以下、本発明を詳細に説明する。本明細書中において使用される用語は、特に他に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられている。
本発明の水性組成物は、(A)ヒドロキシアルキル化キトサンと、(B)アニオン性水溶性高分子と、(C)塩基性物質及び前記塩基性物質以外の無機塩類からなる群より選択される少なくとも1種とを含有する。
<(A)ヒドロキシアルキル化キトサン>
本発明に用いられる成分(A)ヒドロキシアルキル化キトサンとは、キトサンをヒドロキシアルキル基で置換して得られるキトサン誘導体をいう。
ここで「キトサン」とは、キチン(β−1,4−ポリ−N−アセチルグルコサミン)の脱アセチル化物であり、β−1,4−ポリグルコサミン構造を主とする多糖類をいうものとする。ここで、キチンからの脱アセチル化の程度は、必ずしも100%である必要はなく、通常は、キチンからの脱アセチル化度が約60%以上でキトサンという。キトサンは、カニ、エビ、オキアミなどの甲殻類の甲皮や、カブトムシ、バッタなどの昆虫類の甲皮などを脱カルシウム処理し、除蛋白処理をして得られるキチンを、アルカリ処理(例えば、苛性ソーダ処理)で脱アセチル化することなどによって得ることができる。またキトサンは、キノコ類や微生物、イカの中骨などからも得ることができる。
本発明において、キトサンの脱アセチル化度は、コロイド滴定法を用いて測定される。例えば、コロイド滴定法を用いた場合の測定条件は以下のとおりである。すなわち、キトサン粉末0.5gを正確に秤量し、これを5%酢酸(V/V)水溶液に溶かして正確に100gとする。このキトサン酢酸溶液1gを200ml容量の三角フラスコに正確にはかりとり、脱イオン水30mlを加え、十分に撹拌混合する。指示薬として0.1%トルイジンブルー溶液を2〜3滴加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム溶液〔(C2H3OSK)n、n=1500以上〕で滴定する。
脱アセチル化度は、以下の計算式に基づき算出される。
脱アセチル化度=(X/161)÷{(X/161)+(Y/203)}×100(%)
X=(1/400)×(1/1000)×f×161×v;
Y=0.5×(1/100)−X
ここで、
v=N/400ポリビニル硫酸カリウム溶液滴定値(ml)
f=N/400ポリビニル硫酸カリウム溶液のファクター。
本発明に用いられるキトサンの脱アセチル化度は、本願効果を奏し得る限り特に限定されず、通常は、60%〜100%の範囲内の脱アセチル化度を有するキトサンが用いられる。しかし、好ましくは、キトサンの脱アセチル化度は65%以上であり、より好ましくは70%以上、特に好ましくは75%以上である。
ヒドロキシアルキル化キトサンは、キトサンにおけるD-グルコサミン単位の少なくとも1以上のヒドロキシル基及び/又はアミノ基を、ヒドロキシアルキル基で置換して得られる。全てのD-グルコサミン単位のヒドロキシル基及び/又はアミノ基がヒドロキシアルキル基で置換されていることは必要とされないが、本発明の効果を奏する範囲において、例えば、キトサン全体の10%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上のヒドロキシル基及び/又はアミノ基が、ヒドロキシアルキル基で置換され得る。置換されるヒドロキシアルキル基において、アルキル基は、例えば直鎖状又は分岐状の炭素数1〜8、好ましくは炭素数2〜6、さらに好ましくは炭素数2〜4の置換基を指す。キトサンのヒドロキシアルキル基への置換の程度(置換度)は、1H−NMRを用いて解析することができる。
ヒドロキシアルキル化キトサンは、限定はされないが、例えば、ヒドロキシエチルキトサン、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシメチルキトサン、ヒドロキシブチルキトサン、ヒドロキシイソプロピルキトサン、ヒドロキシペンタンキトサン、ヒドロキシヘキサンキトサン、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシプロピルヒドロキシブチルキトサン、ジヒドロキシプロピルキトサン及びそれらの塩等を挙げることができる。より確実に高い効果を得ることができるという観点から、ヒドロキシエチルキトサン、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシメチルキトサン、ヒドロキシブチルキトサン、ヒドロキシイソプロピルキトサンが好ましく、ヒドロキシエチルキトサン、ヒドロキシプロピルキトサンがさらに好ましく、ヒドロキシエチルキトサンが特に好ましい。
ヒドロキシアルキル化キトサンの塩は、好ましくは薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される、任意の塩であり得る。
このような塩としては、例えば、有機酸塩[例えば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩など)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩など)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩など)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩など)など]、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩など)、有機塩基との塩、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属塩(ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属塩(カルシウム、マグネシウムなど)、アルミニウムなどの金属との塩など]などが例示できる。好ましくは、乳酸塩、塩酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、マンデル酸塩、ケイ皮酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、4級アンモニウム塩、グリコール酸塩、グルクロン酸塩、ニコチン酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩、及びピロリドンカルボン酸塩、カルシウム塩等が挙げられる。
また、本発明に用いられるヒドロキシアルキル化キトサンは、溶媒和物であってもよい。ここで本明細書において、溶媒和物には、水和物又はメタノール、エタノール、プロパノール、ベンゼン、ヘキサン等が付加した有機溶媒和物等が含まれる。
本発明において、ヒドロキシアルキル化キトサンの含有量は、水性組成物全量を基準として、通常0.001〜20重量%、好ましくは0.005〜1重量%、さらに好ましくは0.01〜0.2重量%とすることができる。
本発明に用いられるヒドロキシアルキル化キトサンは、任意の重量平均分子量のものが使用できるが、より確実に高く本発明の効果を得ることができるという観点から、本発明に用いられるヒドロキシアルキル化キトサンの重量平均分子量は、好ましくは100万以下であり、より好ましくは600〜90万であり、更に好ましくは600〜80万であり、より更に好ましくは600〜70万であり、特に好ましくは600〜60万である。
本発明において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)によって測定される。
GPC法により重量平均分子量を測定する場合は、以下の測定条件を用いることができる。
[GPC法の測定条件]
・装置:ゲルろ過クロマトグラフ
・検出器:示差屈折率検出器RI (2410型, 感度128)
・カラム: TSKgel GMPWXL 2本, G2500PWXL 1本
(S/N E0028, E0027, P0032, φ7.8mm×30cm, 理論段数約20000段/2本, 東ソー(株)製)
・溶媒:0.2M-酢酸緩衝液
・流速:0.6mL/min (実測値)
・温度:40℃
・試料:[溶解]室温で穏やかに撹拌
[溶解性]良好(目視)
[濃度]0.1〜0.5w/v%
[濾過]メンブレンフィルター 孔径0.45μm (W-13-5) (東ソー(株)製)
・注入量:0.100ml
・標準試料:プルラン (昭和電工(株)製)
本発明に用いられるヒドロキシアルキル化キトサンは、限定はされないが、アルキレンオキシドを用いてキトサンをヒドロキシアルキル化することで得ることができる。キトサンのヒドロキシアルキル化は、例えば、水中又はアルコール系有機溶媒中で、必要に応じてアルカリ条件下として、20℃〜120℃の温度で、1時間〜24時間、キトサンとアルキレンオキシドを反応させることによって行うことができる。アルキレンオキシドは、限定はされないが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の公知のアルキレンオキシドを適宜使用することができる。
また、市販のヒドロキシアルキル化キトサンを用いることも可能である。市販のヒドロキシアルキル化キトサンとしては、例えば、ヒドロキシエチルキトサン液(商品名:アクアクラスター、一丸ファルコス株式会社製)、ヒドロキシプロピルキトサン(商品名:キトフィルマー、一丸ファルコス株式会社製)、ヒドロキシプロピルキトサン(商品名:キトプラス、有限会社インサイト製)、ヒドロキシプロピルキトサン(商品名:ヒドロキシプロピルキトサン、大日精化株式会社製)、ヒドロキシブチルキトサン(商品名:ヒドロキシブチルキトサン、大日精化株式会社製)等が挙げられる。
本発明に用いられるヒドロキシアルキル化キトサンは、単独で用いられてもよいし又は2種以上併用することもできる。
<(B)アニオン性水溶性高分子>
本発明に用いられるアニオン性水溶性高分子とは、陰電荷に帯電した水溶性の高分子をいう。アニオン性水溶性高分子は一般に製剤の粘性を上げて、液の飛散防止、零れ落ち防止、徐放性改善、刺激感低減、及び/又は使用感向上等の改善に役立つ。従って、本発明により、ヒドロキシアルキル化キトサンを含有し、上記のような飛散防止等の効果を備え、且つ溶解性も改善された、優れた水性組成物とすることができる。
前記アニオン性水溶性高分子としては、限定はされないが、例えば、ヒアルロン酸、アルギン酸、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、カラギーナン、フコイダン、ラミナリン、コンドロイチン硫酸、デキストラン硫酸、カルボキシメチルセルロース、硫酸セルロース、ポリスチレンスルホン酸及びそれらの塩等が挙げられる。より確実に高い効果を獲得することができるという観点から、ヒアルロン酸、アルギン酸又はカルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、カラギーナン、コンドロイチン硫酸が好ましく、ヒアルロン酸、アルギン酸又はカルボキシビニルポリマーがさらに好ましい。
前記アニオン性水溶性高分子の塩は、好ましくは薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される、任意の塩であり得る。このような塩としては、例えば、前述で(A)成分について具体的に記載したものと同様の塩であり得る。
アニオン性水溶性高分子としてヒアルロン酸、アルギン酸を用いる場合は、これらの成分の安定性の観点から、無機塩基との塩が好ましく、アルカリ金属塩がより好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩が更に好ましく、ナトリウム塩が特に好ましい。
本発明に用いられるアニオン性水溶性高分子は、溶媒和物であってもよい。このような溶媒和物としては、前述で(A)成分について具体的に記載したものと同様の溶媒和物であり得る。
本発明に用いられるアニオン性水溶性高分子は、単独で用いられても良いし又は2種以上併用することもできる。
本発明において、アニオン性水溶性高分子の含有量は、より確実に高く本発明の効果を獲得することができるという観点から、水性組成物全量を基準として、通常0.001〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.05〜5重量%とすることができる。
また、本発明において、ヒドロキシアルキル化キトサンの含有量に対する、アニオン性水溶性高分子の含有量の比率については、特に限定されないが、一例として、ヒドロキシアルキル化キトサンの含有量1重量部当たり、アニオン性水溶性高分子の含有量が0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜50重量部、さらに好ましくは1〜30重量部とすることができる。
また、本発明に用いられるアニオン性水溶性高分子は、任意の重量平均分子量のものが使用できるが、より確実に高い本発明の効果を得ることができるという観点から、本発明に用いられるアニオン性水溶性高分子の重量平均分子量の下限値は、通常1000以上であり、より好ましくは5000以上である。本発明に用いられるアニオン性水溶性高分子の重量平均分子量の上限値はないが、アニオン性水溶性高分子の製造、入手の観点から、好ましくは500万以下であり、より好ましくは400万以下であり、更に好ましくは300万以下であり、より更に好ましくは200万以下である。
<(C)塩基性物質及び前記塩基性物質以外の無機塩類>
本発明では、塩基性物質又は前記塩基性物質以外の無機塩類を用いることにより、前記(A)及び(B)成分を水性組成物に配合した場合に生じる白濁を抑制し、溶解性を改善することができる。特に、塩基性物質を用いた場合に、その効果は顕著である。
<(C−1)塩基性物質>
本発明に用いられる塩基性物質とは、好ましくは薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される、任意の塩基性を示す物質をいい、更に好ましくは、精製水中に1w/v%濃度で溶解した場合にpH8以上を示す物質が用いられる。
本発明に用いられる塩基性物質は、例えば、強塩基と弱酸との無機塩、金属の水酸化物、及びアミン化合物からなる群より選択される少なくとも1種であり得る。
本発明に用いられる強塩基と弱酸との無機塩において、限定はされないが、強塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム又はこれらの混合物等が挙げられる。また、弱酸としては、例えば、炭酸、重炭酸、酢酸、リン酸、クエン酸、C2〜C20脂肪酸又はこれらの混合物等が挙げられる。
本発明に用いられる強塩基と弱酸との無機塩は、具体的には、例えば、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、クエン酸三ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム等が挙げられる。より一層高い溶解性改善効果を発揮できるという観点から、リン酸水素二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、重炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、脂肪酸ナトリウムが好ましく、リン酸水素二ナトリウム、クエン酸三ナトリウムがさらに好ましい。
本発明に用いられる金属の水酸化物には、典型的にはアルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土類金属の水酸化物が含まれる。前記金属の水酸化物には、限定はされないが、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等が挙げられる。より一層高い溶解性改善効果を発揮できるという観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
本発明に用いられるアミン化合物は、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、第四級アンモニウム基又はイミノ基を有する化合物であり、限定はされないが、例えば、メチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリス(2−アミノエチル)アミン、アニリン、ピリジン、アルギニン、尿素等が挙げられる。より一層高い溶解性改善効果を発揮できるという観点から、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、アルギニン、尿素が好ましく、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンがさらに好ましい。
また、本発明に用いられる塩基性物質は、溶媒和物であってもよい。溶媒和物は、前述で(A)成分について具体的に記載したものと同様の溶媒和物であり得る。
本発明において、塩基性物質の含有量は、より一層高い溶解性改善効果が得られるという観点から、水性組成物全量を基準として、通常0.001〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%とすることができる。
また、本発明において、ヒドロキシアルキル化キトサンの含有量に対する、塩基性物質の含有量の比率については、特に限定されないが、一例として、ヒドロキシアルキル化キトサンの含有量1重量部当たり、塩基性物質の含有量が0.001〜100重量部、好ましくは0.05〜70重量部、さらに好ましくは1〜50重量部とすることができる。
<(C−2)塩基性物質以外の無機塩類>
本発明に用いられる前記塩基性物質以外の無機塩類は、限定はされないが、例えば、金属の塩化物、金属の硫酸塩等が挙げられ、具体的には、例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム等が挙げられる。なかでも、金属の塩化物が好ましく、塩化カルシウム、塩化マグネシウムがさらに好ましい。
また、本発明に用いられる前記塩基性物質以外の無機塩類は、溶媒和物であってもよい。溶媒和物は、前述で(A)成分について具体的に記載したものと同様の溶媒和物であり得る。
本発明において、前記塩基性物質以外の無機塩類の含有量は、特に限定されないが、水性組成物全量を基準として、通常0.001〜20重量%、好ましくは0.005〜10重量%、さらに好ましくは0.01〜1重量%とすることができる。
また、本発明において、ヒドロキシアルキル化キトサンの含有量に対する、前記塩基性物質以外の無機塩類の含有量の比率については、特に限定されないが、一例として、ヒドロキシアルキル化キトサンの含有量1重量部当たり、塩基性物質の含有量が0.01〜1000重量部、好ましくは0.1〜100重量部、さらに好ましくは1〜50重量部とすることができる。
<水性組成物>
本明細書にいう水性組成物とは、水を含む組成物をいう。具体的には、水を組成物全体に対して10重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上、更に好ましくは40重量%以上、更により好ましくは50重量%以上、更により好ましくは60重量%以上、更により好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上含有するものを意味する。本発明によれば、水に対する溶解性が改善されるので、このように多量の水を含む組成物とすることができる。
<pH>
本発明の水性組成物のpHは特に限定されないが、より一層高い溶解性改善効果を得るという観点から、pH3〜10であるのが好ましく、pH5〜9であるのがより好ましく、pH7〜8であるのが特に好ましい。
本発明の水性組成物を調製する場合は、(A)ヒドロキシアルキル化キトサンと、(B)アニオン性水溶性高分子とを混合し、白濁が生じた後に、(C)塩基性物質及び/又はそれ以外の無機塩類を混合することで、溶解性を改善し、白濁を抑えた水性組成物を調製することが可能である。または、(A)ヒドロキシアルキル化キトサン、(B)アニオン性水溶性高分子及び(C)塩基性物質及び/又はそれ以外の無機塩類を、上記とは異なる順序で配合しても、又は同時に混合してもよく、配合順序を問わずに、溶解性を改善し、白濁を抑えた水性組成物を調製することが可能である。
本発明の水性組成物の用途は、特に限定されないが、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧料、食品、雑品等の、ヒトを始めとする哺乳動物に適用可能な任意の用途で使用され得る。具体的には、例えば、抗細菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、又は花粉やハウスダスト(ペット等の動物やヒトのフケ、真菌類、細菌類、ダニ、砂塵、繊維状物質等が混ざったもの)等のアレルゲンを低減化する抗アレルゲン剤、ヘアケア剤(例えば、シャンプー剤、リンス剤、トリートメント剤)、スキンケア剤、防虫剤、殺虫剤、手指用洗浄剤、フィルター用洗浄剤、衣料用洗浄剤、衣料用仕上げ剤(例えば、衣料用柔軟剤、洗濯糊、漂白剤)、ボディ用洗浄剤、鼻洗浄剤、洗眼剤、コンタクトレンズケア用剤が挙げられる。抗アレルゲン剤として用いられる場合において、本発明の水性組成物は、細菌、真菌、ウイルス、花粉又はハウスダスト等を、捕捉し、ブロックし及び/又はこれらの活性を低下させ得る。本発明の水性組成物は溶解性が改善されているので、例えば抗アレルゲン剤等としてヒトに塗布する態様で適用しても、皮膚上に沈殿物が残りにくく、白残りが抑制されるので好適である。
<剤型>
本発明の水性組成物の剤型は、特に限定されないが、例えば、液剤、ジェル剤、ローション剤、スプレー剤、エアゾール剤、燻煙剤、塗布剤、洗浄剤、仕上げ剤等を挙げることができる。好ましくは、より高い溶解性改善効果が一般に求められる液剤又はジェル剤である。
また、本発明の水性組成物は、溶解性に優れて沈殿の発生やその固化が抑制されることから、1回使い切りの製剤としてだけでなく、複数回にわたり使用されるマルチドーズ型製剤としても好適に用いられ得る。
<添加剤>
本発明の水性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬品、医薬部外品等として、あるいは化粧料、食品、雑品等として用いられ得る、公知の基剤又は担体と共に混合して組成物とすることができる。
基剤又は担体としては、流動パラフィン、スクワラン、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジンのようなシリコーン油;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリットのようなエステル類;エタノール、イソプロパノールのような低級アルコール;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルのようなグリコールエーテル;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、イソプレングリコールなどの多価アルコール;水などの水系基剤などが挙げられる。
基剤又は担体は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の水性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬品、医薬部外品等として、あるいは化粧料、食品、雑品等として用いられ得る、界面活性剤、油分、アルコール類、増粘剤、防腐剤、抗酸化剤、酸化防止剤、保存剤、キレート剤、pH調整剤、安定化剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤、分散剤、香料、着色剤、色素、水等の添加剤を配合することができる。添加剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタンのようなソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸プロピレングリコールのようなプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO−40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO−50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO−60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80などの硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンのようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテルのようなポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、オレイルアミンのようなアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンのようなシリコーン系界面活性剤;ラウリン酸塩、パルミチン酸塩、ココイルグルタミン酸塩、ヤシ油メチルアラニン塩、アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンラウリル硫酸塩のようなアニオン性界面活性剤、ラウリルジアミノエチルグリシン塩、ヤシ油脂肪酸ベタイン塩などの両性界面活性剤などが挙げられる。
油分としては、天然動植物油脂類、炭化水素油、エステル油、シリコーン油、高級アルコール、高級脂肪酸、動植物や合成の精油などが挙げられる。
天然動植物油脂類としては、例えば、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ油、牛脂、キリ油、小麦胚芽油、ゴマ油、米胚芽油、米糠油、サフラワー油、大豆油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、ヒマワリ油、豚脂、ブドウ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、モクロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、落花生油、ラノリン、卵黄油、ローズヒップ油等が挙げられる。
炭化水素油としては、パラフィン系炭化水素、オレフィン系炭化水素が用いられ、例えば、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、プリスタン、マイクロクリスタリンワックス、流動パラフィン、ワセリン等が挙げられる。
エステル油としては、合成エステル類、高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル類が用いられ、例えば、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、イソステアリン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、2−エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、乳酸セチル、乳酸テトラデシル、ミリスチン酸イソプリピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸フィトステリル、リンゴ酸ジイソステアリル、パラメトキシケイ皮酸エステル、テトラロジン酸ペンタエリスリット等が挙げられる。
シリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルシクロヘキサシロキサン、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、飽和または不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭素数12〜22の脂肪酸を用いることができ、例えば、イソステアリン酸、オキシステアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ラノリン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、ベントナイト、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、などが挙げられる。
防腐剤の好適な例としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。
抗酸化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられる。
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸、L−システイン塩酸塩などが挙げられる。
保存剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノールなどが挙げられる。
キレート剤としては、EDTA・2ナトリウム塩、EDTA・カルシウム・2ナトリウム塩などが挙げられる。
pH調整剤としては、無機酸(塩酸、硫酸など)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウムなど)、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなど)などが挙げられる。
安定化剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどが挙げられる。
溶解補助剤としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
懸濁化剤としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。
等張化剤としては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトールなどが挙げられる。
緩衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。
無痛化剤としては、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。
分散剤としては、例えば、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸架橋コポリマー、有機酸等が挙げられる。
着色剤としては、無機顔料、天然色素などが挙げられる。
本発明の水性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の有効成分を含むことができる。有効成分の具体例としては、例えば、保湿成分、パール光沢付与剤、コンディショニング剤、スクラブ剤、血行促進成分、収斂成分、紫外線吸収成分、紫外線散乱成分、洗浄成分、抗菌成分、抗炎症剤、ビタミン類、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、細胞賦活化成分などが挙げられる。
保湿成分としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジグリセリンのような多価アルコール;トレハロース、キシリトール、オリゴ糖のような糖類;ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、キトサンのような高分子化合物;グリシン、アスパラギン酸、アルギニンのようなアミノ酸;乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウムのような天然保湿因子;セラミド、コレステロール、リン脂質のような脂質;カミツレエキス、ハマメリスエキス、チャエキス、シソエキスのような植物抽出エキスなどが挙げられる。
パール光沢付与剤としては、例えば、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコールなどが挙げられる。
コンディショニング剤としては、例えば、カチオン化セルロース、カチオン化澱粉、カチオン化フェヌグリークガム、カチオン化グアーガム、カチオン化タラガム、カチオン化ローカストビーンガム、カチオン化キサンタンガム、ジアリル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、ポリクオタニウム、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体等が挙げらる。
スクラブ剤としては、例えば、アプリコット核粉末、アーモンド殻粉末、アンズ核粉末、塩化ナトリウム粒、オリーブ核粉末、海水乾燥物粒、キャンデリラワックス、くるみ殻粉末、さくらんぼ核粉末、サンゴ粉末、炭粉末、はしばみ殻粉末、ポリエチレン末、無水ケイ酸等が挙げられる。
血行促進剤としては、例えば、アセチルコリン、イクタモール、カフェイン、カプサイシン、カンタリスチンキ、ガンマーオリザノール、ショオウキョウチンキ、ジンゲロン、セファランチン、センブリエキス、タンニン酸、トウガラシチンキ、トラゾリン、ニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸ベンジルエステル等が挙げられる。
収斂成分としては、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛及びタンニン酸等が挙げられる。
紫外線吸収成分としては、オクチルトリアゾン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、メトキシケイヒ酸オクチル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルなどが挙げられる。
紫外線散乱成分としては、含水ケイ酸、ケイ酸亜鉛、ケイ酸セリウム、ケイ酸チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化鉄、無水ケイ酸等の無機化合物、それらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカやタルク等の無機粉体で被覆したり、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、さらにシリコン油や脂肪酸アルミニウム塩等で処理したものなどが挙げられる。
洗浄成分としては、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム又はステアリン酸カリウムなどのアルカリ金属塩、アルカノールアミド塩またはアミノ酸塩などの石けん類、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルメチルタウリンナトリウムなどのアミノ酸系界面活性剤、ラウレス硫酸ナトリウムなどのエーテル硫酸エステル塩、ラウリルエーテル酢酸ナトリウムなどのエーテルカルボン酸塩、アルキススルホコハク酸エステルナトリウムなどのスルホコハク酸エステル塩、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸時エタノールアミドなどの脂肪酸アルカノールアミド、ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウムなどのモノアルキルリン酸エステル塩、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタインおよびラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウムなどのベタイン型両性界面活性剤、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムなどのアミノ酸型両性界面活性剤などが挙げられる。
抗菌成分としては、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸およびその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2−ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン、ピロクトオラミン、ミコナゾールなどが挙げられる。
抗炎症剤としては、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体、アラントイン、アズレン、アミノカプロン酸及びヒドロコルチゾン等が挙げられる。
ビタミン類としては、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム等のビタミンE類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類;ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、ニコチン酸1−(4−メチルフェニル)エチル等のニコチン酸類;アスコルビゲン−A、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、ジパルミチン酸L−アスコルビルなどのビタミンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなどのビタミンD類;フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類、γ−オリザノール、ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩;チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、チアミントリリン酸エステルモノリン酸塩等のビタミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類;シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;葉酸、プテロイルグルタミン酸等の葉酸類;ニコチン酸、ニコチン酸アミドなどのニコチン酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテサイン、D−パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類;ビオチン、ビオチシン等のビオチン類;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム等のアスコルビン酸誘導体であるビタミンC類;カルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、オロット酸等のビタミン様作用因子などが挙げられる。
ペプチド又はその誘導体としては、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、アシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチド等)などが挙げられる。
アミノ酸又はその誘導体としては、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、β−アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒスチジン、タウリン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、クレアチン等が挙げられる。
細胞賦活化成分としては、γ-アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸などのアミノ酸類、レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類、グリコール酸、乳酸などのα-ヒドロキシ酸類、タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、感光素301号などが挙げられる。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<試験例1:溶解性改善効果の評価(1)>
下記表1に示す処方に従い、精製水に各原料を添加・混合することにより、実施例1〜3及び比較例1〜3の製剤を調製した。(A)ヒドロキシアルキル化キトサンには、ヒドロキシエチルキトサン(商品名:アクアクラスター(2%液)、一丸ファルコス社製)を用い、(B)アニオン性水溶性高分子には、ヒアルロン酸ナトリウム(商品名:ヒアルロン酸FCH-120、キッコーマンバイオケミファ社製)、アルギン酸ナトリウム(商品名:キミカアルギンI-S、キミカ社製)、カルボキシビニルポリマー(商品名:カーボポール980、日光ケミカルズ社製)を用いた。
先ず、ベースとなる精製水に各種アニオン性水溶性高分子を添加して一晩攪拌を行った。翌日、ヒドロキシエチルキトサンを添加して白濁を確認した後、その他の成分を各々添加することで調製を行った。これらの調製作業は全て室温にて実施した。
次いで、調製した各被験製剤について、目視での確認と可視光透過率の測定により溶解性改善度の評価を行った。可視光透過率(%)の測定は、UVspectrophotometer UV-2450((株)島津製作所製)を添付の使用説明書に従って、600nmにおける可視光透過率を測定することによって実施した。この結果を、下記表1の最下欄に併せて示す。また、混合後の各被験製剤の状態を撮影した写真を図1に示す。
表1及び図1に示す結果より明らかなように、ヒドロキシアルキル化キトサン(ヒドロキシエチルキトサン)とアニオン性水溶性高分子(ヒアルロン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー)を単純に混合した比較例1〜3の製剤では、可視光透過率が低く、写真(図1)を見ても明らかに白濁が生じていることが分かる。一方、全く予想外のことに、ヒドロキシエチルキトサンとアニオン性水溶性高分子の組合せに更に塩基性物質(リン酸水素二ナトリウム)を配合した実施例1〜3の製剤では、可視光透過率が大幅に改善され、写真(図1)を見ても溶解性が改善されて澄明な水溶液となっていることが明らかである。
<試験例2:溶解性改善効果の評価(2)>
上記試験例1と実質的に同じ手法により、下記表2に示す各被験製剤(実施例4〜8、及び比較例4〜8)の製剤を調製し、溶解性改善度の評価を行った。各被験製剤は、最初に精製水と1,3-ブチレングリコールを混合したものにアニオン性水溶性高分子(ヒアルロン酸ナトリウム)を添加した以外は、前記試験例1と同様の方法で調製を行った。可視光透過率(%)の結果を下記表2の最下欄に併せて示す。また、混合後の各被験製剤の写真を図2に示す。
表2及び図2に示す結果より明らかなように、本試験例においても、上記試験例1と同様に、ヒドロキシアルキル化キトサン(ヒドロキシエチルキトサン)及びアニオン性水溶性高分子(ヒアルロン酸ナトリウム)を単純に組み合わせた比較例4では、可視光透過率が低く白濁を生じた。しかし、ヒドロキシアルキル化キトサン(ヒドロキシエチルキトサン)及びアニオン性水溶性高分子(ヒアルロン酸ナトリウム)に、強塩基と弱酸との無機塩からなる塩基性物質(リン酸水素二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム・二水和物)、又はアミン化合物からなる塩基性物質(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)を配合することにより、可視光透過率は大幅に改善し、溶解性が改善されて澄明な水溶液となった。
また、他の性質を有する物質を併用した場合にも同様の溶解性改善効果が認められるかについて確認を行ったところ、塩基性物質以外の無機塩類(塩化カルシウム・二水和物、塩化マグネシウム・六水和物)を併用した場合にも溶解性改善効果が認められた。一方、酸性物質(クエン酸(結晶物)、リン酸二水素ナトリウム)やキレート剤(酒石酸、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム)を併用した場合には、反って白濁がひどくなり溶解性は低下することが認められた。
以上の結果を総合的に考慮すると、ヒドロキシアルキル化キトサンとアニオン性水溶性高分子を併用した場合に生じる白濁を抑制するためには、塩基性物質又はそれ以外の無機塩類、とりわけ塩基性物質を選択して併用することが重要であることが分かる。
<試験例3:溶解性改善効果の評価(3)>
上記試験例1と実質的に同じ手法により、下記表3に示す各被験製剤(実施例9〜13、及び比較例9)の製剤を調製し、溶解性改善度の評価を行った。各被験製剤は、上記試験例2と実質的に同じ方法で調製した。可視光透過率(%)の結果を下記表3の最下欄に併せて示す。また、混合後の各被験製剤の写真を図3に示す。
表3及び図3に示す結果より明らかなように、本試験例においても、ヒドロキシアルキル化キトサン(ヒドロキシエチルキトサン)及びアニオン性水溶性高分子(アルギン酸ナトリウム)と共に、塩基性物質(リン酸水素二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム・二水和物、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、又は無機塩類(塩化カルシウム・二水和物、塩化マグネシウム・六水和物)を併用することにより溶解性が改善されることが分かる。
<試験例4:溶解性改善効果の評価(4)>
上記試験例1と実質的に同じ手法により、下記表4に示す各被験製剤(実施例14〜18、及び比較例10)の製剤を調製し、溶解性改善度の評価を行った。各被験製剤は、上記試験例2と実質的に同じ方法で調製した。可視光透過率(%)の結果を下記表4の最下欄に併せて示す。また、混合後の各被験製剤の写真を図4に示す。
表4及び図4に示す結果より明らかなように、本試験例においても、ヒドロキシアルキル化キトサン(ヒドロキシエチルキトサン)及びアニオン性水溶性高分子(カルボキシビニルポリマー)と共に、塩基性物質(リン酸水素二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム・二水和物、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、又は無機塩類(塩化カルシウム・二水和物、塩化マグネシウム・六水和物)を併用することにより溶解性が改善されることが分かる。
<製剤処方例>
(A)ヒドロキシアルキル化キトサンと、(B)アニオン性水溶性高分子と、(C)塩基性物質及び前記塩基性物質以外の無機塩類からなる群より選択される少なくとも1種とを含有する液剤、ジェル剤又はスプレー剤を下記の処方により調製する。これらの液剤、ジェル剤又はスプレー剤は、溶解性が改善されているので、例えば人に対して液剤あるいはジェル剤を塗布、又はスプレー剤を噴霧する場合、皮膚等に沈殿物が残りにくく、白残りが抑制されることが期待される。