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JP5967009B2 - 表皮材の成形方法 - Google Patents
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JP5967009B2 - 表皮材の成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表皮材の成形方法に関する。
従来、表皮材を備える複合部材が知られている(下記特許文献1)。特許文献1に記載のものでは、表皮材を成形型(下型)に載置した後、真空ポンプを用いて表皮材を吸引することで、表皮材を製品形状に成形している。
特開昭57−152927号公報
表皮材を成形するための成形型は、特許文献1に示すように、製品形状に倣った形状の凹部を有しており、凹部の内面に表皮材を吸引することで表皮材を製品形状に成形することができる。ここで、表皮材を意匠面側に膨出した形状(凸形状)に成形する場合には、表皮材の意匠面と凹部の内面とが対向するように表皮材を成形型に載置する。これにより、表皮材の裏面は露出された状態となる。このため、成形後の表皮材の裏面に対して、次工程の作業(例えば、表皮材の裏面に発泡剤を注入する作業や、表皮材の裏面に基材を貼り付ける作業など)を容易に行うことができる。
しかしながら、表皮材の意匠面と凹部の内面とが対向配置されると、作業者は、表皮材の意匠面を目視することができず、意匠面の状態を確認することができない。このため、表皮材が凹部内に正しく載置されているか否かの確認が困難となる。また、成形型に表皮材を載置する過程で、例えば、表皮材の意匠面に皺が生じてしまったとしても、意匠面を目視することができないので、皺の発生を確認し難い。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、表皮材を成形型に載置する際には表皮材の意匠面の目視を可能としつつ、成形後には表皮材の裏面を露出させることが可能な表皮材の成形方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、凸部を有する第1成形型と、前記凸部が嵌合可能な凹部を有する第2成形型と、を用いて表皮材の成形を行う表皮材の成形方法であって、前記表皮材の裏面を前記凸部の表面と対向させた状態で、前記表皮材を前記凸部の表面上に載置する表皮材載置工程と、前記表皮材載置工程の後に行われ、前記凸部の表面に形成された凸部側吸引孔を介して、前記表皮材を吸引することで、前記表皮材を前記凸部の表面形状に倣った形状に成形する第1成形工程と、前記第1成形工程の後に行われ、保持手段によって前記表皮材を前記凸部の表面上に保持した状態で、前記第1成形型の前記凸部を前記第2成形型の前記凹部に嵌合させる嵌合工程と、前記嵌合工程の後に行われ、前記凹部の表面に形成された凹部側吸引孔を介して、前記表皮材を吸引することで、前記表皮材を前記凹部の表面形状に倣った形状に成形する第2成形工程と、を備え、前記嵌合工程では、前記凸部の突出端面と前記凹部の奥面との間で前記表皮材の一部を挟持するとともに、前記表皮材の意匠面と前記凹部の側面との間に隙間を形成するものとされ、前記隙間の大きさは、前記凹部の前記奥面側から前記凹部の開口端部に向かうにつれて大きくなるものとされることに特徴を有する。
本発明では、表皮材載置工程において、表皮材の裏面が凸部の表面と対向した状態で、表皮材を凸部の表面上に載置する。これにより、作業者は、表皮材の意匠面(裏面とは反対側の面)の状態を目視しつつ、表皮材を凸部上に載置することができる。
そして、表皮材を凸部に倣った形状に成形した後、第1成形型の凸部を第2成形型の凹部に嵌合させる。その後、凹部側に表皮材を吸引することで、凹部の表面形状に倣った形状に表皮材を成形する。
これにより、表皮材を所定の形状に成形した後、第1成形型を第2成形型から取り外すことで、表皮材の裏面が露出した状態となる。これにより、成形後の表皮材の裏面に対して、次工程の作業(例えば、発泡剤の注入作業や基材の貼り付け作業など)を容易に行うことができる。また、嵌合工程においては、表皮材の意匠面と凹部の側面との間に隙間を設けてある。これにより、凸部を凹部に嵌合させる際に、表皮材の意匠面が凹部の側面に対して摺動する事態を抑制でき、表皮材の意匠面を保護することができる。
上記構成において、前記表皮材は、端部同士で互いに重ね合わされた2枚の表皮ピースを少なくとも備え、重ね合わされた前記端部の各々は、前記表皮材の前記裏面から突出されており、表皮材載置工程では、重ね合わされた前記端部の各々を前記凸部側吸引孔に挿入するものとすることができる。
このように、表皮ピースの端部の各々を凸部側吸引孔に挿入することで、当該端部の位置決めをより確実に行うことができる。
また、前記保持手段は、前記表皮材を挟持可能な一対の挟持部材とされ、前記嵌合工程では、前記第1成形型に設けられた第1磁石によって吸着されている前記一対の挟持部材を、前記第2成形型に設けられた第2磁石と対向する箇所に配し、前記第2磁石は、前記第1磁石よりも磁力の強いものとすることができる。
一対の挟持部材によって表皮材を挟持することができる。そして、嵌合工程では、一対の挟持部材は第2成形型に設けられた第2磁石と対向する箇所に配される。第2磁石は、第1磁石よりも磁力が強いため、第2成形工程の後、第2成形型から第1成形型を遠ざけると、一対の挟持部材は、第2磁石により強く吸着される結果、第2成形型に残る。これにより、第1成形型を第2成形型から遠ざけた後も一対の挟持部材によって表皮材を挟持することができる。
本発明によれば、表皮材を成形型に載置する際には表皮材の意匠面の目視を可能としつつ、成形後には表皮材の裏面を露出させることが可能な表皮材の成形方法を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る第1成形型を示す斜視図 表皮材載置工程を示す断面図 第1成形工程を示す断面図(図1のA−A線で切断した図に対応) 第1成形型を第2成形型に対して対向配置した状態を示す断面図 嵌合工程を示す断面図 第2成形工程を示す断面図 第1成形型を第2成形型から離間させた状態を示す断面図 本発明の実施形態2に係る第1成形型を示す断面図 図8の第1成形型を第2成形型に対して対向配置した状態を示す断面図 実施形態2に係る嵌合工程を示す断面図 実施形態2において第1成形型を第2成形型から離間させた状態を示す断面図
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図7によって説明する。本実施形態では、第1成形型30及び第2成形型60を用いて表皮材10の成形を行う。具体的には、第1成形型30によって表皮材10を成形(予備成形)した後、第2成形型60によって製品形状に成形(本成形)する。
表皮材10は、例えば、車両用内装材(例えばドアトリム)の基材(例えばトリムボード)の表面を覆うものとされる。本実施形態の表皮材10は、図1及び図2に示すように、意匠面10A側に突出された突出部20(膨出部)を有する形状に成形される。突出部20は、例えば、略台形状をなしている。なお、表皮材10の材質としては、本革、合成皮革等を例示することができるが、これに限定されず、適宜変更可能である。
表皮材10は、図2に示すように、複数の表皮ピースによって構成されている。以下の説明では、突出部20の突出端面を構成する表皮ピースに符号11を付し、突出部20の側面を構成する表皮ピースに符号12を付すものとする。また、表皮材10の外周端部(突出部20の周囲)を構成する表皮ピースに符号13を付すものとする。
表皮材10を構成する表皮ピース11,12,13のうち、隣接する2枚の表皮ピース(例えば、表皮ピース12,13参照)は、図2に示すように、端部同士を意匠面が対向する形で重ね合わせた後、例えば、縫い糸(図示せず)によって縫い合わせることで縫製されている。そして、縫い合わされた2つの表皮ピース12,13は、意匠面が互いに遠ざかる方向に広げられている。
隣接する2つの表皮ピースにおいて、重ね合わされた端部の各々は、表皮材10の裏面10B(意匠面とは反対側の面)から突出されている。以下の説明では、各表皮ピースにおける重ね合わされた端部(縫製部分を構成)の各々に符号15を付すものとする。
次に、表皮材10を予備成形する第1成形型30の構成について説明する。第1成形型30は、表皮材10の製品形状に倣った凸部31を有している。凸部31は、図1に示すように、例えば、先端に向かうにつれて幅寸法が小さくなる略柱状をなしている。
第1成形型30における表皮材10の裏面10Bとの対向面は、表皮材10を所定の形状に成形する成形面32とされる。成形面32には、複数の吸引孔33(凸部側吸引孔)が形成されており、各吸引孔33には、ポンプ等の空気圧供給装置P1(図3参照)が接続されている。
表皮材10を第1成形型30にセットした状態で、空気圧供給装置P1を作動させることで、各吸引孔33を介して表皮材10に対して負圧を与えること(真空引き)が可能な構成となっている。これにより、表皮材10を吸引することで、表皮材10を第1成形型30における成形面32に密着させることができ、表皮材10を成形面32の形状に倣った形状に成形することができる。
また、吸引孔33には、図3に示すように、重ね合わされた表皮ピースの端部15,15を挿入可能な構成となっている。なお、図1では、吸引孔33を省略してある。また、第1成形型30は、図示しない型移動装置によって水平方向及び上下方向の移動や上下反転が可能な構成となっている。
成形面32において、表皮材10の周端部(表皮ピース13に対応)が載置される部分には、一対の挟持部材41,42が設けられている。一対の挟持部材41,42は、表皮材10の周端部を挟持することで、第1成形型30に対して保持するための部材とされる。
第1成形型30に近い側に配される挟持部材42は、例えば、直方体形状をなしており、第1成形型30の表面に凹設された嵌合部36に嵌合されている。
挟持部材42には、磁石43が埋め込まれている。第1成形型30において、挟持部材42と対向する部分には、磁石35(第1磁石)が埋め込まれている。磁石43と磁石35とが互いに引き合うことで、挟持部材42が第1成形型30に対して固定される構成となっている。
挟持部材41は、磁性を有する金属製の板状部材とされる。これにより、挟持部材41は、磁石43に引き寄せられることで、挟持部材42との間で表皮材10を挟持することができる。挟持部材41としては、磁石によって吸着される性質を有しているものであればよく、鉄や磁性を有するステンレスなどを用いることができる。
なお、一対の挟持部材41,42は、図1に示すように、表皮材10の周端部に沿って複数箇所(本実施形態では4箇所)に設けられている。具体的には、一対の挟持部材41,42は、例えば、表皮材10の周端部の4辺にそれぞれ設けられている。
次に、表皮材10を本成形する第2成形型60の構成について説明する。第2成形型60は、表皮材10の製品形状に倣った凹部61を有している。凹部61は、第1成形型30の凸部31が嵌合可能な形状をなしている。
本実施形態では、図5に示すように、予備成形された表皮材10が配された状態の第1成形型30の凸部31を第2成形型60の凹部61に嵌合させた後、第2成形型60によって、表皮材10の本成形を行う。
凹部61は、図4に示すように、開口側(図4の上側)に向かうにつれて開口幅が大きくなる形状をなしている。一方、凹部61に嵌合される第1成形型30の凸部31は、基端に向かうにつれて幅寸法が大きくなっている。
具体的には、凹部61の側面61Aの鉛直方向(図5の上下方向、凹部61に対する凸部31の嵌合方向)に対する傾斜角度は、図5に示すように、凸部31の側面31Aの鉛直方向(型閉じ方向)に対する傾斜角度よりも大きい値で設定されている。
この結果、凸部31側に表皮材10が配されている状態で凹部61に凸部31を嵌合させると、表皮材10の意匠面10Aと凹部61の各側面61Aとの間に隙間Sがそれぞれ形成される構成となっている。そして、隙間Sの大きさは、凹部61の奥面側から凹部61の開口端部に向かうにつれて大きくなる。
なお、図1に示すように、第1成形型30において凸部31とその周端部37(凸部31の周囲)との境界線X1は、4本の曲線L1によって構成されている。各曲線L1(図4も参照)は、長手方向における中央部が第1成形型30の内側に湾曲する形状をなしている。
これに対して、第2成形型60における凹部61の側面61Aと凹部61の開口端部61Bとの境界線X2(図4も参照)は、4本の線分L2によって構成されている。なお、線分L2は、図1において2点鎖線で示してある。そして、曲線L1の長さと線分L2の長さは同じ値で設定されている。つまり、凸部31と周端部37との境界線X1の長さは、側面61Aと開口端部61Bとの境界線X2の長さと等しいものとされる。
第2成形型60における表皮材10の意匠面10Aとの対向面は、表皮材10を製品形状に成形するための成形面62とされる。成形面62には、複数の吸引孔63(凹部側吸引孔)が形成されており、各吸引孔63には、ポンプなどの空気圧供給装置P2(図6参照)が接続されている。
表皮材10を第2成形型60にセットした状態で、空気圧供給装置P2を作動させることで、各吸引孔63を介して表皮材10に対して負圧を与えること(真空引き)が可能な構成となっている。これにより、表皮材10を吸引することで、表皮材10を第2成形型60における成形面62に密着させることができ、表皮材10を成形面62の形状に倣った形状(製品形状)に成形することができる。
また、第2成形型60における凹部61の開口端部には、磁石64が埋め込まれている。磁石64は、第1成形型30の挟持部材41と対向する箇所に設けられている。また、一対の挟持部材41,42に作用する磁石64の磁力は、例えば、磁石35の磁力よりも大きいものとされる。なお、上述した磁石35,43,64としては、例えば、ネオジム磁石を例示することができる。
次に、本実施形態の表皮材10の成形方法について説明する。本実施形態における表皮材10の成形方法は、表皮材載置工程と、第1成形工程(予備成形工程)と、嵌合工程と、第2成形工程(本成形工程)と、離脱工程と、を備えている。
<表皮材載置工程>
表皮材載置工程では、第1成形型30の成形面32(凸部31の表面を含む)に表皮材10を載置する。この時、表皮材10の裏面10Bと成形面32とを対向配置させる。また、各表皮ピース11,12,13の各端部15,15を対応する各吸引孔33にそれぞれ挿入する。
そして、表皮材10を載置した後、各挟持部材42との間で表皮材10の周端部を挟むようにして、各挟持部材41をそれぞれ配置する(図3参照)。各挟持部材41は、各挟持部材42の磁石43に引き寄せられる(吸引される)。これにより、一対の挟持部材41,42の各々によって表皮材10の周端部が挟持される。
<第1成形工程>
次に、第1成形工程では、第1成形型30の空気圧供給装置P1を作動させる。これにより、図3に示すように、吸引孔33を介して、表皮材10に対して負圧を与えることで表皮材10が成形面32に吸引され、表皮材10は、成形面32の形状に倣った形状に成形される。
<嵌合工程>
次に、第1成形型30の空気圧供給装置P1及び吸引孔33によって表皮材10を吸引した状態で、第1成形型30を上下反転させ、図4に示すように、第2成形型60の凹部61と第1成形型30の凸部31とを対向配置させる。なお、表皮材10は、吸引孔33による吸引、及び一対の挟持部材41,42によって第1成形型30の成形面32上に保持され、表皮材10の意匠面10Aが第2成形型60の成形面62と対向配置されている。
なお、一対の挟持部材41,42は、表皮材10を挟持した状態で第1成形型30に対して磁力によって固定されており、表皮材10を保持する保持手段の一例である。
次に、第2成形型60に対して第1成形型30を接近させる(第1成形型30及び第2成形型60を型閉じする)ことで、第2成形型60の凹部61に第1成形型30の凸部31を嵌合させる。これにより、図5に示すように、凸部31の突出端面31Bと凹部61の奥面61Dとの間で表皮ピース11(表皮材10の一部)が挟持された状態となる。
そして、凹部61に凸部31を嵌合させた状態では、表皮材10の意匠面10A(具体的には表皮ピース12の意匠面)と凹部61の側面61Aとの間に隙間Sが形成された状態となる。言い換えると、凹部61に凸部31を嵌合させる過程では、表皮材10の意匠面10Aが凹部61の側面61Aに摺動することがない。
また、凹部61に凸部31を嵌合させた状態では、挟持部材41が第2成形型60の凹部61の開口端部61Bに当接した状態となる。つまり、一対の挟持部材41,42は、磁石64(第2磁石)と対向する箇所に配される。
<第2成形工程>
次に、第2成形工程では、第1成形型30の空気圧供給装置P1を停止させ、第2成形型60の空気圧供給装置P2を作動させる。これにより、図6に示すように、表皮材10が吸引孔63を介して、成形面62に吸引される。これにより、表皮材10は、成形面62の形状に倣った形状に成形される。
なお、第1成形型30の空気圧供給装置P1を停止する代わりに、第1成形型30の空気圧供給装置P1から吸引孔63を介して表皮材10に正圧を作用させることで、成形面32から成形面62側に表皮材10を押し出す構成としてもよい。
<離脱工程>
次に、離脱工程では、第1成形型30を第2成形型60に対して離間させ、凸部31を第2成形型60の凹部61から離脱させる。これにより、図7に示すように、表皮材10の裏面10Bが露出した状態となる。
また、上述したように第2成形型60の磁石64は、第1成形型30の磁石35よりも磁力が強いものとされる。このため、第1成形型30を第2成形型60から離間させると、一対の挟持部材41,42は、第1成形型30側へ追従せず、第2成形型60に残る。つまり、一対の挟持部材41,42を第1成形型30から第2成形型60へ渡すことができる。
なお、離脱工程の後、表皮材10は、第2成形型60に配された状態で次工程の基材取付工程へ送られる。基材取付工程では、表皮材10の裏面10Bに発泡樹脂層や接着剤などを介して基材が取り付けられる。これにより、基材に対して表皮材10が貼り付けられた状態となり、車両用内装材の製造が完了する。
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態によれば、表皮材載置工程において、表皮材10の裏面10Bが成形面32(凸部31の表面を含む)と対向した状態で、表皮材10を成形面32上に載置する。これにより、作業者は、表皮材10の意匠面10A(裏面とは反対側の面)の状態を目視しつつ、表皮材10を凸部31上に載置することができる。これにより、例えば、意匠面10Aに皺が発生した場合には、速やかに皺を発見することができ、修正することができる。
そして、本実施形態では、表皮材10を凸部31に倣った形状に成形した後、第1成形型30の凸部31を第2成形型60の凹部61に嵌合させる。その後、凹部61側に表皮材10を吸引することで、凹部61の表面形状に倣った形状に表皮材10を成形する。
これにより、表皮材10を所定の形状(製品形状)に成形した後、第1成形型30を第2成形型60から取り外すことで、表皮材10の裏面10Bが露出した状態となる。これにより、成形後の表皮材10の裏面10Bに対して、次工程の作業(例えば、発泡剤の注入作業や基材の貼り付け作業など)を容易に行うことができる。
このように本実施形態では、第1成形型30には、意匠面10Aが目視できるように表皮材10を載置した後、予備成形をする。その後、表皮材10を第2成形型60に移すとともに本成形する。これにより、表皮材10を載置する際には、意匠面10Aを目視可能としつつも、本成形完了時には、表皮材10の裏面10Bを露出させることができる。
また、第1成形型30にて表皮材10の予備成形を行うことで、表皮材10を製品形状に近い形状にすることができる。これにより、表皮材10を第2成形型60に移し、本成形をする過程では、表皮材10の形状が大きく変化することがなく、皺などが生じる事態を抑制することができる。
また、嵌合工程においては、表皮材10の意匠面10Aと凹部61の側面61Aとの間に隙間Sを形成する。これにより、凸部31を凹部61に嵌合させる際に、表皮材10の意匠面10Aが凹部61の側面61Aに対して摺動する事態を抑制でき、表皮材10の意匠面10Aを保護することができる。
また、本実施形態では、表皮材10は、端部15,15同士で互いに重ね合わされた2枚の表皮ピース12,13を少なくとも備え、重ね合わされた端部15,15の各々は、表皮材10の裏面10Bから突出されており、表皮材載置工程では、重ね合わされた端部15,15の各々を吸引孔33に挿入している。
このように、表皮ピース12,13の端部15,15の各々を吸引孔33に挿入することで、端部15,15(縫製部分)の位置決めをより確実に行うことができる。
また、表皮材10を保持する保持手段として、表皮材10を挟持可能な一対の挟持部材41,42を備え、嵌合工程では、第1成形型30に設けられた磁石35によって吸着されている一対の挟持部材41,42を、第2成形型60に設けられた磁石64と対向する箇所に配し、磁石64は、磁石35よりも磁力の強いものとされる。
一対の挟持部材41,42によって表皮材10を挟持することができる。そして、嵌合工程では、一対の挟持部材41,42は第2成形型60に設けられた磁石64と対向する箇所に配される。磁石64は、磁石35よりも磁力が強いため、第2成形工程の後、第2成形型60から第1成形型30を遠ざけると、一対の挟持部材41,42は、磁石64により強く吸着される結果、第2成形型60に残る。これにより、第1成形型30を第2成形型60から遠ざけた後も一対の挟持部材41,42によって表皮材10を挟持することができる。
また、本実施形態では、第1成形型30における凸部31と周端部37との境界線X1(4本の曲線L1によって構成)と、第2成形型60における凹部61の側面61Aと凹部61の開口端部61Bとの境界線X2(4本の線分L2によって構成)とが同じ長さで設定されている。
各曲線L1の形状は、予備成形後の表皮材10における突出部20の基端14(本実施形態では、表皮ピース12及び表皮ピース13の境界線、図1参照)の形状に反映される。つまり、境界線X1の長さは、予備成形後の突出部20の基端14における全周の長さ(以下の説明では周長LAと呼ぶ)と等しくなる。また、各線分L2の形状は、本成形後の表皮材10における突出部20の基端14の形状に反映される。つまり、境界線X2の長さは、本成形後の突出部20の基端14における全周の長さ(以下の説明では周長LBと呼ぶ)と等しくなる。
このため、凸部31及び周端部37の境界線X1の長さと、側面61A及び開口端部61Bの境界線X2の長さを同じ値で設定すれば、予備成形後の突出部20の基端14における周長LAと、本成形後の突出部20の基端14における周長LAと、を一致させることができる。
仮に、周長LAが、周長LBよりも小さく設定されている場合、周長LAと周長LBの差に起因して、予備成形時には、表皮材10の基端14付近に余りが生じる。この結果、表皮材10に皺が生じる虞がある。
本実施形態では、予備成形後の突出部20の基端14における周長LAと、本成形後の突出部20の基端14における周長LBと、を一致させることができるから、予備成形時に表皮材10の基端14付近に余りが生じることがない。この結果、表皮材10に皺が生じる事態を抑制することができ、表皮材10の品質をより高くすることができる。
なお、凹部61に凸部31を嵌合させた状態では、図1に示すように、境界線X2は、境界線X1を外側から囲む形で配される。このため、仮に、境界線X1を(曲線ではなく)直線で構成した場合には、境界線X1の長さは、境界線X2の長さよりも小さくなってしまう。そこで、本実施形態では、境界線X1を(線分L2と同じ長さの)曲線L1によって構成することで、境界線X1の長さを境界線X2の長さと一致させている。
また、本実施形態の表皮材の成形方法は、本革の表皮材に適用すると、より好適である。なぜなら、本革の表皮材は、一般的に寸法公差が大きく、厚さを制御することが困難なためである。仮に、凸部31と凹部61との間の隙間の大きさを、表皮材10の厚さとほぼ同じ値にした構成の場合、表皮材10の厚さが寸法公差によって所定の寸法より大きくなると、凸部31と凹部61の間の隙間よりも表皮材10の厚さが大きくなってしまう。これにより、凸部31を凹部61に嵌合させる際には、表皮材10が凹部61の側面61Aに強く擦られてしまい、皺などの原因となる。
本実施形態では、表皮材10の意匠面10Aと凹部61の側面61Aとの間に隙間Sを空けることで、表皮材10の厚さが所定の寸法より大きくなった場合であっても、嵌合工程において、表皮材10の意匠面10Aに対して凹部61の側面61Aが摺動する事態を抑制することができる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図8ないし図11によって説明する。本実施形態では、表皮材、第1成形型及び第2成形型の構成が上記実施形態と異なる。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ名称の部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態の表皮材110は、図8に示すように、少なくとも2枚の表皮ピース111,112を縫製することで構成されている。また、本実施形態の第1成形型130は、凸部131を有している。凸部131の表面には、吸引孔133が複数箇所に設けられている。各吸引孔133には、図示しない空気圧供給装置が接続されている。
凸部131の表面(成形面を構成)には、図8に示すように、表皮ピース111,112の各端部115,115を嵌合可能な溝部134が凹設されている(図11も参照)。第1成形型130の内部において溝部134に対応する箇所には、磁石135が設けられている。
磁石135は、例えば、ネオジム磁石とされ、第1成形型130に設けられたシリンダ装置138のロッド138Aの先端部に取り付けられている。これにより、シリンダ装置138を油圧(又は空気圧)などで駆動させることで、磁石135を溝部134に対して接近又は離間させる方向(図8の上下方向)に変位させることができる。
また、第1成形型130において溝部134の形成箇所には、挟持部材141が配置される構成となっている。この挟持部材141は、第1成形型130の成形面132(凸部131の突出端面)との間で、表皮ピース111,112の縫製部分を挟持するための部材とされる。
挟持部材141は、表皮ピース111,112の縫製部分の表面形状に対応した突起部142を有している。挟持部材141は、表皮ピース111,112の縫製部分(ひいては、縫製ライン)の延設方向に沿って延びる形状をなしており、例えば、磁性を有する金属とされる。これにより、磁石135を溝部134に接近させた状態では、挟持部材141は、磁石135に吸着される構成となっている。
なお、図8では、第1成形型130にセットする前の状態の挟持部材141を2点鎖線で図示してあり、符号141Aを付してある。また、第1成形型130にセットする前の状態の挟持部材141の突起部142には、符号142Aを付してある。突起部142は、表皮ピース111,112の間に形成された隙間(溝部)に嵌合可能な形状をなしている。
本実施形態の第2成形型160は、図9及び図10に示すように、第1成形型130の凸部131が嵌合可能な凹部161を有している。なお、第1成形型130に保持された表皮材110の意匠面110Aと凹部161の側面161Aとの間には、隙間が生じる構成となっており、凹部161に凸部131を嵌合させる過程では、表皮材110の意匠面110Aが側面161Aに摺動しない構成となっている。
凹部161の奥面161Dには、吸引孔163が複数箇所に設けられている。各吸引孔163には、図示しない空気圧供給装置が接続されている。また、凹部161の奥面161Dにおいて、挟持部材141と対向する部分には、挟持部材141が嵌合可能な嵌合凹部162が形成されている。
また、第1成形型130の周端部には、図10に示すように、第2成形型160に形成されたガイドピン164が挿通可能な挿通孔139が複数箇所に形成されている。各挿通孔139に各ガイドピン164がそれぞれ挿通されることで、第1成形型130と第2成形型160との位置合わせがされる。
次に、本実施形態の表皮材110の成形方法について説明する。まず、図8に示すように、第1成形型130の成形面132に表皮材110を載置する(表皮材載置工程)。この時、表皮材110の裏面110Bと成形面132とを対向配置させ、表皮ピース111,112の端部115,115(縫製された部分)を溝部134に挿入する。
次に、挟持部材141を表皮材110の意匠面110Aのうち、端部115,115に対応する部分に載置する。なお、この時、磁石135は、溝部134に接近されている。このため、挟持部材141は、磁石135によって溝部134側へ吸着される。これにより、挟持部材141と成形面132によって表皮ピース111,112の縫製された部分を挟持することができる。
次に、各吸引孔133を介して、表皮材110に対して負圧を与え、表皮材110を成形面32の形状に倣った形状に成形する(第1成形工程)。続いて、図9に示すように、第1成形型130を上下反転させ、第2成形型160の上方に配する。
次に、図10に示すように、第2成形型160に対して第1成形型130を接近させ、第2成形型160の凹部161に第1成形型130の凸部131を嵌合させる(嵌合工程)。これと同時に、第2成形型160の嵌合凹部162に挟持部材141を嵌合させる。
その後、各吸引孔133による表皮材110の吸引を停止した後、第2成形型160の各吸引孔163を介して、表皮材110に対して負圧を与え、表皮材110を凹部161の形状に倣った形状に成形する(第2成形工程)。表皮材110を成形した後、シリンダ装置138を駆動させ、磁石135を溝部134から遠ざける。
次に、第1成形型130を第2成形型160に対して離間させ、凸部131を第2成形型160の凹部161から離脱させる(離脱工程)。これにより、表皮材110の裏面110Bが露出した状態となる。
また、前工程において、磁石135を溝部134から遠ざけてあるから、磁石135から挟持部材141に作用する磁力は、弱い(又は殆ど作用しない)ものとされる。このため、第1成形型130を第2成形型160に対して離間させる過程では、挟持部材141は、磁石135(第1成形型130側)に吸着されず、嵌合凹部162に嵌合された状態で維持される。
このように、本実施形態では、挟持部材141及び磁石135を備えることで、表皮ピース111,112の縫製部分を挟持することができ、縫製部分、ひいては縫製ラインの位置ずれを抑制することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、一対の挟持部材41,42と吸引孔33による吸引とを併用して、表皮材10を第1成形型30の成形面32に保持する方法を例示したが、これに限定されない。一対の挟持部材41,42又は吸引孔33による吸引のいずれか一方のみを用いて表皮材10を第1成形型30に保持してもよい。つまり、保持手段として、吸引孔33による吸引のみを用いてもよい。
(2)上記実施形態では、磁石としてネオジム磁石を例示したが、磁石の種類はこれに限定されない。例えば、磁石35,64としては、永久磁石ではなく、電磁石を例示することができる。磁石35を電磁石とすれば、例えば、第2成形型60から第1成形型30を遠ざける際に、磁石35への通電を停止することで、磁石35の磁力の発生を停止させることができ、一対の挟持部材41,42を第2成形型60に残すことができる。
(3)上記実施形態では、複数枚の表皮ピースから構成されている表皮材を例示したが、これに限定されない。例えば、一枚の表皮ピースのみから表皮材が構成されていてもよい。
(4)表皮材の製品形状(本成形後の表皮材の形状)は上記実施形態で例示したものに限定されず適宜変更可能である。表皮材は、少なくとも一部が意匠面側に突出した形状をなす形に成形されるものであればよい。表皮材の突出部20の形状も略台形状に限定されない。また、第1成形型及び第2成形型の形状も表皮材の製品形状に合わせて適宜変更可能である。
(5)実施形態2の挟持部材141及び磁石135を実施形態1の第1成形型30に設けてもよい。
10…表皮材、10A…表皮材の意匠面、10B…表皮材の裏面、11…表皮ピース(表皮材の一部)、12,13…表皮ピース、15…重ね合わされた端部、30…第1成形型、31…凸部、31B…凸部の突出端面、32…成形面(凸部の表面を構成)、33…吸引孔(凸部側吸引孔)、35…磁石(第1磁石)、41,42…挟持部材(保持手段)、60…第2成形型、61…凹部、61A…凹部の側面、61D…凹部の奥面、63…吸引孔(凹部側吸引孔)、64…磁石(第2磁石)、S…隙間

Claims (3)

  1. 凸部を有する第1成形型と、前記凸部が嵌合可能な凹部を有する第2成形型と、を用いて表皮材の成形を行う表皮材の成形方法であって、
    前記表皮材の裏面を前記凸部の表面と対向させた状態で、前記表皮材を前記凸部の表面上に載置する表皮材載置工程と、
    前記表皮材載置工程の後に行われ、前記凸部の表面に形成された凸部側吸引孔を介して、前記表皮材を吸引することで、前記表皮材を前記凸部の表面形状に倣った形状に成形する第1成形工程と、
    前記第1成形工程の後に行われ、保持手段によって前記表皮材を前記凸部の表面上に保持した状態で、前記第1成形型の前記凸部を前記第2成形型の前記凹部に嵌合させる嵌合工程と、
    前記嵌合工程の後に行われ、前記凹部の表面に形成された凹部側吸引孔を介して、前記表皮材を吸引することで、前記表皮材を前記凹部の表面形状に倣った形状に成形する第2成形工程と、を備え、
    前記嵌合工程では、
    前記凸部の突出端面と前記凹部の奥面との間で前記表皮材の一部を挟持するとともに、前記表皮材の意匠面と前記凹部の側面との間に隙間を形成するものとされ、
    前記隙間の大きさは、前記凹部の前記奥面側から前記凹部の開口端部に向かうにつれて大きくなるものとされる表皮材の成形方法。
  2. 前記表皮材は、端部同士で互いに重ね合わされた2枚の表皮ピースを少なくとも備え、
    重ね合わされた前記端部の各々は、前記表皮材の前記裏面から突出されており、
    表皮材載置工程では、
    重ね合わされた前記端部の各々を前記凸部側吸引孔に挿入する請求項1に記載の表皮材の成形方法。
  3. 前記保持手段は、前記表皮材を挟持可能な一対の挟持部材とされ、
    前記嵌合工程では、前記第1成形型に設けられた第1磁石によって吸着されている前記一対の挟持部材を、前記第2成形型に設けられた第2磁石と対向する箇所に配し、
    前記第2磁石は、前記第1磁石よりも磁力の強いものとされる請求項1又は請求項2に記載の表皮材の成形方法。
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