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JP6002572B2 - ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン(vi)を用いたファルネサールの製造方法 - Google Patents
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JP6002572B2 - ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン(vi)を用いたファルネサールの製造方法 - Google Patents

ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン(vi)を用いたファルネサールの製造方法 Download PDF

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本発明は、ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン(VI)を用いた、(E)−ネロリドールからファルネサールを製造する方法に関する。
ファルネサール(3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカトリエナール)は、医薬、農薬、香料などの製造中間体として用いられる重要な化合物であることが知られている。特に、(2E,6E)−ファルネサールは、抗癌剤などとして有用であるポリイソプレノイド誘導体の製造中間体となりうる(例えば、特許文献1参照)。このファルネサール、とりわけ(2E,6E)−ファルネサールを選択的に製造する方法について各種検討がなされている。
例えば、(2E,6E)−ファルネソール((2E,6E)−3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカトリエン−1−オール)を原料として、(2E,6E)−ファルネサールを得る方法が開示されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
これらの方法はいずれも、原料として(2E,6E)−ファルネソールを用いる必要がある。しかし、ファルネサール同様、4種の異性体が存在するファルネソールの(2E,6E)−体を効率的かつ選択的に得る方法は確立されていない。
また、安価なネロリドール(3,7,11−トリメチル−1,6,10−ドデカトリエン−3−オール)からファルネサールを得る方法が知られている。例えば、(E)−ネロリドールから、クロム酸酸化剤を用いて、(2E,6E)−ファルネサール及び(2E,6Z)−ファルネサールの異性体混合物を、一段階で合成する方法が開示されている(例えば、非特許文献2、3参照)。しかし、クロム酸酸化剤を用いて反応を行った場合、反応後に多量のタール分が生成するため、通常の後処理が困難となる。また、得られる異性体混合物中の(2E,6E)−ファルネサール比が低い。更に、この方法は毒性の強いクロム化合物を過剰に使用するため、工業的な製造、特に医薬品の製造には適用できない。
ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン(VI)を触媒として用いる、3級アリルアルコールの異性化を伴った不飽和アルデヒドへの酸化反応が報告され、例として、2−メチル−3−ブテン−2−オールから、ジメチルスルホキシドを溶媒及び酸化剤として用いて、3−メチル−2−ブテナールを得る例のみが報告されている(非特許文献4)。しかし、得られる3−メチル−2−ブテナールは幾何異性体を有さず、収率についても25%と低く、実用的ではない。
特開2003−40826号公報
Journal of American Chemical Society, 124(14), 3647-3655; 2002 Synthesis, (5), 356-364;1979 Chemistry−A European Journal, 15(44),11918-11927; 2009 Bulletin de la Societe Chimique de France, 133, 755-758;1996
従来の(E)−ネロリドールを用いた(2E,6E)−ファルネサール製造方法は、工業的に実施不可能であるか、又は効率が悪く、得られる(2E,6E)−ファルネサールが高価となるという欠点を有するものであった。本発明の課題は、ファルネサールを(E)−ネロリドールより効率良く、かつ安価に製造する方法を提供することにある。更に、(2E,6E)−異性体比の高いファルネサールを製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を鑑み鋭意検討を重ねた結果、(E)−ネロリドールを、ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン(VI)の存在下、酸化剤と反応させることにより、ファルネサールを簡便に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。更に、ピペリジン−1−オキシル化合物の存在下、反応させることにより、(2E,6E)−異性体比率の高いファルネサールを簡便に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記式(1)
Figure 0006002572

で表わされる(E)−ネロリドールを、ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン(VI)の存在下、酸化剤と反応させることを特徴とする、下記式(2)
Figure 0006002572

で表わされるファルネサールの製造方法に関する。
本発明は、医薬、農薬及び香料の製造中間体として有用なファルネサール、とりわけ(2E,6E)−異性体比率の高いファルネサールを、安価な原料から、毒性の強い試薬を用いることなく、効率良く製造する方法として有用である。
以下に本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の製造方法は、式(1)で表わされる(E)−ネロリドールを、ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン(VI)の存在下、酸化剤と反応させることを特徴とする、式(2)で表わされるファルネサールの製造方法である。
本発明の製造方法の出発原料である式(1)で表わされる(E)−ネロリドールは、市販されており、Sigma-Aldrich社等の試薬供給業者から容易に入手することができる。また、公知の方法(例えば、特開平2−4726号記載の方法)に準じて合成することも可能である。
本発明の製造方法において使用される、ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン(VI)は、Sigma-Aldrich社等の試薬供給業者から容易に入手することができる。また、公知の方法に準じて合成することも可能である。
本発明の製造方法において使用される、ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン(VI)の使用量は、いわゆる触媒量でもよいが、反応速度と反応効率の観点から、式(1)で表わされるE−ネロリドール1モルに対して、0.01〜0.5モルが好ましく、0.05〜0.3モルが更に好ましく、0.1〜0.2モルが更に好ましい。
本発明の製造方法において使用される、酸化剤は、特に限定はなく、例えば、空気、酸素、又はジメチルスルホキシド、ジブチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド等のスルホキシド類が使用できる。これらの酸化剤のうち2種類以上を混合して使用することができる。反応性及び入手の容易さの観点から、空気、酸素、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシドが好ましい。
本発明の製造方法において、酸化剤として、酸素を使用する場合、酸素は、他のガスと混合して用いることもでき、例えば、酸素は、空気又は不活性ガス(窒素やヘリウム等)と混合して使用することができる。
本発明の製造方法において、酸化剤として、空気又は酸素を使用する場合、空気又は酸素を供給する方法は特に限定されず、例えば、反応溶液が接する気相を空気又は酸素に置換する方法、反応溶液が接する気相に空気又は酸素に流通させる方法、反応溶液中に空気又は酸素を吹き込む方法等を使用することができる。
本発明の製造方法において、酸化剤として、ジメチルスルホキシド、ジブチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド等のスルホキシド類を使用する場合、反応速度と反応効率の観点から、式(1)で表わされるE−ネロリドール1モルに対して、1〜20モルが好ましく、1〜10モルが更に好ましく、1〜5モルが更に好ましい。
本発明の製造方法は、更に、下記式(3):
Figure 0006002572

[式中、
は、水素原子であり;Rは、水素原子、シアノ基、カルボキシ基、イソチオシアナト基、マレイミド基、リン酸基、−OR′基又は−NHR″基(ここで、R′は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アシル基又は炭素数1〜4のアルカンスルホニル基であり;R″は、水素原子、アセチル基又はハロアセチル基である)であるか;あるいは
及びRは、一緒になってオキソ基を形成する]
で表わされるピペリジン−1−オキシル化合物の存在下、反応を行ってもよい。
式(3)で表わされるピペリジン−1−オキシル化合物を用いることにより、(2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール比が向上したファルネサール異性体混合物を得ることができる。
ここで、「炭素数1〜4のアルキル基」は、他に断りのない限り、炭素数1〜4の、直鎖状又は分岐状の脂肪族飽和炭化水素の一価の基を意味し、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等を例示することができる。好ましくは、メチル基を例示することができる。また、「炭素数2〜4のアルケニル基」は、他に断りのない限り、炭素数2〜4の、直鎖状又は分岐状の脂肪族不飽和炭化水素の一価の基を意味し、ビニル基、アリル基、イロプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基等を例示することができる。好ましくは、イロプロペニル基を例示することができる。
「アシル基」は、他に断りのない限り、式:RCO−の基(式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基又はフェニル基である)を意味し、アセチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ベンゾイル基等を例示することができる。好ましくは、メタクリロイル基又はベンゾイル基を例示することができる。
「炭素数1〜4のアルカンスルホニル基」は、他に断りのない限り、式:RSO−の基(式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基である)を意味し、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基等を例示することができる。好ましくは、メタンスルホニル基を例示することができる。
「ハロアセチル基」は、他に断りのない限り、アセチル基の水素原子の1〜3個、好ましくは1個が、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素から選択されるハロゲン原子で置き換えられた基を意味し、例としては、クロロアセチル基、ブロモアセチル基、ヨードアセチル基等を例示することができる。好ましくは、ブロモアセチル基又はヨードアセチル基を例示することができる。
式(3)で表わされるピペリジン−1−オキシル化合物は、Sigma-Aldrich社等の試薬供給会社から市販されており、容易に入手することができる。収率が良い点で、Rが水素原子であり;Rが水素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アセチルアミノ基、カルボキシ基又はベンゾイルオキシ基であるか、あるいはR及びRが一緒になってオキソ基を形成するものが好ましく、Rが水素原子であり;Rが水素原子又はヒドロキシ基であるものがさらに好ましい。
本発明の製造方法において、式(3)で表わされるピペリジン−1−オキシル化合物の使用量は、特に制限はないが、反応効率の観点から、式(1)で表わされる(E)−ネロリドール1モルに対して、0.005〜0.2モルが好ましく、0.01〜0.2モルが更に好ましく、0.05〜0.2モルが更に好ましい。
本発明の製造方法は溶媒中で行ってもよく、用いることのできる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、所望する反応温度に応じて適宜選択される。例えば、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルム、四塩化炭素、エチレンジクロリド、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒などを使用することができ、これらの溶媒のうち2種類以上を混合して使用することができる。収率の観点から、ハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒を用いることが好ましく、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン又はこれらの混合溶媒を用いることが更に好ましい。
本発明の製造方法において、溶媒量の使用量は、特に制限はないが、式(1)で表わされる(E)−ネロリドールに対して、3〜50倍量(重量基準)が好ましく、4〜30倍量(重量基準)が更に好ましい。
本発明の製造方法は、室温から180℃の範囲から適宜選ばれた温度で行うことができる。良好な収率の点から、80〜140℃が好ましく、110〜130℃が更に好ましい。
必要に応じて反応後の溶液から式(2)で表わされるファルネサールを単離・精製することができる。単離・精製する方法に特に限定はなく、当業者に公知の方法、例えば、溶媒抽出、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー等の汎用的な方法で、式(2)で表わされるファルネサールを単離・精製することができる。
以下に本発明の態様を明らかにするために実施例を示すが、本発明はここに示す実施例のみに限定されるわけではない。
実施例で得られた反応溶液は、ガスクロマトグラフィー分析を行い、(2E,6E)−ファルネサール及び(2Z,6E)−ファルネサールの純度を面積百分率にて算出した。測定条件は以下の通りである。
装置:GC−14A(島津製作所)
カラム:HP−ULTRA1(Agilent Technologies)
25m×I.D.0.32mm、0.52μmdf
カラム温度:100℃→[10℃/min]→250℃
インジェクション温度:250℃
キャリヤーガス:ヘリウムガス
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
また、実施例で得られた化合物のNMRスペクトルの測定方法は以下の通りである。
NMR:化合物と重CDCl(Cambrige Isotope Laboratories, Inc.製 CDCl30.05%TMS含有)とを混合した溶液を調製し、NMR(ブルカー(株)製 AVANCE400)にて、H−NMR測定を行った。
実施例1:
(E)−ネロリドール(100mg,0.45mmol)をクロロベンゼン(2.0g)に溶解し、ジメチルスルホキシド(70mg,0.90mmol)、ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン(VI)(15mg,0.045mmol)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(3.5mg,0.0225mmol)を加えて、130℃で24時間反応を行った。室温まで冷却し、(2E,6E)−ファルネサール(純度:68.7%)及び(2Z,6E)−ファルネサール(純度:29.1%)(異性体比:(2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール=2.36)を得たことを確認した。反応液を、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1 Rf値=0.5)で精製して、(2E,6E)−ファルネサール及び(2Z,6E)−ファルネサールの異性体混合物(53mg,収率53%,異性体比:(2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール=1.87)を得た。
(2E,6E)−ファルネサール:H−NMR(400MHz,CDCl)δ9.99(d,1H,J=8.0Hz),5.89(d,1H,J=8.0Hz),5.03−5.13(m,2H),2.18−2.29(m,4H),2.17(d,3H,J=1.2Hz),2.02−2.11(m,2H),1.94−2.02(m,2H),1.68(s,3H),1.61(s,3H),1.60(s,3H)
(2Z,6E)−ファルネサール:H−NMR(400MHz,CDCl)δ9.92(d,1H,J=8.2Hz),5.88(d,1H,J=8.2Hz),5.03−5.16(m,2H),2.60(t,2H,J=7.5Hz),2.21−2.30(m,2H),2.01−2.10(m,2H),1.94−2.01(m,2H),1.99(d,3H,J=1.2Hz),1.68(s,3H),1.60(s,6H)
実施例2:
(E)−ネロリドール(100mg,0.45mmol)をクロロベンゼン(2.0g)に溶解し、ジメチルスルホキシド(70mg,0.90mmol)、ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン(VI)(15mg,0.045mmol)を加え、窒素気流下、130℃で6時間反応を行った。室温まで冷却し、(2E,6E)−ファルネサール(純度:44.0%)及び(2Z,6E)−ファルネサール(純度:26.8%)(異性体比:(2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール=1.64)を得たことを確認した。
実施例3:
(E)−ネロリドール(100mg,0.45mmol)をクロロベンゼン(2.0g)に溶解し、テトラメチレンスルホキシド(469mg,4.50mmol)、ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン(VI)(15mg,0.045mmol)を加え、130℃で13時間反応を行った。室温まで冷却し、(2E,6E)−ファルネサール(純度:40.5%)及び(2Z,6E)−ファルネサール(純度:25.1%)(異性体比:(2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール=1.61)を得たことを確認した。
実施例4:
(E)−ネロリドール(100mg,0.45mmol)をクロロベンゼン(2.0g)に溶解し、ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン(VI)(15mg,0.045mmol)を加え、空気気流下、130℃で6時間反応を行った。室温まで冷却し、(2E,6E)−ファルネサール(純度:47.6%)及び(2Z,6E)−ファルネサール(純度:27.6%)(異性体比:(2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール=1.72)を得たことを確認した。
実施例5:
(E)−ネロリドール(100mg,0.45mmol)をクロロベンゼン(2.0g)に溶解し、ジメチルスルホキシド(70mg,0.90mmol)、ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン(VI)(15mg,0.045mmol)を加え、窒素気流下、100℃で45時間反応を行った。室温まで冷却し、(2E,6E)−ファルネサール(純度:48.7%)、(2Z,6E)−ファルネサール(純度:28.2%)(異性体比:(2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール=1.73)を得た。
実施例6:
(E)−ネロリドール(100mg,0.45mmol)をクロロベンゼン(2.0g)に溶解し、ジメチルスルホキシド(70mg,0.90mmol)、ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン(VI)(1.5mg,0.0045mmol)を加え、130℃で23時間反応を行った。室温まで冷却し、(2E,6E)−ファルネサール(純度:23.8%)及び(2Z,6E)−ファルネサール(純度:14.3%)(異性体比(2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール=1.66)を得たことを確認した。
実施例7:
(E)−ネロリドール(100mg,0.45mmol)をクロロベンゼン(2.0g)に溶解し、ジメチルスルホキシド(70mg,0.90mmol)、ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン(VI)(15mg,0.045mmol)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(14mg,0.09mmol)を加え、130℃で27時間反応を行った。室温まで冷却し、(2E,6E)−ファルネサール(純度:51.7%)及び(2Z,6E)−ファルネサール(純度:15.4%)(異性体比:(2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール=3.36)を得たことを確認した。
実施例8〜14:
(E)−ネロリドール(100mg,0.45mmol)をクロロベンゼン(2.0g)に溶解し、ジメチルスルホキシド(70mg,0.90mmol)、ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン(VI)(15mg,0.045mmol)、表1に示されるピペリジン−1−オキシル誘導体(0.0225mmol)を加え、130℃で反応を行った。室温まで冷却し、(2E,6E)−ファルネサール及び(2Z,6E)−ファルネサールの生成をガスクロマトグラフィー分析で確認した。純度及び異性体比((2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール)を表1に示す。
Figure 0006002572
本発明の製造方法によれば、医薬、農薬及び香料の製造中間体として有用なファルネサール、とりわけ(2E,6E)−異性体比率の高いファルネサールを、安価な原料から、毒性の強い試薬を用いることなく、効率良く製造することが可能となる。よって、本発明の方法は、工業的スケールでの製法として利用可能である。

Claims (6)

  1. 下記式(1)
    Figure 0006002572

    で表わされる(E)−ネロリドールを、ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン(VI)及びピペリジン−1−オキシル化合物の存在下、酸化剤と反応させることを特徴とする、下記式(2)
    Figure 0006002572

    で表わされるファルネサールの製造方法であって、ピペリジン−1−オキシル化合物が、下記式(3)
    Figure 0006002572

    [式中、
    は、水素原子であり;R は、水素原子、シアノ基、カルボキシ基、イソチオシアナト基、マレイミド基、リン酸基、−OR′基又は−NHR″基(ここで、R′は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アシル基又は炭素数1〜4のアルカンスルホニル基であり;R″は、水素原子、アセチル基又はハロアセチル基である)であるか;あるいは
    及びR は、一緒になってオキソ基を形成する]
    で表わされる、製造方法
  2. が、水素原子であり、Rが、水素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アセチルアミノ基、カルボキシ基又はベンゾイルオキシ基であるか、或いはRとRが、一緒になってオキソ基を形成する、請求項記載の製造方法。
  3. 式(3)で表わされるピペリジン−1−オキシル化合物の使用量が、式(1)で表わされる(E)−ネロリドール1モルに対して、0.005〜0.2モルである、請求項又は記載の製造方法。
  4. 酸化剤が、空気、酸素、ジメチルスルホキシド又はテトラメチレンスルホキシドである、請求項1〜のいずれか一項記載の製造方法。
  5. 80〜140℃の温度で実施される、請求項1〜のいずれか一項記載の製造方法。
  6. ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン(VI)の使用量が、式(1)で表わされる(E)−ネロリドール1モルに対して、0.01〜0.5モルである、請求項1〜のいずれか一項記載の製造方法。
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