媒体70に対する記録ヘッド41cの副走査方向における位置を主走査方向の印刷の終了の度に変更する方式のインクジェットプリンターであっても良い。
カッティングプロッター60は、本実施の形態において、図5に示すように、主走査方向に移動しない記録媒体70に対してキャリッジ61bによって主走査方向に加工具61dを移動させるとともに、副走査方向に移動しない加工具61dに対して副走査方向に記録媒体70を搬送することによって、記録媒体70に対して主走査方向および副走査方向に加工位置を変えながら加工を実行する方式の加工装置である。しかしながら、カッティングプロッター60は、本実施の形態における方式以外の方式の加工装置であっても良い。例えば、カッティングプロッター60は、テーブルに載置されて移動しない記録媒体70に対してキャリッジ61bによって主走査方向に加工具61dを移動させるとともに、記録媒体70が載置されているテーブルに対して副走査方向に本体61を移動させることによって、記録媒体70に対して主走査方向および副走査方向に加工位置を変えながら加工を実行する方式の加工装置であっても良い。この方式の加工装置である場合、記録媒体70が任意の向きでテーブルに載置される可能性があるが、加工装置は、記録媒体70がテーブル上に何れの向きで載置されていても、向きの認識が可能であるQRコードの性質によって適切に加工を実行することができるので、テーブル上における記録媒体70の向きの調整などの利用者による作業負担を軽減することができる。また、この方式の加工装置である場合、加工装置は、テーブルに載置された記録媒体70中の全てのQRコードを一度に読み取ることが可能である位置にCCDカメラを配置するようになっていても良い。
PC30およびインクジェットプリンター40を接続するネットワークと、PC30およびカッティングプロッター60を接続するネットワークとは、本実施の形態において同一のネットワーク11であるが、別々のネットワークであっても良い。
インクジェットプリンター40を制御するコンピューターと、カッティングプロッター60を制御するコンピューターとは、本実施の形態において同一のPC30であるが、別々のコンピューターであっても良い。
インクジェットプリンター40を制御するコンピューターであるPC30と、インクジェットプリンター40とは、本実施の形態において別々の装置である。しかしながら、インクジェットプリンター40を制御するコンピューターと、インクジェットプリンター40とは、一体の装置であっても良い。
カッティングプロッター60を制御するコンピューターであるPC30と、カッティングプロッター60とは、本実施の形態において別々の装置である。しかしながら、カッティングプロッター60を制御するコンピューターと、カッティングプロッター60とは、一体の装置であっても良い。
なお、カッティングプロッター60によって読み出される加工用データ34cは、PC30ではなく、例えばインターネット上に配置されたサーバーに格納されていても良い。カッティングプロッター60によって読み出される加工用データ34cがサーバーに格納されている場合、このサーバーが本発明の加工用データ記憶部を構成する。
インクジェットプリンター40と、カッティングプロッター60とは、本実施の形態において別々の装置であるが、印刷の機能と、加工の機能とを両方備えた同一の印刷加工装置であっても良い。このような印刷加工装置であったとしても、例えば、印刷加工装置によって記録媒体70に印刷を実行した後、この印刷加工装置以外のラミネート装置によって記録媒体70にラミネートを実行し、その後、再び元の印刷加工装置によって記録媒体70に加工を実行する場合など、同一の印刷加工装置によって印刷の直後に連続して加工を実行しない場合には、印刷装置と、加工装置とが別々の装置である場合と同様に、本発明の効果は大きい。
加工用画像印刷システム20は、データの高速な読み取りが可能であるQRコードがコード付トンボ82aである図形コードとして採用されているので、図形コードからデータを加工システム50に高速に読み取らせることができる。
また、加工用画像印刷システム20は、3箇所に設けられた切り出しシンボルによって向きの認識が可能であるQRコードがコード付トンボ82aである図形コードとして採用されているので、加工システム50によって図形コードが読み取られた場合に、この図形コードの向きに基づいて加工システム50に他の図形コードを容易に探索させることができる。
また、加工用画像印刷システム20は、3箇所に設けられた切り出しシンボルによって向きの認識が可能であるQRコードがコード付トンボ82aである図形コードとして採用されているので、加工システム50による記録媒体70の加工の際に、加工システム50に記録媒体70が利用者によって特定の方向にセットされる必要をなくすことができる。したがって、加工用画像印刷システム20は、加工システム50による記録媒体70の加工の際に、加工システム50に記録媒体70が利用者によってセットされる方向に起因する加工の失敗を抑えることができる。
また、加工用画像印刷システム20は、読み取ったデータの誤り訂正の機能を有するQRコードがコード付トンボ82aである図形コードとして採用されているので、加工システム50によって図形コードが読み取られる際に、記録媒体70のうち図形コードが印刷されている部分が多少汚れていたとしても、図形コードからデータを加工システム50に正確に読み取らせることができる。
なお、加工用画像印刷システム20は、コード付トンボ82aである図形コードがQRコード以外の2次元コード、例えば、CPコード(登録商標)、SPコード(登録商標)などの2次元コードであっても良い。
加工用画像印刷システム20は、コード付トンボ82aである図形コードがQRコード以外の2次元コードである場合であっても、1次元コードよりも高密度にデータを保持することができる2次元コードが図形コードとして採用されているので、コード付トンボ82aである図形コードが1次元コードである場合と比較して、コード付トンボ82a以外の図形コード、すなわち、データを保持する機能のみを有する図形コードを記録媒体70上に印刷する必要性を低減することができる。したがって、加工用画像印刷システム20は、データを保持する機能のみを有する図形コードの印刷によって記録媒体70が無駄に消費されることを抑えることができる。
加工用画像印刷システム20は、コード付トンボ82aである図形コードがQRコード以外の2次元コードである場合であっても、コード付トンボ82aである図形コードがQRコードである場合と同様に、向きの認識が可能であったり、読み取ったデータの誤り訂正の機能を有していたりする2次元コードが図形コードであることが好ましい。
なお、加工用画像印刷システム20は、コード付トンボ82aである図形コードが2次元コード以外の図形コード、例えば1次元コードであっても良い。
カッティングプロッター60は、記録媒体70に印刷されているトンボ82を読み取るカメラとしてCCDカメラ61cを備えているが、記録媒体70に印刷されているトンボ82を読み取るカメラとして、CCDカメラ61cに代えて、CCDカメラ以外のカメラを備えていても良い。例えば、カッティングプロッター60は、記録媒体70に印刷されているトンボ82を読み取るカメラとしてCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラを備えていても良い。