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JP5987673B2 - 回転電機のステータコア - Google Patents
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JP5987673B2 - 回転電機のステータコア - Google Patents

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Description

本発明は、複数枚のコア板を積層して形成される回転電機のステータコアに関する。
回転電機は、様々な機器の動力源として広く利用されている。一般的な永久磁石交流回転電機は、コイルを有するステータと、磁極となる永久磁石を有するロータとを備えて構成される。インナーロータ型の回転電機において、コイルが巻き回されるステータコアは、多くの場合、電磁鋼板が円環状に打ち抜かれた複数のコアを円筒状に積層することによって形成される。そして、複数のコア板は、それぞれのコア板が分離しないように互いに固定される。固定の方法としては、溶接やボルト締め、かしめ等がある。特許第3550971号公報(特許文献1)には、円周方向における複数箇所に設定された固定部において電磁鋼板のコア板を固定するステータコアが開示されている。
ところで、このような固定部を設けるに際して、溶接溝やボルト孔等がコア板に形成されると、ステータコアにおける磁路がその分小さくなる。また、かしめによりコア板が歪んだ場合には、歪みによる磁気特性の変化によって有効磁路が小さくなる可能性がある。ここで、永久磁石を有するロータがステータに対して相対回転し、固定部を磁束が通過すると、固定部に対応してロータのトルクに変動が生じる。ステータコアにおける固定部のピッチ角が、ロータにおける永久磁石のピッチ角(磁極のピッチ角)の整数倍であると、複数の磁極が周期的に複数の固定部を同時に通過することになってトルク変動が大きくなってしまう。このため、特許文献1では、固定部の各固定部間角度(α)を、磁極のピッチ角(A)の整数倍とならない角度に設定することが提案されている(特許文献1:第3〜10段落等)。
また、コア板の材料となる電磁鋼板の厚みは完全に均一ではないから、電磁鋼板に対して定められた基準方向を同一方向に揃えた姿勢でコア板を積層すると、電磁鋼板の厚みの誤差が累積され、複数枚のコア板の厚さの合計がステータコアの周方向の位置によって大きく異なってしまう可能性がある。このため、一般的にはコア板を周方向に回転させて積層する転積が実施され、周方向の各位置における複数枚のコア板の厚さ合計の均一化が図られる。転積に際しての周方向への回転角度の範囲内には複数の固定部が含まれ、特許文献1では、それらの固定部を固定部組と称している。そして、転積の際の周方向の回転角度を固定部組間角度(β)と称している。特許文献1では、さらに、固定部組間角度(β)を、磁極のピッチ角(A)の整数倍とならない角度に設定することが提案されている(特許文献1:第11段落等)。
ところで、ステータコアの固定には、溶接よりもリードタイムが短く、生産コストも抑制可能なかしめがしばしば適用される。但し、一般的に、かしめは溶接に比べて締結力が弱いため、溶接を採用する場合と比べて固定部の数を多く設定する必要がある。固定部の数を増やすと、磁極が固定部とが回転電機の径方向に沿って一列に並ぶ回数も増加する。特許文献1では、磁極の数よりも固定部の数が少ない場合の対策を例示しており、磁極の数よりも固定部の数が多くなる場合については言及されていない。また、特許文献1では、磁極のピッチ角(A)と固定部間角度(α)との関係や、磁極のピッチ角(A)と固定部組間角度(β)との関係については規定されているが、これら(A,α,β)の総合的な関係については、必ずしも定量的に規定されていない。従って、種々の形態の回転電機に対して広く適用可能な技術が求められる。
特許第3550971号公報
上記背景に鑑みて、複数枚のコア板を積層し、相互に固定して回転電機のステータコアを形成するに際して、ロータに備えられた磁極との相対位置関係に応じて生じるトルク変動を抑制できる技術の提供が望まれる。
上記課題に鑑みた本発明に係る回転電機のステータコアの特徴構成は、
周方向における複数箇所に等間隔で磁極が形成されたロータに対向して配接されるステータを構成するために、複数枚のコア板を積層し、周方向における複数箇所に設定された固定部において複数枚の前記コア板を互いに固定して形成される回転電機のステータコアであって、
前記コア板は、予め定められた積層枚数毎に予め規定された転積角度で転積され、
360度を前記転積角度で除した値転積状態数と、前記ロータの磁極の数磁極数と、前記固定部の個数固定部数として
前記転積状態数が奇数の場合には、
前記転積状態数と前記磁極数との大小関係に拘わらず、
前記固定部数が前記転積状態数の整数倍であり、且つ、
前記固定部数と前記磁極数との公約数が、“1”のみとなるように、奇数の前記固定部数が設定されている、又は、
前記転積状態数と前記磁極数との大小関係に拘わらず、
前記固定部数が前記転積状態数の整数倍であり、且つ、
前記固定部数と前記磁極数との公約数が、“1”及び“2”のみとなるように、偶数の前記固定部数が設定されており、
記転積状態数が偶数の場合には、
前記転積状態数が前記磁極数よりも少なく、且つ、
前記固定部数が前記転積状態数の整数倍であり、且つ、
前記固定部数と前記磁極数との公約数が、“1”及び“2”のみとなるように、偶数の前記固定部数が設定されている点にある。尚、予め定められた積層枚数毎に予め規定された転積角度で転積されることは、予め定められた積層枚数毎に予め規定された転積角度に応じて周方向に回転された状態で積層されることを示す。
固定部数が転積状態数の整数倍であると、各転積角度の範囲内に含まれる固定部の数が同数となる。従って、転積を行ってコア板を積層する際に、どの転積状態においても固定部を同じ周方向の配置とすることができる。また、固定部数と磁極数との公約数が“1”のみの場合には、1つの磁極と1つの固定部とが回転電機の径方向に沿って並んだ際に、他の全ての磁極と他の全ての固定部とは、径方向に沿って並ばないことになる。従って、複数の磁極が複数の固定部を同時に通過することがなく、トルク変動を抑制することができる。また、固定部数と磁極数との公約数が“1”及び“2”のみの場合には、1つの磁極と1つの固定部とが回転電機の径方向に沿って並んだ際に、他の1つの磁極と他の1つの固定部とは径方向に沿って並ぶが、その他の磁極とその他の固定部とは径方向に沿って並ぶことがない。従って、3つ以上の磁極が3つ以上の固定部を同時に通過することがなく、トルク変動を抑制することができる。
尚、磁極はN極とS極とが対となって構成されているから、磁極数は偶数となる。このため、転積状態数が偶数の場合に、磁極数が転積状態数以下であると、ステータコアの転積角度ごとに区分された各範囲内における同一位相の位置に、全ての磁極がそれぞれ位置することになる。一方、磁極数が転積状態数よりも多いと、当該同一位相の位置を外れる磁極が存在する。本特徴構成によれば、転積状態数が偶数の場合には、転積状態数が磁極数よりも少ないので、トルク変動を抑制することができる。このように、本特徴構成によれば、複数枚のコア板を積層し、相互に固定して回転電機のステータコアを形成するに際して、ロータに備えられた磁極との相対位置関係に応じて生じるトルク変動を抑制することができる。
上述したように、磁極数は偶数である。ここで、転積状態数が奇数であると、転積状態数の約数には、“2”は含まれない。また、固定部数は、転積状態数の整数倍であるから、固定部数を転積状態数の奇数倍とすれば固定部数を奇数とし、固定部数の約数に“2”を含まないようにすることができる。つまり、転積状態数が奇数の場合には、磁極数と固
定部数との公約数に“2”を含まないようにすることができる。その結果、1つの磁極と1つの固定部とが回転電機の径方向に沿って並んだ際に、他の全ての磁極と他の全ての固定部とが、径方向に沿って並ばないことになり、トルク変動が抑制される。即ち、1つの態様として、本発明に係る回転電機のステータコアは、前記転積状態数が奇数の場合、前記固定部数と前記磁極数との公約数が、“1”のみとなるように、奇数の前記固定部数が設定されていると好適である。
ところで、磁極数が転積状態数の整数倍であると、ステータコアの転積角度ごとに区分された各範囲内の周方向の位置関係において磁極が同一の状態で位置することになる。転積を考慮すると区分された各範囲内における固定部の配置は同一であるから、当該各範囲内において、磁極と固定部とは周方向で同一の相対位置関係で対応することとなる。例えば、区分された1つの範囲内において1つの固定部と1つの磁極とが回転電機の径方向に沿って並んだ場合、区分された他の範囲内においても、固定部と磁極とが径方向に沿って並ぶことになる。つまり、同時に複数箇所で固定部と磁極とが径方向に沿って並ぶので、トルク変動が大きくなる要因となる。従って、磁極数は、転積状態数の整数倍ではないことが好ましい。1つの好適な態様として、本発明に係る回転電機のステータコアは、前記転積状態数が、前記磁極数の約数とは異なる値に設定されていると好適である。
回転電機の構造を模式的に示す軸方向断面図 ステータコアの構成の第1具体例を示す回転電機の模式的軸直交断面図 ステータコアの構成の第2具体例を示す回転電機の模式的軸直交断面図 ステータコアの構成の第3具体例を示す回転電機の模式的軸直交断面図 ステータコアの構成の第4具体例を示す回転電機の模式的軸直交断面図 ステータコアの構成の第5具体例を示す回転電機の模式的軸直交断面図
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、回転電機1の構造を軸方向断面図により模式的に示している。この回転電機1は、3相交流電動機又は3相交流発電機として機能する同期機(同期電動機、同期発電機)である。図1に示すように、本実施形態の回転電機1は、ステータ2、ロータ11を備えて構成されている。回転電機1の電機子を構成するステータ2は、不図示のケースの内周面に固定されている。ステータ2の径方向Rの内側には、永久磁石を備えた界磁としてのロータ11が、ステータ2に対して相対回転可能に配置されている。ロータ11は、その回転軸11aが軸受け12aを介して不図示のケースに対して回転可能に保持されている。
図2の軸直交断面図に示すように、ステータ2は、ステータコア3とコイル4とを有して構成されている。ステータコア3には、内周面に所定間隔でティース31が形成されている。コイル4は、導線をティース31に複数回巻き回して構成されている。このコイル4は、軸方向Lに沿って直線状に形成された一対のコイル辺部と、一対のコイル辺部間をつなぐコイル端部とを有して構成されている。各コイル辺部は、ステータコア3の隣接するティース31の間に形成された各スロット32内に収められる。ステータコア3は、電磁鋼板により構成された複数枚の円環状のコア板を円筒状に積層し、互いに固定して形成されている。
ロータ11は、ロータコア13と、ロータコア13に埋め込まれた永久磁石15とを有して構成されている。ロータコア13も、電磁鋼板により構成された複数枚の円形状又は円環状のコア板を、円柱状又は円筒状に積層し、互いに固定して形成されている。磁極Mを形成する永久磁石15は、ロータコア13の周方向における複数箇所に等間隔で埋め込まれている。これにより、ロータ11の周方向Cにおける複数箇所に等間隔で磁極Mが形成される。永久磁石15は、ロータコア13の周方向に磁極ピッチ角θm[度]で配置されている。即ち、ロータ11には、磁極数F(=360/θm)の磁極Mが形成されている。
ところで、ステータコア3やロータコア13を形成するコア板の材料となる電磁鋼板の厚みは完全に均一ではない。従って、電磁鋼板に対して定められた基準方向に揃えた姿勢(同一の向き)でコア板を積層すると、電磁鋼板の厚みの誤差が累積され、積層方向(軸方向L)における複数枚のコア板の厚さの合計が、ステータコア3の周方向Cの位置によって大きく異なってしまう可能性がある。このため、一般的にはコア板を周方向Cに回転させて積層する転積が実施され、当該厚さの合計の均一化が図られる。コア板は、予め定められた積層枚数毎に予め規定された角度(転積角度θc)に応じて周方向Cに回転されて積層される。
例えば、コアが36枚のコア板を積層して生成され、転積角度θcが120[度]の場合には、360度を転積角度θc(=120[度])で除した値“3” を転積状態数E)とする。そして、この転積状態数E(=3)により総積層枚数“36”を序した値“12”を予め定められた積層枚数とし、次のようにしてコアが形成される。まず、同一の姿勢でコア板が12枚積層されて第1次コア板群が形成される。次に、この第1次コア板群が転積角度θcだけ回転された後、第1次コア板群にさらにコア板が12枚積層されて第2次コア板群が形成される。さらに、第2次コア板群が同一方向に転積角度θcだけ回転された後、第2次コア板群にコア板が12枚積層されて第3次コア板群が形成される。このようにして36枚積層された第3次コア板群の各コア板を互いに固定してコアが形成される。積層されるコア板群、具体的には最初に積層される第1次コア板群の総回転角度は“360−θc[度]”である。
上記の例においては、転積状態数Eが“3”の際に、積層枚数を“12”とした。しかし、第1次コア板群の総回転角度は“360−θc[度]”である必要はなく、“720−θc[度]”や、“1080−θc[度]”等であってもよい。例えば、第1次コア板群の総回転角度が“720−θc[度]”の場合には、各回の積層枚数を6枚として次のようにコアを形成することができる。第1次積層→θc回転→第2次積層→θc回転→第3次積層→θc回転→第4次積層→θc回転→第5次積層→θc回転→第6次積層。さらに、各回の積層枚数を1枚として、第36次積層まで繰り返してもよい(この場合の総回転角度は、“360×36/3−θc[度]”)。
尚、当然ながら、ステータコア3とロータコア13の転積角度は、同一である必要はない。図2には、転積角度θcとして、ステータコア3の転積角度θsを例示している。上述した36枚積層の例から明らかなように、積層の際の転積回数は、同一状態での積層枚数に応じて2,5,8,11,・・・,32,35回と種々の値を採り得る。しかし、コア板が打ち抜かれた際の姿勢(位相・向き)に対する積層時の姿勢の種類は、転積角度に応じて一定である。換言すれば、コア板の材料となる電磁鋼板に対して定められた基準方向に対する各コア板の回転方向の姿勢の種類は、転積角度に応じて一定である。上述したように、転積角度θcが120[度]の場合には、3つの状態となるから、この値“3”を転積状態数Eと称する。そして、転積の際の転積回数は、“総積層枚数/転積状態数E”の範囲の自然数を“n”として“E×n−1”となる。
このようにして、周方向Cの各位置における複数枚のコア板の厚さの合計が均一化されたコア板群、換言すれば、周方向Cの書く位置における軸方向Lの長さがほぼ均等となるように積層されたコア板群は、複数枚のコア板が互いに固定されてステータコア3やロータコア13となる。
以下、ステータコア3の固定方法について説明する。本実施形態では、各コア板には、コア板を一方の面に凹部が形成され、他方の面に凸部が形成された固定部5が設けられている。固定部5の凸部は、かしめ用突起であり、凹部はかしめ用突起が係合する係合部である。コア板を積層させることによって、上下方向(軸方向L)に積層されるコア板の固定部5の凹部に凸部が入り込む。上下方向(軸方向L)に押圧力を印加することによって、当該凹部に当該凸部が係合され、コア板が互いに固定される。本実施形態では、このような“ダボかしめ”により各コア板が互いに固定され、ステータコア3が構成される。
コア板の固定方法には、この他、溶接などを用いることもできるが、本実施形態では、溶接よりもリードタイムが短く、生産コストも抑制可能なかしめが適用されている。但し、一般的に、かしめは溶接に比べて締結力が弱いため、溶接を採用する場合と比べて固定部5の数を多く設定する必要がある。本実施形態においても、図2に示すように、ロータ11に形成された磁極Mよりも多くの固定部5がステータ2に形成されている(磁極M:16個、固定部5:21個)。
ところで、このような固定部5を設けると、ステータコア3における磁路がその分小さくなる。ここで、永久磁石15を有するロータ11がステータ2に対して相対回転し、固定部5を磁束が通過すると、ロータ11のトルクに変動が生じる。同時に複数の磁極Mからの磁束が固定部5を通過すると、トルク変動もより大きくなる。磁極Mの数は、回転電機1の要求仕様によって定まるから、固定部5の個数や配置を適切に設定することによって、このようなトルク変動を抑制することが好ましい。
ここでは、360[度]を転積角度θs(θc)で除した値である転積状態数Eと、ロータ11の磁極Mの数である磁極数Fと、軸直交断面における固定部5の個数(コア板に形成された固定部5の個数)である固定部数Gとの関係において、固定部5の個数や配置を規定する。具体的には、固定部数Gが転積状態数Eの整数倍であると共に、少なくとも、固定部数Gと磁極数Fとの公約数が、“1”のみ、又は“1”及び“2”のみとなるように固定部5の個数や配置が規定される。
図2は、そのような規定に従った第1具体例を示している。図2に示す回転電機1のステータコア3の転積角度θsは120[度]であり、転積状態数Eは“3”である。ロータ11の磁極数Fは“16”である。固定部数Gは、転積状態数Eの整数倍であると共に、少なくとも固定部数Gと磁極数Fとの公約数が“1”のみとなるように設定されている。具体的には、図2に示すように、固定部数Gは“21”であり、固定部数G(=21)と磁極数F(=16)との公約数は“1”のみである。
このように、固定部数G(=21)は転積状態数E(=3)の整数倍であり、各転積角度θs(=120[度])の範囲内に含まれる固定部5の数は全て“7”となる。従って、転積を行ってコア板を積層する際に、どの転積状態においても固定部5が同じ周方向配置を維持することができる。また、固定部数G(=21)と磁極数F(=16)との公約数は“1”のみであるから、1つの磁極M(永久磁石15の中心)と1つの固定部5とが回転電機1の径方向Rに沿って並んだ際に、他の全ての磁極Mと他の全ての固定部5とは、径方向Rに沿って並ばない。つまり、複数の磁極Mからの磁束が、電気的に同一の位相で複数の固定部5を同時に通過することがないから、トルク変動を抑制することができる。
図3は、固定部5の個数や配置についての第2具体例を示している。図3に示す回転電機1のステータコア3の転積角度θsは120[度]であり、転積状態数Eは“3”である。ロータ11の磁極数Fは“8”である。固定部数Gは、転積状態数Eの整数倍であると共に、少なくとも固定部数Gと磁極数Fとの公約数が“1”のみとなるように設定されている。具体的には、図3に示すように、固定部数Gは“21”であり、固定部数G(=21)と磁極数F(=8)との公約数は“1”のみである。
第1具体例と同様に、固定部数G(=21)は転積状態数E(=3)の整数倍であり、各転積角度θs(=120[度])の範囲内に含まれる固定部5の数は全て“7”となる。従って、第1具体例と同様に、転積を行ってコア板を積層する際に、どの転積状態においても固定部5が同じ周方向配置を維持することができる。また、固定部数G(=21)と磁極数F(=8)との公約数は“1”のみである。従って、第1具体例と同様に、1つの磁極Mと1つの固定部5とが回転電機1の径方向Rに沿って並んだ際に、他の全ての磁極Mと他の全ての固定部5とは、径方向Rに沿って並ばない。つまり、複数の磁極Mからの磁束が、電気的に同一の位相で複数の固定部5を同時に通過することがないから、トルク変動を抑制することができる。
図4は、固定部5の個数や配置についての第3具体例を示している。図4に示す回転電機1のステータコア3の転積角度θsは120[度]であり、転積状態数Eは“3”である。ロータ11の磁極数Fは第1具体例と同様の“16”である。固定部数Gは第1具体例及び第2具体例と異なり“18”であり、固定部数G(=18)と磁極数F(=16)との公約数は“1”及び“2”である。第3具体例においては、固定部数Gは、転積状態数Eの整数倍であると共に、少なくとも固定部数Gと磁極数Fとの公約数が“1”及び“2”のみとなるように設定されている。
固定部数G(=18)は、第1具体例及び第2具体例と同様に、転積状態数E(=3)の整数倍であり、各転積角度θs(=120[度])の範囲内に含まれる固定部5の数は全て“6”となる。従って、第1具体例及び第2具体例と同様に、転積を行ってコア板を積層する際に、どの転積状態においても固定部5が同じ周方向配置を維持することができる。第3具体例では、固定部数G(=18)と磁極数F(=16)との公約数は“1”及び“2”のみである。固定部数Gと磁極数Fとの公約数が“1”及び“2”のみの場合には、1つの磁極Mと1つの固定部5とが回転電機1の径方向Rに沿って並んだ際に、他の1つの磁極Mと他の1つの固定部5とも径方向Rに沿って並ぶ。しかし、その他の磁極Mとその他の固定部5とは径方向Rに沿って並ぶことがない。
例えば、図4において符号“15a”で示す永久磁石15の中心と、符号“5a”で示す固定部5とが径方向Rに沿って並んだ場合、符号“15b”で示す永久磁石15の中心と、符号“5b”で示す固定部5とも、同様に径方向Rに沿って並ぶ。しかし、その他の永久磁石15の中心とその他の固定部5とは、径方向Rに沿って並ばない。つまり、第3具体例においては、3つ以上の磁極Mからの磁束が電気的に同一の位相で3つ以上の固定部5を同時に通過することがなく、トルク変動を抑制することができる。
図5は、固定部5の個数や配置についての第4具体例を示している。図5に示す回転電機1のステータコア3の転積角度θsは第1具体例〜第3具体例とは異なり180[度]である。従って、転積状態数Eは“2”である。ロータ11の磁極数Fは第1具体例及び第3具体例と同様に“16”である。固定部数Gは、第3具体例と同様に、転積状態数Eの整数倍であると共に、少なくとも固定部数Gと磁極数Fとの公約数が“1”及び“2”のみとなるように“18”に設定されている。
固定部数G(=18)は、第1具体例〜第3具体例と同様に転積状態数E(=2)の整数倍であり、各転積角度θs(=180[度])の範囲内に含まれる固定部5の数は全て“9”となる。従って、第1具体例〜第3具体例と同様に、転積を行ってコア板を積層する際に、どの転積状態においても固定部5が同じ周方向配置を維持することができる。また、固定部数G(=18)と磁極数F(=16)との公約数は“1”及び“2”のみである。従って、1つの磁極Mと1つの固定部5とが回転電機1の径方向Rに沿って並んだ際に、他の1つの磁極Mと他の1つの固定部5とは径方向Rに沿って並ぶが、その他の磁極Mとその他の固定部5とは径方向Rに沿って並ぶことがない。
図4と同様に、図5において符号“15a”で示す永久磁石15の中心と、符号“5a”で示す固定部5とが径方向Rに沿って並んだ場合、符号“15b”で示す永久磁石15の中心と、符号“5b”で示す固定部5とは、同様に径方向Rに沿って並ぶ。しかし、その他の永久磁石15の中心とその他の固定部5とは、径方向Rに沿って並ばない。つまり、第4具体例においては、3つ以上の磁極Mからの磁束が電気的に同一の位相で3つ以上の固定部5を同時に通過することがなく、トルク変動を抑制することができる。
尚、第4具体例のように、転積状態数Eが偶数の場合には、転積状態数Eが磁極数Fよりも少ない必要がある。磁極MはN極とS極とが対となって構成されているから、磁極数Fは偶数となる。このため、転積状態数Eが偶数の場合に、磁極数Fが転積状態数E以下であると、ステータコア3の転積角度θsごとに区分された各範囲内における同一位相の位置に、全ての磁極Mがそれぞれ位置することになる。例えば、転積状態数Eが“2”であり、磁極数Fが“2”であると、1つの磁極Mと1つの固定部5とが回転電機1の径方向Rに沿って並んだ際に、残り1つの磁極Mと残り1つの固定部5とも径方向Rに沿って並ぶことになる。つまり、磁極数Fが“2”であると、全ての磁極Mが固定部5と径方向Rにおいて同じ相対位相関係となる。一方、磁極数Fが転積状態数Eよりも多いと、当該同一位相の位置を外れる磁極Mが存在する。従って、第4具体例のように、転積状態数Eが偶数の場合には、転積状態数Eが磁極数Fよりも少ないことも条件となる。尚、磁極数Fは偶数であるから、転積状態数Eが奇数の場合には、転積状態数Eと磁極数Fとの大小関係は考慮する必要はない。
ところで、転積状態数Eが偶数の場合には、各転積角度θsの範囲内に同数の固定部5を含むために、固定部5の総数も偶数となる。磁極数Fは必ず偶数であるから、磁極数Fと固定部数Gとが共に偶数となり、その公約数には必ず“2”が含まれる。例えば、第4具体例のように、磁極数Fが“16”で固定部数Gが“18”となり、公約数には“1”と“2”とが含まれる。
一方、上述した第1具体例〜第3具体例のように、転積状態数Eが奇数の場合には、固定部5の総数は奇数も偶数も採り得る。つまり、各転積角度θsの範囲内に奇数の固定部5を含む場合には、固定部数Gは奇数となり、当該範囲内に偶数の固定部5を含む場合には、固定部数Gは偶数となる。磁極数Fは必ず偶数であるから、転積状態数Eが奇数の場合には、磁極数Fと固定部数Gとの公約数は、“1”のみの場合と、“1”及び“2”のみの場合とがあり得る。上述した第1具体例及び第2具体例では、固定部数Gは“21”であり、奇数である。第3具体例では、固定部数Gは“18”であり、偶数である。
既に説明したように、磁極数Fと固定部数Gとの公約数に“2”が含まれる場合よりも、当該公約数が“1”のみの場合の方が、同時に回転電機1の径方向Rに磁極Mと固定部とが並ぶ機会を抑制することができる。磁極数Fは必ず偶数であるから、固定部数Gは奇数であることが好ましい。上述したように、転積状態数Eが奇数の場合には、固定部数Gを奇数とすることができる。従って、第1具体例及び第2具体例に示したように、転積状態数Eが奇数の場合には、固定部数Gと磁極数Fとの公約数が“1”のみとなるように、固定部数Gが奇数に設定されていると好適である。
ところで、転積状態数Eと磁極数Fとの関係について、転積状態数Eが偶数の場合には、固定部数Gも偶数となり、偶数の磁極数Fとの公約数に“2”が含まれることになると説明した。転積状態数Eと磁極数Fとが、“1”以外の公約数を有するということは、複数の磁極Mと複数の固定部5とが同時に径方向Rに沿って並ぶ状態が生じることを意味する。固定部数Gと磁極数Fとの公約数に“2”を含む場合には、少なくとも2つの磁極Mと2つの固定部5とが同時に径方向Rに沿って並ぶ状態が生じることになる。
上述した第1具体例〜第3具体例では、転積状態数Eが“3”であり、磁極数Fが“16”又は“8”であるから、転積状態数Eと磁極数Fとの公約数は“1”のみである。第4具体例では、転積状態数Eが“2”であり、磁極数Fが“16”であるから、転積状態数Eと磁極数Fとの公約数には“1”の他に“2”も含まれる。このため、第4具体例の場合には、固定部数Gが偶数となり、固定部数Gと磁極数Fとの公約数にも“2”が含まれることとなる。一方、第1具体例〜第3具体例では、固定部数Gが奇数も偶数も採り得る。つまり、第1具体例や第2具体例のように、固定部数Gを奇数に設定して、固定部数Gと磁極数Fとの公約数を“1”のみとすることができる。
固定部数Gは、転積状態数Eの整数倍であるから、固定部数Gの約数には転積状態数Eが含まれる。上述したように、固定部数Gと磁極数Fとの公約数は、“1”及び“2”のみであるよりも、“1”のみである方が好ましい。従って、転積状態数Eは、磁極数Fの約数とは異なる値に設定されていると好適である。換言すれば、磁極数Fが転積状態数Eの整数倍ではないと好適である。
〔その他の実施形態〕
以下、本発明のその他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)図2〜図5を参照して例示した第1具体例から第4具体例では、固定部5が等ピッチ(等角度)で配置されている場合を示した。しかし、各転積角度θsに対応する範囲においてその配列が共通であれば、図6の第5具体例に示すように、固定部5は等ピッチで配列されていなくてもよい。図6の第5具体例は、図2に示した第1具体例の変形例である。
(2)第1具体例〜第5具体例では、転積状態数Eが“2”又は“3”の場合を例示した。しかし、転積状態数Eは、“4”、“5”、“6”など、“3”よりも大きい値に設定されてもよい。尚、転積状態数Eが、“4”、“5”、“6”の場合、転積角度θs(θc)はそれぞれ“90[度]”、“72[度]”、“60[度]”である。
(3)第1具体例〜第5具体例では、磁極数Fが“16”及び“8”の場合を例示した。しかし、当然ながら本発明は、磁極数Fが、その他の任意の偶数である場合にも適用することができる。但し、上述したように、転積状態数Eが偶数の場合には、当該転積状態数Eよりも磁極数Fが大きい場合に本発明を適用することができる。
本発明は、複数枚のコア板を積層して形成される回転電機のステータコアに利用することができる。また、そのようなステータコアを備えた回転電機に利用することができる。
θc, θs:転積角度
1 :回転電機
2 :ステータ
3 :ステータコア
5 :固定部
11 :ロータ
C :周方向
E :転積状態数
F :磁極数
G :固定部数
L :軸方向
M :磁極
R :径方向

Claims (3)

  1. 周方向における複数箇所に等間隔で磁極が形成されたロータに対向して配接されるステータを構成するために、複数枚のコア板を積層し、周方向における複数箇所に設定された固定部において複数枚の前記コア板を互いに固定して形成される回転電機のステータコアであって、
    前記コア板は、予め定められた積層枚数毎に予め規定された転積角度で転積され、
    360度を前記転積角度で除した値転積状態数と、前記ロータの磁極の数磁極数と、前記固定部の個数固定部数として
    前記転積状態数が奇数の場合には、
    前記転積状態数と前記磁極数との大小関係に拘わらず、
    前記固定部数が前記転積状態数の整数倍であり、且つ、
    前記固定部数と前記磁極数との公約数が、“1”のみとなるように、奇数の前記固定部数が設定されている、又は、
    前記転積状態数と前記磁極数との大小関係に拘わらず、
    前記固定部数が前記転積状態数の整数倍であり、且つ、
    前記固定部数と前記磁極数との公約数が、“1”及び“2”のみとなるように、偶数の前記固定部数が設定されており、
    記転積状態数が偶数の場合には、
    前記転積状態数が前記磁極数よりも少なく、且つ、
    前記固定部数が前記転積状態数の整数倍であり、且つ、
    前記固定部数と前記磁極数との公約数が、“1”及び“2”のみとなるように、偶数の前記固定部数が設定されている、
    回転電機のステータコア。
  2. 前記転積状態数が奇数の場合、前記固定部数と前記磁極数との公約数が、“1”のみとなるように、奇数の前記固定部数が設定されている請求項1に記載の回転電機のステータコア。
  3. 前記転積状態数は、前記磁極数の約数とは異なる値に設定されている請求項1又は2に記載の回転電機のステータコア。
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