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JP5975427B2 - 給湯装置およびこれを備えた貯湯式給湯システム - Google Patents
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本発明は、ガス給湯装置などの給湯装置、およびこれを備えた貯湯式給湯システムに関する。
従来、図4に示すような構造の給湯装置9が広く知られている。この給湯装置9は、バーナ90により発生させた燃焼ガスから熱交換器91を利用して熱を回収し、湯水加熱を行なうものである。熱交換器91の上流側および下流側には、入水温度センサSa、流量センサSb、および出湯温度センサScが設けられている。
このような給湯装置9において、出湯温度を所望の目標出湯温度とするための手段として、バーナ90の燃焼量制御が実行されるが、従来においては、図5のブロック線図に示すような制御系とされている。
この制御系においては、入水温度θin(t)、目標出湯温度θsv(t)、および流量q(t)から定められるフィード・フォワード燃焼量(FF燃焼量)(t)と、出湯温度θout(t)を目標出湯温度θsv(t)に合わせるためのフィードバック燃焼量(FB燃焼量)(t)との和が算出される。
(FF燃焼量)(t)は、(FF燃焼量)(t)=(θsv(t)−θin(t))・q(t)とされている。
ここで、前記した制御系では、バーナ90の燃焼量の殆どが、FF燃焼量によって占められている。したがって、このFF燃焼量の値を適正なものとすることが、前記した制御系を適切に機能させる上で重要となる。
しかしながら、従来においては、次に述べるように、未だ改善すべき余地があった。
入水温度センサSaは、熱交換器91に対し、通水方向上流側に離れて設けられる。このため、入水温度センサSaの位置で温度検出がなされた湯水が、熱交換器91に到達してその加熱が開始される迄には時間を要することとなり、タイムラグを生じる。潜熱回収型の給湯装置においては、バーナによって強く加熱される顕熱回収用の熱交換部の前段に、潜熱回収用の熱交換部が設けられるために、前記のタイムラグは大きいものとなる。
ところが、従来においては、FF燃焼量を算定する場合に、前記したようなタイムラグをなんら考慮していない。このため、FF燃焼量の値は、出湯温度を目標温度に制御するための値として、最適であるとは断言できず、タイムラグが大きい場合には、入水温度が大きく変化した際に、出湯温度も大きく変化する現象を生じていた。
一方、給湯装置9への入水を水道管から行なわせる場合には、入水温度が急変することは余りないものの、たとえば貯湯タンクから給湯装置9に入水を行なわせる場合には、給湯装置9への入水温度が急変する場合が比較的多くある。したがって、このような場合には、前記した現象を防止する必要性がとくに大きい。
前記した不具合を抑制するための手段としては、前記したタイムラグに対応すべく、入水温度の経時的変化のデータをメモリに順次記憶させていき、FF燃焼量の算定を行なう際には、前記メモリに記憶されたデータの中から、所定の対応データを読み出すようにすることが考えられる。ところが、このような手段を採用したのでは、メモリを多く消費する不利が生じる。
特許第3386575号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、メモリを多く消費するといった不具合を生じさせることなく、入水温度が大きく変化した際の出湯温度の変化量を小さくし、出湯温度の安定化を促進することが可能な給湯装置、およびこれを備えた貯湯式給湯システムを提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面により提供される給湯装置は、バーナと、このバーナにより発生された燃焼ガスから熱回収を行なう熱交換器と、を備えており、前記熱交換器に対する入水流量、入水温度、および目標出湯温度に基づいて前記バーナの燃焼量を算出する処理を周期的に実行し、前記バーナの駆動制御を行なうように構成された給湯装置であって、前記燃焼量の算出に用いる入水温度として、フィルタード入水温度が用いられ、このフィルタード入水温度は、入水温度センサを用いて検出された実入水温度と、前回の燃焼量算出時に用いられたフィルタード入水温度とに基づいて算出される温度であって、前記入水流量に対応してその値が変化するように規定された温度であることを特徴としている。
好ましくは、前記熱交換器は、前記バーナにより加熱される顕熱回収用の熱交換部と、この熱交換部の通水方向上流側に位置する潜熱回収用の熱交換部とを備えた構成とされる。
本発明の第2の側面により提供される貯湯式給湯システムは、貯湯タンクと、この貯湯タンクから所定の出湯口に送られる湯水をその途中で加熱することが可能な補助熱源機と、を備えている、貯湯式給湯システムであって、前記補助熱源機として、本発明の第1の側面により提供される給湯装置が用いられていることを特徴としている。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
本発明に係る給湯装置を備えた貯湯式給湯システムの一例を示す概略説明図である。 燃焼量の算出に用いられるフィルタード入水温度の具体例を示す説明図である。 入水量の変化に対すると出湯温度の変化の具体例を示すシミュレーション図である。 従来の給湯装置の一例を模式的に示す説明図である。 従来の給湯装置の制御系を示すブロック線図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1に示す貯湯式給湯システムSYは、貯湯タンク1、補助熱源機としての給湯装置WH、および制御部2を備えている。貯湯タンク1は、たとえば主熱源機としてのヒートポンプ(図示略)によって加熱された湯水を貯留させるものであり、循環ポンプP1を駆動させると、貯湯タンク1内の湯水が配管部30aを介してヒートポンプに送られて加熱されてから、配管部30bを介して貯湯タンク1内の上部に戻されて流入する。貯湯タンク1の下部および上部には、入水管31および出湯管32も接続されており、出湯管32の出湯口32aに配管接続された給湯栓(図示略)が開けられると、入水口31aへの入水
圧により、貯湯タンク1内の湯水が出湯口32aに向けて流出し、給湯栓に供給される。
給湯装置WHは、たとえば貯湯タンク1内の湯水温度が目標給湯温度よりも低い場合などにおいて、貯湯タンク1から流出する湯水を加熱するのに利用されるものである。この給湯装置WHは、たとえば既存のガス瞬間湯沸器と同様な構造であり、バーナ40、ファン41、およびバーナ40を用いて発生させた燃焼ガスから熱回収を行なう熱交換器42を有している。熱交換器42は、顕熱回収用および潜熱回収用の熱交換部42a,42bを有するいわゆる潜熱回収型である。熱交換器42への入水用および出湯用の配管部33a,33bは、貯湯タンク1の出湯管32に接続されており、三方弁V1を切り替えることにより、貯湯タンク1内の湯水を熱交換器42に送り込んで加熱させてから出湯口32aに向かわせることが可能である。なお、入水温度センサSa、流量センサSb、および出湯温度センサScを有する点は、図4で説明した給湯装置9と同様である。
制御部2は、たとえばマイクロコンピュータを用いて構成されており、貯湯式給湯システムSYの各部の動作制御を実行することに加え、給湯装置WHの出湯温度制御も実行する。この出湯温度制御においては、入水温度センサSaならびに流量センサSbからのデータ、およびリモコンなどを用いて設定された給湯装置WHの目標出湯温度のデータに基づき、バーナ40の燃焼量(背景技術で述べたFF燃焼量に対応する燃焼量であり、以下適宜FF燃焼量と指称する)を算出する処理を実行する。この処理の具体的な内容を、以下に説明する。
制御部2は、所定の周期nで、前記した各種のデータをサンプリングし、動作制御を行なう。周期nは、たとえば0.1秒である。実際の制御における場合を鑑み、以降の説明では、時間tの関数に代えて、制御周期nの関数を用いることとする。
まず、目標出湯温度θsv(n)、実入水温度データθin(n)、熱交換器42の入水流量q(n)のデータについては、周期nでサンプリングし、制御部2に取得させる。前記の実入水温度データθin(n)とは、入水温度センサSaを用いて検出された最新の入水温度データである。
これに伴い、タイムラグLを、入水流量q(n)の関数L(q(n))として定める。ここで、タイムラグLは、背景技術の欄で述べたタイムラグに対応するものであり、給湯装置WHに供給される湯水が入水温度センサSaを通過した時点から熱交換器42の入り口に到達するまでの所要時間に相当する。したがって、タイムラグLは、入水流量q(n)と密接に関連しており、基本的には、入水流量q(n)が大きくなれば、L(q(n))は小さくなる。タイムラグLを定める手法としては、タイムラグLの算出式を予め作成しておいてから演算によって求める手法、あるいは予め試験を行なうことによりタイムラグLと入水流量q(n)との関係を示すデータテーブルを作成しておくといった手法を採用することができる。タイムラグLの算出式の一例としては、L=A(q(n)2)+B(q(n))+C(ただし、A〜Cは、定数)が挙げられる。この式は、タイムラグLが入水流量q(n)の変化に対して2次関数的に変化すると捉えたものである。同式において、A〜Cの値については、適切な値となるように実験により求めておけばよい。
次いで、フィルタード入水温度θ'in(n)を、次の式1を用いて求める。

θ'in(n)=(L/L+1)・θ'in(n-1)+(1/L+1)・θin(n) …式1

ここで、θ'in(n-1)は、前回の燃焼量算出時に用いられたフィルタード入水温度である。θin(n)は、先に述べた実入水温度データである。
前記したフィルタード入水温度θ'in(n)を求めた後には、次の式2を用いてバーナ40
のFF燃焼量(n)を求める。

FF燃焼量(n)=(θsv(n)−θ'in(n))・q(n) …式2
給湯装置WHの出湯温度の制御に際しては、式2により求めたFF燃焼量(n)の値を用いて出湯温度制御が実行される。給湯装置WHの出湯温度の制御系は、図5に示した制御系において、同図の伝達関数GFF(s)に代えて、式2により算出されるFF燃焼量(n)に相当するデータを出力する伝達関数に置き換えられた構成となる。
次に、前記した貯湯式給湯システムSYの作用について説明する。
まず、バーナ40のFF燃焼量は、既述したように、式2を用いて算出されるが、この式2には、フィルタード入水温度θ'in(n)がパラメータとして含まれている。ここで、フィルタード入水温度θ'in(n)は、式1に示したように、前回値θ'in(n-1)をパラメータとするものである。また、タイムラグLもパラメータに含んでおり、タイムラグLが大きい場合ほど、フィルタード入水温度θ'in(n)の値が大きくなるように規定されている。したがって、入水流量が少なく、タイムラグLが大きい場合には、その分だけ、フィルタード入水温度θ'in(n)は、過去の入水温度の影響を大きく受ける値となる。
このようなことにより、実入水温度が大きな幅で変化した際に、これに伴って出湯温度が大きな幅で変化することは抑制される。加えて、実入水温度の変化に対応してFF燃焼量が急激に変化することが緩和される作用も得られることとなる。このような効果は、出湯温度の安定化を図る上で、好ましいものとなる。
さらに、式1においては、実入水温度データθin(n)の係数が(1/L+1)であるのに対し、フィルタード入水温度θ'in(n)の係数は、それよりも大きい(L/L+1)であり、実入水温度データθin(n)よりもフィルタード入水温度θ'in(n)の方が、大きな重み付けとされている。このため、実入水温度データθin(n)が変化しても、これに起因してフィルタード入水温度θ'in(n)の値が大きく変動することは、より抑制されることとなる。
図2は、式1を用いて算出されたフィルタード入水温度θ'in(n)と実入水温度との関係の具体例を示している。同図において、入水流量q(n)やタイムラグLは、一定である。同図では、符号a1で示す部分において、実入水温度に大きな変化を生じている。これに対し、タイムラグLが10,30のいずれの場合においても、フィルタード入水温度θ'in(n)は、実入水温度の変化に遅れて変化し、かつその変化が緩やかなものとなる。
図3は、式1,式2により求めたFF燃焼量を用いた場合の実入水温度と出湯温度とのシミュレーション結果を示すものであり、タイムラグLが、0,10,20,30の場合が示されている。ただし、タイムラグL=0の場合は、従来例に相当する。流量q(n)やタイムラグLは、一定である。
同図では、実入水温度が急激に変化しており、これに対応して出湯温度にも変化を生じている。ただし、タイムラグL=0の場合のオーバシュートH0およびアンダシュートD0に比べて、タイムラグL=10,20,30の場合には、オーバシュートH1〜H3およびアンダシュートD1〜D3がいずれも小さくなっている。また、急激な変化が緩和される「なまし効果」も得られている。このようなデータからも、本発明では、出湯特性が大きく改善されることが理解できる。
本実施形態の給湯装置WHは、潜熱回収型であるために、既述したように、タイムラグLは大きいものとなる。また、給湯装置WHには、貯湯タンク1から湯水が供給されるよ
うに構成されているために、実入水温度が急変する可能性は高い。したがって、このような給湯装置WHに対して、前記した制御を適用することは、出湯特性を良好にする上で、甚だ有意義である。
また、前記した制御によれば、演算によりFF燃焼量を求めるために、メモリが多く消費されるといった不具合を回避することも可能である。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る給湯装置の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
フィルタード入水温度の算出式、および燃焼量の算出式としては、式1、式2とは異なる式を用いることが可能である。フィルタード入水温度は、要は、入水温度センサを用いて検出された実入水温度と、前回の燃焼量算出時に用いられたフィルタード入水温度とに基づいて算出される温度であって、熱交換器への入水流量に対応してその値が変化するように規定された温度であればよい。したがって、たとえば式1中の係数(L/L+1),(1/L+1)を、これとは異なる内容にすることができる。燃焼量については、たとえば式2を用いて算出した後に、さらに補正を加えるといったことも可能である。
本発明に係る給湯装置は、潜熱回収型以外のものとすることが可能である。バーナは、ガスバーナに代えて、オイルバーナとすることもできる。本発明に係る貯湯式給湯システムは、ヒートポンプ方式のものに代えて、たとえば燃料電池の排熱を利用して加熱された湯水を貯湯タンクに貯留させるタイプとすることも可能である。
以上のように、本発明によれば、入水温度検出時期と熱交換器への入水時期との間に生じるタイムラグによる悪影響を少なくし、入水温度が大きな変動幅で急変した際に、出湯温度の変動幅を小さくするとともに、急激な変化を緩和する作用が得られる。その結果、安定した出湯特性が得られる。
このような効果は、たとえば貯湯タンクから給湯装置への入水が行なわれることにより入水温度が急変し易い条件下、および給湯装置が潜熱回収型とされていることによりタイムラグが大きくなるような条件下において、とくに有効である。
SY 貯湯式給湯システム
WH 給湯装置
Sa 入水温度センサ
θ'in(n) フィルタード入水温度
1 貯湯タンク
2 制御部
42 熱交換器

Claims (3)

  1. バーナと、このバーナにより発生された燃焼ガスから熱回収を行なう熱交換器と、を備えており、
    前記熱交換器に対する入水流量、入水温度、および目標出湯温度に基づいて前記バーナの燃焼量を算出する処理を周期的に実行し、前記バーナの駆動制御を行なうように構成された給湯装置であって、
    前記燃焼量の算出に用いる入水温度として、フィルタード入水温度が用いられ、
    このフィルタード入水温度は、入水温度センサを用いて検出された実入水温度と、前回の燃焼量算出時に用いられたフィルタード入水温度とに基づいて算出される温度であって、前記入水流量に対応してその値が変化するように規定された温度であることを特徴とする、給湯装置。
  2. 請求項1に記載の給湯装置であって、
    前記熱交換器は、前記バーナにより加熱される顕熱回収用の熱交換部と、この熱交換部の通水方向上流側に位置する潜熱回収用の熱交換部とを備えている、給湯装置。
  3. 貯湯タンクと、
    この貯湯タンクから所定の出湯口に送られる湯水をその途中で加熱することが可能な補助熱源機と、
    を備えている、貯湯式給湯システムであって、
    前記補助熱源機として、請求項1または2に記載の給湯装置が用いられていることを特徴とする、貯湯式給湯システム。
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