本発明は、第1の位置と第1の位置より下方に位置する第2の位置へ用紙を移動する際に、用紙の一部を把持する把持手段を設け、当該把持手段を移動手段によって移動させて第1の位置から第2の位置へ用紙を受け渡すことができるようにした。他方、第1の位置において用紙を把持した状態で、把持手段を動作させてスキュー補正を行うことができるようにした。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、前記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明によって明らかになる。
1.全体構成
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成システムの内部構成の概略を示すシステム構成図、図2は図1においてE−E線で断面したときの用紙処理装置の概略構成を示す図で、各部の配置と用紙との関係を示す。図1及び図2において、本実施形態に係る画像形成システムは画像形成装置100、用紙処理装置200、及び画像読み取り装置300から構成されている。なお、用紙処理装置200は画像形成装置100によって排紙された用紙の後処理を行う用紙後処理装置であるので、以下、用紙後処理装置200として説明する。
画像形成装置100は、間接転写方式のタンデム型カラー画像形成装置であり、図においてほぼ中央部に4色の作像ステーション111が配置された作像部110、この作像部110の下方に隣接して設けられた光書き込み部(図示なし)、作像部110の下方に設けられた給紙部120、給紙部120でピックアップされた用紙Pを2次転写部140及び定着部150に搬送する給紙搬送路(縦搬送路)130、画像が定着された用紙Pを用紙後処理装置200側に搬送する排紙経路160、一面に画像が形成された用紙Pを反転し、他面に画像形成させるための両面搬送路170を備えている。
作像部110は、前記作像ステーション111のYMCK各色用の感光体ドラムと、この感光体ドラムの外周に沿って配置された帯電ユニット、現像ユニット、1次転写ユニット、クリーニングユニット、及び除電ユニットと、感光体ドラムに形成された画像を1次転写ユニットによって中間転写する中間転写ベルト112と、感光体ドラムに色毎に画像を書き込む光書き込みユニットとを備えている。光書き込みユニットは、作像ステーション111の下側に配置され、中間転写ベルト112は作像ステーション111の上側に配置されている。
中間転写ベルト112は複数の支持ローラによって回転可能に支持され、そのうちの1つの支持ローラ114は2次転写部140で中間転写ベルト112を介して2次転写ローラ115と対向し、中間転写ベルト112上の画像を用紙Pに2次転写できるようになっている。なお、間接転写方式のタンデム型カラー画像形成装置の画像形成プロセスは公知であり、本発明の要旨とは直接関係しないので、詳細な説明は省略する。
給紙部120は給紙トレイ121、ピックアップローラ122、給紙搬送ローラ123を備え、給紙トレイ121からピックアップした用紙Pを縦搬送路130に沿って上方に送り出す。送り出された用紙Pは2次転写部140で画像が転写され、定着部150に送られる。
定着部150は定着ローラと加圧ローラを備え、用紙Pが両者間のニップを通過する過程で、加熱及び加圧が行われ、トナーが用紙Pに定着される。定着部150の下流には、排紙搬送路160と両面搬送路170が設けられている。両者は分岐爪161によって2方向に分岐し、用紙後処理装置200側に搬送される場合と、両面搬送路170に搬送される場合とで搬送路が選択される。なお、分岐爪161の用紙搬送方向上流側の直近には分岐搬送ローラ162が設けられ、用紙Pへ搬送力を付与している。
用紙後処理装置200は、画像形成装置100の内部に配置され、画像形成装置100から搬送された画像形成済み用紙Pに所定の処理を施し、最下流に位置する排紙トレイ210に積載するもので、詳細については後述する。
画像読み取り装置300は、コンタクトガラス上にセットされた原稿を光走査して原稿面の画像を読み取る公知のものである。画像読み取り装置300自体の構成及び機能は公知であり、本発明の要旨とは直接関係しないので、詳細な説明は省略する。
大略前記のように構成された画像形成装置100では、画像読み取り装置300から読み取られた原稿データあるいは外部のPCなどから転送された印刷データに基づいて書き込みに使用する画像データを生成し、その画像データに基づいて光書き込みユニットから各感光体ドラムに対して光書き込みが行われる。そして、各作像ステーション111で色毎に形成された画像が順次中間転写ベルト112に転写され、中間転写ベルト112上に4色の画像が重畳されたカラー画像が形成される。
一方、給紙トレイ121からは前記画像形成に応じて用紙Pが給送される。用紙Pは、中間転写部140の直前の図示しないレジストローラ位置で一旦停止し、中間転写ベルト112上の画像先端とタイミングを合わせて送り出され、中間転写部140で2次転写され、定着部150へと送り込まれる。
定着部150で画像が定着された用紙Pは、片面印刷の場合及び両面印刷の両面印刷後の場合には、分岐爪161の切り替え動作により排紙経路160側へ搬送され、両面印刷の場合には両面搬送路170側へ搬送される。両面搬送路170に搬送された用紙Pは、反転後、最後中間転写部140に送り込まれて、他側の面に画像が形成された後、排紙経路160側に返送される。排紙経路160側に搬送された用紙Pは、用紙後処理装置200に搬送され、用紙後処理装置200で所定の用紙処理を施し、あるいは、処理なしで排紙トレイ210に排紙される。
2.用紙処理装置
図3は図1においてA−A線で断面した用紙後処理装置200の概略構成を示す図、図4は図3の平面図である。
図3及び図4において、用紙後処理装置200は、入口ローラ201対、入口搬送路202、搬送ローラ203対、パンチユニット270、パンチ処理用後端基準フェンス(以下、パンチ基準フェンスと称す。)204(整合板)、クランプユニット400、ステ−プルトレイ206、ステープル処理用後端基準フェンス(以下、単に後端基準フェンスと称す。)207、ステープルジョガーフェンス208(整合板)及び排紙トレイ210から主に構成されている。これらはほぼ用紙搬送方向(矢印B2方向)上流側から下流側に配置されている。なお、いずれの基準フェンス204,207も、可能な限り広い間隔で設置することが望ましい。
このように用紙後処理装置200の用紙受け入れ部には画像形成装置100の排紙搬送路から用紙Pを受け入れる入口ローラ201対、受け入れた用紙Pをパンチユニット270配置部まで搬送する入口搬送路202及び搬送ローラ203対が設けられている。そして、入口モータにより入口ローラ201対及び搬送ローラ203対を回転させることによって入口搬送路202に沿って用紙Pを搬送する。
また、入口搬送路202には図示しない入口センサが配置され、用紙Pの先端と後端の検知、及び検知した用紙Pの先端と後端の検知タイミングとステッピングモータである入口モータの駆動のステップ数により各用紙処理を行う際のタイミングをとっている。なお、搬送路に沿って設けられた入口ローラ201対及び搬送ローラ203対が搬送手段として機能し、入口センサは例えば入口ローラ201の上流側あるいは下流側の近傍に配置される。
なお、従来の画像形成装置として、装置本体上部に原稿読取部が配置され、装置本体下部に給紙部が配置され、原稿読取部と給紙部との間に印字部が配置され、装置本体の空間に印字部による印字後に装置本体から搬送される記録用紙に対して、複数の用紙後処理を施すことが可能な用紙後処理部と記録用紙が排出される排出部とが配置されたものがある。このような従来の画像形成装置では、装置本体からSEF(Short Edge Feed)短手端面搬送にて記録用紙が搬送されてきた場合、記録用紙の搬送方向と平行な長手端面側に後処理を施すことができず、仮に搬送方向と平行な長手端面側に処理可能なパンチ機能とステープル機能及び処理後の用紙積載機能を配置した場合、それぞれ機能において、用紙長さと同じ長さ以上の配置スペースが必要となっていた。
これに対し、本実施形態に係る画像形成装置100は、装置自体をコンパクトにするため、用紙後処理装置200の構成配置を図2に示すようにした。同図から分かるように用紙Pの搬送方向として矢印B1方向で示すように短手端面搬送(SEF)で用紙Pを搬送し、搬送ローラ対203より下流では、用紙Pの搬送方向を画像形成装置100からの搬送方向(矢印B1方向)に対して直角な方向(図2の矢印B2方向)に切り替えて搬送し、用紙処理を行うようにした。このような搬送と用紙処理を可能とするため、用紙後処理装置200は、図2に示すようなパンチ穴位置C、ステープル綴じ位置Dが設定される。図2から分かるようにパンチ穴明け処理及びステープル綴じ処理は用紙搬送(用紙排紙)方向(矢印B1方向)と平行な用紙Pの端面P2に施す必要がある。
そこで、本実施形態では、搬送ローラ対203から排出された用紙Pは、用紙奥側端面P2をパンチユニット270に、手前側端面P1をガイドトレイ205に支えられた状態でパンチステージ270Sへ進入する。そして、クランプユニット400内で周回するクランプ401で用紙Pを把持し、パンチ基準フェンス204に用紙奥側端面P2を突き当てる。この用紙奥側端面P2の突き当て動作によって用紙Pは整合され、その状態でパンチユニット270により穿孔される。パンチユニット270によって用紙Pにパンチ穴が穿孔された後、クランプ401で用紙Pを把持したままパンチステージ270Sからステープルステージ250Sへと用紙Pを移動させる。
なお、図2において下側が装置前面(手前側)に、上側が装置後部(奥側)に対応し、図3及び図4においては、図示左側が装置手前側に、図示右側が装置奥側となるので、用紙Pにおける奥側も装置奥側と対応づけている。
ここでは、パンチユニット270によってパンチ穴が穿孔された後、用紙Pはクランプユニット400によりパンチユニット270から押し出され、図8に示すようにクランプユニット400の移動に伴って下方向のステープルステージ250Sへと移動する。そして、所定のタイミングでクランプユニット400による用紙Pの把持が解除され、用紙Pはステープルステージ250S上へ落下(位置)する。
パンチ穿孔を行わないモードの場合は、パンチユニット270によりパンチ動作を行わず、同様にして用紙Pをステープルステージ250Sに移動させる。用紙Pがパンチステージ270Sからステープルステージ250Sに移動した後の動作は、用紙Pをシフトして排紙するシフトモードと、複数の用紙Pを積層して用紙束PBLとなった状態で綴じて排紙するステープルモードとで異なるので、モード毎に各部構成を加えて説明する。
2.1 シフトモード
シフトモードは、用紙に対し綴じ処理を行うことなく、排紙トレイ210上にて画像形成装置正面(図1)から見て左右(図2左右)に所定枚数毎に用紙を仕分けするモードである。ステープルトレイ206には、一対のステープルジョガーフェンス208が設けられている。ステープルジョガーフェンス208はステープルトレイ206に固定された図示しないガイド軸に挿入されている。さらに、ステープルジョガーフェンス208は、図示しないタイミングベルトを介してステッピングモータに連結されており、ステッピングモータの正逆回転駆動により直線往復移動を行う。なお、ステープルジョガーフェンス208は各々独立した駆動が可能な構成になっている。
用紙Pは、ステープルステージ250Sへ移動した後、戻しコロ402により用紙奥側端面P2を後端基準フェンス207へ突き当てることにより、用紙後処理装置200での搬送方向が整合される。用紙後処理装置200での搬送方向と直角方向の整合は、ステープルジョガーフェンス208により行われる。
所定枚数毎に用紙Pを仕分けする場合は、用紙後処理装置200での搬送方向と直角方向の整合位置(ステープルジョガーフェンス208の位置)を移動した分だけずらして排紙トレイ210上に排紙する。これにより排紙トレイ210上に積載されたとき、前記所定枚数毎に排紙位置が排紙方向と直交する方向に交互にずれ、用紙の仕分け、所謂シフトが行われる。
排紙トレイ210の用紙処理装置200本体部への取り付け部には、排紙トレイ210上に積載された用紙Pを押さえるための用紙押さえ220が配置され、ソレノイド221のON/OFFにより用紙押さえ解除動作と用紙押さえ動作が行われる。すなわち、用紙の搬送にあわせてソレノイド221をONして用紙押さえ220の押圧動作を解除し、用紙Pが排紙トレイ210に排出された後、ソレノイド221をOFFして用紙押さえを行う。
排紙トレイ210は、搬送方向下流側の固定トレイ部222aと上流側の可動トレイ部222bを備え、可動トレイ部222bはトレイDCモータ223a及びカム・リンク機構223bにより上下動する。可動トレイ部222bは上流側の端部が回動端となって支軸223cを介して固定トレイ部222aに揺動可能に軸支され、カム・リンク機構221bの作動端がこの可動トレイ208bに連結されている。これにより、トレイDCモータ223aが回転し、この回転に応じて可動トレイ部222bが前記支軸223cを中心に揺動する。
この可動トレイ222bは、排紙された用紙枚数が一定枚数に達すると、後述のCPU200aからの指令によりトレイDCモータ223aが回転し、可動トレイ部222bの自由端を下降させる。また、用紙押さえ220には不図示のトレイ紙面センサが配置され、用紙押さえ220が用紙を押さえた状態でトレイ紙面センサがOFFであれば排紙トレイ210を紙面センサがONするまで上昇させ、紙面センサがONしていれば一旦紙面センサがOFFするまで排紙トレイ210を下降させ、再度ONするまで上昇させることによって用紙Pが積載された排紙トレイ210の高さを一定に保つようになっている。
このように、排紙トレイ210の用紙積載状態に応じて可動トレイ部222bの自由端を上下させ、排紙ローラ209のニップ部から可動トレイ部222bの用紙積載部までの距離を一定に保つことにより、排紙ローラ209から排紙される用紙と可動トレイ部222bの接触角度を一定にし、排紙トレイ210に積載される用紙の揃え品質を安定させることができ、また多枚数の積載が可能となる。
以上の動作を繰り返すことにより排紙トレイ210上に仕分けされた用紙Pが積載されることになる。
2.2 ステープルモード
ステープルモードは、用紙を排紙する際に所定枚数毎にステープラによって綴じて、排紙するモードである。
ステープルモードでは、パンチステージ270Sにおいて用紙奥側端面P2をクランプ401により把持した状態でクランプユニット400が周回動作によりステープルステージ250Sまで移動し、ステープルステージ250Sで戻しコロ402により用紙後処理装置200での搬送方向の整合を行う。この整合は、後端基準フェンス207に用紙奥側端面P2を突き当てることにより、後端基準フェンス207を基準に行われる。
用紙の後端突き当てが完了すると、ステープルトレイ206上でステープルジョガーフェンス208による用紙後処理装置200での用紙搬送方向と垂直な方向の用紙整合が行われる。
ステープルトレイ206には図4に示すようにステープルジョガーフェンス208が設けられている。ステープルジョガーフェンス208はステープルトレイ206に固定された図示しないガイド軸に挿入されている。さらにステープルジョガーフェンス208は図示しないタイミングベルトを介してステッピングモータに連結されており、前記ステッピングモータの正逆回転駆動により直線往復移動を行う。その際、ステープルジョガーフェンス208は各々独立した駆動が可能な構成になっている。なお、ステープルトレイ206にはステープルジョガーフェンス208の待機位置を検出するホームセンサが設けられている。
また、ステープルトレイ206には図示しないガイド軸にスライダを介して後端基準フェンス207が設けられており、ステープルジョガーフェンス208と同方向に移動可能になっている。前記スライダにはラックが保持されており、ステープルトレイ206の略中央に配置されたギヤと連結され、後端基準フェンス207はギヤに対して対称に移動する。後端基準フェンス207の端部にはガイド部が設けられており、ステープラユニット250の図示しないベースがステープラユニット250の移動に伴って前記ガイド部の内側を引っ掛けていくことにより、後端基準フェンス207がステープラユニット250の移動に追従して移動する。
ステープラユニット250がステープルトレイ206の端方向に移動した場合は、後端基準フェンス207の間隔は広がり、ステープラユニット250がステープルトレイ206の中央に移動した場合、対として設けられた後端基準フェンス207の間隔は狭まる。これは後端基準フェンス207が図示しないバネによってステープルトレイ206中央方向に弾性力が付与されているためである。
このようなジョガーフェンス208、後端基準フェンス207及びステープラユニット250の移動機構自体は公知であり、ここでの詳細な説明は省略する。
綴じ処理後、図示しない放出爪によりステープルトレイ206上の用紙束PBを押し出し、排紙トレイ210上に排紙する。他方、用紙束PBの排紙中にソレノイド221をONして用紙押さえ220を解除し、さらに排紙トレイ210を一定量下降させ、用紙束PBを排紙トレイ210に排出後ソレノイド221をOFFして用紙押さえを行う。
2.3 クランプ搬送概要
図5はクランプユニット400の斜視図である。クランプユニット400は、クランプ401、タイミングベルト403、駆動プーリ411、従動プーリ411a,411b,411cを備えている。このうちクランプ401は、クランプ固定部401a、クランプ下401b、クランプ上401cから基本的に構成されている。クランプ固定部401aはタイミングベルト403にベルト歯面側(図5においてタイミングベルト403の内面側)からネジで固定されるベース部401a1と、第1のギヤ404及び第2のギヤ405が軸回りに取り付けられた回転軸401a3を回転可能に支持する支持部401a2を含む。
クランプ下401bは用紙Pをクランプ(把持)したときに用紙Pの下側を支え、クランプ上401cは用紙Pの上側で開閉し、クランプ下401bとの間で用紙Pを把持する。クランプ上401cは図5において奥側に突出した作動片401c1を備え、クランプ下401bは前記回転軸401a3の外周に揺動可能に装着される。作動片401c1は、クランプ上401cを開閉させるためのもので、クランプ401の移動に伴って図示しない装置側に設けられた固定部に乗り上げてクランプ上401cをクランプ下401bに対して開放し、固定部から外れると図示しない弾性部材の弾性力によってクランプ上401cは閉鎖される。なお、前記弾性部材はクランプ上401cを常時閉鎖する方向に弾性力を付与している。
すなわち、作動片401c1が固定部に乗り上げてクランプ401が開放状態のときに用紙Pをクランパ401内に挿入し、クランパ401の移動により作動片401c1の固定部への乗り上げが解消されると、クランプ401が用紙後端をクランプする。そして、クランパ401はパンチステージ270Sからステープルステージ250Sへは水平状態を保った状態で移動する。
図6ないし図10はクランプユニット400の動作の概要を示す動作説明図である。これらの図において、搬送ローラ203対から排出された用紙は、用紙奥側端面P2をパンチユニット270に支えられた状態でパンチステージ270Sへ進入し、クランプユニット400内に備えられているクランプ401により把持される(図6)。クランプ401に把持された用紙Pは、パンチ基準フェンス204側に引き戻され(矢印B3方向)、用紙奥側端面P2がパンチ基準フェンス204に突き当てられて整合され、その位置でパンチユニット270より穿孔される(図7)。
パンチ穴が穿孔された後、クランプ401はタイミングベルト403の回転とともに移動し(矢印B4方向)、クランプ401で把持している用紙Pをパンチステージ270Sからステープルステージ250Sへと下方向に移動させる(図8)。
クランプ401により用紙Pをステープルステージ250Sまで移動させた後(矢印B5方向)、クランプ401が開き、用紙Pをステープルトレイ206上に落とす。その後、クランプ401はタイミングベル403の回転によってパンチステージ270Sの用紙受け入れ位置に移動する(図9)。
用紙Pがステープルトレイ206上に位置した後、戻しコロ402を下降させ、用紙Pの表面に押し当てる。そして、戻しコロ402を回転させて用紙Pを後端基準フェンス207側(矢印B6方向)に移動させて用紙奥側端面P2を突き当て、搬送方向を整合する。その後、ステープルジョガーフェンス208により用紙搬送方向と直交する方向(用紙幅方向)を整合し、用紙Pの縦横の整合が完了する(図10)。この動作を1ジョブ(1冊)の枚数分繰り返すことにより、整合された用紙束PBが作成され、ステープル250による綴じ動作が実行される。
2.4 スキュー補正
図11ないし図13はクランプを使用した用紙のスキュー補正の動作を示す動作説明図である。
スキュー補正については第1及び第2のクランプ401a,401bによって用紙Pを把持して搬送し、一対のパンチ基準フェンス204に突き当ててスキュー補正を行うが、その際、可能な限り広い間隔で設置されたパンチ基準フェンス204に対し、クランプ401で用紙Pを把持した状態で当該用紙Pをパンチ基準フェンス204に突き当て、用紙Pがパンチ基準フェンス204に突き当たった際に、把持しているクランプ401が用紙Pに対してスリップするように把持力を設定することが必要である。さもないと、把持している箇所と突き当たって箇所のいずれかで用紙Pに何らかのダメージが生じる。例えば、2つのクランプ401a,401bが同位相で移動すると、コシの弱い用紙Pでは先に基準フェンス204に突き当たった側に傷がつくことがある。
図11は2つのクランプ401の把持力が等しく、2つのクランプ401を同時に図7矢印B3方向に移動させる例の整合動作を示す平面図である。同図において、2つのクランプ401でパンチステージ270Sに進入してきた用紙Pを把持し、矢印B3方向に移動させてパンチ基準フェンス(後端基準フェンス)204に用紙奥側端面P2を突き当てる(図11(a))。そして、さらに図中矢印B3方向に動かすことによって、クランプ401の把持部分で用紙Pが摺動し、用紙Pのスキューが補正される(図11(b))。
図11のように2つのクランプ401の把持力を等しくし、両者を同時に動かしてスキュー補正すると、薄紙等のコシの弱い用紙Pでは、パンチ基準フェンス204に最初に当たる後端部の位置P3において用紙Pが変形し、用紙Pにダメージが生じるおそれがある。
図12及び図13は、図11の例に対して用紙Pにダメージが生じないようにした例を示す平面図である。図12の例では、2つのクランプ401のうち、奥側(図において上側)の第1のクランプ401aの把持力(=把持したときの摩擦力)を手前側(図において下側)の第2のクランプ401bの把持力(=把持したときの摩擦力)よりも小さく設定し、摩擦力が小さい第1のクランプ401aを先に動かすようにしている。
すなわち、摩擦力の小さい第1のクランプ401aが先に動き出し(図12(a))、摩擦力が大きい第2のクランプ401bが遅れて動き出すので、摩擦力が小さい第1のクランプ401aで把持した側の用紙Pが先にパンチ基準フェンス204に当たる(図12(b))。第1及び第2の2つのクランプ401a,401bをさらに動かすと、第2のクランプ401bで把持した側の用紙Pがパンチ基準フェンス204に当たり、スキュー補正が行われる(図12(c))。その際、用紙Pが先にパンチ基準フェンス204に当たる側の第1のクランプ401aの把持力(=摩擦力)が小さいので、用紙Pが第1のクランプ401aに対して滑りやすく、突き当たり時に用紙Pが突き当たったときの力に応じて動き、用紙Pの突き当たり部分のダメージを軽減することができる。
なお、図12(c)の状態から第1及び第2のクランプ401a,401bがさらに矢印B3方向に移動しても用紙Pが滑るような把持力に第1及び第2のクランプ401a,401bの把持力(摩擦力)を設定しておけば、用紙Pにダメージが生じることはない。
図13は図12の例に対して用紙Pのスキュー方法が逆方向となっている場合の例である。この場合も第1のクランプ401aの摩擦力が小さく、第2のクランプ401bの摩擦力の方が第1のクランプ401aの摩擦力よりも大きく設定されている。図13(a)に示すように手前側(図において下側)が先に進入し、奥側が後から進入するというようなスキューとなっている。この場合も、摩擦力が小さい第1のクランプ401aが先に動き出し、第1のクランプ401aで把持した側の用紙Pが先にパンチ基準フェンス204に突き当たる(図13(b))。次いで第2のクランプ401bで把持した側の用紙Pがパンチ基準フェンス204に突き当たり、スキュー補正が行われる(図13(c))。
この場合も用紙Pが先にパンチ基準フェンス204に当たる側の第1のクランプ401aの把持力が小さいので、用紙Pが第1のクランプ401aに対して滑りやすく、突き当たり時の用紙Pの突き当たり部分のダメージを軽減することができる。そのため、図12(b)及び(c)と図13(b)及び(c)は同様の動作となる。
なお、第1及び第2のクランパ401a,401bの用紙Pを把持する部分の形状は平面形状、曲面形状、コロ形状のものが採用される。また、前記把持する部分の材質は金属、合成樹脂材、ゴムなど、用紙と接触する部分の摩擦係数に応じて適切な材質が選択される。前記形状や材質の選択は、用紙Pのクランパ401の把持力の条件により選択される。前記コロは、用紙Pをニップに挟持した状態で、所定の力が加わるとコロが回転し、用紙Pの移動を可能にするという構成のものであればよい。
これまでに説明した画像形成システムの用紙後処理装置200の制御及び各部の動作は、用紙後処理装置200の制御回路によって実行される。図14は用紙後処理装置200と画像形成装置100を含む画像形成システムの制御構成を示すブロック図である。
図14において、用紙後処理装置200はCPU200a、I/Oインターフェイス200b等を有するマイクロコンピュータを搭載した制御回路を備え、CPU200aには、画像形成装置100のCPUあるいは操作パネル100aの各スイッチ等、及び図示しない各センサからの信号が通信インターフェイス100bを介して入力され、CPU200aは入力された信号に基づいて所定の制御を実行する。さらに、CPU200aは、ドライバ、モータドライバを介してソレノイド及びモータを駆動制御し、その他のインターフェイスから装置内のセンサ情報を取得する。
また、制御対象やセンサに応じてI/0インターフェイス200bを介してモータドライバによってモータの駆動制御を行い、センサからセンサ情報を取得する。なお、前記制御は、図示しないROMに格納されたプログラムコードをCPU200aが読み込んで図示しないRAMに展開し、当該RAMをワークエリア及びデータバッファとして使用しながら前記プログラムコードで定義されたプログラムに基づいて実行される。
また、図14における用紙後処理装置200の制御は画像形成装置100のCPUからの指示若しくは情報に基づいて実行される。ユーザの操作指示は画像形成装置100の操作パネル100aから行われ、画像形成装置100と操作パネル100aは通信インターフェイス100bを介して相互に接続されている。これにより、画像形成装置100からは用紙後処理装置200へ操作パネル100aからの操作信号が送信され、また、用紙後処理装置200の処理状態や機能が操作パネル100aを介してユーザ又は作業者に通知される。
以上のように、本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
1)搬入されてきた用紙Pに対して予め設定された処理、例えば穿孔処理及び綴じ処理を施す処理手段を備えた用紙処理装置であって、用紙奥側端面P2を把持する把持手段としてのクランプ401と、用紙奥側端面P2で当該用紙Pに対して第1の処理としての穿孔処理を施すパンチユニット270と、用紙奥側端面P2で用紙Pに対して第2の処理としての綴じ処理を施すステープラ250と、パンチユニット270が上方の第1の位置に、ステープラ250が下方の第2の位置にそれぞれ設けられ、第1及び第2の位置にクランプ410を移動させる移動手段としてのタイミングベルト403、駆動プーリ411及び従動プーリ411a,411b,411cと、前記第1の位置で前記クランパ401によって把持された用紙Pのスキューを補正する補正手段とを備えたので、スキュー補正と用紙排出(用紙の移動)をクランパ401によって実行することが可能となり、低コスト化及び小型化を実現することができる。
また、従来のように用紙Pをコロ搬送により第1の位置と第1の位置より下方の第2の位置へ移動させる際には用紙長さと同じ長さ以上のスペースが必要となってしまう。これに対し、本実施形態では、用紙Pの一部を把持するクランパ401を設け、このクランパ401を移動させることによって、第1の位置と第2の位置への用紙の受け渡しを行うので、搬送方向と平行な長手端面側に処理可能な複数の後処理機能を省スペースに配置することが可能となる。
本実施形態に係る用紙後処理装置200は、このように省スペースで配置可能なので、装置本体上部に原稿読取部が配置され、装置本体下部に給紙部が配置され、原稿読取部と給紙部との間に印字部が配置され、装置本体の空間に印字部による印字後に装置本体から搬送される記録用紙に対して、複数の用紙後処理を施すことが可能な用紙処理装置に好適である。
2)前記スキュー補正手段が、クランプ401によって把持された用紙Pの奥側端面P2が突き当てられる突き当て部材としてのパンチ基準フェンス204と、クランパ401をパンチ基準フェンス204側に移動させ、用紙Pをパンチ基準フェンス204に突き当てる突き当て移動手段とを備えているので、クランパ401によってスキュー補正が可能となる。
3)前記突き当て移動手段が前記第1及び第2の位置にクランパ401を移動させる移動手段としてのタイミングベルト403、駆動プーリ411及び従動プーリ411a,411b,411cからなるので、突き当て移動手段と移動手段とを1つの手段で兼用することが可能となり、低コスト化及び小型化の実現に寄与することができる。
4)前記把持手段が対となる第1及び第2のクランパ401a,401bを備え、第1及び第2のクランパ401a,401bの一方の把持力は、他方の把持力よりも弱く設定され、用紙Pがパンチ基準フェンス204に突き当てられたとき、前記用紙が前記把持部材に把持された状態で移動可能な力に設定されているので、用紙にダメージが加わることなくパンチ基準フェンス204位置に用紙奥側端面P2が留まることができる。
5)前記突き当て移動手段は、把持力が弱い前記一方の把持手段を他方の把持手段より先に移動させるので、把持力が弱い側の第1のクランパ401a側で先に用紙奥側端面P2の位置が決まり、その後、第2のクランパ401b側で用紙奥側端面P2の位置が決まる。これにより、用紙にダメージを与えることなくスキュー補正を行うことができる。
6)クランパ401の用紙Pを把持する把持部(把持する部分)の形状が平面、曲面及びコロのうちの1つから、また、前記把持部の材質が金属、合成樹脂材及びゴムのうちの1つからそれぞれ構成され、用紙Pの把持力の条件により前記形状及び材質が選択されるので、用紙Pがパンチ基準フェンス204に突き当たったときに、用紙奥側端部P2に過剰な力が加わったとしても、用紙Pが移動し、用紙Pにダメージが加わることがない。
7)パンチユニット270はクランパ401によって把持された用紙Pに対して穿孔処理を施すので、クランパ401によるスキュー補正とスキュー補正後の穿孔処理を用紙の受け渡し工程を経ることなく実行することができる。これにより、効率的な処理が可能となる。すなわち、用紙Pを移動させる手段のほかに別の手段を追加することなく用紙Pのスキュー補正が可能であるとともに、スキュー補正時に用紙の受け渡しも不要であるため、処理時間も短縮することができる。
8)クランパ401によって把持される用紙の端面側は、用紙Pの画像形成装置PR側からの搬入方向と平行な側の用紙奥側端面P2であるので、搬送方向と平行な用紙長手端面側に処理可能な複数の後処理機能を配置することが可能となり、省スペース化を実現することができる。
なお、特許請求の範囲における用紙は本実施形態では符号Pに、処理手段はパンチユニット270、ステープルジョガーフェンス208、パンチ基準フェンス204、クランパ401,401a,401b、ステープラ250、ステープルジョガーフェンス208に、用紙処理装置は用紙後処理装置200に、把持手段はクランパ401,第1及び第2のクランパ401a,401bに、用紙の端面は用紙奥側端面P2に、第1の処理手段はパンチユニット270に、第2の処理手段はステープラ250に、第1の位置はパンチステージ270Sに、第2の位置はステープルステージ250Sに、移動手段はタイミングベルト403、駆動プーリ411及び従動プーリ411a,411b,411cに、スキュー補正手段はクランパ401及びパンチ基準フェンス204に、突き当て部材はパンチ基準フェンス204に、突き当て移動手段はタイミングベルト403、駆動プーリ411及び従動プーリ411a,411b,411cに、一方の把持手段は第1のクランパ401aに、用紙の搬入方向と平行な側の端面は用紙奥側端面P2に、穿孔手段はパンチユニット270に、綴じ手段はステープラ250に、画像形成システムは用紙後処理装置200と画像形成装置100を含むシステムに、それぞれ対応する。
さらに、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。