JP5964012B2 - 表面処理重質炭酸カルシウム、その製造方法、及び該炭酸カルシウムを配合した樹脂組成物 - Google Patents
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Description
このため、樹脂との混練時に樹脂組成物中の水や低分子量(低沸点)の有機物が加熱により揮発し、シルバーストリークやガスマークが形成され、フィルム化を阻害したり、たとえフィルム化に成功しても得られる多孔性フィルムに形成されるボイドに異常に大きなボイドが混じったりする原因となる。
また、バイオプラスチック、PET、PEN等のポリエステル系樹脂は水分により加水分解を起こしやすい。一般的には樹脂組成物(コンパウンド)の水分は100ppm以下でないとガスマーク等の欠陥が問題となるとされている。
しかしながら、装置的にヘンシェルミキサーの撹拌熱で280 〜300 ℃にするのは困難であり、また、ジャケットにオイル媒体を通しても、シール部分が損傷しやすく装置の保守が困難であり、長期連続運転ができない。更に、この重質炭酸カルシウムをポリプロピレンに配合した応用物性ではシルバーマークは発生しないが、表面光沢及び耐衝撃性に劣り、満足しうる効果が得られていない。
本発明者等は、かかる実情に鑑み、炭酸カルシウムの内、粉砕や分級等の物理的手段で製造される重質炭酸カルシウムが比較的初期水分が小さいので低水分化には有利と考え、鋭意研究の結果、重質炭酸カルシウムを目的とするフィルムや接着剤に必要な粒度特性を示すように調整し、適切な加熱方法や加熱条件で乾燥して水分を低減し、さらに疎水化の表面処理を行って製造したフィラーが上記問題を解決できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
13,000≦A≦25,000 (1)
0.8 ≦B≦2.0 (2)
C≧0.55 (3)
0≦D1 ≦1000 (4)
但し、
A:空気透過法による比表面積(cm2/g )、
B:平均粒子径(μm)で、マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子の50%粒子径(d50)、
C:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒度分布の10%粒子径(μm)、
D1 :カールフィッシャー法(加熱気化法)により常温〜300℃の間で測定される水分(ppm )。
E≦8 (5)
0≦D2 ≦150 (6)
但し、
E:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒度分布の90%粒子径(μm)、
D2 :カールフィッシャー法(加熱気化法)により200〜300℃の間で測定される水分(ppm )。
8.0 ≦F≦9.8 (7)
但し、
F:10重量%水懸濁液にしたときのpH
更に、本発明の表面処理重質炭酸カルシウムは、低水分性であるため、バイオプラスチック、PETやPENのような加水分解しやすいポリエステル系の樹脂や、ガラス転移点が高く高温で混練する必要があるナイロン、ポリカーボネート等にエンジニアリングプラスチックと呼ばれる樹脂にも好適である。
13,000≦A≦25,000 (1)
0.8 ≦B≦2.0 (2)
C≧0.55 (3)
0≦D1 ≦1000 (4)
但し、
A:空気透過法による比表面積(cm2/g )、
B:平均粒子径(μm)で、マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子の50%粒子径(d50)、
C:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒度分布の10%粒子径(μm)、
D1 :カールフィッシャー法(加熱気化法)により常温〜300℃の間で測定される水分(ppm )。
比表面積Aが25,000cm2 /gを越えると分散性の点で好ましくなく、また、表面積が大きいので吸着水分も多くなる。13,000cm2 /g未満では、一次粒子が大き過ぎ、例えば電池用セパレータフィルムに配合された場合に目的以上の大きな空孔を作成するので、リチウム二次電池に使用される粒子としては適当ではない。また例えば、紙おむつ用通気性フィルムはコストダウン、環境保護、装着時の快適性の観点から年々フィルム厚が薄くなっているので、大きな一次粒子の存在により、フィッシュアイが発生する可能性があり、フィルムの耐水圧が低下するので好ましくない。
平均粒子径Bを0.8 μm未満にすることは技術上可能であるが、超微粉が多くなり、水分除去の点で不利であり、また樹脂中でも凝集した二次粒子のままで存在するため好ましくなく、平均粒子径Bが2.0 μmを越えると、例えば、紙おむつなど延伸して製造するフィルムには、フィルム中の開口部の孔径が大きくなりすぎ透湿フィルムとしては好ましくない。
ところで、超微粉の頻度を適切にするには、少なくとも1回は微粉カット工程を経て、比表面積を低下させた重質炭酸カルシウムを原料として、これを空気分級して粒度調整し、さらに表面処理して製造する方法が挙げられる。微粉カットにも空気分級が使用できる。微粉カット工程は、重質炭酸カルシウムの表面処理前に行うほうが、水分除去の面で有利であるが、表面処理工程後でも行うことができ、また、必要に応じて付け加えることもできる。
また、本発明に係る表面処理重質炭酸カルシウムは、カールフィッシャー法(加熱気化法)による200〜300℃の間で測定される水分D2 が、150ppm 以下であることが好ましく、より好ましくは100ppm 以下であり、更に好ましくは50ppm 以下である。水分D2が150ppmを上回る値であると、表面処理後に再吸湿しやすくなり、また、予備乾燥や混練時に機械的に除去するのが困難である。
(篩試験方法)
試料400gを2Lのステンレスビーカーに量り取り、800gの工業用メタノールを加えてスラリーとする。それを内径200mmの目開き38μmのJIS標準篩上に注ぎながら、刷毛で軽く混ぜ試料を通過させる。刷毛に付いた固形物も水を用いて洗い落し、篩通過液が完全に透明になるまで、刷毛を用いて軽く篩上を掃く。次に、内径75mmの目開き38μmのJIS標準篩に残物を移し、乾燥機(105℃)に30分以上放置する。その後、デシケーターで15分放冷した後、残物を薬包紙に取り篩残分を計算する。
本発明において加熱処理に使用する加熱装置としては、例えば、トンネルキルン、ローラハウスキルン、プッシャーキルン、シャトルキルン、台車昇降式キルン等のキルン、電気炉等が挙げられる。ロータリーキルンとしては、例えば、外熱式ロータリーキルン、内熱式ロータリーキルン、バッチ式ロータリーキルンが挙げられる。更に、これらの加熱装置にマイクロ波を組み合わせたマイクロ波炉等が挙げられる。好ましくは、コスト、作業性、熱履歴のムラを考慮するとロータリーキルンが好適であり、中でも好ましいのは外熱式ロータリーキルンである。内熱式ロータリーキルンは粉体の白色度を低下させる恐れがあり、バッチ式は後工程の表面処理を考慮すると効率が悪いためである。
これらの表面処理剤の中では、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の飽和脂肪酸が性能的にもコスト的にも好ましい。また、加水分解しやすいポリエチレンテレフタレートやバイオプラスチックのようなポリエステル系樹脂や混練温度の高い樹脂には、トリメチルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート等のリン酸エステルが好ましい。
なお、上記10重量%水懸濁液にしたときのpH値Fは、試料5gを45gのイオン交換水に投入し、十分に振とうして20分静置し、水懸濁液をpH 計にて測定した。
樹脂としては特に制限されず、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリアミド樹脂、バイオプラスチック、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ナイロン、フッ素樹脂等で樹脂組成物中に水分が多くなると強度劣化したり、耐久性が問題となる用途に適し、これら樹脂は単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。これらの樹脂の中でフィルム用としては、ポリオレフィン系樹脂、バイオプラスチックが好ましい。更に、バイオプラスチック、PETやPENのような加水分解しやすいポリエステル系の樹脂や、ガラス転移点が高く高温で混練する必要があるナイロン、ポリカーボネート等にエンジニアリングプラスチックと呼ばれる樹脂も好ましい。配合割合は、通常、樹脂100重量部に対して表面処理炭酸カルシウム2〜400重量部が好適である。
一液湿気硬化型ウレタン樹脂系接着剤は、分子の末端部分に合計2個以上の活性水素を有する通常分子量が100〜20000のポリオールと芳香族ポリイソシアネート類や脂肪族あるいは脂環族ポリイソシアネート類などのポリイソシアネート化合物との反応によって得られるウレタンプレポリマーと、ウレタンプレポリマーと、充填剤、ポリエチレン繊維やシリカなどの添加剤、希釈剤とからなる。
シリコーン樹脂系接着剤は、分子末端にアルコキシシリル基を持ち主鎖構造がアルキレン構造であるシリコーン系ポリマー、例えばトリアルコキシシリル基、アルキルジアルコキシシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基等の1種以上を分子末端に持ち、主鎖構造がエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンのような繰り返し単位のポリアルキレン構造を持つ数平均分子量が1000〜30000のポリマーが使用される。
変成シリコーン樹脂系接着剤は、加水分解性ケイ素官能基を末端に持つポリエーテル共重合体であり、硬化触媒の作用によって、末端が加水分解するともに末端同士が結合し、硬化するものであり、主鎖構造にはエーテル結合を有するものなどが採用される。具体例としてポリ(メチルジメトキシシリルエーテル)などが挙げられる。
変成シリコーン樹脂系接着剤の硬化触媒としては、公知のものが使用でき、例えばオクチル酸錫、ステアリン酸錫、ナフテン酸鉄、オクチル酸鉛などの有機カルボン酸塩、ジ−n−ブチル錫−ジラウレート、ジ−n−ブチル錫−ジフタレート 等の有機錫などを単独若しくは混合して採用できる。
なお、変成シリコーン樹脂単独でもよいし、エポキシ樹脂を併用することもできる。エポキシ樹脂を併用することにより接着剤の凝集力と硬度を付与できるため、接着層に要求される性能に対応した配合が決められればよい。エポキシ樹脂が併用される場合には、エポキシ樹脂の硬化剤である脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、ノルボルナンジアミン−エポキシアダクト体、親水性ケチミン或いは疎水性ケチミン等が採用される。
ポリサルファイド樹脂系接着剤は、末端に反応性メルカプト基を持つ重合体であり、分子量は200〜20000が好適で、当樹脂に充填材、可塑剤、反応調製剤、粘着性付与剤などの添加物が配合されて調製されたものが使用される。
本発明の表面処理重質炭酸カルシウムを、これら一液型湿気硬化性接着剤に配合する際に、表面処理炭酸カルシウムを予備乾燥せずに使用できるので作業性、コスト面で非常に有利である。
本発明の重質炭酸カルシウムの配合量は、必要に応じて調整されるが、これら一液型湿気硬化性接着剤100重量部に対して1〜300重量部が一般的である。例えば、一液型湿気硬化型ウレタン樹脂系接着剤においては、ウレタンプレポリマー100重量部に対して重質炭酸カルシウは10〜300重量部程度、好ましくは25〜200重量部程度添加配合すればよい。
配合量は任意であるが、たとえば、ウレタンプレポリマー100重量部に対して1〜100重量部程度、好ましくは5〜50重量部程度添加配合すればよい。
市販の重質炭酸カルシウムであるスーパー#2000(丸尾カルシウム社製)を使用し、外熱式ロータリーキルン(高砂工業社製;外形寸法Φ150×2000mm)で、外熱温度620℃、レトルト回転数4rpm、角度60mm、投入量6kg/ hの条件にて加熱処理した。この時、品温は490℃、滞留時間は約10分であった。この産物を放冷してスーパーミキサーSMV−20(カワタ製)を使用して表面処理した。ミキサーにこの産物を5.5kg投入し、加温しながら品温が70℃になってから、70℃に加熱して溶融させたステアリン酸55gを撹拌しながら添加して品温が130℃に達するまで撹拌加熱処理した。その後、ハイボルター300型(東洋ハイテック製;ノンライナー)に目開き46μmのメッシュを装着して、粗粒子や凝集粒子を篩分け除去して表1に示す粉体物性を有する表面処理重質炭酸カルシウムを得た。
市販の重質炭酸カルシウムであるスーパー#2000(丸尾カルシウム社製)を、流体分級機ターボクラシファイアTC−15(日清エンジニアリング社製)を用いて、フィード量1.5kg/ h、ローター回転数8000rpm、風量1.5m3 / minの条件で分級し、粗粉側を回収した。これを電気炉中に400℃で1時間加熱処理した。この産物を実施例1と同様に、表面処理、篩工程を経て表1に示す粉体物性を有する表面処理重質炭酸カルシウムを得た。
市販の重質炭酸カルシウムであるナノックス#25A(丸尾カルシウム社製)を使用した以外は実施例2と同様に分級、加熱処理、表面処理して、篩工程を経て表1に示す粉体物性を有する表面処理重質炭酸カルシウムを得た。但し、表面処理剤の量は71.5gとした。
市販の重質炭酸カルシウムであるカルテックス7(丸尾カルシウム社製)を使用して電気炉中に350℃で2時間加熱処理した。その産物を実施例1と同様に表面処理、篩工程を経て表1に示す粉体物性を有する表面処理重質炭酸カルシウムを得た。但し、表面処理剤の量は82.5gとした。
市販の重質炭酸カルシウムであるカルテックス5(丸尾カルシウム社製)を、流体分級機ターボクラシファイアTC−15を用いて、フィード量1.0kg/ h、ローター回転数12000rpm、風量1.5m3 / minの条件で分級し、粗粉側を回収した。これを電気炉中に400℃で1時間加熱処理した。その産物を実施例1と同様に表面処理、篩工程を経て表1に示す粉体物性を有する表面処理重質炭酸カルシウムを得た。但し、表面処理剤の量は82.5gとした。
市販の重質炭酸カルシウムであるスーパー#1500(丸尾カルシウム社製)を使用し、外熱式ロータリーキルン(高砂工業社製;外形寸法Φ150×2000mm)で、外熱温度520℃、レトルト回転数4rpm、角度60mm、投入量6kg/ hの条件にて加熱処理した。この時、品温は380℃、滞留時間は約10分であった。これを実施例1と同様に、表面処理、篩工程を経て表1に示す粉体物性を有する表面処理重質炭酸カルシウムを得た。但し、表面処理剤の量は49.5gとした。
実施例2の表面処理剤をトリメチルフォスフェートにして表面処理剤を常温で27.5gして添加した以外は同様に加熱処理、表面処理、篩工程を経て表1に示す粉体物性を有する表面処理重質炭酸カルシウムを得た。
電気炉の条件を750℃、1時間の加熱処理した以外は実施例5と同様に表面処理、篩工程を経て表1に示す粉体物性を有する表面処理重質炭酸カルシウムを得た。
市販の重質炭酸カルシウムであるスーパー#2000(丸尾カルシウム社製)を使用し、電気炉中に250 ℃で2時間加熱処理した。この産物を実施例1と同様に表面処理、篩工程を経て表1に示す粉体物性を有する表面処理重質炭酸カルシウムを得た。
実施例4の表面処理剤をトリエチルフォスフェートにした以外は同様に加熱処理、篩工程を経て表1に示す粉体物性を有する表面処理重質炭酸カルシウムを得た。
実施例1のロータリーキルンによる加熱処理をしない事以外は同様にして表2に示す粉体物性を有する表面処理重質炭酸カルシウムを得た。
市販の表面処理重質炭酸カルシウムであるMCコートS−14(丸尾カルシウム社製)を準備した。
市販の重質炭酸カルシウムであるナノックス#30(丸尾カルシウム社製)を使用した以外は実施例1と同様に、加熱処理、表面処理して、篩工程を経て表1に示す粉体物性を有する表面処理重質炭酸カルシウムを得た。
加熱処理をしていないこと以外は実施例7と同様に表面処理、篩工程を経て表1に示す粉体物性を有する表面処理重質炭酸カルシウムを得た。
市販の表面処理重質炭酸カルシウムであるスーパーS(丸尾カルシウム社製)を準備した。
加熱処理していないこと以外は比較例3と同様に、表面処理して、篩工程を経て表1に示す粉体物性を有する表面処理重質炭酸カルシウムを得た。但し、表面処理剤の量は38.5gとした。
実施例1〜6及び8、9、比較例1〜3及び5、6によって得られた表面処理重質炭酸カルシウムを用いて、ポリエチレン(ユメリット2040F;宇部丸善ポリエチレン株式会社製)50部、表面処理重質炭酸カルシウム50部、安定剤としてイルガノックス1010を1000ppm添加して、ヘンシェルミキサーで混合攪拌して充分に分散せしめた後に、混練押出し機(ラボプラストミル2D25W型;東洋精機製)を用いて220℃で造粒しペレットにした。そのペレットを110℃、3時間乾燥させた後、フィルム押出し機(ラボプラストミルD2025型;東洋精機製)を用いて230℃でTダイから押し出し無延伸フィルムを得た。次いで、テンター延伸機で無延伸フィルムを115℃に加熱してMD方向(押出し方向)に3.3倍に延伸し、更に120℃に加熱してTD方向(横手方向)に3倍に延伸した。このフィルムの目付量は15gsmであった。その評価結果を表2に示す。但し、評価の基準は次の通りである。
◎:フィルム300mm×300m中に目視で確認できる凝集物、粗大粒子によるフィッシュアイが無い。
○:フィルム300mm×300m中に目視で確認できる凝集物、粗大粒子によるフィッシュアイが1個か2個である。
△:フィルム300mm×300m中に目視で確認できる凝集物、粗大粒子によるフィッシュアイが3個以上10個未満である。
×:フィルム300mm×300m中に目視で確認できる凝集物、粗大粒子によるフィッシュアイが10個以上である。
◎:フィルム300mm×300m中に目視で確認できる水分等の揮発成分による気泡(ガスマーク)が無い。
○:フィルム300mm×300m中に目視で確認できる水分等の揮発成分による気泡(ガスマーク)が1個か2個である。
△:フィルム300mm×300m中に目視で確認できる水分等の揮発成分による気泡(ガスマーク)が3個以上10個未満である。
×:フィルム300mm×300m中に目視で確認できる水分等の揮発成分による気泡(ガスマーク)が10個以上である。
実施例1〜6、比較例1,3,5、6によって得られた表面処理重質炭酸カルシウムを用いて、下記要領にて各合成樹脂組成物を作成し、貯蔵安定性試験を行った。
(ポリウレタン一液型接着剤)
L−1036 :540部 三井武田ケミカル社製(ポリウレタン樹脂)
ミネラルスピリット :120部 (溶剤)
アエロジル200 :30部 デグッサジャパン社製(シリカ)
表面処理炭酸カルシウム:450部
実施例7、10、比較例4、5によって得られた表面処理重質炭酸カルシウムを用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)(比重1.39;日本ポリペンコ社製)60部、表面処理重質炭酸カルシウム40部をヘンシェルミキサーで混合攪拌して充分に分散せしめた後に、混練押出し機(ラボプラストミル2D25W型;東洋精機製)を用いて280℃で造粒しペレットにした。そのペレットを110℃、1時間乾燥させた後、このペレットをフィルム押出し機(ラボプラストミルD2025型;東洋精機製)を用いて290℃でTダイからシート状に押し出し、30℃の冷却ドラムで冷却固化せしめ無延伸フィルムを得た。次いで、テンター延伸機で無延伸フィルムを95℃に加熱してMD方向(押出し方向)に3.3倍に延伸し、更に120℃に加熱してTD方向(横手方向)に3倍に延伸して厚さ50μmのフィルムを得た。その評価結果を表4に示す。
PET樹脂単体の280℃におけるIV(溶融粘度)を100として、得られたペレットのIVを指数化して分子量の目安とした。数値が小さいほど加水分解していると考えられる。
◎:フィルム300mm×300m中に目視で確認できる凝集物、粗大粒子によるフィッシュアイが無い。
○:フィルム300mm×300m中に目視で確認できる凝集物、粗大粒子によるフィッシュアイが1個か2個である。
△:フィルム300mm×300m中に目視で確認できる凝集物、粗大粒子によるフィッシュアイが3個以上10個未満である。
×:フィルム300mm×300m中に目視で確認できる凝集物、粗大粒子によるフィッシュアイが10個以上である。
◎:フィルム300mm×300m中に目視で確認できる水分等の揮発成分による気泡(ガスマーク)が無い。
○:フィルム300mm×300m中に目視で確認できる水分等の揮発成分による気泡(ガスマーク)が1個か2個である。
△:フィルム300mm×300m中に目視で確認できる水分等の揮発成分による気泡(ガスマーク)が3個以上10個未満である。
×:フィルム300mm×300m中に目視で確認できる水分等の揮発成分による気泡(ガスマーク)が10個以上である。
実施例7、10、比較例4、6によって得られた表面処理重質炭酸カルシウムを用いて、バイオプラスチック(比重1.25;ユニチカ社製テラマックTP−4000)70部、表面処理重質炭酸カルシウム30部をヘンシェルミキサーで混合攪拌して充分に分散せしめた後に、混練押出し機(ラボプラストミル2D25W型;東洋精機製)を用いて180℃で造粒しペレットにした。そのペレットを110℃、1時間乾燥させた後、このペレットをフィルム押出し機(ラボプラストミルD2025型;東洋精機製)を用いて190℃でTダイからシート状に押し出し、厚さ100μmの無延伸フィルムを得た。その評価結果を表4に示す。
バイオプラスチック樹脂単体の190℃におけるIV(溶融粘度)を100として、得られたペレットのIVを指数化して分子量の目安とした。数値が小さいほど加水分解していると考えられる。
◎:フィルム100mm×200m中に目視で確認できる凝集物、粗大粒子によるフィッシュアイが無い。
○:フィルム100mm×200m中に目視で確認できる凝集物、粗大粒子によるフィッシュアイが1個か2個である。
△:フィルム300mm×300m中に目視で確認できる凝集物、粗大粒子によるフィッシュアイが3個以上10個未満である。
×:フィルム100mm×200m中に目視で確認できる凝集物、粗大粒子によるフィッシュアイが10個以上である。
◎:フィルム100mm×200m中に目視で確認できる水分等の揮発成分による穴(ガスマーク)が無い。
○:フィルム100mm×200m中に目視で確認できる水分等の揮発成分による穴(ガスマーク)が1個か2個である。
△:フィルム300mm×300m中に目視で確認できる水分等の揮発成分による気泡(ガスマーク)が3個以上10個未満である。
×:フィルム100mm×200m中に目視で確認できる水分等の揮発成分による穴(ガスマーク)が10個以上である。
また、本発明の表面処理重質炭酸カルシウムは、低水分性であるため、バイオプラスチック、PETやPENのような加水分解しやすいポリエステル系の樹脂や、ガラス転移点が高く高温で混練する必要があるナイロン、ポリカーボネート等のエンジニアリングプラスチックと呼ばれる樹脂にも好適で、その有用性は極めて大である。
Claims (10)
- 下記式(1)〜(4)を満足することを特徴とする表面処理重質炭酸カルシウム。
13,000≦A≦25,000 (1)
0.8 ≦B≦2.0 (2)
C≧0.55 (3)
0≦D1 ≦1000 (4)
但し、
A:空気透過法による比表面積(cm2/g )、
B:平均粒子径(μm)で、マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子の50%粒子径(d50)、
C:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒度分布の10%粒子径(μm)、
D1 :カールフィッシャー法(加熱気化法)により常温〜300℃の間で測定される水分(ppm )。 - 更に、下記式(5)と式(6)とを更に満足することを特徴とする請求項1記載の表面処理重質炭酸カルシウム。
E≦8 (5)
0≦D2 ≦150 (6)
但し、
E:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒度分布の90%粒子径(μm)、
D2 :カールフィッシャー法(加熱気化法)により200〜300℃の間で測定される水分(ppm )。 - 更に、式(7)を満足する請求項1又は2記載の表面処理炭酸カルシウム。
8.0 ≦F≦9.8 (7)
但し、
F:10重量%水懸濁液にしたときのpH。 - 重質炭酸カルシウムをキルン、電気炉、マイクロ波炉から選ばれる加熱装置を用いて加熱処理し、次いで、表面処理剤で表面処理することを特徴とする請求項1記載の表面処理重質炭酸カルシウムの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面処理炭酸カルシウムを配合してなる樹脂組成物。
- 樹脂が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項6記載の樹脂組成物。
- フィルム用であることを特徴とする請求項7記載の樹脂組成物。
- 樹脂が硬化性樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の樹脂組成物。
- 一液型接着剤用である請求項9記載の樹脂組成物。
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