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JP6006882B2 - アシストグリップ - Google Patents
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Description

本発明は、乗降時や乗車中等に乗員が把持するアシストグリップに関するものである。
例えば、特許文献1には、車両の前後方向に長尺なアシストグリップの前端部を車体にボルトで固定する一方、後端部にスライドベース部を設け、かかるスライドベース部と車体に固定されたリテーナとをスライド可能に嵌合させ、さらに後端部の内部に別体の衝撃吸収体を設けたアシストグリップが開示されている。
一般的に、車両の側面衝突等の際に、乗員の体の一部(例えば、頭部等)がアシストグリップに衝突すると、アシストグリップに車内側から車外側へ向かう押圧荷重が加わり、アシストグリップの前後端部を互いに離間させる方向の力が作用する。
かかる場合、特許文献1の発明では、スライドベース部がリテーナに対し後方へスライド移動する結果、後端部が車体に対し後方へスライド移動するため、衝突エネルギーが吸収される。さらに、特許文献1の発明では、衝撃吸収体が潰れ変形するため、衝突エネルギーが吸収される。
特開2001−39195号公報
しかしながら、特許文献1のアシストグリップでは、スライドベース部、リテーナ、衝撃吸収体等が必要であるため、部品点数が増加してしまい、コストの増加を招く問題がある。
本発明は、このような観点から創案されたものであり、コストを低減して衝突エネルギーを吸収可能なアシストグリップを提供することを課題とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、車室内に設置され、乗員が把持するアシストグリップであって、アシストグリップ本体と、前記アシストグリップ本体の両端部にそれぞれ設けられた取付座と、を備え、前記取付座は、前記アシストグリップ本体と車体とを固定する固定具が挿通される挿通孔と、前記挿通孔よりも内側に形成され、前記挿通孔に連通する第1切欠部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、取付座は、固定具が挿通される挿通孔よりも内側に形成され、挿通孔に連通する第1切欠部を有するため、車両の側面衝突等の際に、乗員がアシストグリップ本体に衝突すると、第1切欠部が固定具側へ移動し、取付座周辺が第1切欠部側を中心にして内側へ倒れるように変形する。この結果、アシストグリップ本体が車外側へ好適に撓むため、衝突エネルギーを吸収できる。したがって、余計な部品を設ける必要はなく、切欠部を形成するだけでよいため、コストを低減できる。
また、前記取付座は、前記挿通孔内に配置され、前記固定具が挿通されるカラーと、前記固定具の挿通方向で前記第1切欠部と重なるように前記カラーの外周に沿って形成され、前記カラーの移動を規制する規制部と、を有する構成とするのが好ましい。
かかる構成によれば、取付座は、固定具の挿通方向で第1切欠部と重なるようにカラーの外周に沿って形成され、カラーの移動を規制する規制部を有するため、通常使用時のアシストグリップの引張荷重に対する剛性を確保できる。すなわち、切欠部を設けた場合であっても、切欠部による剛性の低下を規制部によって補強できると共に、カラーの位置ズレによる剛性の低下を抑制できる。
また、前記取付座は、前記第1切欠部よりも内側に形成され、前記第1切欠部よりも切欠量が多い第2切欠部を有する構成とするのが好ましい。
かかる構成によれば、取付座は、第1切欠部よりも内側に形成され、第1切欠部よりも切欠量が多い第2切欠部を有するため、取付座周辺がより一層内側へ倒れるように変形しやすくなる。そのため、アシストグリップ本体が車外側へ撓みやすくなり、衝突エネルギーの吸収性能を高めることできる。また、第2切欠部周辺が固定具側へ近付くように潰れ変形するため、衝突エネルギーをより一層吸収できる。
本発明によれば、コストを低減して衝突エネルギーを吸収可能なアシストグリップを提供することができる。
本発明の実施形態に係るアシストグリップが設置された車室内を運転席側から見た概略側面図である。 アシストグリップを示す斜視図である。 図2のI−I線断面図である。 カバーを開けた状態を示す断面図である。 アシストグリップの取付座の端面を法線方向から見た平面図である。 乗員衝突時のアシストグリップを示す斜視図である。 乗員衝突時の取付座周辺を示す断面図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図中に矢印で示される、「前後」及び「上下」は、車両の前後方向及び上下方向を示し、「左右」は、運転席から見た左右方向をそれぞれ示している。また、以下の説明では、アシストグリップのアーチの内側を「内側」といい、アーチの外側を「外側」という。本実施形態では、左ハンドル車の助手席にアシストグリップを設置した場合を例にとって説明する。
図1に示すように、アシストグリップ1は、車室60内のサイドウィンドウ61の上縁に沿って設置されている。アシストグリップ1は、乗降時や乗車中に乗員が体を支えるために把持する部材である。アシストグリップ1は、例えば、ポリプロピレン等の樹脂材料からなり、ガスインジェクションで成型される。なお、図1中の符号62は助手席、符号63は右前ドア、符号64はフロントウィンドウ、符号65はルームミラーを示す。
図2に示すように、アシストグリップ1は、乗員が手を掛ける前後方向に長尺状のアシストグリップ本体2と、アシストグリップ本体2の長手方向両端部2A,2Bにそれぞれ設けられた取付座3と、を備える。アシストグリップ1には、通常使用時に主として下向きの引張荷重F1が加わり、乗員衝突時に主として車内側から車外側へ向かう押圧荷重F2が加わる。図3に示すように、アシストグリップ1は、取付座3を、ルーフライニング5を介してルーフサイドレール4に突き当ててボルトBで締結固定されている。なお、アシストグリップ1は、長手方向両端部2A,2Bで対称形状を有するため、長手方向一端部(前端部)2Aについて詳細に説明し、長手方向他端部(後端部)2Bについての説明を省略する。
アシストグリップ本体2は、図2に示すように、長手方向両端部2A,2Bよりも中央側が車内側へ張り出したアーチ状(略コ字状,略U字状)に形成されている。アシストグリップ本体2の端部側には、図3に示すように、ボルトBの頭部に臨む収容部21が形成されている。アシストグリップ本体2の端部外側には、収容部21を開放乃至閉塞するカバー22が設けられている。カバー22は、図4に示すように、取付座3との連続部位に薄肉部23を有し、かかる薄肉部23を中心にして回動可能となっている。このような構成により、カバー22を開けて、ボルトBの締結作業を簡便に遂行できる。
取付座3は、図3に示すように、ボルトBが挿通される挿通孔31と、挿通孔31内に配置されたカラー32と、挿通孔31よりも内側に形成されて挿通孔31に連通する第1切欠部33と、ボルトBの軸方向(挿通方向)で第1切欠部33と重なるようにカラー32の外周に沿って形成された規制部34と、第1切欠部33及び規制部34よりも内側に形成された第2切欠部35と、挿通孔31よりも外側に形成された爪部36と、規制部34の両側に形成された一対のリブ37(図5参照)と、を有する。なお、図5では、切欠や孔等をドットハッチングで示している。
挿通孔31は、図3に示すように、ルーフサイドレール4側に開口した円形状の貫通孔である。挿通孔31の車内側は、収容部21に連通している。挿通孔31の車内側の端部には、他の部位よりも縮径した鍔部38が形成されている。
なお、車体骨格部材であるルーフサイドレール4にも、挿通孔31に対応する位置にボルト挿通孔41が貫通して形成されている。ボルト挿通孔41の裏側には、ボルトBが螺合するナットNが溶接で接合されている。また、ルーフサイドレール4には、爪部36が挿入される挿入孔42が貫通して形成されている。車体内装材であるルーフライニング5には、ボルト挿通孔41や挿入孔42を露出させるための貫通孔51が貫通して形成されている。
カラー32は、図3に示すように、ボルトBの軸部が挿通される円筒状の部材である。カラー32は、鍔部38とルーフサイドレール4との間に配置されている。
第1切欠部33は、図3に示すように、挿通孔31の周壁の一部をボルトBの軸方向に所定長だけ切り欠いて形成され、ルーフサイドレール4側に開口した脆弱部位である。第1切欠部33は、図5に示すように、取付座3の端面の法線方向から見ると、挿通孔31やカラー32の外周の一部に沿った円弧状に形成されている。第1切欠部33の引張荷重方向に沿った寸法D1は、挿通孔31の直径寸法D2よりも小さく形成されている。このような構成により、第1切欠部33による引張荷重方向の剛性の低下を軽減できる。寸法D1は、直径寸法D2よりも大きくしてもよいし、直径寸法D2と同等にしてもよい。なお、第1切欠部33の深さや開口面積等を適宜変更することで、アシストグリップ1の衝撃吸収性能を調整することができる。
規制部34は、通常使用時の引張荷重F1に対する剛性を上げると共に、カラー32の移動(位置ズレ)を規制する壁状部位である。規制部34は、第1切欠部33よりもルーフサイドレール4から離れた位置(車内側)に設けられている。規制部34は、図5に示すように、取付座3の端面の法線方向から見ると、挿通孔31やカラー32の外周の一部に沿った円弧状に形成されている。挿通孔31や規制部34の引張荷重方向に沿った両側には、四角形状の孔部39が貫通して形成されている。
第2切欠部35は、図3に示すように、ボルトBの軸方向に所定長だけ切り欠いて形成され、ルーフサイドレール4側に開口した脆弱部位である。第2切欠部35は、アシストグリップ1の内側の壁部1Aに近接して設けられている。第2切欠部35は、第1切欠部33よりも深く切り欠いて形成されている。第2切欠部35は、図5に示すように、取付座3の端面の法線方向から見ると、引張荷重方向に縦長の略半円状に形成されている。第2切欠部35の外側中央は、第1切欠部33の内側部位に連通している。第2切欠部35は、挿通孔31や第1切欠部33よりも開口面積が大きく形成されている。本実施形態では、第1切欠部33よりも切欠量の多い第2切欠部35を有するので、後記するように取付座3周辺がより一層内側へ傾倒しやすくなり、衝突エネルギーの吸収性能を向上させることができる。つまり、第2切欠部35の深さや開口面積等を適宜変更することで、アシストグリップ1の衝撃吸収性能を調整することができる。
爪部36は、図3に示すように、取付座3の端面から他の部位よりも所定長だけルーフサイドレール4側へ突出して形成された部位である。爪部36は、挿通孔31を間に挟んで第1切欠部33や第2切欠部35と反対側に設けられている。本実施形態では、ボルトBと爪部36を用いて2点でアシストグリップ1をルーフサイドレール4に固定しているが、固定方法はこれに限定されるものではない。
リブ37は、図5に示すように、引張荷重方向に沿って延設され、通常使用時の引張荷重F1に対する剛性を上げる壁状部位である。リブ37は、第2切欠部35と孔部39との間にそれぞれ設けられている。本実施形態では、一対のリブ37と規制部34とによって、引張荷重方向に沿った高剛性部位が第1切欠部33や第2切欠部35の近傍に形成されている。
本実施形態に係るアシストグリップ1は、基本的に以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果について説明する。
図6に示すように、車両の側面衝突等の際に、乗員Mの頭部M1がアシストグリップ本体2の中央側に衝突すると、アシストグリップ本体2に車内側から車外側へ向かう押圧荷重F2が加わり、取付座3同士を互いに離間させる方向の力F3(取付座3周辺を外側へ移動させる力)が作用する。
このとき、本実施形態では、図7に示すように、取付座3が、挿通孔31よりも内側に形成されて挿通孔31に連通する第1切欠部33を有するため、第1切欠部33がボルトBやカラー32側へ移動し、取付座3周辺が第1切欠部33側を中心にして内側へ倒れるように変形する。この結果、図6に示すように、アシストグリップ本体2が車外側へ好適に撓むため、衝突エネルギーを吸収できる。
また、本実施形態では、図7に示すように、取付座3が、第1切欠部33よりも内側に形成されて第1切欠部33よりも切欠量が多い第2切欠部35を有するため、取付座3周辺がより一層内側へ倒れるように変形しやすくなる。そのため、アシストグリップ本体2が車外側へ撓みやすくなり、衝突エネルギーの吸収性能を高めることができる。
さらに、第2切欠部35周辺がボルトBやカラー32側へ近付くように潰れ変形するため、衝突エネルギーをより一層吸収できる。
したがって、本実施形態では、余計な部品を設ける必要はなく、第1切欠部33や第2切欠部35を形成するだけでよいため、コストを低減できる。
さらに、本実施形態では、取付座3が、ボルトBの軸方向で第1切欠部33と重なるようにカラー32の外周に沿って形成され、カラー32の移動を規制する規制部34を有するため、通常使用時のアシストグリップ1の引張荷重F1に対する剛性を確保できる。すなわち、第1切欠部33や第2切欠部35を設けた場合であっても、これらの第1切欠部33や第2切欠部35による剛性の低下を規制部34によって補強できると共に、カラー32の位置ズレによる剛性の低下を抑制できる。
以上のように、本実施形態では、乗員衝突時の衝突エネルギーの吸収性能と、通常使用時の引張荷重F1に対する剛性の確保とを両立させることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本実施形態では、アシストグリップ1を左ハンドル車の助手席に設置したが、右ハンドル車の座席に設置してもよいし、後部座席に設置してもよい。
1 アシストグリップ
2 アシストグリップ本体
2A,2B 長手方向両端部
3 取付座
31 挿通孔
32 カラー
33 第1切欠部
34 規制部
35 第2切欠部
4 ルーフサイドレール(車体)
5 ルーフライニング
60 車室
B ボルト(固定具)
N ナット
F1 引張荷重
F2 押圧荷重
M 乗員

Claims (3)

  1. 車室内に設置され、乗員が把持するアシストグリップであって、
    アシストグリップ本体と、
    前記アシストグリップ本体の両端部にそれぞれ設けられた取付座と、を備え、
    前記取付座は、
    前記アシストグリップ本体と車体とを固定する固定具が挿通される挿通孔と、
    前記挿通孔よりも内側に形成され、前記挿通孔に連通する第1切欠部と、を有することを特徴とするアシストグリップ。
  2. 前記取付座は、
    前記挿通孔内に配置され、前記固定具が挿通されるカラーと、
    前記固定具の挿通方向で前記第1切欠部と重なるように前記カラーの外周に沿って形成され、前記カラーの移動を規制する規制部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のアシストグリップ。
  3. 前記取付座は、
    前記第1切欠部よりも内側に形成され、前記第1切欠部よりも切欠量が多い第2切欠部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアシストグリップ。
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