JP5969412B2 - 変位データ送信装置 - Google Patents
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Description
本発明は、機械の安全状態を監視するために必要な位置や速度等の変位データを監視装置等へ送信する変位データ送信装置に関する。
近年、制御機器に搭載される回路規模の増大と信号処理の高速化及び集積回路の微細化、さらには、制御機器に組み込むソフトウェアの複雑化により、制御機器が偶発的に誤動作を起こす確率が高まる傾向にある。このため、万一の制御機器誤動作に対して、制御対象となる機械の可動部を安全に停止させる安全機能が制御機器に搭載されるようになってきている。また、制御機器の誤動作を検出する装置としては、可動部に設置した複数のセンサにより検出した位置や速度等の変位データをシリアル通信により送信する変位データ送信装置と、受信した変位データに基づいて、可動部が安全な速度を超過していないかを監視する速度監視装置が、安全機能を有する制御装置に搭載されている。
図3は、3軸のモータを制御するNC制御システムのブロック図である。また、図4は、従来の変位データ送信装置を組み込んだエンコーダの内部を示すブロック図である。また、図5は、図3のエンコーダが出力する変位データの送信フレームの構造を示す図である。
図3を説明する。NC装置20は、信号SN0、SN1、SN2、SN3、SN4で示されるリング状のシリアル通信ネットワークを通じて、モータ制御装置21、22、23や、速度監視装置30と、制御用データの送受信を行う。また、モータ制御装置21、22、23は、各モータ回転軸の回転位置をNC装置20からの位置指令に従い制御する。具体的には、モータ制御装置21、22、23は、エンコーダ27、28、29からシリアル信号EN1、EN2、EN3を通じて送信される位置データに基づき、それぞれモータ24、25、26に流す三相の電流P1、P2、P3を制御する。
また、エンコーダ27、28、29からシリアル信号EN1、EN2、EN3を通じて送信された位置データは、モータ制御装置21、22、23により、シリアル信号SN1、SN2、SN3を通じて中継送信され、速度監視装置30で受信される。速度監視装置30では、受信した各モータの位置データから差分処理により回転速度を検出し、予め設定された安全速度と比較する。また、機械ドア等の開閉を示す信号GUARがドア開を示す状態のとき、モータの回転速度がどれか一つでも安全速度を超えた場合、信号SN4、SN0、SN1、SN2により、モータ制御装置21、22、23に、緊急停止指令を送信するとともに、非常停止信号STOPを出力して、モータ等の制御電源の遮断を行う。
次に、エンコーダ27、28、29に組み込まれ、位置の変位データを送信する従来の変位データ送信装置について、図4のブロック図で説明する。図4では、エンコーダの入力軸1には、磁気情報を記録した円板2が固定されており、入力軸が回転すると、それぞれ磁気センサ3、4、5により、記録された情報が読み取られ、信号A、信号B、信号Zの電気信号に変換される。信号A、信号B、信号Zは、それぞれ、独立した2系統の位置変換器6、7に入力され、異なる位置変換方式によって、それぞれ、バイナリの位置データPS1、PS2に変換される。図4の例では、PS2の方がPS1よりも分解能が高い精密な位置データとなっており、PS1が入力軸1の1回転を16ビットのデータに変換するのに対して、PS2は、入力軸1の1回転を20ビットのデータに変換する。また、位置変換器6、7では、信号A、信号B、信号Zの振幅や変化のパターンに異常があると、それぞれ異常を示す信号ER1と信号ER2をステータスレジスタ10へ出力する。ステータスレジスタ10は、エンコーダの異常状態を8ビットのステータスデータSTSで示し、異常が無い限り、出力値は0に固定される。2つの位置データPS1とPS2は、マイクロコンピュータ13に入力され、2つの位置データPS1とPS2との上位16ビットの差の絶対値が予め設定した量を超えると異常を示す信号ER3をステータスレジスタ10へ出力する。
フレームアドレスレジスタ8は、8ビットの送信フレームの宛先アドレスと8ビットのエンコーダ固有の送信元アドレスとを、16ビットのアドレスデータDSAとして記憶している。更新カウンタ回路9は、送信開始信号SDCが指令されるごとに、8ビットの更新カウントデータCTをカウントアップする。巡回符号生成器11は、データDSAとデータCTとデータSTSとデータPS1の48ビットデータの巡回符号演算を行い32ビットの巡回符号CRCを生成する。
シリアル通信回路12は、モータ制御装置から送信された位置データ要求指令や送信した位置データをシリアル信号RXとして受信し、パラレルデータに変換し、受信データ信号RXDとしてマイクロコンピュータ13に出力する。マイクロコンピュータ13は、受信データ信号RXDが位置データ要求指令を示している場合、送信開始信号SDCを出力する。シリアル通信回路12は、送信開始信号SDCが入力されると、図5に示すように、フレームの開始を示すコードSDを先頭につけ、データDSA、データSTS、データCT、データPS1、巡回符号CRCの順に一つの位置データ通信フレームとして、シリアル信号TXにより送信する。また、マイクロコンピュータ13は、受信データ信号RXDより、送信した位置データ通信フレーム内の位置データPS1をチェックし、異常がある場合は、送信開始信号SDCの出力を停止することにより、位置データ通信フレームが送信されなくなることで、モータ制御装置や速度監視装置へ異常を知らせる。
また、図3のNC制御システムでは、エンコーダ27、28、29が送信した位置データフレームのうちフレームの開始を示すコードSD以外は、そのまま、信号SN1、SN2、SN3により、中継送信され、速度監視装置30で受信される。速度監視装置30では、受信した位置データフレームの送信元アドレスからエンコーダを特定し、ステータスデータSTSに異常がないことの確認や、更新カウントデータCTが毎回更新されているかを確認する他、受信フレームの巡回符号と受信データ内容のチェックを行う。
以上のようにすることで、従来の変位データ送信装置を組み込んだエンコーダは、内部の回路の何れかの1つが故障したとしても確実に異常を検出し、外部へ故障を知らせることが可能となっている。また、更新カウントデータCTと32ビットの強力な巡回符号により、速度監視装置30までに、位置データ通信フレームの内容がノイズや中継機器の故障等により、ビット化けした場合でも、その異常を確実に、速度監視装置30側で検出することが可能である。また、速度監視装置30では、通常2つのマイクロコンピュータを搭載し、上記の処理を2重に行い相互確認することで、高い信頼性を確保している。
図4に示した従来の変位データ送信装置では、装置の信頼性を確保するために装置内部の異常を診断するためのマイクロコンピュータ13が必要であり、コストアップの要因となっていた。また、1つのマイクロコンピュータでは、マイクロコンピュータ自身の診断が十分にできないため、信頼性のレベルが若干低くなっていた。
別の方法として、2つの位置データを速度監視装置へ送信することにより、診断を速度監視装置が搭載する2つのマイクロコンピュータに行わせる方法がある。しかし、この方法では、異常を診断するためのマイクロコンピュータを不要とすることが可能だが、位置データ通信フレームのデータサイズが追加データ分増加する。また、通信データのビット量が増大すると、ビット化けの異常検出を確実に行うため、さらに巡回符号のビット数も増大させなければならないという問題があった。
このようなことから、低コストで通信データ量が少なく信頼性の高い変位データ送信装置が望まれていた。
本発明は、上述のような事情から成されたものであり、本発明の目的は、低コストで通信データ量が少なく信頼性の高い変位データ送信装置を提供することにある。
本発明に係る変位データ送信装置は、センサ信号から検出した変位データを、シリアル通信により外部へ送信する変位データ送信装置において、センサ信号を変位データに変換する変位データ変換手段であって、異常がない限り複数のセンサ信号を同一の変位データに変換する第1及び第2変位データ変換手段と、前記第1変位データ変換手段が変換した第1変位データを含まず、前記第2変位データ変換手段が変換した第2変位データを含む、前記第2変位データのビット数以上の巡回符号を生成する巡回符号生成手段と、前記第1変位データと前記巡回符号とを出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る変位データ送信装置において、前記第1変位データ及び前記第2変位データの一方はNビット(Nは1以上の整数)のデータであり、他方はNよりも多いビット数のデータであり、前記変位データ変換手段は、前記第1変位データ及び前記第2変位データの上位Nビット目の値に基づき、前記Nよりも多いビット数のデータをNビットのデータに変換することが望ましい。
また、本発明に係る変位データ送信装置において、前記変位データ変換手段は、前記第1変位データ及び前記第2変位データの上位Nビット目の値が同一である場合は、前記Nよりも多いビット数のデータを、その上位Nビットのデータに変換し、前記第1変位データ及び前記第2変位データの上位Nビット目の値が異なる場合であって前記Nよりも多いビット数のデータの上位N+1ビット目のデータが1である場合は、前記Nよりも多いビット数のデータを、その上位Nビットのデータに1を加算したデータに変換し、前記第1変位データ及び前記第2変位データの上位Nビット目の値が異なる場合であって前記Nよりも多いビット数のデータの上位N+1ビット目のデータが0である場合は、前記Nよりも多いビット数のデータを、その上位Nビットのデータから1を減算したデータに変換することが望ましい。
また、本発明に係る変位データ送信装置において、前記巡回符号生成手段は、さらに、前記出力手段が前記第1変位データ及び前記巡回符号を出力するごとにデータが変化する更新チェック用データを含めた巡回符号を生成してもよい。
また、本発明に係る変位データ送信装置において、前記巡回符号生成手段は、さらに、前記変位データ送信装置の異常時にデータが変化するステータスデータを含めた巡回符号を生成してもよい。
本発明では、2つの変位データのうち、他方の変位データを巡回符号に変換して送信している。変位データのビット数以上の巡回符号から他方の変位データに変換することは可能なため、変位データと巡回符号を送信することは、2つの変位データを送信することとほぼ等価となる。これにより、従来技術と比較し、通信量を増大せずに2つの変位データの送信が可能となる。
また、2つの変位データを巡回符号無しで、そのまま送信した場合は、2つの変位データの同じ桁の2つのビットが同時に変化しただけで、異常が検出できなくなる。これに対して、他方の変位データを適切な巡回符号に変換することによって、一方の変位データと巡回符号が同時に3ビット以上ビット化けした場合でも、異常検出が可能となる。
また、速度監視装置側で、2つのマイクロコンピュータにより、それぞれ受信フレームの巡回符号による異常チェックを行えば、2つの変位データの異常チェックを二重に行ったことと等価になる。このため、変位データ送信装置側の異常を診断するためのマイクロコンピュータを不要とできる上、異常診断の信頼性レベルも二重化により向上できる。以上より、低コストで通信データ量が小さくかつ信頼性の高い変位データ送信装置を実現できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図1において図4と同じ機能のものは同じ符号とし、その説明を省略する。また、異常が無い限り、図1のエンコーダの位置データPS1と位置データPS2との差は、位置データPS1の単位系で±0.25ビット未満であることを前提として本発明を説明する。
図1で、変位量変換器14は、20ビットの位置データPS2の下位5ビット目(上位から16ビット目)と16ビット位置データPS1の上位から16ビット目に相当する最下位ビット(LSB)を比較し、同じ値の場合は、位置データPS2の上位16ビットをPS1‘として出力する。また、PS2の下位5ビット目とPS1の最下位ビットが異なり、PS2の下位4ビット目が1の場合、位置データPS2の上位16ビットに1を加算した値をPS1’として出力する。また、PS1の5ビット目とPS2の最下位ビットが異なり、PS1の下位4ビット目が0の場合、位置データPS2の上位16ビットに1を減算した値をPS1’として出力する。これらの変位量変換器14の処理により、位置データPS1と位置データPS2の差がPS1の単位系で±0.5ビットを超えない限り、位置データPS1’を位置データPS1の値に揃えることが可能である。また、PS2の下位5ビット目とPS1の最下位ビットが異なり、PS2の下位4ビット目と下位3ビット目が1と1又は、0と0以外は、2つの位置データにPS1の単位系で±0.25ビットを超える差が発生したと判断して、異常を示す信号ER3をステータスレジスタ10へ出力する。
巡回符号生成器11は、データDSAとデータCTとデータSTSとデータPS1’の48ビットデータの巡回符号演算を行い32ビットの巡回符号CRCを生成する。送信指令回路15は、受信データ信号RXDが位置データ要求の場合、送信開始信号SDCを出力する。シリアル通信回路12は、送信開始信号SDCが入力されると、図4の従来と同様に、フレームの開始を示すコードSDを先頭につけ、データDSA、データSTS、データCT、データPS1、巡回符号CRCの順に一つの位置データ通信フレームとして、シリアル信号TXにより送信する。以上から、位置データPS1と位置データPS2のどちらかに異常が発生し、両者にPS1の単位系で±0.5ビット以上の差が生じた場合は、送信された位置データと巡回符号CRCが一致しないため、速度監視装置側で位置データの異常を検出することが可能である。
なお、図1の実施例では、PS1’を巡回符号生成器11に入力し、PS1を送信用データとしたが、PS1を巡回符号生成器11に入力し、PS1’を送信用データとしてもよい。また、巡回符号生成器11により生成される巡回符号のサイズを32ビットとしたが、例えば、シリアル通信回路12側に通信フレームの末尾に送信データの16ビット巡回符号FCを自動付加する専用の16ビット巡回符号生成回路を内蔵している場合、巡回符号生成器11を32ビットから16ビットの巡回符号生成器に換えて、図2に示すような位置データ通信フレームとしても良い。この場合、巡回符号CRCと巡回符号FCの異常検出パターンによって、異常原因が通信によるものかそれ以外かの特定が容易となるメリットがある。その他、複数のセンサ信号を出力するセンサとして、磁気センサを例に示したが、光センサや巻線などの電磁センサや、その他のセンサでも実現が可能である。また、実施例では、位置データを送信する変位データ送信装置について述べたが、速度、加速度、温度、圧力、放射線量等の他の変位データを送信する変位データ送信装置でも実現可能である。
なお、上記では、速度監視専用の位置データ通信フレームについてのみ説明したが、実際のエンコーダは、速度監視専用の位置データ通信フレーム以外に、モータ制御装置からの指令により、高分解能な位置データPS2を含んだモータ制御専用の位置データ通信フレームも送信する。
1 入力軸、2 円板、3,4,5 磁気センサ、6,7 位置変換器、8 フレームアドレスレジスタ、9 更新カウンタ回路、10 ステータスレジスタ、11 巡回符号生成器、12 シリアル通信回路、13 マイクロコンピュータ、14 変位量変換器、15 送信指令回路、20 NC制御装置、21,22,23 モータ制御装置、24,25,26 モータ、27,28,29 エンコーダ、30 速度監視装置。
Claims (5)
- 複数のセンサ信号から検出した変位データを、シリアル通信により外部へ送信する変位データ送信装置において、
複数のセンサ信号を変位データに変換する変位データ変換手段であって、異常がない限り複数のセンサ信号を同一の変位データに変換する第1及び第2変位データ変換手段と、
前記第1変位データ変換手段が変換した第1変位データを含まず、前記第2変位データ変換手段が変換した第2変位データを含む、前記第2変位データのビット数以上の巡回符号を生成する巡回符号生成手段と、
前記第1変位データと前記巡回符号とを出力する出力手段と、
を有することを特徴とする変位データ送信装置。 - 前記第1変位データ及び前記第2変位データの一方はNビット(Nは1以上の整数)のデータであり、他方はNよりも多いビット数のデータであり、
前記変位データ変換手段は、前記第1変位データ及び前記第2変位データの上位Nビット目の値に基づき、前記Nよりも多いビット数のデータをNビットのデータに変換する、
ことを特徴とする請求項1記載の変位データ送信装置。 - 前記変位データ変換手段は、
前記第1変位データ及び前記第2変位データの上位Nビット目の値が同一である場合は、前記Nよりも多いビット数のデータを、その上位Nビットのデータに変換し、
前記第1変位データ及び前記第2変位データの上位Nビット目の値が異なる場合であって前記Nよりも多いビット数のデータの上位N+1ビット目のデータが1である場合は、前記Nよりも多いビット数のデータを、その上位Nビットのデータに1を加算したデータに変換し、
前記第1変位データ及び前記第2変位データの上位Nビット目の値が異なる場合であって前記Nよりも多いビット数のデータの上位N+1ビット目のデータが0である場合は、前記Nよりも多いビット数のデータを、その上位Nビットのデータから1を減算したデータに変換する、
ことを特徴とする請求項2に記載の変位データ送信装置。 - 前記巡回符号生成手段は、さらに、前記出力手段が前記第1変位データ及び前記巡回符号を出力するごとにデータが変化する更新チェック用データを含めた巡回符号を生成する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の変位データ送信装置。 - 前記巡回符号生成手段は、さらに、前記変位データ送信装置の異常時にデータが変化するステータスデータを含めた巡回符号を生成する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の変位データ送信装置。
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