[第1実施形態]
第1実施形態に係る現像装置及び画像形成装置の一例について説明する。
(全体構成)
図1には、第1実施形態の一例としての画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、各構成部品が内部に収容される筐体11を有している。筐体11内には、記録媒体の一例としての記録用紙Pを収容する複数の用紙収容部12と、記録用紙Pにトナー画像TZ(現像剤像の一例)を形成する画像形成部20と、用紙収容部12から排出部18まで記録用紙Pを搬送する用紙搬送部14とが設けられている。
また、筐体11の内部には、画像形成部20によって記録用紙Pに形成されたトナー画像TZを当該記録用紙Pに定着する定着装置40と、画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部30と、が設けられている。さらに、筐体11の上部には、定着装置40によって画像が定着された記録用紙Pが排出される排出部18が設けられている。
なお、以下の説明では、図1に矢印Zで示す方向を装置高さ方向、矢印Xで示す方向を装置幅方向とする。また、装置高さ方向及び装置幅方向のそれぞれに直交する方向(矢印Yで示す)を装置奥行き方向とする。そして、画像形成装置10をユーザ(図示省略)が立つ側から見て(正面視して)、装置高さ方向、装置幅方向、装置奥行き方向をZ方向、X方向、Y方向と記載する。
さらに、X方向、Y方向、Z方向のそれぞれ一方側と他方側を区別する必要がある場合は、画像形成装置10を正面視して、上側を+Z側、下側を−Z側、右側を+X側、左側を−X側、奥側を+Y側、前側を−Y側と記載する。
用紙搬送部14は、一例として、画像形成装置10の+X側で−Z側から+Z側へ向けて延び、記録用紙Pが搬送される搬送路15を有している。また、用紙搬送部14は、各用紙収容部12に収容された記録用紙Pを搬送路15へ送り出す送出ロール16と、搬送路15に沿って配置され、送出ロール16によって送り出された記録用紙Pを後述する転写位置Qへ搬送する複数の搬送ロール17とを有している。さらに、用紙搬送部14は、搬送路15における記録用紙Pの搬送方向の下流側端部で、排出部18へ記録用紙Pを排出する排出ロール48を有している。
また、筐体11内で搬送路15よりも+X側には、片面(表面)にトナー画像TZが定着された記録用紙Pを反転させ、再び転写位置Qへ送り戻す反転搬送路37が設けられている。そして、画像形成装置10において記録用紙Pの両面にトナー画像TZを形成する際には、片面にトナー画像TZが定着された記録用紙Pが、排出ロール48によりスイッチバックされて反転搬送路37に導かれ、再度、転写位置Qへ送り戻されるようになっている。
(画像形成部)
画像形成部20は、潜像(図示省略)を保持する像保持体の一例としての感光体22を有している。そして、感光体22の周囲には、感光体22の回転方向の上流側から順に、帯電装置24、露光装置26、現像装置100、転写手段の一例としての転写ロール28、及びクリーニングブレード29が設けられている。
感光体22は、円筒状に形成され、図示しない駆動手段によってY方向を軸方向とする自軸周りに回転駆動されるようになっている。感光体22の外周面には、一例として負の帯電極性を呈する感光層(図示省略)が形成されている。また、感光体22は、内側の基体(図示省略)が接地されている。なお、画像形成装置10を−Y側から+Y側に見て、感光体22の回転方向は反時計回り方向(以後、−R方向という)となっている。感光体22は、外周面にオーバコート層を形成した構成としても良い。
帯電装置24は、一例として、感光体22の外周面と対向配置され、感光体22の外周面(感光層)を負極性に帯電させるようになっている。本実施形態では、一例として、帯電装置24がコロナ放電方式(非接触帯電方式)のコロトロン帯電装置とされている。
露光装置26は、制御部30から送られた画像信号に基づき感光体22の外周面に潜像を形成するようになっている。制御部30から送られる画像信号としては、例えば、制御部30が外部装置から取得した画像信号がある。なお、現像装置100の詳細については後述する。
転写ロール28は、感光体22とで搬送路15を挟んで、感光体22に対向配置されている。また転写ロール28は、一例として、トナーTの帯電極性とは逆極性の電圧が電源(図示省略)から印加され、感光体22との間で電位差が形成されている。そして、転写ロール28は、感光体22とで記録用紙Pを挟んで、記録用紙Pを+Z側(搬送路15の下流側)へ搬送するようになっている。転写ロール28と感光体22との間が、感光体22に形成された画像(現像剤像)が記録用紙Pに転写される転写位置Qとされている。
定着装置40は、加熱ロール42及び加圧ロール44を有している。定着装置40では、加熱ロール42による加熱及び加圧ロール44による加圧により、記録用紙Pに転写されたトナー画像TZを当該記録用紙Pへ定着するようになっている。そして、定着装置40の+Z側(搬送方向下流側)には、既述の排出ロール48が設けられている。
また、露光装置26の−X側には、トナーTを収容するトナーカートリッジ32が設けられている。そして、トナーカートリッジ32と現像装置100との間には、トナーカートリッジ32から現像装置100へ向けてトナーTを搬送するトナー搬送部(図示省略)が設けられている。
(画像形成動作)
次に、画像形成装置10における画像形成動作について説明する。
図1に示すように、画像形成装置10では、いずれかの用紙収容部12から送出ロール16によって送り出された記録用紙Pが、複数の搬送ロール17によって転写位置Qへ送り込まれる。
一方、画像形成部20では、感光体22が帯電装置24によって帯電された後、露光装置26によって露光され、感光体22の外周面に静電潜像が形成される。そして、当該静電潜像が現像装置100によって現像されることにより、感光体22に一例として、黒色のトナー画像TZが形成される。この黒色のトナー画像TZは、転写位置Qにおいて、転写ロール28により記録用紙Pへ転写される。
トナー画像TZが転写された記録用紙Pは、定着装置40へ搬送され、当該トナー画像TZが定着装置40により記録用紙Pに定着される。なお、記録用紙Pの片面のみにトナー画像TZを形成する場合は、トナー画像TZが定着された後、記録用紙Pが排出ロール48により排出部18へ排出される。
また、記録用紙Pの両面へトナー画像TZを形成する場合は、片面にトナー画像TZが形成された後、記録用紙Pが排出ロール48でスイッチバック搬送され、反転搬送路37へ送り込まれる。さらに、当該記録用紙Pは、反転搬送路37から再び転写位置Qへ送り込まれ、トナー画像TZが記録されていない反対面(裏面)に前述と同様にトナー画像TZが形成され、排出ロール48により排出部18へ排出される。以上のようにして、画像形成装置10の一連の画像形成動作が行われる。
(要部構成)
次に、現像装置100について説明する。
図2に示すように、現像装置100は、現像剤容器の一例としてのハウジング102と、現像剤保持部材の一例としての現像ロール104と、現像ロール104にトナーTを供給する供給部材の一例としての供給ロール106とを有している。また、現像装置100は、ハウジング102内で往復移動可能とされた移動部材の一例としての撹拌棒110と、撹拌棒110を駆動して後述する第1位置P1と第2位置P2との間で往復移動させる駆動手段の一例としての駆動部120とを有している。
(トナー)
トナーTは、粉体の1成分現像剤の一例であり、トナーTの粒子は、負極性に帯電するポリエステル系樹脂を有し、乳化重合により形成されている。そして、トナーTは、ハウジング102内に収容されている。なお、1成分現像剤とは、2成分現像剤のようなキャリアを用いずに現像される現像剤を意味しており、主成分となる熱可塑性樹脂の他に、顔料、帯電制御剤、離型剤などの添加剤も含む概念である。また、トナーTは、各断面図において模式的に円形(実際は球形)で示すが、重合トナーのような球形に限らず、粉砕トナーのような不定形のものであってもよい。
<ハウジング>
ハウジング102は、Y方向に見て、−Z方向に凸となるように2箇所で湾曲した底壁102Aを有している。底壁102Aの−X側の端部には、Z方向に沿って直立する側壁102Bが設けられている。また、底壁102Aの+X側の端部には、感光体22に向けて延びる延出部102Cが形成されている。
さらに、供給ロール106の+Z側(上方)には、X方向で側壁102Bと対向し、側壁102Bの+Z側の端部と高さが揃えられた側壁102Gが設けられている。側壁102GのZ方向の高さは、側壁102BのZ方向の高さよりも低くなっている。加えて、底壁102Aの+Y側には、Z方向に沿って直立する側壁102Dが設けられており、底壁102Aの−Y側には、Z方向に沿って直立する側壁102Eが設けられている。
底壁102AのX方向中央部(湾曲した2箇所の繋ぎ目部)には、+Z側に凸とされた壁部の一例としての仕切壁102Fが、底壁102Aと一体で形成されている。仕切壁102Fは、X−Z断面が二等辺三角形状でY方向に長い三角柱状となっており、ハウジング102の下部(−Z側)を、後述する第1室の一例としての現像室103と、第2室の一例としての補給室105とに仕切っている。
(現像室)
現像室103は、仕切壁102Fよりも供給ロール106側に形成されている。そして、現像室103内には、現像ロール104及び供給ロール106が、それぞれY方向を軸方向として+R方向に回転可能に設けられている。具体的には、側壁102D、102Eにそれぞれ2つの軸受部材(図示省略)が取り付けられており、これらの軸受部材に現像ロール104の軸部104Aの両端部、供給ロール106の軸部106Aの両端部が支持されている。軸部104A、106Aの端部には、ギア(図示省略)が取り付けられており、軸部104A、106Aがモータ(図示省略)により回転駆動されるようになっている。
現像ロール104は、一例として、シリコンゴムロールで構成されており、軸部104Aには、電源(図示省略)から直流電圧で−160[V]印加されている。また、現像ロール104は、一例として、+Y側に見て、供給ロール106よりも+X側で且つ+Z側の位置(斜め45°の位置)に、供給ロール106と接触するように配置されている。そして、現像ロール104は、一部の外周面が、延出部102Cと側壁102Gとの間から感光体22側へ露出している。
供給ロール106は、X方向における現像室103の最深部となる位置で、外周面が底壁102Aの+Z側の面と対向するように配置されている。また、供給ロール106は、一例として、ウレタン発泡スポンジロールで構成されている。さらに、供給ロール106は、現像ロール104と共にトナーTを挟むニップ部を形成しており、現像ロール104にトナーTを供給している。
図4(A)に示すように、現像室103を+Y側に見て、供給ロール106よりも−X側で且つ+Z側の位置には、供給ロール106に供給されるトナーTの量を制限するための制限ブロック107が設けられている。制限ブロック107は、供給ロール106の外周面と対向する湾曲面107Aと、底壁102Aの現像室103側の内壁面102H(壁面の一例)と対向する湾曲面107Bとが、−Z側(下部)に形成されている。
湾曲面107Aは、X−Z断面で見て、供給ロール106の外周面とほぼ同じ曲率で、供給ロール106の径方向の外側へ向けて窪んだ形状となっている。また、湾曲面107Aは、供給ロール106の+Z側上端を12時とする時計回りで見て、9時から12時までのほぼ1/4円の円弧上に形成されている。
湾曲面107Bは、X−Z断面で見て、内壁面102Hとほぼ同じ曲率で、内壁面102Hへ向けて凸となっている。また、湾曲面107Aは、湾曲面107Aの−Z側端部(下端部)から、制限ブロック107の−X側の側面107Cの−Z側端部まで形成されている。そして、内壁面102Hと湾曲面107Bとの間が、トナーT(図2参照)が供給ロール106に向けて供給される供給路112となっている。すなわち、供給路112は、仕切壁102Fと供給ロール106との間に形成されている。
図2に示すように、側壁102Gの内壁面には、Y−Z面に沿って広がる規制ブレード109の+Z側部分が取り付けられている。規制ブレード109は、一例として、矩形状のSUS板で構成されている。また、規制ブレード109は、X−Z面で見て、側壁102Gの−Z側端部から現像ロール104の外周面へ向けて延びており、−Z側端部が現像ロール104の外周面と接触している。そして、規制ブレード109は、現像ロール104の外周面に保持されたトナーTの径方向の厚みを規制するようになっている。
(補給室)
補給室105は、仕切壁102Fの現像室103側とは反対側に形成されている。そして、補給室105内には、搬送部材の一例としての補給パドル108が、Y方向を軸方向として−R方向に回転可能に設けられている。具体的には、側壁102D、102Eに軸受部材(図示省略)が取り付けられており、これらの軸受部材に補給パドル108の軸部108Aの両端部が支持されている。また、軸部108Aの端部には、ギア(図示省略)が取り付けられており、このギアに供給ロール106のギアの回転力が伝達されるようになっている。
補給パドル108は、軸部108Aの径方向に延びる板状部108Bを有している。そして、板状部108Bの先端(軸部108A側とは反対側)は、補給室105の底壁102Aの内壁面102J(図4(A)参照)と接触するようになっている。これにより、補給パドル108が−R方向に回転すると、補給室105内に収容されているトナーTが板状部108Bですくいあげられ、現像室103へ搬送される。
(撹拌棒)
図3に示すように、撹拌棒110は、一例として、Y方向を軸方向とする円柱状に形成されており、軸方向の両端には、Y方向中央に比べて小径とされた軸部110Aが形成されている。そして、両端の軸部110Aは、ハウジング102の側壁102D、102Eに形成された案内孔111よりも外側に突出している。
また、撹拌棒110の軸方向の一端部は、後述する駆動部120のクランク126に固定されている。これにより、撹拌棒110は、駆動部120が作動することで第1位置P1と第2位置P2との間で往復移動するようになっている。なお、以後の説明では、撹拌棒110の移動方向をM方向と記載し、撹拌棒110が供給ロール106(図2参照)に近づく側を+M側、撹拌棒110が供給ロール106から離れる側を−M側と記載する。
案内孔111は、側壁102D、102EをY方向に貫通している。また、案内孔111は、+X側に向けて下端が−Z側に位置するように斜めに延びる長孔となっており、案内孔111の延びる方向(M方向)に対して直交する方向の幅は、軸部110Aの直径よりも僅かに大きくなっている。そして、第1位置P1及び第2位置P2は、後述するクランク126の移動範囲に基づいて決められている。第1位置P1は、案内孔111の+Z側にあり、第2位置P2は、案内孔111の−Z側にある。なお、第1位置P1、第2位置P2は、撹拌棒110のX−Z断面内(供給ロール106(図2参照)の軸方向と直交する面内)における中心位置で示されている。
図4(C)に示すように、第1位置P1は、トナーT(図2参照)の外部にある。さらに、仕切壁102F(内壁面102H)のZ方向上端の高さ位置である点P3を通りZ方向に沿って延びる破線Aよりも−X側で、且つ点P3よりも+Z側に設定されている。このため、撹拌棒110が第1位置P1で静止(停止)した状態では、撹拌棒110の−X側の端部が、破線AよりもΔd1だけ補給室105側に入っている。
図4(B)に示すように、第2位置P2は、点P3を通りX方向に沿って延びる破線Bよりも−Z側で、且つ点P3よりも+X側に位置している。このため、撹拌棒110が第2位置P2で静止(停止)した状態では、撹拌棒110の−Z側の端部が、破線BよりもΔd2だけ現像室103側(供給路112内)に入っている。
また、図4(A)に示すように、第2位置P2は、第1位置P1よりも供給ロール106側でトナーT(図2参照)の内部にある。さらに、第2位置P2は、第1位置P1に配置されている撹拌棒110の外周面と供給ロール106の外周面との共通接線のうち、供給ロール106側とは反対側に撹拌棒110が配置される共通接線Kの供給ロール106側とは反対側に設定されている。
(駆動部)
図3に示すように、駆動部120は、一例として、モータ122と、モータ122の駆動により回転するギア124と、ギア124と撹拌棒110とを連結するクランク126とを含んで構成されている。モータ122は、現像ロール104、供給ロール106、及び補給パドル108(図2参照)の駆動源としても利用される。ギア124は、他のギア(図示省略)を介して補給パドル108のギア(図示省略)から駆動力を伝達されるようになっている。なお、駆動部120は、制御部30(図3参照)により作動のON、OFFが切り換えられる。
クランク126は、一例として、長手方向の一端が、ギア124の外周部における−Y側にピン125で相対角が変位可能に連結されている。また、クランク126は、長手方向の他端が、撹拌棒110の軸部110Aの+Y側(側壁102Dよりも外側)に相対角が変位可能に連結されている。ピン125は、円柱状に形成されており、軸方向がY方向に沿っている。これにより、モータ122がギア124を回転駆動すると、ギア124の回転運動が撹拌棒110のM方向の往復運動に変換されるようになっている。
図2に示すように、現像装置100では、補給パドル108が現像室103へトナーTを搬送するとき、撹拌棒110が、第2位置P2(図4(A)参照)から第1位置P1へ移動するようになっている。そして、現像装置100では、補給パドル108の1回転における現像室103へのトナーTの搬送が終わった後、撹拌棒110が、第1位置P1から第2位置P2へ移動するようになっている。
(作用)
次に、第1実施形態の作用について説明する。
図5(B)、(C)に示すように、現像装置100では、補給パドル108によるトナーTの供給に伴い、撹拌棒110が第1位置P1と第2位置P2との間を往復移動する。撹拌棒110が第1位置P1と第2位置P2との間を往復移動することにより、現像室103内(供給路112内を含む)に収容されたトナーTが撹拌され、塊となることが抑制されるので、供給ロール106に供給されるトナーTの流動性が低下することが抑制される。
また、第1位置P1がトナーTの外部にあり、第2位置P2がトナーTの内部にあるので、撹拌棒110が第1位置P1から第2位置P2に移動することにより、撹拌棒110より押しのけられたトナーTの一部が、現像室103側から補給室105側へ還流する。これにより、現像室103側のトナーTが過剰になることが抑制される。
また、図4(A)に示すように、現像装置100では、第2位置P2が、第1位置P1にある撹拌棒110と供給ロール106との既述の共通接線Kの供給ロール106側とは、反対側に設定されている。このため、撹拌棒110が第1位置P1からトナーT内部の第2位置P2へ移動するときに、撹拌棒110が供給ロール106に向けて移動しなくなるので、撹拌棒110と供給ロール106とでトナーTが挟まれにくくなる。これにより、供給ロール106の外周面でのトナーTの凝集が抑制される。
以下、撹拌棒110の第1位置P1と第2位置P2との間の移動における詳細な作用について説明する。
画像形成装置10(図1参照)の画像形成動作の開始に伴い、図5(A)に示すように、現像装置100では、補給パドル108が回転して、補給室105内のトナーTを現像室103側に移動させる。なお、図5(A)では、補給パドル108が回転して現像室103へトナーTを供給しているときのトナーTの最も高い高さ位置を破線TAで示している。
ここで、撹拌棒110は、補給パドル108の先端が動作開始から第1位置P1付近に到達するまでの間で、第1位置P1へ移動する。このため、撹拌棒110が、補給パドル108による現像室103へのトナーTの補給(供給)を邪魔することがなくなる。これにより、現像装置100では、補給パドル108が現像室103へトナーTを補給するときに撹拌棒が第1位置P1から第2位置P2へ移動する構成に比べて、補給室105から現像室103(供給ロール106)へのトナーTの供給量の減少が抑制される。
続いて、図5(B)に示すように、供給路112にトナーTが供給され、補給パドル108が第1位置P1付近に到達するとき、撹拌棒110が第1位置P1から第2位置P2へ移動する。このとき、撹拌棒110は、第1位置P1と第2位置P2との間の移動に伴って、トナーTの上端の高さ位置TAを通過する。さらに、撹拌棒110は、一部が仕切壁102Fにおける内壁面102Hの上端の高さ位置(位置P3)を通過するように第2位置P2へ移動する。
このため、撹拌棒110が無い構成に比べて、供給路112に供給されたトナーTが供給ロール106側へ搬送され、供給ロール106まで行き渡る。これにより、現像装置100では、使用するトナーTの量が多くなる画像形成が複数回行われ、現像ロール104の周囲のトナーTの量が減少することがあっても、供給ロール106によってトナーTの供給が連続して行われる。
また、図4(B)及び図5(B)に示すように、撹拌棒110の一部が位置P3の高さ位置を通過するように第2位置P2へ移動することで、撹拌棒110の体積に相当する量のトナーTが補給室105側へ溢れる(還流する)。
さらに、図7に斜線領域S1で示すように、撹拌棒110は、移動方向における先端側(頂点Psを含む)が中央部よりも細くなっている。このため、撹拌棒110が+M側に移動するとき、トナーTは、頂点Psを含む外周面110Bにより、M方向に対して交差する方向に押しのけられる。これにより、撹拌棒110は、先端に向けて同じ断面形状の撹拌棒を有する構成に比べて、トナーTの撹拌力が高まる。
これらの作用(トナーTの還流作用、撹拌作用)により、現像装置100では、補給室105側にトナーTが溢れない構成に比べて、供給路112内でトナーTが押し固められる(圧縮される)ことが抑制される。
続いて、図4(C)及び図5(C)に示すように、トナーTに埋まっている撹拌棒110は、補給パドル108(図2参照)の回転に伴って、第1位置P1へ向けて移動する。第1位置P1は、点P3よりも補給室105側となっているので、撹拌棒110に覆い被さっていたトナーTの一部は、仕切壁102Fを越えて補給室105側へ還流(移動)される。これにより、現像室103で溢れたトナーTが、再び現像室103へ戻ることが抑制される。そして、現像室103内のトナーTの量が安定化すると共に、供給路112内でトナーTが圧縮されることが抑制される。
続いて、図2に示すように、供給ロール106の外周部に保持されているトナーTは、現像ロール104と供給ロール106との間で摺擦され帯電する。供給ロール106は、発泡層を有し弾性変形するため、現像ロール104の外周面に沿う形で窪んだ後、現像ロール104から離れるときに元の円形に復元する。この復元に伴う線速増加と発泡体の引張力とにより、供給ロール106上のトナーTが供給ロール106から離れる。そして、帯電したトナーTは、現像ロール104の外周部に保持され、層厚が規制ブレード109で規制された後、感光体22の現像領域へ搬送される。
続いて、図1に示すように、画像形成装置10では、既述の画像形成動作(現像工程、転写工程、定着工程)が行われ、記録用紙Pにトナー画像TZが定着される。ここで、現像装置100において、トナーTの流動性の低下が抑制されるので、画像形成装置10では、画像形成に必要な量のトナーTが確保されトナーTの供給不足に起因する画像不良が抑制される。
ここで、画像形成装置10において、100%全面ベタの画像形成を行ったときに画像不良が抑制される撹拌棒110の外径[mm]と撹拌棒110の1分あたりの往復回数(往復速度という)との関係を確認したところ、図6に示すグラフが得られた。図6を見て分かるように、撹拌棒110の外径を大きくするほど、必要な往復速度が低くて済むことが確認された。
表1には、撹拌棒110の往復速度を2[回/分]に固定して、撹拌棒110の外径φ[mm]をφ1、φ2、φ3、φ4、φ5と変更したときのトナーTの供給不足に起因する画像不良の発生状態が示されている。なお、画像評価1は、温度28[℃]、湿度80[%]の環境下で全面ベタ画像の画像形成を10枚連続で行い、この10枚の画像濃度が設定した画像濃度を満たしているかをエックスライト社製X−Rite508で測定した。測定結果を、○×△の3段階でランク分けした。○:面内濃度差≦0.2(良い)、△:0.2<面内濃度差<0.3(問題ないレベル)、×:面内濃度差≧0.3(悪い)。
また、画像評価2は、温度28[℃]、湿度80[%]の環境下で全面白紙画像(全面白ベタ画像)の画像形成を1000枚連続して行った後、文字画像を1枚画像形成して、文字がかすれていないかを目視評価した。結果は、3段階(○:良い、△:問題無いレベル、×:悪い)でランク分けした。
表1において、撹拌棒110の外径φが大きくなるほど、画像評価1の評価結果が○となり、画像評価2の評価結果が×となることが分かった。また、撹拌棒110の外径φを3[mm]とすることで、画像評価1、2の結果が共に○となることが分かった。
なお、図6及び表1の評価では、現像ロール104について、外径を12[mm]、粗さRaを1.2[μm]、軸部104Aの外径を5[mm]、印加電圧をDC−160[V]とした。また、供給ロール106について、外径を11[mm]、平均セル径を300[μm]、アスカーC硬度を20°、軸部106Aの外径を5[mm]、印加電圧をDC−160[V]とした。さらに、規制ブレード109の板厚を0.08[mm]、線圧を40[N/m]とした。加えて、供給路112の幅(内壁面102Hと湾曲面107Bとの間隔)を5[mm]、撹拌棒110の移動距離(第1位置P1から第2位置P2までの片道)を5[mm]、トナーTの平均粒径を6.5[μm]とした。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る現像装置及び画像形成装置の一例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部材及び部位には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
図8には、第2実施形態の一例としての現像装置130が示されている。現像装置130は、第1実施形態の画像形成装置10(図1参照)において、現像装置100(図1参照)に換えて設けられている。また、現像装置130には、撹拌棒110(図2参照)に換えて移動部材の一例としての撹拌棒132が設けられている。なお、現像装置130では、撹拌棒132を除く他の部材、部位は、現像装置100と同様の構成である。
撹拌棒132は、X−Z断面が三角形でY方向に延びる三角柱状に形成されている。そして、撹拌棒132の両端部は、案内孔111(図3参照)を通して側壁102D、102Eよりも外側へ突出しており、駆動部120によって第1位置P1と第2位置P2(図9(A)参照)との間を往復移動可能となっている。
図9(C)に示すように、撹拌棒132は、M方向(第2位置P2(図9(A)参照)への移動方向)に見て、頂点C1(先端)に向けて細くなるように配置されており、頂点C1がM方向に沿って移動するようになっている。一例として、頂点C1に対応する頂角は鋭角となっている。また、撹拌棒132は、頂点C1側とは反対側に、M方向と交差する方向(一例として直交方向)に広がる後端面132Aを有している。
さらに、撹拌棒132が第1位置P1(図9(A)参照)に配置されている状態において、後端面132Aの+X側の端点である頂点C2は、第1実施形態の共通接線K上に配置されている。そして、撹拌棒132は、第2位置P2において、共通接線Kの供給ロール106側とは反対側に配置されるようになっている。
(作用)
次に、第2実施形態の作用について説明する。
図9(A)、(B)に示すように、現像装置130では、補給パドル108によるトナーTの供給に伴い、撹拌棒132が第1位置P1と第2位置P2との間を往復移動する。撹拌棒132が第1位置P1と第2位置P2との間を往復移動することにより、現像室103内(供給路112内を含む)に収容されたトナーTが撹拌され、塊となることが抑制されるので、供給ロール106に供給されるトナーTの流動性が低下することが抑制される。
また、第1位置P1がトナーTの外部にあり、第2位置P2がトナーTの内部にあるので、撹拌棒132が第1位置P1から第2位置P2に移動することにより、撹拌棒132より押しのけられたトナーTの一部が、現像室103側から補給室105側へ還流する。これにより、現像室103側のトナーTが過剰になることが抑制される。
また、第2位置P2は、第2位置P2が、第1位置P1にある撹拌棒132と供給ロール106との既述の共通接線Kの供給ロール106側とは、反対側に設定されている。このため、撹拌棒132が第1位置P1からトナーT内部の第2位置P2へ移動するときに、撹拌棒132が供給ロール106に向けて移動しなくなるので、撹拌棒132と供給ロール106とでトナーTが挟まれにくくなる。これにより、供給ロール106の外周面でのトナーTの凝集が抑制される。
以下、撹拌棒132の第1位置P1と第2位置P2との間の移動における詳細な作用について説明する。
画像形成装置10(図1参照)の画像形成動作の開始に伴い、図9(A)に示すように、現像装置130では、補給パドル108が回転して、補給室105内のトナーTを現像室103側に移動させる。なお、図9(A)では、補給パドル108が回転して現像室103へトナーTを供給しているときのトナーTの最も高い高さ位置を破線TAで示している。
ここで、撹拌棒132は、補給パドル108の先端が動作開始から第1位置P1付近に到達するまでの間で、第1位置P1へ移動する。このため、撹拌棒132が、補給パドル108による現像室103へのトナーTの補給(供給)を邪魔することがなくなる。これにより、現像装置130では、補給パドル108が現像室103へトナーTを補給するときに撹拌棒が第1位置P1から第2位置P2へ移動する構成に比べて、補給室105から現像室103(供給ロール106)へのトナーTの供給量の減少が抑制される。
続いて、供給路112にトナーTが供給され、補給パドル108が第1位置P1付近に到達するとき、撹拌棒132が第1位置P1から第2位置P2へ移動する。このとき、撹拌棒132は、第1位置P1と第2位置P2との間の移動に伴って、トナーTの上端の高さ位置TAを通過する。さらに、撹拌棒132は、一部が既述の位置P3を通過するように第2位置P2へ移動する。
このため、撹拌棒132が無い構成に比べて、供給路112に供給されたトナーTが供給ロール106側へ搬送され、供給ロール106まで行き渡る。これにより、現像装置130では、使用するトナーTの量が多くなる画像形成が複数回行われ、現像ロール104の周囲のトナーTの量が減少することがあっても、供給ロール106によってトナーTの供給が連続して行われる。
また、撹拌棒132の一部が位置P3の高さ位置を通過するように第2位置P2へ移動することで、撹拌棒132の体積に相当する量のトナーTが補給室105側へ溢れる(還流する)。
続いて、図9(B)に示すように、トナーTに埋まっている撹拌棒132は、第1位置P1へ向けて移動する。第1位置P1は、点P3よりも補給室105側となっているので、撹拌棒132に覆い被さっていたトナーTの一部は、仕切壁102Fを越えて補給室105側へ還流(移動)される。これにより、現像室103で溢れたトナーTが、再び現像室103へ戻ることが抑制される。そして、現像室103内のトナーTの量が安定化すると共に、供給路112内でトナーTが圧縮されることが抑制される。
ここで、図9(C)に示すように、撹拌棒132が+M側に移動するときは、撹拌棒132の移動方向の先端側が細くなっているため、トナーTは、頂点C1を含む側面132B、132Cで押しのけられる。これにより、撹拌棒132は、先端に向けて同じ断面形状の撹拌棒を有する構成に比べて、トナーTの撹拌力が高まる。
さらに、撹拌棒132が−M側に移動するときは、後端面132Aが移動方向と交差する方向に広がっているので、後端面132AでトナーTがすくい上げられる。これにより、撹拌棒132では、後端面132Aの移動方向と交差する方向の幅が狭い構成に比べて、補給室105(図7参照)へのトナーTの搬送力が高まる。
すなわち、撹拌棒132は、トナーTを撹拌する撹拌力、及びトナーTを補給室105側へ搬送する搬送力が、1つの部材で高められている。
続いて、図1に示すように、画像形成装置10では、既述の画像形成動作(現像工程、転写工程、定着工程)が行われ、記録用紙Pにトナー画像TZが定着される。ここで、現像装置130において、トナーTの流動性の低下が抑制されるので、画像形成装置10では、画像形成に必要な量のトナーTが確保され、トナーTの供給不足に起因する画像不良が抑制される。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
画像形成装置10は、1色のトナーTに対応する現像装置100、130を有するものに限らず、現像装置100、130を複数色分設けたものであってもよい。この場合、転写手段は、転写ロール28に限らず、中間転写ベルト上で複数色のトナーTを重ねてから記録用紙Pに転写する転写装置であってもよい。
現像装置100、130は、ハウジング102内に制限ブロック107が設けられていないものであってもよい。また、現像装置は、図4(B)、(C)に示した撹拌棒110の配置設定が適用されていないものであってもよく、これらのうちいずれか1つが適用されたものであってもよい。
壁部は、現像室103に充填されたトナーTの上面をある高さ位置まで上げるための壁であればよいので、仕切壁102Fに限らない。
駆動部120は、クランクを用いたものに限らず、撹拌棒110、132をカムで第1位置へ上昇させ、カムが通過した後は撹拌棒110、132を自重で落下させるものであってもよい。さらに、駆動部120は、現像ロール104、供給ロール106、及び補給パドル108の回転駆動を行うモータ122に換えて、別のモータ(駆動源)を用いたものであってもよい。
撹拌棒110、132は、断面形状が、円形、三角形に限らず、楕円形状、半円形状、扇形状、四角形以上の多角形状、V字形状などであってもよい。また、撹拌棒として、先端が細くなっておらず、後端面が広くなっているものを用いてもよい。