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JP6000299B2 - 反応容器用の内部容器の製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、反応容器の反応室内に入れるための内部容器に関し、特に、銀又は銀合金で形成され、かつ、接合部分が摩擦攪拌接合(Friction Stir Welding)によって接合された内部容器に関する。
ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの廃プラスチックをリサイクルする場合、廃プラスチックをプラスチック原料又は製品へ再生するマテリアルリサイクル、廃プラスチックを化学的に分解して化学原料に再生するケミカルリサイクル、又は、廃プラスチックを焼却して熱エネルギーを回収する又は固形燃料として使用するサーマルリサイクルがある。このうち、サーマルリサイクルが大半を占める。
しかし、焼却の際に、ダイオキシンなどの有害物質が発生するため、高温焼却設備又は適切な排ガス処理施設が必要となる。また、二酸化炭素の増加による環境負荷物質の発生が問題となる。
これに対し、近年、超臨界水を用いた分解反応技術が開発され、盛んに活用されている。この技術によれば、ダイオキシンなどの大気汚染物質、PCBなどの有害廃棄物の酸化分解、加水分解又は熱分解が可能であり、有害廃棄物が無害化でき又各種廃棄物をリサイクルできる技術として有効である。
しかし、熱分解過程で、塩化水素、フッ酸などの腐食性液体が発生する。これらの腐食性液体は、反応容器を腐食してしまうため、反応容器を保護する目的で、反応容器の内面を白金などの貴金属でライニングしていた(例えば、特許文献1を参照。)。
さらに耐食性に優れる材料として銀があり、銀メッキなどによるコーティングが有効であることが示されている(例えば、特許文献2を参照。)。
ところで金属の接合方法として、摩擦攪拌接合法の技術が開示されている(例えば、特許文献3又は4を参照。)。本出願人は、高融点を有する白金又は白金基合金の摩擦攪拌接合法を提案している(例えば、特許文献5を参照。)。また、白金若しくは白金基合金又はステンレス鋼などの高融点部材を摩擦攪拌接合することができる摩擦攪拌接合用工具を提案している(例えば、特許文献6又は7を参照。)。
特開2001−170478号公報 特開2012−205976号公報 特表平7−505090号公報 特表平9−508073号公報 特開2004−090050号公報 特開2006−320958号公報 特許第4047371号公報
しかし、特許文献1の技術では、白金などの貴金属は素材自体が高価であるため、反応容器も高価になり、結果として廃プラスチックの分解にかかる費用も高価になるといった問題があった。
また、特許文献2の技術では、銀が白金よりも素材自体が安価であるというメリットがあるものの、銀メッキ層は繰り返しの膨張・収縮によって、下地部材と剥離して下地部材を腐食させてしまう問題があった。
特許文献2におけるこのような問題を解決するためには、銀又は銀合金を用いて継手のない一体成形のカプセルを反応容器に入れて、当該カプセルの中で反応を進めることが望まれる。あるいは、反応容器の内壁に銀又は銀合金のライニングを施し、その中で反応を進めることが望まれる。しかし、一体成形のカプセル及び反応容器の内壁へのライニングは、製造自体が難しいだけでなく、材料歩留まりが悪く、また、複雑な形状に加工することが困難であるといった問題があり、素材として白金よりも安価な銀を用いたとしても、製造費用が大幅に増大してしまう。
一方、製造コストを低減するために、一体成形加工をする代わりに接合技術を用いることが考えられる。しかし、銀又は銀合金は熱伝導率が高いため、従来の溶融溶接法ではブローホールの発生及び添加した合金元素によっては溶接割れの発生といった問題が生じ、健全な継手が得られにくい。また、溶融溶接法では、組織変化及び合金成分の蒸発が起こるので、機械的特性が劣化し、構造物の破損及び腐食性物質の漏れが生じることがあった。
そこで本発明の目的は、接合部分において、ブローホール及び溶接割れが発生しておらず、組織変化及び合金成分の蒸発による機械的特性の劣化が生じていない、銀又は銀合金で形成された反応容器用の内部容器を提供することである。
本発明に係る反応容器用の内部容器の製造方法は、反応容器の反応室の内部に配置し、反応のための原料を収容するための銀又は銀合金からなる内部容器の製造方法において、銀又は銀を50質量%以上含む銀合金からなり、圧延加工された基材を用いて、前記内部容器を形成し、該内部容器の接合部分が、摩擦攪拌接合によって接合されていることを特徴とする。
本発明に係る反応容器用の内部容器の製造方法では、前記内部容器が、カプセルの形状をなしている形態が含まれる。
本発明に係る反応容器用の内部容器の製造方法では、前記内部容器は、前記反応室の内部に配置したとき、該内部容器の外壁面の50%以上の部分が、該反応室の内壁面に接する形状を有する形態が含まれる。反応容器の内壁にほぼ接する大きさの内部容器は、銀又は銀合金のライニングと同様の役割を果たすことができる。さらに、本発明に係る反応容器用の内部容器の製造方法では、前記反応容器の反応室の底面と、前記内部容器の外側の底面との間にベースが配置されることを含む。
本発明の反応容器用の内部容器は、摩擦攪拌接合によって接合を行っているため、接合部分において、溶融溶接法を適用したときのようにブローホール及び溶接割れが発生せず、また、合金成分の蒸発が生じていないから、合金成分の変動が抑えられ、材料の耐食性を維持できている。さらに、摩擦攪拌接合は結晶粒が微細化されることから、高強度の接合部分が得られ、結果として、内部容器の機械的特性の劣化が生じていない。
摩擦攪拌接合法の機構の一形態を示す概略図である。 本発明で用いる第一の反応容器の概略図である。 本発明で用いる第二の反応容器の概略図である。 実施例1の接合物及び比較例1の接合物の外観の画像を示した。 実施例1の接合物の断面全体画像、接合部拡大画像及び母材部拡大画像を示した。 実施例2の接合物の断面全体画像、接合部拡大画像及び母材部拡大画像を示した。 比較例1の接合物の断面全体画像、接合部拡大画像及び母材部拡大画像を示した。 比較例2の接合物の断面全体画像、接合部拡大画像及び母材部拡大画像を示した。 as FSWedの引張試験の結果を示すグラフである。 as annealedの引張試験の結果を示すグラフである。
次に本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に係る反応容器用の内部容器は、反応容器の反応室の内部に配置し、反応のための原料を収容するための内部容器において、内部容器は銀又は銀合金で形成されており、内部容器の接合部分が、摩擦攪拌接合によって接合されている。
反応容器は、超臨界水酸化分解処理装置又は水熱合成処理装置に使用される反応容器であることが好ましく、構造形態は特に限定されるものではないが、ベッセル型又はコイル型である。例えば、図2又は図3で示された反応容器10の形態であっても良い。反応容器は、圧力に耐える材料であればよく、低合金鋼、ニッケルクロム合金などの耐熱合金で構成されている。
内部容器は、反応容器の反応室の内部に配置され、反応のための原料が収容される。ここで内部容器がカプセルの形状をなしている形態例としては、例えば、図2で示されたカプセル20である。内部容器の肉厚は例えば0.1〜5mmであり、0.5〜3mmであることが好ましい。また、図2では、反応容器10の反応室の底面とカプセル20の外側の底面との接着を防止するため、ベース22がそれらの間に配置されている。ベース22は、無垢部品、中空部品又は筒状部品のいずれでもよい。また、ベース22の材質は圧力に耐える材料であればよく、低合金鋼、ニッケルクロム合金などの耐熱合金で構成されている。
内部容器の他の形態としては、反応室の内部に配置したとき、内部容器の外壁面の50%以上の部分が、反応室の内壁面に接する形状を有する形態である。例えば、図3で示された内部容器30である。内部容器30は、反応容器10の内壁21にライニングされた被膜ではないが、反応容器の内壁にほぼ接する大きさを有するので、言わば嵌め込みタイプの内部容器であり、ライニングと同様の役割を果たすことができる。ここで、内部容器の外壁面の50%未満の部分が、反応室の内壁面に接する形状を有する形態である場合、実質的には、先に述べたカプセルの形状の内部容器であることを包含する。一方、内部容器の外壁面と反応室の内壁面とが接する割合が高くなればなるほど、反応室の内壁面を銀又は銀合金でライニングした形態に近づくこととなる。内部容器の外壁面の50%以上の部分が、反応室の内壁面に接する形状であるときは、内部容器の外壁面の形状と反応室の内壁面の形状とが合同である形態(このとき100%に相当する)から、内部容器の外壁面の形状と反応室の内壁面の形状とをある程度の近づけた近似形状とした形態(形状の厳密な一致をさせないため、加工費を低減しつつ、ライニング様の機能を持たせることができる)までを含むこととなる。
内部容器は、銀又は銀合金で形成されている。銀又は銀合金からなる基材は、圧延加工された基材であることが好ましく、より好ましくは、冷間圧延された基材である。そして、反応容器の反応室の内部に配置するために、容器状に加工されているが、このとき、接合部分が摩擦攪拌接合によって接合されている。
銀合金は、銀を50質量%以上含むことが好ましく、反応物の種類によって、銀と共に配合する金属種は適宜選択される。例えば、Ni,Cu,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Auの少なくとも1種類以上を0.1〜50質量%含んだ銀合金である。
摩擦攪拌接合で作製された内部容器は接合強度があり、最大応力、耐力が母材と同等かそれ以上のため、接合箇所の破壊や接合箇所からの溶液漏れ等のリスクが低い。
次に摩擦攪拌接合法について説明する。図1は、摩擦攪拌接合法の機構の一形態を示す概略図である。摩擦攪拌接合法は、銀又は銀合金の基材である被接合部材1A,1Bを相互に当接又はほぼ当接させて細長の結合領域2を規定する工程と、摩擦攪拌接合用工具3を回転させながら結合領域2に挿入して摩擦攪拌接合用工具3と結合領域2との間で摩擦熱を発生させ、発熱させた結合領域中に可塑性領域を発生させて被接合部材1A,1B同士を接合する工程とを含む。被接合部材1A,1Bは、例えば、内部容器20,30を形成するための部材である。
まず、銀又は銀合金の基材である被接合部材1A,1Bを相互に当接又は摩擦が行われることを条件にほぼ当接する。また、結合領域2は細長として、スポット接合ではなく連続した接合を行う。これによって、銀又は銀合金の基材を摩擦攪拌接合できる。なお、被接合部材1A,1Bは、同質の材料とするか、又は異なる材料としてもよい。
次に、摩擦攪拌接合用工具3を回転させ、ピン部4をゆっくりと結合領域2に挿入する。このとき、ショルダ部9と被接合部材1A,1Bの表面とが当接している。摩擦攪拌接合用工具3は、シャンク部5の一部に形成された固定部(不図示)で装置のモータ7に取付けられて、モータ7によって回転する。ピン部4が結合領域2に挿入した状態で、摩擦攪拌接合用工具3が回転すると、摩擦によって接触点の材料を急速に加熱して、その結果、材料の機械的強度が低下する。摩擦攪拌接合用工具3は、材料をこね、押し出しながら、その進行方向8に沿って移動する。結合領域2では、ピン部4とショルダ部9とが当接しながら回転することで発生した摩擦熱が、ピン部4とショルダ部9との周りの金属に高温の可塑性領域を形成する。被接合部材1A,1Bが摩擦攪拌接合用工具3の動きと反対方向に動くかその逆に動くと、塑性化した金属は摩擦攪拌接合用工具3の進行方向8の前端で潰れ、機械的攪拌及び摩擦攪拌接合用工具3の形状と回転方向による鍛造作用によって後端へ移動する。この結果、摩擦攪拌接合用工具3の前面の接合部を加熱し、可塑性領域を作り出す。そして、摩擦攪拌接合用工具3の後端で可塑性領域は冷却されて固体状の溶着を形成するに至る。この現象はすべて被接合部材1A,1Bの融点よりも低い温度で生じる。
摩擦攪拌接合法では、亀裂発生がなくなり、接合部の蒸発による合金要素のロスが無く、合金成分をそのまま保持でき、さらに接合用工具の圧入、攪拌及び鍛造作用によって微細な粒状組織が接合部に形成されるというメリットがある。
摩擦攪拌接合用工具3の材質としては、WC系合金、SKD61、Inconel600(登録商標)、Ti−6Al−4V合金、Ir系合金、Si、Alなどである。
銀からなる被接合部材を用いて、摩擦攪拌接合とTIG(Tungsten Inert Gas)溶接との比較を行った。被接合部材は、銀からなる50mm×150mm×1.5mmtの板材を2枚1組として接合を行った。
(実施例1)
摩擦攪拌接合用工具3としてIr合金製工具を用いた。接合物を実施例1とした。
(実施例2)
実施例1で得られた接合物を大気雰囲気中で2時間熱処理し、得られた処理品を実施例2とした。熱処理は500〜800℃の範囲に入るように制御して行った。
(比較例1)
TIG溶接を行って接合物を得た。接合物を比較例1とした。
(比較例2)
比較例1で得られた接合物を大気雰囲気中で2時間熱処理し、得られた処理品を比較例2とした。熱処理は500〜800℃の範囲に入るように制御して行った。
図4に実施例1の接合物及び比較例1の接合物の外観の画像を示した。比較例1の表面には酸化物とみられる黒い不純物が付着していた。
図5に実施例1の接合物の断面全体画像、接合部拡大画像及び母材部拡大画像を示した。接合部の結晶粒径は母材と同等又はより微細となっている。
図6に実施例2の接合物の断面全体画像、接合部拡大画像及び母材部拡大画像を示した。接合部の結晶粒径は母材と同等又はより微細であり、実施例1の組織を維持していることがわかる。
図7に比較例1の接合物の断面全体画像、接合部拡大画像及び母材部拡大画像を示した。母材部が等軸粒からなる組織であるのに対して、溶接部の組織は板の厚み方向(画像の上下方向)に結晶粒が成長した組織となっている。
図8に比較例2の接合物の断面全体画像、接合部拡大画像及び母材部拡大画像を示した。溶接部の組織が再結晶を起こし、粒径が粗大化し、等軸粒になっていることがわかる。
実施例1及び比較例1について、赤外線吸収法によりC,O,Nの含有量分析を行った。実施例1では、母材と比較してC:±0ppm、O:+4ppm、N:±0ppmであった。比較例1では、C:+8ppm、O:+12ppm、N:±0ppmであった。したがって、実施例1のほうが、ガス混入が少ないことが分かった。
実施例1及び2、比較例1及び2の接合物から、それぞれ、標点部の幅7mm、長さ35mmの引張試験用サンプルをワイヤー放電加工によって作製した。このとき、幅方向と接合方向とを一致させ、接合部分が引張試験用サンプルの中央に位置するようにした。また、参考例1として、接合部を持たない母材から引張試験用サンプルを同様に作製した。また、参考例2として、大気雰囲気中で2時間熱処理をした母材から引張試験用サンプルを同様に作製した。熱処理を行っていないサンプルの引張試験結果を図9に、熱処理を行ったサンプルの引張試験結果を図10に示した。参考例1と比較して、比較例1は、最大応力、耐力、伸び率のすべてが低下した。一方、実施例1は、攪拌部組織が硬くなっているため変形せず、全体の伸び率は低下したものの、最大応力、耐力はともに向上した。また、参考例2と比較して、比較例2は、最大応力、耐力、伸び率のすべてが低下した。一方、実施例2は、攪拌部組織が硬くなっているため変形せず、全体の伸び率は低下したものの、最大応力は母材同等となり、耐力は向上した。
1A,1B 被接合部材
2 結合領域
3 摩擦攪拌接合用工具
4 ピン部
5 シャンク部
6 バックプレート
7 モータ
8 摩擦攪拌接合用工具の進行方向
9 ショルダ部
10 反応容器
20 内部容器(カプセル)
21 反応容器の内壁
22 ベース
30 内部容器(嵌め込みタイプ)

Claims (4)

  1. 反応容器の反応室の内部に配置し、反応のための原料を収容するための銀又は銀合金からなる内部容器の製造方法において、
    銀又は銀を50質量%以上含む銀合金からなり、圧延加工された基材を用いて、前記内部容器を形成し、
    該内部容器の接合部分が、摩擦攪拌接合によって接合されていることを特徴とする反応容器用の内部容器の製造方法。
  2. 前記内部容器が、カプセルの形状をなしていることを特徴とする請求項1に記載の反応容器用の内部容器の製造方法
  3. 前記内部容器は、前記反応室の内部に配置したとき、該内部容器の外壁面の50%以上の部分が、該反応室の内壁面に接する形状を有することを特徴とする請求項1に記載の反応容器用の内部容器の製造方法
  4. 前記反応容器の反応室の底面と、前記内部容器の外側の底面との間にベースが配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の反応容器用の内部容器の製造方法。
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