本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[LED用リードフレーム]
図1(A)は、本発明の一実施形態に係るLED用リードフレームを示す部分端面図であり、図1(B)は、本発明の一実施形態における金属層(第1金属めっき層、第2金属めっき層及び第3金属めっき層)の概略構成を示す、図1(A)におけるX部拡大端面図であり、図2は、本発明の一実施形態における基材の表面(LED素子搭載面)側を示す部分平面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るLED用リードフレーム1は、LED素子を搭載するための搭載領域MA(図2において、一点鎖線にて囲まれる各領域)を有する平板状の基材2と、基材2の少なくとも搭載領域MA上に第1金属めっき層31、第2金属めっき層32及び第3金属めっき層33がこの順に積層されてなる金属層3とを備える。
基材2としては、従来公知のリードフレーム用基材を用いることができ、例えば、銅、銅合金、42合金(ニッケル41%の鉄合金)等の金属基材(導電性基材);セラミックス、ガラス等の電気絶縁性基材表面に導電性材料層を設けてなる複合基材等を用いることができる。これらのうち、基材2の放熱性の観点から、金属基材(導電性基材)を用いるのが好ましい。
LED素子を搭載するための搭載領域MAは、基材2上に少なくとも1つ設けられていればよいが、複数の搭載領域MAがマトリックス状(複数行×複数列)に所定のピッチで設けられていてもよい。なお、本実施形態においては、複数の搭載領域MAを有する基材2を例に挙げて説明する。
搭載領域MAは、基材2上のリフレクタ形成用領域RA(図2において二点鎖線にて囲まれる領域から搭載領域(一点鎖線にて囲まれる領域)MAを除いた領域)にリフレクタを設けた際に基材2の表面(第3金属めっき層33)が露出する略長円形状又は略方形状の領域であり、基材2上に所定のピッチでマトリックス状(複数行×複数列)に配列されている。基材2上における搭載領域MAの数は、特に限定されるものではなく、基材2の大きさ、LED素子の大きさ、各搭載領域MAのピッチ等に応じて適宜設定することができる。各搭載領域MAのピッチは、LED素子の大きさ等に応じて適宜設定することができるが、例えば、2〜10mm程度である。ここで、搭載領域MAのピッチとは、縦方向又は横方向に隣接する2つの搭載領域MAの各中心点間の距離を意味する。
基材2の大きさは、搭載領域MAに実装されるLED素子の大きさや、搭載領域MAのピッチ等に応じて適宜設計され得る。また、基材2の厚みは、例えば、0.05〜0.5mm程度に設定され得る。
基材2上には、各搭載領域MAを囲むようにしてリフレクタ形成用領域RAが設けられており、当該リフレクタ形成用領域RAには、一の搭載領域MAの外側を囲む、所定の深さを有する第1の溝部21が形成されている。基材2のリフレクタ形成用領域RAに第1の溝部21が形成されていることで、例えば基材2が金属基材であって、その金属基材のリフレクタ形成用領域に樹脂製リフレクタを形成したときに、金属基材と樹脂製リフレクタとの密着性を向上させることができる。なお、第1の溝部21の深さ、形状等は、樹脂製リフレクタとの密着性等を考慮して、適宜設定され得る。
本実施形態における基材2には、当該基材2における第1の溝部21が形成されている面(表面,LED素子搭載面)の対向面(裏面)側であって、隣接する2つの搭載領域MA,MAのそれぞれの外側を囲む2つの第1の溝部21,21の間に位置するようにして、基材2の縦方向及び横方向に延在する第2の溝部22が形成されている。当該第2の溝部22は、本実施形態に係るLED用リードフレーム1を用いて半導体装置を製造する過程における、個々の半導体装置に個片化する際のダイシングライン上に位置するように形成されているため、ダイシングされるべき金属量を低減することができ、ダイシングブレードにかかる負荷を低減することができる。
基材2には、縦方向(又は横方向)に並列する複数の搭載領域MAを縦断(又は横断)するようにして貫通スリット23が形成されている。搭載領域MAを縦断(又は横断)する貫通スリット23が形成されていることで、LED用リードフレーム1がダイシングされて個片化されて得られる半導体装置において、搭載領域MAが大面積の第1リード部2A及び小面積の第2リード部2Bに分割され、第1リード部2A及び第2リード部2Bを電気的に独立したものとすることができる(図4参照)。なお、貫通スリット23の短手方向の幅Wは、特に限定されるものではないが、例えば、200〜600μmの範囲で適宜設定することができる。
基材2の搭載領域MA上に、第1金属めっき層31、第2金属めっき層32及び第3金属めっき層33がこの順で積層されて設けられた金属層3は、当該搭載領域MAに搭載されるLED素子からの発光を反射する反射層としての役割を果たす層であり、特に、第3金属めっき層33が当該反射層としての役割を主に果たす層である。
これらのうちの第1金属めっき層31は、当該反射層の結晶状態を形作る役割を主に果たす層であり、第1金属材料としての銀又は銀合金(銀と、スズ、パラジウム、銅、金、インジウム、ロジウム、亜鉛等の他の金属とを含有する合金)が基材2の少なくとも搭載領域MA上に電気めっき等によりめっきされてなるものである。なお、銀合金中の他の金属の含有量は、銀合金の溶融温度、反射率等を考慮して設定することができ、例えば、50質量%以下に設定することができる。
第1金属めっき層31の厚さは、1〜10μmであるのが好ましく、1〜5μmであるのがより好ましい。第1金属めっき層31の厚さが1μm未満であると、当該LED用リードフレーム1を用いて製造された半導体装置における製造初期の反射率や光沢度が低下するおそれがある。また、当該厚さが10μmを超えても、当該半導体装置における製造初期の反射率等がほとんど向上せず、第1金属材料の使用量が増大し、LED用リードフレーム1及びそれを用いて製造される半導体装置の製造コストが増大してしまう。
第3金属めっき層33は、第3金属材料としての銀又は銀合金(銀と、スズ、パラジウム、銅、金、インジウム、ロジウム、亜鉛等の他の金属とを含有する合金)が第2金属めっき層32上に電気めっき等によりめっきされてなるものである。なお、銀合金中の他の金属の含有量は、銀合金の溶融温度、反射率等を考慮して設定することができ、例えば、50質量%以下に設定することができる。また、第3金属めっき層33を構成する第3金属材料は、第1金属めっき層31を構成する第1金属材料と同一のものであってもよいし、異なるもの(例えば、第1金属材料が銀若しくは銀合金であって、第3金属材料が銀合金若しくは銀;第1金属材料及び第3金属材料がともに銀合金であって、合金を構成する他の金属が異なるもの;又は第1金属材料及び第3金属材料がともに銀合金であり、合金を構成する他の金属の種類は同一であるが、当該銀合金における他の金属材料の組成比が異なるもの等)であってもよい。
第3金属めっき層33の厚さは、好ましくは1μm以下であり、より好ましくは100nm〜1μmであり、特に好ましくは500nm以上1μm未満である。後述するように、本実施形態に係るLED用リードフレーム1においては、第3金属めっき層33中に第2金属めっき層32を構成する第2金属材料(インジウム等)が拡散しているが、第3金属めっき層33の厚さが100μm未満であると、後述するLED用リードフレームの製造方法の加熱工程における加熱条件にもよるものの、第3金属めっき層33中に拡散する第2金属材料(インジウム等)により第3金属めっき層33の表面が被覆され過ぎてしまい、当該LED用リードフレーム1を用いて製造される半導体装置の製造初期における反射率が低下してしまうおそれがある。また、当該厚さが1μmを超えると、後述するLED用リードフレームの製造方法の加熱工程における加熱条件にもよるものの、第3金属めっき層33の表面における第3金属材料(銀又は銀合金)の結晶粒界が、第3金属めっき層33中に拡散する第2金属材料(インジウム等)により十分に被覆されないおそれがあり、腐食性ガス等による腐食を効果的に抑制することができなくなるおそれがある。
第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33のそれぞれは、その厚さ方向における所定の断面の全面積のうちの好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上100%未満が、所定の断面積(第1金属めっき層31においては1μm2、第3金属めっき層33においては0.01μm2)以上の銀又は銀合金の結晶粒子で占められる。特に、第3金属めっき層33の厚さ方向における所定の断面の全面積における、断面積0.01μm2以上の銀又は銀合金の結晶粒子の占める割合が上記範囲であれば、第3金属めっき層33における銀又は銀合金の結晶粒界が効果的に低減されていることになり、結果として、第2金属めっき層32から第3金属めっき層33へと拡散し、第3金属めっき層33表面に現れる第2金属材料により第3金属めっき層33表面の結晶粒界が十分に被覆されるため、半導体装置の製造初期における反射率をより向上させることができるとともに、第3金属めっき層33を構成する銀又は銀合金の腐食性ガス等による腐食をより抑制することができる。
さらには、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33のそれぞれの厚さ方向における所定の断面において、それらの厚さの二乗以上の断面積を有する銀又は銀合金の結晶粒子が少なくとも1個存在するのが好ましい。特に、第3金属めっき層33のそれぞれの厚さ方向における所定の断面において、そのような断面積を有する銀又は銀合金の結晶粒子が少なくとも1個存在していれば、第3金属めっき層33の結晶粒界が効果的に低減され、結晶粒界が第2金属材料により十分に被覆されているため、腐食性ガスによる銀又は銀合金の腐食を効果的に抑制することができる。
なお、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33のそれぞれの厚さ方向における所定の断面とは、基材2の搭載領域MA中から任意に選択された一の搭載領域MA上の第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33のそれぞれの厚さ方向における切断面のうち、SEMを用いて観察可能な領域であって、例えば、第1金属めっき層31においては、その厚さ方向及び面方向における長さが10μm×20μmの断面であり、第3金属めっき層33においては、その厚さ方向及び面方向における長さが2μm×1μmの断面である。
また、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33のそれぞれの所定の断面の全面積における所定の断面積以上の銀又は銀合金の結晶粒子の占める面積割合は、一の搭載領域MA上の反射層3の任意の複数箇所(例えば3箇所)を切断し、当該切断面における当該面積割合の算術平均値として算出され得る。
さらに、銀又は銀合金の結晶粒子の断面積とは、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33のそれぞれの厚さ方向における所定の断面(SEMにより観察可能な領域)に現れる銀又は銀合金の結晶粒子切断面の面積を意味し、当該断面積は、例えばSEMを用いて当該切断面を観察し、EBSP検出器を用いて結晶方位を判別し、結晶粒像を撮影し、粒径分布を算出する方法により測定することができる。
第1金属めっき層31と第3金属めっき層33との間に位置する第2金属めっき層32は、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33を構成する第1金属材料及び第3金属材料(銀又は銀合金)よりも腐食性ガス(硫化水素等)に対する耐性の高い第2金属材料を、基材2の搭載領域MA上の第1金属めっき層31を被覆するように電気めっき等によりめっきしてなるものである。このような第2金属材料としては、例えば、インジウム、ロジウム、亜鉛若しくはスズ、又はそれらのうちの少なくとも1種を含む合金等が挙げられる。
第2金属めっき層32の厚さは、好ましくは10〜50nmであり、より好ましくは30〜50nmである。第2金属めっき層32の厚さが10nm未満であると、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料(インジウム等)が、第3金属めっき層33の表面における第3金属材料(銀又は銀合金)の結晶粒界を十分に被覆し得る程度に第3金属めっき層33中に拡散することができず、第3金属めっき層33の表面に第3金属材料(銀又は銀合金)の結晶粒界が露出してしまい、腐食性ガス等による腐食を効果的に抑制することができなくなるおそれがある。また、当該厚さが50nmを超えても腐食性ガス等による腐食抑制効果をほとんど向上させることができず、第2金属材料の使用量が増大し、LED用リードフレーム1及びそれを用いる半導体装置の製造コストが増大してしまうおそれがある。
なお、本実施形態において、金属層3(第1金属めっき層31〜第3金属めっき層33)の厚さとは、蛍光X線測定装置(例えば、FISCHER社製,製品名:FISCHERSCOPE XDV−SDD)を用いて測定される各金属めっき層31〜33の厚さを意味し、複数の搭載領域MAがマトリックス状(複数行×複数列)に所定のピッチで設けられるLED用リードフレームにおいては、当該厚さは、複数の搭載領域MAのうちの任意に選択した2以上の搭載領域MA(例えば、5箇所の搭載領域MA)における各金属めっき層31〜33の厚さを蛍光X線測定装置により測定した測定値の算術平均値であるのが好ましい。
なお、第3金属めっき層33の厚さを比較的厚く(例えば、800nm〜1μm程度)設定した場合、第3金属めっき層33の厚さは、第2金属めっき層32の厚さの15〜20倍程度であるのが好ましい。第2金属めっき層32と第3金属めっき層33との厚さの比を上記範囲内にすることで、腐食性ガスによる腐食抑制効果に優れたLED用リードフレーム1とすることができる。
本実施形態においては、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料の一部が少なくとも第3金属めっき層33中に拡散し、また、当該第2金属材料が、第3金属めっき層33の表面の一部を露出させるように、かつ当該第3金属めっき層33の表面における第3金属材料(銀又は銀合金)の結晶粒界を被覆している。第3金属めっき層33を構成する第3金属材料(銀又は銀合金)は、腐食性ガス(硫化水素等)に対する耐性の低いものである。しかしながら、第2金属めっき層32を構成する、第3金属材料よりも腐食性ガス(硫化水素等)に対する耐性の高い第2金属材料の一部が、第3金属めっき層33の表面の一部を露出させるように、かつ当該第3金属めっき層33の表面における第3金属材料(銀又は銀合金)の結晶粒界を被覆していることで、搭載領域MAに搭載されるLED素子からの発光の反射率に影響する第3金属めっき層33が腐食性ガス等により腐食するのを抑制することができる。
ここで、腐食性ガスによる銀又は銀合金の腐食は、主に、銀又は銀合金の結晶粒界において生じると考えられる。そのため、第3金属めっき層33の表面における第3金属材料(銀又は銀合金)の結晶粒界が第2金属めっき層32を構成する第2金属材料(インジウム等)により選択的に被覆されていれば、腐食性ガスによる第3金属材料(銀又は銀合金)の腐食を効果的に抑制することができるものと考えられる。その一方で、腐食性ガスによる腐食を防止するという観点のみから言えば、第3金属材料(銀又は銀合金)よりも腐食性ガスに対する耐性に優れる第2金属材料により、第3金属めっき層33の全表面を被覆するのが最良であると考えられる。しかしながら、本実施形態において、第2金属めっき層32は、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33よりも波長400〜700nm(特に波長460nm)の光に対する反射率の低いものである。そのため、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料により第3金属めっき層33の全表面が被覆されてしまうと、当該LED用リードフレーム1を用いて製造される半導体装置の製造初期における反射率が低下してしまうという問題がある。
この点、本実施形態に係るLED用リードフレーム1においては、後述するように、第1〜第3金属めっき層31〜33を有する基材2が加熱されることにより、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料(インジウム等)が第3金属めっき層33中に拡散されてなるものであるが、当該加熱により第3金属めっき層33の第3金属材料(銀又は銀合金)の結晶粒界が効果的に低減されることになる。そして、第3金属めっき層33中に拡散した第2金属めっき層32を構成する第2金属材料(インジウム等)が第3金属めっき層33表面に現れることにより、加熱により低減した第3金属材料(銀又は銀合金)の結晶粒界(第3金属めっき層33表面における結晶粒界)が当該第2金属材料により選択的に被覆され、第3金属めっき層33表面における結晶粒界以外の部分は露出することになる。したがって、本実施形態に係るLED用リードフレーム1によれば、製造される半導体装置の製造初期において、第3金属めっき層33を構成する第3金属材料(銀又は銀合金)の反射率に応じた高い反射率を発揮し得るとともに、腐食性ガス等による腐食を効果的に抑制することができる。
なお、本実施形態においては、第1金属めっき層31中(第1金属めっき層31における第1金属めっき層31と第2金属めっき層32との境界部分から所定の深さ部分)にも第2金属めっき層32を構成する第2金属材料の一部が拡散しているのが好ましい。第2金属めっき層32を構成する第2金属材料の一部が第1金属めっき層31中にも拡散していることで、第2金属めっき層32が第1金属めっき層31から剥離し難くなるという効果も奏し得る。
また、本実施形態における基材2として銅を含む基材(銅基板、銅合金基板等)を用いた場合、本実施形態に係るLED用リードフレーム1を用いて製造される半導体装置において、経時的に基材2に含まれる銅が第3金属めっき層33上面に向かって移動する、いわゆるパイルアップ現象が生じることがあり、特に当該パイルアップ現象は、高輝度タイプのLED素子を用い、高温状態で長期間使用している場合に顕著に生じ得る。このときに、第3金属めっき層33上面に向かって移動した銅と酸素とが結合して生成される酸化銅が第3金属めっき層33の表面に露出することで、半導体装置における反射率が低下することになってしまう。しかしながら、本実施形態に係るLED用リードフレーム1においては、第1金属めっき層31を構成する第1金属材料(銀又は銀合金)の結晶粒界を通じて第3金属めっき層33上面に向かって移動する銅は第2金属めっき層32により遮られ、第3金属めっき層33の上方から当該第3金属めっき層33を構成する第3金属材料(銀又は銀合金)の結晶粒界を通じて第3金属めっき層33中に入り込む酸素も、第2金属めっき層32により遮られる。そのため、銅と酸素との結合により酸化銅が生成されるのを抑制することができ、この結果として、半導体装置における反射率の低下を抑制することができる。
基材2上の第3金属めっき層33は、後述する実施例からも明らかなように、第3金属めっき層33における第3金属材料(銀又は銀合金)の結晶粒界が効果的に低減されてなるものであることで、第3金属めっき層33中に拡散し、第3金属めっき層33表面に現れる第2金属めっき層32を構成する第2金属材料(インジウム等)により、第3金属めっき層33表面における第3金属材料(銀又は銀合金)の結晶粒界が十分に被覆され、第3金属めっき層33表面における当該結晶粒界以外の部分は露出している。その結果として、当該LED用リードフレーム1を用いて製造した半導体装置の製造初期において、第3金属材料(銀又は銀合金)により構成される第3金属めっき層33の反射率に応じた高い反射率を発揮することができるとともに、第3金属めっき層33を構成する第3金属材料(銀又は銀合金)の腐食性ガス等による腐食をより抑制することができる。
なお、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33を構成する第1金属材料及び第3金属材料が銀合金である場合、上述した第2金属めっき層32を構成する第2金属材料は、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33を構成する銀合金よりも腐食性ガスに対する耐性の高いものである限り、当該第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33を構成する銀合金と同一金属種を含む合金であってもよい。例えば、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33を構成する第1金属材料及び第3金属材料が銀インジウム合金である場合に、当該合金よりもインジウムの組成比が大きく、腐食性ガスに対する耐性の高い銀インジウム合金を、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料として用いてもよい。
本実施形態に係るLED用リードフレーム1において、第1〜第3金属めっき層31〜33がこの順に積層されてなる金属層3は、貫通スリット23により二分される各搭載領域MAの一の搭載領域上に設けられてなる第1金属層3Aと、他の搭載領域上に設けられてなる第2金属層とから構成される。そして、第1金属層3Aと第2金属層3Bとの各縁部3Ae,3Beが、貫通スリット23を介して対向している。
本実施形態に係るLED用リードフレーム1は、基材2と第1金属めっき層31との間に下地めっき層(図示せず)を備えていてもよい。このような下地めっき層としては、例えば、無電解めっき、電気めっきにより形成した銅めっき層、ニッケルめっき層等が挙げられる。かかる下地めっき層の厚さは、例えば、10〜1000nmに適宜設定され得る。
下地めっき層としてのニッケルめっき層の直上に第1金属めっき層31を形成しようとすると、当該第1金属めっき層31が剥離しやすくなるおそれがある。その一方で、第1金属めっき層31との密着性を考慮して、ニッケルめっき層上に銅ストライクめっき層を形成したり、さらに銅ストライクめっき層上に銀ストライクめっき層を形成したりすると、かかるLED用リードフレームから製造される半導体装置において、経時的に当該銅ストライクめっき層から第1金属めっき層31を通じて第3金属めっき層33の表面に向かっての銅のパイルアップ現象が生じるおそれがある。また、ニッケルめっき層は、基材2からの銅のパイルアップを抑止する効果があるものの、当該ニッケルめっき層の厚さが薄い(10〜200nm程度)と、パイルアップの抑止効果が不十分であり、基材2から銅が第3金属めっき層33表面に向かって移動してしまう。しかしながら、本実施形態に係るLED用リードフレーム1によれば、第2金属めっき層32が第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33の間に設けられていることで、当該LED用リードフレーム1から製造された半導体装置において、ニッケルめっき層上に銅ストライクめっき層が形成されている場合や、ニッケルめっき層の厚さが薄い場合であっても、第1金属めっき層31の下方(基材2、銅ストライクめっき層)から移動してきた銅が第3金属めっき層33の表面にまで移動するのを防止することができる。その結果として銅のパイルアップ現象を起因として半導体装置における反射率が低下するのを抑制することができる。
なお、本実施形態に係るLED用リードフレーム1においては、各搭載領域MAを囲むリフレクタ形成用領域RAに樹脂製リフレクタ11が形成されていてもよいし(図5(B)等参照)、当該樹脂製リフレクタ11が形成されていなくてもよい(図8参照)。
[LED用リードフレームの製造方法]
上述したような構成を有するLED用リードフレーム1は、以下のようにして製造することができる。図3は、本実施形態に係るLED用リードフレーム1の製造工程を示す工程フロー図である。
(第1金属めっき工程)
まず、第1の溝部21、第2の溝部22及び貫通スリット23が形成されてなる基材2を用意し、当該基材2の表面に、各搭載領域MAに相当する所定形状の開口部を有する絶縁性レジスト層4を設けるとともに、貫通スリット23内部と基材2の裏面に絶縁性レジスト層4を設ける(図3(A))。なお、絶縁性レジスト層4が有する開口部の大きさ、形状等は、基材2上に形成される金属層3(第1〜第3金属めっき層31〜33)の部位、形状等に応じて適宜設定され得る。
次に、基材2を給電層として、電気めっき法により、絶縁性レジスト層4の開口部に露出している基材2の表面に第1金属材料(銀又は銀合金)をめっきし、第1金属めっき層31を形成する。このとき、第1金属めっき層31の厚さが1〜10μm、好ましくは1〜5μmとなるように、第1金属めっき層31を形成する。
なお、第1金属めっき層31下に下地めっき層を設ける場合、第1金属めっき工程を行う前に、基材2の表面に下地めっき層(銅めっき層や所定の厚さ(10〜200nm程度)のニッケルめっき層、所望によりそれらの上に銅ストライクめっき層(厚さ50〜200nm程度)及び銀ストライクめっき層(厚さ50〜200nm程度)等)を形成する下地めっき層形成工程を行うことができる。
(第2金属めっき工程)
続いて、基材2の上に形成された第1金属めっき層31上に第2金属材料(インジウム等)を電気めっき法によりめっきし、第2金属めっき層32を形成する。このとき、第2金属めっき層32の厚さが好ましくは10〜50nm、より好ましくは30〜50nmとなるように、第2金属めっき層32を形成する。
(第3金属めっき工程)
次に、基材2上に形成された第2金属めっき層32上に第3金属材料(銀又は銀合金)を電気めっき法によりめっきし、第3金属めっき層33を形成する。このとき、第3金属めっき層33の厚さが好ましくは1μm以下、より好ましくは100nm〜1μm、特に好ましくは500nm以上1μm未満となるように、第3金属めっき層33を形成する。上記第1〜第3金属めっき工程により、基材2の搭載領域MA上に金属層3(第1〜第3金属めっき層31〜33)が形成される(図3(B))。
(加熱工程)
続いて、金属層3(第1〜第3金属めっき層31〜33)が形成された基材2を加熱する。基材2の加熱温度は、第3金属めっき層33を構成する第3金属材料(銀又は銀合金)の結晶粒子を再結晶化させることによって当該結晶粒子のサイズを増大させ得るとともに、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料を少なくとも第3金属めっき層33側に拡散させ、それにより第3金属めっき層33表面に現れた第2金属材料により第3金属材料(銀又は銀合金)の結晶粒界が被覆され得る程度の温度である。具体的には、200〜500℃で加熱するのが好ましく、300〜450℃で加熱するのがより好ましい。
このような温度で加熱することにより、第3金属めっき層33の表面における第3金属材料(銀又は銀合金)の結晶粒界を低減させ、かつ第2金属めっき層32を構成する第2金属材料により当該結晶粒界を十分に被覆することができる。また、この加熱処理により、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料を第1金属めっき層31中にも拡散させることができるため、第2金属めっき層32が第1金属めっき層31から剥離し難くなるという効果も奏し得る。
基材2の加熱時間は、1〜10分間であるのが好ましく、2〜5分間であるのがより好ましい。基材2の加熱時間が1分未満であると、第3金属めっき層33を構成する銀又は銀合金の結晶粒子のサイズを効果的に増大させることができず、また第3金属めっき層33の厚さにもよるが、第2金属材料が第3金属めっき層33表面に十分に現れないおそれがあり、10分を超えると、第3金属めっき層33表面に現れる第2金属材料量が多くなりすぎてしまい、第3金属めっき層33表面の結晶粒界以外の部分も第2金属材料により被覆されてしまうおそれがあり、その結果、得られる半導体装置における製造初期の反射率が低下してしまうおそれがある。
上記基材2の加熱は、窒素等の不活性ガス雰囲気下にて行うのが好ましい。不活性ガス雰囲気下にて基材2を加熱することで、加熱中における銀又は銀合金の腐食(酸化)をより抑制することができる。
加熱工程後、絶縁性レジスト層4を取り除くことで、本実施形態に係るLED用リードフレーム1を製造することができる(図3(C))。
(樹脂製リフレクタ形成工程)
なお、本実施形態に係るLED用リードフレーム1の製造方法においては、上述の過熱工程後、搭載領域MAを囲むリフレクタ形成用領域RAに樹脂製リフレクタ11を形成する樹脂製リフレクタ形成工程をさらに有していてもよいし(図5(B)参照)、当該樹脂製リフレクタ形成工程を有していなくてもよい。かかる樹脂製リフレクタ形成工程を有する場合、後述する半導体装置の製造方法(図5参照)において、LED用リードフレーム1のリフレクタ形成用領域RAに樹脂製リフレクタを形成する工程(図5(B)参照)を省略することができる。
なお、上記LED用リードフレーム1の製造方法において、第1金属材料及び第3金属材料として銀合金を用いて第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33を形成した場合、上述した第2金属めっき層32を構成する第2金属材料は、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33を構成する銀合金よりも腐食性ガスに対する耐性の高いものである限り、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33を構成する銀合金と同一金属種を含む合金であってもよい。例えば、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33が銀インジウム合金により形成される場合に、当該合金よりもインジウムの組成比が大きく、腐食性ガスに対する耐性の高い銀インジウム合金を用いて第2金属めっき層32が形成されていてもよい。
上述したように、本実施形態に係るLED用リードフレーム1の製造方法によれば、基材2上に第1〜第3金属めっき層31〜33をこの順で積層した後に当該基材2を加熱することで、第3金属めっき層33を構成する第3金属材料(銀又は銀合金)の結晶粒界を少なくすることができるとともに、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料が第3金属めっき層33中に拡散し、第3金属めっき層33表面における第3金属材料(銀又は銀合金)の結晶粒界を選択的に被覆することができる。これにより、第3金属めっき層33の腐食性ガス等による腐食を効果的に抑制することができるとともに、当該LED用リードフレーム1を用いて製造される半導体装置において、第3金属めっき層33を構成する第3金属材料(銀又は銀合金)の反射率に応じた高い反射率を発揮することができる。
また、上記加熱工程において第2金属めっき層32を構成する第2金属材料が第1金属めっき層31中にも拡散することで、第1金属めっき層31と第2金属めっき層32との密着性が向上するため、本実施形態に係るLED用リードフレーム1においては、第2金属めっき層32が第1金属めっき層31から剥離し難くなるという効果も奏し得る。
さらに、上記加熱工程において第3金属めっき層33を構成する第3金属材料(銀又は銀合金)の結晶粒界が低減し、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料が第3金属めっき層33表面の結晶粒界を選択的に被覆しており、かつ第1金属めっき層31と第3金属めっき層32との間に第2金属めっき層32が介在していることで、本実施形態に係るLED用リードフレーム1を用いて製造される半導体装置において、第1金属めっき層31の下方(基材2、下地めっき層としての銅ストライクめっき層等)側から表面に向かって移動してきた銅が、第3金属めっき層33の表面にまで移動してくるのを防止することができるとともに、第3金属めっき層33上の酸素が結晶粒界を通じて第3金属めっき層33内に入り込むのを防止することができる。その結果として、銅と酸素とが結合し酸化銅が生成されるのを抑制することができ、長期間にわたる半導体装置の使用によって当該半導体装置における反射率が低下するのを抑制することができる。
[半導体装置]
続いて、上述したような構成を有するLED用リードフレーム1を用いた半導体装置について説明する。図4は、本実施形態における半導体装置を示す断面図である。
図4に示すように、本実施形態における半導体装置10は、上述した本実施形態に係るLED用リードフレーム1の基材2と、LED用リードフレーム1の基材2のリフレクタ形成用領域RAに、搭載領域MAを取り囲むように、かつ搭載領域MAを露出させるようにして設けられてなる樹脂製リフレクタ11と、LED用リードフレーム1の基材2の搭載領域MAに実装されてなるLED素子12と、LED素子12を封止するために、樹脂製リフレクタ11により囲まれた空間内に封止樹脂が充填されてなる封止部13とを備える。
樹脂製リフレクタ11を構成する樹脂材料としては、電気絶縁性を有する材料であれば特に制限されるものではなく、例えば、ポリフタルアミド、エポキシ、シリコーン、液晶高分子等の1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、基材2の貫通スリット23には、樹脂製リフレクタ11と同一の樹脂材料が充填されている。
本実施形態において、基材2の搭載領域MAは、貫通スリット23を介して第1リード部2Aと第2リード部2Bとに分割され、かつ貫通スリット23には樹脂製リフレクタ11を構成する樹脂材料と同一の樹脂材料が充填されている。これにより、第1リード部2Aと第2リード部2Bとは、それぞれ電気的に独立したものとなっている。
LED素子12は、その一の端子(図示せず)が基材2における大面積の第1リード部2Aに接続され、他の端子が小面積の第2リード部2Bにボンディングワイヤ14により接続されることで、搭載領域MAに実装されている。
基材2上の金属層3は、貫通スリット23により二分されてなる第1リード部2A及び第2リード部2Bのそれぞれの表面に形成されてなる第1金属層3Aと第2金属層3Bとからなり、第1金属層3Aと第2金属層3Bとの各縁部3Ae,3Beが貫通スリット23を介して対向している。
封止部13を構成する封止樹脂としては、一般に半導体装置におけるLED素子の封止に用いられる透光性樹脂を用いることができ、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の透光性樹脂や、それらの透光性樹脂に、蛍光物質、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の拡散材料の1種又は2種以上が含有されてなるもの等が挙げられるが、かかる透光性樹脂として、シリコーン樹脂を用いるのが好ましい。半導体装置10の封止部13を構成する封止樹脂は、半導体装置10のリフローはんだ付けの際の加熱により熱に暴露されたり、LED素子として高輝度LEDを用いる場合に当該高輝度LEDから発せられる強い光に暴露されたりする。この点において、シリコーン樹脂は、他の透光性樹脂(エポキシ樹脂等)に比して熱や光による変色等の透光性の劣化等を生じ難い樹脂材料であるため好ましい。その一方で、シリコーン樹脂は、他の透光性樹脂(エポキシ樹脂等)に比してガスバリア性が低いものであるものの、本実施形態に係るLED用リードフレーム1においては、腐食性ガス等による金属層3(特に第3金属めっき層33)の腐食が効果的に抑制されている。したがって、本実施形態における半導体装置10において、封止部13を構成する封止樹脂としてガスバリア性の低いシリコーン樹脂を用いたとしても、金属層3(第3金属めっき層33)を構成する第3金属材料(銀又は銀合金)の反射率に応じた良好な反射率を得ることができる。
本実施形態における半導体装置10は、波長400〜700nmの光を発することのできる装置であるのが好ましい。かかる範囲の波長を有する光は、半導体装置10の金属層3(第3金属めっき層33)の腐食により反射率の低下を招きやすい。しかし、本実施形態における半導体装置10においては、金属層3(第3金属めっき層33)の腐食が抑制され、かつ半導体装置10の製造初期における反射率も高いものとなっている。そのため、本実施形態における半導体装置10においては、波長400〜700nmの光の反射率を製造初期から経時的に高いレベルで維持することができる。
[半導体装置の製造方法]
本実施形態における半導体装置10は、下記のようにして製造することができる。図5は、本実施形態における半導体装置の製造方法を示す工程フロー図である。
まず、本実施形態に係るLED用リードフレーム1を準備し(図5(A))、LED用リードフレーム1のリフレクタ形成用領域RAに樹脂製リフレクタ11を形成する(図5(B))。
次いで、当該LED用リードフレーム1の第1リード部2AにLED素子12の一の端子(図示せず)を接続し(図5(C))、第2リード部2BにLED素子12の他の端子をボンディングワイヤ14により接続する(図5(D))。
そして、LED素子12を搭載した搭載領域MA上の樹脂製リフレクタ11により囲まれる空間内に封止樹脂を充填し、LED素子12及びボンディングワイヤ14を封止する封止部13を形成する(図5(E))。その後、ダイシングラインに沿ってダイシングすることにより個片化された半導体装置10を得ることができる(図5(F))。
上述した半導体装置10を構成するLED用リードフレーム1は、腐食性ガス等による金属層3(第3金属めっき層33)の腐食を効果的に抑制し得るものであるため、封止部13を構成する封止樹脂として特にガスバリア性の低いシリコーン樹脂等を使用したとしても金属層3(第3金属めっき層33)を構成する第3金属材料(銀又は銀合金)の腐食を効果的に抑制することができる。したがって、本実施形態における半導体装置10においては、封止部13を構成する封止樹脂として、熱や光の暴露等により変色等が生じ難いシリコーン樹脂を用いるのが好適である。
上述した構成を有する半導体装置10によれば、当該半導体装置10の製造に用いられるLED用リードフレーム1において、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料が第3金属めっき層33中に拡散するとともに、第3金属めっき層33表面における第3金属材料(銀又は銀合金)の結晶粒界を選択的に被覆している。しかも、LED用リードフレーム1の製造過程における加熱工程により、第3金属めっき層33を構成する第3金属材料(銀又は銀合金)の結晶サイズが増大し、結晶粒界が少なくなっている。この結果として、腐食性ガス等による金属層3(第3金属めっき層33)の腐食が効果的に抑制されるとともに、第3金属めっき層33を構成する第3金属材料(銀又は銀合金)の反射率に応じた良好な反射率を得ることができる。
また、経時的に第1金属めっき層31の下方(基材2、下地めっき層としての銅ストライクめっき層等)から銅が第3金属めっき層33表面側に移動してきたとしても、第1金属めっき層31と第3金属めっき層33との間に第2金属めっき層32が介在していることで、当該銅が第3金属めっき層33の表面にまで移動してくるのを防止することができるとともに、第3金属めっき層33の結晶粒界が第2金属めっき層32を構成する第2金属材料により被覆されていることで、第3金属めっき層33上の酸素が第3金属めっき層33内に入り込むのを防止することができる。その結果として、銅と酸素とが結合して酸化銅が生成されるのを抑制することができるため、半導体装置の長期間の使用によって当該半導体装置における反射率が低下するのを抑制することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記実施形態において、LED用リードフレーム1のダイシングラインは、個片化される1つの半導体装置10に一のLED素子12(搭載領域MA)が含まれるように設定されているが、これに限定されるものではなく、1つの半導体装置10に複数個(例えば、4個)のLED素子12(搭載領域MA)が含まれるように設定されていてもよい。
上記実施形態において、LED用リードフレーム1における搭載領域MAは、基材2の縦方向(又は横方向)に並列する搭載領域MAを縦断(又は横断)する貫通スリット23により、大面積の第1リード部2A及び小面積の第2リード部2Bに分割されているが、これに限定されるものではなく、例えば、基材2の縦方向(又は横方向)に並列する搭載領域MAの略中央を縦断(又は横断)する貫通スリット23により、略同一面積の第1リード部2A及び第2リード部2Bに分割されていてもよい。この場合において、当該LED用リードフレーム1を用いて得られる半導体装置10は、図6に示すように、第1リード部2A及び第2リード部2Bを跨ぐようにして、LED素子12の一方の端子部12aが第1リード部2Aに接続され、他方の端子部12bが第2リード部2Bに接続された構成とすることができる。
また、図7に示すように、搭載領域MAは、基材2の縦方向(又は横方向)に並列する搭載領域MAを縦断(又は横断)する、2つの平行する貫通スリット23,23により、第1〜第3リード部2A〜2Cに分割されていてもよい。この場合において、当該LED用リードフレーム1を用いて得られる半導体装置10は、搭載領域MAの中央(2つの貫通スリット23,23の間)に位置する第3リード部2CにLED素子12が実装され、LED素子12の一方の端子部12aが第1リード部2Aに接続され、他方の端子部12bが第2リード部2Bに接続された構成とすることができる。
さらに、上記実施形態においては、LED用リードフレーム1のダイシングラインに沿って複数の貫通孔が形成されていてもよい。このような構成を有するLED用リードフレーム1であれば、当該LED用リードフレーム1を用いて半導体装置を製造する過程において、LED用リードフレーム1をダイシングして個片化する際におけるダイシングすべき金属量をさらに低減することができ、ダイシングブレードにかかる負荷をさらに低減することができる。また、上金型及び下金型を用いて基材2をクランプし、金型のキャビティ内に樹脂を流し込んで硬化させることでリフレクタ形成用領域RAに樹脂製リフレクタを形成するときに、当該貫通孔を介してリフレクタ形成用領域RAに位置するキャビティのすべてに樹脂を行き渡らせることができる。
さらにまた、上記実施形態においては、基材2の各搭載領域MAに相当する所定形状の開口部を有する絶縁性レジスト層8を設け、当該開口部にて露出する基材上に第1金属めっき層31を形成しているが、当該絶縁性レジスト層8を設けずに基材2の全面に第1金属めっき層31を形成してもよい。
また、上記実施形態において、半導体装置10は、搭載領域MAを取り囲み、かつ搭載領域MAを露出させる樹脂製リフレクタ11を有するが、図8に示すように、上記LED用リードフレーム1の基材2と、一の端子(図示せず)がLED用リードフレーム1の基材2における大面積の第1リード部2Aに接続され、他の端子が小面積の第2リード部2Bにボンディングワイヤ14により接続されることで、搭載領域MAに実装されてなるLED素子12と、基材2及びLED素子12を被覆する封止樹脂により構成される封止部13とを備え、樹脂製リフレクタ11を有しないものであってもよい。かかる半導体装置10において、LED用リードフレーム1の基材2には、隣接する2つの搭載領域MA,MAの間に位置するようにして、基材2の縦方向及び横方向に延在する第2の溝部22が形成されており、縦方向(又は横方向)に並列する複数の搭載領域MAを縦断(又は横断)するようにして貫通スリット23が形成されている。この第2の溝部22及び貫通スリット23には、電気絶縁性を有する樹脂材料(ポリフタルアミド、エポキシ、シリコーン、液晶高分子等の1種又は2種以上の組み合わせ)が充填されている。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例等に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
基材2として厚み0.2mm、横60mm×縦50mmの大きさの銅板を準備し、図2に示す形状の貫通スリット23をエッチングにより形成するとともに、第1の溝部21及び第2の溝部22をハーフエッチングにより形成した。なお、縦方向に隣接する搭載領域MAのピッチを3mmとし、横方向に隣接する搭載領域MAのピッチを4mmとし、基材2上に13行×13列のマトリックス状に配列された搭載領域MAを設けるように、第1の溝部21、第2の溝部22及び貫通スリット23を形成した。
このようにして得られた基材2の一方の面(表面)側に所定形状の開口部を有する絶縁性レジスト層を形成するとともに、他方の面(裏面)側の一面に絶縁性レジスト層を形成した。そして、基材2の表面側の開口部を介して露出する基材2上に、電気めっき法により銀をめっきし、第1金属めっき層31(厚さ:3μm)を形成した。
次に、基材2上に形成した第1金属めっき層31上に、電気めっき法によりインジウムをめっきし、第2金属めっき層32(厚さ:30nm)を形成し、当該第2金属めっき層32上に、さらに電気めっき法により銀をめっきし、第3金属めっき層33(厚さ:100nm)を形成した。
このようにして第1金属めっき層31(厚さ:3μm)、第2金属めっき層32(厚さ:30nm)及び第3金属めっき層33(厚さ:100nm)をこの順で積層してなる金属層3が形成された基材2を、400℃で2分間、リフロー炉(製品名:RN−CS,パナソニック社製)を用いて加熱した。
このようにして形成されたLED用リードフレーム1中の搭載領域MAの中から、一の搭載領域MAを任意に選択し、当該搭載領域MA上の銀めっき層を、任意に選択した3箇所において切断した。そして、当該3箇所の切断面を、SEM(日本電子社製,製品名:JSM−7001F)を用いて観察した。また、上記LED用リードフレーム1中の搭載領域MA上の第3金属めっき層33表面を、SEM(日本電子社製,製品名:JSM−7001F)を用いて観察した。さらに、加熱後の第1〜第3金属めっき層31〜33のそれぞれの厚さを、蛍光X線膜厚計(FISCHER社製,製品名:FISCHERSCOPE XDV−SDD)を用いて測定した。
その結果、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33中に、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料(インジウム)が拡散していることが確認された。そして、加熱後の第1金属めっき層31の厚さは3.1μm、第2金属めっき層32の厚さは29nm、第3金属めっき層33の厚さは96nmであった。また、第3金属めっき層33の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積0.01μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合(3箇所の切断面における面積割合の算術平均値)は63%であり、当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積(3箇所の切断面のそれぞれにおける銀の結晶粒子の最大断面積の算術平均値)は0.022μm2であった。さらに、第3金属めっき層33の表面は、第3金属めっき層33を構成する銀の結晶粒界が低減しており、当該結晶粒界に第2金属めっき層32を構成するインジウムが選択的に被覆されていることが確認された。
この結果から、第1〜第3金属めっき層31〜33を形成してなる基材2を加熱処理に付することで、第3金属めっき層33を構成する第3金属材料(銀)の結晶粒子サイズを増大させ、当該第3金属材料(銀)の結晶粒界を低減することができるとともに、第3金属めっき層33の下方に位置する第2金属めっき層32を構成する第2金属材料(インジウム)を第3金属めっき層33側に拡散させることができ、第2金属めっき層から拡散した第2金属材料(インジウム)を第3金属めっき層33表面にまで移動させることで、第3金属めっき層33表面において低減した結晶粒界を選択的に第2金属材料(インジウム)により被覆可能であると考えられる。
〔実施例2〕
第2金属めっき層32の厚さが50nmとなるように当該第2金属めっき層32を形成した以外は、実施例1と同様にしてLED用リードフレーム1を作製し、当該LED用リードフレーム1中の搭載領域MAの断面及び当該搭載領域MA上の第3金属めっき層33の表面を、実施例1と同様にしてSEMを用いて観察した。また、加熱後の第1〜第3金属めっき層31〜33のそれぞれの厚さを、実施例1と同様にして測定した。
その結果、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33中に、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料(インジウム)が拡散していることが確認された。そして、加熱後の第1金属めっき層31の厚さは2.9μm、第2金属めっき層32の厚さは48nm、第3金属めっき層33の厚さは97nmであった。また、第3金属めっき層33の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積0.01μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合(3箇所の切断面における面積割合の算術平均値)は66%であり、当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積(3箇所の切断面のそれぞれにおける銀の結晶粒子の最大断面積の算術平均値)は0.024μm2であった。さらに、第3金属めっき層33の表面は、第3金属めっき層33を構成する銀の結晶粒界が低減しており、当該結晶粒界に第2金属めっき層32を構成するインジウムが選択的に被覆されていることが確認された。
〔実施例3〕
第2金属めっき層32の厚さが10nmとなるように当該第2金属めっき層32を形成するとともに、第3金属めっき層33の厚さが500nmとなるように当該第3金属めっき層33を形成した以外は、実施例1と同様にしてLED用リードフレーム1を作製し、当該LED用リードフレーム1中の搭載領域MAの断面及び当該搭載領域MA上の第3金属めっき層33の表面を、実施例1と同様にしてSEMを用いて観察した。また、加熱後の第1〜第3金属めっき層31〜33のそれぞれの厚さを、実施例1と同様にして測定した。
その結果、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33中に、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料(インジウム)が拡散していることが確認された。そして、加熱後の第1金属めっき層31の厚さは3.0μm、第2金属めっき層32の厚さは12nm、第3金属めっき層33の厚さは511nmであった。また、第3金属めっき層33の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積0.01μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合(3箇所の切断面における面積割合の算術平均値)は88%であり、当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積(3箇所の切断面のそれぞれにおける銀の結晶粒子の最大断面積の算術平均値)は0.41μm2であった。さらに、第3金属めっき層33の表面は、第3金属めっき層33を構成する銀の結晶粒界が低減しており、当該結晶粒界に第2金属めっき層32を構成するインジウムが選択的に被覆されていることが確認された。
〔実施例4〕
第2金属めっき層32の厚さが30nmとなるように当該第2金属めっき層32を形成した以外は、実施例3と同様にしてLED用リードフレーム1を作製し、当該LED用リードフレーム1中の搭載領域MAの断面及び当該搭載領域MA上の第3金属めっき層33の表面を、実施例1と同様にしてSEMを用いて観察した。また、加熱後の第1〜第3金属めっき層31〜33のそれぞれの厚さを、実施例1と同様にして測定した。
その結果、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33中に、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料(インジウム)が拡散していることが確認された。そして、加熱後の第1金属めっき層31の厚さは3.0μm、第2金属めっき層32の厚さは28nm、第3金属めっき層33の厚さは501nmであった。また、第3金属めっき層33の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積0.01μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合(3箇所の切断面における面積割合の算術平均値)は85%であり、当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積(3箇所の切断面のそれぞれにおける銀の結晶粒子の最大断面積の算術平均値)は0.43μm2であった。さらに、第3金属めっき層33の表面は、第3金属めっき層33を構成する銀の結晶粒界が低減しており、当該結晶粒界に第2金属めっき層32を構成するインジウムが選択的に被覆されていることが確認された。
〔実施例5〕
第2金属めっき層32の厚さが50nmとなるように当該第2金属めっき層32を形成した以外は、実施例3と同様にしてLED用リードフレーム1を作製し、当該LED用リードフレーム1中の搭載領域MAの断面及び当該搭載領域MA上の第3金属めっき層33の表面を、実施例1と同様にしてSEMを用いて観察した。また、加熱後の第1〜第3金属めっき層31〜33のそれぞれの厚さを、実施例1と同様にして測定した。
その結果、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33中に、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料(インジウム)が拡散していることが確認された。そして、加熱後の第1金属めっき層31の厚さは3.1μm、第2金属めっき層32の厚さは49nm、第3金属めっき層33の厚さは496nmであった。また、第3金属めっき層33の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積0.01μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合(3箇所の切断面における面積割合の算術平均値)は86%であり、当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積(3箇所の切断面のそれぞれにおける銀の結晶粒子の最大断面積の算術平均値)は0.44μm2であった。さらに、第3金属めっき層33の表面は、第3金属めっき層33を構成する銀の結晶粒界が低減しており、当該結晶粒界に第2金属めっき層32を構成するインジウムが選択的に被覆されていることが確認された。
〔実施例6〕
第3金属めっき層33の厚さが1μmとなるように当該第3金属めっき層33を形成した以外は、実施例3と同様にしてLED用リードフレーム1を作製し、当該LED用リードフレーム1中の搭載領域MAの断面及び当該搭載領域MA上の第3金属めっき層33の表面を、実施例1と同様にしてSEMを用いて観察した。また、加熱後の第1〜第3金属めっき層31〜33のそれぞれの厚さを、実施例1と同様にして測定した。
その結果、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33中に、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料(インジウム)が拡散していることが確認された。そして、加熱後の第1金属めっき層31の厚さは3.1μm、第2金属めっき層32の厚さは12nm、第3金属めっき層33の厚さは0.96μmであった。また、第3金属めっき層33の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積0.01μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合(3箇所の切断面における面積割合の算術平均値)は97%であり、当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積(3箇所の切断面のそれぞれにおける銀の結晶粒子の最大断面積の算術平均値)は2.1μm2であった。さらに、第3金属めっき層33の表面は、第3金属めっき層33を構成する銀の結晶粒界が低減しており、当該結晶粒界に第2金属めっき層32を構成するインジウムが選択的に被覆されていることが確認された。
〔実施例7〕
第2金属めっき層32の厚さが30nmとなるように当該第2金属めっき層32を形成した以外は、実施例6と同様にしてLED用リードフレーム1を作製し、当該LED用リードフレーム1中の搭載領域MAの断面及び当該搭載領域MA上の第3金属めっき層33の表面を、実施例1と同様にしてSEMを用いて観察した。また、加熱後の第1〜第3金属めっき層31〜33のそれぞれの厚さを、実施例1と同様にして測定した。
その結果、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33中に、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料(インジウム)が拡散していることが確認された。そして、加熱後の第1金属めっき層31の厚さは3.0μm、第2金属めっき層32の厚さは29nm、第3金属めっき層33の厚さは0.98μmであった。また、第3金属めっき層33の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積0.01μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合(3箇所の切断面における面積割合の算術平均値)は97%であり、当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積(3箇所の切断面のそれぞれにおける銀の結晶粒子の最大断面積の算術平均値)は2.4μm2であった。さらに、第3金属めっき層33の表面は、第3金属めっき層33を構成する銀の結晶粒界が低減しており、当該結晶粒界に第2金属めっき層32を構成するインジウムが選択的に被覆されていることが確認された。
〔実施例8〕
第2金属めっき層32の厚さが50nmとなるように当該第2金属めっき層32を形成した以外は、実施例6と同様にしてLED用リードフレーム1を作製し、当該LED用リードフレーム1中の搭載領域MAの断面及び当該搭載領域MA上の第3金属めっき層33の表面を、実施例1と同様にしてSEMを用いて観察した。また、加熱後の第1〜第3金属めっき層31〜33のそれぞれの厚さを、実施例1と同様にして測定した。
その結果、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33中に、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料(インジウム)が拡散していることが確認された。そして、加熱後の第1金属めっき層31の厚さは3.0μm、第2金属めっき層32の厚さは49nm、第3金属めっき層33の厚さは0.98μmであった。また、第3金属めっき層33の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積0.01μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合(3箇所の切断面における面積割合の算術平均値)は97%であり、当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積(3箇所の切断面のそれぞれにおける銀の結晶粒子の最大断面積の算術平均値)は2.4μm2であった。さらに、第3金属めっき層33の表面は、第3金属めっき層33を構成する銀の結晶粒界が低減しており、当該結晶粒界に第2金属めっき層32を構成するインジウムが選択的に被覆されていることが確認された。
〔実施例9〕
第3金属めっき層33の厚さが1.5μmとなるように当該第3金属めっき層33を形成した以外は、実施例1と同様にしてLED用リードフレーム1を作製し、当該LED用リードフレーム1中の搭載領域MAの断面及び当該搭載領域MA上の第3金属めっき層33の表面を、実施例1と同様にしてSEMを用いて観察した。また、加熱後の第1〜第3金属めっき層31〜33のそれぞれの厚さを、実施例1と同様にして測定した。
その結果、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33中に、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料(インジウム)が拡散していることが確認された。そして、加熱後の第1金属めっき層31の厚さは3.1μm、第2金属めっき層32の厚さは29nm、第3金属めっき層33の厚さは1.5μmであった。また、第3金属めっき層33の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積0.01μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合(3箇所の切断面における面積割合の算術平均値)は99%であり、当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積(3箇所の切断面のそれぞれにおける銀の結晶粒子の最大断面積の算術平均値)は3.8μm2であった。
しかしながら、第3金属めっき層33の表面においては、第3金属めっき層33を構成する銀の結晶粒界が低減しているものの、当該結晶粒界の一部が第2金属めっき層32を構成するインジウムで被覆されておらず、銀の結晶粒界の一部が露出していることが確認された。
なお、本実施例においては、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料(インジウム)の一部が第3金属めっき層33中に拡散しているものの、本実施例の加熱条件では、第3金属めっき層33中に拡散した第2金属材料(インジウム)が第3金属めっき層33の表面まで十分に上がりきることなく加熱処理が終了したために、第3金属めっき層33の表面の銀の結晶粒界の一部が露出したものと予想される。
したがって、第3金属めっき層33の厚さを1.5μmとした場合、第3金属めっき層33中に拡散した第2金属材料(インジウム)が、第3金属めっき層33表面に現れてくるまでに必要な時間の加熱処理を施すことで、第3金属めっき層33を構成する銀の結晶粒界を第2金属材料(インジウム)により十分に被覆可能であると考えられる。
〔比較例1〕
第3金属めっき層33を形成しなかった以外は、比較例1と同様にしてLED用リードフレーム1を作製し、当該LED用リードフレーム1中の搭載領域MAの断面及び当該搭載領域MA上の第2金属めっき層32の表面を、実施例1と同様にしてSEMを用いて観察した。また、加熱後の第1及び第2金属めっき層31,32のそれぞれの厚さを、実施例1と同様にして測定した。
その結果、第1金属めっき層31中に、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料(インジウム)が拡散し、加熱後の第1金属めっき層31の厚さは3.2μm、第2金属めっき層32の厚さは31nmであった。また、第1金属めっき層33の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合(3箇所の切断面における面積割合の算術平均値)は86%であり、当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積(3箇所の切断面のそれぞれにおける銀の結晶粒子の最大断面積の算術平均値)は19.7μm2であった。しかし、LED用リードフレーム1の搭載領域MA上には、ほぼ均一な第2金属めっき層32が形成されていた。
〔比較例2〕
第2金属めっき層32及び第3金属めっき層33を形成しなかった以外は、実施例1と同様にしてLED用リードフレーム1を作製し、当該LED用リードフレーム1中の搭載領域MAの断面及び当該搭載領域MA上の第1金属めっき層31の表面を、実施例1と同様にしてSEMを用いて観察した。
その結果、第1金属めっき層31の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合(3箇所の切断面における面積割合の算術平均値)は86%であり、当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積(3箇所の切断面のそれぞれにおける銀の結晶粒子の最大断面積の算術平均値)は19.4μm2であり、第1金属めっき層31表面における銀の結晶粒界が低減していることが確認された。
〔比較例3〕
基材2を加熱しなかった以外は、比較例3と同様にしてLED用リードフレーム1を作製し、当該LED用リードフレーム1中の搭載領域MAの断面及び当該搭載領域MA上の第1金属めっき層31の表面を、実施例1と同様にしてSEMを用いて観察した。
その結果、第1金属めっき層31の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積1μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合(3箇所の切断面における面積割合の算術平均値)は26%であり、当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積(3箇所の切断面のそれぞれにおける銀の結晶粒子の最大断面積の算術平均値)は2.9μm2であり、第1金属めっき層31表面における銀の結晶粒界が低減していないことが確認された。
〔比較例4〕
基材2を加熱しなかった以外は、実施例4と同様にしてLED用リードフレーム1を作製し、当該LED用リードフレーム1中の搭載領域MAの断面及び当該搭載領域MA上の第3金属めっき層33の表面を、実施例1と同様にしてSEMを用いて観察した。
その結果、第1金属めっき層31及び第3金属めっき層33中に、第2金属めっき層32を構成する第2金属材料(インジウム)が拡散していないことが確認された。また、第3金属めっき層33の厚さ方向の切断面の全面積に占める、断面積0.01μm2以上の銀の結晶粒子の面積割合(3箇所の切断面における面積割合の算術平均値)は19%であり、当該切断面に現れる銀の結晶粒子の最大断面積(3箇所の切断面のそれぞれにおける銀の結晶粒子の最大断面積の算術平均値)は0.018μm2であった。そして、第3金属めっき層33の表面における銀の結晶粒界は、第2金属めっき層32を構成するインジウムにより被覆されておらず、銀の結晶粒界が露出していることが確認された。
〔試験例1〕反射率評価試験
上述のようにして作製したLED用リードフレーム(実施例1〜9,比較例1〜4)について、分光光度計(島津製作所社製,UV−2550,MPC−2200)を用いて、波長460nmの光を照射したときにおける反射率(%)を測定した(初期)。
また、上記LED用リードフレーム(実施例1〜9,比較例1〜4)を、硫化水素濃度3ppm、温度40℃、湿度80%の雰囲気中に1時間暴露した後、同様にして波長460nmの光を照射したときにおける反射率(%)を測定した(試験後)。
上記反射率の測定結果を、表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜9のLED用リードフレームにおいては、いずれも初期反射率が優れているとともに、腐食試験後の反射率の低下が抑制されており、特に第3金属めっき層33表面における銀の結晶粒界が第2金属材料(インジウム)により十分に被覆されているLED用リードフレーム(実施例1〜8)においては、腐食試験後の反射率の低下が顕著に抑制されていることが確認された。
一方、第3金属めっき層33表面における銀の結晶粒界が第2金属材料(インジウム)により被覆されていない比較例4のLED用リードフレームにおいては、初期反射率は優れているものの、腐食試験後の反射率の低下が著しかった。
また、第2金属めっき層32及び第3金属めっき層33が形成されていない比較例2及び比較例3のLED用リードフレームにおいては、第1金属めっき層31が最表面に位置することで、腐食性ガス(硫化水素)に暴露されて腐食してしまい、腐食試験後の反射率の低下が著しかった。
さらに、第1金属めっき層31上に第2金属めっき層32が形成されてなる比較例1のLED用リードフレームにおいては、腐食試験後の反射率の低下は抑制されているものの、最表面に一様に第2金属めっき層32が形成されていることで、初期反射率に劣る結果となった。
これらの結果を踏まえると、第2金属めっき層32上に第3金属めっき層33を形成した基材2を加熱処理に付することにより、第3金属めっき層33表面における低減した第3金属材料(銀)の結晶粒界が、第2金属めっき層32から拡散し、第3金属めっき層33表面に現れた第2金属材料(インジウム)により選択的に被覆されるため、製造初期における反射率を向上させ、かつ腐食性ガスによる腐食を抑制することができることが判明した。
〔試験例2〕ワイヤーボンディング性評価試験
上記LED用リードフレーム(実施例1〜9,比較例1〜4)の第1リード部2Aにボンディングワイヤをボンディングする第1ボンディング処理及び第2リード部2Bにボンディングワイヤをボンディングする第2ボンディング処理を含むボンディング処理を、ワイヤーボンダー(HW27U−HF,パナソニックファクトリーソリューションズ社製)を用いて20回連続して行うことができるか否かについて試験した。なお、第1ボンディング処理及び第2ボンディング処理の処理条件を表2に示す。
また、このようにしてボンディングされたボンディングワイヤについて、ボンドテスター(万能型ボンドテスター4000,DAGE社製)を用いてプル試験を行った。これらの試験の結果を表3に示す。
なお、表3において、「連続性」と表記するものは、上記ワイヤーボンダーを用いて20回連続ワイヤーボンディング処理を行うことができた場合を「○」と評価し、少なくとも1回はワイヤーボンディング処理を行うことができなかった場合を「×」と評価した。また、表3において「強度」と表記するものは、上記ボンドテスターを用いて測定されたボンディングワイヤの引張強度が4g以上のものを「○」と評価し、4g未満のものを「×」と評価した。
〔試験例3〕はんだ濡れ性評価試験
第1の溝部21、第2の溝部22及び貫通スリット23を有しない以外は同様の構成を有する基材2を用い、上記LED用リードフレーム(実施例1〜9,比較例1〜4)のそれぞれと同様にして作製した各試験片(13mm×3mm)について、はんだ濡れ性試験装置(製品名:SAT−5200,レスカ社製)を用いて、下記の条件により、はんだ濡れ性評価試験を行った。なお、はんだ濡れ性評価試験は、メニスコグラフ法を用いてゼロクロスタイム(秒)を測定し、はんだ濡れ性の閾値の範囲(ゼロクロスタイム3.0秒以内)に含まれるか否かを評価した。結果を表3にあわせて示す。なお、表3において、はんだ濡れ性の閾値の範囲に含まれるものを「○」、はんだ濡れ性の閾値の範囲に含まれないものを「×」と表記する。
<試験条件>
はんだ:鉛フリーはんだ(はんだ組成:Sn96.5%,Ag3%,Cu0.5%;製品名:エコソルダーソリューション M705,千住金属工業社製)
フラックス:ソルボンドR100−40(日本アルファメタルズ社製)
はんだ温度:240℃
浸漬時間:10秒
浸漬深さ:2mm
速度:2mm/sec
表3に示すように、実施例1〜9のLED用リードフレームは、ワイヤーボンディング性及びはんだ濡れ性のいずれにおいても優れていることが確認された。そのため、LED用リードフレーム1の基材2全面に金属層3(第1〜第3金属めっき層31〜33)を形成することも可能であり、それにより、基材の腐食を防止したり、基材の裏面側の平滑性を向上させたりすることができると考えられる。
〔試験例4〕長期耐久性試験
上記LED用リードフレーム(実施例1〜9,比較例1〜4)を150℃の温度雰囲気下に所定の期間(1000h)放置した後、分光光度計(島津製作所社製,UV−2550,MPC−2200)を用いて、波長460nmの光を照射したときにおける反射率(%)を測定した。結果を表4に示す。
表4に示すように、実施例1〜9のLED用リードフレームにおいては、反射率の低下が抑制されていることが確認された。一方、比較例2及び3のLED用リードフレームにおいては、反射率が低下していることが確認された。この結果から、第1金属めっき層31と第3金属めっき層33との間に第2金属めっき層32を介在させることにより、基材2からの銅のパイルアップが抑制され、反射率の低下を抑制することができたものと考えられる。