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JP5980595B2 - バルブの全閉位置学習装置 - Google Patents
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JP5980595B2 - バルブの全閉位置学習装置 - Google Patents

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Description

本発明は、気体の流量を制御するバルブの全閉位置を学習するバルブの全閉位置学習装置に関する。
従来のバルブの全閉位置学習装置として、例えば下記の特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1では、バルブは、例えば、内燃機関のEGR通路に設けられたEGR弁である。このEGR弁は、モータで駆動され、EGR通路を流れる排ガスの流量を制御する。モータは、DCモータなどで構成され、通電された電流の大きさと向きに応じて、EGR弁を駆動する。また、EGR弁は、復帰ばねによって常時、全閉位置側に付勢されており、この全閉位置は、EGR弁がストッパ(弁座)に当接することによって定まる。
このEGR弁の全閉位置を学習する場合には、EGR弁を全閉位置に駆動し、強制的にストッパに突き当てるために、モータに所定の第1駆動電流を通電する。そして、その状態で検出されたEGR弁の開度が所定時間、実質的に変化しないときに、そのときの検出開度をEGR弁の全閉位置として学習する。また、学習された全閉位置が所定範囲内にあるか否かを判定する。
全閉位置が所定範囲内にないと判定されたときには、すすやほこりの付着などにより、EGR弁が実際には全閉位置に位置していない可能性があるとして、EGR弁をストッパにさらに強く突き当てるために、モータに第1駆動電流よりも大きな所定の第3駆動電流を通電した状態で、上述した全閉位置の学習と判定を同様に行う。以下、学習された全閉位置が所定範囲に収まるまで、モータへの駆動電流をさらに段階的に増大させながら、全閉位置の学習と判定が繰り返し行われる。
特開2008−196389号公報
上述したように、この従来の学習装置では、EGR弁の全閉位置を学習する場合には、EGR弁を全閉位置に駆動し、強制的にストッパに突き当てるために、モータへの所定の第1駆動電流の通電が直ちに開始される。このため、この通電が、EGR弁がストッパから比較的離れている状態から開始された場合には、ばねの付勢力およびモータの駆動トルクによる加速によって、EGR弁がストッパに過大な速度で突き当たるおそれがあり、EGR弁、ストッパや、モータを含むEGR弁の駆動機構などの破損の原因になる。
このような不具合を回避するために、EGR弁がストッパすなわち全閉位置の近くにあることを条件として、学習用のモータへの通電を開始することが考えられる。しかし、EGR弁の開度を検出するセンサの劣化や温度特性などが原因になり、制御装置が認識しているEGR弁の開度が、実際の開度に対して閉じ側にずれる場合がある。その場合には、上記の条件でモータへの通電を行っても、実際には、制御装置の認識よりも遠い位置からEGR弁が駆動される結果、EGR弁がストッパに想定よりも大きな速度で突き当たるおそれがあり、やはり上記の不具合を確実に回避することはできない。
また、この従来の学習装置では、学習された全閉位置が所定範囲に収まるまで、モータへの駆動電流の段階的な増大と全閉位置の学習および判定が繰り返されるため、全閉位置学習に時間がかかり、EGR弁の通常制御への移行が遅れるとともに、その間、EGR弁がモータの駆動力でストッパに強く押し当てられた状態が続くことで、EGR弁の摩耗や劣化が進行しやすいなどの欠点もある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、バルブの全閉位置を学習する際のストッパへのバルブの押当て速度を適切な範囲に確実に抑制でき、それにより、バルブ、ストッパや、モータを含むバルブの駆動機構の破損などの不具合を確実に回避することができるバルブの全閉位置学習装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本願の請求項1によるバルブの全閉位置学習装置は、気体通路(実施形態における(以下、本項において同じ)EGR通路12)に設けられ、気体通路を流れる気体(EGRガス)の流量を制御するためのバルブ(EGR弁14)と、電流の通電によって作動し、バルブを駆動するモータ(EGRモータ15)と、バルブの開度(検出電圧値EGRLAD、EGR弁開度LEGR)を検出するバルブ開度検出手段(EGR弁開度センサ21)と、バルブが当接することによって、バルブを全閉位置に位置決めするストッパ(弁座12a)と、バルブを全閉位置側に付勢する付勢部材(復帰ばね19)と、バルブの全閉位置を学習するための所定の実行条件が成立したときに、モータを駆動することによって、バルブを全閉方向に駆動し、ストッパに強制的に押し当てる全閉制御を実行する全閉制御手段(ECU2、図7)と、全閉制御中に検出されたバルブの検出開度に基づいて、バルブの全閉位置(全閉学習値EGRVZR)を学習する全閉位置学習手段(ECU2、図8)と、バルブの目標開度LCMDを設定する目標開度設定手段(ECU2)と、バルブの検出開度(EGR弁開度LEGR)が設定された目標開度LCMDになるように、モータに通電する電流(モータデューティ比MDUTY)をフィードバック制御するフィードバック制御手段(ECU2)と、を備え、全閉制御手段は、フィードバック制御中、目標開度LCMDが0に設定されているときに、全閉制御を実行するとともに、全閉制御に先立ち、モータへの通電を第1所定時間(第4所定時間TREF4)、停止する通電停止制御を実行すること(図3のステップ2、4、5、図5のステップ24、25、29、図7のステップ55)を特徴とする。
このバルブは、モータで駆動されることにより、気体通路を流れる流体の流量を制御するものであり、付勢部材によって全閉位置側に付勢されるとともに、ストッパに当接することによって、全閉位置に位置決めされる。本発明によれば、バルブの全閉位置を学習する際には、モータを駆動することによって、バルブを全閉方向に駆動し、ストッパに強制的に押し当てる全閉制御が実行され、この全閉制御中に検出されたバルブの検出開度に基づいて、バルブの全閉位置の学習が行われる。
また、バルブの検出開度が目標開度になるように、モータに通電する電流を制御するフィードバック制御中で、目標開度が0のときに、全閉制御を実行するとともに、この全閉制御に先立ち、通電停止制御を実行することによって、モータへの通電を第1所定時間、停止する。これにより、バルブは、付勢部材の付勢によって全閉位置側に駆動され、全閉位置の付近に確実に位置した状態になる。そして、この状態から全閉制御を開始することによって、このときのストッパへのバルブの押当て速度を、過大でない適切な範囲に確実に抑制でき、したがって、バルブ、ストッパや、モータを含むバルブの駆動機構の破損などの不具合を確実に回避することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のバルブの全閉位置学習装置において、バルブの検出開度がバルブの実際の開度に対して開方向にずれる開方向ずれが発生しているか否かを判定する開方向ずれ判定手段(ECU2、図5のステップ26、30、31)をさらに備え、全閉制御手段は、開方向ずれが発生していると判定されたときには、通電停止制御を実行することなく、全閉制御を実行し、開方向ずれが発生していないと判定されたときには、通電停止制御を実行した後、全閉制御を実行すること(図7のステップ53〜58)を特徴とする。
バルブの検出開度が実際の開度(実開度)に対して開方向にずれる開方向ずれが発生している場合には、バルブの実開度は全閉位置またはそれに近い位置に位置するので、そのまま全閉制御を実行しても、ストッパへのバルブの押当て速度が過大になるおそれはない。このような観点から、本発明によれば、開方向ずれが発生していると判定されたときには、通電停止制御を実行することなく、全閉制御を実行するので、上述した不具合を生じることなく、全閉位置の学習を短時間で終了させることができる。一方、開方向ずれが発生していないと判定されたときには、通電停止制御を実行した後、全閉制御を実行するので、請求項1による前述した作用を確保することができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のバルブの全閉位置学習装置において、方向ずれ判定手段は、フィードバック制御中、目標開度LCMDが0に設定されている状態において、バルブの検出開度が0近傍の所定値LREF以下になったときには、開方向ずれが発生していないと判定し(図5のステップ26〜28)、第2所定時間TREF2が経過しても、バルブの検出開度が所定値LREFを上回っているときには、開方向ずれが発生していると判定すること(図5のステップ26、30、31)を特徴とする。
バルブの検出開度が設定された目標開度になるように、モータへの通電電流がフィードバック制御されている場合において、バルブの目標開度が0に設定されている状態では、バルブの検出開度の開方向ずれが発生していない限り、バルブの検出開度は0近傍の所定値以下になるはずである。このような観点から、本発明によれば、上記の状態において、バルブの検出開度が0近傍の所定値以下になったときには、開方向ずれが発生していないと判定し、第2所定時間が経過しても、バルブの検出開度が所定値を上回っているときには、開方向ずれが発生していると判定する。これにより、バルブの検出開度の開方向ずれの有無を的確に判定することができる。また、その判定結果に基づいて、全閉制御に先立つ通電停止制御の可否を適切に決定することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のバルブの全閉位置学習装置において、全閉制御手段は、バルブ開度検出手段の電源であるバッテリの交換または充電が行われたときに、全閉制御を実行し(図3のステップ1、4、5、図4)、全閉制御中に検出されたバルブの検出開度に基づいて、バルブの全閉位置を学習するバッテリキャンセル時全閉位置学習手段(ECU2、図8のステップ65、66)をさらに備えることを特徴とする。
バルブ開度検出手段の電源であるバッテリの交換または充電が行われた場合には、バッテリの電圧特性が変化するのに伴い、バルブ開度検出手段の検出開度が変化する可能性が高いため、それ以前に得られた全閉位置の学習値の信頼性は低くなる。この構成によれば、バッテリの交換または充電が行われたときには、バッテリキャンセル時の学習として、全閉制御を実行し、全閉制御中に検出されたバルブの検出開度に基づいて、バルブの全閉位置を学習する。これにより、バッテリキャンセルに伴うバッテリの電圧特性の変化に起因する全閉位置の学習値のずれを補償しながら、その更新を適切に行うことができる。
請求項5に係る発明は、請求項に記載のバルブの全閉位置学習装置において、全閉制御手段は、バルブの全閉位置の既存の学習値(全閉学習値EGRVZR)が存在する場合において、気体の流量の制御の停止に伴ってモータへの通電が停止されている状態で検出されたバルブの検出開度(検出電圧値EGRLAD)と、既存の学習値との乖離度合DV0が、所定のしきい値DREF以上のときに、全閉制御を実行し(図3のステップ3〜5、図6)、全閉制御中に検出されたバルブの検出開度に基づいて、バルブの全閉位置を再度、学習する全閉位置再学習手段(ECU2、図8のステップ65、68)をさらに備えることを特徴とする。
バルブによる気体の流量の制御が停止され、それに伴ってモータへの通電が停止されている状態では、バルブは、付勢部材による付勢によって全閉位置またはその付近に位置するため、そのときの検出開度は、バルブの全閉位置を表す既存の学習値に近い値を示すはずである。このような観点から、本発明によれば、上記の状態で、バルブの検出開度と既存の学習値との乖離度合が所定のしきい値以上になったときには、そのときの全閉位置が既存の学習値からずれているとして、全閉制御を実行するとともに、全閉制御中に検出されたバルブの検出開度に基づいて、バルブの全閉位置を再学習する。これにより、既存の学習値のずれを随時、監視しながら、全閉位置の再学習を適切なタイミングで行うことで、学習値を適切に更新することができる。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載のバルブの全閉位置学習装置において、全閉制御中に検出されたバルブの検出開度に基づいて全閉位置の学習値の今回値EGRVZR0を算出した後、バッテリキャンセル時全閉位置学習手段は、既存の学習値(前回値EGRVZRZ)に代えて、算出された学習値の今回値EGRVZR0を新たな学習値EGRVZRとして設定し、全閉位置学習手段および全閉位置再学習手段は、既存の学習値および学習値の今回値EGRVZR0の両方を用いて、新たな学習値EGRVZRを算出することを特徴とする。
前述したように、全閉位置の学習がバッテリキャンセルを原因として行われた場合、それ以前に学習された学習値の信頼性は低くなる。したがって、この場合には、既存の学習値に代えて、バッテリキャンセル後に算出された学習値の今回値を新たな学習値として設定し、今回値のみを反映させることによって、学習値の更新を適切に行うことができる。一方、全閉位置の学習が、バッテリキャンセル以外の原因で行われた場合には、学習値の今回値だけでなく、既存の学習値をも新たな学習値に反映させることが、学習値の信頼性および安定性を確保する上で好ましい。したがって、この場合には、既存の学習値および今回値の両方を用いて新たな学習値を算出することによって、学習値の更新を適切に行うことができる。
本発明を適用したEGR弁を有する内燃機関およびその制御装置を概略的に示す図である。 EGR弁の構成を(a)全閉位置、および(B)開弁位置にある状態で、模式的に示す図である。 制御装置によって実行されるEGR弁の全閉位置学習処理のメインフローである。 図3のバッテリキャンセル時学習の実行判定処理を示すサブルーチンである。 図3のフィードバック制御時学習の実行判定処理を示すサブルーチンである。 図3のEGR停止時学習の実行判定処理を示すサブルーチンである。 図3の全閉制御処理を示すサブルーチンである。 図3の学習値算出処理を示すサブルーチンである。 全閉位置学習処理によって得られる動作例を示すタイミングチャートである。 全閉位置学習処理によって得られる別の動作例を示すタイミングチャートである。 全閉位置学習処理によって得られるさらに別の動作例を示すタイミングチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明を適用した内燃機関(以下「エンジン」という)3を示す。このエンジン3は、、例えば、車両(図示せず)に搭載された4気筒のディーゼルエンジンである。各気筒3a(1つのみ図示)のピストン3bとシリンダヘッド3cとの間には、燃焼室3dが形成されている。
各気筒3aには、吸気通路4および排気通路5が接続されるとともに、燃料噴射弁(以下「インジェクタ」という)6が、燃焼室3dに臨むように取り付けられている。インジェクタ6は、高圧の燃料を燃焼室3dに直接、噴射する。その噴射量および噴射時期は、後述するECU2からの制御信号によって制御される。
吸気通路4には、バタフライ弁で構成されたインテークシャッタ7が設けられており、このインテークシャッタ7には、例えばDCモータで構成されたアクチュエータ8が連結されている。インテークシャッタ7の開度は、アクチュエータ8に通電される電流のデューティ比ADUTYをECU2で制御することによって制御され、それにより、気筒3aに吸入される新気量が調整される。
排気通路5には、上流側から順に、気筒3aから排出された排ガスを浄化するための排ガス浄化装置9と、排ガス中のパティキュレートを捕集するためのフィルタ10が設けられている。
エンジン3には、排気通路5に排出された排ガスの一部を、EGRガスとして、吸気通路4に還流させるためのEGR装置11が設けられている。EGR装置11は、EGR通路12と、EGR通路12の途中に設けられたEGR弁機構13およびEGRクーラ(図示せず)などで構成されている。EGR通路12は、排気通路5の排ガス浄化装置9よりも上流側と、吸気通路4のインテークシャッタ7よりも下流側とに接続されている。
EGR弁機構13は、EGR通路12内に配置されたEGR弁14と、EGR弁14を駆動するEGRモータ15を備えている。図2に示すように、EGR機構13はさらに、EGRモータ15を取り付けたギヤボックス16内に設けられた駆動ギヤ(図示せず)およびリンク棒17を備えている。駆動ギヤは、モータ15の出力軸に噛み合う歯(いずれも図示せず)を有し、出力軸の回転に伴い、減速された状態で回動する。また、リンク棒17は、駆動ギヤに回動自在に連結されており、駆動ギヤの回動に伴い、リンク棒17の長さ方向(図2の上下方向)に直進運動する。
EGRモータ15はDCモータで構成されており、通電される電流の向きに応じて正方向または逆方向に回転する。EGR弁14は、ポペット弁で構成され、その弁軸14aの一端部が連結ピン17aを介してリンク棒17に連結されるとともに、他端部に弁体14bを有しており、弁体14bがEGR通路12に形成された弁座12aに離接することによって、EGR通路12を開閉する。
また、EGR弁14の弁軸14aには、フランジ状のばね受け部14cが一体に設けられており、このばね受け部14cと不動のばね受け板18との間に、EGR弁14を閉弁方向(図2の上方)に常時、付勢するコイルばね状の復帰ばね19が配置されている。
以上の構成のEGR弁機構13では、EGR弁14のリフト量(以下「EGR弁開度」という)LEGRは、EGRモータ15に通電される電流のデューティ比(以下「モータデューティ比」という)MDUTYをECU2で制御することによって制御され、それにより、吸気通路4に還流するEGR量が調整される。
具体的には、モータデューティ比MDUTY=0で、EGRモータ15への通電が停止されているときには、EGR弁14は、復帰ばね19の付勢によって図2の上方に位置し、弁体14bが弁座12aに着座した状態で全閉位置に保持されている(同図(a))。
この状態から、EGRモータ15に所定方向の電流が通電されると、EGRモータ15の回転が駆動ギヤを介してリンク棒17の直進運動に変換され、リンク棒17およびこれに連結されたEGR弁14が復帰ばね19の付勢力に抗して図2の下方に移動することによって、弁体14bが弁座12aから離れ、EGR弁14が開弁する(同図(b))。このときのEGR弁開度LEGRは、モータデューティ比MDUTYに応じ、EGRモータ15の駆動力と復帰ばね19の付勢力とのバランスによって定まる。
一方、EGRモータ15に上記と逆方向の電流が通電されると、復帰ばね19の付勢力に加えてEGRモータ15の駆動力が、図2の上向きにEGR弁14に作用することによって、EGR弁14は、同図(a)の全閉位置に位置するとともに、弁体12bが弁座12aに強制的に押し当てられた状態になる。以下、このように電流が逆方向に通電されるときのモータデューティ比MDUTYを「負のデューティ比」という。
また、EGR弁14には、EGR弁開度センサ21が設けられている。EGR弁開度センサ21は、ホールセンサなどで構成されており、EGR弁14のリフト量(位置)に応じた電圧(以下「検出電圧値」という)EGRLADを有する検出信号を、ECU2に出力する。ECU2は、この検出電圧値EGRLADに基づき、EGR弁開度LEGRを、次式(1)によって算出する。
LEGR = (EGRLAD−VOFFSET)・KVL ・・・(1)
ここで、VOFFSETは、EGR弁14の全閉位置(LEGR=0)において出力されるべきオフセット電圧、KVLは変換係数である。後述する全閉位置学習では、EGR弁14を全閉位置に制御した状態で、このオフセット電圧VOFFSETが学習される。
エンジン3のクランクシャフト3eには、クランク角センサ22が設けられている。クランク角センサ22は、クランクシャフト3eの回転に伴い、所定のクランク角(例えば30度)ごとに、パルス信号であるCRK信号をECU2に出力する。ECU2は、このCRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。
また、ECU2には、エンジン水温センサ23から、エンジン3の本体を流れる冷却水の温度(以下「エンジン水温」という)TWを表す検出信号が、アクセル開度センサ24から、車両のアクセルペダル(図示せず)の操作量(以下「アクセル開度」という)APを表す検出信号が、電圧センサ25から、EGRモータ15やEGR弁開度センサ21などの電源であるバッテリ(図示せず)の電圧(以下「バッテリ電圧」という)VBを表す検出信号が、それぞれ入力される。
ECU2は、CPU、RAM、ROMおよびI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などから成るマイクロコンピュータで構成されている。ECU2は、前述した各種のセンサ21〜25の検出信号などに応じて、エンジン3の運転状態を判別するとともに、判別した運転状態に応じて、エンジン3への燃料噴射制御や、インテークシャッタ7およびEGR弁14を介した吸気量制御およびEGR制御などの各種の制御処理を実行する。
このEGR制御では、ECU2は、判別した運転状態に応じて、EGRの実行または停止を決定するとともに、EGRを停止する場合には、モータデューティ比MDUTYを0に設定し、EGR弁14を全閉位置に制御する。また、EGRを実行する場合には、検出されたアクセル開度APおよびエンジン回転数NEに応じて、EGR弁14の目標開度LCMDを設定するとともに、EGR弁開度センサ21から出力された検出電圧値EGRLADに基づき、式(1)によってEGR弁開度LEGRを算出する。そして、EGR弁開度LEGRが目標開度LCMDになるように、モータデューティ比MDUTYをフィードバック制御する。
さらに、ECU2は、EGR弁14の全閉位置、より具体的には、式(1)におけるオフセット電圧VOFFSETを学習する学習制御を実行する。本実施形態では、ECU2が、全閉制御手段、全閉位置学習手段、開方向ずれ判定手段、目標開度設定手段、フィードバック制御手段、バッテリキャンセル時全閉位置学習手段、および全閉位置再学習手段に相当する。
以下、上述したEGR弁14の全閉位置の学習制御について、詳細に説明する。本実施形態では、この全閉位置学習は、その実行の原因に応じた次の3つのパターンの学習で構成され、それぞれの実行条件が成立したときに実行される。
A.バッテリキャンセル時学習
B.フィードバック制御時学習
C.EGR停止時学習
バッテリキャンセル時学習は、バッテリキャンセル(バッテリの交換または充電)が行われたときに、バッテリの電圧特性などの変化による全閉位置(オフセット電圧VOFFSET)のずれを補償するためのものである。フィードバック制御時学習は、上述したEGRのフィードバック制御時、EGRの実行中におけるEGR弁開度センサ21の温度変化(上昇)による全閉位置のずれを補償するためのものである。また、EGR停止時学習は、EGRの停止中におけるEGR弁開度センサ21の温度変化(低下)などによる全閉位置のずれを補償するためのものである。
次に、図3〜図8を参照しながら、ECU2で実行される全閉位置の学習制御処理について詳細に説明する。これらの処理は、所定時間ごとに繰り返し実行される。
図3に示すメインフローでは、まずステップ1(「S1」と図示。以下同じ)〜ステップ3において、上述したバッテリキャンセル(B/C)時学習、フィードバック(F/B)制御時学習またはEGR停止時学習の実行条件が成立しているか否かを、それぞれ判定する。後述するように、これらの判定処理において実行条件が成立していると判定され、学習が許可されたときには、学習許可フラグF_LRNB/C、F_LRNF/BまたはFLRNE/Sが「1」にセットされる。
次に、これらの学習許可フラグF_LRNB/C、F_LRNF/BまたはFLRNE/Sが「1」であるか否かを判別する(ステップ4)。この答がNOで、いずれのバターンの全閉位置学習についても実行条件が成立していないときには、そのまま本処理を終了する。
前記ステップ4の答がYESで、いずれかのパターンの全閉位置学習について実行条件が成立しているときには、EGR弁14の全閉制御処理を実行する(ステップ5)。この全閉制御処理は、全閉位置学習のために、EGRモータ15の駆動により、EGR弁14を全閉方向に駆動し、ストッパに強制的に押し当てる全閉制御を行うものである。次に、学習値算出処理を実行し(ステップ6)、本処理を終了する。この学習値算出処理は、全閉制御中にEGR弁開度センサ21から出力された検出電圧値EGRLADに応じて、全閉位置の学習値(以下「全閉学習値」という)EGRVZRを算出するものである。
以下、上述したメインフローの各処理を、順に詳細に説明する。図4は、図3のステップ1で実行されるバッテリキャンセル時学習の実行判定処理のサブルーチンである。本処理では、まずステップ11において、バッテリキャンセルフラグF_B/Cが「1」であるか否かを判別する。この答がYESで、バッテリの交換または充電が行われたときには、その学習完了フラグF_LRNB/CEが「1」であるか否かを判別する(ステップ12)。この答がNOで、バッテリキャンセル時学習がまだ実行されていないときには、実行条件が成立しているとして、その学習許可フラグF_LRNB/Cを「1」にセットし(ステップ13)、本処理を終了する。
前記ステップ11の答がNOで、バッテリの交換または充電が行われていないとき、または前記ステップ12の答がYESで、バッテリキャンセル時学習がすでに実行されているときには、バッテリキャンセル時学習を実行しないものとし、学習許可フラグF_LRNB/Cを「0」にセットし(ステップ14)、本処理を終了する。以上から明らかなように、バッテリキャンセル時学習は、バッテリの交換または充電が行われた直後において、例えばイグニッションスイッチのON時に、1回のみ実行される。
図5は、図3のステップ2で実行されるフィードバック制御時学習の実行判定処理のサブルーチンである。本処理では、まずステップ21において、フィードバック制御時の学習完了フラグF_LRNF/BEが「1」であるか否かを判別する。この学習完了フラグF_LRNF/BEは、フィードバック制御時学習が完了したときに「1」にセットされるとともに、例えばEGRのフィードバック制御が開始されたときに「0」にリセットされるものである。
このステップ21の答がYESで、フィードバック制御時学習がすでに完了しているときには、実行条件が成立していないとして、その学習許可フラグF_LRNF/Bを「0」にセットし(ステップ22)、本処理を終了する。上記ステップ21の答がNOのときには、バッテリ電圧VBが所定電圧VREF以上であるか否かを判別する(ステップ23)。この答がNOのときには、EGR弁開度センサ21の検出電圧値EGRLADが安定していないおそれがあるため、実行条件が成立していないとして、前記ステップ22を実行する。
上記ステップ23の答がYESのときには、フィードバック制御フラグF_EGRF/Bが「1」であるか否か、および、EGR弁14の目標開度LCMDが0であるか否かを、それぞれ判別する(ステップ24、25)。ステップ24の答がNOで、EGRのフィードバック制御中でないとき、または、ステップ25の答がNOで、EGR弁14の目標開度LCMDが0でないときには、実行条件が成立していないとして、前記ステップ22を実行する。
一方、前記ステップ24および25の答がいずれもYESのとき、すなわち、EGRのフィードバック制御中で、かつEGR弁14の目標開度LCMD=0のときには、そのときのEGR弁開度LEGRが0近傍の所定値LREF(例えば0.05mm)以下であるか否かを判別する(ステップ26)。この答がYESのときには、LEGR≦LREFの状態の継続時間を計時するタイマの値TM_F/Bが第1時間TREF1(例えば10ms)以上であるか否かを判別する(ステップ27)。この答がNOのときには、実行条件が成立していないとして、前記ステップ22を実行する。
一方、上記ステップ27の答がYESのとき、すなわち、EGRのフィードバック制御中、EGR弁14の目標開度LCMD=0に設定されている状態において、LEGR≦LREFの状態が第1時間TREF1以上、継続したときには、EGR弁開度LEGRの開方向ずれが発生していないと判定して、開方向ずれフラグF_DOPENを「0」にセットする(ステップ28)とともに、フィードバック制御時学習の実行条件が成立しているとして、その学習許可フラグF_LRNF/Bを「1」にセットし(ステップ29)、本処理を終了する。
前記ステップ26の答がNOで、EGR弁開度LEGR>所定値LREFのときには、その状態の継続時間を計時するタイマの値TM_DOPENが第2時間TREF2(例えば150ms)以上であるか否かを判別する(ステップ30)。この答がNOのときには、実行条件が成立していないとして、前記ステップ22に進む。
一方、上記ステップ30の答がYESのとき、すなわち、EGRのフィードバック制御中、EGR弁14の目標開度LCMDが0に設定された後、第2所定時間TREF2が経過しても、EGR弁開度LEGRが所定値LREFを上回っているときには、EGR弁開度LEGRの開方向ずれが発生していると判定して、開方向ずれフラグF_DOPENを「1」にセットする(ステップ31)とともに、フィードバック制御時学習の実行条件が成立しているとして、前記ステップ29に進み、学習許可フラグF_LRNF/Bを「1」にセットし、本処理を終了する。
図6は、図3のステップ3で実行されるEGR停止時学習の実行判定処理のサブルーチンである。本処理では、まずステップ41において、EGR停止時の学習完了フラグF_LRNE/SEが「1」であるか否かを判別する。この学習完了フラグF_LRNE/SEは、EGR停止時学習が完了したときに「1」にセットされるとともに、例えばEGRの停止が開始されたときに「0」にリセットされるものである。
このステップ41の答がYESで、EGR停止時学習がすでに完了しているときには、実行条件が成立していないとして、その学習許可フラグF_LRNE/Sを「0」にセットし(ステップ42)、本処理を終了する。上記ステップ41の答がNOのときには、図5のステップ23と同様、バッテリ電圧VBが所定電圧VREF以上であるか否かを判別する(ステップ43)。この答がNOのときには、実行条件が成立していないとして、前記ステップ42を実行する。
上記ステップ43の答がYESのときには、エンジン水温TWが所定温度TWREF(例えば50℃)以上であるか否かを判別する(ステップ44)。この答がNOのときには、実行条件が成立していないとして、前記ステップ42を実行する。
上記ステップ44の答がYESのときには、EGR実行フラグF_EGRが「1」であるか否か、および、モータデューティ比MDUTYが0であるか否かを、それぞれ判別する(ステップ45、46)。ステップ45の答がYESで、EGRの実行中であるとき、または、ステップ46の答がNOで、モータデューティ比MDUTYが0でないときには、実行条件が成立していないとして、前記ステップ42を実行する。
一方、前記ステップ45の答がNOで、かつステップ46の答がYESのとき、すなわち、EGRの停止中で、モータデューティ比MDUTY=0のときには、そのときのEGR弁開度センサ21の検出電圧値EGRLADと全閉学習値EGRVZRとの差の絶対値を、両者の乖離度合DV0として算出する(ステップ47)。次に、算出した乖離度合DV0が、所定のしきい値DREF以上であるか否かを判別する(ステップ48)。この答がNOのときには、実行条件が成立していないとして、前記ステップ42を実行する。
上記ステップ48の答がYESのときには、DV0≧DREFである状態の継続時間を計時するタイマの値TM_E/Sが第3時間TREF1(例えば60ms)以上であるか否かを判別する(ステップ49)。この答がNOのときには、実行条件が成立していないとして、前記ステップ42を実行する。
一方、上記ステップ49の答がYESのとき、すなわち、EGRの停止中、モータデューティ比MDUTY=0の状態において、乖離度合DV0がしきい値DREF以上である状態が第3時間TREF3以上、継続したときには、EGR停止時学習の実行条件が成立しているとして、その学習許可フラグF_LRNE/Sを「1」にセットし(ステップ50)、本処理を終了する。
図7は、図3のステップ5で実行される全閉制御処理のサブルーチンである。前述したように、この全閉制御処理は、これまでに説明した図4〜図6の判定処理による判定の結果、バッテリキャンセル時学習、フィードバック制御時学習またはEGR停止時学習の実行条件が成立しているときに実行される。
本処理では、まずステップ51において、全閉制御終了フラグF_CONVSEが「1」であるか否かを判別する。後述するように、この全閉制御終了フラグF_CONVSEは、全閉制御の開始後、所定時間が経過したときに、全閉制御を終了すべきとして、「1」にセットされるものである。したがって、このステップ51の答がYESのときには、そのまま本処理を終了する。
上記ステップ51の答がNOのときには、フィードバック制御時の学習許可フラグF_LRNF/Bが「1」であるか否か、および、開方向ずれフラグF_DOPENが「1」であるか否かを、それぞれ判別する(ステップ52、53)。ステップ52の答がYESで、ステップ53の答がNOのとき、すなわち、今回の全閉位置学習がフィードバック制御時学習であり、かつEGR弁開度LEGRの開方向ずれが発生していないと判定されているときには、テップ54〜56において、モータへの通電を停止する通電停止制御を実行する。
まずステップ54では、通電停止制御完了フラグF_MDUTY0Eが「1」であるか否かを判別する。この答がNOで、通電停止制御が完了していないときには、モータデューティ比MDUTYを0に設定し(ステップ55)、モータへの通電を停止する。次に、この通電停止の開始時からの経過時間を計時するタイマの値TM_MDUTY0が、第4所定時間TREF4(例えば10ms)以上であるか否かを判別する(ステップ56)。この答がNOのときには、そのまま本処理を終了る。
一方、上記ステップ56の答がYESのとき、すなわち、EGRモータ15への通電停止の開始後、第4所定時間TREF4が経過したときには、通電停止制御を終了するものとして、通電停止制御完了フラグF_MDUTY0Eを「1」にセットし(ステップ57)、本処理を終了する。
このステップ57が実行されると、本処理の次回の実行サイクルにおいて前記ステップ54の答がYESになり、その場合には、ステップ58に進み、全閉制御を開始する。また、前記ステップ53の答がYESで、開方向ずれフラグF_DOPEN=1のとき、または、前記ステップ52の答がNOで、学習許可フラグF_LRNF/B=0のときには、ステップ58に直接、進む。
以上のように、全閉位置学習の実行条件が成立した場合、その全閉位置学習がフィードバック制御時学習で、EGR弁開度LEGRの開方向ずれが発生していないと判定されているときには、通電停止制御を実行した後、全閉制御が開始される。これに対し、全閉位置学習がフィードバック制御時学習で、開方向ずれが発生していると判定されているとき、または全閉位置学習がバッテリキャンセル時学習もしくはEGR停止時学習のときには、通電停止制御を実行することなく、全閉制御が直ちに開始される。
この全閉制御では、まずステップ58において、モータデューティ比MDUTYを負の所定値DUTYN(例えば−15%)に設定する。これにより、EGR弁14は、EGRモータ15によって全閉方向に駆動され、その駆動力が復帰ばね19の付勢力に加えてEGR弁14に作用することにより、その弁体14bが弁座12aに強制的に押し当てられる。
次に、この全閉制御の開始時からの経過時間を計時するタイマの値TM_MDUTYNが、第5所定時間TREF5以上であるか否かを判別する(ステップ59)。この答がNOのときには、そのまま本処理を終了る。
一方、上記ステップ59の答がYESのとき、すなわち、全閉制御の開始後、第5所定時間TREF5が経過したときには、全閉制御を終了すべきとして、全閉制御終了フラグF_CONVSEを「1」にセットし(ステップ60)、本処理を終了する。これは、全閉制御により、EGR弁14の弁体14bが弁座12aに長時間、押し当てられることに起因する、それらの摩耗や劣化などの不具合を回避するためである。
図8は、図3のステップ6で実行される学習値算出処理のサブルーチンである。本処理では、まずステップ61において、全閉制御中に検出されたEGR弁開度センサ21の検出電圧値EGRLADをサンプリングする。具体的には、本処理の実行サイクルごとに、検出電圧値EGRLADをバッファの所定の記憶部に順次、記憶させることによって、所定のN個の検出電圧値EGRLAD(EGRLAD1〜EGRLADn)をストックする。
次に、ストックされたN個の検出電圧値EGRLADのうちの最大値MAXEGRLADと最小値MINEGRLADとの差を、電圧値変化幅DLADとして算出する(ステップ62)。次いで、算出した電圧値変化幅DLADが所定値DLADREF以下であるか否かを判別する(ステップ63)。
このステップ63の答がNOのときには、検出された検出電圧値EGRLADが安定していないとして、そのまま本処理を終了する。この場合には、次回以降の前記ステップ61のサンプリングにおいて、最先の検出電圧値EGRLAD1を除外し、検出された検出電圧値EGRLADを最新のEGRLADnとして加えることによって、N個のストック状態が保持される。
そして、前記ステップ63の答がYESで、電圧値変化幅DLAD≦所定値DLADREFになったときに、検出電圧値EGRLADが安定したとして、そのときの最新の電圧検出値EGRLADnを、全閉学習値の今回値EGRVZR0として算出する(ステップ64)。
次に、バッテリキャンセル時の学習許可フラグF_LRNB/Cが「1」であるか否かを判別する(ステップ65)。この答がYESで、今回の全閉位置学習がバッテリキャンセル時学習のときには、上記ステップ64で算出した今回値EGRVZR0をそのまま、新たな全閉学習値EGRVZRとして算出する(ステップ66)。次に、バッテリキャンセル時の学習完了フラグF_LRNB/CEを「1」にセットし(ステップ67)、本処理を終了する。
一方、前記ステップ65の答がNOで、今回の全閉位置学習がフィードバック制御時学習またはEGR停止時学習のときには、全閉学習値の前回値EGRVZRZと今回値EGRVZR0との単純平均値を、新たな全閉学習値EGRVZRとして算出する(ステップ68)。
次に、フィードバック制御時の学習許可フラグF_LRNF/Bが「1」であるか否かを判別する(ステップ69)。この答がYESで、今回の全閉位置学習がフィードバック制御時学習のときには、その学習完了フラグF_LRNF/BEを「1」にセットする(ステップ70)。一方、ステップ69の答がNOで、全閉位置学習がEGR停止時学習のときには、その学習完了フラグF_LRNE/SEを「1」にセットし(ステップ71)、本処理を終了する。
図9〜図11は、これまでに説明した全閉位置学習処理によって得られる動作例を示す。図9は、EGRのフィードバック制御時、EGR弁開度LEGRの開方向ずれが発生していない場合の例である。
この例では、時点t1において、EGRの停止状態からフィードバック制御が開始され、フィードバック制御時の学習完了フラグF_LRNF/BEが「0」にリセットされる。このフィードバック制御中、モータデューティ比MDUTYは、EGR弁開度LEGRが目標開度LCMDになるようにフィードバック制御される。
その後、目標開度LCMDが0に設定されるのに応じて、EGR弁開度LEGRが減少し、0近傍の所定値LREF以下になる(時点t2)とともに、その状態が第1所定時間TREF1、継続したときに(時点t3)、EGR弁開度LEGRの開方向ずれが発生していない状態で、フィードバック制御時学習の実行条件が成立したとして、開方向ずれフラグF_DOPENが「0」にセットされる(図5のステップ28)とともに、学習許可フラグF_LRNF/Bが「1」にセットされ(図5のステップ29)、全閉位置学習が開始される。
また、この場合には、開方向ずれフラグF_DOPEN=0で、図7のステップ53の答がNOになるため、全閉制御に先立ち、モータデューティ比MDUTYを0に設定する(図7のステップ55)ことによって、EGRモータ15の通電停止制御が開始される。これにより、EGR弁14は、復帰ばね19の付勢によって、全閉位置の付近に確実に位置した状態になる。
その後、第4所定時間TREF4が経過したときに(時点t4)、通電停止制御が終了するとともに、モータデューティ比MDUTYを負の所定値DUTYNに設定する(図7のステップ58)ことによって、全閉制御が開始される。これにより、EGR弁14がEGRモータ15で全閉位置側に駆動されることによって、弁体14bが弁座12aに強制的に押し当てられる。
そして、この全閉制御中にサンプリングされたEGR弁開度センサ21の検出電圧値EGRLADに基づき、図8の学習算出処理により、前述した所定の算出条件が成立したときに(時点t5)、全閉学習値の今回値EGRVZR0が算出される(図8のステップ64)とともに、この今回値EGRVZR0と前回値EGRVZRZとの単純平均値が、新たな全閉学習値EGRVZRとして算出される(図8のステップ68)。そして、学習完了フラグF_LRNF/BEが「1」にセットされる(図8のステップ70)とともに、学習許可フラグF_LRNF/Bが「0」にリセットされ(図5のステップ22)、全閉位置学習が完了する。
図10は、EGRのフィードバック制御時、EGR弁開度LEGRの開方向ずれが発生している場合の動作例を示す。この例では、時点t6において、EGRのフィードバック制御が開始されるとともに、このフィードバック制御中、目標開度LCMDが0に設定される(時点t7)。その後、EGR弁開度LEGRが所定値LREFよりも大きな状態が第2所定時間TREF2、継続したときに(時点t8)、EGR弁開度LEGRの開方向ずれが発生している状態で、フィードバック制御時学習の実行条件が成立したとして、開方向ずれフラグF_DOPENが「1」にセットされる(図5のステップ31)とともに、学習許可フラグF_LRNF/Bが「1」にセットされ(図5のステップ29)、全閉位置学習が開始される。
この場合には、開方向ずれフラグF_DOPEN=1で、図7のステップ53の答がYESになるため、EGRモータ15の通電停止制御は実行されず、全閉制御が直ちに開始される。その後の動作は、図9の場合と同様であり、全閉制御中にサンプリングされたEGR弁開度センサ21の検出電圧値EGRLADに基づき、所定の算出条件が成立したときに(時点t9)、全閉学習値の今回値EGRVZR0と前回値EGRVZRZとの単純平均値が、新たな全閉学習値EGRVZRとして算出される。また、学習完了フラグF_LRNF/BEが「1」に、学習許可フラグF_LRNF/Bが「0」にそれぞれセットされ、全閉位置学習が完了する。
図11は、EGR停止時学習の場合の動作例を示す。この例では、モータデューティ比MDUTYを0に設定したEGRの停止中、EGR弁開度センサ21の検出電圧値EGRLADが全閉学習値EGRVZRから乖離し始め(時点t10)、その後、両者の差である乖離度合DV0が徐々に増大している。また、それに伴い、EGR弁開度LEGRも目標開度LCMD(=0)に対して同様に推移している。
そして、乖離度合DV0が所定のしきい値DREF以上になる(時点t11)とともに、その状態が第3所定時間TREF3、継続したときに(時点t12)、図6のステップ49の答がYESになることで、EGR停止時学習の実行条件が成立したとして、その学習許可フラグF_LRNE/Sが「1」にセットされる(図6のステップ50)。また、それと同時に、モータデューティ比MDUTYを負の所定値DUTYNに設定する(図7のステップ58)ことで、全閉制御が直ちに開始される。
その後の動作は、図9および図10の場合と同様であり、全閉制御中にサンプリングされたEGR弁開度センサ21の検出電圧値EGRLADに基づき、所定の算出条件が成立したときに(時点t13)、全閉学習値の今回値EGRVZR0と前回値EGRVZRZとの単純平均値が、新たな全閉学習値EGRVZRとして算出される。また、学習完了フラグF_LRNE/SEが「1」にセットされる(図8のステップ71)とともに、学習許可フラグF_LRNE/Sが「0」にリセットされ(図6のステップ42)、全閉位置学習が完了する。
なお、図示しないが、バッテリキャンセルが行われた場合には、例えば、その後のイグニッションスイッチのON直後に、バッテリキャンセル時学習の実行条件が成立したとして、その学習許可フラグF_LRNB/Cが「1」にセットされる(図4のステップ13)とともに、全閉制御が直ちに開始される(図7のステップ58)。また、全閉制御中にサンプリングされたEGR弁開度センサ21の検出電圧値EGRLADに基づいて、全閉学習値の今回値EGRVZR0が算出されるとともに、そのまま新たな全閉学習値EGRVZRとして更新される(図8のステップ66)。
以上のように、本実施形態によれば、EGR弁14の全閉位置学習を行う際、全閉制御に先立ち、通電停止制御によって、EGRモータ15への通電を第4所定時間TREF4、停止する。これにより、EGR弁14は、復帰ばね19の付勢によって全閉位置側に駆動され、全閉位置の付近に確実に位置した状態になる。そして、この状態から全閉制御を開始することによって、EGR弁14をEGRモータ15で全閉方向に駆動し、その弁体14bを弁座12aに押し当てるので、このときのEGR弁14の押当て速度を、過大でない適切な範囲に確実に抑制でき、したがって、EGR弁14、弁座12aや、EGRモータ15を含むEGR弁機構13の破損などの不具合を確実に回避することができる。
また、EGR弁開度LEGRの開方向ずれが発生していると判定されたときには、通電停止制御を実行することなく、全閉制御を実行するので、上述した不具合を生じることなく、全閉位置学習を短時間で終了させることができる。さらに、EGRのフィードバック制御中、目標開度LCMDが0に設定されている状態において、第2所定時間TREF2が経過しても、EGR弁開度LEGRが0近傍の所定値LREFを上回っているときに、開方向ずれが発生していると判定する。したがって、この開方向ずれの有無を的確に判定できるとともに、その判定結果に基づいて、全閉制御に先立つ通電停止制御の可否を適切に決定することができる。
また、バッテリの交換または充電が行われたときに、EGR弁14の全閉位置学習として、バッテリキャンセル時学習を実行するので、バッテリキャンセルに伴うバッテリの電圧特性の変化に起因する全閉学習値EGRVZRのずれを補償しながら、その更新を適切に行うことができる。
さらに、EGRの停止に伴ってEGRモータ15への通電が停止されている状態において、EGR弁開度センサ21の検出電圧値EGRLADと既存の全閉学習値EGRVZRとの乖離度合DLADが所定のしきい値DREF以上である状態が、第3所定時間TREF3以上、継続したときに、EGR弁14の全閉位置学習として、EGR停止時学習を実行する。これにより、既存の全閉学習値EGRVZRのずれを随時、監視しながら、全閉位置の再学習を適切なタイミングで行うことで、全閉学習値EGRVZRの更新を適切に行うことができる。
また、バッテリキャンセル時学習が実行された場合には、それにより得られた全閉学習値の今回値EGRVZR0を、そのまま全閉学習値EGRVZRとして更新する一方、フィードバック制御時学習またはEGR停止時学習が実行された場合には、全閉学習値の今回値EGRVZR0と前回値EGRVZRZとの平均値を、全閉学習値EGRVZRとして更新する。このように、全閉学習値EGRVZRの最終的な算出手法を全閉位置学習の原因に応じて使い分けることによって、全閉学習値EGRVZRの更新をさらに適切に行うことができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、EGR弁14の検出開度のずれを判定するためのパラメータとして、フィードバック制御時学習の実行判定では、EGR弁開度LEGRを用い、EGR弁停止時学習の実行判定では、EGR弁開度センサ21の検出電圧値EGRVLADを用いているが、この関係を逆にしてもよい。
また、EGR弁停止時学習の実行判定において、検出電圧値EGRVLADと全閉学習値EGRVZRとの乖離度合として、両者の差の絶対値DV0を用いているが、これに限らず、両者の比を用いてもよい。さらに、フィードバック制御時学習およびEGR弁停止時学習において、最終的な全閉学習値EGRVZRを、その今回値EGRVZRと前回値EGRVZRZを用いて算出する際、両者の単純平均値を用いているが、加重平均値を用いてもよいことはもちろんである。
また、実施形態では、EGR弁14の全閉位置学習の対象を、EGR弁14の全閉位置(LEGR=0)において出力されるべきオフセット電圧VOFFSETとしているが、これに限らず、例えば全閉位置においてEGR弁開度EGRを0に補正するための補正値を学習の対象としてもよい。
さらに、実施形態は、本発明をエンジン3のEGR弁14に適用した例であるが、本発明は、モータで駆動され、全閉位置においてストッパに当接するなどの要件を満たす限り、他の適当なバルブ、例えば実施形態のインテークシャッタ7に適用してもよく、あるいは内燃機関以外に用いられるバルブに適用してもよい。また、実施形態では、EGR通路12に形成された弁座12aがストッパとして兼用されているが、別個のストッパを有してもよいことはもちろんである。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
2 ECU(全閉制御手段、全閉位置学習手段、開方向ずれ判定手段、目標開度設 定手段、フィードバック制御手段、バッテリキャンセル時全閉位置学習手段、 全閉位置再学習手段)
12 EGR通路(気体通路)
12a 弁座(ストッパ)
14 EGR弁(バルブ)
15 EGRモータ(モータ)
19 復帰ばね(付勢部材)
21 EGR弁開度センサ(バルブ開度検出手段)
EGRLAD 検出電圧値(バルブの開度)
LEGR EGR弁開度(バルブの開度)
LCMD EGR弁の目標開度
MDUTY モータデューティ比(モータに通電する電流)
EGRVZR 全閉学習値(バルブの全閉位置、学習値)
EGRVZR0 全閉学習値の今回値(学習値の今回値)
EGRVZRZ 全閉学習値の前回値(既存の学習値)
LREF 所定値
DV0 乖離度合
DREF しきい値
TREF2 第2所定時間
TREF4 第4所定時間(第1所定時間)

Claims (6)

  1. 気体通路に設けられ、当該気体通路を流れる気体の流量を制御するためのバルブと、
    電流の通電によって作動し、前記バルブを駆動するモータと、
    前記バルブの開度を検出するバルブ開度検出手段と、
    前記バルブが当接することによって、当該バルブを全閉位置に位置決めするストッパと、
    前記バルブを全閉位置側に付勢する付勢部材と、
    前記バルブの全閉位置を学習するための所定の実行条件が成立したときに、前記モータを駆動することによって、前記バルブを全閉方向に駆動し、前記ストッパに強制的に押し当てる全閉制御を実行する全閉制御手段と、
    前記全閉制御中に検出された前記バルブの検出開度に基づいて、当該バルブの全閉位置を学習する全閉位置学習手段と、
    前記バルブの目標開度を設定する目標開度設定手段と、
    記バルブの検出開度が前記設定された目標開度になるように、前記モータに通電する電流をフィードバック制御するフィードバック制御手段と、を備え、
    前記全閉制御手段は、前記フィードバック制御中、前記目標開度が0に設定されているときに、前記全閉制御を実行するとともに、当該全閉制御に先立ち、前記モータへの通電を第1所定時間、停止する通電停止制御を実行することを特徴とするバルブの全閉位置学習装置。
  2. 前記バルブの検出開度が当該バルブの実際の開度に対して開方向にずれる開方向ずれが発生しているか否かを判定する開方向ずれ判定手段をさらに備え、
    前記全閉制御手段は、前記開方向ずれが発生していると判定されたときには、前記通電停止制御を実行することなく、前記全閉制御を実行し、前記開方向ずれが発生していないと判定されたときには、前記通電停止制御を実行した後、前記全閉制御を実行することを特徴とする、請求項1に記載のバルブの全閉位置学習装置。
  3. 記開方向ずれ判定手段は、前記フィードバック制御中、前記目標開度が0に設定されている状態において、前記バルブの検出開度が0近傍の所定値以下になったときには、前記開方向ずれが発生していないと判定し、第2所定時間が経過しても、前記バルブの検出開度が前記所定値を上回っているときには、前記開方向ずれが発生していると判定することを特徴とする、請求項2に記載のバルブの全閉位置学習装置。
  4. 前記全閉制御手段は、前記バルブ開度検出手段の電源であるバッテリの交換または充電が行われたときに、前記全閉制御を実行し、
    当該全閉制御中に検出された前記バルブの検出開度に基づいて、当該バルブの全閉位置を学習するバッテリキャンセル時全閉位置学習手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のバルブの全閉位置学習装置。
  5. 前記全閉制御手段は、前記バルブの全閉位置の既存の学習値が存在する場合において、気体の流量の制御の停止に伴って当該モータへの通電が停止されている状態で検出された前記バルブの検出開度と、前記既存の学習値との乖離度合が、所定のしきい値以上のときに、前記全閉制御を実行し、
    当該全閉制御中に検出された前記バルブの検出開度に基づいて、当該バルブの全閉位置を再度、学習する全閉位置再学習手段をさらに備えることを特徴とする、請求項に記載のバルブの全閉位置学習装置。
  6. 前記全閉制御中に検出された前記バルブの検出開度に基づいて前記全閉位置の学習値の今回値を算出した後、前記バッテリキャンセル時全閉位置学習手段は、前記既存の学習値に代えて、前記算出された学習値の今回値を新たな学習値として設定し、前記全閉位置学習手段および前記全閉位置再学習手段は、前記既存の学習値および前記学習値の今回値の両方を用いて、新たな学習値を算出することを特徴とする、請求項5に記載のバルブの全閉位置学習装置。
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