以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、本発明を適用する建物が、複数の建物ユニットが連結されることで構築されたユニット式建物とされている。まず、建物ユニットについて図1を参照しつつ説明する。図1は、建物ユニット20の斜視図である。
図1に示すように、建物ユニット20は、四隅に配置された柱21と、柱21の上端部(上仕口)に連結された天井大梁22と、柱21の下端部(下仕口)に連結された床大梁23とを有しており、これら柱21、天井大梁22、床大梁23により直方体状の骨格(フレーム)が形成されている。柱21は四角筒状の角形鋼よりなる。また、天井大梁22及び床大梁23は断面コ字状の溝形鋼よりなり、溝部開放側を互いに向き合わせるようにユニット内側に向けて配置されている。
建物ユニット20において長辺部(桁面)に沿って延び且つ相対する一対の天井大梁22の間には、所定間隔で複数の天井小梁25が架け渡されている。同じく長辺部に沿って延び且つ相対する一対の床大梁23の間には、所定間隔で複数の床小梁26が架け渡されている。天井小梁25及び床小梁26は、それぞれ同一の間隔で且つ短辺側(妻側)の天井大梁22及び床大梁23と平行に延びている。天井小梁25及び床小梁26はそれぞれリップ溝形鋼よりなる。天井小梁25によって天井面材28が支持され、床小梁26によって床面材29が支持されている。
本実施形態の建物ユニット20においては、天井小梁25を含んで小梁ユニット31が構成されており、その小梁ユニット31が、平行に延びる一対の天井大梁22に架け渡された状態で取り付けられることにより、天井小梁25が天井大梁22に対して固定されている。
ここでは、小梁ユニット31の構成について、図2〜図5を参照しつつ説明する。図2は建物ユニット20の天井部分の平面図、図3は小梁ユニット31の斜視図、図4は図2のA−A線断面図、図5は天井大梁22と小梁ユニット31との分解斜視図である。なお、図4においては、建物ユニット20の長手方向に沿って延びる天井大梁22周辺の断面を図示している。
図2、図3に示すように、小梁ユニット31は、互いに平行に延びる一対の天井小梁25と、それら天井小梁25を連結する連結板32とを有しており、全体として矩形枠状に形成されている。例えば、小梁ユニット31においては、天井小梁25が連結板32よりも長くされており、小梁ユニット31は、天井小梁25が延びる方向を長手方向とした長方形枠状になっている。
一対の天井小梁25は、それぞれ断面コ字状の溝形鋼により形成されており、互いの溝部を向い合せた状態で配置されている。各天井小梁25は、平行に延びる一対のフランジと、それらフランジを連結するウェブとを有しており、それらフランジ及びウェブにより溝部が形成されている。天井小梁25においては、フランジが小梁ユニット31の内側に向けて延び、溝部が側方に向けて開放されている。
連結板32は、天井小梁25の長手方向において天井小梁25を挟んで一対設けられている。各連結板32は、一対の天井小梁25の並び方向に沿って延びる長尺状の金属板であり、互いの板面を対向させた状態で配置されている。各連結板32は、それぞれの対向面が天井小梁25の端面とも対向し、各対向面を天井小梁25の端面に当接させた状態で、溶接等により天井小梁25に対して固定されている。
小梁ユニット31は、建物ユニット20の長辺部に沿って複数並べて配置されている。各小梁ユニット31においては、上述したように、天井小梁25が建物ユニット20の短辺部(短い方の天井大梁22)に沿って延びている一方で、連結板32が建物ユニット20の長辺部(長い方の天井大梁22)に沿って延びている。また、小梁ユニット31においては、その小梁ユニット31の幅寸法が連結板32の長さ寸法とほぼ同じとされており、連結板32の長さ寸法は、建物ユニット20の長辺部を形成する天井大梁22の梁長さよりも小さくされている。隣り合う小梁ユニット31においては、それぞれの天井小梁25が当接又は近接して配置されており、それら天井小梁25は、ウェブの外側面同士を重ね合わせた状態になっている。
建物ユニット20において、長辺部に沿って延びる一対の天井大梁22は、互いに平行に延びており、それら天井大梁22の溝部内には、各小梁ユニット31の長手方向の端部がそれぞれ入り込んでいる。この場合、各小梁ユニット31においては、それぞれの連結板32が、天井大梁22の溝部内においてその天井大梁22の長手方向に沿って直列に並べられているとともに、それぞれの天井小梁25の端部が天井大梁22の溝部内に入り込んでいる。
図4に示すように、天井大梁22は、平行に延びる一対のフランジ22a,22bと、それらフランジ22a,22bを連結するウェブ22cとを有しており、それらフランジ22a,22b及びウェブ22cにより溝部が形成されている。天井大梁22においては、ウェブ22cが上下方向に延び、且つ各フランジ22a,22bが側方に向けて延びており、それによって、溝部が側方に向けて開放されている。
小梁ユニット31は、天井大梁22の溝部内に対して、その溝部の開放側から入り込んでいるとともに、天井大梁22の下側フランジ22bの上に載置されている。小梁ユニット31においては、天井小梁25の下側フランジが、天井大梁22の下側フランジ22bに対して上から重ねられているとともに、連結板32が天井大梁22のウェブ22cに対して溝部内側から重ねられている。この場合、連結板32とウェブ22cとは板面同士で当接している。
天井大梁22の溝部の高さ寸法H1は、小梁ユニット31の高さ寸法H2よりも大きくなっており、それによって、天井大梁22の溝部内への小梁ユニット31の入り込みが可能となっている。さらに、天井大梁22の溝部の高さ寸法(上側フランジ22aと下側フランジ22bとの離間距離)H1は、小梁ユニット31の高さ寸法H2の2倍よりも大きくなっており(H1>H2×2)、天井大梁22の溝部内で、小梁ユニット31を上下2段に重ねることが可能となっている。
なお、小梁ユニット31においては、連結板32の幅寸法(上下寸法)が、天井小梁25の高さ寸法と同じ又はそれよりも僅かに小さくされており、連結板32は、天井小梁25から上方及び下方のいずれにも突出しない状態で天井小梁25に対して固定されている。この場合、天井小梁25の高さ寸法が小梁ユニット31の高さ寸法H2となっている。また、小梁ユニット31においては、連結板32の上下寸法が天井小梁25の高さ寸法より大きくされていてもよい。この場合、連結板32の上下寸法が小梁ユニット31の高さ寸法H2になる。
小梁ユニット31においては、連結板32と天井大梁22のウェブ22cとが、板面同士で当接した状態でボルト固定されており、それによって、小梁ユニット31が天井大梁22に対して固定されている。
連結板32と天井大梁22のウェブ22cには、固定具としてのボルト41を挿通可能な連結板孔35及び大梁孔36がそれぞれ形成されている。連結板孔35及び大梁孔36は、連結板32及びウェブ22cをそれぞれの厚み方向に貫通しており、それら連結板孔35及び大梁孔36に対して、連結板32とは反対側(天井大梁22の溝部とは反対側)からボルト41が挿し入れられ、そのボルト41に対して連結板32側(天井大梁22の溝部側)からナット42が螺着されている。なお、ボルト41は、連結板32側から連結板孔35及び大梁孔36に挿し入れられていてもよい。
連結板孔35及び大梁孔36は、それぞれ上下2段に(上下に2つ並べて)形成されており、上段同士の連結板孔35及び大梁孔36が連通し、下段同士の連結板孔35及び大梁孔36が連通している。この場合、連結板孔35及び大梁孔36において、連通している孔35,36同士にボルト41が挿通され、そのボルト41により連通とウェブ22cとが固定されている。なお、連結板孔35が、連結板32を天井大梁22に取り付けるための取付孔に相当し、大梁孔36が、天井大梁22に設けられた貫通孔に相当する。
図5に示すように、連結板32においては、連結板孔35が、上下2段で一対となるように上下に並べて、連結板32の長手方向に沿って複数配置されている。天井大梁22のウェブ22cにおいては、大梁孔36が上下2段となるように設けられており、上下2段のうち上段の大梁孔36aは、天井大梁22の長手方向に沿って並べられた複数の丸孔とされ、下段の大梁孔36bは、天井大梁22の長手方向に沿って延びるように形成された1つの長孔とされている。この場合、上段の大梁孔36aについては、複数の丸孔のうち連結板32の連結板孔35と連通した丸孔にボルト41が挿し入れられているが、下段の大梁孔36aについては、いずれのボルト41も1つの長孔に挿し入れられていることになる。
ここで、建物ユニット20の製作手順について簡単に説明する。まず、複数の小梁ユニット31を並列に配置するとともに、天井大梁22を、その溝部内に各小梁ユニット31の端部を入り込ませた状態で、各小梁ユニット31の両端側のそれぞれに配置し、その状態で、小梁ユニット31を天井大梁22にボルト固定する。そして、小梁ユニット31が固定された天井大梁22を、さらに、柱21の上端部に接続する。
なお、柱21が柱仕口と柱本体とを有している場合、柱仕口を天井大梁22にあらかじめ固定しておき、柱仕口を、小梁ユニット31が固定された天井大梁22ごと柱本体に接続してもよい。この場合でも、小梁ユニット31を天井大梁22に取り付け、その後、天井大梁22を柱21に取り付けることになる。
また、小梁ユニット31を天井大梁22に固定する前に、天井大梁22を柱21に固定し、その後、天井大梁22に対して小梁ユニット31を取り付けてもよい。この場合、小梁ユニット31の高さ寸法H2が、天井大梁22の溝部の高さ寸法H1の1/2以下であるために、天井大梁22の溝部内において小梁ユニット31の上下に生じる隙間を利用する。具体的には、小梁ユニット31を上下に傾斜させた状態で、その小梁ユニット31の一端を、一対の天井大梁22のうち一方の溝部内に挿し入れ、その後、小梁ユニット31を水平状態に移行させながら、その小梁ユニット31の他端を他方の天井大梁22の溝部内に挿し入れる。これにより、小梁ユニット31を、その両端が一対の天井大梁22の各溝部内に挿し入れられた状態にすることができる。
本実施形態では、建物ユニット20において、複数の小梁ユニット31が隙間なく並べられているが、小梁ユニット31同士の間に離間部分があれば、その離間部分を利用することで、少なくとも1つの小梁ユニット31を、小梁ユニット31の並び方向(小梁ユニット31が固定された天井大梁22の長手方向)に沿ってスライド移動させることが可能となる。
ここでは、小梁ユニット31をスライド移動させる手順について、図6、図7を参照しつつ説明する。図6は、天井小梁25の長手方向に沿って見た天井部51周辺の断面図、図7は、建物ユニット20の天井部51の平面図である。なお、図7は、建物ユニット20に加えて、空調ダクト55及びチャンバ56を上方から見た図である。
図6(a)に示すように、建物ユニット20においては、天井面材28を含んで天井部51が形成されている。天井部51は、天井面材28に加えて、野縁等の天井下地材52を有している。天井面材28は、天井下地材52を挟んで天井小梁25の下側に配置されており、その天井下地材52を介して天井小梁25に固定されている。なお、天井面材28は、石膏ボード等により形成されている。
建物においては、リビングやキッチン等の居住空間と、その居住空間の天井裏空間とが、天井部51により上下に仕切られており、天井裏空間(天井面材28の上方)には、空調空気や外気が流れる空調ダクト55と、空調ダクト55に接続されたチャンバ56とが設けられている。空調ダクト55は、合成樹脂材料や金属材料により蛇腹状に形成され、可撓性を有するダクトである。
チャンバ56は、空気を吹き出したり取り込んだりする空調口57を有している。天井部51には、天井面材28を開口する天井開口部61が形成されており、チャンバ56の空調口57は、天井開口部61を通じて居住空間に通じている。空調口57は、例えば、エアコン等の空調装置にて生成された空調空気や、屋外から取り込まれた外気を居住空間に供給すること、又は居住空間の空気を取り込むことが可能となっている。空調口57には、天井開口部61を下方から覆うカバー部材としてのグリル62が取り付けられている。
チャンバ56及び天井開口部61は、互いに離間して隣り合う天井小梁25の間に配置されている。つまり、複数の小梁ユニット31のいずれかの小梁ユニット31において、一対の天井小梁25の間に配置されている。チャンバ56は、これら天井小梁25にブラケット63を介して取り付けられている。天井小梁25の並び方向において、チャンバ56の空調口57及び天井開口部61の幅寸法は、小梁ユニット31における一対の天井小梁25の離間距離よりも小さくされている。
ここでは、天井小梁25の並び方向において、チャンバ56を小梁ユニット31ごとスライド移動させる。例えば、図7(a)に示すように、チャンバ56の移動先Pが、チャンバ56が取り付けられている小梁ユニット31Aと、その隣の小梁ユニット31Bとの境界部を跨いだ位置である場合、まず、その小梁ユニット31Bを移動させる作業を行う。
この作業では、図6(b)に示すように、天井面材28について、小梁ユニット31A,31Bに固定されていた部分を切除するとともに、天井下地材52について、小梁ユニット31Bに固定されていた部分を取り外す。そして、小梁ユニット31Bを、他の小梁ユニット31よりも上方の高さ位置に移動させ、その高さ位置を保ったままチャンバ56とは反対側にある小梁ユニット31C側に向けてスライド移動させる。
小梁ユニット31Bの移動作業を行うことで、図6(c)に示すように、小梁ユニット31Bを、小梁ユニット31Cの上に載置する。この場合、チャンバ56付きの小梁ユニット31Aと小梁ユニット31Cとは、小梁ユニット31Bの幅寸法の分だけ離間していることになる。なお、小梁ユニット31Bは、小梁ユニット31Cよりも小梁ユニット31Aから離れた他の小梁ユニット31の上に載置されていてもよい。
その後、チャンバ56付きの小梁ユニット31Aを、小梁ユニット31が固定されている天井大梁22の長手方向に沿って、小梁ユニット31Cとの間の離間スペース側にスライド移動させる。そして、図7(b)に示すように、空調ダクト55を伸長させながら、小梁ユニット31Aを、その一対の天井小梁25の間に移動先Pが配置される位置に移動させる。続いて、ブラケット63による小梁ユニット31Aの固定を解除し、空調ダクト55を伸長させながら、チャンバ56を天井小梁25に沿ってスライド移動させる。チャンバ56の移動作業を行うことで、図7(c)に示すように、チャンバ56を移動先Pの位置に移動させる。
その後、移動先Pにおいて、図6(d)に示すように、ブラケット63によりチャンバ56を小梁ユニット31Aに再び固定し、天井面材28を切除しておいた部分において、新たな天井面材68を小梁ユニット31A、及び小梁ユニット31Cを含む他の小梁ユニット31に取り付ける。この場合、新たに取り付ける天井面材68にも、チャンバ56の空調口57に合わせて天井開口部61を形成し、その天井開口部61を下方から覆うようにグリル62を空調口57に取り付ける。なお、この場合でも、天井開口部61は、小梁ユニット31Aにおける一対の天井小梁25の間に配置されている。
なお、天井大梁22の溝部内において小梁ユニット31を上下2段に重ねることが可能であるため、上記のように不要になった小梁ユニット31Bを他の小梁ユニット31の上に載置しておくことの他に、小梁ユニット31同士の位置を入れ替えることも可能となっている。例えば、小梁ユニット31Aを上段位置に移動させ、その高さ位置のまま小梁ユニット31B,31C側に移動させ、小梁ユニット31B,31Cの上方を通過した位置に仮置きする。そして、小梁ユニット31B及び小梁ユニット31Cを、小梁ユニット31Aを移動させたことで空きスペースとなった側に移動させ、小梁ユニット31Cを挟んで小梁ユニット31Bとは反対側に離間部分を形成し、その離間部分に小梁ユニット31Aを移動させる。これにより、小梁ユニット31Aからチャンバ56を取り外さなくても、小梁ユニット31Aごとチャンバ56を移動させることが可能となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
一対の天井小梁25を含んで小梁ユニット31が形成されているため、天井大梁22に小梁ユニット31を固定することで、天井大梁22に複数の天井小梁25をまとめて固定することができる。このため、天井小梁25を一本ずつ天井大梁22に固定する場合に比べて、複数の天井小梁25を天井大梁22に固定する際の作業負担及び作業工数を低減することができる。
また、小梁ユニット31においては、連結板32が天井大梁22の周面(溝部の内周面)に重ねられているため、小梁ユニット31を天井大梁22に対して強固に固定することができる。しかも、小梁ユニット31は天井大梁22に対してボルト41により固定されているため、天井大梁22に対して複数の天井小梁25をまとめて着脱することが容易となる。さらに、小梁ユニット31の幅寸法が天井大梁22の梁長さよりも短いため、小梁ユニット31を天井大梁22に沿ってスライド移動させることができる。これにより、複数の天井小梁25をユニット化した構成において、天井大梁22に対する小梁ユニット31の位置変更を容易に行うことができる。
以上により、天井大梁22に対する複数の天井小梁25の位置変更を好適に行うことができる。
天井大梁22のウェブ22cに大梁孔36が形成され、連結板32に連結板孔35が形成されている構成において、連結板32がウェブ22cに重ねられているため、連結板孔35を大梁孔36に連通させ、それら連結板孔35及び大梁孔36にボルト41を挿通させることができる。これにより、天井大梁22のウェブ22cと小梁ユニット31の連結板32とをボルト固定することができる。
小梁ユニット31の端部が天井大梁22の溝部内に入り込んだ状態となっているため、小梁ユニット31の取り付け時において、小梁ユニット31の端部を天井大梁22の溝部内に挿し入れるとともに、天井大梁22の下側フランジ22bの上に仮置きし、その後、小梁ユニット31を、その位置のまま又は僅かに持ち上げた位置で、天井大梁22に対して固定する作業を実施できる。また、天井小梁25の位置を変更する場合にも、天井大梁22に対する小梁ユニット31のボルト固定を解除した後、その小梁ユニット31を天井大梁22の溝部内にて下側フランジ22bの上に仮置きし、その後、天井大梁22の下側フランジ22bに沿って移動させるという容易な作業により、小梁ユニット31の位置変更を実施できる。
小梁ユニット31は、天井大梁22の溝部内において下側フランジ22bの上に載置された状態で、その連結板32が天井大梁22のウェブ22cに固定されているため、作業者は、小梁ユニット31の固定作業を行う場合に、小梁ユニット31を手などで支える必要がない。このため、天井大梁22に対する天井小梁25の取り付け作業を容易化できる。また、天井小梁25の位置を変更する場合にも、作業者は、小梁ユニット31を手などで支える必要がなく、ボルト41による小梁ユニット31の固定を解除し、小梁ユニット31の位置変更を実施できる。このため、天井小梁25の移動作業を容易化できる。
また、例えば、小梁ユニット31が天井大梁22の下側フランジ22bから上方に離間した位置で、天井大梁22に対して固定されていると、小梁ユニット31を下側フランジ22bの上に仮置きした後、その小梁ユニット31を上方に持ち上げた状態で天井大梁22に対する固定作業を行うことになり、その作業負担は大きいと考えられる。これに対して、本実施形態では、固定作業に際して小梁ユニット31を上方に持ち上げる必要がないため、作業負担を低減することができる。
天井大梁22において、小梁ユニット31をボルト固定するための大梁孔36がウェブ22cに形成されているため、ボルト41を天井大梁22の上方や下方に突出させずに、小梁ユニット31を天井大梁22に固定することができる。例えば、天井大梁22において大梁孔36が下側フランジ22bに形成されている場合、ボルト41の先端や頭部が下側フランジ22bの下側に突出し、天井面材28を天井大梁22や天井小梁25の下側に取り付ける際に、ボルト41の先端や頭部が邪魔になることが懸念される。これに対して、本実施形態では、大梁孔36が天井大梁22のウェブ22cに形成されているため、上記懸念を解消できる。
小梁ユニット31の連結板32が、天井大梁22のウェブ22cに対して上下2段のボルト41により固定されている構成において、上下2段の大梁孔36a,36bのうち下段が長孔とされているため、小梁ユニット31を天井大梁22の下側フランジ22bの上に載せた状態で、上段同士の連結板孔35と大梁孔36aとの左右方向の位置合わせを行えば、下段同士の連結板孔35と大梁孔36bとの左右方向の位置合わせを行わなくても、上下2段の両方にボルト41をそれぞれ挿通させることができる。このため、小梁ユニット31と天井大梁22とをボルト41により固定する作業を容易化できる。
しかも、長孔である大梁孔36bからはボルト41を抜き取らなくても、ボルト41が大梁孔36bと連結板孔35とに挿通された状態のまま、連結板32を天井大梁22の長手方向に沿って移動させることができる。これにより、小梁ユニット31を移動させる作業を容易化できる。
小梁ユニット31が全体として矩形枠状に形成されているため、小梁ユニット31を天井大梁22に沿ってスライド移動させる際に、その天井大梁22の長手方向と連結板32の長手方向とが一致することになり、小梁ユニット31の移動方向が天井大梁22の長手方向からずれにくくなっている。この場合、小梁ユニット31が天井大梁22の溝部内から離脱することが連結板32の長さにより規制されることになるため、作業者は小梁ユニット31を移動させる側に単に押圧するという容易な作業により、小梁ユニット31を移動させることができる。これに対して、例えば、天井小梁25を一本ずつ天井大梁22に沿って移動させる場合、天井小梁25の移動方向が天井大梁22の長手方向からずれやすいため、天井大梁22が天井大梁22の溝部から離脱しやすいという問題が生じてしまう。
建物ユニット20においては、複数の小梁ユニット31が横並びに配置されているため、隣り合う小梁ユニット31を近づけたり遠ざけたりすることで、小梁ユニット31の離間距離、すなわち、天井小梁25の離間距離を自在に変更することができる。これにより、建物の天井部51に天井開口部61が形成されている構成において、小梁ユニット31を天井大梁22に沿って移動させるという容易な作業により、その天井開口部61の位置や大きさを変更することが可能となる。
しかも、天井大梁22の溝部の高さ寸法H1と、小梁ユニット31の高さ寸法H2との関係が、H1>H2×2、とされているため、小梁ユニット31を天井大梁22の溝部内で上下2段に重ねることができる。このため、天井部51を形成する上で不要となる小梁ユニット31がある場合に、その小梁ユニット31を他の小梁ユニット31の上側に配置しておくことができる。これにより、天井小梁25の配置変更を一層多様化することができる。
また、小梁ユニット31を他の小梁ユニット31の上側に仮置きしておき、その状態で、さらに別の小梁ユニット31を移動させ、仮置きしておいた小梁ユニット31を空いたスペースに設置することで、小梁ユニット31同士の位置の入れ替えを行うこともできる。
建物ユニット20が小梁ユニット31を含んで構成されているため、天井小梁25の位置変更を容易に行うことができる。したがって、新築時において、建物ユニット20を用いることにより建築現場での作業負担や作業工数を低減することができるのはもちろんのこと、リフォーム等の改装時においても、作業負担や作業工数を低減することができる。
[他の実施形態]
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、複数の小梁ユニット31が隙間なく並べられていたが、それら小梁ユニット31は所定の間隔を空けて並べられていてもよい。例えば、図8(a)に示すように、小梁ユニット31における天井小梁25同士の離間距離と、隣り合う小梁ユニット31の離間距離とが同じとなるように、複数の小梁ユニット31が並べられている構成とする。この構成でも、天井小梁25を粗密が生じないように配置することができる。
また、天井開口部61は、小梁ユニット31における一対の天井小梁25の間ではなく、隣り合う小梁ユニット31の間に配置されていてもよい。この場合でも、天井開口部61に対してチャンバ56を設置することが可能となる。チャンバ56は、その両側に配置された各小梁ユニット31のそれぞれに対してブラケット63等により固定されることが好ましい。
さらに、隣り合う小梁ユニット31の間に離間部分が存在するため、上記実施形態のように小梁ユニット31を2段に重ねなくても、前記離間部分に向けて小梁ユニット31を移動させるだけで、小梁ユニット31同士の離間距離を変更することができる。
例えば、天井開口部61が小梁ユニット31同士の間に配置されている場合、それら小梁ユニット31の間の離間距離を増減させることにより、天井開口部61の大きさや形状を変更することが可能となる。このため、図8(a),(b)に示すように、天井開口部61を挟んで隣り合う小梁ユニット31について、それら小梁ユニット31の少なくとも一方を他方から遠ざかる向きに移動させることにより、それら小梁ユニット31の間の天井開口部61の幅寸法(天井小梁25の並び方向の長さ寸法)を大きくすることが可能となる。
(2)上記実施形態では、小梁ユニット31において、連結板32が天井小梁25の端面に固定されていたが、連結板32は、天井小梁25の下面や上面に固定されていてもよい。例えば、図9に示すように、小梁ユニット31の端部において、連結板32が板面を上下方向に向けた状態で天井小梁25の下側に配置されており、連結板32の上側の板面と天井小梁25の下面とが当接した状態で、それら連結板32と天井小梁25とが溶接等により接続されている。
この構成においても、小梁ユニット31の端部が天井大梁22の溝部内に入り込んでいる。この場合、小梁ユニット31の各天井小梁25は、連結板32を挟んで天井大梁22の下側フランジ22bの上に載置されており、連結板32は下側フランジ22bの上面に重ねられている。天井大梁22においては、複数の大梁孔36がウェブ22cではなく下側フランジ22bに形成されており、それら大梁孔36は、上記実施形態の大梁孔36aと同様に、天井大梁22の長手方向に所定間隔で並べられている。連結板32の連結板孔35は、複数の大梁孔36のいずれかと上下方向に連通しており、それら連通した連結板孔35と大梁孔36とにボルト41が挿通され、それによって、小梁ユニット31が天井大梁22に固定されている。
また、小梁ユニット31において、連結板32は、一対の天井小梁25における互いに向かい合う対向面に固定されていてもよい。例えば、連結板32が天井小梁25の溝部内に挿し入れられた状態で、連結板32の端面が天井小梁25のウェブ22cの内側面に溶接等により固定されている構成とする。この場合でも、天井小梁25と連結板32との固定部分において、連結板32の外側板面と天井小梁25の端面とが面一にされていれば、連結板32の外側板面が矩形枠状の小梁ユニット31の周面の一部を形成することができる。これにより、連結板32が天井小梁25の対向面に固定されていても、上記実施形態のように、連結板32の外側板面を天井大梁22のウェブ22cの内側面に当接させることができる。
(3)上記実施形態では、小梁ユニット31の連結板32が天井大梁22のウェブ22cの内側面に当接していたが、連結板32は、天井大梁22の溝部の内側面に当接していればよく、上側フランジ22aの下面や、下側フランジ22bの上面に当接していてもよい。また、小梁ユニット31においては、連結板32が天井大梁22の溝部内に入り込んでいればよく、天井小梁25は天井大梁22の溝部内に入り込んでいなくてもよい。例えば、天井小梁25の長手方向において、連結板32が板面を上下に向けた状態で、天井小梁25の端面から外側に向けて延びるように設けられており、連結板32が天井大梁22の下側フランジ22bの上面に重ねられた状態で固定されている構成が挙げられる。
(4)上記実施形態では、小梁ユニット31が天井大梁22の溝部内に挿し入れられているが、小梁ユニット31は、天井大梁22の上側や下側に配置されていてもよい。例えば、上記(2)のように、連結板32が天井小梁25の下側に配置されて形成された小梁ユニット31が、天井大梁22の上側フランジ22aの上面に載置されている構成とする。この場合でも、上側フランジ22aに大梁孔36が形成されていれば、大梁孔36及び連結板孔35を利用して、連結板32を上側フランジ22aにボルト固定することが可能となる。
(5)上記実施形態では、天井大梁22が溝形鋼により形成されていたが、天井大梁22等の大梁は、溝部を形成するウェブ及びフランジを有していれば、リップ付き溝形鋼(C形鋼)や、H形鋼などの鋼材により形成されていてもよい。また、大梁は、ウェブ及びフランジなどにより溝部が形成されていなくても、Z形鋼やL形鋼などの鋼材により形成されていればよい。この場合でも、上記(4)のように、小梁ユニット31を大梁の上面や下面に対して固定することは可能となる。
(6)上記実施形態では、小梁ユニット31が天井小梁25を含んで形成されていたが、小梁ユニットは、床小梁26を含んで形成されていてもよい。例えば、平行に延びる一対の床小梁26が連結板32により連結されることで小梁ユニット31が形成されている構成とする。
この構成では、図10に示すように、小梁ユニット31が床大梁23の溝部内に挿し入れられており、床小梁26の上面が床大梁23の上側フランジ23aの下面に当接しているとともに、連結板32が床大梁23のウェブ23cの内側面に当接している。大梁孔36は、床大梁23のウェブ23cに形成されており、連結板32の連結板孔35とウェブ23cの大梁孔36とにボルト41を挿し入れることで、小梁ユニット31が床大梁23に対して固定されている。
なお、大梁孔36は、上記のように1段で形成されていてもよく、3段以上で形成されていてもよい。また、上記実施形態では、上段の大梁孔36aが複数の丸孔とされ、下段の大梁孔36bが長孔とされていたが、上段の大梁孔36a及び下段の大梁孔36bのいずれが丸孔又は長孔とされていてもよい。また、大梁孔36は、丸孔等の非長孔と長孔とが混在した状態で大梁の長手方向に沿って複数並べられていてもよい。
小梁ユニット31が床大梁23の溝部内において上側フランジ23aに当接していることにより、床小梁26と床大梁23との各上面の高い位置をほぼ同じになる。このため、床面材29が根太等の床下地材を挟んで床小梁26の上に設置されている構成において、小梁ユニット31が床大梁23の下側フランジ23bの上に載置されている構成に比べて、床下地材の厚み寸法を小さくすることができる。
なお、大梁は、天井大梁22や床大梁23など、柱21に接続されている梁材であればよく、小梁は、天井小梁25や床小梁26など、大梁に接続されている梁材であればよい。
また、小梁ユニット31は、床大梁23に対するボルト固定を解除することで、床大梁23の溝部内において下方に移動させることが可能となる。この場合でも、移動させた小梁ユニット31を他の小梁ユニット31の下側に重ねることで、小梁ユニット31を上下2段に重ねることが可能となる。したがって、小梁ユニット31を天井大梁22に沿って移動させることや、小梁ユニット31同士の位置を入れ替えることなどが可能となる。
(7)小梁ユニットには、天井小梁25等の小梁が3本以上含まれていてもよい。この場合でも、3本以上の小梁が連結板32により連結されていることで、それら小梁を連結板32を介して天井大梁22等の大梁にまとめて固定することができる。
また、小梁ユニットにおいて、各小梁は溝部を同じ向きとなるように配置されていてもよく、各小梁は、溝部を有していない鋼材により形成されていてもよい。
(8)小梁ユニット31において連結板32は、天井小梁25の並び方向に沿って延びている板部を有していればよく、例えば溝形鋼などの鋼材により連結板32が形成されていてもよい。この場合でも、溝形鋼のフランジやウェブなどが、一対の天井小梁25を連結する連結板となる。
(9)上記実施形態では、天井大梁22の溝部の高さ寸法H1と、小梁ユニット31の高さ寸法H2との関係が、H1>H2×2、とされていたが、H2<H1<H2×2とされていてもよい。つまり、小梁ユニット31を天井大梁22の溝部内に挿し入れることが可能な構成であれば、小梁ユニット31を天井大梁22の溝部内で上下2段に重ねることができなくてもよい。
(10)図11に示すように、小梁ユニット31には、天井小梁25の長手方向の中間位置において、一対の天井小梁25を連結する補強部材75が設けられていてもよい。補強部材75は、断面コ字状の溝形鋼により長尺状に形成されており、長手方向の端部には、補強部材75の短手方向に延びる端部板76が取り付けられている。補強部材75は、一対の天井小梁25に架け渡されており、各端部がそれぞれ天井小梁25の溝部内に入り込んでいる。
天井小梁25の溝部内においては、補強部材75の端部板76が天井小梁25のウェブの内側面に重ねられており、端部板76とウェブとがボルト固定されている。端部板76にはボルト孔77が形成されているとともに、天井小梁25のウェブにはボルト孔78が形成されている。天井小梁25のウェブにおいては、ボルト孔78が天井小梁25の長手方向に沿って複数並べられており、それらボルト孔78のいずれかと端部板76のボルト孔77とが連通した状態で、それらボルト孔77,78にボルト(図示略)が挿通されている。この場合、ボルト固定を解除することで、補強部材75を天井小梁25の長手方向に沿って移動させることが可能であり、移動先においてもボルト孔77,78が連通する位置に補強部材75を配置することで、補強部材75を天井小梁25にボルト固定することができる。
補強部材75が設けられている天井小梁25においては、一対の天井小梁25の間に天井開口部61が形成されている場合に、天井開口部61に沿って延びるように補強部材75を配置し、天井下地材52や天井面材28を補強部材75に固定することで、天井開口部61周辺において天井部51の支持強度が低下することを抑制できる。
また、床小梁26を含んで小梁ユニットが形成されている場合、その小梁ユニットに補強部材75を取り付け、床面材29を補強部材75により下方から支持することで、床面材29(床部)の支持強度を高めることができる。これにより、家具などの重量物を床部に載置する場合に、その載置場所を補強部材75の上方位置とすることで、重量物を補強部材75により好適に支持することができる。
(11)小梁ユニット31を天井大梁22に固定する固定具は、連結板32の連結板孔35及び天井大梁22の大梁孔36に挿し入れることが可能であれば、ボルト44ではなくても、棒状やピン状の部材とされていてもよい。
(12)上記実施形態では、小梁ユニット31が天井大梁22等の大梁に固定された構成が、ユニット式建物を形成する建物ユニット20において実現されているが、小梁ユニットが大梁に固定された構成は、互いに平行に設けられた一対の大梁を有していれば、鉄骨軸組工法や木造在来工法により構築された建物において実現されていてもよい。