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JP5963677B2 - 発電プラントの熱効率を最大化するシステム及び方法 - Google Patents
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JP5963677B2 - 発電プラントの熱効率を最大化するシステム及び方法 - Google Patents

発電プラントの熱効率を最大化するシステム及び方法 Download PDF

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Description

実験結果は、火力発電プラントのリアルタイムの調整により熱効率の著しい増加が実現可能であることを示している。独立した測定パラメータ群に関して、プラントの熱効率ηの絶対最大値が系統的に得られるシステムを提供することは有用である。好ましくは、オペレータ又はエンジニアが、「変数」とも言われるパラメータを得て、操作面、安全面、構造面及び環境面での制限条件に従い操作を行う。その技術は、概念的には如何なるタイプのエネルギー変換プラントにも適用可能であり、特には火力発電プラントに適用される。火力発電プラントには、蒸気タービンや複合サイクル、コージェネレーション発電プラント、ディーゼルサイクル、原子力が含まれるが、これらに制限されるものではない。
発電プラントの熱効率を最大化することに寄与する、すなわち公衆に対して少なくとも有用な選択肢を提供することが、本発明の目的である。
一実施形態において、本発明は、発電プラントの熱効率を最大化する方法を具え、該方法は、
利用可能な測定データから現在のプラント状態を得ることと、
該現在のプラント状態を表す一群の変数を得ることと、
該変数に一群の制限条件を適用することと、
少なくとも部分的には次の
オイラーの方程式、
質量保存方程式
及び可逆連続体の数学的記述
に基づき、修正したプラント状態を表す、修正した一群の変数を発生させることと、
数学的モデルの中で修正した該一群の変数の収束判定をすることと、を具える。
好ましくは、前記可逆連続体の数学的記述が、
可逆エネルギー保存方程式
及び熱力学的状態方程式
を具える。
好ましくは、前記可逆連続体の数学的記述が、
測地線方程式

を具える。
好ましくは、前記方法が、修正した一群の変数を発生させ該修正した一群の変数を前記数学的モデルの中で判定するステップを、該修正した一群の各変数が該各変数の閾値未満となるまで繰り返すことをさらに具える。
好ましくは、前記修正した一群の変数を発生させることが、少なくとも部分的には次式

に基づく。
好ましくは、前記修正した一群の変数を発生させることが、少なくとも部分的には次式

に基づく。
好ましくは、前記修正した一群の変数を発生させることが、少なくとも部分的には次式
に基づく。
好ましくは、前記修正した一群の変数の収束判定をすることが、
初期状態Aentにおける発電プラントの各可逆連続体の運動エネルギーを計算することと、
これに続く状態Aexにおける発電プラントの各可逆連続体の運動エネルギーを計算することと、
exにおける運動エネルギーとAentにおける運動エネルギーの差を計算することと、を含む。
好ましくは、前記修正した一群の変数の収束判定をすることが、個々に計算したAexにおける運動エネルギーとAentにおける運動エネルギーとの差の合計を最小にすることを含む。
好ましくは、一以上の計算した前記運動エネルギーの差を、次の正規化された式
により決定する。
別の実施形態において、本発明は、プロセッサによる実行時に、上記方法のいずれかをプロセッサに実行させる、コンピュータ実行可能命令を保存するコンピュータ可読媒体を具える。
別の実施形態において、本発明は、発電プラントの熱効率を最大化するシステムを具え、該システムは、
現在のプラント状態を表す一群の変数に一群の制限条件を適用するように設定した最小化機能と、
少なくとも部分的には次の
オイラーの方程式、
質量保存方程式
及び可逆連続体の数学的記述
に基づき、修正したプラント状態を表す、修正した一群の変数を発生させるように設定したソルバーと、
該修正した一群の変数の収束判定をするように設定した収束判定機能と、を具える。
好ましくは、前記可逆連続体の数学的記述が、
可逆エネルギー保存方程式
及び熱力学的状態方程式
を具える。
好ましくは、前記可逆連続体の数学的記述が、
測地線方程式
を具える。
好ましくは、前記ソルバーが、修正した一群の変数を発生させ該修正した一群の変数を前記数学的モデルの中で判定するステップを、該修正した一群の各変数が該各変数の閾値未満となるまで繰り返すよう設定される。
好ましくは、前記修正した一群の変数を発生させることが、少なくとも部分的には次式
に基づく。
好ましくは、前記修正した一群の変数を発生させることが、少なくとも部分的には次式
に基づく。
好ましくは、前記修正した一群の変数を発生させることが、少なくとも部分的には次式
に基づく。
好ましくは、修正した一群の変数の収束判定をするよう設定された前記収束判定機能が、
初期状態Aentにおける発電プラントの各可逆連続体の運動エネルギーを計算することと、
これに続く状態Aexにおける発電プラントの各可逆連続体の運動エネルギーを計算することと、
exにおける運動エネルギーとAentにおける運動エネルギーの差を計算することと、を含む。
好ましくは、前記修正した一群の変数の収束判定をすることが、個々に計算したAexにおける運動エネルギーとAentにおける運動エネルギーとの差の合計を最小にすることを含む。
好ましくは、一以上の計算した前記運動エネルギーの差を、次の正規化された式
により決定する。
この明細書及び特許請求の範囲で使用している「〜を具えている」という用語は、「少なくとも一部が〜から成る」ということを意味している。つまり、本明細書及び特許請求の範囲の上記用語を含む諸記載を解釈する場合、各記載において該用語の後にくる上記「〜」に相当する諸特徴は全て存在する必要があるが、それ以外の特徴も存在してよい。「〜を具える」や「〜を具えた」のような関連用語も同様に解釈されたい。
本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、「及び」、「又は」、その両方のいずれかを意味する。
本明細書の基になっている英文明細書で使用される名詞に続く「s」は、名詞の複数形及び/又は単数形を意味する。
本発明は、本出願の明細書で言及又は示唆した部分、要素及び特徴の個々もしくは集合に、また該部分、要素及び特徴の二つ以上の組み合わせのいくつか又は全てに存在していること、本発明では特定の整数に言及しているがこれらの整数には本発明に関連する技術において周知の同等物があること、それらの同等物は本件明細書に個々記載があるかのように本件明細書に組み込まれること、について広義に解釈されたい。
熱効率を最大化する技術の好ましい形態を示す。 熱効率を最大化する技術の一実施例を示す。 好ましいコンピュータデバイスの形態を示す。 第1の実験結果を示す。 第2の実験結果を示す。
タービンプラントでは、熱消費率と言われる逆数:HRT=1/ηが使用される。HRTの単位は、kWh/kJ又はkJ/kJである。
以下の技術は、これら両方のパターンに適用することを意図するものである。
図1は、熱効率を最大化する技術の好ましい形態を示す。システム100は、一つのサイクルを何度も繰り返して機能する。入力として、物理的な発電プラント100における実際の現在の状態105が必要である。データ取得システム115が、利用可能な測定データを取得する。従来の質量及びエネルギーの平衡計算120を実行する。その意図するところは、質量流量率、温度、圧力及び化学組成に関する実質的に全ての有意な切り口の情報を把握することにある。このようにして、現在のプラント状態を、利用可能な測定データより取得する。実際のプラント状態は、プラント全体の関連する全ての熱力学的特性から構成される。最初のサイクルの開始時に、この実際のプラント状態がソルバー125に送られる。初期制御設定、つまり変数130には、温度、圧力及び流量が含まれる。これらは、通常、ユーザーにより決定され、ユーザーが変数をどうすべきか決定する。各々の変数の設定は、制限条件135に従う。これらの制限条件135が最小化機能140に送られ、それからソルバー125に送られる。
ソルバー125は、少なくとも部分的に、数学的モデル150から数値解145を出力する。ソルバー125を使用して目的関数155の値を得て、それから収束判定機能160によりその値が収束基準を満たすか否かについて判定する。判定機能160では、j回目(すなわち現在)の繰り返しにおける目的関数155の値が、j−1回目の繰り返しにおける値と「十分に近い」かを判定する。「はい」の場合、収束基準を満足しており、アルゴリズムによりプラントの効率を最大化する変数の値が表示される。そうでなければ、これらは最小化機能140に戻され、j回目の変数群がソルバー125へ送られる。それから、ソルバー125は、j回目の数値解145を目的関数155に送り、そのプロセスが繰り返される。
また、システム100で得た変数の最終的な値をプラント制御システムに送り、全自動でηを最大化することもできる。
システム100は、さらにシミュレータ165を有する。何回目かの繰り返し、例えばj回目の繰り返しにおいて、ソルバー125が与える数値解が、j回目の変数群により決定される実際のプラント状態と等価であることを示すことができる。その変数は、独立して変化し得るプラントパラメータのみである。それ故、最小化機能140によって得られる変数の全ての組み合わせに対して、実際のプラント状態を一覧表にすることができる(もちろん、これは多次元の表である。)。さらに、そのループから最小化機能140を除外し、変数の任意の組み合わせのいくつかについて、前記の表を得ることができる。いずれにしても、任意の一群の変数の値に関し、その表よりそれと等価な実際のプラント状態が得られる。そのような表が、標準的に定義されるシミュレータである。変数の値を変えると、シミュレータがプラント状態を予測する。
どんなに複雑であっても、プラントは、不連続部として知られる境界によって分離された有限数の連続体により構成される。そのような系は、半連続と称される。発電プラントにおいて、これらの連続体とは、流体力学の法則に支配される動作流体の流れを指す。これらのうち、最も基本となるのが、モーメント、質量、エネルギー、エントロピー及び電荷の平衡である。これらのうち、最後のものは、以下で述べる本技術ではさして重要ではない。これらの平衡関係は、積分形及び微分形の両方で表すことができる。質量、エネルギー及びモーメントの平衡に関する微分方程式は、常に、保存則で示す発散の形で表すことができる。その名前は、その平衡関係の積分形が発散のために打ち消される面積分であることに由来する。これは、より単純に「何が流入し、何が流出したか」というように置き換えることができる。次にどうするかが重要であるため、例えば、一般的なモーメントの平衡について考える。
(2)
上記の偏微分方程式(PDEs)の系は、不確定である。構成(又は現象)方程式が、これらのPDEsを補完する。それらが従う基本的な構成係数及び対称性は周知である。現象係数の数値は通常知られていない。最も重要なものについては、経験値が一覧表にされているが、標準となるものではない。現象係数が存在すると仮定すれば、保存則とは異なるエントロピーの平衡方程式により、どちらの方法をとることも可能となる。
図1を参照すると、数学的モデル150は、オイラーの方程式、質量保存則、及び、熱力学的な計量における熱力学的測地線(TGF)方程式か直接的な可逆エネルギー保存(REC)方程式のどちらかを具える。この数学的モデルは、正確に、可逆性の流れを表す。TGFかRECのどちらかを使用することができる。TGFとRECの二つの方程式は、ここで述べる本技術では、等価なものである。また、REC又はTGFの“異種形”という表現が最適な他の方程式を使用することもできる。数学的モデル150の数値解は、実際のプラントの可逆相当物の正確な状態を表す。プラント所定の熱力学的境界条件が満たされた場合、実際のプラントの可逆相当物の電気出力は可能な最大値を取る。実際の電力が制限条件となる。その意図するところは、損失が単純に可逆性の電力から実際の電力を引いたものであるので、変数を操作することによって可逆性の電力を最小化することにある。
シミュレータ165では、異なる変数群について、ソルバー125の数値出力を一覧表にする。これらの表があることは、実際のプラント状態を予測できることと同義である。連続流体−流動の多くのモデルの全てが、経験則により得られた2つの現象係数に依存するナビエ−ストークスの方程式(およびモーメント平衡)を必要とし、またその解法が更なる特別な仮定を伴うことを考えれば、これは驚くべきことである。これらの方程式は、コンピュータリソースにとって負担が重く、可解でないことさえあり、プラント全体について積分することは非常に難しい。これが、現在、発電プラントにおいて効率が最大化されない主な原因となっている。
また、本技術では、連続体の端部(つまりAent、Aex)のみではあるが、可逆性の流れの数学的モデルを介し、実際の連続体のパラメータを正確に予測する。端部のみなのは、単純化の代償である。しかしながら、発電プラントの技術者によってその特性を測定可能なのはこれらのパラメータのみである。
発電プラントのサブプロセスとして、蒸気タービンについて考える。それは、単一の連続体とみなすことができる。プロセスにおけるクラウジウスの観念にあたる順序対は、タービンの蒸気の流入及び流出時の断面状態(Aentex)である。
所定の最終状態を条件とする相互作用により可能な最大の仕事の大きさが、可逆性のプロセスによって得られ、その可逆性のプロセスは、カルノーヒートポンプを運転するためその電力の一部を転用する、等エントロピータービンとなり得る。一方、該カルノーヒートポンプは、貯水池(環境)から熱を取り出すことによって実際のタービンのAentex(終点)の状態を維持している。
等エントロピータービン、カルノーヒートポンプ及び貯水池におけるエントロピーの増加率の総計は0となる。それ故、そのプロセスは可逆性を有する。言い換えれば、実際のタービンは、等エントロピータービンに熱力学的状態Aent、Aexの維持を補償するカルノーヒートポンプを加えたものに置換することができる。
これらの技術では、連続体に対し前記の原理を適用している。総論としては、全ての所定の(不可逆)連続体について、最大の仕事が得られる可逆連続体が存在しており、結果として元々の連続体の境界における熱力学的特性の値が維持されることとなる。ここでは、そのような実際の不可逆連続体を可逆連続体に置換することを、ここでは「可逆マスキング」と言うことにする。
これらの技術により、逆もまた真、つまり可逆連続体から元々の連続体に戻すことが確立される。それは、可逆性のものを予測することから、実際のものを予測することに転換することであり、これによりシミュレータ165の機能が有効となる。
数学的モデル150は、プラントの規模やその他(プラントの構成要素)の性質、経験則による一覧データに関する予備知識を一切必要としない(動作流体の熱力学的特性h、s、vを除く)。そのモデルは特別な仮定も不要であり、それ故、精度が高い。同じ数学的モデルを単独で使用し、動的状態及び定常状態の両方について、仕事を最大化する以外のプラントパラメータの変化を予測することも可能である。
そのモデルは、高速で、コンピュータリソース上で軽快に動作し、汎用となる可能性を有している。その数学的モデルの成功の鍵は、以下に示すようなオイラーのモーメントの平衡方程式への拡張にある。
この拡張は、環境のような外部の系に関係しない、可逆プロセス(REC)におけるエネルギー保存方程式に適用される。以下に述べる技術では、いくつかのそのように拡張した方程式を含んでいるが、すべて等価なものである。
完全に良設定されたPDEs系を以下に示す。可逆性の流れについて、せん断応力要素τijは0となり、それ故、(2)式はオイラーの方程式に帰する。
(4)
プラントの運転においては、積分エネルギーと質量平衡のみにより定常状態に関連する全ての質量流量率を計算できるよう計器測定が行われる。これは、熱効率モニタリングが定常状態(発電プラントは通常、定常状態である)において最も重要だからである。計器類のコストを最小化するため、メーカーは、基本的な連続体は円柱対称性であり、それ故、実質的に一次元となると仮定して、測定計器を発電プラントに配置する。例えば、通常、タービンの主蒸気吸気管と排気管にはそれぞれ1個の温度計があり、この単一の温度計が断面の温度分布を表すと暗に仮定している。
一次のODEsである(12、14、15)式について、Aent(x=-1)での初期条件であるP(x0),T(x0),g(x0),ρ(x0),ρk(x0),μk(x0)を変化させることにより、関数P(x),T(x),g(x),ρ(x),ρk(x),μk(x)の他に、μ(x)についても新たな値が得られる。特には、Aex(x=1)での値が得られる。これらの予測が、1dでの可逆連続体の数学的モデルの核心である。
それ故、完全にマスキングした(可逆性)プラントの状態は、独立変数の値により決定されることになる。また、その独立変数の値により、プラントの連続体の端部であるAentの初期条件が決定される。
連続体の端部でその数学的モデルを解くことによりそのAexの状態が得られ、これが今度は次につながる連続体の状態となり、これが、プラントを構成する全ての連続体について関数P(x),T(x),g(x),ρ(x),ρk(x),μk(x),μ(x)が既知となるまで繰り返される。つまり、完全にマスキングした(可逆性)プラントの状態が推定される。その流れの中に1つも連続体を含まないということが起きた場合は、より多くの独立変数があるか、もしくは除外した連続体群が変数とは関係がないかのどちらかである。
数学的モデルから予測されるように、独立変数の変化によって可逆性プラントの新しい状態が得られることとなる。図1に示したループを繰り返す毎に、仕事の値が最大となる可逆性プラントの新たな状態が得られ、目的関数は最小化される。
ηを最大化するという目的は、プラントでの全てのエクセルギー損失の合計を最小にすることと同義である。これらの技術では、仕事の最大化、つまり電力の最大化といったより根源的な概念に焦点を合わせている。損失の定義するところは、失われた仕事、言い換えれば、最大電力(可逆プラントで配送される仕事率と等価である)と実際の電気出力との差となる。後者すなわち実際の電気出力は予め決まっているので、可逆な仕事を最小化することで損失が最小となる。
マスキングした(可逆)連続体により送られる仕事、つまり可逆な仕事の最大の仕事率は、その連続体のAentとAexにおける運動エネルギーの差である。それは次式により表される。
(16)
ここで、足し合わせは全ての連続体についてなされ、その総和によりプラント全体の可逆な仕事が得られる。この和が、最小化されるべき目的関数であり、与えられた電気負荷に対して、操作面、環境面での制限に従い、プラントの燃料流量率の最小化が図られる。
上記した技術及びシステムは、2つの主要部分からなる。
1.実際のプラントの可逆性化により与えられた運動エネルギー率である、最小化のための目的関数。この最小化は、熱力学的損失の最小化と同義である。
2.プラントの少なくとも1つの部分での損失の変化が該プラントの他の部分にどのような影響を及ぼすかを正確に決定する、精密な数学的モデル。そのような変化を、今度は「変数」を操作することによって生じさせることができる。モデルの正確さは、オイラーの方程式を拡張した、可逆エネルギー保存方程式又は熱力学的測地線方程式により促進される。実際のプラントと同じ各断面での同じ熱力学的数値を仮定するのは、本質的に数学的モデルである。
予め組み込んだ制限条件と組み合わせた数学的モデルの正確さにより、ηを最大化する変数に関するシステム実行値を実際のシステムの実行で得られることが保証される。
方程式が可逆過程に相当するものであっても、数学的モデルは現実のプラントを実際に模擬することができる。動作流体の熱力学的特性に関するデータ以外、特別な仮定や経験的に得られた表形式のデータを必要としない。そのモデルは、高速で、コンピュータリソースにおいて軽快に動作し、汎用性を有する。
図2は、上述した技術の一実施例200を示すものである。発電プラント205は、任意の一以上の蒸気タービン、複合サイクル、コージェネレーション発電プラント、ディーゼルサイクル、原子力を含む。
プラント205は、プラントアーカイブ210を具える。プラントアーカイブは、コンピュータメモリ又は二次記憶装置の中で維持される。プラントアーカイブは、プラント205のいくつか又は全ての構成要素について時刻情報付き熱効率データを有する。プラントアーカイブ210を使用して、現在のプラント状態を決定する。
サーバー構成215にて、図1のソルバー125で機能する上述の関数を実行する。サーバー構成215には、例えば、少なくとも表示装置、プロセッサ、コンピュータメモリ及びコンピュータネットワークコンポーネントが含まれる。
熱効率の分析結果を、サーバー構成215に具わる表示装置に表示することができる。その結果は、データネットワーク220を介して、オペレータにより操作される1以上のクライアント用制御演算装置225に送信される。その結果を、クライアント用制御演算装置225に具わる表示装置に表示することができる。そのデータは、具え付けのプリンタでプリントアウトすることも、具え付けの二次記憶装置にデータファイルとして保存することも可能である。
システム200の別の実施形態では、データをプラントアーカイブ210からサーバー構成215に送信する。それから、サーバー215は、決定された収束計算に基づき、プラント205のパラメータを自動的に調整する。
図3は、コンピュータデバイス300の形態例に関する機器の簡易ブロック図を示している。サーバー構成215は、コンピュータデバイス300の一例である。一実施形態では、サーバー構成215は、ネットワーク接続を有する独立したコンピュータデバイスとして機能し、該ネットワーク接続を介してクライアントの計器の現在値を入手できる。サーバー構成215は、デバイス300自体に、またネットワーク経由で他のクライアントに新たな推奨設定値を通知する。別の実施形態では、上述した技術が、完全にプラント205に具わる制御システムコンピュータデバイス内部で実行される。
コンピュータ実行可能命令の複数の組がデバイス300で実行され、デバイス300が上述した方法を実行することになる。好ましくは、コンピュータデバイス300は他のデバイスと接続する。そのデバイスが他のデバイスとネットワーク接続する場合、そのデバイスは、サーバー−クライアント間のネットワーク環境におけるサーバー又はクライアントの機器の処理能力範囲で動作するように設定される。あるいは、そのデバイスは、ピアツーピア又は分散するネットワーク環境におけるピア機器として、動作することもできる。また、そのデバイスは、その機器の取るべき動作を指示する一群の命令を実行できる他の機器を有してもよい。これらの命令は、順次的でも別な指示方法であってもよい。
図3には、単一のデバイス300を示している。また、「コンピュータデバイス」という用語には、一以上の上述した方法を実行する一群以上の命令を、個々に又は共に実行する機器の任意の集合体が含まれる。
コンピュータデバイス300の例では、プロセッサ302を有する。プロセッサの例としては、中央処理装置つまりCPUがある。さらに、そのデバイスはメインシステムメモリ304及びスタティックメモリ306を有する。プロセッサ302、メインシステムメモリ304及びスタティックメモリ306は、データバス308を介して、相互に通信する。
さらに、コンピュータデバイス300は、データ入力装置310を有する。一実施形態では、データ入力装置にはコンピュータキーボードが含まれる。デバイス310には、物理的なキーボード、及び/又は、例えば表示装置312に表示されるようなタッチセンサー式のキーボード表示の両方が含まれる。
また、コンピュータデバイス300は、読取ユニット314、ネットワークインターフェイスデバイス316、表示装置312、光学式メディアドライブ318、カーソル制御装置320及び信号発生装置322を有してもよい。
読取ユニット314は、例えばコンピュータソフトウェア326といった、一群以上の命令やデータ構造を保存した機械可読媒体324を受け入れることができる。ソフトウェア326は、一以上の上述した方法又は関数を使用する。読取ユニット314には、ディスクドライブ及び/又はUSBポートが含まれる。これらの場合、機械可読媒体には、フロッピーディスク及びUSBメモリのような静的記憶装置も含まれる。光学式メディアドライブ318を使用する場合、機械可読媒体にはCD−ROMも含まれる。
また、ソフトウェア326は、コンピュータデバイス300による実行中、完全に又は少なくとも部分的に、メインシステムメモリ304及び/又はプロセッサ302の中に存在してよい。この場合、メインメモリ304及びプロセッサ302が、機械可読な記憶媒体を明確に構成する。さらに、ネットワークインターフェイスデバイス316を通し、ネットワーク328を介して、ソフトウェア326のデータを送信しても、受信してもよい。データ送信には、周知の転送プロトコルのうち、任意の一つを使用する。一つの例としては、ハイパーテキスト転送プロトコル(http)がある。
機械可読媒体324は、例とした実施形態では、単一媒体として示されている。しかしながら、この用語は、単一媒体又は複数媒体を含むものと解釈されたい。複数媒体の例には、集中型若しくは分散型データベース、及び/又は関連するキャッシュが含まれる。これらの複数媒体には、一以上のコンピュータが実行可能な命令群が保存される。「機械可読媒体」という用語は、機器によって実行される一群の命令を保存、エンコード、担持することができ、かつ一以上の上述した方法を機器に実行させるいずれの媒体も含むものと解釈されたい。また、機械可読媒体は、これらの命令群に使用する又は関連するデータ構造を保存、エンコード、担持することもできる。「機械可読媒体」という用語には、固体記憶装置、光学メディア、磁気メディア、搬送波信号が含まれる。
一実施形態では、ソフトウェアがコンピュータデバイス300のクライアント側でインストールされ、機能する。例えばデータ結果の提示やライセンスの認証のために現地外の中央サーバーと通信すべく、ネットワークインターフェイスデバイス316が必要となる。
システムがスタンドアロンモードで動作することができような場合には、ネットワークインターフェイスデバイス316及びネットワーク328は必要ない。このことは、データ結果を現地外の中央サーバーに全く提示しないことを意味している。
上述した技術について、通常の運転条件の発電プラントで試験を行った。発電プラントが一定の出力で運転する間、本発明により計器データを分析し、測定パラメータを操作するための新たな推奨設定値を計算した。それから、プラントオペレータが、プラントパラメータをこれらの新たな推奨設定値に調節し、熱効率の向上がなされるかを観察した。
図4は、2007年12月7日13:30〜21:00にハントリー発電プラントで行われた第1の実験結果を示すものである。
上述したシステムにより設定の変更が推奨され、オペレータは過熱防止装置流量、主蒸気温度、再加熱装置温度及びバーナー傾斜角の変更を求められた。15:50頃、オペレータによる介入が開始された。熱消費率は2%近く低下し、改善が見られた。
図5は、2008年5月16日18:00〜2008年5月17日04:00にハントリー発電プラントで行われた第2の実験結果を示すものである。
上述した技術は、過熱防止装置流量、主蒸気温度、再加熱装置温度及びバーナー傾斜角について、別の組み合わせとなる設定を推奨した。
オペレータが22:00に介入を開始し、熱消費率は1.5〜2%の改善が見られた。
上述した技術により、発電プラントの熱効率は変化することとなる。一実施形態では、プラントオペレータのようなユーザーが、プラントに対して上記方程式の計算結果を手動で適用する。これは、開ループ方式として知られている。あるいは、プラントに対してその変化をプラントに具わる制御システムにより自動的に適用する。これは、閉ループ方式として知られている。
先に述べたように、本発明はそれについて好ましい形態を含む。添付の特許請求の範囲にて定義するように、当業者にとって明らかな変更や改良は、これに関する発明の範囲に組み込まれることが意図されている。

Claims (3)

  1. 多数の測定パラメータを有する任意のエネルギー変換プラントを制御する、コンピュータにより実行される方法であって、
    該方法が、操作面、構造面、経済面および環境面での制限条件に従い操作可能で、変数と称されるプラントの複数の測定パラメータのサブセットに関して該プラントの熱効率を最大化し、
    前記コンピュータは、プラント制御システムのデータ取得システムから測定パラメータを読み込み且つ該制御システムに設定値として最大化変数値を書き込むという意味で該制御システムと一体である、つまり閉ループ最適化モードであるか、あるいは該データ取得システムから測定パラメータの読み込みのみを行い、プラントそのものを調整することにより又は設定値としてオペレータが前記最大化変数値を適用する、つまり開ループ最適化モードであり、
    前記方法が次の(1a)乃至(1k)に示す工程を含む方法。
    (1a)前記データ取得システムとのインターフェースを経て、又は手動で入力して読み込むことにより、測定される全ての関連のあるプラントの熱力学的特性群とその変数群サブセットを決定し、該変数群サブセットは独立して操作可能な測定パラメータを有する工程。
    (1b)工程(1a)による測定パラメータ及びこれに相当する熱力学的特性から、関連のある平衡方程式及び特別な式を用いて、エネルギー質量、エントロピー流、温度、圧力、分圧、分子数、液体流、気体流、電気入力及び電気出力、実速度ベクトル場を含む全ての関連のある熱力学的プラント特性により構成されるプラント状態を導き得る工程。
    (1c)工程(1b)で決定した前記プラント状態から、連続体力学に照らして、プラントを有限数の実際の不可逆物理連続体に分割する工程であって、その不可逆物理連続体は、実質的な仕事をしてもしなくともよく、また工程(1b)で規定したようなプラント状態を構成し且つ質量保存の条件を満足する測定・導出パラメータの不連続性に相当する工程。
    (1d)熱力学的座標及び時間を用いた熱力学的多様体から、空間及び時間座標を用いたガリレイ多様体の領域までについて、微分幾何学に照らし、工程(1c)で規定したような実際の各連続体の熱力学的計量における等角投影図を構築する工程。
    (1e)工程(1c)及びプラントの実際の設備の物理的な実配置より決定した物理的連続体への分割を使用して、インターフェース連結する物理的連続体としてプラントモデルを構築する工程であって、該物理的連続体は、グラフ理論に照らして、平面グラフに帰すグラフとして示され、そのグラフにおいて各境界はエッジ、各連続体はノードの役割を果たす工程。
    (1f)実際の連続体及び可逆連続体は上述の全工程において熱力学的特性の境界値が同じであり、さらに、その導関数が該境界および質量流量率において連続かつ等しくなるという制限条件に従い、分割した各々の実際の不可逆物理連続体を、仮想の対応する可逆連続体に変換する、すなわち実際の連続体に可逆マスキングを施す工程であって、従来の平衡方程式及び構成方程式の系に支配される分割した実際の不可逆連続体は、構成方程式は除かれるが、熱力学的計量における熱力学的測地線方程式(TGF)、または直接的な可逆エネルギー保存式(REC)のいずれかを含む微分方程式の系の支配を受ける分割した可逆マスキング置換体に変換され、この分割した可逆マスキング置換体は一意的に可逆連続体を表す工程。
    (1g)工程(1f)で得た分割した可逆マスキング置換方程式を、工程(1e)で構築したプラントモデルにマッピングすることにより等価な可逆仮想プラントを構成する工程であって、工程(1e)のグラフは維持される、つまり実際の不可逆連続体からなる実プラントの区分けあるいは分割が、グラフ理論に照らして、同じ結合行列を有する可逆マスキング置換方程式の区分けあるいは分割としてマッピングされる工程。
    (1h)可逆連続体の速度ベクトル場の観点から、現在のプラント状態に関して工程(1g)でマッピングされた方程式を解き、可逆連続体により定義される空間の範囲で解かれた値を保存する工程。
    (1i)各可逆マスキングの境界上において、工程(1h)に従い導出した速度ベクトル場から得た運動エネルギーの面積分により最小化される目的関数(損失と称される)を構築する工程であって、積分に境界での(1e)の数値に対する速度場、密度場を入力し、物質が可逆マスキングに流入、流出する境界間での運動エネルギーの差を出力し、全運動エネルギーの合計から実プラントにより送られた実際の仕事の増加分を減じる工程。
    (1j)可逆モデルを用いて工程(1g)で得られた方程式を使用してプラントのシミュレーションを行い、さらに工程(1i)で構成した損失の最小化に対応する、上記で定義した変数を決定するため、該シミュレーションにおいて制御設定値を調節し、結果として、予期した目的関数により、プラントの熱効率が最大化されることになる工程。
    (1k)工程(1i)により構築した目的関数を最小化する、工程(1j)により導出した変数を、実際のエネルギー変換プラントに適用する工程。
  2. 請求項1に記載の方法を実行するための装置であって、プラントの熱効率を制限条件下で最大化する手段を具え、
    該装置が、請求項1に記載の方法を実行するよう設定され、すなわち、利用可能な測定データから現在のプラント状態を得るように設定され、
    請求項1で定義した測定データの変数群サブセットを得て、該変数に一群の制限条件を適用し、少なくとも部分的には工程(1f)の可逆連続体の数学的モデルに基づき、修正した一群の変数の関数として、工程(1g)で定義した修正した可逆仮想プラントの状態を発生させ、さらに修正した一群の変数の収束判定をするよう設定され、
    該装置は次の(a)乃至(g)のモジュール及びデータフローを具える装置。
    a)データ取得システムを具えるインターフェーシングモジュールであって、請求項1の方法に従う手動入力により、請求項1の工程(1a)によるプラント全体にわたる関連する全ての測定された熱力学的特性群の初期値を決定し、その測定データ及び変数群サブセットが可読メディアモジュールへ入れられるモジュール。
    b)(a)モジュールに格納される工程(1a)による測定パラメータ及びこれと等価な熱力学的特性から、工程(1b)で定義するような初期のプラント状態を発生させるモジュール。
    c)少なくとも部分的には、質量保存のため、連続体に入って来る質量流入の境界諸面の各組み合わせを該連続体を出て行く質量流量の境界諸面の全ての組み合わせと照合して、工程(1c)に従い物理連続体への分割を構築するモジュールであって、結果として、各連続体は円柱対称性に帰し、さらにプラントはグラフ理論に照らして平面グラフとして示され、そこでインターフェース連結する物理連続体の各境界はエッジとしての役割を果たし、各連続体はノードとしての役割を果たし、さらに、得られたプラントモデルは、工程(1e)で定義したものとなるモジュール。
    d)最小化手順の一部となることが可能であり、その内部で、ソルバー、シミュレータ及び目的関数がこの順番でモジュール(c)のプラントモデル及び修正した変数群に適用される収束判定モジュールであって、次に閾値変動未満の変動に達したかどうか調べられ、もし収束していないと判定された場合には、シミュレータモジュールに格納された目的関数、変数及びプラント状態の修正した数値が次の最小化モジュールに入れられる収束判定モジュール。
    e)請求項1で定義した変数群の修正値を発生させる最小化モジュールであって、該修正値は前記ソルバーに入れられる最小化モジュール。
    f)さらにもう一つの修正したプラント状態及び可逆速度場を発生させ、工程(1i)で定義され請求項5により得られた修正した目的関数を判定し、修正した変数群が閾値未満となるかを収束判定モジュール(d)で判定し、(d)記載の収束判定を繰り返す手段。
    g)最適化による出力となるモジュール(f)で得られた変数の値を、請求項1に従い閉ループ最適化法又は開ループ最適化法により、エネルギー変換プラントに対して連続して物理的に適用し、必然的に、請求項1の工程(1i)で定義し目的関数を最小化させ、実際のプラントの熱効率を最大化させ、請求項1に照らした制限条件が所定の電気出力である場合、前記熱効率の最大化は燃料消費量が最小になるという形で明らかとなり、一方、燃料消費量が外部の制限条件として設定される場合、前記熱効率の最大化は電気出力が最大になるという形で明らかとなる手段。
  3. 請求項1に記載の方法であって、前記エネルギー変換プラントは発電プラントである方法。
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